JPH0670068U - 自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 商品収納ボックス及び操作機器収納部のいず
れにも適用可能でこれらを引き出し式とすることで機能
性を高め、しかも部品点数を抑えてコンパクト化を図る
ことによりコスト低減を実現した自動販売機を提供す
る。 【構成】 操作機器収納部３０を本体ケース１１から引
き出し可能な可動式とし、この操作機器収納部３０を、
本体ケース１１に設けられた収納空間部（収容部ケー
ス）３１と、収納空間部３１を形成する壁面３７の１つ
に水平方向に設けられた上下に少なくとも２本の平行な
ガイドレール４０と、壁面３７に沿うほぼ垂直な平板状
の背面側でガイドレール４０を介して壁面３７に移動可
能に支持され、平板状の表面側に各種機器５０〜５２を
取り付けて担持して本体ケース１１から引き出される機
器搭載パネル４４とで構成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動販売機に関し、更に詳しくは、投入紙幣や貨幣の収納庫や釣り 銭払戻し機等からなる金銭取扱装置、商品を顧客に提供するまでの一連の搬送機 構や電気回路機器を収納した収納部を改良した自動販売機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、自動販売機の本体ケースにおいて、多品種の商品を収納した多数の 収納室または収納棚を箱体の商品収納ボックスに隔成し、この商品収納ボックス を本体ケースから引き出し可能なスライド構造とすることで、商品の取出し時や 補充時の利便を高めるようにしたものに、例えば本出願人によって提案された実 公昭５７−４１８７４号公報等の自動販売機がある。

【０００３】 一般に引き出し式の商品収納ボックス構造、並びに実公昭５７−４１８７４号 公報の自動販売機においても同様その構造は、箱体の上部をハンガー式ガイドレ ールで吊って支持し、下部には左右の振れを防止して引き出し時に安定した走行 を維持するための案内ガイドレールが設けてある。

【０００４】 また、普通、自動販売機の本体ケースには、商品収納ボックスと区分して各種 操作機器の収納部が併設される。この操作機器収納部には投入紙幣や貨幣の収納 庫や釣り銭払戻し機等からなる金銭取扱装置、庫内商品が加温冷却する必要のあ るものであればその空調装置の制御部、そして商品を顧客に提供するまでの一連 の搬送機構や電気機器が格納される。多くの場合、操作機器収納部は本体ケース の一部を空間とした収納スペースとして設けられ、この収納スペースに各機器を 固定して組み込むようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、操作機器収納部にあっては現在までその引き出し式のものは開発さ れてはおらず、各種機器を本体ケースに隔成された空間に組み込んで固定する構 造よりは、前述の商品収納ボックスのように箱形として本体ケースから引き出し 可能な可動式に着目することができる。即ち、操作機器収納部の引き出しによっ て売上金銭の回収作業や機器のメンテナンス作業等が非常に便利で能率的なもの になる。

【０００６】 しかし、先の公報等に見られる商品収納ボックスの引き出し構造は数々の利点 を有する反面、ボックスを吊って移動させる機構や案内機構が非常に複雑となっ て部品点数も多く、部品加工等の面でもコストが高騰する不具合がある。

【０００７】 本考案の目的は、自動販売機において商品収納ボックス及び操作機器収納部の いずれにも適用可能でこれらを引き出し式とすることで機能性を高め、しかも部 品点数を抑えてコンパクト化を図ることによりコスト低減を実現した自動販売機 を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案による自動販売機は、請求項１では、本体 ケースに商品収納部及び操作機器収納部が設けられ、少なくとも操作機器収納部 を本体ケースから引き出し可能な可動式としている。

【０００９】 請求項２では、操作機器収納部が、本体ケースに設けられた収納空間部を形成 する壁面の１つに水平方向に設けられた上下に少なくとも２本の平行なガイドレ ールと、壁面に沿うほぼ垂直な平板状の背面側でガイドレールを介して壁面に移 動可能に支持され、平板状の表面側に各種機器を取り付けて担持して本体ケース から引き出される機器搭載パネルとを備えたものとなっている。

【００１０】 また、請求項３では、機器搭載パネルをこのほぼ全域に方向性を有する多数の 取付孔または取付溝を有するものに構成し、取付孔または取付溝を用いて任意の 機器を任意の位置に取り付けるようにすることもできる。

【００１１】

【作用】

請求項１及び２にあっては、操作機器収納部を本体ケースから引き出すと、メ ンテナンス等が容易になる。機器搭載パネルは平板状であるから、ボックス型の ように本体ケースに設けられた収納空間部での収納スペースは、部材が少ない分 だけ小さくて済み、またパネル可動機構も簡素である。

【００１２】 請求項３の場合、機器搭載パネルに、このほぼ全域に設けられた方向性を有す る多数の取付孔または取付溝を利用し、専用の取付金具等との併用で任意の機器 を任意の位置に取り付ける。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案による自動販売機の実施例を図面によって説明する。

【００１４】 図１及び図２は、実施例の自動販売機の正面図及び側面断面図を示している。 図示例の自動販売機１０では、前扉１２で閉じられた本体ケース１１の内部に商 品収納ボックス２０が設けられ、商品収納ボックス２０には多品種の商品を個別 に陳列収納する多数の商品棚２１を隔成して設けてある。各商品棚２１は中扉２ ２で常時自動ロックしてあって、顧客は代金投入後に押し釦２３の押圧操作によ り中扉２２を自動ロックを解除して開き、所望の商品を購入することができる。

【００１５】 各商品棚２１に収納された商品によっては、例えば乾燥スナック食品のように 加温冷却を必要としないものもある。一方、加温した状態で販売するホット商品 、冷却した状態で販売するコールド商品を取り扱う自動販売機の場合は、本体ケ ース１１の商品収納ボックス２０は冷気暖気を循環させて空調される。

【００１６】 また、本体ケース１１には、商品収納ボックス２０と区画して操作機器収納部 ３０が設けられている。操作機器収納部３０としては本体ケース１１の一部に隔 成された収納部ケース３１を有し、収納部ケース３１は通常表側から操作パネル ３２で覆って閉塞されている。操作パネル３２にはコイン（硬貨）投入口３３、 札（紙幣）投入口３４、釣り銭返却口３５、及びパイロットランプ等の各種表示 ランプ３６が配置され、収納部ケース３１内に収納された各種機器と機械的及び 電気的に接続されて連動させるようになっている。

【００１７】 図３及び図４に示すように、収納部ケース３１内では、内部空間を形成する一 方側の垂直な壁面３７に上下一対の平行なガイドレール４０、４０が空間部の奥 行き方向に、つまり本体ケース１０の前後方向に水平に延びて設けられている。 各ガイドレール４０は壁面３７に溶接で固定され、例えばＣ形鋼等の幾つかの鋼 材によるレール部材４２、４３を組み合わせた合材で構成されている。

【００１８】 一方、上下一対のガイドレール４０、４０には、平板状の機器搭載パネル４４ が案内されて格納空間の奥行き方向へ、つまり本体ケース１０の前後方向へ移動 可能に支持されている。図から明らかなように、機器搭載パネル４４は収納部ケ ース３１の空間において上下と縦横に十分な寸法と面積を有する全体平板状であ り、収納される各機器（図中にて実線及び仮想線５０、５１、５２で示す）が専 用取付金具を用いて取り付けられるようになっている。

【００１９】 機器搭載パネル４４の移動機構は、パネル背面にレール受け４５、４５が固定 して設けられ、両レール受け４５、４５を垂直壁面３７側のガイドレール４０、 ４０に係合させて機器搭載パネル４４の前後動を可能にしている。移動をより円 滑にするために、レール受け４５とガイドレール４０のいずれか一方に鋼球ベア リング４６を介在させておくこともできる。ベアリング４６の止め方法は通常の 軸受構造にみられるとおりであり、機器搭載パネル４４の移動を規制するストッ パや所定位置にてロックする構造も限定されず、特にそれらの説明及び図示はし ない。

