JPH0670142B2 - ポリフェニレンエーテルとシリコーン/有機重合体耐衝撃性向上剤との配合物から得られる成形品の鏡面光沢を調節する方法 - Google Patents

ポリフェニレンエーテルとシリコーン/有機重合体耐衝撃性向上剤との配合物から得られる成形品の鏡面光沢を調節する方法

Info

Publication number
JPH0670142B2
JPH0670142B2 JP32771692A JP32771692A JPH0670142B2 JP H0670142 B2 JPH0670142 B2 JP H0670142B2 JP 32771692 A JP32771692 A JP 32771692A JP 32771692 A JP32771692 A JP 32771692A JP H0670142 B2 JPH0670142 B2 JP H0670142B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
latex
weight
organic polymer
organopolysiloxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP32771692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05262893A (ja
Inventor
リンダ・リー・ミッチェル
アン・マリー・ヘルスターン−バーネル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by General Electric Co filed Critical General Electric Co
Publication of JPH05262893A publication Critical patent/JPH05262893A/ja
Publication of JPH0670142B2 publication Critical patent/JPH0670142B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L71/00Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L71/08Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives
    • C08L71/10Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives from phenols
    • C08L71/12Polyphenylene oxides
    • C08L71/123Polyphenylene oxides not modified by chemical after-treatment

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願は、1990年11月15日
に提出された「オルガノポリシロキサン/有機重合体組
成物およびそれの製造方法」と称する同時係属米国特許
出願第07/614802号と関連を有している。本発
明は、ポリフェニレンエーテルと溶融混合することによ
り、特定の形状に成形した場合に予測可能な鏡面光沢
(specular surface gloss)を示し得る配合物を調製す
るために役立つシリコーン/有機重合体耐衝撃性向上剤
の製造方法に関するものである。更に詳しく言えば本発
明は、水性媒質中において有機ケイ素単量体およびビニ
ル基含有有機単量体を実質的に同時に重合させ、そして
得られた耐衝撃性向上剤を重合混合物から単離するのに
先立ってそれを特定のpH範囲内に中和或いは相殺或い
は調整(neutralize)するような、シリコーン/有機重
合体耐衝撃性向上剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明以前においては、欧州特許出願第
0246537A2号明細書中に示されているごとく、
シリコーンゴムのコアを少なくとも2種の化学的に異な
るシェルによって包囲して成る重合体材料が熱可塑性成
形コンパウンドとして使用されている。また、ヒリヤー
ド(Hilliard)の米国特許第3898300号明細書中に
は、予備重合させたビニルシロキサン−ジメチルシロキ
サン共重合体の乳濁液の存在下において各種のビニル単
量体を重合させることによってスチレン−アクリロニト
リル重合体/オルガノポリシロキサン組成物を製造する
方法が開示されている。更にまた、欧州特許出願第03
50240号明細書中には、シロキシ官能基を持った水
性乳化共重合体から成る各種の組成物(たとえば塗料組
成物)の半連続的製造方法が開示されている。欧州特許
出願第0350240号の重要な特徴の1つは、エチレ
ン性不飽和単量体(たとえばスチレン)、遊離基重合可
能な反応性シラン[たとえばメチル−アクリロキシプロ
プルトリメトキシシラン(MTAS)]および線状ポリ
シロキサン前駆体[たとえばオクタメチルシクロテトラ
シロキサン(D4 )]のごとき反応性単量体の混合物が
重合開始剤の溶液に添加されることである。その上、エ
チレン性不飽和単量体は単量体混合物の70%以上を占
めると共に、かかる半連続法は約50〜100nmの粒度
を有するラテックスの製造を可能にする。更にまた、欧
州特許出願第0166900号明細書中には、オルガノ
ポリシロキサン上に少なくとも1種のビニル単量体をグ
ラフト重合させることによって製造されたオルガノポリ
シロキサンを基剤とするグラフト共重合体が開示されて
いる。欧州特許出願第0249964号明細書中にはま
た、オルガノポリシロキサンゴム上にビニル単量体の共
重合体をグラフトし、そして得られたグラフト共重合体
をポリカーボネート樹脂中に使用することによってポリ
カーボネート樹脂の安定性および耐衝撃性を改善するこ
とが記載されている。
【0003】1988年11月14日に提出された同時
係属米国特許出願第271250および271248号
の明細書中には、その他のシリコーングラフト共重合体
が開示されている。これらの特許出願の発明は、シリコ
ーン単量体およびビニル単量体の同時ホモ重合によって
得られた基体を第1段として含み、かつ第1段のラテッ
クスの存在下でグラフト重合させた少なくとも1つの後
続段を含むようなオルガノポリシロキサン/ビニル重合
体を基剤とする多段グラフト重合体組成物の使用に関す
るものである。
【0004】更にまた、欧州特許第0369203−A
2号明細書およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエ
ンス、パートA:ポリマー・ケミストリー(J. Polymer
