JPH0670253U - 光起電力モジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 複数の光起電力素子８を並べて接続するのが
容易で、且つ高い接続強度が得られ、しかも光起電力素
子の配列状態を強固に安定して保持でき、多数の光起電
力素子８を配列した大型の光起電力モジュールを容易に
得る。 【構成】 矩形の光起電力素子８、８の端部をフレーム
継手６の両側の溝状の凹部６ａ、６ａに嵌合すること
で、フレーム継手６を介して一対の光起電力素子８、８
を互いに固定する。この状態でフレーム継手６の両側の
凹部６ａ、６ａに嵌合された光起電力素子８、８の端部
にある出力電極２ａ、４ａが、フレーム継手６の凹部６
ａ、６ａに形成された接続電極６ｃ、６ｃと同継手６を
貫通した設けられた接続導体６ｂとを介して互いに接続
される。複数の光起電力素子８をフレーム継手６の長手
方向に列べてそれらの端部を凹部６ａに嵌合することも
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光の照射により起電力を発生する光起電力素子を配列して接続して なる光起電力モジュールに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、非晶質半導体を用いた光起電力素子は、矩形の透光性基板と、この透 光性基板の上に被着した透明電極と、この透明電極の上に成膜したｐ−ｉ−ｎ接 合の非晶質半導体層と、この非晶質半導体層の上に被着したニッケル、アルミニ ウム等の背面電極とを積層することにより形成されている。通常は、前記非晶質 半導体層を挟んで透明電極と背面電極とを積層・成膜した発電区域が複数形成さ れ、これらの発電区域が直列に接続されると共に、これら発電区域からの出力は 、各々非晶質半導体層の外に導出された透明電極と金属電極の延出部、すなわち 出力電極から出力される。この一対の出力電極は、何れも基板の同じ面に設けら れている。 さらに、前記基板の上には、前記出力電極が外部に露出する様に、エポキシ樹 脂等を主成分とする樹脂材が塗布し、硬化されて、保護膜が形成され、前記素子 のほぼ全体が覆われる。

【０００３】 また、結晶半導体を用いた光起電力素子は、矩形の結晶半導体の背面全面にア ルミニウム膜等で一方の出力電極となる背面電極を設けると共に、結晶半導体の 光入射面側に櫛形電極を形成し、この櫛形電極の出力電極を結晶半導体の一端側 に設けたものである。この結晶半導体を用いた光起電力素子では、背面電極とそ の反対側の出力電極との間で電力を得る。

【０００４】

【考案が解決しようとしている課題】

このような光起電力素子を複数個用いて、それらを縦横に並べると共に、それ らの出力電極を接続し、光発電パネル等の光起電力モジュールを構成するような 場合に、前記光起電力素子の出力電極を結線する必要がある。ところが、光起電 力素子の発電に寄与する受光面積をできるだけ広くとる目的から、出力電極は、 極めて小面積に形成されている。そのため、出力電極間の接続強度が不十分で、 振動等による断線のトラブルが発生しやすいと共に、接続抵抗も高く、電力のロ スが生じ易い。特に、結晶半導体を用いた光起電力モジュールの場合、光が入射 する側の出力電極とその裏面側の背面電極との間で結線しなければならないため 、結線作業が複雑で作業性が悪く、個々の光起電力素子を接続する結線が長くな り、接続抵抗が大きいという課題があった。 このため、多数の光起電力素子を配列した大型の光起電力素子を得るのが困難 であった。

