JP3049411B2 - 陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法 - Google Patents

陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法

Info

Publication number
JP3049411B2
JP3049411B2 JP6308108A JP30810894A JP3049411B2 JP 3049411 B2 JP3049411 B2 JP 3049411B2 JP 6308108 A JP6308108 A JP 6308108A JP 30810894 A JP30810894 A JP 30810894A JP 3049411 B2 JP3049411 B2 JP 3049411B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitosan
water
anion exchange
porous granular
exchange ability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6308108A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08141414A (ja
Inventor
博昭 谷邊
五男 倉橋
Original Assignee
富士紡績株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 富士紡績株式会社 filed Critical 富士紡績株式会社
Priority to JP6308108A priority Critical patent/JP3049411B2/ja
Publication of JPH08141414A publication Critical patent/JPH08141414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3049411B2 publication Critical patent/JP3049411B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰イオン交換能を有す
るキトサン超微小粒状体の製造方法に関し、本発明によ
る陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体は、ク
ロマトグラフィー用充填剤,生理活性物質固定化担体,
重金属吸着用担体,化粧用素材,繊維改質材び農薬用助
材等多くの用途に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素・細胞利用工業に於いて触媒
的作用を利用した反応工程の連続自動化が進展してい
る。かかる工程においては、使用される陰イオン交換能
を有する担体が完全に効率良く作用されることが重要で
あり、化粧用素材,繊維改質材等に利用されるためには
用いる担体を微小化することにより表面積を大きくする
ことが有効な方法である。しかし未だこれを満たす充分
はものは得られていないのが実状である。
【0003】キチン・キトサンを担体として陰イオン交
換体を製造する方法として、本発明者等は先に特公平5
−11492号公報に陰イオン交換能を有するキトサン
成形物の製造方法を提案している。この方法は低分子量
キトサンを用いたキトサン成形物に、一般式
【化2】 で表わされる、分子中に少なくとも2個の第四級アンモ
ニウム塩型の窒素と少なくとも2個の反応性基を有する
化合物を反応させるキトサン系陰イオン交換体の製造方
法である。
【0004】当該発明は、キトサン成形物を構成するキ
トサン分子内に複数の第四級アンモニウム塩基を架橋結
合させることにより、イオン交換能を著しく向上させる
とともに、水,酸及びアルカリに不溶とし、広範囲のイ
オン交換域で使用可能としたものである。しかしながら
当該発明の陰イオン交換能を有するキトサン粒状体は、
低分子量キトサンを酸性水溶液中に溶解して得た溶解液
を塩基性溶液中に滴下し凝固再生したもので、微小化は
困難で、粒子径が1m/mφの多孔質粒状体であって超
微小粒状体ではない。
【0005】一方、本発明者等は、超微小粒球状キトサ
ンの製造方法を、先に特公平4−55610号公報で提
案している。該発明は、低分子量キトサンを酸性溶液中
に溶解して得た溶解液を塩基性溶液中で凝固再生し、生
成した凝固物を洗浄後粉砕分散せしめ、該分散液を高温
