JPH0668478A - 光学式走査装置 - Google Patents

光学式走査装置

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JPH0668478A
JPH0668478A JP5149443A JP14944393A JPH0668478A JP H0668478 A JPH0668478 A JP H0668478A JP 5149443 A JP5149443 A JP 5149443A JP 14944393 A JP14944393 A JP 14944393A JP H0668478 A JPH0668478 A JP H0668478A
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JP
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objective lens
coil
scanning device
lens system
optical scanning
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JP5149443A
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English (en)
Inventor
Rosmalen Gerard E Van
エデュアルド ファン ロスマレン ヘラルド
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Koninklijke Philips NV
Original Assignee
Philips Electronics NV
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/085Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam into, or out of, its operative position or across tracks, otherwise than during the transducing operation, e.g. for adjustment or preliminary positioning or track change or selection
    • G11B7/08547Arrangements for positioning the light beam only without moving the head, e.g. using static electro-optical elements
    • G11B7/08564Arrangements for positioning the light beam only without moving the head, e.g. using static electro-optical elements using galvanomirrors
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/085Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam into, or out of, its operative position or across tracks, otherwise than during the transducing operation, e.g. for adjustment or preliminary positioning or track change or selection
    • G11B7/0857Arrangements for mechanically moving the whole head
    • G11B7/08582Sled-type positioners

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクセス時間を一層短縮できる光学式走査装
置を提供する。 【構成】 対物レンズ(10)によって形成される焦点
スポットで面(2)を光学的に走査する装置に関するも
のである。対物レンズは、所定の方向に沿って配置した
複数のコイル対を有する静止コイル装置(14)内に電
磁的に支持される。コイル装置は対物レンズを5個また
は6個の自由度で移動させることができる。放射ビーム
は、上記方向における対物レンズの移動に追従するよう
に、回動ミラー(22)及び走査レンズ(23)を介し
て平行に変位する。コミュテータ(96)は、コイル装
置の対物レンズに近接するコイルだけを駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、XYZの直交座標系の
X方向に沿って所定のストロークに亘ってXY平面にほ
ぼ平行な面を光学的に走査する装置であって、放射ビー
ムを発生する放射源と、永久磁石を具える対物レンズ系
に装着され、前記放射ビームをZ方向の前記面上に集束
させる対物レンズと、前記対物レンズ系を電磁的に駆動
するコイル装置とを具え、このコイル装置が複数のコイ
ル対を有し、各コイル対がZ方向に上下に配置した2個
のコイルを有する光学式走査装置に関するものである。
【0002】上記型式の装置は、情報が複数の同心状ト
ラック又は螺旋状トラックを構成する擬似同心状トラッ
クとして形成されているディスク状光記録媒体を読取る
のに好適である。記録媒体上の単一のトラックは記録媒
体を回転することにより走査される。他のトラックを走
査するためには、対物レンズをトラックと直交する径方
向即ちX方向に移動させる必要がある。記録されている
情報に短いアクセス時間でアクセスするためには、対物
レンズをトラックと直交する方向に急速に移動させる必
要がある。
【0003】冒頭部で述べた装置は、1987年に発行
された我国の雑誌「アプライド フィジクス」第26
巻、第195頁〜197頁に記載されている文献“ア
フローラング−レンズ アクチェエータ(A flocting-l
ens actuator)”から既知である。この既知の装置にお
いて、Z軸方向に沿う光軸を有する対物レンズ系はリン
グ磁石を有し、このリング磁石は対物レンズ系を5個の
自由度で電磁的に支持し駆動するコイル装置により包囲
されている。コイルを正確に駆動することにより、対物
レンズ系はX,Y及びZ方向においてコイル装置に対し
て変位することができると共にX軸及びY軸まわりで回
転することができる。X軸及びY軸におけるストローク
は制限される。この理由は、コイルがX−Y面内で対物
レンズ系を密に包囲するからである。記録媒体を走査す
る場合、対物レンズ系によって形成される走査スポット
が記録媒体の各トラックを走査できるためにX方向に長
いストロークが必要になる。このため、既知の装置のコ
イル装置は必要な長いストロークに亘ってX方向に可動
なキャリッジ内に配置されている。対物レンズ系のX方
向に沿う位置の米国の制御はキャリッジにより行なわ
れ、リング磁石と共働するコイル装置によりX方向の微
細な制御が行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した既知の装置の
欠点は、キャリッジの質量が相対的に大きいことであ
る。キャリッジの質量が大きいと、記録媒体のトラック
に短時間でアクセスすることが困難になってしまう。従
って、本発明の目的は、短いアクセス時間を達成できる
光学的走査装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段並びに作用】上記目的を達
成するため、本発明による光学式走査装置は、前記コイ
ル装置が静止状態に固定されると共に、前記ストローク
長に亘って対物レンズ系の両側に位置する2個の平行な
コイル対列を具え、これらコイル対列が前記ストローク
に亘って永久磁石と磁気的に共働することを特徴とす
る。すなわち、コイル装置は移動可能なキャリッジ内に
配置せず、装置に固定する。コイルで生ずる熱の必要な
放散は、例えばコイルが装着されているプレートにより
容易に行なうことができる。対物レンズと一緒になって
コイル対の2個の列はX方向の長いストロークを有する
線形アクチュエータを構成する。対物レンズ系は、キャ
リッジを介して移動せずコイル装置によりX方向に直接
移動するので、移動する質量は極めて小さく、従ってア
クセス時間を一層短縮することができる。
【0006】対物レンズ系のZ軸方向の移動量を制御す
るため、コイル対列上にストッパを設けることが好まし
い。
【0007】本発明による光学式走査装置は、切り換え
可能な機械的手段を設けて対物レンズ系を所定の位置に
保持するように構成したことを特徴とする。コイル装置
が付勢されない場合、機械的切換手段により対物レンズ
