JP2003052645A - 赤外線体温計 - Google Patents

赤外線体温計

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JP2003052645A
JP2003052645A JP2001284519A JP2001284519A JP2003052645A JP 2003052645 A JP2003052645 A JP 2003052645A JP 2001284519 A JP2001284519 A JP 2001284519A JP 2001284519 A JP2001284519 A JP 2001284519A JP 2003052645 A JP2003052645 A JP 2003052645A
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元行 許
Hee Man Kang
▲き▼萬 姜
東元 ▲鄭▼
Dong Won Jeong
Min Seok Jeon
岷錫 田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線センサと赤外線が放出される鼓膜との
距離を最小化するとともに、探針部を放水構造にして正
確な温度測定をすることができる赤外線体温計を提供す
る。 【解決手段】 鼓膜及びその近傍で発生する赤外線を検
出して人体の体温を測定する赤外線体温計10において、
手で把持できるように形成された本体30と、この本体30
に対して着脱可能に設けられ、外耳道に挿入された際の
先端部への赤外線入射のための先端孔120、150を備えた
探針部20と、この探針部20の先端部内側に配置される赤
外線センサ190とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、赤外線体温計に
係るもので、詳しくは赤外線が放射される鼓膜と赤外線
センサと放射の距離を最小化し、探針部の部分を防水構
造にして正確な温度測定をすることができる赤外線体温
計に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、体温計は接触式と非接触式に分
かれ、接触式体温計はアルコール又は水銀を用いた体温
計や、サーミスタ(thermistor)又は熱伝対(thermocoupl
e)などのセンサを用いた電子式体温計が広く使われてい
る。これらの体温計は、測定対象物の表面に体温計を接
触させた後、当該表面との熱的平衡状態を維持したとき
の温度を測定するもので、このような方法は熱的平衡を
なすため通常2〜3分程度の時間を必要とする。さら
に、多数の人々に使われる病院の場合、患者の状態に合
わせて脇、口腔、肛門などに挿入して測定をするため、
以後の他の測定者に不快感を与え、また、水銀体温計が
破壊される場合には人体に大きな害を与える。
【0003】このような問題点を解消するため非接触式
体温計が既に考案されている。これは耳の中の鼓膜の周
囲から放射される赤外線を検出し所定の電気的信号に変
換して温度を測定するもので、より正確且つ迅速に測定
することができるように考案されたものである。人体の
様々な部位の中で鼓膜部位を測定する理由は、医学的に
鼓膜は脳の視床下部と血液を共有しており、人体の核心
体温(core temperature)を一番正確に反映するからであ
り、その原理は以下のようなものである。
【0004】すなわち、絶対零度でない全ての物体は温
度に従い一定波長領域をもつ赤外線エネルギーを放射
し、この原理はステファン・ボルツマンの公式で示され
る。 E=kεT ここで、Eは放射される赤外線エネルギー、kはボルツ
マン常数、εは測定対象物の赤外線放射率、Tは測定対
象物の表面温度である。これより、鼓膜の温度を測定し
ようとする場合には、鼓膜の表面温度Tの4乗に比例す
る赤外線エネルギーが放射されることがわかる。したが
って、このような赤外線エネルギーを検出して所定の電
気的信号に変換する赤外線センサと、出力された信号を
増幅及び演算処理する回路とを用いて人体の体温を測定
することができる。
【0005】以上の原理を用いて製作される従来の赤外
線体温計の構造は、外耳道に挿入される円錐形の探針を
備えるとともに、この探針内には所定長さの小さい直径
の導波管を備えたものが一般的である。この導波管の入
