JPH0666638A

JPH0666638A - 鼓膜温度計用検鏡カバー

Info

Publication number: JPH0666638A
Application number: JP4238888A
Authority: JP
Inventors: Toshiyuki Nomura; 俊行野村
Original assignee: Horiba Ltd
Current assignee: Horiba Ltd
Priority date: 1992-08-15
Filing date: 1992-08-15
Publication date: 1994-03-11

Abstract

(57)【要約】【目的】嵩張らず、多数であってもコンパクトに収容
でき、極めてローコストに制作できる検鏡カバーを提供
すること。【構成】鼓膜温度計11のプローブ９を覆うための赤外
線透過性の樹脂フィルム３を台紙２のコーナー部の仮止
め箇所に仮止めすると共に、台紙２にプローブ挿通孔４
を開設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、赤外線温度計を利用し
た鼓膜温度計の検鏡カバー（以下、検鏡カバーという）
に関する。

【０００２】

【従来の技術】人体の温度を測る手段として近年、赤外
線温度計を利用した鼓膜温度計が用いられるようになっ
てきている。この鼓膜温度計は、検鏡を備えたプローブ
を耳孔内に挿入して、鼓膜や外耳道からの赤外線をセン
サーで検出し、この赤外線の量に基づいて体温を測定す
るもので、３秒程度で体温を測定できる。

【０００３】上記の赤外線温度計において、温度計と身
体との接触が衛生的であることが要求され、特にプロー
ブを耳孔内に挿入するものであるから、赤外線の透過部
である検鏡が耳垢などで汚損されないようにすることが
望ましい。それは、プローブの先端またはプローブ内に
形成された検鏡に耳垢などが付着すると、赤外線の透過
量が低下したり変動したりして、正確な温度測定が困難
になるからである。

【０００４】そこで、従来より、上記鼓膜温度計におい
ては、検鏡を保護するために、使い捨ての検鏡カバーに
よりプローブを被着するようにしている。図４ (Ａ) ,
(Ｂ)は、従来の検鏡カバーを示すもので、図４（Ａ）に
示す検鏡カバー30は、ポリエチレン（ＰＥ）製のカバー
体31の先端にＰＥフィルム32を熱融着してなるものであ
り（例えば特開昭61−263438号公報参照）、また、図４
（Ｂ）に示す検鏡カバー40は、ＰＥなどによりなる枠体
41に、先端部ができるだけ平坦になるように袋状に形成
されたＰＥフィルム42を熱融着してなるものである（例
えば特開平３−133425号公報参照）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の検鏡カバー30、40はいずれも嵩張り、収納ケースも
それだけ大きなものを用意する必要があった。そこで、
上記検鏡カバーのように嵩張らないように、赤外線透過
フィルムを２つの台紙の間に粘着糊で介装し、一方の台
紙にプローブ挿通孔を開設し、そのプローブ挿通孔に検
鏡プローブを挿通させることにより、検鏡を保護するこ
ともできる。しかし、その場合、検鏡プローブをプロー
ブ挿通孔に挿通させた時に、赤外線透過性フィルムのず
れによって前記粘着糊がプローブ挿通孔より引き出さ
れ、被検者の耳孔に付着したり、また、台紙によって検
鏡先端の視認性が妨げられることが懸念される。

【０００６】本発明は、上記の事柄に留意してなされた
もので、その目的とするところは、嵩張らず、多数であ
ってもコンパクトに収容でき、しかも、被検者の耳孔を
汚すことなく測定でき、さらに、検鏡先端を確認しなが
ら耳孔に挿入できる視認性の高い検鏡カバーを提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明にかかる検鏡カバーは、鼓膜温度計のプロ
ーブを通孔させるプローブ挿通孔が開設されている台紙
のコーナー部に、前記プローブを覆うための赤外線透過
性の樹脂フィルムを接着する仮止め箇所を設け、その仮
止め箇所に前記樹脂フィルムを仮止めすると共に、前記
台紙のプローブ挿通孔の周囲に折り曲げ線、およびその
折り曲げ線より放射状に切り込みを設けてその台紙を折
り曲げ自在としたのである。