系が非制御状態でコイル装置内も移動するを防止するこ
とができる。
【0008】本発明による光学式走査装置の特別の実施
例は、前記コイルが、コイル軸と直交する折面におい
て、ほぼ矩形断面を有することを特徴とする。このよう
なコイルは容易に巻回することができると共に、アクチ
ュエータの内側を巻線でできるだけ密に包囲することが
でき、この結果コイルが対物レンズ系により強い力を作
用させることができる利点が達成される。
【0009】本発明による光学式走査装置は、前記コイ
ル対を流れる電流を整流するコミュテータ及び対物レン
ズ系のX方向の位置を決定する検出器を設け、前記検出
器の出力部をコミュテータの制御入力部に接続したこと
を特徴とする。コミュテータを用いることにより、対物
レンズ系に近接するコイルだけがオンに切り換えられる
ので、コイル装置を駆動するのに必要なエネルギーが少
なくなる。
【0010】本発明による光学式走査装置は、前記対物
レンズ系をY方向及びZ方向に変位させると共にX軸ま
わりで回転させるコミュテータが、対物レンズ系のX方
向の位置に応じて対物レンズ系の一方の側のいずれかに
1個又は2個のコイル対及び他方の側の対向配置された
同数のコイル対を同時にオンに切り換えることを特徴と
する。上記対物レンズ系の変位は、X方向に見て対物レ
ンズ系の中心の両側に位置する4個のコイル対を駆動す
ることにより達成される。
【0011】本発明による光学式走査装置の好適実施例
は、前記対物レンズ系をX方向に変位させると共にY軸
まわりで回転させるコミュテータが、対物レンズ系の一
方側の2個のコイル対及び他方の側の対向配置された同
数のコイル対を同時にオンに切り換え、オンに切り換え
られたコイル間のX方向の距離が対物レンズのX方向の
位置に依存することを特徴とする。このリング磁石は簡
単で有益な方法で配置することができ、対物レンズ系を
占用か自由度で位置及び向きを制御することができる。
Z軸まわりの6番目の自由度は、対物レンズ系かZ軸に
対称の場合不要である。
【0012】放射ビームをフローライング対物レンズ系
を通過させるため、本発明による光学式走査装置は、前
記ストローク長にほぼ等しい長さを有する光学結像素子
を前記放射源と対物レンズとの間の光路中に配置し、前
記放射源と前記光学結像素子との間の光路中に配置さ
れ、対物ビームを前記光学結像素子に亘って走査する走
査装置をさらに具え、X方向に平行な放射ビームを対物
レンズのストロークに亘って変位させることを特徴とす
る。この走査装置(偏向装置)は、例えば極めて軽量な
回動ミラーとすることができ、この結果放射ビームは対
物レンズの急速移動に追従することができる。
【0013】放射ビームの方向は対物レンズ系のX方向
の位置を示す。従って、放射ビームの方向を指示する走
査装置(偏向装置)の位置信号をコミュテータ用の制御
信号として用いることができる。
【0014】本発明による光学式走査装置の実施例は、
前記対物レンズ系がX方向に延在する2個の永久磁石を
有することを特徴とする。磁石の形態がX軸を中心とす
る回転対称でなくX方向に延在する場合、例えば2個の
棒状磁石の場合、対物レンズ系の位置及び向きは6個の
自由度で制御することができる。従って、ミラーと対物
レンズ系の対物レンズの光軸に対して45°の角度で配
置できるので、X軸に平行に伝播する放射ビームを対物
レンズ系内に向けて反射させることができる。
【0015】コイル装置をX方向に延在するスリットの
両側でプリント回路基板上に配置しコイルをプリント回
路に接続すれば、本発明の装置が構成を一層簡単化する
ことができる。さらに、放射源、他の光学素子並びに電
子制御手段は上記プリント回路基板上に配置することが
できる。以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0016】
【実施例】図1はディスク状光記録媒体1を走査する走
査装置を示す。情報は記録媒体の情報層2に記録され、
この情報層2はスパイラルトラックを構成する多数の同
心状トラック又は擬似同心状トラックとして配置されて
いる多数の光学的に読取可能な区域(図示せず)の形態
として形成される。トラックの集合は所定の幅3を有す
る環状に延在する。情報層2の上側には保護層4が形成
されると共に透明基板5により支持する。情報層2は基
板を通して読み取られる。記録媒体はモータ(図示せ
ず)によって駆動される回転可能な軸6上に配置する。
図面を簡明するため、記録媒体1は軸の上方に図示す
る。
【0017】情報層2は、対物レンズ10により情報層
上において焦点スポット11として収束される放射ビー
ムにより走査する。対物レンズ10及びこの対物レンズ
の周囲に配置され軸方向に磁化されたリング磁石12は
対物レンズ系13を構成し、この対物レンズ系は本発明
においては伸長状の静止コイル装置15のスリット14
内で電磁的に支持する。このコイル装置15を用いて対
物レンズ系は径方向に、すなわちトラックと直交する方
向に移動することができる。記録媒体を回転することに
より、トラックを走査してこのトラックから情報を読取
ることができ、又は情報を記録することができる。記録
媒体の全てのトラックを走査できるようにするため、対
物レンズ系を記録媒体に対して径方向に少なくともトラ
ック集合体の幅3に等しい距離に亘って移動させる必要
がある。リング磁石12はコイル装置15と共に、5個
の自由度を以て対物レンズ系の移動を決定する5−D
(5次元)アクチュエータを構成する。この自由度の量
は、X,Y及びZ軸及び対物レンズの光軸を有する矩形
の座標系を基準にして簡単に想定することができる。図
1において、この座標系を走査装置に隣接して図示す
る。X,Y及びZ軸は、記録媒体の面の径方向及び接線
方向並びにこの面と直交する光軸方向にそれぞれ対応す
る。5個の自由度は、X,Y及びZ軸方向における平行
移動並びにX軸及びY軸まわりの2個の回転である。6
番目の自由度はZ軸まわりの回転、すなわち対物レンズ
の光軸まわりの回転であり、このZ軸まわりの回転は不
要である。この理由は、対物レンズ系はその光軸に対し
て対称であるためである。X方向の平行移動は、焦点ス
ポット11を走査すべきトラック上で径方向に維持する
ために(ラジアルトラッキング)並びに対物レンズをあ
るトラックから走査すべき別のトラック変位させるため
に用いる。Z方向の平行移動は、焦点スポットを情報層
2の面内に維持するために用いる。Y方向の平行移動
は、対物レンズ系13をコイル装置のコイル間の中心に
維持すると共に、例えばビデオ情報を有する記録媒体を
走査する際、生ずるおそれのあるタンゲンシャルの時間
誤差を補正するために用いる。X軸及びY軸まわりの2
個の回転は、対物レンズ10の光軸を放射ビームの主光
線に平行に維持するために用いる。コイル装置中におけ
る対物レンズ系の位置及び向きの制御、コイル装置の構
成及び制御に必要な信号の発生については図6〜図10
を参照して説明する。
【0018】上述した5−Dアクチュエータの利点は可
動部品すなわち対物レンズ系13を小型化できることに
ある。既知のアクチュエータの可動部品、例えば米国特
許明細書第4363116号に記載されている可動部品
は、対物レンズを光軸方向に移動させる焦点アクチュエ
ータと水平方向に進行する放射ビームを上方向に偏向す
ると共に焦点スポットを径方向に微細制御するための平
面ミラーを収納するキャリッジを具える。このキャリッ
ジは相対的に重く、例えば20gr以上あり、このキャ
リッジを走査すべきトラックに向けた変位させるのに大
きな力が必要である。本発明による装置は、対物レンズ
系13だけがアクチュエータの可動素子となるように設
計する。この対物レンズ系は極めて軽くすることがで
き、例えば1gr以下にすることができるので、この対
物レンズ系は極めて高速に移動することができる。本発
明による走査装置では、任意のトラックへのアクセス時
間は既知の装置よりも一層短縮できること明らかであ
る。既知のキャリッジの別の課題はキャリッジが固有振
動のスペクトラムを有することであり、この課題は本発
明による装置では発生することはない。固有振動の周波
数がキャリッジの制御周波数帯域内にある場合、制御ル
ープに位相損失が生じ、制御が不安定になるおそれがあ
る。例えば、対物レンズ系をキャリッジ中で支持するた
めに用いられるリーフスプリングの寄生固有振動の周波
数は500Hzと2kHzの間にある。キャリッジの構
成部材の固有振動は一般的に1kHzと20kHzの間
にある。これら周波数の大部分は、必要な制御レートに
依存する1〜4kHzのキャリッジ制御の周波数帯域内
にある。本発明による対物レンズは5mmの特有の寸法
の小型なものであり、その固有振動の周波数は約100
kHzすなわち制御の周波数帯域をはるかに超えている
から、対物レンズだけが径方向に移動する可動素子であ
る本発明による装置は制御が一層安定になる利点があ
る。本発明による装置において、対物レンズ系はリーフ
スプリングにより支持されないので、リーフスプリング