り口部は、体温の測定時に鼓膜に近接する部分で、鼓膜
から放射される赤外線を導波管の内部に誘導して反対側
の出口部に配置された赤外線センサに伝達し、鼓膜の温
度を測定するものであり、導波管の内部は高い表面反射
率をもつように金でコーティングされた鏡面を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の赤外
線体温計を用いた温度測定は、鼓膜から放射される赤外
線が導波管の内部に必ず入射しなければならないため、
赤外線を小さい直径の導波管に誘導するのに難しさがあ
る。また、赤外線が導波管内に誘導された場合であって
も赤外線センサまでの移動途中に導波管の内部で幾たび
かの表面反射を経るために赤外線の強度が減少する。更
には、導波管が長いために外耳道の周辺体温による熱が
容易に導波管に伝達され、導波管自体に温度不均衡が発
生して、正確な温度を測定することが難しいという問題
点があった。
【0007】また、従来の赤外線体温計は気密性が不足
しており、探針の内部に水分が容易に浸透し、例えば家
庭で使う場合に取り扱い不注意のため乳児または児童が
探針を口に入れるかまたは水中に入れた場合には探針と
導波管内に水分が容易に浸透する。このように浸透され
た水分が導波管の内部のコーティング面に吸着される
と、表面が汚染されて赤外線に対する反射率が急激に低
下され、このため赤外線センサによる検出の正確性が顕
著に落ちるという問題点もあった。更に、赤外線センサ
の表面に水分が吸着される場合、水分の蒸発‐再吸着の
過程により入射される赤外線に影響を与え、また、赤外
線センサの温度変化を誘発するため正確な温度測定が困
難となる。
【0008】本発明の目的は、導波管を通じて入射した
赤外線をにより温度を測定するのではなく、鼓膜部位に
赤外線センサを近接させて製作し、鼓膜から放射される
赤外線を直接測定するとともに、探針の内部への水分の
浸透を防止することにより、正確な体温を測定すること
ができる赤外線体温計を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため本発明は、鼓膜及びその近傍で発生する赤外線を
検出して人体の体温を測定する赤外線体温計において、
手で把持できるように形成された本体と、この本体に対
して着脱可能に設けられ、外耳道に挿入された際の先端
部への赤外線入射のための先端孔を備えた探針部と、こ
の探針部の先端部内側に配置される赤外線センサとを備
え、前記探針部は外耳道に挿入される中空型のスペキュ
ラムと、このスペキュラムの内面に接着されるととも
に、内部に赤外線センサを備えるセンサハウジングと、
このセンサハウジングの先端に具備される気密部材とを
有することを特徴とする。
【0010】前記スペキュラムは、シリコンゴムにより
中空の円錐形に形成され、前記気密部材は、板状のシリ
コンウェハにより形成されて前記スペキュラムの先端面
と水平をなし、前記センサハウジングの先端内側には外
向きに傾斜した内周面を有する入射角拡張部が形成さ
れ、前記センサハウジングの後端には雄ネジ部が形成さ
れ、これに雌ネジ部が形成された固定ナットを羅合させ
ることにより前記本体に前記探針部を締結するのが好ま
しい。
【0011】また、前記センサハウジングの内部に配置
された前記赤外線センサは、キャップ、センシング素
子、ステム、及びリードフィンを有して構成され、前記
キャップは、シリコンウェハにより構成されたフィルタ
が前記気密部材とに平行に配置され、前記赤外線センサ
の外周には外耳道周辺から発生する周辺熱を前記赤外線
センサに伝達する金属材質の熱放散部材が配置され、前
記センサハウジングの内部には外耳道周辺から発生する
周辺熱を前記赤外線センサに伝達して互いに熱交換が行
なわれるようにするとともに、前記赤外線センサ及び前
記熱放散部材をセンサハウジングの内部に固定する熱拡
散部材をを設けるのが好ましい。また、前記熱放散部材
は銅により形成され、前記熱拡散部材はエポキシ樹脂に
より形成され、前記センサハウジングと前記赤外線セン
サとの間には断熱部が形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を用いて詳しく説明する。図1は、本発明による赤
外線体温計10を示す斜視図であり、図2は探針部20の断
面を示す断面図である。説明の便宜上、図1において上
側を上部、下側を下部に称し、図2において左側を先