【０００８】

【作用】上記発明において、検鏡カバーはシート状であ
るので薄型で嵩張ることなく、しかも、仮止め箇所が台
紙のコーナー部に設けられているために、検鏡プローブ
をプローブ挿通孔に挿通させた時に、赤外線透過性フィ
ルムを仮止めしている粘着剤がプローブ挿通孔より引き
出されて被検者の耳孔に付着するようなことがなく、さ
らに、その台紙は折り曲げ自在に構成されているため
に、台紙によって検鏡先端の視認性が妨げられることが
ない。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図１および図２は、本発明の第一実施例を示
し、図３は、本発明の第二実施例を示す、先ず、図１に
おいて、１は検鏡カバーで、この実施例では次のように
構成されている。すなわち、２は台紙であり、３は樹脂
フィルムで、例えば赤外線透過性に優れたＰＥフィルム
またはポリプリロピレン（ＰＰ）フィルム等よりなり、
その厚みは数μｍ〜30μｍ程度である。これら台紙２と
樹脂フィルム３はほぼ同じ大きさの正方形でなってお
り、樹脂フィルム３は台紙２に沿わせるようにして、各
々の仮止め箇所５，５で粘着糊６，６によって仮止めさ
れている。そして、台紙２には、そのほぼ中央に鼓膜温
度計11のプローブ９（図２（Ａ）参照）の最大径と同じ
かやや大きい径を有するプローブ挿通孔４が形成されて
いる。

【００１０】そして、この台紙２の前記プローブ挿通孔
４の周囲には、点線で示すように折り曲げ線７の一例と
してのミシン目が設けられており、この折り曲げ線７か
ら放射状に切り込み８が設けられている。これによっ
て、体温測定時に台紙２を前記折り曲げ線７に沿って折
り曲げることができ（図２（Ｂ）参照）、鼓膜温度計11
のプローブ９を台紙２に挿通させた状態でも、その台紙
２が邪魔にならず、視認性がよい。

【００１１】上記構成の検鏡カバー１を鼓膜温度計11の
プローブ９に装着するには、まず、検鏡カバー１を、例
えば孔開き固定台（図外）に台紙２の側を下にして保持
し、図２（Ａ）に示すように、樹脂フィルム３の方向か
らプローブ挿通孔４に対応するところにプローブ９を位
置させる。次いで、プローブ９を樹脂フィルム３に押し
当て、さらに力を加えることによりプローブ９は台紙２
のプローブ挿通孔４に挿通され、プローブ９は樹脂フィ
ルム３によって被覆される。そののち、台紙２の折り曲
げ線７より外の部分を後方に折り曲げることによって
（図２（Ｂ）参照）、前述したように、検鏡部の先端の
視認性が向上する。

【００１２】このとき、粘着糊６によって台紙２に仮止
めされていた樹脂フィルム３は、前述の押圧力が伝わっ
て台紙２の仮止め箇所５から外れ、プローブ９をその先
端から根元まで被覆するのである。また、プローブ９の
根元に溝10を周設しているような場合には、前記台紙２
の孔４と前記溝10とが嵌まり合うので、プローブ９を被
覆するように設けられた検鏡カバー１がぐらついたり、
簡単に外れたりすることはない。そして、たとえ前記粘
着糊６が樹脂フィルム３に付着していたとしても、粘着
糊６は樹脂フィルム３のコ−ナ−部に付着しているので
プローブ９を覆っている部分に付着することがなく、被
検者の耳孔に粘着糊６が付くようなことはない。

【００１３】上記のように、検鏡カバー１を装着した状
態で、鼓膜温度計11のプローブ９を例えば患者などの被
検者の耳孔内に挿入して容易に体温を測定できる。そし
て挿入後、３秒程度で体温を測定でき、その測定結果は
鼓膜温度計11に設けられた表示部（図外）に表示され
る。

【００１４】検鏡カバー１の保管時には、樹脂フィルム
３の特に被検者の耳孔内に接触する側は、台紙２によっ
て被覆されているため、検鏡カバー１をプローブ９に装
着するまで外部にさらされていないので、衛生的であ
る。