を用いる場合の固有の問題例えばスプリング定数や焦点
制御が不安定になるダンピングの変化はもはや生じな
い。
【0019】記録媒体1を走査するための放射は、例え
ばダイオードレーザのような放射源を有する光学装置2
0から供給する。この光学装置は放射ビーム21を発生
し、このビームは、図1に示すように回動ミラー22に
より構成される偏向装置により所定の角度に亘って偏向
される。本発明では、ビーム21は回動ミラー22の回
転軸上に集束する。図1において、素子23は走査レン
ズで、すなわち円形レンズの棒状部分で構成する。ビー
ム21は走査レンズ23の焦点に集束するので、ビーム
24は走査レンズの光路を通過した後走査レンズの光軸
に平行な主光線に平行になる。回動ミラー22は走査レ
ンズ23の全長に亘って放射ビームを偏向するので、平
行ビームは同一長に亘って変位するこの変位中、ビーム
24の主光線は走査レンズの光軸平行に維持される。こ
の理由は、回動ミラー22が走査レンズの焦点に位置す
るからである。走査レンズの光軸に対して45°の角度
で配置した平面ミラー25により、ビーム24は主光線
がZ軸に平行なビーム26として反射され、このビーム
は対物レンズ10に入射する。対物レンズ10はビーム
26を情報層2上で焦点スポット11として集束する。
回動ミラーは、ビーム26が対物レンズ10のほぼ中心
に入射するように制御される。情報層で反射してビーム
は上述した光路を経て光学装置20に入射する。この光
学装置20には、既知の方法で放射感知検出ユニット
(図示せず)が設けられ、この検出ユニットにおいて信
号処理前デコード回路により反射ビームの変調を記録媒
体から読み取った情報を含む情報信号及びラジアル制御
及びフォーカシング制御を行うサーボ信号に変換する。
【0020】光軸に対して45°の角度で配置した平面
ミラー25は上述した米国特許第4363116号明細
書に記載されている装置において同一の機能を有するミ
ラーと同様に移動する必要はないこと明らかである。従
って、可動部材は一層軽量で小型になり、この結果固有
振動の周波数は一層高くなる。さらに、投射ビームに対
するミラーの向きを維持するため、対物レンズ系に固定
されているミラーにより上述した対物レンズ系のZ軸ま
わりの回転である6番目の自由度を固定する必要があ
る。これにより、アクチュエータは複雑になる。可動部
材すなわち対物レンズ系13及び回動ミラー22が軽量
になることによりアクセス時間は大幅に短縮される。
【0021】平面ミラー25に加えて又は平面ミラーの
代わりに光路を折り曲げるミラーを光路中の任意の位置
に配置することができる。走査レンズ23と対物レンズ
10との間の代わりに、光学装置20と回動ミラー22
との間及び/又は回動ミラー22と走査レンズ23との
間に平面ミラーを配置することができる。平面ミラー2
5を削除した場合、走査レンズ23は図1に示す位置に
対してX軸を中心にして90°回転させると共に対物レ
ンズの下側に配置する必要がある。
【0022】走査レンズ23は少なくとも対物レンズ1
3のストロークに亘たる長さを有している。放射光路を
所望の性能に維持するために走査レンズに課せられる光
学要件は、この走査レンズの長さに拘わらず極めて厳格
なものではない。すなわち、如何なる瞬時においてもビ
ームは走査レンズの微小部分しか用いないため、この走
査レンズの微小部分の光学誤差だけが重要である。
【0023】図1に示す走査レンズ23は円形レンズの
中央部分から切り取った棒状部分で構成される。図2a
に示すように、円形レンズ27から棒状部分を1個だけ
作ることができる。図2において、1点鎖線28は走査
レンズ23の中心を通る円形レンズの光軸である。図2
bに示すように、単一の円形レンズ27から2個の棒状
レンズを得ることができる。一方の棒状レンズ29は円
形レンズの光軸28の上側に直接位置し、破線で示す他
方の部分30は下側に直接位置する。この場合、円形レ
ンズの光軸は棒状レンズ29及び30の中心を通らな
い。このような光軸がずれた棒状レンズ29又は30を
装置内に配置する場合、これら棒状レンズは、光軸が一
致する棒状部レンズ23とは異なり、もとの円形レンズ
での光軸と平行な棒状レンズの中心を通る軸上の焦点面
内の位置を通る光ビームで照射すべきではない。実際
に、棒状レンズ29又は30は、それ自体の光軸からず
れた位置を通る光ビームで照射される。これにより、コ
マ収差のようなレンズ誤差が増大する。このレンズ誤差
は例えばダブレットのような多重レンズによってだけ補
償することができる。このレンズ誤差は、円形レンズ2
7の光軸上の点から棒状レンズ29又は30を、照射す
ることにより除去することができる。
【0024】図3は、棒状レンズの代わりに光学的強度
素子2を棒状の中空ミラー31とした本発明による装置
の実施例を示す。ビーム21は回動ミラー22の回転軸
上の点に集束させる。この点は、放物体の一部分である
中空ミラー31の焦点でもある。ビーム21は中空ミラ
ーの焦点に集束するので、ビーム26は、中空ミラーで
反射した後、主光線が放物体の光軸に平行な平行ビーム
となる。回動ミラーの回動は対物レンズ系の移動に適合
しているので、ビーム26は平行に変位し、ビーム26
は対物レンズ系13に追従する。
【0025】上記実施例において、ビーム21は回動ミ
ラー22上に集束する。この反射面上に付着したほこり
によるビームの反射率の低下を防止するため、このミラ
ーの背面側に反射性コーティングを形成することが好ま
しい。一方、この場合反射面に生ずるおそれのある微小
な孔(ピンポール)により反射損失が生ずるおそれがあ
る。一方、ビーム21が回動ミラー上に正確に集束しな
い場合(回動ミラーの直前又は直後に集束する場合)、
ビームは反射面上でスポットを形成し、このスポットは
微小な孔やほこり粒子の寸法よりも相当大きいため、微
小な孔やほこり粒子による影響を相当低減させることが
できる。また、ビーム21の焦点と回動ミラーとの間の
距離はあまり長くすべきではない。この理由は、走査レ
ンズ23(図1)又は中空ミラー(図3)が照射される
位置が回動ミラーの回動中に遠く変位しすぎてしまい、
これらレンズ又はミラーの後方におけるビーム26の方
向が変位してしまうからである。
【0026】回動ミラー22のほこり及び孔の影響は光
路中にシリンドリカルレンズを配置することにより低減
することができる。シリンドリカルレンズを用いる装置
の実施例を図4に示す。光学装置20からのビーム21
はシリンドリカルレンズ40により回動ミラー22上に
焦線41を形成する。この焦線は回動ミラーの回転軸に
平行とする。孔又はほこり粒子はライン状スポット41
の微小部分にしか存在しないので、このような孔やほこ
りによりビームはほとんど影響を受けない。
【0027】走査レンズによって形成されたビーム24
を平行にするため、第2のシリンドリカルレンズを光路
中に配置する必要がある。このため、走査レンズをシリ
ンドリカルレンズ42とし、そのシリンドリカル軸をシ
リンドリカルレンズ40のシリンドリカル軸と平行にす
る。また、図3の装置において、シリンドリカルレンズ
40に図4の位置と同一の位置に配置してミラー22上
の孔やほこりの影響を低減することができる。この場
合、第2のシリンドリカル作用体は、放物体の一部とす
る代わりに放物状の円筒体の形状とすることにより中空
ミラー31中に配置することができる。シリンドリカル
レンズ40と図3の装置の放物状のシリンドリカルミラ
ーとを組み合わせることにより、ビーム26の幅が回動
ミラー22の位置に依存しない別の効果が達成される。
【0028】図5aは回動ミラーを省いて小型にした装
置の実施例を示す。回動ミラーの機能は、回転軸44の
まわりで回動可能な光学装置により達成される。光学装
置20は回転軸44上の点から射出した発散性ビーム4
5を発生し、この回転軸上の点は走査レンズ23の焦点
に位置する。光学装置20は小型及び軽量にすることが
できるので、高い走査速度を達成できる。この構成によ
り走査レンズ23をシリンドリカルにすることができ、
このレンズのコストを安価にできる利点が達成される。
【0029】ビーム45を偏向するため、図5bに示す
ように、例えば音響光学素子又は光学走査装置のような
電子駆動走査装置46を機械的駆動装置の代わりに用い
ることができる。
【0030】上記実施例で用いた素子の多くを組み合わ
せることができること明らかである。例えば、図4及び
図5に示す装置は、図1に基づいて説明した平面ミラー
25を用いることなく構成できる。
【0031】記録媒体が走査される期間中、対物レンズ
系13によって形成される焦点スポット11を走査され
るべきトラック上に維持する必要がある。このため、対
物レンズ系の位置及び向きをトラックに対して制御する
必要がある。対物レンズ系に対するビーム26の位置も
対物レンズ10が正確にビームを投射するように制御す
る必要がある。これらの制御信号の発生については図6
及び図7に基づいて説明する。
【0032】図6は本発明による走査装置の光路を線図