雰囲気中に加圧空気と共に吐出乾燥する超微小粒球状キ
トサンの製造方法である。
【0006】したがって、この方法で得られる超微小球
状キトサンは、キトサン分子内にある第1級アミノ基に
より陰イオン交換能を有しているが、これは極めて交換
容量の小さい物であり又、単にキトサンを超微小球状体
に成形したものであるので、水に膨潤すると共に酸に溶
解する欠点を有する。更に、該超微小球状キトサンに第
四級アンモニウム塩基を導入することは、粒子径が非常
に小さいため導入やその後の洗浄等の操作が煩雑で困難
である欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キトサン超
微小粒状体を構成するキトサン分子内に、少なくとも2
個の第四級アンモニウム塩型の窒素と、少なくとも2個
の反応性基を持つ化合物を、架橋結合させることにより
優れた陰イオン交換能を具備した不溶性の陰イオン交換
能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、低分子量キト
サンを酸性水溶液中に溶解して得た溶解液を塩基性溶液
中で凝固再生し、生成した嵩密度が35〜65g/lで
ある多孔性凝固物に、一般式
【化3】 で表される分子中に少なくとも2個の第四級アンモニウ
ム塩型の窒素と、少なくとも2個の反応性基を有する化
合物を反応させた後、洗浄後粉砕分散せしめ、該分散液
を高温雰囲気中に加圧空気と共に吐出乾燥させて陰イオ
ン交換能を有するキトサン超微小粒状体を得るものであ
る。本発明において、キトサン超微小粒状体とは、粒子
径が20μm以下の粒状体をいう。
【0009】本発明におけるキトサン多孔性凝固物の製
造には、脱アセチル化度80%以上、平均分子量100
00〜80000の低分子量キトサンが用いられる。該
低分子量キトサンは酢酸,ジクロル酢酸,蟻酸の単独ま
たは混合物の水溶液に溶解し、キトサン酸性溶液とし
て、その濃度は取扱いの容易な範囲即ち4〜7%の範囲
で自由に選択できる。該キトサン酸性溶液からキトサン
を再生して凝固物を得るには、該酸性溶液を例えば0.
1〜0.25m/mφ孔径のノズルより圧力下で塩基性
凝固浴中に一定量づつ落下させ多孔質粒状キトサンが得
られる。そして、多孔質粒状キトサン以外の棒状,繊維
状,板状,フィルム状等のいかなる形状のものでも使用
することができるが、水洗等取扱いやすさの点で特に多
孔質粒状体が好ましい。該多孔質粒状キトサンは、充分
に水洗を行う。凝固浴の塩基性物質としては、水酸化ナ
トリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリ
ウム,アンモニア,エチレンジアミン等のアルカリ性物
質が用いられ、塩基性溶液には水又はメタノール,エタ
ノール等の極性を有するアルコール類又は水とアルコー
ルとの混合物に前記塩基性物質を加えて使用してもよ
い。
【0010】上記のようにして得られた多孔質粒状キト
サンは、上述の一般式で示される分子中に少なくとも2
個の第四級アンモニウム塩型の窒素と、少なくとも2個
の反応性基を有する化合物と反応させる。多孔質粒状キ
トサンの内部まで、第四級アンモニウム塩基導入剤を充
分拡散させ均一にキトサン分子と反応させるためには、
多孔質状キトサンの粒子径は1m/mφ前後が好まし
い。又、湿潤状態で多孔質粒状キトサンをメスシリンダ
ー100mlで正確に量り取り、これを絶乾した時の重
量を測定し、この絶乾重量(g)を湿潤状態の液量
(1)で除した値を嵩密度と定義すれば、このときの嵩
密度は反応及び水洗工程等で行う攪拌により形状が壊れ
ない強度を考慮して35g/l以上が好ましく、又、多
孔質粒状キトサンの内部まで第四級アンモニウム塩基導
入剤を充分拡散させ均一にキトサン分子と反応させるた
めには、65g/l以下が好ましい。
【0011】上述の一般式で示されるアルキルビス−
(2,3−エポキシプロピルジアルキルアンモニウムハ
ライド)としては、特にクロライドが好ましく、例えば
ヘキサメチレンビス−(2,3−エポキシプロピルジメ
チルアンモニウムクロライド),ヘキサメチレンビス−
(2,3−エポキシプロピルジエチルアンモニウムクロ
ライド),プロピレンビス−(2,3−エポキシプロピ
ルジメチルアンモニウムクロライド),プロピレンビス
−(2,3−エポキシプロピルジエチルアンモニウムク
ロライド)等が挙げられる。
【0012】第四級アンモニウム塩基導入剤としては、
アルキレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ルジアルキルアンモニウムハライド)があり、これもク
ロライドが好ましく、例えば、ヘキサメチレンビス−
