JPH0669617U - 天井埋込型空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排水ホースの閉塞の様子が容易に目視でき、
ドレンポンプの交換が容易な天井埋込型空気調和機を提
供する。 【構成】 天井壁１に形成される開口部２に吸込口１０
と吹出口１１とを位置させると共に、室内熱交換器８と
ドレンポンプ１５とを内蔵する室内ユニット４を天井壁
１の裏面部に据え付けた天井埋込型空気調和機３におい
て、上記ドレンポンプ１５に接続されるドレン排水ホー
ス１６を上記吸込口１０から室内熱交換器８に至る吸込
通路１９に露出させたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は天井埋込型の空気調和機に係り、特にドレンの排水状況を容易に確認 できるようにした天井埋込型空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

天井埋込型空気調和機の概要を図１０及び図１１に示す。図示するようにこの 空気調和機ａは、天井壁ｂに形成される開口部ｃに据え付けられており、室内に 臨む天井面ｄに吸込口ｅと吹出口ｆとを有している。そして、内部に設けられた ファンｇを回転させて吸込口ｅから室内空気を吸い込み、ファンｇを囲繞して配 置された熱交換器ｈを通過させ、冷風あるいは温風として吹出口ｆから室内へ吹 き出すものである。

【０００３】 かかる天井埋込型空気調和機ａは室内天井壁の中央部に設置されるので、冷房 時に生じるドレンを排水するにはドレンを一定の高さまで汲み上げる（即ちドレ ン勾配を取る）必要がある。そのため、空気調和機ａの内部にドレンポンプｉを 設け、ドレンパンｊ内のドレンを所定高さまで汲み上げ、セット上部の排水管ｋ から排水するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このドレンポンプｉの機能が働かないと、ドレンパンｊ内のドレン を排水することができなくなり、ドレンパンｊからドレンが溢れ天井から滴下す るなどの問題が生じ、運転を中止せざるを得ない。つまり、この空気調和機ａに とって、ドレンポンプｉの故障やポンプ吐出口に接続される排水ホースｌの閉塞 は致命的である。

【０００５】 しかし、上記ドレンポンプｉおよび排水ホースｌは、熱交換器ｈによってファ ンｇ側と仕切られているため、たとえ室内から吸込グリルｅやファンｇを取り外 したとしてもそれらの状況を目視することはできず、ドレンパンｊを取り外さな い限り排水状況を確認することはできなかった。また、排水ホースｌは、ポンプ ｉと排水管ｋとを最短距離で結び柔軟性がなかったので、ドレンポンプｉを交換 する際のポンプ取外作業性が非常に悪かった。

【０００６】 他方、天井埋込型空気調和機ａはワンフロアーに多数台据え付けられることが 多いため、実際のドレン排水状況は各空気調和機ａの排水管ｋが集合されたドレ ン集合管出口でしか確認できず、個々の空気調和機ａの排水状況を容易に確認で きることが求められていた。

【０００７】 以上の事情を考慮して創案された本考案の目的は、排水ホースの閉塞の様子が 容易に目視でき、ドレンポンプの交換が容易な天井埋込型空気調和機を提供する ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、天井壁に形成される開口部に吸込口と吹 出口とを位置させると共に、室内熱交換器とドレンポンプとを内蔵する室内ユニ ットを天井壁の裏面部に据え付けた天井埋込型空気調和機において、上記ドレン ポンプに接続されるドレン排水ホースを上記吸込口から室内熱交換器に至る吸込 通路に露出させたことを特徴としている。… 上記吸込通路を区画する上記ドレンポンプ側遮蔽壁が透明な仕切板で形成され 、上記ドレン排水ホースが透明な柔軟ホースから形成されていてもよい。… 上記吸込通路を区画するドレンポンプ側遮蔽壁に、上記ドレン排水ホースを上 記吸込通路内に露出させて支持するホース露出孔を設けてもよい。… 上記ドレン排水ホースの排水口が、室内ユニットを区画形成するケーシングに 旋回自在に支持された継手管に接続され、該継手管を介して上記ドレン排水ホー スを室内ユニット外の排水管に接続するようにしてもよい。…

【０００９】

【作用】 の構成によれば、ドレン排水ホースが吸込口から室内熱交換器に至る吸込通 路に露出されているため、吸込口から容易に排水ホースの閉塞の状況を目視でき る。

【００１０】 の構成によれば、ドレン排水ホースの様子が吸込通路を区画する透明な仕切 板を通して目視でき、さらにドレン排水ホース内の閉塞の有無がホースの透明性 により目視できる。

