JPH0669383U - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】内部圧力損失の少ないスクロール圧縮機を得
る。 【構成】内部を高圧室２とした密閉容器１内に、鏡板３
ａに渦巻状のラップ３ｂを立設させた固定スクロール３
を固定し、鏡板４ａの一方に渦巻状のラップ４ｂを立設
し、他方に旋回スクロール軸４ｃを設けた旋回スクロー
ル４をラップを噛み合わせて偏心して対向させる。固定
スクロール３のほぼ中央に、圧縮ガスの吐出側の孔径を
入口側より大とした吐出孔３ｃを穿設し、これを閉塞す
る弁１２ａとこれを上下に案内すると共に上面に開口を
具える弁ガイド１２ｂとからなる逆止弁１２を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はスクロール圧縮機に関し、詳しくは吐出孔の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来例によるこの種のスクロール圧縮機としては、図４に示すフロン等のガス 体の圧縮機がある。同図において、内部を高圧室２とした密閉容器１内に、鏡板 ３ａに渦巻状のラップ３ｂを立設させると共にほぼ中央に吐出孔３ｃを穿設して なる固定スクロール３が固定され、その下方に同じく鏡板４ａの一面に渦巻状の ラップ４ｂを立設させると共に他面に旋回スクロール軸４ｃを設けた旋回スクロ ール４がラップを噛み合わせて偏心して配設され、上記両ラップ間に形成される 圧縮室５の外周と中央に夫々吸入室６と吐出室７が設けられている。一方、旋回 スクロール４の下方に位置してそのスラスト荷重を受け、外周部において固定ス クロール３に固定されているフレーム８の中心部に駆動軸受９が設けられ、同軸 受９に支持される図示されていないモーターにより駆動されるクランク軸１０の 上端には偏心軸受１１が設けられ、同軸受１１に上記旋回スクロール軸４ｃが挿 入されている。 上記吐出孔３ｃに対向して、同吐出孔３ｃを閉塞する弁１２ａと、同弁１２ａ を上下に案内すると共に上面に開口を具える弁ガイド１２ｂとからなる逆止弁１ ２が配設され、圧縮機停止時の圧縮ガスの逆流を阻止して圧縮部の損傷を予防し ている。 然しながら、吐出孔３ｃと逆止弁１２は圧縮ガスが通過する際の抵抗となって 圧力損失を生じ、これにより圧縮効率が低下させられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記従来例の問題点に鑑みてなされたもので、吐出孔と逆止弁による 圧力損失の少ないスクロール圧縮機を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、この考案においては、内部を高圧室とした密閉容器 内に鏡板に渦巻状のラップを立設させた固定スクロールを固定し、同じく鏡板の 一方の面に渦巻状のラップを立設させると共に他面に旋回スクロール軸を設けた 旋回スクロールをラップを噛み合わせて偏心して対向させ、上記固定スクロール のほぼ中央に吐出孔を穿設すると共に、同吐出孔に逆止弁を対向させてなるスク ロール圧縮機において、上記吐出孔の吐出側を径大としてなることを特徴として いる。

