JPH0667481B2 - 陽イオン交換基を有する粒状多孔質キトサン誘導体の製造方法 - Google Patents

陽イオン交換基を有する粒状多孔質キトサン誘導体の製造方法

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JPH0667481B2
JPH0667481B2 JP62111093A JP11109387A JPH0667481B2 JP H0667481 B2 JPH0667481 B2 JP H0667481B2 JP 62111093 A JP62111093 A JP 62111093A JP 11109387 A JP11109387 A JP 11109387A JP H0667481 B2 JPH0667481 B2 JP H0667481B2
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chitosan
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正晃 篠永
糸山  光紀
博昭 谷邊
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富士紡績株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スルホン基を有するイオン交換樹脂或いはク
ロマトグラフィー用担体の製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、生化学関連分野の発展に伴い、分離,精製の目的
で使用されるイオン交換樹脂、クロマトグラフィー用担
体の役割は益々重要なものとなってきている。
キトサンをスルホン化する方法については、古くより文
献等に記載がある。例えば、エム・エル・ウォルフロム
(M.L.Wolfrom)等の方法(J.Am.Chem.Soc.,81,1764(1
958))では、フレーク状のキトサンをピリジン中クロ
ルスルホン酸でスルホン化し、N,O−スルホン化物を与
えている。また、ナガサワ等は、濃硫酸を使用してキト
サンのN−スルホン化を行っている(Chem.Pharm.Bul
l.,20,157,(1972))。更に、特開昭60−203602号公報
には、キトサンを硫酸及びクロルスルホン酸の混合物に
よりβ−D−(1,4)−ゲルコサミンサブユニットのC
−6位の水酸基に選択的スルフェート化を行う方法が記
載されている。
しかしながら、このような従来の方法では、使用される
キトサンは、殆どがフレーク状或いは粉状のキトサンで
あるため、スルホン化したものは水溶性となり、効率の
良い担体を得ることはできなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記文献に記載のように、フレーク状キトサン、或いは
粉状キトサンをスルホン化した場合、スルホン基の導入
の増加に伴い、水溶性が増加する傾向があり、不溶性の
担体を得るには低いイオン交換容量のものにとどめなけ
ればならず、従って、高いイオン交換容量の担体を得る
ことは不可能であった。また、キトサンは酢酸,ジクロ
ル酢酸,蟻酸等の水溶液に溶解するので、その用途,使
用pHは限られたものとなる。
以上の点を解決するため、本発明は耐酸,耐アルカリ性
で、しかもイオン交換容量も高い担体を得ることを目的
としてなされた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、架橋剤で架橋した粒状多孔質キトサン誘導体
をピリジン中クロルスルホン酸でスルホン化することに
より陽イオン交換基を有する担体を得る方法に係る。
本発明において用いる粒状多孔質キトサンは、特開昭61
−40337号に記載の方法よって得られる。当該多孔質粒
状キトサンは、架橋反応を行って全pH領域で安定な粒状
多孔質キトサン誘導体とする。
即ち、粒状多孔質キトサンは、平均分子量10,000〜230,
000の低分子化したキトサンを使用する。この低分子量
キトサンを酢酸,ジクロル酢酸,蟻酸等の単独、或いは
混合物に溶解して2〜10%の水溶液となるように調製す
る。該キトサン酸性水溶液を水酸化ナトリウム,水酸化
カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,アンモニ
ア,水酸化エチレンジアミン等のアルカリ性物質を含む
塩基性水溶液中に、0.1乃至0.25mm孔径のノズルより圧
力下で落下させると、凝固再生し、粒状多孔質キトサン
が得られる。また、塩基性水溶液中には、メタノール,
エタノール等のアルコール類を使用することも可能であ
る。
上記のようにして得た粒状多孔質キトサンに架橋剤とし
てヘキサメチレンジイソシアネート,ジフェニルメタン
−4,4′−ジイソシアネート,ジカルボン酸ハロゲン化
物等を用い、粒状多孔質キトサンのアミノ基と反応さ
せ、スルホン化に供する。スルホン化剤としては、ピリ
ジン中にクロルスルホン酸を滴下して得たピリジン−ク
ロルスルホン酸複合体を用いる。その他にも、ジクロル
エタン中クロルスルホン酸を用いる方法、ピリジン,ジ
オキサン,N,N′−ジメチルアニリンと無水硫酸との複合
体を使用する方法、無水亜硫酸,無水硫酸の混合物を使
用する方法、三酸化イオウ−N,N′−ジメチルホルムア
ミド複合体を使用する方法、硫酸とクロルスルホン酸の
混合物を用いる方法等が考えられるが、反応時間が比較
的短時間である点、使用方法、スルホン基導入量が調節
し易い等の点からピリジン−クロルスルホン酸複合体を
使用する方法が好ましい。この時、ピリジン中に滴下す
るクロルスルホン酸量を変化させることにより、導入す
べきスルホン基量を必要に応じて適宜調節することがで
きる。反応温度は60〜100℃,反応時間は30〜120分の範
囲で任意に選択できる。得られたスルホン基を有する粒
状多孔質キトサン誘導体は充分水洗後、陽イオン交換体
として使用することができる。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は
実施例記載の範囲に限定されるものではない。
また、陽イオン交換基を有する粒状多孔質キトサンの陽
イオン交換容量,比表面積,キトサンの酢酸水溶液の粘
度は、下記のようにして求めた。
◎陽イオン交換容量(中性塩分解能) 中性塩分解能とは強酸性の官能基によって、中性塩(こ
の場合はNaCl)を分解してHClを生じさせる能力のこと
を言う。
試料約20mlを交換容量測定器に入れ、約1N硝酸約1を
1時間かけて通液する。純水で中性を示すまで水洗し、
次に、約1N塩化ナトリウム水溶液を1時間かけて通液
し、流出液を1のメスフラスコに正しく取る。これを
試験液とし、このうちの50mlを採取し、フェノールフタ
レイン溶液を指示薬としてN/10水酸化ナトリウムで中
和滴定し、次式より求めた。
a:試験液50mlを中和するのに要したc規定のNaOH量(m
l) c:滴定に用いたNaOHの規定度(1/10) f:滴定に用いたc規定のNaOHの力価 V0:流出液の総量(1000ml) V1:滴定の際の試料容量(50ml) W:試料の乾燥重量(g) ◎比表面積 比表面積測定装置を用いてBET法で測定した。
◎粘 度 回転円筒形粘度計を用い20℃にて測定した。
実施例1 脱アセチル化度78%のキトサン70gを3.5%酢酸水溶液93
0gに溶解した。この時の粘度は3,200cpであった。該溶
液を8%の水酸化ナトリウム,30%のエタノール,62%の
水よりなる混合溶液中に、0.15m/mφの孔径のノズル
から落下させて、凝固再生せた後、中性になるまで水洗
をし、平均粒径1m/mの粒状多孔質キトサン0.9を得
た。こうして得られた粒状多孔質キトサン50ml(湿潤状
態)に2.3gのアジピン酸クロライド,2.5gのトリエチル
アアミンを加え、ジメチルホルムアミド中室温で1時間
反応させ架橋した。ジメチルホルムアミドで洗浄後、無
水ピリジンで充分洗浄して、氷冷した無水ピリジン120m
l中にクロルスルホン酸12mlを滴下したピリジン−クロ
ルスルホン酸複合体を含む溶液を加え、沸騰湯浴中1時
間反応させN,O−スルホン化を行った。反応終了後、1
〜2N水酸化ナトリウム500mlを加えてからエタノールで
洗浄、次いで水洗を充分行いスルホン基を有する粒状多
孔質キトサン誘導体48mlを得た。このもののイオン交換
容量は、3.30meq/g,比表面積は87m2/gであった。ま