的に示す。放射源50から放射ビーム51を発生し、こ
のビーム光学装置52に平行なビーム26とし、対物レ
ンズ10により情報層2に焦点スポット11を形成す
る。情報層のトラック7は紙面と直交する方向に延在す
る。情報層2で反射した放射の一部はビームスプリッタ
53により投射ビームの光路から検出系54に向けて反
射する。ビームスプリッタは分離プリズム、回折格子又
は部分的透過性ミラーとすることができる。図面上ビー
ムスプリッタの界面だけを示す。放射源、ビームスプリ
ッタ、検出ユニット及び光学系の一部は図1に示す光学
装置20内に収納することができる。光学装置52は走
査装置、走査レンズ23及び必要に応じた平面ミラーを
含む。
【0033】対物レンズ系とビーム26の相対位置及び
向きを制御するため、対物レンズとビーム26の主光線
との間のX方向及びY方向における偏位及び対物レンズ
のX軸及びY軸まわりの傾きを測定して、偏位及び傾き
を制御装置により除去する。対物レンズのX軸まわりの
傾きは傾斜角αとして表示し、Y軸まわりの傾きは傾斜
角βとして表示する。対物レンズの距離及び傾きは本願
人による特開昭62−3438号公報に記載されている
原理に基づいて測定することができる。
【0034】環状の反射体57を対物レンズの周囲に固
定する。この環状反射体は円錐形、すなわち反射面に対
する法線が対物レンズ10の光軸に対して平行ではな
い。環状反動体はビーム26の外側環状部分を対物レン
ズの入射瞳の外側に反射する。その位置を満足できるよ
うに決定するため、ビームが円錐形をした反射体の外径
よりも小さい径を有するか又はビーム強度が環状反射体
の径方向において変化する必要がある。環状反射体を対
物レンズに対して固定するため、図6に示すように、環
状反射体75は対物レンズを固定するための対物レンズ
ホルダ又は支持部材49の一部を構成させることができ
る。或いは、環状反射体は対物レンズ支持部材上に又は
その内部に固定される個別の素子とすることができる。
図6の破線で示す反射した環状ビーム56はビームスプ
リッタ53を経て放射感知検出ユニット54に入射し、
この検出ユニット上で環状の放射スポットを形成する。
【0035】図7は検出ユニット54の正面図である。
図示したY軸及びZ軸の方向は図6に示す方向に対応す
る。検出ユニット54は細い中間細条(図示せず)によ
って分離された2個の検出器リング58及び59を具
え、各リングはそれぞれ4個の検出器61,62,63
及び64,65,66,67及び68を具えている。環
状放射スポットのリムは図7の破線69で図示する。こ
の放射スポットの平均直径は中間細条の直径に等しい。
【0036】8個の検出器中の放射分布は環状反射体5
7の相対位置及び向きに依存し、つまり対物レンズ10
とビーム21との相対位置及び向きに依存する。対物レ
ンズのX軸又はY軸よりの傾きによって環状放射スポッ
ト69がY軸又はZ軸方向に移動する。X軸又はY軸に
沿う反射体57の変位によって環状放射スポット69中
の放射分布が変化し、X軸方向に変位する場合検出ユニ
ットの上側部分は下側部分よりも一層多くの又は一層少
ない放射を受光する。この理由は、環状反射体の検出器
素子に対応する部分に入射するビーム26の放射量はも
はや等しくならないためである。同様に、Y軸方向に変
位すると、検出系の左側部分は右側部分よりも大量の又
は少量の放射を受光する。
【0037】検出器信号を大文字のSで表し、各検出器
の番号を添字として付加すると、信号SX 及びSY で表
示されるX軸及びY軸方向の変位及び信号Sα及びSβ
で表されるこれらの軸まわりの傾きは以下の式で与えら
れる。
【数1】 SX =(S61+S62+S65+S66)−(S63+S64+S67+S68) SY =(S62+S63+S66+S67)−(S61+S64+S65+S68) Sα=(S62+S63+S65+S68)−(S66+S67+S61+S64) Sβ=(S61+S62+S67+S68)−(S65+S66+S63+S64) 複合信号SX ,SY ,Sα及びSβは互いに独立し、い
かなるクロストークも生じないので、種々の変位及び傾
きが互いに独立して検出することができる。対物レンズ
のZ軸まわりの回転により環状放射スポット69は変化
せず、従って検出器信号に影響を及ぼさない。放物レン
ズがZ軸に沿って僅かに変位しても、環状放射スポット
69は変化しない。
【0038】対物レンズと記録媒体中のトラックとの間
の相対位置を制御するため、対物レンズによって形成さ
れる焦点スポット11のZ軸方向の位置と情報層2との
間の偏位及び焦点スポット11のX軸方向の位置と走査
すべきトラックの中心との間の偏位を測定する必要があ
る。おこり得る情報面の非平坦性や傾き及びトラックの
ずれに拘わらず、対物レンズ系の位置は、検出した偏位
により放射ビームが常時情報面上に鮮明に集束し焦点ス
ポットが所望のトラックを追従するように制御すること
ができる。
【0039】対物レンズのZ軸方向の位置を通常のフォ
ーカスエラー検出方法により対物レンズと情報面との間
の距離として検出し、情報面上でのビームのフォーカシ
ングを制御する。例えば、米国特許第4023033号
から既知の非点収差フォーカスエラー検出方法を図6の
光学系において用いることができる。このため、ビーム
スプリッタ53と検出ユニット54との間に例えば非点
収差を誘導するシリンドリカルレンズ又は回折格子を配
置して、情報層で反射したビーム55に非点収差を与え
る。このビームは検出ユニット54の一部となる4分割
検出器70で検出する。4分割検出器の4個の検出器を
図7において符号71,72,73及び74で示す。フ
ォーカスエラーすなわちZ軸方向の偏位を表わす信号S
Z に次式で与えられる。
【数2】SZ =(S71+S73)−(S72+S74
【0040】対物レンズのトラックに対するX軸方向の
位置を走査すべきトラックの中心線と焦点スポットの中
心との間の距離として検出し、通常のトラッキングエラ
ー検出方法を用いてビームのトラッキング制御を行う。
例えば、米国特許第4057833号から既知のプッシ
ュプルトラッキングエラー検出方法を用いて図6の光学
系に適用する。トラッキングエラーすなわちX軸方向の
変位を表わす信号SRは次式で表される
【数3】SR =(S71+S72)−(S73+S74) このトラッキングエラー信号はSR で示し、同様にX軸
方向の変位を表わす信号SX と区別する。この信号SX
は対物レンズのビーム26に対する変位を表わすが、ト
ラックに対する焦点スポットの変位を表わすものではな
い。
【0041】図4は発明によるコイル装置の実施例を示
す斜視図である。コイル装置は一連のコイル対を具え、
各コイル対は、Z軸に平行なコイル軸を有し上下に配置
された2個の同軸コイルを具える。図4の前側は2個の
コイル対を断面で示し、一方のコイル対はコイル76及
び78を有し、他方のコイル対はコイル77及び78を
有する。これら一連のコイル対は対物レンズ系を収納す
るスリット14の両側にストローク長に亘って2個の平
行な列として配置する。各コイル対の2個のコイルは容
易に電気的に接続されるようにプリット回路基板80の
上側及び下側に配置する。走査装置及びコイル装置用の
制御手段及び光学装置のような他の部材は上記プリント
回路基板80上に装着することができる。コイル装置の
上側及び下側にストッパ75を設け対物レンズ系13の
Z軸方向の移動を制御すると共に静止コイル系を流れる
電流がオフに切り換えられたとき対物レンズ系が移動す
るのを防止する。好ましくは、対物レンズ系は、コイル
装置がオフに切り換わる前にストロークの端点まで移動
し、例えばコイル装置のスリット14内に挿入したアー
ム75′によりこの端点に保持し、装置がオフに切り換
わったとき対物レンズ系がスリット中を移動して損傷を
受けないようにする。また、対物レンズ系は1個又はそ
れ以上のX軸まわりの傾斜停止部材により保持してこれ
ら停止部材間に保持することができる。ある時間に亘っ
て記録媒体を走査する必要がない場合、対物レンズ系を
上記機械的手段によって保持し、コイル装置によって対
物レンズ系を保持しないようにすることが好ましい。こ
れにより装置のエネルギー消費を低減できる。
【0042】5−Dアクチュエータが対物レンズ系を5
個の自由度で移動できる方法は現在のモデルに基づいて
容易に説明できる。このモデルにおいて、軸方向に磁化
した永久磁石を、この磁石の外側を通る電流として示
す。図8aは隣接する4個のコイル76〜79間の中間
位置にある対物レンズ系のY−Z面を断面として示す。
X軸は紙面と直交し紙面の後側に向くものとする。電流
は紙面と交差する集中電流として簡単な形態で示し、円
76′,77′,78′及び70′で図示する。リング
磁石の擬似電流は集中電流12′及び12″として図示
する。図8に示す状態は、リング磁石に近接配置したコ
イル77の巻線を流れる電流77′が裏面に向けて流れ
るように図示され、下側のコイル79の電流79′が紙
