JPH0670124A - ファクシミリ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不要な発信側からのファクシミリ通信を確実
に無効化することができるようにする。 【構成】 ファクシミリ受信時に、発信側から送信され
てくるＴＳＩ信号のデータをＲＡＭ３内に一時的に記憶
する。そして、記録紙上に印刷された受信画データを見
て、その画データを送信してきた発信側との通信を以後
行いたくない場合には、次の着信がある前に、登録キー
９を操作する。すると、ＣＰＵ１は、ＲＡＭ３内に一時
的に記憶されている前記ＴＳＩ信号のデータを設定登録
する。そして、以後、ＣＰＵ１は、このＴＳＩ信号を有
する発信側からの着信を検出すると、その発信側との間
のファクシミリ通信を中断するか、或いは偽装受信を行
い、発信側との間のファクシミリ通信を無効化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】ファクシミリ装置を利用したダイレクト
メール等により、必要のない通信でファクシミリ装置が
使われることがある。そのため、他の発信側からの至急
の通信を受信することの妨げになったり、又、必要のな
い内容のものが記録紙に印刷されることにより、記録紙
が無駄に消費されたりするなどの問題が生じていた。

【０００３】このため、従来装置では、発信側から送信
されてくるＴＳＩ信号より発信側のファックス番号を認
識し、そのファックス番号と、受信を拒否したい発信側
のものとして予め登録されているファックス番号とを順
次比較し、一致するものがある場合には、その発信側と
の間のファクシミリ通信を中断するようにしていた。即
ち、発信側からの画データが記録紙上に印刷されるとき
には、通常、その画データとともに、記録紙の上端隅部
に発信元情報としてファックス番号等が印刷される。従
って、その記録紙上に印刷されたファックス番号に基づ
いて、受信を拒否したい発信側のファックス番号を登録
することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、発信側から
の画データとともに記録紙上に印刷される発信側のファ
ックス番号は、信用性に欠けるものである。即ち、この
印刷されたファックス番号は、発信側で任意に設定入力
された単なるイメージデータであり、発信側固有の識別
データではない。従って、発信側では、本当のファック
ス番号ではなくて、虚偽のファックス番号を登録するこ
ともできるため、印刷出力されたファックス番号が、発
信側の本当のファックス番号であるか否かを確実に断定
することはできなかった。又、発信側でファックス番号
の設定入力が行われていなければ、ファックス番号が記
録紙上に印刷されてこないので、このような場合には、
発信側からの通信を拒否することは不可能になる。又、
登録したファックス番号とＴＳＩ信号に含まれるファッ
クス番号との間に、例えば「１２３４５６」、「１２３
４５６」、又は「１２−３４５６」というように、ファ
ックス番号の中に空白が有るか否か、或いはハイフンが
有るか否かの違いがあっても、発信側からの通信を拒否
できなくなるものであった。

【０００５】以上のように、発信側からの画データとと
もに記録紙上に印刷されるファックス番号を登録して
も、その登録されたファックス番号に対応する発信側か
らの通信を確実に拒否することはできなかった。

【０００６】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、不要な発信側からのフ
ァクシミリ通信を確実に無効化することができるファク
シミリ装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めにこの発明では、ファクシミリ受信時に発信側から送
信されてくるＴＳＩ信号を一時的に記憶する記憶手段
と、その一時的に記憶されたＴＳＩ信号を設定登録する
登録手段と、その登録されたＴＳＩ信号を有する発信側
からの着信を検出すると、その発信側との間のファクシ
ミリ通信を無効化する無効化手段とを備えたものであ
る。

【０００８】

【作用】従って、本発明によれば、ファクシミリ受信時
には、発信側から送信されてくるＴＳＩ信号（送信端末
識別信号）が一時的に記憶される。尚、このＴＳＩ信号
にはＦＩＦ（Facsimile Information Field ）が備えら
れており、このＦＩＦにはファックス番号等の装置の固
有の識別データが収められている。そして、記録紙上に
印刷された受信画データを見て、その画データを送信し
てきた発信側との通信を以後行いたくない場合には、登
録手段により前記一時的に記憶されたＴＳＩ信号を登録
する。すると、以後、その登録されたＴＳＩ信号を有す
る発信側からの着信が検出されると、その発信側との間
のファクシミリ通信は無効化される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。図１に示すように、無効化手段とし
てのＣＰＵ（中央処理装置）１は、ＲＯＭ（リードオン
リメモリ）２に記憶されたプログラムに基づいて、装置
全体の動作を制御する。記憶手段としてのＲＡＭ（ラン
ダムアクセスメモリ）３は、送受信画データ、及び発信
側から送信されてくる後述するＴＳＩ信号（送信端末識
別信号）のデータ等の各種情報を一時的に記憶する。

【００１０】ＮＣＵ４は電話回線との接続を制御する。
モデム５は送受信データの変調、復調を行う。読取部６
は原稿上の画像を読み取るためのものである。記録部７
は受信された画データ等に基づいて記録紙上に印刷を行
うためのものである。キー入力部８は、ファックス番号
等を入力するためのダイヤルキー（図示しない）、前記
ＲＡＭ３内に一時的に記憶されたＴＳＩ信号のデータを
設定登録するための登録キー９、及び後述する偽装受信
モードを設定、解除するための設定キー１１等を備えて
いる。表示部１０は、各種情報を表示するためのもので
ある。