Sci., Part A: Polymer Chemistry)の第28巻629〜
651頁(1990年)には多重葉状構造を有する有機
重合体組成物が開示されている。かかる多重葉状構造は
多段重合に基づくものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき先行技術
の一部は被膜および熱可塑性有機重合体用耐衝撃性向上
剤のごとき様々な用途において有用な各種のシリコーン
/有機重合体材料を提供するとは言え、シリコーン単量
体およびビニル基含有有機単量体の重合によって得られ
かつ特定の用途において有用な新しい材料は絶えず求め
られている。特に関心を集めているのは、各種の熱可塑
性有機重合体の耐衝撃性を更に向上させるための耐衝撃
性向上剤である。そのような熱可塑性有機重合体として
は、芳香族ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエ
ーテルと芳香族ビニル重合体(たとえばポリスチレン)
との配合物、熱可塑性芳香族ポリエステル、熱可塑性芳
香族ポリカーボネート、熱可塑性芳香族ポリエーテルイ
ミド、並びに熱可塑性芳香族ポリカーボネートと熱可塑
性芳香族ポリエステル、ポリビニル樹脂、ポリスルホ
ン、ポリエーテルイミドエステルまたはポリエーテルス
ルホンとの配合物が挙げられる。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記同時係属米
国特許出願第07/614802号明細書中に記載され
たような、各種の熱可塑性有機重合体に対する耐衝撃性
向上剤として有用な多重葉状構造のオルガノポリシロキ
サン/有機重合体組成物は、ポリフェニレンエーテルと
溶融混合し、予測可能な鏡面光沢を有する成形品として
成形され得る、という発見に基づいている。たとえば、
ポリフェニレンエーテルとオルガノポリシロキサン/有
機重合体耐衝撃性向上剤との溶融押出し配合物から得ら
れる成形品の鏡面光沢は、該耐衝撃性向上剤を単離する
ために使用されるラテックスのpHを反応時のレベル
(=1)から7.5〜10のレベルにまで上昇させれば
増大することが判明した。成形品の形態学的特徴を示す
顕微鏡写真によれば、重合体組成が一定である場合、約
1のpHレベルに保ったままで単離された耐衝撃性向上
剤はより高いpHレベル(たとえば7.5)に調整され
た耐衝撃性向上剤に比べて成形品の表面における凝集度
の増大を示すことがわかる。
【0007】より大きいゴム領域の形成は表面粗さの増
大をもたらし、ひいては鏡面光沢の低下をもたらす。こ
こで言う「鏡面光沢」は整反射に基づくものであって、
鏡面光沢(G)と二乗平均表面粗さ(σ)との関係は下
記の式によって表わされる。 G〜e−4πσ cosφ/λ 式中、φは反射角であり、そしてλは入射光の波長であ
る。耐衝撃性向上剤中におけるオルガノポリシロキサン
/有機重合体比が65/35程度である場合に最低の光
沢が得られることが判明した。また、耐衝撃性向上剤が
約1のpHレベルにおいて単離された場合には、凝集し
たゴム領域のサイズが最大となることも判明した。従っ
て、オルガノポリシロキサン/有機重合体比が約35/
65でありかつ単離前のラテックスがpH7.5〜10
に調整された場合に最大の光沢が得られる。
【0008】
【実施例】本発明に従えば、(1) 43〜400重量部の
有機ケイ素単量体および150重量部のビニル基含有有
機単量体をそれらの水性乳化混合物中において実質的に
同時に重合させることによってラテックスを生成させ、
(2) 前記ラテックスから重合生成物を単離するのに先立
ち、1〜10のpH範囲内において前記ラテックスを調
整し、(3) 前記ラテックスから重合生成物を単離してオ
ルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝撃性向上剤を
得、(4) 前記オルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝
撃性向上剤とポリフェニレンエーテルとを溶融混合する
ことによって配合物を調製し、次いで(5) 前記配合物を
成形することにより、前記工程(2) のpH範囲が1〜5
である場合には約20〜85の60°表面光沢を有し、
また前記工程(2) のpH範囲が5〜10である場合には
約60〜100の60°表面光沢を有する成形品を得る
諸工程から成ることを特徴とする、ポリフェニレンエー
テルとシリコーン/有機重合体耐衝撃性向上剤との配合
物から得られる成形品の鏡面光沢を調節する方法が提供
される。
【0009】本発明の実施に際して使用される有機ケイ
素単量体の混合物の重合反応の間に生成されるオルガノ
ポリシロキサンは、一般式R2 SiO、RSiO1.5
3SiO0.5 およびSiO2 によって表わされる縮合
単位を含有し得るものである。式中、Rは1価のC
(1-18)有機基である。なお、Rは1価のC(1-13)炭化水
素基または置換C(1-13)炭化水素基であることが好まし
く、またメチル基またはフェニル基であることが最も好
ましい。有機重合体葉状体とオルガノポリシロキサン付
属体との間におけるグラフト反応を容易にするため、限
られた数のR基がビニル基、メルカプトアルキル基およ
び(または)アリル基であってもよい。グラフト反応を
容易にするために特に好適なのは、ビニル基、アクリル
基および(または)メタクリル基を含有するR基であ
る。
【0010】本発明の実施に際して使用し得る好適な有
機ケイ素単量体は、式Rn −Si(OR1 4-n によっ
て表わされるものである。式中、Rは前記に定義された
通りであり、nは0、1、2または3の整数であり、そ
して各々のR1 は、水素原子、あるいは、アルキル基お
よびアリール基の中から選ばれた1価のC(1-13)炭化水
素基(好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基
またはフェニル基)である。特定の場合には、R1 は式
【0011】
【化1】
【0012】によって表わされる基であってもよい。式
中、Rは前記に定義された通りであり、nが2または3
である場合にはXは1〜10の整数であることが好まし
く、そして各々のR2 は、水素原子、あるいは、C
(1-8) アルキル基(たとえばメチル基)およびC(6-13)
アリール基(たとえばフェニル基)の中から選ばれた1
価のC(1-13)炭化水素基である。Rが遊離基重合を受け
るような基である場合には、かかる架橋剤はオルガノポ
リシロキサン付属体を有機重合体葉状体に結合させるた
めのグラフト剤としても作用し得る。
【0013】上記のごときアルコキシシランに加え、3
〜約6個の縮合シロキシ単位を有する環状シロキサンお
よびアルコキシシランと環状シロキサンとの混合物を使
用することもできる。かかる環状シロキサンとしては、