面の前面側に向くように図示する。互いに等しい方向の
電流が流れる素子は互いに引き付け合うので、リング磁
石12の右側の部分はコイル77に引き付けられ、コイ
ル79により反発される。F1及びF2で示すリング磁
石に作用する力は結果としてZ軸方向の力F3となる。
対物レンズ系の外側のコイル76及び78を流れる電流
が図示の方向を有しコイル77及び79を通る電流と同
一の大きさを有する場合、対物レンズ系はその両側で等
しい上向きの力を受けることになる。電流76′,7
7′,78′及び79′を同時に制御することにより、
対物レンズのZ軸方向の位置を制御することができる。
電流76′及び78′の方向が反転すると、対物レンズ
系の左側は下向きの力を受け、右側は上向きの力を受け
る。対物レンズのX軸まわりの傾きはこのようにして補
正される。同様に、電流76′及び77′の方向を図示
の状態から反転させることにより対物レンズ系をY軸方
向に変位させることができる。
【0043】対物レンズがX軸方向に変位すると、電流
76′,77′,78′及び79′により発生リング磁
石に作用する力はリング磁石と4個組のコイル76,7
7,78及び79との間の距離が増大するに従って減少
する。この力の低下を防止するため、対物レンズ系がX
軸方向に変位する期間中隣りのコイルに付勢電流を徐々
に供給し、対物レンズに最も近接するコイルに常時付勢
電流を流す。例えば、対物レンズが図8aに示す位置か
らコイル間隔の半分に等しい距離だけX方向に変位する
場合、各電流76′,77′,78′及び79′の半分
の電流を4個コイル76,77,78及び79に供給し
他の半分の電流はX方向に隣接するコイル組に供給する
必要がある。また、対物レンズ系が図8aに図示する位
置からコイル間隔の3/4の距離だけ変位する場合、電
流比は1/4:3/4とする。ここで、コイル間隔は、
隣り合って位置するコイル組の中心間距離とする。
【0044】対物レンズ系のX軸方向の移動について図
8bに基づいて説明する。図8bは5−Dアクチュエー
タの一部をXY面で切った断面として示す。Z軸は紙面
と直交し紙面の前面側に向くものとする。図8aの状態
に関し、対物レンズ系はX軸方向にコイル間隔の半分に
亘って移動した。図8bは隣接する第1,第2及び第3
のコイル組76,77;81,82;83,84を示
す。これらコイル組の上下に隣接するコイルは図8bで
は図示しない。対物レンズ系を+Y方向に移動させるた
め、各コイル76,77,81及び82の電流は図示の
方向に流れ、上下に隣接するコイル及び隣接するコイル
組に同一電流量及び同一方向の電流を供給する必要があ
る。電流12′と82′及び12′と77′によって発
生しリング磁石の外周に亘って積算されリング磁石に作
用する力をF4及びF5として示す。コイル77,82
及び2個の隣接するコイルによってリング磁石12に作
用する合成力は+X方向に向く。リング磁石の左側に位
置するコイル76及び81を流れる電流により同一の合
成力がリング磁石に作用する。従って、電流76′,7
7′,81′及び82′により対物レンズ系に作用する
合成力は+X方向に作用する。対物レンズ系をX方向に
移動すると、電流を徐々に他のコイルに流してリング磁
石に同一の力を作用させる必要がある。対物レンズ系の
中心がコイル81及び82の中心を結ぶライン1に到達
すると、コイル81及び82による前進力は零になる。
コイル81及び82の作用は次のコイル83,84に引
き継がれ、コイル76,77,83及び84によりX方
向移動が維持される。対物レンズ系の中心がライン2に
近づくと、コイル81及び82からの前進力が作用しコ
イル76及び77の作用を引き継ぐことになる。
【0045】Y軸まわりの傾きは、図8bに示すコイル
76,77,81及び82並びに関連する隣接コイルに
より行うことができる。この傾きに必要な電流は図8c
に示す。図8cは対物レンズ系の中心から見て右側に位
置する4個のコイル77,79,82及び85を示す。
リング磁石の擬似電流12′は長い矢印で表示してコイ
ル77及び79によりリング磁石に作用する力とコイル
82及び85により作用する力とを区別する。リング磁
石の+X方向の部分すなわち矢印12のヘッドに近接す
る部分は電流82′により引き付けられると共に電流8
5′により反発され、この結果+Z方向の力を受ける。
リング磁石の−X方向の部分は電流77′により反発さ
れ電流79′により引き付けられるので、−Z方向の力
が作用する。この両方の力が合成されて、対物レンズ系
をY軸まわりで傾かせる。対物レンズ系の左側に位置す
るコイル76及び81並びに隣接するコイルの電流分布
は、等しく同一の方向の合力が生ずるように設定する必
要がある。対物レンズの中心がコイル81と82の中心
を結ぶラインlに近づくと、コイル81及び82の作用
は次のコイル83及び84に引き継がれ、X方向の変位
の場合と同様な状態となり、コイル76,77,83及
び84並びに隣接するコイルによってY軸まわりの傾き
が維持される。
【0046】5個の自由度のうちのある自由度において
対物レンズ系を移動させるため静止コイル系のどのコイ
ルを付勢すべきか並びにどの方向の付勢電流を供給すべ
きかについて説明した。付勢すべきコイルの電流を反転
させることにより反対方向に同様に変位させ得ること明
らかである。対物レンズ系が異なる移動を同時に行う必
要がある場合、例えば変位と傾動を同時にする場合、選
択したコイルの各々に、関連するコイルを付勢して個別
の移動を行うための個別の電流の和となる電流で付勢す
る。対物レンズ系が静止している場合、リング磁石にZ
方向の力を作用させて比重による効果を補償する必要が
ある。本発明の対物レンズ系は軽量であるため、この目
的を達成するために必要な電力は一般的に1ワット以下
である。
【0047】記録媒体がZ方向に大きく変位する場合、
対物レンズ系はZ方向に大きなストロールを有する必要
がある。図8a,8b及び8cに示す5−Dアクチュエ
ータのZ方向のストロールは、本願人による欧州特許明
細書第233380号から既知のように、ボード80の
上側及び下側のコイル対間に付加的なコイル列を配置す
ることにより増大させることができる。この付加的なコ
イルは主として対物レンズ系をX及びY方向に変位させ
るため用い、コイル対はZ方向に変位させると共にX軸
及びY軸まわりの傾動のために用いる。Z方向の長いス
トロークは、本願人による特開昭62−38539号及
び特開昭62−54844号公報から既知のように、巻
線の一部がリング磁石12の上側及び下側に位置するコ
イル系により行うことができる。この巻線はコイル対又
は特別のコイル列の一部で構成できる。この巻線は対物
レンズ系をZ方向で包囲するので、この巻線はストッパ
75の機能を果たす。
【0048】本発明の走査装置の上述した実施例におい
て、コイルのコイル軸をZ軸方向とし、対物レンズ系の
永久磁石はZ方向に磁化している。スリット14に近接
して位置するコイル巻線の部分は力を発生させるために
重要であり、スリットから遠く離れた部分の向きはあま
り重要ではない。従って、コイル軸がZ軸からずれても
アクチュエータの動作にほとんど影響を及ぼさない。し
かしながら、スリット側の巻回密度をできるだけ高くし
て所定の電流で対向レンズに最大の力を作用させる必要
がある。この作用は矩形断面のコイルを用いることによ
り容易に達成できる。アクチュエータはX軸に平行な軸
で構成することができ、この場合永久磁石はX軸方向に
磁化させる必要がある。
【0049】図9は図1の走査装置の対物レンズ系の位
置及び向き並びに走査系を制御する回路の実施例を示
す。光学装置20で発生した6個の信号SX ,SY ,S
α,Sβ,SZ 及びSR を回路において以下のように利
用する。径方向すなわちX方向における焦点スポットの
追従すべきトラックからのずれを表すトラッキングエラ
ー信号SR を用いて対物レンズ系のX方向の位置を補正
してトラッキングエラーを最小にする。トラックの焦点
に対するずれを表す、フォーカスエラー信号SZを用い
て対物レンズ系のZ軸方向の位置を補正する。対物レン
ズの光軸のビーム軸に対するX軸及びY軸まわりの回転
角を表す信号Sα及びSβを用いて、これらの信号がで
きるだけ小さくなるように対物レンズの向きを制御す
る。信号SYは、対物レンズ系の中心が放射ビーム76
の中心に対してY軸方向にどれだけ変位しているのかを
表す。走査装置を満足し得るように設計することによ
り、放射ビームの中心をコイル系のスリット14の中心
線上に常時位置させることができる。対物レンズのY方
向の位置を信号SY により対物レンズ系の中心とビーム
の中心との間の距離ができるだけ小さくなるように補正
することにより、対物レンズ系はY方向に見てスリット
14の中心に維持される。対物レンズ系の中心が照射ビ
ームの中心に対してX方向にどれだけ変位しているかを
表す信号SX を用いて、照射ビームがX方向において対
物レンズ系をできるだけ正確に追従するように回動ミラ