【００１１】前記ＴＳＩ信号にはＦＩＦ（Facsimile In
formation Field ）が備えられており、このＦＩＦには
ファックス番号等の装置の固有の識別データが収められ
ている。即ち、このＴＳＩ信号内の識別データは、使用
者により設定入力されて送信画データとともに受信側で
印刷出力されるものではなく、ファックス番号等の装置
の固有の識別データを受信側に正確に伝達するためのも
のである。そして、このＴＳＩ信号は、ファクシミリ送
信時に受信側に送信され、受信側では、この受信された
ＴＳＩ信号内の識別データに基づいて、発信側を正確に
特定することができる。

【００１２】そして、本実施例では、ＣＰＵ１、ＲＡＭ
３、及び登録キー９により、登録手段が構成されてい
る。即ち、ファクシミリ受信時には、発信側から送信さ
れてくるＴＳＩ信号のデータがＲＡＭ３内に一時的に記
憶される。そして、そのファクシミリ受信動作が終了し
た後に、登録キー９が操作されると、ＣＰＵ１はそのＴ
ＳＩ信号のデータをＲＡＭ３内に設定登録する。

【００１３】又、ＣＰＵ１は、前記設定登録されたＴＳ
Ｉ信号を有する発信側からの着信を検出すると、その発
信側との間のファクシミリ通信を無効化する。尚、無効
化するとは、ファクシミリ受信動作を中断して回線断し
たり、或いは偽装受信を行ったりすることである。ここ
で、偽装受信とは、ファクシミリ受信動作を中断するこ
となく、発信側からの画データを一旦ＲＡＭ３内に記憶
して、受信動作の終了後にその記憶された画データを消
去することである。そして、前記キー入力部８の設定キ
ー１１の操作により、この偽装受信モードの設定、解除
が行われ、偽装受信モードが解除されている場合に、フ
ァクシミリ受信動作を中断して回線断する動作が行われ
る。

【００１４】次に、上記のように構成されたファクシミ
リ装置について作用を説明するさて、このファクシミリ
装置の受信時には、ＣＰＵ１の制御のもとで、図２のフ
ローチャートに示すような動作が行われる。即ち、発信
側からの着信が検出されると、その発信側へＮＳＦ信号
（非標準機能識別信号）、ＣＳＩ信号（被呼端末識別信
号）、及びＤＩＳ信号（デジタル識別信号）が送出され
る（ステップＳ１〜Ｓ２）。すると、発信側からＮＳＳ
信号（非標準機能設定信号）、前記ＴＳＩ信号、及びＤ
ＣＳ信号（デジタル命令信号）が送信されてきて、それ
らの信号が受信される（ステップＳ３）。

【００１５】そして、その受信されたＴＳＩ信号のデー
タがＲＡＭ３内に一時的に記憶され、すでにＲＡＭ３内
に設定登録されているＴＳＩ信号のデータの中に、この
一時的に記憶されたＴＳＩ信号と一致するものが有るか
否かが判断される（ステップＳ４〜Ｓ５）。そして、一
致するものがない場合は、受信許可と判断されて、通常
のファクシミリ受信動作、即ち記録部７が作動されて、
発信側から送信されてくる画データが記録紙上に印刷さ
れる（ステップＳ６）。尚、この受信動作において、受
信画データを一旦ＲＡＭ３内に記憶しておいて、受信動
作終了後に所定のキー操作を行って、この記憶した画デ
ータを印刷出力させるようにしてもよい。

【００１６】又、ＲＡＭ３内に設定登録されているＴＳ
Ｉ信号のデータの中に、前記一時的に記憶されたＴＳＩ
信号と一致するものが有る場合は、受信拒否と判断さ
れ、偽装受信モードの設定が有るか否かが判断される
（ステップＳ５，Ｓ７）。そして、偽装受信モードの設
定がない場合は、ファクシミリ受信動作が中断されて回
線断され、その後、ＲＡＭ３内に一時的に記憶されたＴ
ＳＩ信号のデータが消去される（ステップＳ８〜Ｓ
９）。即ち、このＴＳＩ信号のデータは、通信を拒否す
る発信側のものとして、すでにＲＡＭ３内に設定登録さ
れており、記憶しておく必要がないので、ファクシミリ
受信動作の中断に伴って消去するようにしている。

【００１７】又、前記ステップＳ７において、偽装受信
モードの設定が有る場合には、偽装受信が開始される。
即ち、トレーニングにおいて、発信側との間で転送レー
トを設定するときに最高の転送レートを選択し、たとえ
その転送レートでエラーが生じ得るものでも、その最高
の転送レートで通信可能である旨を発信側に伝える。そ
して、以後の画データ受信に際して、例えエラーを検出
しても、肯定的な応答をするように設定した上で（ステ
ップＳ１０）、画データ受信動作に移行する。そして、
この受信された画データは一旦ＲＡＭ３内に記憶され、
受信動作が終了されて回線断されると、この記憶された
画データは消去される（ステップＳ１１〜Ｓ１３）。そ
の後、前記ステップＳ９に移行される。