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモ
ニウムクロライド),ヘキサメチレンビス−(3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルジエチルアンモニウムクロ
ライド),プロピレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピルジメチルアンモニウムクロライド),プロ
ピレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジ
エチルアンモニウムクロライド)等が挙げられる。しか
し、これらを直接多孔質粒状キトサンに反応させること
は難しく、予め当量以上の水酸化ナトリウム或いは水酸
化カリウムで上述の一般式で示される化合物にして反応
させることが好ましい。
【0013】前述の多孔質粒状キトサンと上述の一般式
で示される化合物との反応は、粒状体内部まで化合物を
充分拡散させ均一に反応させるために、水溶液中で20
〜100℃、好ましくは25〜90℃で、12〜24時
間緩やかに攪拌しながら行わせる。又、該一般式で示さ
れる化合物が水に対して溶解性が小さい時には、アルコ
ールを添加することも可能である。アルコールとして
は、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロ
ピルアルコール等が使用される。
【0014】該一般式で示される化合物の使用量は、導
入すべき陰イオン交換能に応じて適宜選択することがで
きる。次いで、該第四級アンモニウム塩基を導入した多
孔質粒状キトサンは、充分水洗し未反応化合物を除去し
た後、水中で粉砕分散せしめて乳状の分散液とする。粉
砕にはホモジナイザー等一般に使用されている粉砕機を
使用することが出来る。粉砕後の分散液は、ノズル周辺
から吐出される加圧空気と共に高温雰囲気中に吐出乾燥
される。高温雰囲気の温度は、四級化キトサン超微小粒
状体が乾燥されるに充分な温度で150〜200℃の範
囲で自由に選択できる。
【0015】吐出は、分散液の分散性を保持しながら行
うことが必要で、例えば、ハイミキサーで分散を行いな
がら吐出する。吐出された四級化キトサン分散液は、分
散媒である水の表面張力等に依って高温雰囲気中で乾燥
される際に、超微小な粒状体に成形される。得られる粒
状体の粒子径は、高温雰囲気中に吐出される際の吐出量
と加えた空気圧力とを適宜調節することによって任意に
選択することが出来るが、粒子径を20μm以下にする
には、水中で粉砕せしめる際に、ホモジナイザー等粉砕
機で粒子径を予め50μm以下にしておくことが好まし
い。
【0016】
【実施例】次に本発明の方法を実施例を挙げて説明する
が、本発明はこの範囲に限定されるものではない。尚、
陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の交換容
量及び膨潤度は下記のように求めた。
【0017】1)陰イオン交換能 試料5gを正確に秤量し遠沈管にとり、1N−NaOH
50mlを加えて緩やかに攪拌しながら、1時間処理
し、脱イオン水で中性になるまで3000rpm、10
分間の遠心操作を繰り返し充分洗浄し、空気中の炭酸ガ
スを吸収させない様に注意しながら脱水し、迅速にN/
5−HC1 250ml中に投入し、緩やかに攪拌しなが
ら5時間放置する。この上澄み液20mlを遠沈管に取
り、3000rpmで10分間の遠心操作を行い試料を
完全に沈澱させた後、上澄み液を試験液とする。これを
10ml採取し、フェノールフタレイン溶液を指示薬と
して、N/10−NaOHで中和滴定し、次式より求め
た。
【0018】
【数1】
【0019】2)膨潤度 次式より求めた。
【0020】
【数2】
【0021】(実施例1)脱アセチル化度95%,平均
分子量80000のキトサン100gを酢酸50gを含
む水1900gに加えて溶解し、キトサン酸性溶液を得
た。この溶液の20℃における粘度は、回転粘度計で測
定したところ3200cpsであった。このキトサン酸
性溶液を6%の苛性ソーダ水溶液中に0.25m/mφ
の孔径のノズルから落下せしめて粒状にキトサンを凝固
再生させた。次いで中性に成るまで充分水で洗浄して、
平均粒径約1m/mφの多孔質粒状キトサン2リットル
を得た。得られた多孔質粒状キトサンをメスシリンダー
で100ml(湿潤状態)正確に量り取り、アスピレー
ターで予め水を除いた後、真空乾燥器で絶乾にして、重
量を測定したところ4.8gであった。即ち、この多孔
質粒状キトサンの嵩密度は48g/lであった。
