JPH0667444A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0667444A
JPH0667444A JP23632092A JP23632092A JPH0667444A JP H0667444 A JPH0667444 A JP H0667444A JP 23632092 A JP23632092 A JP 23632092A JP 23632092 A JP23632092 A JP 23632092A JP H0667444 A JPH0667444 A JP H0667444A
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formula
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JP23632092A
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English (en)
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Kiyokazu Mashita
清和 真下
Fumio Kojima
文夫 小島
Toru Ishii
徹 石井
Tomoo Kobayashi
智雄 小林
Taketoshi Hoshizaki
武敏 星崎
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性および剥離性の向上と本来の電気特
性や画質特性の両立した電子写真感光体を提供する。 【構成】 導電性支持体上に電荷発生材料、電荷輸送材
料および結着樹脂を少なくとも含有する感光層を被覆し
た電子写真感光体に関する。電荷輸送材料としては、ベ
ンジジン系化合物またはトリフェニルアミン系化合物を
使用する。結着樹脂としては、下記構造式(I) 【化1】 で示される繰り返し構造単位を有する粘度平均分子量が
50,000〜100,000の範囲にあるポリカーボ
ネート樹脂を主成分とするポリカーボネート系樹脂を使
用する。また、電荷輸送材料と結着樹脂の重量組成比は
25:75〜60:40の範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、さらに詳しくは、ベンジジン系化合物またはトリフ
ェニルアミン系化合物からなる電荷輸送材料と特定のポ
リカーボネート樹脂を主成分とする結着樹脂とを組み合
わせることにより、耐摩耗性、クリーニング性、環境安
定性に優れた高耐久性の電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真技術は、高速かつ高印字
品質が得られるという利点を有するために、複写機およ
びレーザービームプリンター等の分野において、著しく
発展してきた。これらの電子写真技術において用いられ
る電子写真感光体としては、従来からセレン、セレン−
テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム等の無
機光導電材料を用いたものが広く知られている。一方、
これらの無機光導電材料を用いた電子写真感光体に比
べ、安価で製造性および廃棄性の点で優れた利点を有す
る有機光導電材料を用いた電子写真感光体の研究も活発
化してきている。中でも、露光により電荷を発生する電
荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層を積層した機能分
離型の有機積層型感光体は、感度、帯電性およびその繰
り返し安定性等、電子写真特性の点で優れており、種々
の提案がなされ、また実用化されている。
【0003】これらの有機積層型感光体では、上記の電
子写真特性に関しては十分な性能を有するものが開発さ
れてきているが、有機材料で構成されているため、機械
的外力に対する耐久性、すなわちトナー、現像剤、用
紙、クリーニング部材等からの直接的負荷による感光体
表面の摩耗や傷等の発生およびトナーフィルミング等の
異物付着等によって、画質欠陥が生じる問題や、あるい
はコロナ放電により発生するオゾン、窒素酸化物等の低
抵抗物質やコピー用紙により生じる紙粉等が感光体表面
に付着蓄積することにより引き起こされる高湿環境下で
の画像流れの問題等があり、感光体寿命を規制してい
る。また、複写機、プリンターのカラー化、高速化に伴
って、プロセスの複雑化、高ストレス化が進みつつあ
り、これらの点からも高耐久性が要求されている。これ
らの問題点を解決するために、種々の対策が検討されて
おり、例えば、感光体表面層の結着樹脂として各種のポ
リカーボネート樹脂を用いるものが提案されている(特
開昭60−172044号公報、特開昭62−2473
74号公報、特開昭63−148263号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来提案さ
れた樹脂を結着樹脂として用いると、耐久性の比較的良
好な電子写真感光体が得られるが、未だ十分満足できる
ものはない。すなわち、それらの樹脂を用いて形成され
て塗膜の機械的強度は、必ずしも十分なものとはいえ
ず、複写機中で長期間繰り返し使用した場合、感光層の
表面が摩耗することによって、感光体の膜厚が変化して
感度が低下するため、コピーにカブリが生じたり、帯電
電位が低下し、コピー濃度が低下する、あるいは傷、ト
ナーフィルミング等の異物付着等による画質欠陥が発生
するといった問題や、電荷輸送材料が放電生成物に対し
て耐久性が十分でなく、特に高温高湿下での画像流れの
問題があった。さらにまた、結着樹脂に対する電荷輸送
材料の相溶性が重要であり、相溶性が低いと一部の電荷
輸送材料の結晶化、析出等を発生し、電気特性および画
質特性に著しい影響を与えることが分っている。本発明
は、上記のような実情に鑑みてなされたものであって、
耐摩耗性および剥離性の向上と本来の電気特性や画質特
性の両立した感光体を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、感光層の
結着樹脂と電荷輸送材料の組み合わせについて鋭意検討
した結果、ベンジジン系化合物またはトリフェニルアミ
ン系化合物と下記構造式(I)で示される繰り返し構造
単位を有し、かつその粘度平均分子量が50,000〜
100,000の範囲にあるポリカーボネート樹脂
【化4】 とを特定の組成比で組み合わせて用いることにより、本
来の電気特性や画質特性を両立させ、優れた耐摩耗性お
