JPH066923Y2 - 熱転写装置 - Google Patents

熱転写装置

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JPH066923Y2
JPH066923Y2 JP1990001942U JP194290U JPH066923Y2 JP H066923 Y2 JPH066923 Y2 JP H066923Y2 JP 1990001942 U JP1990001942 U JP 1990001942U JP 194290 U JP194290 U JP 194290U JP H066923 Y2 JPH066923 Y2 JP H066923Y2
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transfer roll
electric motor
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一也 佐藤
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、転写フィルムを介し転写ロールを転動させな
がら被転写物に押し付けて、転写フィルムに形成されて
いる転写パターンを被転写物の表面に転写させる熱転写
装置に関する。
(従来の技術) 樹脂成形品の表面に図柄や文字等からなる絵柄を転写し
て、絵付け製品を製造する熱転写装置として、フィルム
面に所定の絵柄が等間隔で描画された転写層を有する転
写フィルムを使用し、この転写フィルムを転写テーブル
にセットされた被転写物の上に供給している状態から、
加熱された転写ロールを転写フィルムを介して被転写物
に押し付け、かつ転写テーブルを走行させることにより
転写ロールを被転写物上を転動かつ移動させ、その際の
押し付けによる圧力と熱の働きによって転写フィルムの
転写層を絵柄通りのパターンで被転写物表面に転写させ
るロール式熱転写装置が知られている。
このロール式熱転写装置は、上記の記載から明らかなよ
うに、転写ロールを被転写物に押し付ける下降運動と、
転写テーブルを横方向に移動させる走行運動とから熱転
写動作がなされるため、これらの昇降と走行とを行わせ
る2つの駆動源が必要となるが、そのための駆動源とし
て、従来から油圧シリンダもしくは空圧シリンダが主と
して使用されている。これは前記の絵柄を確実に被転写
物に転写させて良質の製品を製造するためには、被転写
物に対する転写ロールの押し付けを一定の圧力を保って
行う必要があり、これに適した種々の駆動源のうち、比
較的機構の簡単な上記流体圧シリンダが採用されてきた
のである。
(考案が解決しようとする課題) ところで、上記の油圧シリンダや空圧シリンダは、これ
らに用いる油圧ユニット、エアコンプレッサの作動音が
高く、良好な作業環境が得られないと共に、作動油やエ
ア等の圧力流体の制御およびメインテナンスのために、
上記油圧ユニットやエアコンプレッサ等を含む大掛かり
な設備が必要とされる難点があった。
さらに、油圧シリンダや空圧シリンダは、特に転写ロー
ル昇降用の場合、そのストロークエンドで前述のように
転写ロールを被転写物に圧力的に押し付けておくことが
できる点で有用であるが、これらの流体圧シリンダにお
ける圧力流体の粘度が温度差によってバラツクため、転
写条件が一定にならないことがある。
そこで、本考案は、大掛かりな設備を必要とする圧力流
体を使用せずに熱転写が行え、かつ熱転写時には、転写
ロールを一定した適切な圧力で、転写フィルムに歪を生
じさせることなく被転写物に押し付けることができて、
転写精度のバラツキがなく良好な転写が行え、しかも能
率のよい熱転写装置の提供を課題とする。
(課題を解決するための手段) 本考案は上記の課題に対処すべく次のように構成したこ
とを特徴とする。
すなわち、本考案は、所定の転写パターンを有する転写
フィルムを、転写テーブルにセットされた被転写物の上
に供給し、この転写フィルムを介して転写ロールを転動
させながら被転写物に押し付けて、上記転写パターンを
被転写物の表面に転写させる熱転写装置において、上記
転写ロールを転写テーブルに対して昇降移動と横移動と