た、該粒状多孔質キトサン誘導体を0.1N酢酸水溶液,0.1
N水酸化ナトリウム水溶液に懸濁しても溶解する様なこ
とはなく全pH領域で安定な担体であった。
実施例2 実施例1で得られた粒状多孔質キトサン50ml(湿潤状
態)に、3.3gのセバシン酸クロライド,2.5gのトリエチ
ルアミンを加え、ジメチルホルムアミド中室温で1時間
反応させ架橋した。ジメチルホルムアミで洗浄後、無水
ピリジンで充分洗浄して、氷冷した無水ピリジン120ml
中にクロルスルホン酸12mlを滴下したピリジン−クロル
スルホン酸複合体を含む溶液を加え、沸騰湯浴中1時間
反応させN,O−スルホン化を行った。反応終了後1〜2N
水酸化ナトリウム500mlを加えてからエタノールで洗
浄、次いで水洗を充分行い、スルホン基を有する粒状多
孔質キトサン誘導体48mlを得た。このもののイオン交換
容量は3.28meq/g,比表面積は85.5m2/gであった。ま
た、該誘導体を0.1N酢酸水溶液,0.1N水酸化ナトリウム
水溶液に懸濁しても溶解する様なことはなく、全pH領域
で安定な担体であった。
実施例3 実施例1で得られた粒状多孔質キトサン50ml(湿潤状
態)に2.1gのヘキサメチレンジイソシアネートを加え、
ジメチルホルムアミド中室温で1時間反応させ架橋し
た。ジメチルホルムアミドで洗浄後、無水ピリジンで充
分洗浄して氷冷した無水ピリジン120ml中にクロルスル
ホン酸12mlを滴下したピリジン−クロルスルホン複合体
を含む溶液を加え、沸騰湯浴中1時間反応させN,O−ス
ルホン化を行った。反応終了後1〜2N水酸化ナトリウム
500mlを加えてからエタノールで洗浄、次いで水洗を充
分行い、スルホン基を有する粒状多孔質キトサン誘導体
48mlを得た。このもののイオン交換容量は3.30meq/g,
比表面積は86m2/gであった。また該誘導体を0.1N酢酸
水溶液,0.1N水酸化ナトリウム水溶液に懸濁しても溶解
する様なことはなく、全pH領域で安定な担体であった。
また、上記のようにして得られた架橋反応後の粒状多孔
質キトサン誘導体にクロルスルホン酸量3ml,6mlと変え
てスルホン化したところ、得られたスルホン化された粒
状多孔質キトサン誘導体のイオン交換容量は、それぞれ
1.22meq/g,2.94meq/gとなり、クロルスルホン酸量を
変化させることによりスルホン基の導入量が変化し、イ
オン交換容量の調節が可能であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、実施例に記載のように3.3meq/gもの
高い陽イオン交換容量を有する粒状多孔質キトサン誘導
体が得られる他、陽イオン交換容量を自由に調節するこ
とが可能で、しかも、本発明によって得られる陽イオン
交換基を有する粒状多孔質キトサン誘導体は、アルカリ
性,酸性の全pH領域で溶解,膨潤等がなく、安定な担体
であり、イオン交換樹脂,クロマトグラフィー用担体と
して極めて優れたものである。しかも、本発明によって
得られる担体は、粒状の多孔質キトサン誘導体であるた
めに比表面積が大きく、通液抵抗が少ないものであり、
架橋反応を行うことによって充分な強度を有するので、
工業的利用に好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状多孔質キトサンを架橋剤で架橋した
    後、ピリジン中クロロスルホン酸でスルホン化すること
    を特徴とする陽イオン交換基を有する粒状多孔質キトサ
    ン誘導体の製造方法。
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JPS6069012A (ja) * 1983-08-02 1985-04-19 ブレンダツクス−ベルケ ア−ル.シユナイダ− ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツンク ウント コンパニ− スキンケア−組成物
JPS6216409A (ja) * 1985-07-13 1987-01-24 Kinkai Engiyou Kk 塩化ナトリウム入り美容剤

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