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシク
ロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタフェ
ニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェ
ニルシクロテトラシロキサンおよびテトラメチルテトラ
ビニルシクロテトラシロキサンが挙げられる。これらの
環状シロキサンは単独で使用することもできるし、ある
いは混合物として使用することもできる。
【0014】好適な架橋剤はテトラエトキシシランであ
る。架橋剤兼グラフト剤として役立つ化合物は、ビニル
トリエトキシシランおよびγ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランである。適当なビニル基含有有機単
量体は芳香族アルケニル化合物であって、その実例とし
てはスチレン。α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ハロゲン化ス
チレンまたはそれの誘導体、およびそれらの混合物が挙
げられる。その他の適当なビニル基含有有機単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステ
ルおよびそれらの誘導体(たとえば、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸アリル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチル
ヘキシル)、シアン化ビニル(たとえば、アクリロニト
リルおよびメタクリロニトリル)、オレフィン(たとえ
ば、エチレンおよびプロピレン)、その他のビニル化合
物(たとえば、ビニルイミダゾール、ビニルフラン、エ
チレンジメタクリレート、ビニルアルキルエーテルおよ
び酢酸ビニル)、無水マレイン酸、N−フェニル(また
はアルキル)マレイミド、N−置換(または二置換)ア
クリルアミド並びにこれらの化合物の混合物が挙げられ
る。
【0015】二置換または三置換誘導体から成る架橋剤
も使用し得るのであって、それらの実例としてはジビニ
ルベンゼン、マレイン酸ジアリル、シアヌル酸トリアリ
ル、ジピペリジノエタン、および上記のごときビニル基
含有有機単量体に対応した公知のジビニルまたはポリビ
ニル化合物が挙げられる。反応混合物を乳化するために
界面活性剤が使用される。有機ケイ素単量体の重合は標
準的な酸または塩基触媒の使用によって達成することが
できるが、特定の界面活性剤を使用すればかかる有機ケ
イ素単量体の重合を乳濁系中において行うことができ
る。従って、所望ならば、触媒(たとえば、遊離酸)と
界面活性剤(たとえば、アニオン、カチオンまたは非イ
オン界面活性剤)との組合せを用いて有機ケイ素単量体
を重合させることができるのである。有用な界面活性剤
は米国特許第2891920および3294725号の
明細書中に記載されている。なお、好適な界面活性剤は
ドデシルベンゼンスルホン酸である。
【0016】ビニル基含有有機単量体用の適当な水溶性
開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムお
よび過硫酸アンモニウムが挙げられる。その他の有用な
開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)お
よび有機過酸化物のごとき水溶性有機開始剤である。か
かる開始剤は回分方式で装入することもできるが、重合
中に段階的または連続的に装入することが好ましい。更
にまた、レドックス系に基づく遊離基開始剤も使用する
ことができる。開始剤の種類に応じ、ビニル基含有単量
体の重量を基準として0.1〜5重量%の開始剤を使用
すれば有効な結果を得ることができる。
【0017】本発明の実施に際しては、(上記のごとき
ビニル基含有有機単量体の1種以上から成る)ビニル基
含有有機単量体および(アルコキシシラン、環状シロキ
サンまたはそれらの混合物から成る)有機ケイ素単量体
が実質的に同時に重合させられる。そのためには、先ず
最初に水および界面活性剤の存在下で上記の反応体が均
質化される。単量体の濃度は反応混合物の全重量を基準
として5〜50重量%の範囲内にあればよく、また界面
活性剤の濃度は単量体の濃度に応じて0.17〜0.7
5重量%の範囲内にあればよい。
【0018】ビニル基含有有機単量体を重合させるため
には遊離基開始剤を使用することが好ましい。反応混合
物に対する添加の順序は重要でないが、単量体を乳化し
た後に開始剤を添加することが好ましい。有機ケイ素単
量体の重合を促進し得る界面活性剤を使用する場合に
は、ビニル基含有有機単量体および有機ケイ素単量体は
(ビニル基含有有機単量体用の開始剤の種類に応じ)0
〜110℃好ましくは75〜90℃の温度下で実質的に
同時に重合させることができる。ビニル基含有有機単量
体の重合は、ガスクロマトグラフィーのごとき分析技術
によって監視することができる。重合が終了した後、反
応混合物の温度が低下させられる。多重葉状構造を有す
るオルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝撃性向上剤
は、凝集のごとき通常の手段によって単離することがで
きる。ところで、(有機ケイ素単量体とビニル基含有有
機単量体との反応によって得られた)ラテックスからオ
ルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝撃性向上剤を単
離するのに先立ち、ラテックスのpHを約1〜約10の
範囲内に調整すれば、かかる耐衝撃性向上剤とポリフェ
ニレンエーテルとの配合物を成形した場合、選定された
pHレベルに応じて高い鏡面光沢または低い鏡面光沢を
有する成形品が得られることが判明した。かかる目的の
ためには、酸触媒を用いて有機ケイ素単量体を重合させ
た場合(たとえば、触媒兼界面活性剤としてドデシルベ
ンゼンスルホン酸を使用した場合)ならば、ラテックス
に塩基を添加すればよい。有用な塩基の実例としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールア
ミンおよびトリエチルアミンの水溶液が挙げられる。こ
の場合、pHはそのままに保ってもよいし、あるいは1
〜3のレベルから6〜10のレベルに上昇させてもよ
い。
【0019】オルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝
撃性向上剤を単離するためには、たとえば、0.5〜5
%硫酸マグネシウム水溶液のごとき電解質溶液が75〜
85℃に加熱される。次いで、かかる電解質溶液を撹拌
しながらラテックスを添加し、そして凝集した生成物を