【００１１】 の構成によれば、ドレン排水ホースがドレンポンプ側遮蔽壁に形成されたホ ース露出孔に係止されているので、確実に吸込通路に露出されその目視が一層容 易になる。

【００１２】 の構成によれば、ドレン排水ホースが旋回自在な継手管を介して排水管に接 続されているので、継手管の旋回範囲内で排水管の取り回しの自由度が広がり、 空気調和機の据付性が向上する。

【００１３】

【実施例】

本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１及び図２に示すように、天井壁１に形成される開口部２の裏面側に、天井 埋込型空気調和機３を構成する室内ユニット４が、天井裏の梁５などに固定され たネジ棒６にナット止めされて据え付けられている。室内ユニット４は、その内 部に吸込ファン７や室内熱交換器８などが収容されており、室内に臨む下面９に 吸込口１０と吹出口１１とが形成されている。この構成によれば、ファン７を回 転させることにより室内空気が下面中央部の吸込口１０から吸い込まれ、ファン ７を囲繞して設けられた熱交換器８を通過し、下面周縁部の吹出口１１から冷風 あるいは温風として室内へ吹き出される。

【００１５】 上記熱交換器８は、ファン７を囲繞するようにコ字状に屈曲成形されており、 その切れ目に設けられたドレンポンプ側遮蔽壁１２と相俟って、吸込口１０と吹 出口１１とを完全に仕切っている。よって、一旦吸込口１０から吸い込まれた空 気は、必ず熱交換器８を通ったのち吹出口１１に向かうことになり、吸い込んだ 空気の逆流が防止される。上記遮蔽壁１２は透明な樹脂などからなり、ボルト、 ネジ等（図示せず）により容易に着脱できるようになっている。熱交換器８の下 方には、略同形状のリング状のドレンパン１３が設けられている。ドレンパン１ ３は、全体的に遮蔽壁１２側に低く形成されており、遮蔽壁１３の部分にさらに 一段低い溜部１３ａが設けられている。よって、熱交換器８から滴下したドレン は、自然に上記溜部１３ａに集合される。溜部１３ａには、集められたドレンを 上部の排水管１４まで汲み上げるドレンポンプ１５が設けられている。ドレンポ ンプ１５は室内ユニット４に吊下された取付台１５ａに設けられる。ドレンポン プ１５から吸い込まれたドレンは、ポンプ１５と排水管１４とを接続するドレン 排水ホース１６を介して排水される。ドレン排水ホース１６は、透明なポリエチ レン樹脂からなり、蛇腹状に形成されて屈曲自在となっている。

【００１６】 かかるドレン排水ホース１６は、直接排水管１４側へ向かうのではなく先ずそ の逆方向に取り回されて上記遮蔽壁１２に開口されたホース露出孔１７に係止さ れ、迂回するようにして排水管１４に接続されている。その様子を図３および図 ４に示す。図示するように、遮蔽壁１２にはドレン排水ホース１６と略同幅の長 孔状のホース露出孔１７が開口されており、そこにドレン排水ホース１６の蛇腹 が引っ掛かって係止されている。また、ドレン排水ホース１６は、ホース露出孔 １７の中央部に設けられた押片１８によってファン７側に押し出され確実に出っ 張るようになっている。この結果、ドレン排水ホース１６は、その中央部分が上 記吸込口１０から室内熱交換器８に至る吸込通路１９に露出され、ファン７側か ら目視可能となる。

【００１７】 上記吸込口１０とファン７との間には、吸込空気をファン７へ導くベルマウス ２０が設けられている。本実施例ではこのベルマウス２０を透明なポリエチレン 樹脂などから成形している。よって、吸込グリル２１とエアフィルタ２２を取り 外せば、透明なベルマウス２０を通して吸込通路１９に露出された上記ドレン排 水ホース１６を目視できることになる。なお、図中、２３は室内ユニット４を区 画するケーシング、２４は断熱材（ドットで表す）、２５は吹出ルーバである。

【００１８】 以上の構成からなる本実施例の作用について述べる。

【００１９】 ドレン排水ホース１６の閉塞の有無などを確認するときには、先ず、吸込グリ ル２１とエアフィルタ２２を取り外す。そして、透明なベルマウス２０を通して 遮蔽壁１２の露出孔１７に係止された透明なドレン排水ホース１６を目視する。 このとき、ドレンポンプ１５を作動させておけば排水ホース１６内を流れるドレ ンの流れ状況が把握でき、ホース１６の閉塞や施工状態の良否およびポンプ１５ の故障などが推察できる。