【００１５】上記実施例の検鏡カバー１においては、鼓
膜温度計11の検鏡部が耳垢などによって汚損されるのを
防止できるのは勿論のこと、一枚の平たい台紙２に樹脂
フィルム３を仮止めするといった極めて簡単な構成であ
るので、嵩張ることがないと共に、大量生産ができ、ロ
ーコストで生産できる。

【００１６】上記の実施例では、台紙２と樹脂フィルム
３とは粘着糊６によって仮止めされていたが、本発明は
これに限られるものではなく、熱融着などにより接着す
ることもできる。また、上記実施例では、検鏡カバー１
は単体で形成されているが、複数の検鏡カバー１をミシ
ン目等を入れて分離自在に連設させてもよい。

【００１７】また、図３（Ａ）および（Ｂ）は、本発明
の検鏡カバー１の第二実施例を示している。この図３
（Ａ）において、21は検鏡カバーで、この実施例では次
のように構成されている。すなわち、22は台紙であり、
23は樹脂フィルムである。これら台紙22と樹脂フィルム
23はほぼ同じ大きさの正方形でなっており、樹脂フィル
ム23は台紙22に沿わせるようにして、各々のコーナー部
25，25で粘着糊26，26によって仮止めされている。そし
て、台紙22には、そのほぼ中央にプローブ挿通孔24が形
成されるようになっている。この場合はプローブ９の最
大径と同じかやや大きい切り込み29を、等間隔で八方向
に放射状に設けることによって、前記プローブ９を挿通
したときにプローブ挿通孔24が形成されるようにしてい
る。

【００１８】そして、この台紙22の前記プローブ挿通用
切り込み29の周囲には、方形状にミシン目の折り曲げ線
27を施し、さらにこの折り曲げ線27から放射状に広がっ
た切り込み28が施されてＶ時状の切欠部28a が形成され
ている。これによって、台紙22を前記折り曲げ線27に沿
って折り曲げたときに、台紙同士が重なったり突き当た
ることもなく、容易に曲げることができる。

【００１９】また、台紙22の中央に設けられた、鼓膜温
度計11のプローブ９（図２参照）の最大径と同じかやや
大きい放射線状の切り込み29によりプローブ挿通孔24が
形成されるようにしているが、このようにすることによ
って、樹脂フィルム23の被検者の耳孔内に接触する側の
先端が、検鏡カバー21の保管時に台紙22によって完全に
被覆されているので、極めて衛生的である。なお、この
プローブ挿通孔24をノックアウト孔で形成してもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明は、鼓膜温度計の検
鏡部が耳垢などで汚損されることを防止できるのは勿論
のこと、一枚の台紙の仮止め箇所に樹脂フィルムを仮止
めするといった極めて簡単な構成であるので、嵩張るこ
とがないと共に、取扱が容易であり、大量生産ができ、
極めてローコストで生産でき、さらに、多数であっても
コンパクトに収容できて、衛生的な鼓膜温度計用検鏡カ
バーが提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明の第一実施例に係る検鏡カバー
の正面図、（Ｂ）は側断面図である。

【図２】（Ａ）は同検鏡カバーの鼓膜温度計への装着方
法を示す説明図、（Ｂ）は装着された状態の断面図であ
る。

【図３】（Ａ）は、本発明の第二実施例に係る検鏡カバ
ーの正面図、（Ｂ）はその台紙を折り曲げた状態を示す
斜視図である。

【図４】（Ａ）は従来の検鏡カバ−の一例を示す断面
図、（Ｂ）は従来の検鏡カバ−の他の例を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１、21…検鏡カバー、２、22…台紙、３、23…樹脂フィ
ルム、４、24…プローブ挿通孔、５、25…仮止め箇所、
７、27…折り曲げ線、８、28…切り込み。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鼓膜温度計のプローブを通孔させるプロ
ーブ挿通孔が開設されている台紙のコーナー部に、前記
プローブを覆うための赤外線透過性の樹脂フィルムを接
着する仮止め箇所を設け、その仮止め箇所に前記樹脂フ
ィルムを仮止めすると共に、前記台紙のプローブ挿通孔
の周囲に折り曲げ線、およびその折り曲げ線より放射状
に切り込みを設けてその台紙を折り曲げ自在としたこと
を特徴とする鼓膜温度計用検鏡カバー。