【０００５】 そこで本考案の目的は、上述の従来の問題点に鑑み、複数の光起電力素子を並 べて接続するのが容易で、且つ高い接続強度が得られ、しかも光起電力素子の配 列状態を強固に安定して保持でき、多数の光起電力素子を配列した大型の光起電 力モジュールが容易に得られるようにするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、前記目的を達成するため、本考案において採用した手段は、全体に 矩形を呈する光起電力素子８、８を配列して接続した光起電力モジュールにおい て、両側に溝状の凹部６ａ、６ａを有する長尺なフレーム継手６と、このフレー ム継手６の両側の凹部６ａ、６ａに両端部を嵌合した光起電力素子８、８とを有 し、前記フレーム継手６の両側の凹部６ａ、６ａに接続電極６ｃ、６ｃが各々形 成されると共に、これら接続電極６ｃ、６ｃは、フレーム継手６を貫通する接続 導体６ｂにより互いに導通され、両側の凹部６ａ、６ａに嵌合された前記光起電 力素子８、８の端部にある出力電極２ａ、４ａが前記接続電極６ｃ、６ｃ及び接 続導体６ｂを介して互いに接続されていることを特徴とする光起電力モジュール である。

【０００７】

【作用】 本考案による前記光起電力モジュールでは、矩形の光起電力素子８、８の端部 をフレーム継手６の両側の凹部６ａ、６ａに嵌合することで、フレーム継手６を 介して一対の光起電力素子８、８を互いに固定することができる。そして、この 固定状態で、フレーム継手６の両側の凹部６ａ、６ａに嵌合された光起電力素子 ８、８の端部にある出力電極２ａ、４ａが、フレーム継手６の接続電極６ｃ、６ ｃと接続導体６ｂとを介して互いに接続されるため、これら光起電力素子８、８ が接続される。また、フレーム継手６は、長尺であるため、複数の光起電力素子 ８をその長手方向に列べてそれらの端部を凹部６ａに嵌合することで、複数の光 起電力素子８を固定することもできる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。 まず、図１〜図３で示された実施例について説明すると、これは非晶質半導体 を用いた光起電力素子８を配列した光起電力モジュールの例であり、図１では、 光起電力素子８の保護膜５を一部切り開いて示している。 例えば、青板ガラス等から成る透光性絶縁基板１の表面に、透明電極２が形成 されている。この透明電極２は、例えば酸化インジュウム錫（ＩＴＯ：Indium T in Oxide）や酸化錫（ＳｎＯ₂ ）からなり、レジスト印刷法あるいはホトリソグ ラフィ法等の手段により、所定のパターンに成膜される。この透明電極２は、光 起電力素子の光入射側電極となる。また、末端の透明電極２の端部は、透光性絶 縁基板１の端部に延びており、その延出部は該光起電力モジュールの正極側の出 力電極２ａとなる。この透明電極２は、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、 スプレー法等によって被着形成される。

【０００９】 前記透明電極２の上に、プラズマＣＶＤ法により、非晶質半導体膜３を、Ｐ層 、ｉ層、ｎ層の順に形成する。例えばＰ層は、ホストガスとしてモノシランガス （ＳｉＨ₄ ）を、ドーピングガスとしてジボランガス（Ｂ₂Ｈ₆）を、希釈ガスと して水素ガス（Ｈ₂ ）を各々使用し、約１００オングストローム程度の膜厚に形 成される。ｉ層は、モノシランガス（ＳｉＨ₄ ）と希釈ガスに水素ガス（Ｈ₂ ） を使用し、約５０００オングストローム程度の膜厚に成膜される。そしてｎ層は 、ホストガスとしてモノシランガス（ＳｉＨ₄ ）を、ドーピングガスとしてホス フィンガス（ＰＨ₃ ）を、希釈ガスとして水素ガス（Ｈ₂ ）を各々使用し、約３ ００オングストローム程度の膜厚に成膜される。

【００１０】 この様にして形成された前記非晶質半導体膜３の上に、金属膜から成る背面電 極４が形成される。すなわち、スクリーン印刷法等により、導電ペーストを前記 非晶質半導体槽３の上に印刷し、焼き付けて背面電極４を形成する。このとき、 同背面電極２の一辺側を隣接する発電区域の透明電極２の一辺に一部重ねて接続 する。これにより、非晶質半導体層３が透明電極２と背面電極４とで挟まれた複 数の発電区域が直列に接続され、図１に示すような非晶質半導体光起電力モジュ ールが構成される。また、末端の背面電極４は、透光性絶縁基板１の他端側に延 びており、光起電力モジュールの負の出力電極４ａを形成する。 さらに、出力電極２ａ、４ａを除いて、これら全発電区域にエポキシ樹脂樹脂 が塗布され、硬化されて、保護膜５が形成される。

