JPH0669569U - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼管の内面に合成樹脂製のスリ−ブを積層
し、このスリ−ブの内周に設けた周方向の溝にすり込ん
だ塗着剤により管端部をスリ−ブに単に挿入するだけで
堅固な接続が得られるようにした。 【構成】 合成樹脂からなるスリ−ブの外周面に鋼管を
積層し、前記スリ−ブの内面には中央当て止めを境にす
る両側にそれぞれの受け口へ拡径にするテ−パ−を設け
ると共に複数の周方向の環状溝を周設した管継手を形成
し、スリ−ブの溝にすり込まれた塗着剤によりスリ−ブ
に挿入された管端部を堅固に接着し、管の抜け脱阻止力
に富み、良好な水蜜性、耐食性等を備えた接続部の安全
性を確実に確保し、配管作業容易であり配管費用も節減
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地中線用のケ−シングパイプ、特に、鋼管製ケ−シングパイプの接 続に使用する管継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、地中線用の鋼管製ケ−シングパイプの接続には、両側にねじが切ってあ り、この両側に袋状のナットが螺着された鋼管製の管継手が一般に使用されてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

従来地中線用のケ−シングパイプを接続する管継手において、管の抜け出し或 は水密性、耐食性等の接続部の安全性が損なわれると配管全体の寿命を短くする ものであるから、接続部の安全性が確実に確保されていなければならない。また 、これに加えて、多数の管を接続することから、管継手は取扱が容易で配管作業 における能率的な施行性が要求され、更に、配管費用の節減のためにも、管継手 自体の価格が廉価でなければならない。

【０００４】 しかしながら、従来の技術で述べたこの種従来鋼管製の管継手は、接続部の安 全性は確保されているとしても、鋼管の接続に際し、胴締め作業が必要であり、 この胴締め作業は、レンチ等の種々の器具を使用して行われ、多数の管の接続が 必要な配管作業に多くの時間を要する等の施行性が悪いばかりでなくこのような 構造の従来鋼管製の継手は構造複雑で高価なものであることも加えて、多くの継 手を使用する配管は費用が嵩む等の問題点があった。

【０００５】 本考案は、従来の技術で述べた上記の点に鑑みてなされたものであって、その 目的とするところは、鋼管の内面に合成樹脂製のスリ−ブを積層することにより 、構造簡単で容易に製造することができ、スリ−ブの内周面に接着剤を塗布した 後に管を単に挿入するだけで済み、配管作業が容易であるばかりでなく管の抜け 脱阻止力に富み、良好な水蜜性、耐食性等を備えた接続部の安全性を確実に確保 でき、しかも配管費用も節減し得る新規な管継手を提供するものである。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の管継手において、合成樹脂からなるスリ −ブの外周面に鋼管を積層し、前記スリ−ブの内面には中央当て止めを境にする 両側にそれぞれの受け口へ拡径にするテ−パ−を設けると共に複数の周方向の環 状溝を周設してなるものである。

【０００７】 前記スリ−ブの内周に設けたテ−パ−は、スリ−ブに挿入された管の挿入先端 が接続に十分な挿入距離を有して当て止めに至る前の前記テ−パ−の任意の円周 上位置で係止できるようにするのが好ましく、前記テ−パ−は１／２５とするの が好ましい。

【０００８】 本考案の管継手は、合成樹脂からなるスリ−ブの外周表面に接着剤を塗着し、 このスリ−ブの外周面に外面を亜鉛メッキした鋼管をプレス成形により圧縮接着 せしめて形成するのが好ましい。