を可能に保持し、その昇降移動と横移動の駆動源として
それぞれ汎用電動モータを備えると共に、これらの電動
モータの速度を制御するインバータを備える。そして、
上記転写ロールが所定の圧力で被転写物に押し付けられ
る該ロールの下死点と、その直前高さの位置とをそれぞ
れ検出するセンサを備えると共に、これらのセンサの出
力信号を受けて、転写ロールが下死点直前高さに到達し
た時にその下降速度を高速から低速に切り換え、かつ下
死点に到達した時にその下降を停止させるように、上記
転写ロール昇降用電動モータのインバータに制御信号を
出力するコントローラを備えたことを特徴とする。
(作用) 上記の構成によれば、転写ロールを転写テーブルに対し
て昇降させ、かつ横移動させる手段の駆動源として電動
モータを使用しているから、流体圧シリンダを用いる従
来タイプのものに比べて、作動音が低く、かつ大掛かり
な設備が不要で、きわめてコンパクトに熱転写装置を製
作できる。
また、上記電動モータの速度をインバータで制御すると
共に、その制御のためのセンサ及びコントローラを備え
て、転写ロールの下降時に、該ロールが下死点直前高さ
に到達した時にその下降速度を高速から低速に切り換
え、かつ下死点に到達した時にその下降を停止させるよ
うにしたから、転写フィルムに歪を生じさせることな
く、転写ロールが柔らかく被転写物に圧接されることに
なると共に、下死点の位置が安定して常に一定の押し付
け圧で転写ロールが被転写物に押し付けられることにな
る。そして、下死点直前の高さまでは転写ロールは高速
で下降するので、ロスタイムの増大が回避されるのであ
る。
また、本考案によれば、各電動モータの速度制御をイン
バータで行うようにしているので、これら電動モータに
高価なサーボモータやパルスモータを使わずとも、廉価
な汎用モータに対して上記インバータによる速度制御を
加えて転写ロールの作動を正確にコントロールできる。
なお、上記の汎用モータを使用する場合、このモータを
連続回転させ、その回転力を必要時のみクラッチブレー
キを介して取り出すことで、モータの速度制御を加える
ことなく転写ロールを駆動することも考えられるが、ク
ラッチブレーキの採用によって装置が大型化し、また消
耗品であるクラッチブレーキの取替えのたびに費用が掛
かる難点があり、特に昇降用と横移動用の2台の電動モ
ータが必要な当該熱転写装置ではこの難点が一層大きな
問題となる。しかし、本考案のインバータによる速度制
御方式であれば、装置を大型化させることもなく、取替
え費用も必要としない。
(実施例) 次に、本考案の実施例を図面を用いて説明する。
第1図ないし第3図は本考案を適用したロール式熱転写
装置を示し、このロール式熱転写装置1は、被転写物が
転写テーブル上に固定され、かつこの被転写物に対して
転写ロールが昇降と横移動との複合された円環運動を行
うことによって熱転写を施すように構成された装置であ
る。
すなわち、この熱転写装置1は、電動モータや各種制御
機構を内蔵するボックス状の装置本体2と、この装置本
体2の背面部に装備されて左右方向に往復走行されるス
ライダ3と、このスライダ3に保持された状態で昇降さ
れる昇降ユニット4と、この昇降ユニット4の上端部に
ロール保持機構5を介して吊り下げ保持された転写ロー
ル6と、転写フィルムAを熱転写位置に供給し、かつ使
用済みフィルムを回収する転写フィルム繰出し・巻取り
機構7、8とを主たる要素として構成されており、かつ
上記スライダ3の走行用駆動源として、また昇降ユニッ
ト4の昇降用駆動源としてそれぞれ後記する電動モータ
が使用されている。
上記装置本体2はその上面に転写テーブル9が形成さ
れ、そのテーブル面に、被転写物Bもしくは該被転写物
固定用治具を取り付けるための溝10、10が設けられ
ている。また装置本体2の一端側に転写フィルム繰出し
機構7がブラケット11を介して取り付けられ、他端側
に転写フィルム巻取り機構8がブラケット12を介して
取り付けられることにより、繰出し機構7側から繰り出
される転写フィルムAがガイドローラ13a〜13cを
経て転写テーブル9の上方に供給され、熱転写に使用さ
れたのち、該テーブル9を通過し、ガイドローラ14a