【００１１】 本考案では、このような光起電力素子８、８を配列して接続するため、図１〜 図３に示すようなフレーム継手６が用いられる。このフレーム継手６は、セラミ スクや樹脂等の絶縁材で形成され、その両側に溝状の凹部６ａ、６ａを設けた長 尺なもので、端面は横Ｈ字形を呈している。凹部６ａ、６ａの対向する上下の壁 面間隔は、光起電力素子８の端部の厚みとほぼ同じに設定されている。

【００１２】 このフレーム継手６の両側の凹部６ａ、６ａには、導電ペーストの塗布と焼付 けやメッキ等のメタライズ手段、或は金属板の貼り着け等の手段により、接続電 極６ｃ、６ｃが形成されている。さらに、この両側の凹部６ａ、６ａに形成され た接続電極６ｃ、６ｃは、フレーム継手６の凹部６ａ、６ａの間の部分を貫通す る接続導体６ｂを介して互いに接続されている。図示の接続導体６ｂは、フレー ム継手６に設けた貫通孔に導体を埋め込むことにより形成されているが、接続電 極６ｃ、６ｃが導体膜からなる場合は、貫通孔の周壁に設けた導体膜により接続 導体６ｂを形成してもよい。これら接続電極６ｃ、６ｃと接続導体６ｂとは、フ レーム継手６の長手方向に沿って光起電力素子８の１個分幅或はそれ以上の間隔 で設けられている。

【００１３】 これらフレーム継手６に設けられた複数組の接続電極６ｃ、６ｃと接続導体６ ｂとは、必ずしも接続する必要はないが、後述するように、フレーム継手６の長 手方向に列べられた複数の光起電力素子８を並列接続する場合は、フレーム継手 ６の内部の長手方向に設けられた接続導体６ｄ（図２及び図３参照）で互いに接 続しておく。また、接続電極６ｃ、６ｃをフレーム継手６に沿って一連に長く形 成することでも同様の並列接続が可能である。

【００１４】 この継手フレーム６の両側の凹部６ａ、６ａに前記光起電力素子８、８の端部 を嵌め込む。この場合、フレーム継手６の両側の凹部６ａ、６ａには、異なる極 性の出力電極２ａ、４ａが導出された側の端部が各々嵌合される。これにより、 これら出力電極２ａ、４ａが凹部６ａ、６ｂの中に形成された接続電極６ｃ、６ ｃ及び接続導体６ｂを介して互いに接続される。これにより、継手フレーム６の 両側の凹部６ａ、６ａに嵌合された２つの光起電力素子８、８が直列に接続され る。

【００１５】 また、図３に示されたように、何れも同じ極性の出力電極２ａ、４ａが同じ方 向に向くように複数の光起電力素子８、８…をフレーム継手６の長手方向に沿っ て列べて、その端部を同フレーム継手６の凹部６ａ、６ａに嵌合することもでき る。このように、フレーム継手６の同じ側の凹部６ａ、６ａに嵌合された光起電 力素子８、８…は、フレーム継手６の内部の長手方向に沿って形成された接続導 体６ｄを介して並列に接続される。すなわち、図３におけるＹ方向、つまりフレ ーム継手６の長手方向が並列接続される方向であり、Ｘ方向、つまりフレーム継 手６と直交する方向が直列接続される方向である。