よび剥離性の向上が達成されることを見出だして、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、電荷発生
材料、電荷輸送材料および結着樹脂を少なくとも含有す
る感光層を導電性支持体上に被覆した電子写真感光体に
おいて、電荷輸送材料としてベンジジン系化合物または
トリフェニルアミン系化合物を用い、結着樹脂として上
記構造式(I)で示される繰り返し構造単位を有する粘
度平均分子量が50,000〜100,000の範囲に
あるポリカーボネート樹脂を主成分とするポリカーボネ
ート系樹脂を用い、かつ電荷輸送材料と結着樹脂の重量
組成比が25:75〜60:40の範囲にある電子写真
感光体にある。
【0006】電荷輸送材料としては、下記一般式(II)
で示されるベンジジン系化合物または下記一般式(III
)で示されるトリフェニルアミン系化合物が好ましく
用いられる。
【化5】 (式中、R1 およびR1 ′は、同一または異なって、水
素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子
を表し、R2 、R2 ′、R3 およびR3 ′は、同一また
は異なって、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子または置換アミノ基を表す。また、m、nは
1または2の整数である。)
【化6】 (式中、R4 およびR5 は、同一または異なって、水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R6 は、
水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜
3のアルキル基が1または2個置換していてもよい炭素
数6〜12のアリール基を表す。)
【0007】以下、本発明の電子写真感光体について詳
細に説明する。本発明にかかる電子写真感光体は、感光
層が単層構造のものであってもあるいは電荷発生層と電
荷輸送層とに機能分離された積層構造のものであっても
よい。導電性支持体上に被覆される感光層には、少なく
とも電荷発生材料、電荷輸送材料および結着樹脂を含有
する。図1および図2は、本発明の積層構造型電子写真
感光体を模式的に示す断面図である。図1において、導
電性支持体1上に電荷発生層2およびその上に積層され
た電荷輸送層3からなる感光層が被覆されている。図2
においては、さらに導電性支持体1と電荷発生層2の間
に下引層4が介在している。
【0008】導電性支持体1としては、アルミニウム、
ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびア
ルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレ
ス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO
等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等あるいは導電
性付与剤を塗布または含浸させた紙およびプラスチック
フィルム等が挙げられる。これらの導電性支持体は、ド
ラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものと
して使用されるが、これらに限定されるものではない。
さらに必要に応じて、導電性支持体の表面は、画質に影
響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例え
ば、表面の酸化処理や薬品処理、および着色処理等また
は砂目立て等の乱反射処理などを行うことができる。
【0009】本発明にかかる電子写真感光体の電荷発生
層2に含まれる電荷発生材料としては、非晶質セレン、
結晶性セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他
のセレン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタ
ン等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スクア
リリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ
系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チア
ピリリウム塩等の有機顔料および染料が用いられる。ま
た、電荷発生層における結着樹脂としては、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性
ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらの結着樹
脂は単独または2種以上混合して用いることができる。
【0010】さらに、電荷発生層を被覆する際に用いら
れる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−
ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレ
ン、クロロホルム等、通常の有機溶剤が挙げられる。こ
れらの溶剤は単独または2種以上混合して用いることが
できる。電荷発生材料と結着樹脂との配合比は、重量比
で10:1〜1:10の範囲が好ましい。また、電荷発
生材料、結着樹脂および溶剤からなる塗布液の塗布方法
としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコー
ティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティン
グ法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティン
グ法、カーテンコーティング法等、通常の方法が採用さ
れる。電荷発生層の厚みは、一般的に0.1〜5μm、
好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。
【0011】本発明にかかる電子写真感光体の電荷輸送
層3に含まれる電荷輸送材料としては、ベンジジン系化
合物またはトリフェニルアミン系化合物が使用される
が、前記一般式(II)で示されるベンジジン系化合物ま
たは前記一般式(III )で示されるトリフェニルアミン
系化合物が好ましく使用される。これらのベンジジン系
化合物およびトリフェニルアミン系化合物の具体例をそ