【0022】この多孔質粒状キトサン1000ml(湿
潤状態)に、水500mlと四級アンモニウム塩基導入
剤であるヘキサメチレンビス−(3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルジメチルアンモニウムクロライド)の4
0%水溶液200gに水酸化ナトリウム14.8gを加
えて充分撹拌混合した水溶液を加え、60℃で14時間
緩やかに撹拌させながら反応させた。反応終了後充分水
洗し四級アンモニウム塩基導入多孔質粒状キトサンを得
た。
【0023】該四級化多孔質粒状キトサンを、水中でホ
モジナイザー(日本精機(株)製,AH−3型)を用い
て15000rpmの回転数で8分間粉砕して分散さ
せ、乳状の分散液とし、120メッシュのフルイで粗大
片を濾別した後、濾液を4.0kg/cm2の加圧空気
とともに毎分17.0mlの液量で180〜190℃の
高温雰囲気中に吐出して乾燥し、四級化キトサン超微小
粒状体をサイクロンコレクターに68g捕集した。この
四級化キトサン超微小粒状体の粒子径を走査型電子顕微
鏡で測定したところ、平均粒子径4μm,粒子径分布1
〜18μmであった。
【0024】又、陰イオン交換能は8.2meq/gで
あった。次にこの四級化キトサン超微小粒状体の室温で
72時間放置後の水,酸,アルカリ及び溶媒に対する膨
潤度を測定した結果、水に対して1.00,1N−HC
1に対して1.083,1N−NaOHに対して1.0
0,メチルアルコールに対して1.00,アセトニトリ
ルに対して1.04及び1,4−ジオキサンに対して
1.015の膨潤度で水,酸,アルカリ及び溶媒に対し
不溶性であることが確認された。
【0025】(実施例2)脱アセチル化度80%,平均
分子量32000のキトサン140gを3.5%の酢酸
水溶液1860gに溶解した。この溶液の20℃におけ
る粘度は、回転粘度計で測定したところ4600cps
であった。このキトサン酸性溶液を6%の苛性ソーダ水
溶液中に0.25m/mφの孔径のノズルから落下せし
めて粒状にキトサンを凝固再生させた。次いで中性に成
るまで充分水で洗浄して、平均粒径約1.2m/mφの
多孔質粒状キトサン2リットルを得た。得られた多孔質
粒状キトサンをメスシリンダーで100ml(湿潤状
態)正確に秤り取り、アスピレーターで予め水を除いた
後、真空乾燥器で絶乾にして、重量を測定したところ
6.5gであった。即ち、この多孔質粒状キトサンの嵩
密度は65g/lであった。
【0026】この多孔質粒状キトサン1000ml(湿
潤状態)に、水500mlと四級アンモニウム塩基導入
剤であるヘキサメチレンビス−(3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルジメチルアンモニウムクロライド)40
%の水溶液465gに34.41gの水酸化ナトリウム
を加えて充分撹拌混合した水溶液を加え、80℃で緩や
かに撹拌しながら12時間反応させた。反応終了後充分
水洗し、四級アンモニウム塩基導入多孔質粒状キトサン
を得た。
【0027】該四級化多孔質粒状キトサンを、水中でホ
モジナイザー(日本精機(株)製,AH−3型)を用い
て15000rpmの回転数で8分間粉砕して分散させ
乳状の分散液とし、120メッシュのフルイで粗大片を
濾別し、濾液を4.0kg/cm2の加圧空気とともに
毎分16.0mlの液量で170〜180℃の高温雰囲
気中に吐出して乾燥し、四級化キトサン超微小粒状体を
サイクロンコレクターに90g捕集した。捕集した四級
化キトサン超微小粒状体の粒子径を走査型電子顕微鏡で
測定したところ、平均粒子径3μm,粒子径分布1〜1
8μmであった。
【0028】又、陰イオン交換能は7.9meq/gで
あった。次にこの四級化キトサン超微小粒状体の室温で
72時間放置後の水,酸,アルカリ及び溶媒に対する膨
潤度を測定した結果、水に対して1.00,1N−HC
1に対して1.043,1N−NaOHに対して1.0
0,メチルアルコールに対して1.00,アセトニトリ
ルに対して1.05及び1,4−ジオキサンに対して
1.02の膨潤度を夫々示し水,酸,アルカリ及び溶媒
に対し不溶性であることが確認された。
【0029】(比較例)脱アセチル化度95%,平均分
子量42000のキトサン160gを酢酸80gを含む
水1840gに加えて溶解し、キトサン酸性溶液を得
た。この溶液の20℃における粘度は、回転粘度計で測
定したところ48000cpsであった。このキトサン
酸性溶液を6%の苛性ソーダ水溶液中に0.25m/m
φの孔径のノズルから落下せしめて粒状にキトサンを凝
固再生させた。次いで中性に成るまで充分水で洗浄し