〜14cを経て巻取り機構8に巻き取られるようになさ
れている。その場合、転写フィルムAには所要の転写用
絵柄(図示せず)が等ピッチ間隔でフィルム面に描画さ
れており、その転写用絵柄が転写テーブル9にセットさ
れた被転写物Bに正確に合致するようにフィルム送りが
制御されるが、このような制御およびフィルム送り機構
は本考案の要旨でないので、詳細な説明は略する。
装置本体2の背面部には、その背面フレーム15の外面
上下に、それぞれが横方向に至る角軸状のガイドレール
16、16が平行して配設固定されると共に、上下のガ
イドレール16、16の間に横送り用螺軸17が回転自
由に両端を軸受け部材18、18に支承されて同じく横
方向に配設される。そして、前述のスライダ3の上下に
固定させた略コの字形ガイドブロック19、19(第2
図に示す)を上記ガイドレール16、16に嵌合させる
と共に、同じくスライダ3に固定したナット様体20
(第2図に示す)に上記横送り用螺軸17を螺合かつ挿
通させることによって、スライダ3が装置本体2に取り
付けられる。また横送り用螺軸17の一端にはプーリー
21aが固装され、このプーリー21aに対応するプー
リー21bが、装置本体2内に装備した走行用電動モー
タ22の出力軸に固装され、両プーリー21a、21b
が背面フレーム15に開設した孔23を通したベルト2
1cによって連動連結されている。
スライダ3の後面部には、縦送り用螺軸24が垂直姿勢
で、かつその上下を軸受け部材25、25により回転の
み自由に支承されて取り付けられ、この縦送り用螺軸2
4の下方に昇降用電動モータ26がブラケット27を介
して固装されると共に、この電動モータ26の出力軸に
上記縦送り用螺軸24が直結されている。またスライダ
3の上部寄り位置で、縦送り用螺軸24を挟む両側にそ
れぞれ上下一対の略コの字形ガイドブロック28…28
が固定される。これに対し前述の昇降ユニット4側に縦
送り用螺軸24に対応するナット様体29と、ガイドブ
ロック28…28に対応する左右2本の縦方向の角軸状
ガイドレール30、30とが装備される。そしてガイド
ブロック28…28とガイドレール30、30とを相互
嵌合させ、かつナット様体29に縦送り用螺軸24を螺
合かつ挿通させることにより、スライダ3に昇降ユニッ
ト4が取り付けられる。ここで、上記走行用及び昇降用
電動モータ22、26としては、いずれも汎用モータが
用いられる。
昇降ユニット4の上端部には、転写テーブル9の直上方
に転写ロール6がロール保持機構5によって吊り下げら
れると共に、これら転写ロール6およびロール保持機構
5にフード31がかぶせられている。
ロール保持機構5は第4図に示すように、二股状の脚部
32と、この脚部32の上端を連結する天板33とから
なる吊下げ枠34を有し、上記フード31の内部に架設
した支軸35に脚部32の下端が回動自由に取り付けら
れている。そして該吊下げ枠34における天板33の下
に転写ロール6が配置されると共に、天板33から転写
ロール6を挟んで垂下させた軸受けアーム36に転写ロ
ール6のロール軸37が回転自由に支承されている。
また吊下げ枠34の天板33と転写ロール6との間に、
転写ロール6の略上半部を取り巻く複数本のヒーター3
8…38を有するヒーター台39が配置され、かつ該ヒ
ーター台39が支持フレーム40によって天板33に吊
り下げられる。
また吊下げ枠34には、支軸35の上部位置に該支軸と
平行にブラケット41が取り付けられ、このブラケット
41と、該ブラケット41に対向する昇降ユニット4側
のフレーム42との間に転写ロール倣い機構43が介設
される。この機構43は、ブラケット41に設けた孔4
4に転写ロール側から軸体45を通し、フレーム42に
設けた孔46にボルト47を通し、軸体45の先端に形
成したネジ穴(図示せず)にボルト47の先端を螺合さ
せて両者を結合させると共に、ボルト47にスライド自
由に嵌めた鍔付きスリーブ48と、上記ブラケット41
との間にコイルバネ49を介装させている。またボルト
47の外端に抜止め用のナット50を締結している。
この倣い機構43によれば、転写ロール6が被転写物B
に接することによって、該転写ロール6に押上げ力が働