れぞれ表1、2および表3に掲載する。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】 電荷輸送材料は表1〜3に掲載した化合物に限定される
ものではない。例えば、表1、2には、便宜上R1 とR
1 ′、R2 とR2 ′、R3 とR3 ′が同一のベンジジン
系化合物を掲載したが、これらは互いに必ずしも同一で
なくてもよく、また、R1 ′、R2 ′およびR3 ′の置
換位置もR1 、R2 およびR3 と同一でなくてもよい。
また、電荷輸送材料は単独でもあるいは2種以上を混合
して用いてもよい。
【0015】前記一般式(II)で示されるベンジジン系
化合物のうち、本出願人が既に特開昭62−24737
4号公報に示したように、下記一般式(IV)
【化7】 (式中、R7 、R7 ′、R8 およびR8 ′は、同一また
は異なって、水素原子またはメチル基を表す。)または
下記一般式(V)
【化8】 (式中、R9 およびR9 ′は、同一または異なって、炭
素数2以上のアルキル基を表し、R10およびR10′は、
同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基または置換アミノ基を表す。)で示される化合物
は、溶剤に対する溶解性および前記ポリカーボネート樹
脂(I)に対する相溶性が高く、均一な塗膜が得られ
る。そのため、均一な界面を形成でき、特に高感度でか
つ繰り返し安定性に優れた電子写真感光体が作製される
ので、上記一般式(IV)または一般式(V)で示される
ベンジジン系化合物は特に好ましく用いられる。
【0016】電荷輸送層における結着樹脂としては、前
記構造式(I)で示される繰り返し構造単位を有する粘
度平均分子量が50,000〜100,000の範囲に
あるポリカーボネート樹脂を主成分とするポリカーボネ
ート系樹脂が使用される。ポリカーボネート樹脂(I)
の粘度平均分子量が50,000未満では、塗布液の粘
度が低くすぎて必要とする膜厚が得られないため、例え
ば浸漬塗布した場合に膜厚ムラが生じやすく、また、感
光体の傷も生じやすい。一方、粘度平均分子量が10
0,000より大きいと、逆に塗布液の粘度が高すぎて
必要とする膜厚の制御が非常に難しくなる。また、結着
樹脂は、粘度平均分子量が15,000〜100,00
0の範囲にあるポリカーボネート樹脂(I)の中で粘度
平均分子量が異なるものを混合して用いてもよい。さら
に、ポリカーボネート樹脂(I)を必ずしも単独で用い
る必要はなく、ポリカーボネート樹脂(I)が奏する作
用、効果を損なわない範囲内で他の種類のポリカーボネ
ート樹脂と混合して用いることができる。
【0017】電荷輸送材料と結着樹脂は、両者の重量組
成比が25:75〜60:40の範囲で使用される。電
荷輸送材料および結着樹脂中の電荷輸送材料が25重量
%未満では、電気特性が著しく低下し感光体としての機
能を損ない、一方、電荷輸送材料が60重量%より多い
と、耐摩耗性、剥離性、耐放電生成物性が極端に低下す
る。電荷輸送層を被覆する際に用いられる溶剤として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、モノクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素
類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族
炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の
環状または直鎖状のエーテルなど、通常の有機溶剤が挙
げられる。これらの溶剤は単独または2種以上混合して
用いることができる。また、電荷輸送材料、結着樹脂お
よび溶剤からなる塗布液の塗布方法としては、ブレード
コーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレ
ーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーテ
ィング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコー
ティング法等、通常の方法が採用される。電荷輸送層の
厚みは、一般的に5〜50μm、好ましくは10〜30
μmが適当である。
【0018】本発明にかかる電子写真感光体の感光層が
単層構造からなる場合においては、電荷発生材料および
電荷輸送材料は感光層が積層構造からなる場合と同様の
ものが用いられ、結着樹脂としては前記電荷輸送層にお
けるポリカーボネート系樹脂が用いられる。また、電荷
輸送材料と結着樹脂についてみれば、両者の重量組成比
は同様に25:75〜60:40の範囲で使用される。
【0019】本発明の感光体は、また、導電性支持体1
と感光層(積層構造からなる感光層の場合は電荷発生層
2)との間にさらに下引層4を設けてもよい。この下引
層4は感光層の帯電時において導電性支持体1から感光
層への電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性支
持体1に対して一体的に接着保持せしめる接着層として
の作用、あるいは場合によっては導電性支持体1の光の
反射防止作用等を示す。この下引層を形成する材料とし
ては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリ
ル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水
溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、
ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテー
ト、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド
等の結着樹脂の他に、ジルコニウムキレート化合物、チ
タニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等
の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公
知の材料を用いることができる。また、下引層を形成す
る際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マ
イヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、
浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナ
イフコーティング法、カーテンコーティング法等、通常
の方法が採用される。下引層の厚みは0.01〜10μ
m、好ましくは0.05〜2μmが適当である。
【0020】本発明の感光体においては、複写中に発生
するオゾンや酸化性ガスあるいは光、熱による感光体の
劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定
剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例え
ば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒン
ダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアル
カン、ハイドロキノン、スピロクマロン、スピロインダ
ノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化
合物等が挙げられる。光安定剤の例としては、ベンゾフ
ェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テ
トラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。また、
感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低
減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を
含有させることができる。具体的には、無水コハク酸、
無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル
酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラシアノエチレ
ン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼ
ン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアン
トラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o
−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等の
電子受容性物質を挙げることができる。これらのうち、
フルオレノン系、キノン系や塩素原子、シアノ基、ニト
ロ基等の電子吸引基を置換したベンゼン誘導体が特に好
ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。 実施例1 導電性支持体1としてアルミニウム基板を用い、ジルコ
ニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マ
ツモト製薬社製)10部およびシラン化合物(商品名:
A1110、日本ユニカー社製)1部とi−プロパノー
ル40部およびブタノール20部からなる溶液をアルミ
ニウム基板上に浸漬コーティング法で塗布し、150℃
において10分間加熱乾燥して膜厚0.1μmの下引層
4を形成した。次いで、x型無金属フタロシアニン結晶
1部を、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレッ
クBM−S、積水化学社製)1部およびシクロヘキサノ
ン100部と混合し、ガラスビーズと共にサンドミルで
1時間処理して分散した後、得られた塗布液を上記下引
層4上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃におい
て10分間加熱乾燥して膜厚0.25μmの電荷発生層
2を形成した。次に、ベンジジン系化合物(化合物N
o. II−27)8重量部と前記ポリカーボネート樹脂
(I)(粘度平均分子量Mv:60,000)12重量
部をモノクロロベンゼン85重量部に溶解し、得られた
塗布液を電荷発生層2が形成されたアルミニウム基板上
に浸漬コーティング法で塗布し、135℃において1時
間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層3を形成し、
塗布膜の状態(塗膜性)を目視により観察した。
【0022】実施例2 化合物No. II−27に代えて化合物No. II−15の
ベンジジン系化合物を用いた以外は、実施例1と同様に
して感光体を作製した。 実施例3 電荷輸送材料および結着樹脂として、それぞれトリフェ
ニルアミン系化合物(化合物No.III−1)10重量部
および粘度平均分子量Mvが80,000の前記ポリカ
ーボネート樹脂(I)10重量部を用い、これらをモノ
クロロベンゼン80重量部に溶解して塗布液を調製した
以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0023】比較例1 粘度平均分子量Mvが60,000ではなく40,00
0の前記ポリカーボネート樹脂(I)を用いた以外は、
実施例1と同様にして感光体を作製した。 比較例2 粘度平均分子量Mvが60,000ではなく110,0
00の前記ポリカーボネート樹脂(I)を用いた以外は
実施例1と同様にして電荷輸送層3を形成してみたが、
塗布液の粘度が高すぎて塗布不能であった。 比較例3 ベンジジン系化合物(化合物No. II−27)4重量部
と前記ポリカーボネート樹脂(I)(粘度平均分子量M
v:60,000)16重量部をモノクロロベンゼン1
20重量部に溶解して塗布液を調製した以外は、実施例
1と同様にして感光体を作製した。 比較例4 ベンジジン系化合物(化合物No. II−27)13重量
部と前記ポリカーボネート樹脂(I)(粘度平均分子量
Mv:60,000)7重量部をモノクロロベンゼン7
5重量部に溶解して塗布液を調製した以外は、実施例1
と同様にして感光体を作製した。
【0024】比較例5 ベンジジン系化合物(化合物No. II−27)に代えて
下記構造式(VI)
【化9】 で示されるヒドラゾン化合物10重量部を用い、前記ポ
リカーボネート樹脂(I)(粘度平均分子量Mv:6
0,000)の使用量を10重量部に代えた以外は、実
施例1と同様にして感光体を作製した。
【0025】比較例6 ベンジジン系化合物(化合物No. II−27)に代えて
下記構造式(VII )
【化10】 で示されるスチルベン化合物を用いた以外は、実施例1