て、平均粒径約1m/mφの多孔質粒状キトサン2リッ
トルを得た。得られた多孔質粒状キトサン凝固物をメス
シリンダーで100ml(湿潤状態)正確に量り取り、
アスピレーターで予め水を除いた後、真空乾燥器で絶乾
にして、重量を測定したところ7.8gであった。即
ち、この多孔質粒状キトサンの嵩密度は78g/lであ
った。
【0030】この多孔質粒状キトサン1000ml(湿
潤状態)に、水500mlと四級アンモニウム塩基導入
剤であるヘキサメチレンビス−(3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルジメチルアンモニウムクロライド)32
5gに21.18gの水酸化ナトリウムを加えて充分撹
拌混合した水溶液を加え、60℃で緩やかに撹拌させな
がら14時間反応させた。反応終了後充分水洗し、四級
アンモニウム塩基導入多孔質粒状キトサンを得た。
【0031】該四級化多孔質粒状キトサンを、水中でホ
モジナイザー(日本精機(株)製,AH−3型)を用い
て15000rpmの回転数で8分間粉砕して分散さ
せ、乳状の分散液とし、120メッシュのフルイで粗大
片を濾別した後、濾液を4.0kg/cm2の加圧空気
とともに毎分17.0mlの液量で180〜190℃の
高温雰囲気中に吐出して乾燥し、四級化キトサン超微小
粒状体をサイクロンコレクターに103g捕集した。こ
の四級化キトサン超微小粒状体の粒子径を走査型電子顕
微鏡で測定したところ、平均粒子径5μm,粒子径分布
1〜18μmであった。
【0032】又、陰イオン交換能は6.2meq/gと
低いものであった。次にこの四級化キトサン超微小粒状
体の室温で72時間放置後の水,酸,アルカリ及び溶媒
に対する膨潤度を測定した結果、水に対して1.15,
1N−HC1に対して1.23,1N−NaOHに対し
て1.03,メチルアルコールに対して1.00,アセ
トニトリルに対して1.14及び1,4−ジオキサンに
対して1.05の膨潤度を夫々示し水,酸,アルカリ及
び溶媒に対する膨潤度が大きく性能的に劣るものであっ
た。即ち嵩密度が大きいために四級化アンモニウム塩基
の導入に欠点があることが明らかである。
【0033】
【発明の効果】本発明の陰イオン交換能を有するキトサ
ン超微小粒状体の製造方法は、上記構成をとるものであ
り、キトサン成形物を構成するキトサンに少なくとも2
個の第四級アンモニウム塩型の窒素と、少なくとも2個
の反応性基を有する化合物を反応させ、キトサン分子内
に少なくとも2個の第四級アンモニウム塩基を持つ化合
物を架橋結合させ、しかも粒子径を20μm以下の超微
粒子に成形してあるため、不溶性で優れた陰イオン交換
能を具備している。したがって、クロマトグラフィー用
充填剤,生理活性物質固定化担体,重金属吸着用担体,
化粧用素材,繊維改質材及び農薬用助材等多くの用途に
好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 41/00 - 41/18 C08B 37/08 C08J 3/12 - 3/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量キトサンを酸性水溶液中に溶解
    して得た溶解液を塩基性溶液中で凝固再生し、生成した
    嵩密度が35〜65g/lである多孔質粒状キトサン
    に、一般式 【化1】 で表される分子中に少なくとも2個の第四級アンモニウ
    ム塩型の窒素と、少なくとも2個の反応性基を有する化
    合物を反応させた後,洗浄後粉砕分散せしめ、該分散液
    を高温雰囲気中に加圧空気と共に吐出乾燥することを特
    徴とする陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体
    の製造方法。
JP6308108A 1994-11-17 1994-11-17 陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法 Expired - Fee Related JP3049411B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6308108A JP3049411B2 (ja) 1994-11-17 1994-11-17 陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6308108A JP3049411B2 (ja) 1994-11-17 1994-11-17 陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08141414A JPH08141414A (ja) 1996-06-04