ー22を制御することにより、対物レンズはストローク
3内において全ての位置で正確にビームを照射する。回
動ミラーの制御は粗制御であり、前述した米国特許第4
363116号から既知の装置におけるキャリッジの粗
制御の代わりをなす。
【0050】図9に示すように、光学装置20で発生し
た信号SX は増幅兼安定化回路87を介してユニット8
8の制御入力に供給する。このユニットは回動ミラー2
2を回動させるナクチュエータ及び回動ミラー用の向き
センサを具える。このセンサから供給される信号SM
回動ミラーの向きすなわち照射ビームのX軸方向の位置
を表す。このセンサは、光学センサ、容量性センサ又は
誘導性センサとすることができる。増幅兼安定化回路8
7は、回動ミラー用の制御を安定化する既知の増幅器及
びフィルタを具える
【0051】信号SR ,SY ,SZ ,Sα及びSβは増
幅兼安定化回路89〜93を介してマトリックス回路9
4のX,Y,Z,α及びβ制御入力部にそれぞれ供給す
る。尚、回路89〜93の機能は回路87の機能を同様
である。このマトリックス回路は本願人の欧州特許明細
書第233380号から既知であり、入力信号に応答す
ると共に比例する複数の出力信号を各入力信号毎に発生
する。これら出力電流はコイル装置15に供給され関連
する入力信号に基づいて対物レンズ系の移動を達成す
る。このマトリックス回路により5個の入力信号と12
個の出力信号との間の関係が確立され、この関係はマト
リックス中の数として表すことができる。例えば、対物
レンズ系のZ軸方向の位置間の信号SZ は増幅兼安定に
回路92を介してマトリックス回路94のZ制御用の入
力端子に供給する。この回路は、対物レンズ系をZ軸に
沿って移動させる図8aにおける76′,77′,7
8′及び79′として示す4個の出力電流を発生する。
これら4個の出力電流は増幅兼安定化回路92の出力信
号に比例する。同様に、信号SZ と関連する4個の電流
に加えられる4個の出力電流と信号SY 及びSα用に発
生する。4個の出力電流は少なくとも5本のワイヤから
成るバンドル95を介して電流器96に供給される。こ
こで、出力電流毎に1本のワイヤを割り当て、1本は共
通ワイヤとする。マトリックス回路は信号SX 及びSβ
の各々毎に8個の出力電流を発生し、これら出力電流の
うち4個の電流を図8bにおいて76′,77′,8
1′及び82′として図示しボート80の上側のコイル
を付勢するために用い、他の4個の出力電流は下側のコ
イルを付勢するために用いる。信号SX 及びSβと関連
する8個の電流から成る2列の電流は2個毎に加え合わ
されて少なくとも9本のワイヤから成るバンドル97を
介しコミュテータに供給する。
【0052】本発明の走査装置を満足し得るように作動
させるため、バンドル95及び97のワイヤを経て供給
された電流を上述したようにコイル装置のコイルを流れ
るようにするコミュテータ96が必要である。このコミ
ュテータは種々の通常の方法で構成することができる。
対物レンズ系13が図8bの位置にある場合、バンドル
95の4個の電流は、図8aに基づいて説明したよう
に、下側の4個のコイルと共にコイル76,77,81
及び82に供給する必要がある。さらに、バンドル97
を流れる8個の電流の各々は、図8bに基づいて説明し
たように、コイル76,77,81,82並びに下側の
4個のコイルに供給する。図8bにおいて対物レンズ系
13がコイル81と82を結ぶラインl1 上に位置する
場合、バンドル95を流れる4個の電流はコイル81,
82並びに2個の下側のコイルに供給され、バンドル9
7を流れる8個の電流はコイル76,77,83,84
及び下側の4個のコイルに供給される。対物レンズ系が
X方向に沿って変位する場合、コミュテータは対物レン
ズが移動する方向にあるコイルに徐々に大きな電流を供
給し、対物レンズが遠去かる側のコイルには徐々に小さ
い電流を供給し、コイル系からリング磁石に作用する力
をリング磁石の依存しないようにする。コイル及びリン
グ磁石の形状に応じて、位置に依存する電流を増大又は
減少させて電磁力にかかわらず所望の位置まで移動させ
る必要がある。ここのコイルを矩形断面とすることによ
り、必要となる電流の増大及び減少量を低減することが
できる。コイル間隔がリング磁石の直径に比べて小さい
場合、対物レンズに近接し付勢されるコイルの数を増加
して適正な電磁力分布を形成すると共に電流強度が高く
なるのを防止する必要がある。
【0053】コイルを適切に選択するため、コミュテー
タは対物レンズ系の位置を知る必要がある。この情報は
ユニット88内の位置センサからの信号SM により得ら
れ、この位置信号は照射ビームのX軸方向の位置を指示
すると共に制御中には対物レンズ系の位置を指示する。
コミュテータは12個の入力の電流を上述したように多
数の出力に分配し、図9のコイル系の各コイル毎に1個
の出力電流を分配する。コイル装置のコイルの数は、ス
トローク3の長さ、対物レンズ系の大きさ、リング磁石
の磁界強度及び所望する制御精度により決定する。図9
に示す装置において、対物レンズ系の直径はコイル間隔
の2〜3倍に等しく、コイル装置の各列は9個のコイル
対を有している。従って、この場合コミュテータの出力
の数は36個となる。
【0054】整流器96の出力端子は各入力電流を増幅す
る増幅器ユニット98の同数の入力端子へ接続する。この
増幅器ユニットの各出力端子はコイル装置のコイルに接
続する。これらの結線は導線とボード80上の印刷トラッ
クとの両方またはいずれか一方を介して実現されて得
る。光学装置20とユニット88と共に、増幅器兼安定化回
路、マトリックス回路、コミュテータ及び増幅ユニット
のような制御素子をボード80上に装着して接続の数を制
限し且つ費用を低減することができる。
【0055】焦点を加速された状態で別のトラックへ移
行するように、トラック列をスキップさせるためには、
対物レンズ系は短時間でX方向に急速に移動する必要が
ある。この急速な移動のために、この装置は、焦点スポ
ットの既知の、現在位置と新しい所望の位置とに基づい
たサーチ信号SS を発生する。サーチ信号SS がパルス
発生器99を付勢する。このパルス発生器により発生され
たパルスは加算器回路100 を介して信号SR へ加えられ
る。このパルス期間中リング磁石にX方向の大きい力が
作用し、その力は最初に対物レンズ系を加速し、それか
ら対物レンズ系を減速する。急速な移動の終端点は既知
の方法で通過したトラックを計数することにより又は通
路の端部の直前に記録担体からのアドレス情報を読み取
って対物レンズ系が停止しなくてはならない点を正確に
決定することにより決定され得る。
【0056】動作中にコイルシステムは重力を補償する
ようにリング磁石に一定力を働かさねばならない。図9
では、この力はZ方向とする。振幅が対物レンズ系の質
量にとZ方向の変位に対する制御ループの特性とに依存
する一定信号を加算器回路102 を介して回路101 におい
て信号SZ に加えられた場合に、Z軸に沿う位置制御の
効果が改善される。
【0057】本発明による装置はこのとき以下のように
動作し得る。この装置が動作を開始すると、放射ビーム
が最初に対物レンズ系が保持されるコイル装置のスリッ
ト内の位置に向かって通過する。続いてX及びY方向で
の対物レンズ系の位置に対する制御と、X及びY軸の周
りの回転に対する制御、及び回動ミラーの向きに対する
制御が行われ、重力に対する補償が調節され且つ対物レ
ンズ系が解放される。記録媒体が与えられた場合に、対
物レンズ系は、焦点が情報層2の近傍に位置するまで+
Z方向に動かされ、その後Z方向での焦点制御が動作さ
せられる。最後に、走査されるべきトラックがサーチさ
れ、その後径方向制御が動作させられる。なんらかの理
由又はその他のために放射ビームが対物レンズ系を見失
う場合には、全部の制御がスイッチオフされねばならな
い。続いてビームがX方向でストローク3にわたって走
査される。図6における検出ユニット54が対物レンズ系
の反射を測定するやいなや、走査は停止し且つ制御が再
びスイッチオンされる。
【0058】対物レンズ系の光軸とビーム24の主光線と
の間の角は制御を動作させるために比較的小さくなくて
はならない。言い換えれば、制御が動作させられる場合
には、環状放射スポット69は検出器リング58及び59に対
してそのスポットの直径の四分の一以上偏心してはなら
ない。検出ユニットの捕捉領域が増大される場合には、
制御器を動作させるためにスリット内に対物レンズ系を
保持する手段の機械的公差は緩和される。このことは図
6に示した装置では検出ユニット54によって実現され得
る。この検出ユニットはY及びZ軸に平行でな分割線を
有すると共に検出器リング58,59、4個の四分割検出器
70、及びリングの外側に位置し図7において参照符号 1
11〜114 及び 121〜124 により表される検出範囲を具え
る4四分割検出器とすることができる。X及びY軸の周
りの対物レンズ系の傾斜がそれぞれY又はZ方向での検