端、右側を後端と称して説明する。図1に示したよう
に、本発明の赤外線体温計10は、手で把持できる本体30
と、この本体30の上部に傾斜して連結され、外耳道に挿
入可能に配置された探針部20とから構成される。
【0013】本体30は外観上は上部ケーシング40と下部
ケーシング50からなり、下部ケーシング50の上部先端面
に探針部20が固定され、上部ケーシング40の表面には使
用者が体温を測定しようとする際に、赤外線体温計10を
作動させ体温測定を開始するための作動ボタン60と、摂
氏‐華氏相互転換、測定値記憶などの付加機能を任意に
選択して実行させるための機能ボタン70とが具備され
る。また、体温測定値、赤外線体温計10の作動状態、エ
ラーメッセージ、電源状態などを使用者にディスプレイ
するための表示部80が具備される。
【0014】本体30の上部には鼓膜とその周りから放射
される赤外線を検出して所定の電気的信号を出力する探
針部20が配置されている。この探針部20は本体30に傾斜
して結合され、その外周面の形状は、外耳道の形状を考
慮して先端側に行くほど外径が減少される円錐形に作ら
れる。そのため、図2に示したように、本発明に係る赤
外線体温計10の探針部20は外耳道への挿入が容易になる
ように後端から先端に行くほど外径が減少される中空の
円錐形の形状をもつスペキュラム100を具備し、その材
質は人体に無害なシリコンゴムを使用するのが好まし
い。
【0015】この円錐形のスペキュラム100の内面の一
部は、センサハウジング110の外面一部と接着剤で相互
に密着され、スペキュラム100先端側には鼓膜とその周
りで放射される赤外線が通過できるように第1先端孔12
0が具備される。センサハウジング110は中空形状に形成
され、熱伝導性が優れた金属であり、銅、アルミニウ
ム、または亜鉛材質でなるのが好ましい。これらのスペ
キュラム100とセンサハウジング110が気密状態となるよ
うに接着されているので、その境界における水分の浸透
は防止される。
【0016】そして、センサハウジング110の先端側の
周りには第1段付け130が形成され、この第1段付け130
に気密部材140がエポキシなどで接着固定されることに
より、スペキュラム100の先端面と平行に配置されてい
る。この気密部材140によりセンサハウジング110内部へ
の水分の浸透が防止される。この気密部材140は水分の
浸透を防止することは勿論で、入射される赤外線の損失
が最小化されるように両面研磨され無反射干渉膜がコー
ティングされた単結晶シリコンウェハを一定の形状に切
断して用いるのが好ましい。また、気密部材140は赤外
線透過率をより向上させるためできるだけ薄いシリコン
ウェハを使用することが好ましいが、破損のおそれがあ
るため機械的強度を考慮して0.2〜0.3mm厚さのシリコン
ウェハを使用することが好ましい。
【0017】上述のような構成による本発明の赤外線体
温計10の探針部20は、センサハウジング110に接着され
たスペキュラム100と気密部材140により防水構造とされ
るので、乳児または児童が不注意で探針部20を口腔内に
挿入することなどにより発生する探針部20へ水分が浸透
する問題を解決することができる。
【0018】そして、センサハウジング110の先端側に
具備され赤外線が通過する第2先端孔150の内周は、先
端側に行くほど内径が増加するように傾斜した内周面を
もつ入射角拡張部160が形成され、これは鼓膜から放射
されて赤外線センサ190に入射される赤外線に対する入
射角を広く確保しようとするのである。このように赤外
線の入射される入射角が広く確保されると、外耳道に挿
入された探針部20が鼓膜と一直線上に位置せず、鼓膜付
近へ接近しただけであっても赤外線が入射されて体温を
測定することができるようになる。
【0019】また、センサハウジング110の先端側の内
面には第2段付け170が形成され、ここに中空円筒形の
熱放散部材180が密着固定されており、これにより熱放
散部材180の外周とセンサハウジング110の内面の一部が
接触することとなっている。そして、熱放散部材180の
内周に赤外線センサ190を挿入することにより、赤外線
センサ190のステム200とキャップ210の一部面が熱放散
部材180と気密状態で接触する。熱放散部材180は、赤外
線センサ190のステム200とセンサハウジング110との間
で迅速な熱伝達を行なうために、熱伝導性が優れた金属