くと、転写ロール6および吊下げ枠34を含む全体が支
軸35を中心として第4図鎖線に示すように上昇回動
し、これによって鍔付きスリーブ48に対して軸体45
およびボルト47が第4図の右方に移動し、コイルバネ
49が圧縮され、その圧縮反力としてのバネ力が転写ロ
ール6側に働くことになる。
次に、上記の構成における熱転写動作を説明する。
転写テーブル9の所定位置に被転写物Bがセットされ、
かつ昇降ユニット4が第1図の実線に示す右端に位置す
ると共に、該昇降ユニット4が上昇し、したがって転写
ロール6も上昇しており、さらに該転写ロール6がヒー
タ38によって加熱されている状態を待機状態とする。
この状態で転写フィルムAの熱転写動作一回分の定量送
りがなされ、転写フィルムAの未使用部分の転写用絵柄
が被転写物Bに対して正しく位置決めされて、その上方
に供給される。
次に昇降用電動モータ26により縦送り用螺軸24が回
転され、該螺軸24にナット様体29を螺合させている
昇降ユニット4が下降し、転写ロール6が転写フィルム
Aを介して被転写物Bに一定の圧力で接すると、転写ロ
ール6の下降が停止される。また該押し付けによって転
写ロール倣い機構43ではコイルバネ49が圧縮されて
転写ロール6に下圧方向のバネ力を作用させる。
次に、走行用電動モータ22が起動され、かつ横送り用
螺軸17が回転し、これにナット様体20を螺合させて
いるスライダ3が横方向に走行し、昇降ユニット4も移
動する。そのため転写ロール6は被転写物Bの表面を転
動しつつ移動し、その際に圧力と熱とによって転写フィ
ルムAの転写用絵柄をそのパターン通りに被転写物Bの
表面に転写させる。また、この転写時、被転写物B側に
凹凸形状がある場合、転写ロール倣い機構43によるバ
ネ力が転写ロール6に働いているから、転写ロール6は
その凹凸形状を倣うように上下動しつつ転動すること
で、被転写物表面に確実に絵柄を転写させる。
転写ロール6が被転写物Bを通過して転写動作が完了す
ると、走行用電動モータ22が停止され、昇降用電動モ
ータ26が逆転駆動されて、昇降ユニット4が上昇す
る。そして上昇端に至ることによって、昇降用電動モー
タ26が停止され、かつ走行用電動モータ22が逆転駆
動され、スライダ3および昇降ユニット4が元の位置に
復帰し、次に熱転写に備える。
以上のような熱転写装置1であれば、転写ロール6の昇
降と走行とを、電動モータ22、26による螺軸17、
24の回転で行っているので、作動音が非常に低くな
る。また圧力流体を使用しないから熱転写に必要な設備
が簡単なもので済み、コンパクトな装置に製作できるこ
とになる。
また転写ロール6の、特に昇降を、後述するような近接
スイッチで検出し、この信号を用いて昇降用電動モータ
26のON・OFF制御を行うようにすることにより、
転写ロール6の下死点、つまり被転写物Bに対する押し
付け位置を正確に設定できる。したがって被転写物Bへ
の転写ロール6の押し付け圧が常に一定になり、押し付
け圧の変動による転写精度のバラツキをなくし、均質
で、かつ良質の製品を製造できる。
ところで、電動モータ22、26を使用して上述のよう
な熱転写動作を安定して実行するには、当然これら電動
モータ22、26の制御が必要であり、またこの制御に
よって電動モータ22、26が一定した速度で立ち上が
り(起動)、同じく一定した速度で立ち下がって(停
止)、転写ロール6の昇降と走行とが安定した、かつ設
定された速度通りに行われなければならない。さらに使
用する転写フィルムAや被転写物Bの種類によっては転
写時間や転写ロール昇降速度を可変設定する必要も生じ
る。そのためには、電動モータ22、26の種類として
は、サーボモータ、パルスモータが適することになる。
しかし、サーボモータやパルスモータは非常に高価であ
り、これをそのまま採用するには価格的な面で問題が大
きく、廉価な汎用モータの採用が求められることが考え
られるが、汎用モータはその立ち上がり速度、立ち下が
り速度が一定せず、該モータの回転が安定するまでに時
間が掛かり過ぎ、転写ロール6の昇降と走行を安定して
司ることは困難である。
加えて上記の熱転写動作においては、転写ロール下降運