【００１８】又、前記ステップＳ６において通常のファ
クシミリ受信動作が終了されてから、記録紙上に印刷さ
れた受信画データを見て、その画データを送信してきた
発信側との通信を以後行いたくない場合には、次の着信
がある前に、登録キー９を操作する。すると、ＲＡＭ３
内に一時的に記憶されている前記ＴＳＩ信号のデータが
設定登録される。従って、以後、このＴＳＩ信号を有す
る発信側からの着信が検出されても、その発信側との間
のファクシミリ通信は中断されるか、或いは偽装受信さ
れ、その発信側からの画データが記録紙上に印刷出力さ
れることはない。

【００１９】又、記録紙上に印刷された画データを見
て、その画データを送信してきた発信側との通信を以後
も行いたい場合には、次の着信があるまで、登録キー９
を操作しないようにする。すると、次の着信が検出され
るのと同時に、ＲＡＭ３内に一時的に記憶されていた前
記ＴＳＩ信号のデータは消去される。

【００２０】以上のように、この実施例のファクシミリ
装置では、不要な内容の画データを送信してきた発信側
に対しては、登録キー９を操作して、その発信側のＴＳ
Ｉ信号のデータをＲＡＭ３内に登録すればよい。そし
て、このＴＳＩ信号内には、発信側固有の識別データが
収められているため、画データとともに記録紙上に印刷
される発信元情報とは異なり、非常に確実性の高いもの
である。即ち、受信されたＴＳＩ信号のデータを登録す
れば、以後、同一の発信側から送信されてくるＴＳＩ信
号はその登録されたＴＳＩ信号と当然同一である。従っ
て、通信を拒否したい発信側のＴＳＩ信号を登録すれ
ば、以後、その発信側からの着信が検出されても、その
発信側との間のファクシミリ通信を確実に無効化するこ
とができる。

【００２１】従って、不要な内容の印刷が行われて、記
録紙が無駄に消費されることを回避することができる。
又、偽装受信モードを設定しなかった場合には、発信側
との間のファクシミリ通信が直ちに中断されるので、必
要のない通信でファクシミリ装置が使われて、他の発信
側からの至急の通信を受信することの妨げになることが
ない。

【００２２】又、偽装受信モード時においても、転送レ
ートとして最高速のものを用いて通信時間の短縮を図っ
ているので、他の発信側からの至急の通信を受信するこ
との妨げになることはほとんどない。即ち、この偽装受
信モードでは、ＲＡＭ３に記憶された画データは印刷さ
れることなく消去されるものであるため、エラーを含ん
でいても何ら不都合はない。従って、例えエラーが発生
したとしても肯定的な応答を行うことにより、転送レー
トとして最高速のものを用いて通信を行うことができ
る。

【００２３】又、偽装受信を行うと、通信手順が中断さ
れずに最後まで実行されるので、発信側では正常に送信
を終了したと判断し、その発信側が通信手順が異常終了
したと判断して、再度発信してくるというおそれがなく
なる。

【００２４】尚、この発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、例えば以下のような態様で具体化するこ
とも可能である。 （１）偽装受信を行ったり、発信側とのファクシミリ通
信を中断したりした場合に、それらに関する内容、例え
ば発信側のＴＳＩ信号内の識別データや通信時刻等をＲ
ＡＭ３内の所定の記憶領域に記憶しておいて、所定のキ
ー操作により、その記憶された内容をジャーナルレポー
トとして印刷出力するように構成すること。このように
構成した場合には、どのような相手からいつごろ不要な
通信を受けたか等を容易に確認することができる。 （２）予め設定された時間帯のみ偽装受信モードになる
ように構成すること。このように構成した場合には、不
要なダイレクトメールの多い時間帯、例えば夜間におい
てのみ偽装受信モードになるように設定し、昼間の就業
時間中等は偽装受信が行われないように設定するなどの
選択が可能になる。

【００２５】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、不
要な発信側からのファクシミリ通信を確実に無効化する
ことができ、不要な受信で記録紙が無駄に消費されたり
することを回避することができるという優れた効果を発
揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化したファクシミリ装置の一実施
例を示すブロック回路図である。

【図２】ファクシミリ装置の受信時における動作を示す
フローチャートである。

【符号の説明】

１…登録手段を構成する無効化手段としてのＣＰＵ、３
…登録手段を構成する記憶手段としてのＲＡＭ、９…登
録手段を構成する登録キー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファクシミリ受信時に発信側から送信さ
   れてくるＴＳＩ信号を一時的に記憶する記憶手段と、そ
   の一時的に記憶されたＴＳＩ信号を設定登録する登録手
   段と、その登録されたＴＳＩ信号を有する発信側からの
   着信を検出すると、その発信側との間のファクシミリ通
   信を無効化する無効化手段とを備えたファクシミリ装
   置。