【００２０】 また、機器搭載パネル４４はその片側背面で垂直壁面３７に片持ち支持される 構造であるから、ガイドレール４０とレール受け４５の剛性及び係合は、機器搭 載パネル４４の自重や取付機器全体の重量に耐えられるだけの耐久強度を有する ものである。

【００２１】 このように、取付機器はパネル４４の片面を利用して取り付けられるのであり 、従来のボックス内部に収納されるのではないから、取付スペースの増大と取付 の自由度が増す利点がある。

【００２２】 以上の構成による実施例の自動販売機の動作態様及び作用を説明する。

【００２３】 通常時、商品収納ボックス２０の各商品棚２１に陳列収納された所望の商品を 購入する場合、顧客は所要の代金を硬貨または紙幣を操作パネル３２のコイン（ 硬貨）投入口３３または札（紙幣）投入口３４に投入する。前扉１２を開き、所 望の商品の押し釦２３を操作して中扉２２のロックを解除し、その商品棚２１内 の商品を取り出す。

【００２４】 操作機器収納部３０において、購入代金が満杯になって回収の必要が生じた際 、あるいは内部収納機器の点検、修理等のメンテナンスが生じた場合は、表側の 操作パネル３２を開き、収納ケース３１内の機器搭載パネル４４を本体ケース１ ０から引き出して所要の作業を行う。作業目標の機器は機器搭載パネル４４と共 に本体ケース１０から機体外に引き出されるので、狭い機体内空間で作業を行う といった従前の不具合が解消される。作業終了後は元の位置まで機器搭載パネル ４４を押し戻して収納ケース３１に納め、操作パネル３２を閉じて機器の作動を 立ち上げ販売使用に備える。

【００２５】 なお、実施例では操作機器収納部３０を対象に引き出し構造が述べられたが、 商品収納ボックス２０への適用も勿論可能である。また、これら両部に限らず、 自動販売機の全体から見た場合、図１及び図２で示された自動販売機１０の機械 室１３等にも適用されよう。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案による自動販売機は、例えば操作機器収納部を本 体ケースから引き出す構造とした場合、売上金銭の満杯時の回収、メンテナンス 等の作業が能率的で容易になる。また、各操作機器を収納する機器搭載パネルは 平板状であるから、移動機構や案内機構の部材の点数は極端に削減され、大幅な コスト低減が可能である。

【００２７】 また、請求項３に述べられているように、機器搭載パネルを方向性のある多孔 板とすれば、専用の取付金具等との併用で任意の機器を任意の位置に簡単に取り 付けることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による自動販売機の実施例の正面図

【図２】実施例の自動販売機の側面断面図

【図３】本考案の要部である操作機器収納部の外観を示
す斜視図

【図４】同じく要部の操作機器収納部の正面部分断面図

【符号の説明】

１１…本体ケース、１３…機械室、２０…商品収納ボッ
クス、２１…商品棚、２３…押し釦、３０…操作機器収
納部、３１…収納部ケース、３２…操作パネル、３７…
垂直壁面、４０…ガイドレール、４２、４３…レール部
材、４４…搭載機器パネル、５０〜５２…収納機器、４
５…レール受け、４６…ベアリング。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケースに商品収納部及び操作機器収
   納部が設けられ、少なくとも操作機器収納部を本体ケー
   スから引き出し可能な可動式としたことを特徴とする自
   動販売機。
2. 【請求項２】 操作機器収納部が、 本体ケースに設けられた収納空間部を形成する壁面の１
   つに水平方向に設けられた上下に少なくとも２本の平行
   なガイドレールと、 壁面に沿うほぼ垂直な平板状の背面側でガイドレールを
   介して壁面に移動可能に支持され、平板状の表面側に各
   種機器を取り付けて担持して本体ケースから引き出され
   る機器搭載パネルと、を備えた請求項１記載の自動販売
   機。
3. 【請求項３】 機器搭載パネルが、このほぼ全域に方向
   性を有する多数の取付孔または取付溝を有し、取付孔ま
   たは取付溝を用いて任意の機器を任意の位置に取付可能
   な請求項３記載の自動販売機。