動中に、その下降速度が切り換えられるのが望ましい。
つまり下降は大きな速度で開始され、転写ロール6が被
転写物Bに接する直前に下降速度が低速に切り換えら
れ、この低速状態で転写ロール6が被転写物Bに押し付
けられるようにすれば、下降の大部分を高速移動させる
ことで熱転写動作のスピードアップができ、また被転写
物Bに対する当たりを低速によって柔らかくさせること
により、歪みのない良質の熱転写が行えることになる。
第6図は汎用モータにおける上述の不都合を払拭し、か
つ転写ロール6の下降速度の切換えを具現した制御回路
を示す。
この制御回路はコントローラ61を備え、該コントロー
ラ61の入力端にスタートスイッチ62、3つの近接ス
イッチ63〜65、および非常停止スイッチ66が結線
されている。このうち近接スイッチ63〜65は、その
1つ63が昇降ユニット4の上昇限(換言すれば転写ロ
ール6の上死点)を検出し、他の1つ64が昇降ユニッ
ト4の下降限(換言すれば転写ロール6の下死点)を検
出し、残るスイッチ65は転写ロール6が下死点に到達
する直前高さ(つまり転写ロール6の下降速度を低速に
切り換えるべき時点)を検出するものである。
さらにコントローラ61の出力端に、昇降用電動モータ
26と走行用電動モータ22とがそれそれインバータ6
7、68を介して接続され、これらのインバータ67、
68による周波数制御で各電動モータ22、26の回転
速度がコントロールされるようになされている。
昇降用インバータ67は高速用ボリウム69と低速用ボ
リウム70とを備える。高速用ボリウム69は、転写ロ
ール6の下降の大部分と上昇とを高速で行わせる際の速
度を調整するものであり、低速用ボリウム70は転写ロ
ール下降速度を低速に切り換えた際の速度を調整するも
のである。
また走行用インバータ68は転写速度設定スイッチ71
と高速用ボリウム72とを備える。転写速度設定スイッ
チ71は転写ロール6が熱転写動作を行っている時の横
送り速度(第7図のV)を設定し、高速用ボリウム7
2は熱転写動作完了後に転写ロール6を復帰位置に高速
で横送りさせる速度(第7図のV)を調整する。
このように構成された制御回路では、第7図に示すスタ
ート信号Sがスタートスイッチ62からコントローラ
61に入力されると、該コントローラ61は昇降用イン
バータ67に昇降用電動モータ26を正転駆動すべき指
令を与え、このインバータ67により昇降用電動モータ
26を高速用ボリウム69で設定された速度で駆動する
と共に、その立ち上がり速度を周波数制御でコントロー
ルする。このため転写ロール6は高速で下降する。次に
転写ロール6が下死点近傍に至ったことが近接スイッチ
65で検出されると、コントローラ61はインバータ6
7にモータ速度の切換えを指令し、これによって昇降用
電動モータ26が第7図のa時点で低速回転に移行し、
転写ロール6の下降速度が減速される。そして近接スイ
ッチ64が転写ロール6の下死点到達を検出するまでの
時間t間、低速下降する。また該低速切換えと同時
に、コントローラ61は走行用インバータ68に走行用
電動モータ22を正転駆動すべき指令を与え、インバー
タ68が走行用電動モータ22を駆動すると共に、その
立ち上がり速度を周波数制御でコントロールする。その
場合、このモータ22は、転写速度設定スイッチ71に
よって設定された速度Vで転写ロール6が走行するよ
うに回転制御される。
転写ロール6が下死点に到達したことが近接スイッチ6
4によって検出されると、昇降用電動モータ26が停止
され、走行用電動モータ22の回転続行で転写ロール6
は被転写物Bに押し付けられた状態で、かつ熱転写に必
要な時間t横送りされる。そしてこの時間経過後に走
行用電動モータ22が停止され、代わって昇降用電動モ
ータ26が逆転駆動され、転写ロール6は高速で上昇す
る。次に転写ロール6の上死点到達が近接スイッチ63
によって検出されると、昇降用電動モータ26が停止さ
れ、代わって走行用電動モータ22が逆転駆動され、転
写ロール6および昇降ユニット4が高速用ボリウム72
で設定された高速Vで元位置に復帰される。
このように各電動モータ22、26の起動および停止を
