JPH0666907A - 透磁率測定装置および測定方法 - Google Patents
透磁率測定装置および測定方法Info
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- JPH0666907A JPH0666907A JP22170292A JP22170292A JPH0666907A JP H0666907 A JPH0666907 A JP H0666907A JP 22170292 A JP22170292 A JP 22170292A JP 22170292 A JP22170292 A JP 22170292A JP H0666907 A JPH0666907 A JP H0666907A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、磁性薄膜からの漏洩磁束の影響を除
去でき、信頼性の高い磁性薄膜の透磁率を測定する磁性
薄膜の透磁率測定装置および測定方法を提供することを
目的とする。 【構成】本発明は、8字コイル法による磁性薄膜の透磁
率測定方法において、測定ループ111と補償ループ1
12を構成する内側の導線が互いに接し、かつ、この内
側導線対に磁性薄膜12面を接近させて測定する。
去でき、信頼性の高い磁性薄膜の透磁率を測定する磁性
薄膜の透磁率測定装置および測定方法を提供することを
目的とする。 【構成】本発明は、8字コイル法による磁性薄膜の透磁
率測定方法において、測定ループ111と補償ループ1
12を構成する内側の導線が互いに接し、かつ、この内
側導線対に磁性薄膜12面を接近させて測定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性薄膜の透磁率測定方
法に係り、特に、長さの極めて短い寸法の磁性薄膜の高
周波透磁率測定装置および測定方法に関する。
法に係り、特に、長さの極めて短い寸法の磁性薄膜の高
周波透磁率測定装置および測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性材料、特に磁性薄膜の1〜100M
Hzの高周波領域の透磁率測定には、8字コイル法が使
われている。この8字コイル法の基本構成は、図5に示
すように、測定試料である磁性薄膜1を励磁するための
励磁コイル(図示せず)、励磁磁界Ho を検出するため
の磁界検出コイル2および測定試料の磁束を検出するた
めの磁束検出8字コイル3からなる。この磁束検出8字
コイル3は補償ループ301、測定ループ302より構
成される。
Hzの高周波領域の透磁率測定には、8字コイル法が使
われている。この8字コイル法の基本構成は、図5に示
すように、測定試料である磁性薄膜1を励磁するための
励磁コイル(図示せず)、励磁磁界Ho を検出するため
の磁界検出コイル2および測定試料の磁束を検出するた
めの磁束検出8字コイル3からなる。この磁束検出8字
コイル3は補償ループ301、測定ループ302より構
成される。
【0003】8字コイル法による磁性薄膜1の透磁率測
定は、8字コイル3の測定ループ302に磁性薄膜1を
挿入し、励磁コイルによって磁性薄膜1を高周波励磁
し、測定コイル302に誘起された電圧を計測し、次式
から比透磁率μr を求めている。 μr ={(V−VB )/VH }(SH /S) …(1) ここで V :磁束検出8字コイル3の誘起電圧 VH :磁界検出コイル2の誘起電圧 VB :磁束検出8字コイル3の誘起電圧バックグラウン
ド SH :磁界検出コイル2の面積 S :磁性薄膜1の断面積 但し、従来、測定ループ302内の磁界と補償ループ3
01内の磁界は等しいとしている。
定は、8字コイル3の測定ループ302に磁性薄膜1を
挿入し、励磁コイルによって磁性薄膜1を高周波励磁
し、測定コイル302に誘起された電圧を計測し、次式
から比透磁率μr を求めている。 μr ={(V−VB )/VH }(SH /S) …(1) ここで V :磁束検出8字コイル3の誘起電圧 VH :磁界検出コイル2の誘起電圧 VB :磁束検出8字コイル3の誘起電圧バックグラウン
ド SH :磁界検出コイル2の面積 S :磁性薄膜1の断面積 但し、従来、測定ループ302内の磁界と補償ループ3
01内の磁界は等しいとしている。
【0004】本発明に関する磁束検出8字コイル3のタ