と同様にして感光体を作製した。
【0026】比較例7 前記ポリカーボネート樹脂(I)(粘度平均分子量M
v:60,000)およびモノクロロベンゼンに代え
て、下記構造式(VIII)
【化11】 で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂
(Mv:36,000)および塩化メチレンを用いた以
外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0027】比較例8 前記ポリカーボネート樹脂(I)に代えて下記構造式
(IX)
【化12】 で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂
(Mv:40,000)を用いた以外は、実施例1と同
様にして感光体を作製した。
【0028】以上のようにして作製された各電子写真感
光体の電子写真特性を下記のようにして測定した。静電
複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザー
EPA−8100、川口電機社製)を用いて、常温常湿
(20℃、40%RH)の環境下に−6kVのコロナ放
電を行い、感光体を帯電させた後、タングステンランプ
の光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光
に分光し、感光体表面上で1μW/cm2 になるように
調整し、照射した。そして、その初期表面電位VO (ボ
ルト)、半減露光量E1/2 (erg/cm2 )を測定
し、その後10luxの白色光を1秒間照射し、残留電
位VRP(ボルト)を測定した。その結果を表4に示す。
また、各感光体表面の塗膜性も併せて表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】実施例4〜6 実施例1〜3と同一の条件でドラム型感光体を作製し
た。この電子写真感光体をAcolor635デジタル
フルカラー複写機(富士ゼロックス(株)製)に装着し
て複写を3万回繰り返し、3万回後の画質を評価し、同
時に感光層の摩耗量を測定した。その結果を表5に示
す。 比較例9〜15 比較例1、3〜8と同一の条件でドラム型感光体を作製
した。この電子写真感光体を実施例4と同様にして画質
を評価し、摩耗量を測定した。その結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】本発明では、電子写真感光体の感光層あ
るいは同感光層が積層構造からなる場合の電荷輸送層に
おいて、電荷輸送材料としてベンジジン系化合物または
トリフェニルアミン系化合物を用い、結着樹脂として粘
度平均分子量が50,000〜100,000の範囲に
ある前記ポリカーボネート樹脂(I)を主成分とするポ
リカーボネート系樹脂を使用したものであるから、表
4、5からも明らかなように、高い光感度と優れた繰り
返し安定性を維持しつつも、耐摩耗性および剥離性が著
しく向上した電子写真感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる電子写真感光体の模式的断面
図を示す。
【図2】 本発明にかかる電子写真感光体の別の模式的
断面図を示す。
【符号の説明】
1・・・導電性支持体、2・・・電荷発生層、3・・・
電荷輸送層、4・・・下引層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 智雄 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 星崎 武敏 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷発生材料、電荷輸送材料および結着
    樹脂を少なくとも含有する感光層を導電性支持体上に被
    覆した電子写真感光体において、電荷輸送材料としてベ
    ンジジン系化合物またはトリフェニルアミン系化合物を
    用い、結着樹脂として下記構造式(I) 【化1】 で示される繰り返し構造単位を有する粘度平均分子量が
    50,000〜100,000の範囲にあるポリカーボ
    ネート樹脂を主成分とするポリカーボネート系樹脂を用
    い、かつ電荷輸送材料と結着樹脂の重量組成比が25:
    75〜60:40の範囲にあることを特徴とする電子写
    真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷輸送材料が、下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1 およびR1 ′は、同一または異なって、水
    素原子、アルキル基、 アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R2
    2 ′、R3 およびR3 ′は、同一または異なって、水
    素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子また
    は置換アミノ基を表す。また、m、nは1または2の整
    数である。)で示されるベンジジン系化合物である請求
    項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 電荷輸送材料が、下記一般式(III ) 【化3】 (式中、R4 およびR5 は、同一または異なって、水素
    原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R6 は、
    水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜
    3のアルキル基が1または2個置換していてもよい炭素
    数6〜12のアリール基を表す。)で示されるトリフェ
    ニルアミン系化合物である請求項1記載の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 感光層が電荷発生層と電荷輸送層を順次
    積層した構造からなり、電荷輸送材料および前記ポリカ
    ーボネート系樹脂を電荷輸送層に含有する請求項1〜3
    項のいずれかに記載の電子写真感光体。
JP23632092A 1992-08-13 1992-08-13 電子写真感光体 Pending JPH0667444A (ja)

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