含む回転がインバータ67、68による周波数制御、換
言すれば印加電圧のコントロールのもとに行われるの
で、廉価な汎用モータを用いても、該モータの立ち上が
り速度、立ち下がり速度が安定し、転写ロール6の昇降
速度、走行速度が安定し、また低速時間t、転写時間
も設定通りに精度よく保たれることになる。したが
って廉価な汎用モータであっても、精度の高い、かつ安
定した熱転写を期待できる。
さらに転写ロール6の下降時、下死点到達近傍で、その
下降速度を減速して被転写物Bに対する転写ロール6の
当たりを柔らかくするから、転写ロール6と被転写物B
との間に挟み込まれる転写フィルムAの歪みがなくな
り、これによって良質の熱転写を可能にできる。また、
この場合の下降速度の切換えは、上記のようにインバー
タ67によって電動モータ26に安定した速度制御を施
している状態でなされるので、切換えも精度よく行え、
かつ該切換えを下死点到達の直前まで抑え、高速下降時
間を延ばすことによってタイムロスを低減できる。
ところで、第1図ないし第4図に示した本考案実施例の
熱転写装置1は、転写テーブル9およびその上にセット
された被転写物Bが固定状態にあり、このような転写テ
ーブル9および被転写物Bに対して転写ロール6側を移
動させて、転写ロール6を転写フィルムAを介し被転写
物Bに押し当て、かつ転動させて熱転写を行うようにし
ている。つまり転写テーブル固定タイプの熱転写装置と
されており、この転写テーブル固定タイプの熱転写装置
であれば次のような効果を奏することになる。
すなわち従来のロール式熱転写装置は、転写ロールは被
転写物に離接する昇降運動のみ可能であって、転写ロー
ルの被転写物上の転動は転写テーブル自体を走行させる
転写テーブル走行タイプとされている。これは熱転写の
ための駆動源に流体圧シリンダを採用していたために、
上記転写テーブル走行タイプの方が流体圧シリンダの制
御が容易となるからである。しかし転写テーブル走行タ
イプでは、該転写テーブルが走行する分、熱転写装置が
大型化せざるを得ず、設置スペースの増大等の問題が発
生することになっている。
これに対して本考案の転写テーブル固定タイプの熱転写
装置1であれば、転写テーブル9の走行ストロークを考
慮せずに製作できるから、熱転写装置1をコンパクトに
設計でき、したがって設置スペースを少なくできること
になる。
ところで、本考案の実施例の熱転写装置1は、装置本体
2の背部に、スライダ3によって左右走行する昇降ユニ
ット4を配置し、この昇降ユニット4に昇降可能に転写
ロール6を保持させている。つまり転写ロール6は装置
本体2の背部において片持ち支持されている。したがっ
て、通常転写作業時に作業者が位置する装置本体2の前
面側、および転写テーブル9の上部が大きく開放される
ことになり、転写テーブル9に対する被転写物Bのセッ
ト、および転写後の取り出しが作業性よく容易に行える
から、製造能率の向上を図ることができる。
さらに、この実施例に示す熱転写装置1には、給電停止
に備えて昇降ユニット4のストッパー機構が備えられて
いる。すなわち、前記のように電動モータ26で縦送り
用螺軸24を回転させて昇降ユニット4を昇降させるも
のでは、昇降ユニット4が上昇状態にあるときに、たと
えば停電や装置の稼働停止等により熱転写装置1への給
電が断たれると、昇降ユニット4がその自重で、ナット
様体29に挿通されている縦送り用螺軸24を回転させ
ながら下降することになる。第5図はこのような昇降ユ
ニット4の給電停止時の不測の下降を阻止するストッパ
ー機構80を示す。すなわち、このストッパー機構80
は、縦送り用螺軸24の上端部をベアリング81を介し
て支承する軸受け部材25に装備されており、該部材2
5の上面に固装された電磁石82と、この電磁石82の
上面に取り付けられた固定ディスク83と、この固定デ
ィスク83の上部側において螺軸24に対して昇降のみ
自由に取り付けられた可動ディスク84とを含み、熱転
写装置1への給電状態では、電磁石82への通電によっ
て可動ディスク84が反撥上昇されて、固定ディスク8
3から浮上かつ離反し、これによって縦送り用螺軸24
および可動ディスク84が一体に回転可能となってい