【０００９】 前記合成樹脂製スリ−ブは、硬質塩化ビニルからなるのが好ましい。

【００１０】 前記接着剤は、エポキシ樹脂接着剤を使用するのが好ましい。

【００１１】

【作用】

管継手と管の接続は、特別な器具や技能を必要とすることなく、管端部を管継 手に挿入するだけで、スリ−ブ内面に塗着された接着剤により常温のもとで確実 に接着接続し、配管作業は、極めて容易に行なうことができ、多数の接続におい て短時間で確実にかつ廉価に行える。また、合成樹脂製スリ−ブはエポキシ樹脂 接着剤と鋼管との接着力効果を増大させ管端の接着精度が良く、しかも、条溝に 埋め込み固化した接着剤は管の抜脱阻止力を増大する。更に、前記スリ−ブの内 周に設けたテ−パ−は、スリ−ブに挿入された管の挿入先端が接続に十分な挿入 距離を有して当て止めに至る前の前記テ−パ−の任意の円周上位置で係止するの で、管の挿入先端の周縁とスリ−ブの内周面とが密接に接着されて止水作用が得 られ、この止水作用と接着剤により水密性が良好に保持される。合成樹脂製スリ −ブと合成樹脂接着剤は耐食性も優れるので配管全体の寿命を半永久的にする。 更に、管継手の構造が簡単で製造も容易であることから、製造価格も廉価に提供 し、その結果として、多数の管の接続を必要とする配管費用を節減することがで きる。

【００１２】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明すると、図１に示すように、管継手Ａは、 外面を亜鉛メッキした所定長さの鋼管１と、前記鋼管１と同じ長さに截斷した合 成樹脂からなるスリ−ブ２を形成し、このスリ−ブ２の表周面に接着剤３を塗着 し、プレス成形により接着剤３を塗着した前記スリ−ブ２の外周面に前記鋼管１ を圧縮して両者を密着させて外面鋼管１と内面合成樹脂製スリ−ブ２との積層体 を形成し、前記スリ−ブ２の内周面中央に当て止め４を設け、この当て止め４を 境にする両側の内周面５，５’にはそれぞれ両側の受け口６，６’へ拡径となる ようにテ−パ−を切削形成すると共にこれらの内周面５，５’に複数の周方向の 環状溝７，７’を切削することにより形成する。

【００１３】 前記管継手Ａを使用した配管作業は、図２に示すように、前記スリ−ブ２の内 周面の環状溝７，７’に擦り込むようにして接着剤８を塗着し、管９の端部をそ れぞれの受け口６若しくは６’へ挿入する。前記スリ−ブ２の内周に設けたテ− パ−は、スリ−ブ２に挿入された管９の挿入先端が接続に十分な挿入距離を確保 して前記当て止め４に至る前の前記テ−パ−の任意の円周上位置で係止し、接着 剤８の固化により接着接続する。固化した接着剤８は、環状溝７，７’に食い込 み、そして管９の端部を強固に接着することができる。

【００１４】 前記スリ−ブ２のテ−パ−は１／２５にするのが好ましく、前記管９の外径に 誤差があっても、管９の挿入先端は、接続に十分な挿入距離を確保して前記スリ −ブ２のテ−パ−内周面の任意の円周上に係止することができる。しかし、管９ の外径のマイナス誤差が大きいために、前記管継手Ａのスリ−ブ２の内周に係止 できないとき、前記当て止め４に突き当たるまで挿入されてこの当て止め４に係 止されるが、接着剤の使用量が多少大目になるだけで、接続効果が減退すること はない。

【００１５】 前記管継手Ａは、前記管９との接着状態において、引っ張り、荷重、及び水密 性は従来管継手と同等の能力を備えている試験結果を得ることができた。

【００１６】 前記合成樹脂製スリ−ブ２はポリビニル樹脂から形成するのが好ましく、また 、鋼管１とスリ−ブ２との接着、及びスリ−ブ２と管９との接着には、金属の接 着に優れたエポキシ樹脂接着剤を用いるのが好ましい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は上記のような構成であるから、構造簡単で製造容易な管継手を提供し 、しかも接続作業容易なために、配管作業における能率の良い施行性と、大きな 抜脱阻止力があり、水密性にも優れ、接続部の高い安全性を備えることができ、 それ故に、配管費用が廉価であり、また、配管全体の寿命を半永久的に保つ等の 利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の管継手の縦断面図である。

【図２】本考案の管継手に管を接続して示す使用状態の
断面図である。

【符号の説明】 Ａ 管継手 １ 鋼管 ２ 合成樹脂製スリ−ブ ３ 接着剤 ４ 当て止め ５，５’ 内周面 ６，６’ 受け口 ７，７’ 環状溝 ８ 接着剤 ９ 管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂からなるスリ−ブの外周面に鋼
   管を積層し、前記スリ−ブの内面には中央当て止めを境
   にする両側にそれぞれの受け口へ拡径にするテ−パ−を
   設けると共に複数の周方向の環状溝を周設して構成した
   ことを特徴とする管継手。