濾過によって水性媒質から分離すればよい。生成物は自
由流動性の粉末またはゆるく凝集した粘着性の粒体とし
て回収される。
【0020】こうして得られた耐衝撃性向上剤をポリフ
ェニレンエーテル100重量部当り約1〜約35重量部
の割合で使用すれば、鏡面光沢が制御されるとともに改
善された耐衝撃性を有する熱可塑性配合物を得ることが
できる。本発明のオルガノポリシロキサン/有機重合体
耐衝撃性向上剤で変性されたポリフェニレンエーテルか
ら成る配合物から得られる成形品の鏡面光沢は、一定の
pHの下で耐衝撃性向上剤組成を変化させること、一定
の耐衝撃性向上剤組成の下でpHを変化させること、あ
るいは一定のpHおよび耐衝撃性向上剤組成の下で粒度
を変化させることによって調節することができる。
【0021】ポリフェニレンエーテルとオルガノポリシ
ロキサン/有機重合体耐衝撃性向上剤とから成る成形用
配合物を製造するため本発明において使用し得るポリフ
ェニレンエーテルとしては、式
【0022】
【化2】
【0023】によって表わされる複数の構造単位から成
るポリフェニレンエーテルが挙げられる。かかる構造単
位のそれぞれにおいて、各々のQ1 はハロゲン原子、第
一または第二低級アルキル基(すなわち、7個までの炭
素原子を有するアルキル基)、フェニル基、ハロアルキ
ル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、またはハ
ロゲン原子と酸素原子との間に少なくとも2個の炭素原
子が存在するようなハロゲン化炭化水素オキシ基を独立
に表わし、また各々のQ2 は水素原子、ハロゲン原子、
第一または第二低級アルキル基、フェニル基、ハロアル
キル基、炭化水素オキシ基、またはQ1 に関して定義さ
れたようなハロゲン化炭化水素オキシ基を独立に表わ
す。適当な第一低級アルキル基の実例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、n−アミル基、イソアミル基、2−メチルブチ
ル基、n−ヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2
−、3−または4−メチルペンチル基、およびそれらに
対応したヘプチル基が挙げられる。適当な第二低級アル
キル基の実例としては、イソプロピル基、sec-ブチル基
および3−ペンチル基が挙げられる。なお、いずれのア
ルキル基も枝分れしたものではなく直鎖状のものである
ことが好ましい。最も好ましくは、各々のQ1 はアルキ
ル基(特にC(1-4) アルキル基)またはフェニル基であ
り、また各々のQ 2 は水素原子である。
【0024】ポリフェニレンエーテルとしては、単独重
合体および共重合体の両者が知られている。単独重合体
としては、たとえば、2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル単位から成るものが挙げられる。共重合
体としては、たとえば、上記のごとき単位と共に2,
3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位
を含有するランダム共重合体が挙げられる。なお、特許
文献中には多くの適当なランダム共重合体が単独重合体
と共に開示されている。
【0025】通例、ポリフェニレンエーテルは少なくと
も1種の対応するモノヒドロキシ芳香族化合物の酸化カ
ップリングによって製造される。容易に入手可能である
特に有用なモノヒドロキシ芳香族化合物は、(上記式中
において各々のQ1 がメチル基でありかつ各々のQ2
水素原子であるような)2,6−キシレノールおよび
(上記式中において各々のQ1 および一方のQ2 がメチ
ル基でありかつ他方のQ 2 が水素原子であるような)
2,3,6−トリメチルフェノールである。なお、前者
の2,6−キシレノールから誘導される重合体はポリ
(2,6−ジメチルー1,4−フェニレンエーテル)と
して記述することができる。
【0026】酸化カップリングによってポリフェニレン
エーテルを製造するために役立つ触媒系としては、各種
のものが知られている。多くの場合、かかる触媒系は少
なくとも1種の重金属化合物(たとえば、銅、マンガン
またはコバルト化合物)を含有するものであって、通例
はそれがその他各種の物質と組合わされている。マンガ
ン化合物を含有する触媒系は、一般に、2価のマンガン
をハロゲンイオン、アルコキシドイオンまたはフェノキ
シドイオンのごとき陰イオンと化合させて成るアルカリ
性のものである。多くの場合、マンガンは1種以上の錯
化剤および(または)キレート化剤との錯体として存在
している。かかる錯化剤およびキレート化剤の実例とし
ては、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、アルキ
レンジアミン、o−ヒドロキシ芳香族アルデヒド、o−
ヒドロキシアゾ化合物、ω−ヒドロキシオキシム(単量
体および重合体)、o−ヒドロキシアリールオキシムお
よびβ−ジケトンが挙げられる。また、コバルトを含有
する触媒系も知られている。ポリフェニレンエーテル製
造用の適当なマンガンおよびコバルト含有触媒系は数多
くの特許明細書や出版物中に開示されており、従って当
業界において公知である。
【0027】当業者が本発明の実施を一層良く理解でき
るようにするため、以下に実施例を示す。これらの実施
例は例示を目的としたものに過ぎないのであって、本発
明の範囲を制限するものと解すべきでない。全ての部は
重量部である。なお、使用したジビニルベンゼンは55
%の活性を有するものであって、残部は異性体の混合物
であった。
【0028】
【実施例1】脱イオン水22.6部、ドデシルベンゼン
スルホン酸0.12部、(オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン84.7部、テトラエトキシシラン9.8部、
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.4部お
よびテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン
4.0部を混合して成る)有機ケイ素単量体混合物3.
4部、並びに(スチレン98.0部およびジビニルベン
ゼン2.0部を混合して成る)ビニル基含有有機単量体
混合物6.2部から成る混合物を撹拌し、次いで760
0〜8400psi の圧力下でマイクロフルイディックス
社(Microfluidics Corp.) 製のM−100Tホモジナイ
ザーを通すことによって均質化した。かかる混合物を連
続的に撹拌しかつ窒素の液面下パージを行いながら、そ
れを75℃に加熱した。75℃において、液面下パージ
を窒素ブランケットに切換えることによって不活性雰囲
気を維持した。次いで、2%過硫酸カリウム水溶液0.