る。そして、給電が断たれて電磁石82への通電がなく
なった際に可動ディスク84が下降し、かつ固定ディス
ク83に接当して係合し、これによってブレーキ力が発
生して縦送り用螺軸24が回転阻止状態にロックされ、
昇降用ユニット4の下降が阻止される。
(考案の効果) 以上の記載によって明らかなように、本考案は、転写ロ
ールの昇降用および走行用の駆動源として電動モータを
使用するから、流体圧シリンダを使用する従来タイプの
ものに比べて作動音が低くなって、良好な作業環境が得
られる。また大掛かりな設備が不要で、きわめてコンパ
クトに熱転写装置を製作できる。
また、転写ロールの下降時にその位置をセンサで検出
し、インバータを介して昇降用電動モータの速度制御及
び停止制御を行うようにしたから、該転写ロールの下降
速度を当初より遅くする場合のようなロスタイムの増大
を回避しながら、転写フィルムに歪を生じさせることな
く、転写ロールを柔らかく被転写物に押し付けることが
でき、また転写ロールの下死点を正確に設定できるか
ら、この下死点で転写ロールを転写フィルムを介して被
転写物に押し付けた際の圧力も常に一定し、押し付け力
の変化に基づく転写精度のハラツキをなくせ、均質で、
良質の製品を製造できる。
さらに本考案によれば、各電動モータの速度制御をイン
バータで行うようにしているので、これら電動モータに
高価なサーボモータやパルスモータを使わずとも、廉価
な汎用モータに対して上記インバータによる速度制御を
加えて転写ロールの作動を正確にコントロールできる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示し、第1図は熱転写装置の正
面図、第2図は熱転写装置の側面図、第3図は熱転写装
置の背面図、第4図はロール保持機構の拡大断面図、第
5図はストッパー機構の断面図、第6図は電動モータの
制御回路図、第7図は第6図回路におけるタイムチャー
トである。 1……熱転写装置、3……スライダ、4……昇降ユニッ
ト、6……転写ロール、9……転写テーブル、22,2
6……汎用電動モータ、61……コントローラ、64,
65……センサ(近接スイッチ)、67,68……イン
バータ、A……転写フィルム、B……被転写物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−126456(JP,A) 特開 昭60−143960(JP,A) 特開 昭52−123705(JP,A) 実開 昭63−30250(JP,U) 実開 昭60−25890(JP,U) 特公 昭62−17558(JP,B2) 実公 昭59−12194(JP,Y2)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の転写パターンを有する転写フィルム
    を、転写テーブルにセットされた被転写物の上に供給
    し、この転写フィルムを介して転写ロールを転動させな
    がら被転写物に押し付けて、上記転写パターンを被転写
    物の表面に転写させる熱転写装置であって、上記転写ロ
    ールを転写テーブルに対して昇降移動と横移動とを可能
    に保持し、その昇降移動と横移動の駆動源としてそれぞ
    れ汎用電動モータを備えると共に、これらの電動モータ
    の速度を制御するインバータを備え、かつ、上記転写ロ
    ールが所定の圧力で被転写物に押し付けられる該ロール
    の下死点と、その直前高さの位置とをそれぞれ検出する
    センサを備えると共に、これらのセンサの出力信号を受
    けて、転写ロールが下死点直前高さに到達した時にその
    下降速度を高速から低速に切り換え、かつ下死点に到達
    した時にその下降を停止させるように、転写ロール昇降
    用電動モータのインバータに制御信号を出力するコント
    ローラを備えたことを特徴とする熱転写装置。
JP1990001942U 1990-01-12 1990-01-12 熱転写装置 Expired - Lifetime JPH066923Y2 (ja)

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