イプとしては、図6(イ)(ロ)(ハ)(ニ)などが知
られている。磁束検出と言う点ではいずれも電気回路的
には等価である。
イプとしては、図6(イ)(ロ)(ハ)(ニ)などが知
られている。磁束検出と言う点ではいずれも電気回路的
には等価である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁区構造が変わらない
条件下で、微小寸法化した磁性薄膜(例えば、幅3mm
一定で、長さを30mmから3mmに短くした磁性薄
膜)の透磁率を、8字コイル法で測定すると、反磁界の
効果を補正してもなお透磁率が小さく観測される。本発
明者らは、上記の問題点を解決するために、鋭意検討し
た結果、原因は、磁化された磁性薄膜からの漏洩磁束が
磁性薄膜周辺の空間(向きは励磁磁界方向とは反対方
向)に存在し、しかも磁性薄膜の長さが短い程磁性薄膜
近傍の漏洩磁束密度が大きく、したがって、8字コイル
測定ループと補償ループが離れていると、測定ループで
ピックアップされる漏洩磁束成分が大きく、補償ループ
でピックアップされる漏洩磁束成分が小さくなるので、
漏洩磁束成分の補償が充分されないためであることを究
明した。以下に、上記の解決しようとする課題を詳述す
る。
条件下で、微小寸法化した磁性薄膜(例えば、幅3mm
一定で、長さを30mmから3mmに短くした磁性薄
膜)の透磁率を、8字コイル法で測定すると、反磁界の
効果を補正してもなお透磁率が小さく観測される。本発
明者らは、上記の問題点を解決するために、鋭意検討し
た結果、原因は、磁化された磁性薄膜からの漏洩磁束が
磁性薄膜周辺の空間(向きは励磁磁界方向とは反対方
向)に存在し、しかも磁性薄膜の長さが短い程磁性薄膜
近傍の漏洩磁束密度が大きく、したがって、8字コイル
測定ループと補償ループが離れていると、測定ループで
ピックアップされる漏洩磁束成分が大きく、補償ループ
でピックアップされる漏洩磁束成分が小さくなるので、
漏洩磁束成分の補償が充分されないためであることを究
明した。以下に、上記の解決しようとする課題を詳述す
る。
【0006】今、図5に示すように、試料である磁性薄
膜1の励磁磁界をHo 、磁束を検出する8字コイル3の
測定ループ302内の磁界をHD 、補償ループ301内
の磁界をHuとすれば、8字コイル3の出力電圧Vは、
次式で与えられる。 V=−d/dt{μSHo −μo Sd(Hu−Hd)} …(2) ここで μ=μo μr /{1+Nd(μr −1)} …(3)
膜1の励磁磁界をHo 、磁束を検出する8字コイル3の
測定ループ302内の磁界をHD 、補償ループ301内
の磁界をHuとすれば、8字コイル3の出力電圧Vは、
次式で与えられる。 V=−d/dt{μSHo −μo Sd(Hu−Hd)} …(2) ここで μ=μo μr /{1+Nd(μr −1)} …(3)
【0007】Ndは反磁界係数であり、また、(2)式
第2項を導く時、薄膜試料の場合、基板上の膜の断面積
Sは8字コイル3の測定ループ302の面積Sdに比べ
て小さく、S/Sd(=10-3〜10-4)は無視できる
ものとした。
第2項を導く時、薄膜試料の場合、基板上の膜の断面積
Sは8字コイル3の測定ループ302の面積Sdに比べ
て小さく、S/Sd(=10-3〜10-4)は無視できる
ものとした。
【0008】従って前述の試料の寸法によって磁束検出
8字コイルの出力電圧Vを変える要因としては式(2)
の第1項の反磁界効果および第2項の(Hu−Hd)で
ある。しかし、従来第2項の(Hu−Hd)は考慮され
ていなかった。
8字コイルの出力電圧Vを変える要因としては式(2)
の第1項の反磁界効果および第2項の(Hu−Hd)で
ある。しかし、従来第2項の(Hu−Hd)は考慮され
ていなかった。
【0009】図7(a)は磁束分布測定方法を示す説明
図であり、図7(b)は磁性薄膜近傍の磁束分布を示す
特性図である。Lは磁性薄膜1の長さ、Wは磁性薄膜1
の幅であり、dは磁性薄膜1と測定ループ302の間隔
である。即ち、図7(b)は、8字コイル3の測定ルー
プ302に磁性薄膜1を挿入した時に、式(2)の第2
項(Hu−Hd)の影響を調べるために図7(a)のよ
うに磁性薄膜1をセットして励磁し、磁性薄膜1近傍の
磁束(勾配)、すなわち8字コイル3に誘起された電圧
Vaを測定した結果である。図7(b)から明らかなよ
うに、磁性薄膜1表面に近ずくにつれて誘起電圧Vaは
大きくなり、しかも短い磁性薄膜1ほど大きくなってい
ることが判る。Vaは(Hu−Hd)によって誘起され
た電圧であるので短い磁性薄膜1ほど式(1)のμr は
小さくなる。本発明は、上記の問題点を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討した結果、その解決策を見出
したものである。
図であり、図7(b)は磁性薄膜近傍の磁束分布を示す
特性図である。Lは磁性薄膜1の長さ、Wは磁性薄膜1
の幅であり、dは磁性薄膜1と測定ループ302の間隔
である。即ち、図7(b)は、8字コイル3の測定ルー
プ302に磁性薄膜1を挿入した時に、式(2)の第2
項(Hu−Hd)の影響を調べるために図7(a)のよ
うに磁性薄膜1をセットして励磁し、磁性薄膜1近傍の
磁束(勾配)、すなわち8字コイル3に誘起された電圧
Vaを測定した結果である。図7(b)から明らかなよ
うに、磁性薄膜1表面に近ずくにつれて誘起電圧Vaは
大きくなり、しかも短い磁性薄膜1ほど大きくなってい
ることが判る。Vaは(Hu−Hd)によって誘起され
た電圧であるので短い磁性薄膜1ほど式(1)のμr は
小さくなる。本発明は、上記の問題点を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討した結果、その解決策を見出
したものである。
【0010】すなわち、磁性薄膜の寸法を小さくすると
透磁率が小さく観測される原因の1つは、励磁により磁
化された磁性薄膜からの漏洩磁束が磁性薄膜周辺の空間
(向きは励磁磁界方向とは反対方向)に存在し、従来の
測定方法では8字コイル測定ループと補償ループでピッ
クアップされる漏洩磁束成分が異なるために漏洩磁束成
分の補償が充分されないためであることを究明した。
透磁率が小さく観測される原因の1つは、励磁により磁
化された磁性薄膜からの漏洩磁束が磁性薄膜周辺の空間
(向きは励磁磁界方向とは反対方向)に存在し、従来の
測定方法では8字コイル測定ループと補償ループでピッ
クアップされる漏洩磁束成分が異なるために漏洩磁束成
分の補償が充分されないためであることを究明した。
【0011】この漏洩磁束成分を補償する方法として
は、理論的に求める方法、試料毎に漏洩磁束を実測して
補正する方法が考えられる。しかし、前者は試料毎に計
算に多くの時間を要すること、後者は試料毎に漏洩磁束
を実測し補正しなければならず、一般的な評価方法とし
ては不向きであり、もっと簡便な方法が望ましい。
は、理論的に求める方法、試料毎に漏洩磁束を実測して
補正する方法が考えられる。しかし、前者は試料毎に計
算に多くの時間を要すること、後者は試料毎に漏洩磁束
を実測し補正しなければならず、一般的な評価方法とし
ては不向きであり、もっと簡便な方法が望ましい。
【0012】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、磁性薄膜からの漏洩磁束の影響を除去でき、信頼性
の高い磁性薄膜の透磁率を測定する磁性薄膜の透磁率測
定装置および測定方法を提供することを目的とする。
で、磁性薄膜からの漏洩磁束の影響を除去でき、信頼性
の高い磁性薄膜の透磁率を測定する磁性薄膜の透磁率測
定装置および測定方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、8字コイル法による磁性薄膜の透磁率測定
方法において、測定ループと補償ループを構成する内側
の導線が互いに接し、かつ、この内側導線対に磁性薄膜
面を接近させて測定することを特徴とするものであり、
また、前記磁性薄膜面と内側導線対との距離が0.2m
m以内にあることを特徴とするものであり、さらに、前
記磁性薄膜が、励磁方向に平行な方向の長さが10mm
以内の磁性薄膜であることを特徴とするものである。
するために、8字コイル法による磁性薄膜の透磁率測定
方法において、測定ループと補償ループを構成する内側
の導線が互いに接し、かつ、この内側導線対に磁性薄膜
面を接近させて測定することを特徴とするものであり、
また、前記磁性薄膜面と内側導線対との距離が0.2m
m以内にあることを特徴とするものであり、さらに、前
記磁性薄膜が、励磁方向に平行な方向の長さが10mm
以内の磁性薄膜であることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】上記手段により、磁性薄膜試料サイズにマッチ
した8字コイルのサイズおよび測定ループと補償ループ
の構造および磁性薄膜試料のセッティング方法を組み合
わせることによって、磁性薄膜からの漏洩磁束の影響を
除去でき、信頼性の高い磁性薄膜の透磁率を測定するこ
とができるものである。
した8字コイルのサイズおよび測定ループと補償ループ
の構造および磁性薄膜試料のセッティング方法を組み合
わせることによって、磁性薄膜からの漏洩磁束の影響を
除去でき、信頼性の高い磁性薄膜の透磁率を測定するこ
とができるものである。
【0015】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。
説明する。
【0016】図1(a),(b)は本発明の一実施例を
示す側面図及び正面図である。図1(a),(b)中、
11は磁束検出8字コイル、111は測定ループ、11
2は補償ループ、12は磁性薄膜、13は基板である。
即ち、磁束検出8字コイル11の構造と磁性薄膜(試
料)12のセッティングの方法の2点にあり、磁性薄膜
12を励磁する方法は、従来から用いられているヘルム
ホルツコイルや平行平板形コイルなど、磁性薄膜12に
一様な交流磁界を印加できるものであればよい。次に、
磁束検出8字コイル11の構造と磁性薄膜12のセッテ
ィングの方法について述べる。
示す側面図及び正面図である。図1(a),(b)中、
11は磁束検出8字コイル、111は測定ループ、11
2は補償ループ、12は磁性薄膜、13は基板である。
即ち、磁束検出8字コイル11の構造と磁性薄膜(試
料)12のセッティングの方法の2点にあり、磁性薄膜
12を励磁する方法は、従来から用いられているヘルム
ホルツコイルや平行平板形コイルなど、磁性薄膜12に
一様な交流磁界を印加できるものであればよい。次に、
磁束検出8字コイル11の構造と磁性薄膜12のセッテ
ィングの方法について述べる。
【0017】磁性薄膜12からの漏洩磁束は磁性薄膜1
2周囲の空間に対称に生じるので、漏洩磁束が8字コイ
ル測定ループ111と補償ループ112で均等にピック
アップされる様に、測定ループ111を構成する内側の
導線1111と補償ループ112を構成する内側の導線
1121が互いに接し、かつ、この内側導線1111,
1121の対に磁性薄膜12面を接近させて測定ループ
111内にセット出来るようにする。
2周囲の空間に対称に生じるので、漏洩磁束が8字コイ
ル測定ループ111と補償ループ112で均等にピック
アップされる様に、測定ループ111を構成する内側の
導線1111と補償ループ112を構成する内側の導線
1121が互いに接し、かつ、この内側導線1111,
1121の対に磁性薄膜12面を接近させて測定ループ
111内にセット出来るようにする。
【0018】この時、次に述べるように磁性薄膜12面
と導線1111,1121との距離Xが精度に大きく影
響を及ぼす事から、距離Xは出来るだけ小さい方が良
く、漏洩磁束の補償率を70%以上にするためには、距
離Xを0.2mm以下にする必要がある。次にその根拠
を述べる。
と導線1111,1121との距離Xが精度に大きく影
響を及ぼす事から、距離Xは出来るだけ小さい方が良
く、漏洩磁束の補償率を70%以上にするためには、距
離Xを0.2mm以下にする必要がある。次にその根拠
を述べる。
【0019】図2は、磁性薄膜12の幅が3mm、長さ
Lが30mm、10mmおよび3mm、比透磁率300
0の磁性薄膜試料を10mOeで励磁した時の磁性薄膜
12の中央部表面から法線方向の距離における空間の磁
界分布を理論的に計算した結果である。図2から、漏洩
磁束によって磁性薄膜12表面近接の空間の磁界が、励
磁磁界よりも小さくなっており、前述の実験結果ととも
に、理論的にも漏洩磁束が関与していることが立証され
た。
Lが30mm、10mmおよび3mm、比透磁率300
0の磁性薄膜試料を10mOeで励磁した時の磁性薄膜
12の中央部表面から法線方向の距離における空間の磁
界分布を理論的に計算した結果である。図2から、漏洩
磁束によって磁性薄膜12表面近接の空間の磁界が、励
磁磁界よりも小さくなっており、前述の実験結果ととも
に、理論的にも漏洩磁束が関与していることが立証され
た。
【0020】そこで、本実施例の8字コイル補償ループ
112の空間磁束補償率を、図2中、磁性薄膜12の長
さL=3mmの空間磁界のデータを用いて求め、その結
果を図3に示した。
112の空間磁束補償率を、図2中、磁性薄膜12の長
さL=3mmの空間磁界のデータを用いて求め、その結
果を図3に示した。
【0021】ここで、補償率R(%)は、測定ループ1
11でピックアップされる空間磁束をΦs 、補償ループ
112でピックアップされる空間磁束をΦh とすれば、
R(%)=(Φh /Φs )×100と定義し、求めた。
11でピックアップされる空間磁束をΦs 、補償ループ
112でピックアップされる空間磁束をΦh とすれば、
R(%)=(Φh /Φs )×100と定義し、求めた。
【0022】図3には、8字コイル測定(補償)ループ
サイズ(ループ高さt=0.8〜1.4mm)に対し
て、磁性薄膜12面と導線(測定ループ/補償ループの
境界導線)1111,1121との距離Xによる補償率
の変化を示してある。図3から、補償率Rは、磁性薄膜
12面と導線1111,1121との距離Xに依存し、
距離Xが小さくなるにしたがって向上するが、0.2m
m以下になると70%から急激に向上することが判る。
本実施例における磁性薄膜12面とループの内側導線1
111,1121の対との距離を0.2mm以下にした
のも、このような根拠にもとずいており磁性薄膜12を
可能な限り導線1111,1121に接近させた方が補
償率が高く、測定精度、信頼性も向上する。また、補償
率Rは、8字コイル11のサイズにも依存し、コイル高
さ(t)が小なるもの程高くなることが判る。
サイズ(ループ高さt=0.8〜1.4mm)に対し
て、磁性薄膜12面と導線(測定ループ/補償ループの
境界導線)1111,1121との距離Xによる補償率
の変化を示してある。図3から、補償率Rは、磁性薄膜
12面と導線1111,1121との距離Xに依存し、
距離Xが小さくなるにしたがって向上するが、0.2m
m以下になると70%から急激に向上することが判る。
本実施例における磁性薄膜12面とループの内側導線1
111,1121の対との距離を0.2mm以下にした
のも、このような根拠にもとずいており磁性薄膜12を
可能な限り導線1111,1121に接近させた方が補
償率が高く、測定精度、信頼性も向上する。また、補償
率Rは、8字コイル11のサイズにも依存し、コイル高
さ(t)が小なるもの程高くなることが判る。
【0023】8字コイル法による磁性薄膜の透磁率測定
において、以上述べたような漏洩磁束が問題となるのは
透磁率が高く、寸法が短い試料の場合で、特に試料長さ
が10mm以下になると、影響の度合いが急激に増して
くることが理論的にも(図2)、実験的にも確認してお
り(後述、実施例)、磁性薄膜の長さを10mm以内と
したのも、このような根拠によるものである。
において、以上述べたような漏洩磁束が問題となるのは
透磁率が高く、寸法が短い試料の場合で、特に試料長さ
が10mm以下になると、影響の度合いが急激に増して
くることが理論的にも(図2)、実験的にも確認してお
り(後述、実施例)、磁性薄膜の長さを10mm以内と
したのも、このような根拠によるものである。
【0024】本発明においては、漏洩磁束に起因する空
間磁束は、試料の透磁率や試料の寸法の大小に関わらず
補償され、特に、微小寸法試料の透磁率測定に威力を発
揮する。以下に本発明の具体的実施例を説明する。
間磁束は、試料の透磁率や試料の寸法の大小に関わらず
補償され、特に、微小寸法試料の透磁率測定に威力を発
揮する。以下に本発明の具体的実施例を説明する。
【0025】透磁率測定の磁束検出には図1に示した実
施例の8字コイル(測定ループおよび補償ループのサイ
ズ:0.80mm×3.15mm)および従来の8字コ
イル(図6(イ)のタイプで測定および補償ループのサ
イズ:13.60mm×1.75mm、両ループ間の導
線の距離:1.35mm)を用いた。また、励磁にはヘ
ルムホルツコイル(コイル直径50mm)を用い、周波
数10MHz、励磁磁界10mOeで測定した。
施例の8字コイル(測定ループおよび補償ループのサイ
ズ:0.80mm×3.15mm)および従来の8字コ
イル(図6(イ)のタイプで測定および補償ループのサ
イズ:13.60mm×1.75mm、両ループ間の導
線の距離:1.35mm)を用いた。また、励磁にはヘ
ルムホルツコイル(コイル直径50mm)を用い、周波
数10MHz、励磁磁界10mOeで測定した。
【0026】磁性薄膜試料はガラス基板(50mm×5
0mm×0.4mm)上に一軸異方性を付与して成膜し
たCo系非晶質磁性薄膜(膜厚:0.5μm、熱処理
材)をフォトリソグラフィで困難軸方向が長手方向にな
るようにパターニングし、化学エッチングにより長さ2
0mm、幅3mmのサイズにした膜を用いた。
0mm×0.4mm)上に一軸異方性を付与して成膜し
たCo系非晶質磁性薄膜(膜厚:0.5μm、熱処理
材)をフォトリソグラフィで困難軸方向が長手方向にな
るようにパターニングし、化学エッチングにより長さ2
0mm、幅3mmのサイズにした膜を用いた。
【0027】測定に際しては、測定点が常に磁性薄膜上
の同一場所になるように両端を切断して長さを変え、中
央部を測定した。この時、長さをかえても磁区構造の変
化は認められなかった。
の同一場所になるように両端を切断して長さを変え、中
央部を測定した。この時、長さをかえても磁区構造の変
化は認められなかった。
【0028】図4に本発明による方法と従来方法の結果
を示した。本発明による方法の実測値Aは、漏洩磁束が
補償されているので、従来法の実測値Bより大きく、ま
た、本発明による方法の反磁界補正後の比透磁率Cが長
さに依存せず、ほぼ同じ値になっていることから実測の
比透磁率μr の信頼性は、従来よりも飛躍的に向上して
いることは明らかであり、更に、本発明による方法は、
磁性薄膜の長さLが10mm以下、特に、Lが7mmよ
り小さい微小寸法の磁性薄膜透磁率測定に威力を発揮し
ていることが判る。Dは従来法の反磁界補正後の比透磁
率である。
を示した。本発明による方法の実測値Aは、漏洩磁束が
補償されているので、従来法の実測値Bより大きく、ま
た、本発明による方法の反磁界補正後の比透磁率Cが長
さに依存せず、ほぼ同じ値になっていることから実測の
比透磁率μr の信頼性は、従来よりも飛躍的に向上して
いることは明らかであり、更に、本発明による方法は、
磁性薄膜の長さLが10mm以下、特に、Lが7mmよ
り小さい微小寸法の磁性薄膜透磁率測定に威力を発揮し
ていることが判る。Dは従来法の反磁界補正後の比透磁
率である。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、磁性
薄膜試料サイズにマッチした8字コイルのサイズおよび
測定ループと補償ループの構造および磁性薄膜試料のセ
ッティング方法を組み合わせることによって、磁性薄膜
からの漏洩磁束の影響を除去でき、信頼性の高い磁性薄
膜の透磁率を測定することができる。
薄膜試料サイズにマッチした8字コイルのサイズおよび
測定ループと補償ループの構造および磁性薄膜試料のセ
ッティング方法を組み合わせることによって、磁性薄膜
からの漏洩磁束の影響を除去でき、信頼性の高い磁性薄
膜の透磁率を測定することができる。
【図1】(a)は本発明の一実施例を示す側面図、
(b)は同じく正面図である。
(b)は同じく正面図である。
【図2】本発明に係る磁性薄膜の異なる長さに対する磁
性薄膜表面からの距離−空間の磁界特性図である。
性薄膜表面からの距離−空間の磁界特性図である。
【図3】本発明に係る8字コイルループ高さに対する磁
性薄膜面とループ導線対との距離−空間磁束補償率特性
図である。
性薄膜面とループ導線対との距離−空間磁束補償率特性
図である。
【図4】本発明と従来方法の試料長さ−比透磁率特性図
である。
である。
【図5】従来の透磁率測定方法の一例を示す構成図であ
る。
る。
【図6】従来の透磁率測定方法の他の例を示す構成図で
ある。
ある。
【図7】磁性薄膜近傍の磁束分布測定方法および磁束分
布を示す特性図である。
布を示す特性図である。
11…8字コイル、12…磁性薄膜、13…基板、11
1…測定ループ、112…補償ループ。
1…測定ループ、112…補償ループ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三寺 正雄 宮城県仙台市青葉区南吉成六丁目6番地の 3 株式会社アモルファス・電子デバイス 研究所内 (72)発明者 松本 文夫 宮城県仙台市青葉区南吉成六丁目6番地の 3 株式会社アモルファス・電子デバイス 研究所内 (72)発明者 西村 秀知 宮城県仙台市青葉区南吉成六丁目6番地の 3 株式会社アモルファス・電子デバイス 研究所内 (72)発明者 藤森 啓安 宮城県仙台市青葉区吉成二丁目20番地の3
Claims (4)
- 【請求項1】 8字コイル法による磁性薄膜の透磁率測
定装置において、測定ループと補償ループを構成する内
側の導線を互いに接するように設け、この内側導線対に
磁性薄膜面を接近させて測定することを特徴とする磁性
薄膜の透磁率測定装置。 - 【請求項2】 8字コイル法による磁性薄膜の透磁率測
定方法において、測定ループと補償ループを構成する内
側の導線が互いに接し、かつ、この内側導線対に磁性薄
膜面を接近させて測定することを特徴とする磁性薄膜の
透磁率測定方法。 - 【請求項3】 磁性薄膜が、励磁方向に平行な方向の長
さが10mm以内の磁性薄膜であることを特徴とする請
求項2記載の磁性薄膜の透磁率測定方法。 - 【請求項4】 磁性薄膜面と内側導線対との距離が0.
2mm以内にあることを特徴とする請求項2又は3記載
の磁性薄膜の透磁率測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22170292A JPH0666907A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 透磁率測定装置および測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22170292A JPH0666907A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 透磁率測定装置および測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0666907A true JPH0666907A (ja) | 1994-03-11 |
Family
ID=16770940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22170292A Pending JPH0666907A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 透磁率測定装置および測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0666907A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8917053B2 (en) | 2009-01-15 | 2014-12-23 | Nissan Motor Co., Ltd. | Electric power converter with transformer |
JP2019045337A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | 新日鐵住金株式会社 | 磁束密度検出コイルおよび磁気特性測定器 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0451672A (ja) * | 1990-06-19 | 1992-02-20 | Fujitsu Ltd | カラー読取装置 |
-
1992
- 1992-08-20 JP JP22170292A patent/JPH0666907A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0451672A (ja) * | 1990-06-19 | 1992-02-20 | Fujitsu Ltd | カラー読取装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8917053B2 (en) | 2009-01-15 | 2014-12-23 | Nissan Motor Co., Ltd. | Electric power converter with transformer |
JP2019045337A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | 新日鐵住金株式会社 | 磁束密度検出コイルおよび磁気特性測定器 |
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