【０００５】

【作用】

吐出孔と逆止弁による圧力損失が低下する。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案による圧縮機の一実施例を図１乃至図３に基づいて説明する。図 １は本機の部分断面図で、内部を高圧室２とした密閉容器１内に、鏡板３ａに渦 巻状のラップ３ｂを立設させた固定スクロール３を固定し、同じく鏡板４ａの一 方の面にに渦巻状のラップ４ｂを立設させると共に、他面に旋回スクロール軸４ ｃを設けた旋回スクロール４をラップを噛み合わせて偏心して対向させ、上記両 ラップ間に形成される圧縮室５の外周と中央に夫々吸入室６と吐出室７を設ける と共に上記吸入室６に吸入管６ａを接続し、固定スクロール３のほぼ中央に吐出 孔３ｃを穿設し、同吐出孔３ｃを閉塞する弁１２ａとこれを上下に案内すると共 に上面に開口を具える弁ガイド１２ｂとからなる逆止弁１２を設けて吐出室７を 高圧室２に連通させ、更に、密閉容器１に吐出管１ａを設けて、吸入管６ａから 吸入室６、圧縮室５、吐出室７、吐出孔３ｃ、逆止弁１２、高圧室２を経て吐出 管１ａに到る流路を形成する。一方、旋回スクロール４の下方に位置してそのス ラスト荷重を受け、外周部において固定スクロール３に固定されているフレーム ８の中心部に駆動軸受９が設けられ、同軸受９に支持される図示されていないモ ーターにより駆動されるクランク軸１０の上端には偏心軸受１１が設けられ、こ れに上記旋回スクロール軸４ｃが挿入されている。フレーム８と旋回スクロール ４の鏡板４ａとの間に図示を省略したオルダムリングが配設されている。 図２は図１の要部拡大図で、逆止弁１２近傍の内部平面図、図３は図２のＡ− Ａ断面図で閉塞時の逆止弁１２と吐出孔３ｃの断面形状を示している。先ず吐出 孔３ｃはラップ３ｂとラップ４ｂとの関係で定まる入口孔径と、圧縮ガスの吐出 側を径大にした出口孔径とを具える、孔径に勾配を有する孔に形成されている。 これに対向して配設される逆止弁１２は弁１２ａと弁ガイド１２ｂにより構成さ れ、弁１２ａは例えば金属板よりなり、吐出孔３ｃの出口孔径を十分に閉塞する 大きさの中心部と四方に延設された延設部からなり、弁ガイド１２ｂは例えば金 属材料を切削して製作されて蓋状をなし、その内側は弁１２ａの上下動作が容易 な大きさに形成され、上面には弁１２ａの上行を阻止する周縁を残すと共に弁１ ２ａがこの周縁に当接した際に弁１２ａの中心部と延設部とにより形成される扇 形の窓部の面積の和が圧縮ガスの通過を阻害しない大きさの開口を穿設し、外周 に取付脚を設けて鏡板３ａの所定の位置に取付けられている。

【０００７】 次にこの圧縮機の動作を説明する。図示していないモータの回転軸と一体とな って駆動されるクランク軸１０の回転により、偏心して支持されている旋回スク ロール軸４ｃはこの偏心距離を半径とする円を描いて旋回する。そして図示を省 略したオルダムリングに規制されて旋回スクロール４は固定スクロール３に対し て見掛け上自転しないように旋回し、固定スクロール３に対してラップを構成す る各円の一点を常にほぼ接触させながら旋回運動を行い、その接触点を外周から 中心に連続して移動させていく。これにより吸入管６ａから吸入室６を経て両ス クロール間に流入したガスは最外周のほぼ一巻のラップ間に捕集され、回転によ り中心に送られるにつれて空間容積が減少するので圧縮されて高圧ガスとなり、 図３において二点鎖線で示したように吐出口３ｃから逆止弁１２を開いて高圧室 ２に入り、吐出管を通って外部機器に供給される。その際、吐出口３ｃは吐出側 が径大になっているので圧力損失が小となり、加えてガス流は拡大するので弁１ ２ａの中心部に衝突することが減少すると共に、ガス流が通過する窓部は十分な 大きさに設計されているので逆止弁１２での圧力損失も低下する。機械が停止す ると高圧室２から低圧である圧縮室５方向に高圧ガスが逆流しようとするが、弁 １２ａが吐出口３ｃを閉塞するので低圧側の部材に損傷が生じるおそれがない。

【０００８】

【考案の効果】

上述したように、吐出孔３ｃの吐出側を径大にしたので圧縮ガス通過の際の圧 力損失が低下し、更にガス流が拡大するので弁１２ａの中心部に衝突することが 減少すると共に、ガス流が通過する窓部を十分な大きさに設計したので逆止弁１ ２での圧力損失も低下して高能率の圧縮機を得るという優れた効果を奏すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるスクロール圧縮機の部分断面図で
ある。

【図２】本考案によるスクロール圧縮機の要部の内部平
面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】従来例によるスクロール圧縮機の部分断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 密閉容器 ２ 高圧室 ３ 固定スクロール ３ａ 鏡板 ３ｂ ラップ ３ｃ 吐出孔 ４ 旋回スクロール ４ａ 鏡板 ４ｂ ラップ ４ｃ 旋回スクロール軸 １２ 逆止弁 １２ａ 弁 １２ｂ 弁ガイド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部を高圧室とした密閉容器内に鏡板に
   渦巻状のラップを立設させた固定スクロールを固定し、
   同じく鏡板の一方の面に渦巻状のラップを立設させると
   共に他面に旋回スクロール軸を設けた旋回スクロールを
   ラップを噛み合わせて偏心して対向させ、上記固定スク
   ロールのほぼ中央に吐出孔を穿設すると共に、同吐出孔
   に逆止弁を対向させてなるスクロール圧縮機において、
   上記吐出孔の吐出側を径大としてなることを特徴とする
   スクロール圧縮機。