【００１６】 図４と図５は、矩形の結晶半導体を用いた光起電力素子１２を配列した光起電 力モジュールの例である。この光起電力素子１２は、矩形の結晶半導体１１の背 面全面にアルミニウム膜等で一方の出力電極となる背面電極１３を設けると共に 、結晶半導体１１の光入射面側に櫛形電極１５を形成し、この櫛形電極１５の出 力電極１６を結晶半導体１１の一端側に設けている。

【００１７】 この実施例でも、結晶半導体１１の端部が前記のようなフレーム継手６の凹部 ６ａ、６ａに嵌合されている。但しここでは、フレーム継手６の一方の凹部６ａ では、接続電極６ｃが同凹部６ａの中央から下側にのみ形成され、他方の凹部６ ａでは、接続電極６ｃが同凹部６ａの中央から上側にのみ形成され、それらの凹 部６ａの中央部分がフレーム継手６を貫通する接続導体６ｂを介して接続されて いる。従って、フレーム継手６の両側の凹部６ａ、６ｂに嵌合された２つの光起 電力素子１２、１２は、背面電極１３と出力電極１６とが前記接続電極６ｃ、６ ｃと接続導体６ｂとを介して接続される。

【００１８】 なお、フレーム継手６の同じ側の凹部６ａ、６ａに、その長手方向に列べた光 起電力素子１２の端部を嵌合することができるのは、前述の実施例と同じである 。 図６は、フレーム継手６の端面形状の他の例を示している。すなわち、同図（ ａ）は、凹部６ａの奥の壁面が曲面となったものであり、同図（ｂ）は、凹部６ ａ、６ａの差込口の間隔が狭くなったものである。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案によれば、フレーム継手６を介して一対の光起電力 素子８、８を互いに固定することができると共に、これら光起電力素子８、８の 出力電極２ａ、４ａが、フレーム継手６の接続電極６ｃ、６ｃと接続導体６ｂと を介して互いに接続されるため、組立が容易で、且つ高い接続強度が得られる。 フレーム継手６を複数本使用することにより、複数の光起電力素子８をフレーム 継手６と直交する方向に多数固定し、且つ接続できると共に、複数の光起電力素 子８をフレーム継手６の長手方向に列べて、それらの端部を凹部６ａに嵌合する こともできるので、多数の光起電力素子８、８…を一体にした大型の光起電力モ ジュールを容易に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一の実施例を示す光起電力モジュー
ルの裏面側から見た一部切欠の要部斜視図である。

【図２】同実施例の光起電力モジュールの要部側面図で
ある。

【図３】同実施例の光起電力モジュールの一部平面図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例を示す光起電力モジュール
の要部斜視図である。。

【図５】同実施例の光起電力モジュールの要部側面図で
ある。

【図６】本考案の光起電力モジュールに用いるフレーム
継手の端面形状の例を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 光起電力素子の透光性絶縁基板 ２ａ 光起電力素子の出力電極 ４ａ 光起電力素子の出力電極 ６ フレーム継手 ６ａ フレーム継手の凹部 ６ｂ フレーム継手の接続導体 ６ｃ フレーム継手の接続電極 ８ 光起電力素子

Claims (1)

【整理番号】 ００４０９４５−０１ 【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体に矩形を呈する光起電力素子８、８
   を配列して接続した光起電力モジュールにおいて、両側
   に溝状の凹部６ａ、６ａを有する長尺なフレーム継手６
   と、このフレーム継手６の両側の凹部６ａ、６ａに両端
   部を嵌合した光起電力素子８、８とを有し、前記フレー
   ム継手６の両側の凹部６ａ、６ａに接続電極６ｃ、６ｃ
   が各々形成されると共に、これら接続電極６ｃ、６ｃ
   は、フレーム継手６を貫通する接続導体６ｂにより互い
   に導通され、両側の凹部６ａ、６ａに嵌合された前記光
   起電力素子８、８の端部にある出力電極２ａ、４ａが前
   記接続電極６ｃ、６ｃ及び接続導体６ｂを介して互いに
   接続されていることを特徴とする光起電力モジュール。