出ユニット上の環状放射スポット69の変位を生じ、その
変位は四分割検出器の光分布を測定することにより検出
され得る。この領域範囲に入射する放射により発生する
信号がS111 〜S114 及びS121 〜S124 により表され
る場合には、Y及びZ方向における検出ユニットにおけ
る偏位は以下の信号Sα′とSβ′とにより表現され
る。
【数4】 Sα′=(S122 +S62+S66+S112 +S72+S123 +S63+ S67+S113 +S73)−(S121 +S61+S65+S111 + S71+S124 +S64+S68+S114 +S74) Sβ′=(S121 +S61+S65+S111 +S71+S122 +S62+ S66+S112 +S72)−(S123 +S63+S67+S113 + S73+S124 +S64+S68+S114 +S74
【0059】より広い捕捉領域を有する装置の制御器が
動作させられる場合には、これらの信号Sα′とSβ′
とは最初にそれぞれ傾斜αとβとに対する制御器の入力
端子へ印加されるので、光スポットは検出ユニットの中
心に入射する。次に信号Sα′とSβ′とがそれぞれ、
傾斜の精密な制御を実行するために、信号SαとSβと
により置き換えられる。検出ユニットの捕捉領域は検出
ユニットの大きさに比例するから、捕捉領域はこの大き
さによって選択され得る。これらの信号Sα′とSβ′
とを発生させるための電子的回路は、各四分円において
検出ユニットの範囲の一部が、例えばリング58内の部分
が、これらの信号を発生させるために用いられない場合
には、捕捉領域に悪影響を及ぼすことなく単純化され得
る。検出器リング58及び59のみが用いられる場合に特に
単純な回路が得られる。その場合には信号Sα′及びS
β′がそれぞれ先に述べた信号SY 及びSX と同じであ
る。制御が実行させられ場合には、信号SY 及びSX
最初に傾斜α及びβに対する制御のために入力端子へ印
加され、その後それらがスイッチによって信号Sα及び
Sβにより置き換えられる。
【0060】ある種の使用においては、例えば、アナロ
グ的に符号化されたビデオ情報又はディジタル的に符号
化されたデータを有する記録媒体を読み取る場合に、時
間誤差又はジッタとも呼ばれる焦点の接線方向位置偏差
を訂正することが望ましい。そのような訂正の実行が図
10に示されている。光学システム20内の検出ユニットか
ら得ることができる情報信号SI も、アナログビデオ情
報の場合には同期化情報を具えている。同期分離器105
がビデオ情報から同期化情報を回復し、且つ同期化情報
を有する信号を比較回路106 へ印加する。発生器107 、
例えば時間ベース発生器が、これも比較回路106 へ印加
される一定周波数での信号を発生する。比較回路の出力
信号ST は二つの信号の間の位相差に比例しており、且
つ従って記録媒体が読み取られている場合には接線方向
時間誤差の尺度となる。時間誤差は走査されるべきトラ
ックを横切る接線方向での焦点の位置を修正することに
より修正され得る。図10に示した実行においては、制御
は急速な制御と緩慢な制御とに分けられる。急速な制御
においては、Y方向での対物レンズ系の位置は信号ST
により制御される。この目的のために、信号ST は増幅
器と安定化回路108を介してマトリックス回路94のY入
力端子へ接続されており、Y方向での対物レンズ系の制
御は更に図9を参照して述べたように実行される。大き
い時間誤差と同時に小さい時間誤差がそれにより修正さ
れねばならない急速制御のみを具えている装置において
は、対物レンズ系がY方向においてコイル装置と当接す
るい言う危険が存在する。これを回避するために、大き
い時間誤差に対する緩慢な制御が設けられ、その制御が
記録媒体の回転速度を修正する。緩慢な制御は対物レン
ズ系が放射ビームに対して、及び従ってコイル装置のス
リット14に対していかに遠く中心ずれしているかを示す
信号SY を用いる。モータの軸を駆動するために、この
信号SY を制御器110 の制御入力端子へ増幅器及び安定
化回路109 を介して印加することにより、信号SY がで
きるかぎり小さいようにモータの回転数が制御され得
て、対物レンズ系はかくしてスリットの中心にほぼ持続
される。
【0061】制御に必要な電子的装置は、少数の回路又
は一つの回路にさえも、増幅器と安定化回路、マトリッ
クス回路と整流器及び増幅器ユニットのような異なる構
成要素を統合することにより小形化され得る。全部の信
号又は信号の一部がディジタル的に処理され場合に、更
に単純化が達成され得る。構成要素89〜101 の機能はこ
の時1個又は複数の計算ユニットにより実行することが
できる。更にその上ハンドル95及び97内の導線の数が低
減され得る。信号のアナログ/ディジタル及びディジタ
ル/アナログ変換はしばしば高速且つ小さいビット幅で
実現され得て、多くの場合に1ビットの幅で十分とな
る。
【0062】本発明による装置は、光学及び電磁的構成
要素が広い測定公差及び位置公差を有するので、製造コ
ストが安価になる利点を持っている。トラックを走査す
るために必要な焦点の位置、及び従って対物レンズ系の
高い精度が、前述の制御により達成される。それらの制
御がZ方向では1μm以内で且つX方向では 0.1μm以
内の所望の位置に対物レンズ系を維持する。それらは光
学記録媒体を走査するための装置に対して通常のな公差
である。走査装置22はこれらの精度を有する必要はな
い。実際には、焦点の位置は対物レンズ系に対する放射
ビームの位置に無関係であり、対物レンズ系内の対物レ
ンズがそのビームから十分な光を受光することが必要な
だけである。この理由に対しては、Y方向と同時にX方
向でのビームに対してほぼ1mmの位置精度で十分であ
る。そのような精度は前述の実施例によりなんらの問題
点無しに実現され得る。コイル装置内のコイルの位置と
形状との偏差の結果としてコイルから対物レンズ系に作
用する力の大きさ及び方向のおこり得る偏位は、フィー
ドバック制御により完全に補償される。同じことが、所
定の方向での対物レンズ系の移動と傾斜のためのコイル
装置の駆動により別の方向における微小な変位又は傾き
が生ずるクロストークにも適用される。例えばY方向で
の対物レンズ系の位置を表わす信号がX軸の周りの対物
レンズ系の傾斜により影響される検出ユニット内のクロ
ストーク、制御になんらの目立った影響を有しないほど
小さい。クロストークが小さいこと及び制御による自動
的補償により、広い製造公差を有すると共に所望の走査
精度を達成する。
【0063】制御における既知の問題点はオフセットの
発生である。これらのオフセットは例えば完全には正し
くない検出ユニットの整列により、放射線ビーム内の非
回転対称強度分布により、又は増幅器のオフセットによ
り起こり得る。これらのオフセットはその装置の組立品
内で一回だけ補償され得る。正規に実行されるべき手順
内で補償をチェックし且つ修正することもその代わりに
可能である。後者はトラックを読み取ることにより及び
ディジタル情報を読み取るための装置内に一般的に存在
する誤差修正システムによって読み取られた情報内の誤
りの数を決定することによって達成され得る。構成要素
の不十分な調節の場合には、例えば信号Sαでのオフセ
ットにより起こされた対物レンズ系の傾斜の場合には、
エラーの数は増大する。傾斜を変えることにより、読み
取られたトラックの情報内の誤りの数が最小である配向
が決定され得る。対物レンズ系が所望の方向を占有する
ようなオフセットが、信号Sαへ今や加えられねばなら
ない。そのような補償に際して、他方の制御への一方の
制御に対するクロストークが考慮されねばならない。
【0064】図1〜9に示した装置の実施例はリング磁
石12を有する対物レンズ系に基づいている。その代わり
に、図11に示したように、対物レンズ系内にリング磁石
の代わりにX方向に延在する2個の棒状磁石131,132 を
用いることも可能である。その場合には対物レンズ系は
もはやZ軸の周りで回転対称ではなく、且つZ軸の周り
の対物レンズ系の角の位置が測定され且つ修正されねば
ならない。磁石と一緒にコイル装置15がこの時5−Dア
クチュエータの代わりに6−Dを形成しなくてはなら
ず、言い換えればコイル装置は5個の自由度の代わりに
6個で修正できなくてはならない。このことが、対物レ
ンズ10の下で、対物レンズの光軸に対して45°の角度で
鏡133 を固定する可能性を与える。光学システム20によ
り供給され、且つX軸に平行に延在する平行にされた放
射ビーム134 が鏡によりレンズへ向かって偏向される。
Z方向に対物レンズ系を移動することにより、放射ビー
ムは対物レンズ10の外側に部分的に到達し得る。このこ
とは、Y軸に平行な回転軸により光学システム20内の回
動ミラー(図示されていない)を介して鏡133 へビーム
134 を向けることにより回避され得る。光学システム内
の回動ミラーは上述の信号SX により制御され得る。X
軸の周りの回転を測定するために光学システム内の環状