30部を回分方式で混合物に添加した。更に、1、2、
3および4時間後に該溶液を0.30部ずつ段階的に添
加することにより、全部で1.5部の2%硫酸カリウム
水溶液を添加した。過硫酸カリウムを最後に添加してか
ら2時間にわたり、反応混合物を75℃に保った。その
後、反応混合物を室温下で撹拌しながら放冷した。20
〜30℃で18時間にわたり撹拌した後、(アメリカ合
衆国ニュージャージー州ウェイン市所在のGAFコーポ
レーション(GAF Corporation) 製の有機リン酸エステル
である)10%のGAFAC RE610と90%の脱
イオン水とから成る混合物0.21部を添加した。その
結果、約1のpHおよび27%の不揮発性固形分を有す
るラテックスが得られた。このラテックスを濾過し、次
いで66.3部の1%硫酸マグネシウム水溶液および脱
イオン水から成る硫酸マグネシウム溶液中に撹拌しなが
ら添加した。かかる混合物をトルハースト(Tolhurst)遠
心分離機によって濾過し、そして得られた生成物を多量
の脱イオン水で洗った。60℃の真空乾燥器内において
生成物を3日間にわたって乾燥したところ、白色の粉末
が得られた。製造方法に基づけば、かかる粉末は35重
量%のオルガノポリシロキサン重合体および65重量%
のスチレン/ジビニルベンゼン重合体から成ることがわ
かる。上記ラテックスの粒子は架橋ポリスチレン葉状体
およびそれに結合した架橋ポリシロキサン付属体から成
り、かつ132nmの体積平均粒度を有していた。
【0029】次に、上記の手順を繰返した。但し、反応
混合物を20〜30℃で20時間にわたり撹拌した後か
つラテックスを凝集させる前において、15%の炭酸カ
リウムと85%の脱イオン水とから成る混合物0.46
部を反応混合物にゆっくりと添加することによってそれ
をpH1からpH7.5に調整した。その結果、27%
の不揮発性固形分を有するラテックスが得られた。かか
るラテックスの粒子は架橋ポリスチレン葉状体およびそ
れに結合した架橋ポリシロキサン付属体から成り、かつ
134nmの体積平均粒度を有していた。
【0030】更に、有機ケイ素単量体とビニル基含有有
機単量体との混合物を均質化しなかった点を除き、最初
の手順を繰返した。その結果、約1のpHおよび27%
の不揮発性固形分を有するラテックスが得られた。かか
るラテックスの粒子は架橋ポリスチレン葉状体およびそ
れに結合した架橋ポリシロキサン付属体から成り、かつ
61nmの体積平均粒度を有していた。
【0031】そして更に、上記の手順を繰返した。但
し、反応混合物を20〜30℃で20時間にわたり撹拌
した後かつラテックスを凝集させる前において、15%
の炭酸カリウムと85%の脱イオン水とから成る混合物
0.46部を反応混合物にゆっくりと添加することによ
ってそれをpH1からpH7.5に調整した。その結
果、27%の不揮発性固形分を有するラテックスが得ら
れた。かかるラテックスの粒子は架橋ポリスチレン葉状
体およびそれに結合した架橋ポリシロキサン付属体から
成り、かつ61nmの体積平均粒度を有していた。
【0032】上記のごとくにして得られた4種のオルガ
ノポリシロキサン/有機重合体耐衝撃性向上剤(pH1
のものおよびpH7.5のもの、均質化したものおよび
均質化しなかったもの)の各々をポリフェニレンエーテ
ル粉末(PPE、固有粘度0.46)と乾式混合するこ
とにより、15重量%の耐衝撃性向上剤と85重量%の
ポリフェニレンエーテルとから成る配合物を得た。かか
る配合物をジャー振盪機上で回転混合することによって
均質に分散させた。次いで、かかる配合物をウェルディ
ング・エンジニア(Welding Engineer)二軸スクリュー押
出機で押出した。押出物をペレット化し、乾燥し、それ
から77トンのバッテンフェルド(Battenfeld)成形機で
射出成形することによって試験片を作製した。こうして
得られた試験片の光沢および様々な物理的性質を試験し
たところ、下記のごとき結果が得られた。下記表中、S
Xはシロキサン、STYはスチレン、そしてPPEはポ
リフェニレンエーテルである。
【0033】
【表1】 表 1 SX/STY比 35/65 35/65 35/65 35/65 対照 平均粒度(nm) 132 132 61 61 PPE含量(重量%) 85 85 85 85 100 耐衝撃性向上剤(重量%) 15 15 15 15 0 耐衝撃性向上剤ラテックスのpH 1 7.5 1 7.5 -- 60°光沢 64 95 87 95 110 ノッチ付きアイゾット衝撃試験 (25℃、10ミル、ft-lb/in) 8 7 2.4 1.5 0.6 ダイナタップ試験 (25℃、10ミル、ft-lb ) 全エネルギー 47 47 -- -- -- エネルギー最大負荷 45 45 -- -- -- 成形条件 平均バレル設定温度(°F) 600 600 600 600 600 金型表面温度(°F) 190 190 185 190 190 上記の結果によれば、反応混合物のpHを1から7.5
に上昇させた場合に光沢の顕著な向上が得られること、
かつまた鏡面光沢の向上の程度はラテックスの粒度にも
関係することがわかる。
【0034】
【実施例2】実施例1中に記載された最初の手順に従
い、(オクタメチルシクロテトラシロキサン84.7
部、テトラエトキシシラン9.8部、メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン1.4部およびテトラメチル
テトラビニルシクロテトラシロキサン4.0部を混合し
て成る)有機ケイ素単量体混合物4.1部と(スチレン
98.0部およびジビニルベンゼン2.0部を混合して
成る)ビニル基含有有機単量体混合物5.5部とを反応
させることにより、26重量%の不揮発性固形分を有す
るラテックスを得た。かかるラテックスの粒子は架橋ポ
リスチレン葉状体およびそれに結合した架橋ポリシロキ
サン付属体から成り、かつ約225nmの体積平均粒度を
有していた。こうして得られた生成物は、42.5重量
%のオルガノポリシロキサン重合体および57.5重量
%のスチレン/ジビニルベンゼン重合体から成ってい
た。
【0035】次に、反応混合物を20〜30℃で20時
間にわたり撹拌した後かつラテックスを凝集させる前に
おいて、15重量%の炭酸カリウムと85重量%の脱イ
オン水とから成る混合物0.30部を反応混合物に添加
することによってそれをpH1からpH3に調整した点
を除き、上記の手順を繰返した。その結果、26重量%
の不揮発性固形分を有するラテックスが得られた。かか
るラテックスの粒子は架橋ポリスチレン葉状体およびそ
れに結合した架橋ポリシロキサン付属体から成り、かつ
約225nmの体積平均粒度を有していた。