JP3049411B2 true JP3049411B2 (ja) 2000-06-05

Family

ID=17976974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6308108A Expired - Fee Related JP3049411B2 (ja) 1994-11-17 1994-11-17 陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3049411B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102205231A (zh) * 2011-04-12 2011-10-05 浙江温州轻工研究院 一种壳聚糖包覆硅胶的吸附微球及其制备方法
CN106366214B (zh) * 2016-09-23 2019-01-18 泉州亚林新材料科技有限公司 壳聚糖季铵盐抗菌剂、抗菌液及其制备工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08141414A (ja) 1996-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Twu et al. Preparation and sorption activity of chitosan/cellulose blend beads
Chen et al. Synthesis of a super-absorbent nanocomposite hydrogel based on vinyl hybrid silica nanospheres and its properties
JPS6157335B2 (ja)
Heinze et al. Etherification of cellulose
JPH0151481B2 (ja)
EP0018131B1 (en) Crosslinked, carboxyalkylated and deacetylated derivative of chitin, process for preparation thereof, and use thereof as an adsorbent material
NZ234750A (en) Cyclodextrin polymer beads and their preparation
EP0176225B1 (en) Porous chitin shaped article and production thereof
JPS5857401A (ja) 粉粒状多孔質キトサンの製造方法
JP3663666B2 (ja) 球状セルロース及びその製造法
JP3049411B2 (ja) 陰イオン交換能を有するキトサン超微小粒状体の製造方法
JPS6354286B2 (ja)
MXPA05002252A (es) Metodo para producir eteres de celulosa entrelazados temporalmente.
WO2021024900A1 (ja) 多孔質セルロース粒子及びその製造方法
JP2631076B2 (ja) 再生架橋キチン多孔質微小粒状体の製造方法
JPH0455610B2 (ja)
JP6463035B2 (ja) ポリイオンコンプレックスポリマー、ポリイオンコンプレックスポリマーを含有する組成物およびポリイオンコンプレックスポリマーの製造方法
JPH0212961B2 (ja)
JPH10279693A (ja) 吸水性ゲル粒子の製造方法
JP4266672B2 (ja) 多孔質体、吸着剤及び多孔質体の製造方法
JP2979135B2 (ja) 新規な天然高分子微粒子集合体、及びその製造法
JPH0248044A (ja) 陰イオン交換能を有するキトサン成形物の製造法
Khaled et al. Modified Chitosan Hydrogels and Nano Hydrogels for Congo Red Removal from Aqueous System
CN1328083A (zh) 高胺基含量交联壳聚糖多孔微球的制备方法
JP3267060B2 (ja) 微粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130331

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees