JPH0666733A - 表面欠陥検出方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 これまで検出が困難であった、微妙な色むら
状の表面欠陥を正確に検出できるようにする。 【構成】 信号処理回路を用いて、テレビカメラから出
力されるアナログ画像信号の直流成分を除去し、交流成
分を増幅することにより、階調差が微小な欠陥信号を強
調した撮像画面を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表面欠陥検出方法及び
装置に係り、例えば冷延鋼板の表面欠陥の検査に用いる
のに好適な、テレビカメラを用いて表面を撮像したアナ
ログ画像信号から、被検査物体の表面欠陥を検出する表
面欠陥検出方法及び装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、冷延鋼板の表面欠陥検査では、
例えば特開昭６２−７５２３４号に示されるように、ス
ポット状のレーザ光を鋼板表面に照射し、表面の凹凸に
よって生じるレーザ光の散乱や回折現象を利用した、レ
ーザ散乱方式やレーザ回折方式による検査が行われてい
る。

【０００３】一方、テレビカメラ撮像による表面欠陥検
査では、例えば特開昭５６−７７７０４号に示されるよ
うに、一般に、閾値による二値化法が用いられており、
設定値以上の、あるいは設定値以下の輝度の場合、欠陥
と判定するようにされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
レーザ回折法やレーザ散乱法は、色むら状の欠陥につい
ては検出が不可能であり、又、表面粗度の微妙な変化に
よる欠陥の検出も困難であった。

【０００５】又、後者のテレビカメラ撮像による二値化
法では、微細な欠陥や微妙な色むら状の欠陥は、表面粗
度による回折光や散乱光との判別が困難であるという問
題点を有していた。更に、ビデオ信号をそのままデジタ
ル化した場合、微妙な色むら状の欠陥部の階調差は僅か
となり、二値化処理自体が困難であった。

【０００６】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
く成されたもので、これまで検出が困難であった微妙な
色むら状の表面欠陥を正確に検出することが可能な表面
欠陥検出方法及び装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、テレビカメラ
を用いて被検査物体の表面を撮像したアナログ画像信号
から、被検査物体の表面欠陥を検出する表面欠陥検出方
法において、信号処理回路を用いて、前記テレビカメラ
から出力されるアナログ画像信号の直流成分を除去し、
交流成分を増幅することにより、階調差を強調した撮像
画面を作成することにより、前記目的を達成したもので
ある。

【０００８】又、前記撮像画面を、予め設定された値で
二値化し、二値化された面積が、予め設定された判別閾
値を越えた場合、当該撮影画面中に欠陥が存在すると判
定するようにしたものである。

【０００９】又、表面欠陥検出装置において、被検査物
体を照射する光源と、被検査物体表面を撮像し、アナロ
グ画像信号を出力するテレビカメラと、該テレビカメラ
より出力されるアナログ画像信号から直流成分を除去
し、交流成分を増幅する信号処理回路と、該信号処理回
路から出力される画像信号をデジタル画像信号に変換す
るアナログ／デジタル変換器と、該アナログ／デジタル
変換器の出力を二値化する機能を有する画像処理装置
と、二値化された面積から欠陥の有無を判定する欠陥判
定装置と、判定結果を出力する出力装置とを備えること
により、前記目的を達成したものである。

【００１０】

【作用】これまで、テレビカメラ撮像による鋼板表面欠
陥検査では、鋼板表面の表面粗度による回折光や散乱
光、更には鋼板表面の反射率の変化や照明光強度の変動
のため、微弱な色むら状の欠陥は、判別が困難であっ
た。

【００１１】そこで、本発明では、信号処理回路を用い
て、テレビカメラから出力されるアナログ画像信号の直
流成分を除去し、交流成分を増幅することによって、従
来では階調差が僅かで画像処理が困難であった、微妙な
色むら状欠陥等の欠陥部の信号をリアルタイムで強調す
る。従って、欠陥部分が強調された濃淡画像が作成さ
れ、表面欠陥を正確に検出することができる。

【００１２】更に、この濃淡画像に、例えば、予め設定
した閾値により二値化処理を施すことにより、欠陥部分
を二値化し、二値化された面積が予め設定された判別閾
値を越えた場合、当該撮影画像中に欠陥が存在すると判
定することができる。

【００１３】

【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１４】本実施例は、図１に示す如く、被検査物体
である冷延鋼板１０を照射する光源２０と、冷延鋼板１
０の表面を撮像し、アナログ画像信号（ビデオ信号）を
出力するテレビカメラ２２と、該テレビカメラ２２より
出力されるアナログ画像信号から直流成分を除去し、交
流成分を増幅する信号処理回路２４と、該信号処理回路
２４から出力される画像信号をデジタル画像信号に変換
するアナログ／デジタル（Ａ／Ｄ）変換器２６と、該Ａ
／Ｄ変換器２６の出力を二値化する機能を有する画像処
理装置２８と、二値化された画像を直接表示する画像モ
ニタ３０と、二値化された面積から欠陥の有無を判定す
る欠陥判定機能を有する演算装置３２と、該演算装置３
２における欠陥判定結果を印刷する演算結果出力装置３
４と、から構成されている。

【００１５】前記信号処理回路２４は、図２に示すよう
な回路構成とされており、入力側のキャパシタＣ１によ
ってアナログ画像信号の直流成分を除去し、その後のト
ランジスタＴr １、Ｔr ２、Ｔr ３によって直流成分が
除去された交流成分を増幅する機能を有する。

【００１６】以下、実施例の作用を説明する。

【００１７】前記冷延鋼板１０の表面に、図１に示す如
く、例えば色むら状の表面欠陥１２が存在する場合、前
記テレビカメラ２２によって撮影される画像は、例えば
図３に示す如くとなる。この画像のある走査線に沿うa
−b 間の電圧出力は、例えば図４に示す如くであり、微
妙な欠陥であるため信号強度の差が小さく、二値化処理
が困難である。これは、図５に示す如く、アナログ／デ
ジタル変換をした後の輝度分布でも同様である。

【００１８】そこで、本発明では、前記アナログ画像信
号を信号処理回路２４に入力し、その直流成分を除去し
て、交流成分を例えば４倍に増幅する。この信号処理に
より、従来では、図４に示す如く僅かな値であった欠陥
部の信号が、図６に示すように強調される。そこで、信
号処理回路２４の出力のアナログ画像信号をＡ／Ｄ変換
器２６でデジタル信号に変換し、画像処理装置２８に入
力すると、図７に示す輝度分布のように、欠陥部の信号
強度が図５に比べて約４倍に強調される。

【００１９】そこで、図７に示す如く、欠陥部が強調さ
れた濃淡画像について、例えば閾値２０で二値化処理を
行うと、図８に示すように、欠陥部分が二値化され、欠
陥部の正確な抽出並びに二値化面積率による判定が可能
となる。図８の例では、欠陥部の二値化面積率が約１０
％となり、演算装置３２において、面積率計算による欠
陥判定が可能となる。

【００２０】なお、前記実施例においては、本発明が冷
延鋼板の表面欠陥検査に適用されていたが、本発明の適
用範囲はこれに限定されない。又、欠陥の有無の判定基
準も二値化面積率に限定されない。

【００２１】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、テ
レビカメラにより撮像した表面欠陥像を処理することに
より、これまで検出が困難であった微妙な色むら状の表
面欠陥が正確に検出できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る表面欠陥検出装置の実施例の全体
構成を示す、一部斜視図を含むブロック線図

【図２】前記実施例で用いられている信号処理回路の構
成例を示す回路図

【図３】前記実施例のテレビカメラで得られる画像の例
を示す線図

【図４】図３のテレビカメラ画像のa −b 線に沿う走査
線のアナログ信号の例を示す線図

【図５】図４のアナログ信号をデジタル変換した後の輝
度分布を示す線図

【図６】前記信号処理回路により信号処理した後の、図
３のテレビカメラ画像のa −b線に沿う走査線のアナロ
グ信号の例を示す線図

【図７】図６のアナログ信号をデジタル変換した後の輝
度分布を示す線図

【図８】図３のテレビカメラ画像に対して、本発明によ
り二値化処理した後の画像の例を示す線図

【符号の説明】

１０…冷延鋼板 １２…表面欠陥 ２０…光源 ２２…テレビカメラ ２４…信号処理回路 ２６…アナログ／デジタル（Ａ／Ｄ）変換器 ２８…画像処理装置 ３０…画像モニタ ３２…演算装置 ３４…演算結果出力装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 文彦 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 段木 亮一 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テレビカメラを用いて被検査物体の表面を
   撮像したアナログ画像信号から、被検査物体の表面欠陥
   を検出する表面欠陥検出方法において、 信号処理回路を用いて、前記テレビカメラから出力され
   るアナログ画像信号の直流成分を除去し、交流成分を増
   幅することにより、 階調差を強調した撮像画面を作成することを特徴とする
   表面欠陥検出方法。
2. 【請求項２】請求項１により作成された撮像画面を、予
   め設定された値で二値化し、二値化された面積が、予め
   設定された判別閾値を越えた場合、当該撮像画面中に欠
   陥が存在すると判定することを特徴とする表面欠陥検出
   方法。
3. 【請求項３】被検査物体を照射する光源と、 被検査物体表面を撮像し、アナログ画像信号を出力する
   テレビカメラと、 該テレビカメラより出力されるアナログ画像信号から直
   流成分を除去し、交流成分を増幅する信号処理回路と、 該信号処理回路から出力される画像信号をデジタル画像
   信号に変換するアナログ／デジタル変換器と、 該アナログ／デジタル変換器の出力を二値化する機能を
   有する画像処理装置と、 二値化された面積から欠陥の有無を判定する欠陥判定装
   置と、 判定結果を出力する出力装置と、 を備えたことを特徴とする表面欠陥検出装置。