【0036】更に、反応混合物を20〜30℃で20時
間にわたり撹拌した後かつラテックスを凝集させる前に
おいて、15重量%の炭酸カリウムと85重量%の脱イ
オン水とから成る混合物約0.4部を反応混合物に添加
することによってそれをpH1からpH6に調整した点
を除き、最初の手順を繰返した。その結果、26重量%
の不揮発性固形分を有するラテックスが得られた。かか
るラテックスの粒子は架橋ポリスチレン葉状体およびそ
れに結合した架橋ポリシロキサン付属体から成り、かつ
約225nmの体積平均粒度を有していた。
【0037】そして更に、反応混合物を20〜30℃で
20時間にわたり撹拌した後、15重量%の炭酸カリウ
ムと85重量%の脱イオン水とから成る混合物0.46
部を反応混合物に添加することによってそれをpH1か
らpH7.5に調整した点を除き、最初の手順を繰返し
た。こうして得られたラテックスは上記の場合とほぼ同
じ不揮発性固形分を有し、かつ約225nmの体積平均粒
度を有していた。
【0038】実施例1の手順に従い、ポリフェニレンエ
ーテルおよび4種の耐衝撃性向上剤(pH1、pH3、
pH6およびpH7.5のもの)から一連の配合物を調
製した。詳しく述べれば、90重量部のポリフェニレン
エーテル粉末および約10重量部の耐衝撃性向上剤を乾
式混合し、次いで実施例1に記載されたごとくにして溶
融押出しおよび成形を行った。
【0039】日立H−600型透過電子顕微鏡(動作電
圧100kV)の使用により、ポリフェニレンエーテルと
耐衝撃性向上剤とから成る配合物の形態学的特徴を調べ
た。また、マッキントッシュ(MacIntosh) コンピュータ
ーをインターフェースとしてスローン・デクタク(Sloan
e DecTac) 輪郭計を使用することにより、表面の輪郭も
調べた。詳しく述べれば、各試験片に関し、光沢測定の
場合と同じ区域内において3本の平行線に沿って触針を
走らせた。その際には、以前の触診軌跡を避けるように
注意を払った。触針を毎分1mmの速度で走らせながら、
3.33μm 毎に表面高さを数字化して記録した。次い
で、様々な長さの線分に最小二乗直線を当てはめ、そし
てこの直線からの個々のデータ点の偏差を合計すること
により、下記の式に従って二乗平均振幅σの値を計算し
た。
【0040】 σ=(Σ(x−xave 2 1/2 /(n−1) 式中、xave は最小二乗平均振幅であり、またnは線分
中のデータ点の数である。その後、得られた値を各組の
触針軌跡中に含まれる全ての線分について平均した。こ
うして得られた光沢および表面粗さの測定値を下記表2
中に示す。これらのデータは耐衝撃性向上剤のpHが及
ぼす効果を表わしている。
【0041】
【表2】 表 2 SX/STY比 42.5/57.5 ------------------------< PPE含量(重量%) 90 90 90 90 耐衝撃性向上剤(重量%) 10 10 10 10 耐衝撃性向上剤ラテックスのpH 1 3 6 7.5 20°光沢 20 33 62 82 60°光沢 70 79 90 97 85°光沢 94 97 97 99 表面粗さ 二乗平均振幅(μ) 0.074 0.052 0.033 0.017 成形条件 平均バレル設定温度(°F) 590 590 590 590 金型表面温度(°F) 220 220 220 220 更にまた、ポリフェニレンエーテル粉末および一部の耐
衝撃性向上剤(pH1、pH3およびpH7.5のも
の)から配合物を調製し、そして前述のごとくにして押
出しおよび成形を行った。様々な物理的性質を測定した
が、その結果を下記表3中に示す。これらのデータは、
耐衝撃性向上剤のpHが及ぼす効果と共に、金型表面温
度が及ぼす効果を表わしている。
【0042】
【表3】 表 3 SX/STY比 42.5/57.5 -----------------------< PPE含量(重量%) 90 90 90 90 90 90 耐衝撃性向上剤(重量%) 10 10 10 10 10 10 耐衝撃性向上剤ラテックスのpH 1 1 3 3 7.5 7.5 60°光沢 66 78 80 82 91 94 ノッチ付きアイゾット衝撃試験 (25℃、10ミル、ft-lb/in) 4 4 5 5 5 5 ダイナタップ試験 (25℃、10ミル、ft-lb ) 全エネルギー 34 35 34 33 36 37 エネルギー最大負荷 27 30 28 28 29 33 成形条件 平均バレル設定温度(°F) 600 600 600 600 600 600 金型表面温度(°F) 180 225 180 225 180 225
【0043】
【実施例3】実施例1中に記載された最初の手順に従
い、(オクタメチルシクロテトラシロキサン78.3
部、テトラエトキシシラン19.8部およびテトラメチ
ルテトラビニルシクロテトラシロキサン1.9部を混合
して成る)有機ケイ素単量体混合物3.4部と(スチレ
ン98.0部およびジビニルベンゼン2.0部を混合し
て成る)ビニル基含有有機単量体混合物6.2部とから
成る混合物を重合させた。窒素の液面下パージを行いな
がら、混合物の温度を85℃に上昇させた。85℃にお
いて、液面下パージを窒素ブランケットに切換えること
によって不活性雰囲気を維持した。次いで、2%過硫酸
カリウム水溶液0.50部を混合物に添加し、また1お
よび2時間後に該溶液を0.50部ずつ段階的に添加す
ることにより、全部で1.5部の2%過硫酸カリウム水
溶液を添加した。過硫酸カリウムを最後に添加してから
1時間にわたり、反応混合物を85℃に保った。その
後、反応混合物を室温下で撹拌しながら40℃にまで放
冷した。40℃で5.5時間にわたり撹拌した後、反応
混合物を室温にまで放冷した。なお、GAFAC RE
610溶液の添加は行わなかった。その結果、26%の
不揮発性固形分を有するラテックスが得られた。かかる
ラテックスの粒子は架橋ポリスチレン葉状体およびそれ
に結合した架橋ポリシロキサン付属体から成り、かつ約
200nmの体積平均粒度を有していた。
【0044】次に、反応混合物を40℃で5.5時間に
わたり撹拌した後、15%の炭酸カリウムと85%の脱
イオン水とから成る混合物0.46部を反応混合物にゆ
っくりと添加することによってそれをpH1からpH
7.5に調整した点を除き、上記の手順を繰返した。こ
うして得られたラテックスは、上記の場合とほぼ同じ不
揮発性固形分および体積平均粒度を有していた。
【0045】更に、(オクタメチルシクロテトラシロキ
サン78.3部、テトラエトキシシラン19.8部およ
びテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン
1.9部を混合して成る)有機ケイ素単量体混合物6.
2部と(スチレン98.0部およびジビニルベンゼン
2.0部を混合して成る)ビニル基含有有機単量体混合
物3.4部とから成る混合物を使用した点を除き、最初
の手順を繰返した。その結果、24%の不揮発性固形分
を有するラテックスが得られた。かかるラテックスの粒
子は架橋ポリスチレン葉状体およびそれに結合した架橋
ポリシロキサン付属体から成り、かつ約250nmの体積
平均粒度を有していた。こうして得られた生成物は、6
5重量%のオルガノポリシロキサン重合体および35重
量%のスチレン/ジビニルベンゼン重合体から成ってい
た。
【0046】そして更に、反応混合物を40℃で5.5
時間にわたり撹拌した後、15%の炭酸カリウムと85
%の脱イオン水とから成る混合物0.46部を反応混合
物にゆっくりと添加することによってそれをpH1から
pH7.5に調整した点を除き、最初の手順を繰返し
た。その結果、前記の場合とほぼ同じ不揮発性固形分お
よび体積平均粒度を有するラテックスが得られた。
【0047】一方、反応混合物を40℃で5.5時間に
わたり撹拌した後、15%の炭酸カリウムと85%の脱
イオン水とから成る混合物約0.8部を反応混合物にゆ
っくりと添加することによってそれをpH1からpH1
0に調整した点を除き、最初の手順を繰返した。その結
果、前記の場合とほぼ同じ不揮発性固形分および体積平
均粒度を有するラテックスが得られた。
【0048】上記のごとくにして、35/65のシロキ
サン/スチレン比を有するオルガノポリシロキサン/有
機重合体耐衝撃性向上剤(pH1およびpH7.5のも
の)並びに65/35のシロキサン/スチレン比を有す
るオルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝撃性向上剤
(pH1、pH7.5およびpH10のもの)が得られ
た。これらの耐衝撃性向上剤を単離し、次いで実施例1
の手順に従ってそれらの各々をポリフェニレンエーテル
粉末と乾式混合した。その後、前記のごとくにしてかか
る配合物の押出しおよび成形を行った。様々な物理的性
質を測定したが、その結果を下記表4中に示す。これら
のデータは、シロキサン/スチレン比およびラテックス
のpHが光沢に及ぼす効果を表わしている。
【0049】
【表4】 表 4 SX/STY比 35/65 35/65 65/35 65/35 65/35 対照 PPE含量(重量%) 85 85 85 85 85 100 耐衝撃性向上剤(重量%) 15 15 15 15 15 0 耐衝撃性向上剤ラテックスのpH 1 7.5 1 7.5 10 -- 60°光沢 81 89 43 77 75 110 ノッチ付きアイゾット衝撃試験 (25℃、10ミル、ft-lb/in) 5 5 7 8 9 0.6 ダイナタップ試験 (25℃、10ミル、ft-lb ) 全エネルギー 40 42 40 34 36 12 エネルギー最大負荷 38 39 39 32 33 11 成形条件 平均バレル設定温度(°F) 600 600 600 600 600 600 金型表面温度(°F) 170 170 170 170 170 170 以上、本発明の特定の実施例を記載したが、これらの実
施例は本発明の実施に際して使用可能な極めて多数の条
件のほんの一部を例示するものに過ぎない。それ故、本
発明の方法はそれらの実施例に先行する説明中に記載さ
れたような遥かに広い範囲の耐衝撃性向上剤および配合
物の製造を対象とするものであることを理解すべきであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQP 9167−4J //(C08L 71/12 83:04)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 43〜400重量部の有機ケイ素単
    量体および150重量部のビニル基含有有機単量体をそ
    れらの水性乳化混合物中において実質的に同時に重合さ
    せることによってラテックスを生成させ、 (2) 前記ラテックスから重合生成物を単離するのに先立
    ち、1〜10のpH範囲内において前記ラテックスを調
    整し、 (3) 前記ラテックスから重合生成物を単離してオルガノ
    ポリシロキサン/有機重合体材料を得、 (4) 前記オルガノポリシロキサン/有機重合体材料とポ
    リフェニレンエーテルとを溶融混合することによって配
    合物を調製し、 次いで(5) 前記配合物を成形することにより、前記工程
    (2) のpH範囲が1〜5である場合には約20〜85の
    60°表面光沢を有し、また前記工程(2) のpH範囲が
    5〜10である場合には約60〜100の60°表面光
    沢を有する成形品を得る諸工程から成ることを特徴とす
    る、ポリフェニレンエーテルとシリコーン/有機重合体
    耐衝撃性向上剤との配合物から得られる成形品の鏡面光
    沢を調節する方法。
  2. 【請求項2】 前記ラテックスを生成させるために15
    0〜400重量部の前記有機ケイ素単量体が使用される
    結果、前記配合物を成形することにより、前記pH範囲
    が1〜5である場合には約20〜65の60°表面光沢
    を有し、また前記pH範囲が5〜10である場合には約
    60〜85の60°表面光沢を有する成形品が得られる
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ラテックスを生成するために43〜
    150重量部の前記有機ケイ素単量体が使用される結
    果、前記配合物を成形することにより、前記pH範囲が
    1〜5である場合には約50〜85の60°表面光沢を
    有し、また前記pH範囲が5〜10である場合には約8
    0〜100の60°表面光沢を有する成形品が得られる
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記オルガノポリシロキサン/有機重合
    体耐衝撃性向上剤を調製するために使用される前記有機
    ケイ素単量体が、オクタメチルシクロテトラシロキサ
    ン、テトラエトキシシラン、テトラメチルテトラビニル
    シクロテトラシロキサン、メタクリロキシプロピルトリ
    エトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
    シシラン、テトライソプロピルシランおよびそれらの混
    合物から成る群より選ばれた1者である請求項1記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記オルガノポリシロキサン/有機重合
    体耐衝撃性向上剤を調製するために使用される前記ビニ
    ル基含有有機単量体が、芳香族アルケニル化合物、メタ
    クリル酸エステル、シアン化ビニルおよびそれらの混合
    物から成る群より選ばれた1者である請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記オルガノポリシロキサン/有機重合
    体耐衝撃性向上剤と溶融混合される前記ポリフェニレン
    エーテルが2,6−キシレノールの酸化カップリング反
    応生成物である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記配合物の調製に際し、前記ポリフェ
    ニレンエーテル100重量部当り1〜35重量部の前記
    オルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝撃性向上剤が
    使用される請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の方法によって調製された
    前記オルガノポリシロキサン/有機重合体耐衝撃性向上
    剤が前記ポリフェニレンエーテル100重量部当り8〜
    15重量部の量で使用される請求項7記載の方法。
JP32771692A 1991-12-09 1992-12-08 ポリフェニレンエーテルとシリコーン/有機重合体耐衝撃性向上剤との配合物から得られる成形品の鏡面光沢を調節する方法 Expired - Lifetime JPH0670142B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US80381391A 1991-12-09 1991-12-09