反射器が、例えば、検出器リング58及び59内の検出器の
間の境界の範囲で、検出ユニット上の放射スポット69内
に二つの暗い範囲を生じる二つの直径方向に対向する非
反射区域を具えている。そのような境界の両側に置かれ
た二つの区域の差信号がその時X軸の周りの対物レンズ
系の回転の尺度である。X軸に沿う対物レンズ系の位置
を指示する信号SM は、この実施例においては、図9に
示されたような回動ミラー22の位置から得ることはでき
ないが、異なる光学的な容量的又は誘導的方法で発生さ
れ得る。図11に示した装置の実施例においては、対物レ
ンズ系は二つの磁石131, 132及び鏡133 と統合された対
物レンズ10を具えている。この対物レンズ系は鏡と、対
物レンズ、及び焦点クチュエータを収容している既知の
キャリッジよりも相当軽く、且つそれ故に既知のキャリ
ッジよりも非常に短いアクセス時間を有し得る。
【0065】前述の装置の全部の実施例が光学ディスク
形状記録媒体に基づいているけれども、それらは代わり
に非円形記録媒体、例えばカードの形状での非円形記録
媒体に対して用いられてもよい。前述の原理は任意の表
面を走査するために用い得ることは明らかである。この
装置は対物レンズの大きい開口数による高い解像力と対
物レンズ系のためのアクチュエータによる高い走査速度
との組み合わせの利点を有する。走査されるべき表面が
Y方向に動かされた場合に、この運動は、X方向での直
線に沿った対物レンズ系の運動と一緒に、直角座標シス
テムにおける表面の映像を生じて、それが画像情報の処
理を単純化する。高い開口数とこの速度との組み合わせ
は特に生物学的組織標本(プレパラート)を走査するの
に非常に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】走査レンズを具える本発明による光学式走査装
置を示す線図的斜視図である。
【図2】走査レンズの形態を示す斜視図である。
【図3】中空ミラーを具える光学式走査装置の構成を示
す線図的斜視図である。
【図4】シリンドリカルレンズを具える光学式走査装置
の構成を示す線図的斜視図である。
【図5】回動性放射源を具える光学式走査装置の構成を
示す線図的斜視図である。
【図6】本発明による光学式走査装置の光路を示す線図
である。
【図7】検出ユニットの構成を示す正面図である。
【図8】静止コイル装置内の対物レンズを示す正面図で
ある。
【図9】対物レンズ及び回動ミラー用の制御回路を示す
回路図である。
【図10】タンゲンシャル時間 を補正する制御回路
を示す回路図である。
【図11】6−Dアクチュエータを具える光学式走査装
置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体 2 走査面 5 透明基板 10 対物レンズ 11 焦点スポット 12 リング磁石 13 対物レンズ系 15 コイル装置 20 光学装置 22 回動ミラー 23 走査レンズ 29,30 棒状レンズ 53 ビームスプリッタ 54 検出ユニット 57 環状反射体

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZの直交座標系のX方向に沿って所
    定のストロークに亘ってXY平面にほぼ平行な面を光学
    的に走査する装置であって、放射ビームを発生する放射
    源と、永久磁石を具える対物レンズ系に装着され、前記
    放射ビームをZ方向の前記面上に集束させる対物レンズ
    と、前記対物レンズ系を電磁的に駆動するコイル装置と
    を具え、このコイル装置が複数のコイル対を有し、各コ
    イル対がZ方向に上下に配置した2個のコイルを有する
    光学式走査装置において、 前記コイル装置が静止状態に固定されると共に、前記ス
    トローク長に亘って対物レンズ系の両側に位置する2個
    の平行なコイル対列を具え、これらコイル対列が前記ス
    トロークに亘って永久磁石と磁気的に共働することを特
    徴とする光学式走査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学式走査装置におい
    て、前記対物レンズ系のZ方向の移動を制限するストッ
    パをコイル対列上に配置したことを特徴とする光学式走
    査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光学式走査装置
    において、切り換え可能な機械的手段を設けて対物レン
    ズ系を所定の位置に保持するように構成したことを特徴
    とする光学式走査装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の光学式走査
    装置において、前記コイルが、コイル軸と直交する折面
    において、ほぼ矩形断面を有することを特徴とする光学
    式走査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の光学式
    走査装置において、前記コイル対を流れる電流を整流す
    るコミュテータ及び対物レンズ系のX方向の位置を決定
    する検出器を設け、前記検出器の出力部をコミュテータ
    の制御入力部に接続したことを特徴とする光学式走査装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の光学式走査装置におい
    て、前記対物レンズ系をY方向及びZ方向に変位させる
    と共にX軸まわりで回転させるコミュテータが、対物レ
    ンズ系のX方向の位置に応じて対物レンズ系の一方の側
    のいずれかに1個又は2個のコイル対及び他方の側の対
    向配置された同数のコイル対を同時にオンに切り換える
    ことを特徴とする光学式走査装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の光学式走査装置
    において、前記対物レンズ系をX方向に変位させると共
    にY軸まわりで回転させるコミュテータが、対物レンズ
    系の一方側の2個のコイル対及び他方の側の対向配置さ
    れた同数のコイル対を同時にオンに切り換え、オンに切
    り換えられたコイル間のX方向の距離が対物レンズのX
    方向の位置に依存することを特徴とする光学式走査装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれか1項に記
    載の光学式走査装置において、軸方向に磁化したリング
    磁石を対物レンズの周囲に配置し、前記コイルのコイル
    軸をZ軸にほぼ平行にしたことを特徴とする光学式走査
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれか1項に記
    載の光学式走査装置において、前記ストローク長にほぼ
    等しい長さを有する光学結像素子を前記放射源と対物レ
    ンズとの間の光路中に配置し、前記放射源と前記光学結
    像素子との間の光路中に配置され、対物ビームを前記光
    学結像素子に亘って走査する走査装置をさらに具え、X
    方向に平行な放射ビームを対物レンズのストロークに亘
    って変位させることを特徴とする光学式走査装置。
  10. 【請求項10】 請求項5及び9に記載の光学式走査装
    置において、前記コミュテータ用の制御用の制御信号を
    発生させる検出器を前記走査装置用の位置センサとした
    ことを特徴とする光学式走査装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から7までのいずれか1項に
    記載の光学式走査装置においてい、前記対物レンズ系が
    X方向に延在する2個の永久磁石を有することを特徴と
    する光学式走査装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から11までのいずれか1項
    に記載の光学式走査装置において、前記コイル装置が、
    プリント回路基板上のX方向に延在するスリットの両側
    に配置され、コイルをこのプリント回路基板に電気的に
    接続したことを特徴とする光学式走査装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の光学式走査装置に
    おいて、前記放射源及び他の光学素子並びに対物レンズ
    の位置を制御する電子制御手段を前記プリント回路基板
    上に配置し、前記放射源及び制御手段をプリント回路基
    板に電気的に接続したことを特徴とする光学式走査装
    置。
JP5149443A 1992-06-19 1993-06-21 光学式走査装置 Pending JPH0668478A (ja)

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