【００２０】 さらによく見たいときには、ファン７も取り外せばドレン排水ホース１６を間 近かで観察できる。このとき、遮蔽壁１２が透明樹脂などによって成形されてい るため、壁１２を通して露出孔１７からの露出部のみならずドレン排水ホース１ ６の全体を観察できる。また、遮蔽壁１２をネジ等を緩めて取り外せば、ドレン 排水ホース１６の全体を手にとってより詳しく観察できる。

【００２１】 観察の結果ドレンポンプ１５の故障が判明しポンプ１５を交換する場合には、 遮蔽壁１２を取り外せば空調室内から容易に交換でき、図１０に示す従来例のよ うにドレンパンｊを取り外す必要はない。また、ドレン排水ホース１６が柔軟性 に富む蛇腹体なので、ホース１６とポンプ１５との接続時にホース１６を自在に 引き出して行うことができる。よって、ドレンポンプ１５を交換する際の作業性 が大幅に向上する。

【００２２】 別の実施例を図５以下に示す。

【００２３】 図示するようにこの変形例は、上記ドレン排水ホース１６の排水口１６ａが、 室内ユニット４を区画形成するケーシング２３に旋回自在に支持された継手管２ ６に接続され、その継手管２６を介して上記ドレン排水ホース１６を室内ユニッ ト４外の排水管２７に接続するようにした点に特徴があり、その他の構成は前実 施例と同様となっている。この構成によれば、前実施例と同様の作用・効果を奏 することは勿論、図８および図９に示すように継手管２６の旋回範囲内で排水管 ２７の取り回しの自由度が広がり、室内ユニット４の据付性が向上する。このと きドレン排水ホース１６はフレキシブルに変形することになる。なお、継手管２ ６は図６に示す凹部で支持するタイプでもよい。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る天井埋込型空気調和機によれば次の如き優れ た効果を発揮できる。

【００２５】 (1) ドレン排水ホースを容易に目視できる。

【００２６】 (2) ドレンポンプの交換が容易となる。

【００２７】 (3) 室内ユニットの据付性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す天井埋込型空気調和機
の側断面図である。

【図２】上記空気調和機の平断面図である。

【図３】上記空気調和機のドレン排水ホース、ドレンポ
ンプ側遮蔽壁およびホース露出孔を示す斜視図である。

【図４】上記ドレンポンプ側遮蔽壁およびホース露出孔
を示す図である。

【図５】上記空気調和機に備えられる継手管の斜視図で
ある。

【図６】上記継手管の変形例を示す斜視図である。

【図７】上記空気調和機の変形例を示す平断面図であ
る。

【図８】上記空気調和機の継手管の部分の拡大図であ
る。

【図９】上記空気調和機の継手管の部分の拡大図であ
る。

【図１０】従来例を示す天井埋込型空気調和機の側断面
図である。

【図１１】従来例を示す天井埋込型空気調和機の平断面
図である。

【符号の説明】

１ 天井壁 ２ 開口部 ３ 天井埋込型空気調和機 ４ 室内ユニット ８ 室内熱交換器 １０ 吸込口 １１ 吹出口 １５ ドレンポンプ １６ ドレン排水ホース １９ 吸込通路

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井壁に形成される開口部に吸込口と吹
   出口とを位置させると共に、室内熱交換器とドレンポン
   プとを内蔵する室内ユニットを天井壁の裏面部に据え付
   けた天井埋込型空気調和機において、上記ドレンポンプ
   に接続されるドレン排水ホースを上記吸込口から室内熱
   交換器に至る吸込通路に露出させたことを特徴とする天
   井埋込型空気調和機。
2. 【請求項２】 上記吸込通路を区画する上記ドレンポン
   プ側遮蔽壁が透明な仕切板で形成され、上記ドレン排水
   ホースが透明な柔軟ホースからなることを特徴とする上
   記請求項１記載の天井埋込型空気調和機。
3. 【請求項３】 上記吸込通路を区画するドレンポンプ側
   遮蔽壁に、上記ドレン排水ホースを上記吸込通路内に露
   出させて支持するホース露出孔を設けたことを特徴とす
   る上記請求項１又は２記載の天井埋込型空気調和機。
4. 【請求項４】 上記ドレン排水ホースの排水口が、室内
   ユニットを区画形成するケーシングに旋回自在に支持さ
   れた継手管に接続され、該継手管を介して上記ドレン排
   水ホースを室内ユニット外の排水管に接続するように構
   成したことを特徴とする上記請求項１記載の天井埋込型
   空気調和機。