US803813 1991-12-09

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05262893A JPH05262893A (ja) 1993-10-12
JPH0670142B2 true JPH0670142B2 (ja) 1994-09-07

Family

ID=25187493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32771692A Expired - Lifetime JPH0670142B2 (ja) 1991-12-09 1992-12-08 ポリフェニレンエーテルとシリコーン/有機重合体耐衝撃性向上剤との配合物から得られる成形品の鏡面光沢を調節する方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP0546757A1 (ja)
JP (1) JPH0670142B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2880349B1 (fr) * 2004-12-31 2009-03-06 Michelin Soc Tech Nanoparticules de polyvinylaromatique fonctionnalise
US8222351B2 (en) 2007-02-12 2012-07-17 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Low gloss polycarbonate compositions
US8222350B2 (en) 2007-02-12 2012-07-17 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Low gloss polycarbonate compositions

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2625216B1 (fr) * 1987-12-29 1992-01-24 Charbonnages Ste Chimique Materiau polymere a reseaux interpenetres polysiloxane-polyacrylique, son procede de fabrication, et articles moules obtenus
US5047472A (en) * 1988-11-14 1991-09-10 General Electric Company Polyphenylene ether or polyphenylene ether/polystyrene with polyorganosiloxane/polyvinyl-based graft polymer modifiers
US4927880A (en) * 1988-11-14 1990-05-22 General Electric Company Low gloss molded articles using polyorganosiloxane/polyvinyl-based graft polymers
US5106900A (en) * 1990-11-15 1992-04-21 General Electric Company Method and organopolysiloxane/organic polymeric compositions obtained therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
EP0546757A1 (en) 1993-06-16
JPH05262893A (ja) 1993-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0260552B1 (en) Graft copolymer rubber and polyphenylene ether resin composition comprising this rubber.
JP2530334B2 (ja) 高い切欠き衝撃強度を有するグラフト重合体類
JP3634964B2 (ja) グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
EP0433906B1 (en) Thermoplastic resin and process for producing the same
JPS63202631A (ja) 微粒状多相重合体組成物およびその製造方法
JP4702998B2 (ja) ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物
JPH02238012A (ja) ポリオルガノシロキサン/ポリビニルをベースとしたメタクリレート又はアクリレートグラフト重合体
KR102368241B1 (ko) 폴리오르가노실록산 함유 그래프트 공중합체, 열가소성 수지 조성물 및 성형체
US5804655A (en) Silicone-modified acrylic rubber particles, graft copolymer particles of silicone-modified acrylic rubber and thermoplastic resin composition
US5543460A (en) Graft copolymer particles their production and compositions comprising them
EP0369376B1 (en) Flame retardant polyphenylene ether resin composition
US4865917A (en) Thermoplastic silicone rubber graft polymers (I)
US5106900A (en) Method and organopolysiloxane/organic polymeric compositions obtained therefrom
JPH02251559A (ja) ポリオルガノシロキサン/ポリビニルをベースとするグラフトメタクリレート又はアクリレートポリマーを含むポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリフェニレンエーテル
JPH0670142B2 (ja) ポリフェニレンエーテルとシリコーン/有機重合体耐衝撃性向上剤との配合物から得られる成形品の鏡面光沢を調節する方法
US5047472A (en) Polyphenylene ether or polyphenylene ether/polystyrene with polyorganosiloxane/polyvinyl-based graft polymer modifiers
JPH04239010A (ja) グラフト共重合体
EP0584363B1 (en) Graft copolymer particle, production thereof, and composition thereof
EP0381239B1 (en) Impact-resistant resin
JPH04100812A (ja) 複合ゴム系グラフト共重合体粒子
JPS6363710A (ja) ノツチ付き衝撃強さをもつたシリコ−ン・ゴム・グラフト重合体
KR20130090843A (ko) 메틸메타크릴레이트-부타디엔-스티렌계 충격보강제 및 이를 포함하는 폴리카보네이트 수지 조성물
JPH021763A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
CA2055800C (en) Method for improving powder characteristics
WO2023190135A1 (ja) 低応力化剤および樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19950314