で形成することが好ましく、銅、アルミニウムまたは亜
鉛などの材質とするのが好ましい。
【0020】なお、熱放散部材180を使用せずにステム2
00の外径を拡張するかまたはセンサハウジング110の内
面を加工することにより突起を形成して赤外線センサ19
0の一部がセンサハウジング110に接触するように変更す
ることもできるが、ステム200の外径を拡張する場合に
はセンサハウジング110と接触する面積が少なくなるた
め迅速な熱伝達が難しくなる。また、センサハウジング
110の内面を加工する場合には、赤外線センサ190を挿入
した状態において位置誤差及び傾斜をなくすために、セ
ンサハウジング110の内部の加工に高い精密度が要求さ
れ、加工費用が上昇することになる。
【0021】これに対し、熱放散部材180は、センサハ
ウジング110と赤外線センサ190を充分に接触させて迅速
な熱伝達を誘導するとともに、その製作費用が低廉で、
赤外線センサ190がセンサハウジング110内の正位置に安
着されるようにすることができる。
【0022】また、センサハウジング110の一部分、詳
しく説明すると熱放散部材180及びステム200がなす後端
側対向面は、熱拡散部材220により覆われる。この熱拡
散部材220は中空円筒形の熱放散部材180を補助して赤外
線センサ190のステム200に発生する温度勾配を迅速な熱
分散により除去するためのものであり、熱伝導性の優れ
た熱硬化性エポキシ樹脂とするのが好ましい。そし
て、、この熱拡散部材220により熱放散部材180及び赤外
線センサ190はセンサハウジング110の先端側の内面に堅
固に安置固定される。熱拡散部材220はステム200の後端
面から4〜5mm高さに充填させることが好ましい。これ
は、多量の熱拡散部材220が充填された場合には、その
熱容量が大きくなって熱が蓄積され易くなるため、部分
的な温度勾配が残留し易く、低温の連続測定の際に誤差
が発生することとなるからである。
【0023】赤外線センサ190のキャップ210は、センサ
ハウジング110の先端の両側内面と平行となるように一
定間隔だけ離隔させて配置されることにより、断熱部23
0を形成する。これは外耳道の周辺体温による熱が赤外
線センサ190のキャップ210に伝達されることを防止する
ためである。このキャップ210に熱が蓄積されると、キ
ャップ210の内側表面から赤外線がセンシング素子240に
入射するので、鼓膜から放射される赤外線混同されて低
温測定の際に誤差が増加することになる。
【0024】赤外線センサ190のキャップ210内にはステ
ム200と接触されたセンシング素子240が配置され、ステ
ム200の後端面にはセンシング素子240で発生した電気的
信号を後端側の本体30に伝送するためのリードフィン25
0が具備されている。ここで、センシング素子240は熱電
堆素子(thermopile)または熱‐抵抗変換素子(thermo-re
sistive converting element)のうち何れか一つまたは
これらの組合せで構成することができる。
【0025】以下、体温測定に用いられる鼓膜及びその
近傍で放射される赤外線及び外耳道の周辺の体温による
熱と赤外線センサ190、特に、センシング素子240との相
互作用を詳しく説明する。説明の便宜上、鼓膜及びその
近傍で放射される赤外線を‘鼓膜赤外線’、外耳道周辺
の体温による熱を‘周辺熱’と称する。
【0026】入射角拡張部160により決定される視野角
領域から放射された鼓膜赤外線は気密部材140及びフィ
ルタ260を通過する。フィルタ260は、無反射干渉膜と7
〜15μm波長帯の赤外線のみを透過させるZnSとGe
膜が所定厚さで交互に蒸着されて構成された多層膜のコ
ーティングが施されたシリコンウェハにより構成され、
気密部材140の後端側に平行に配置される。多層膜のコ
ーティングにより、特定波長帯の赤外線のみがフィルタ
260を通過してセンシング素子240に入射される。
【0027】センシング素子240に入射された鼓膜赤外
線は熱に変換されてセンシング素子240の温度を上昇さ
せ、結局、センシング素子240の温度変化に相応する所
定の電気的信号がリードフィン250に発生する。即ち、
外耳道に挿入する際のセンシング素子240の温度T1と
外耳道に挿入した後に入射した鼓膜から放射された赤外
線により変化されたセンシング素子240の温度T2との
温度差ΔTに該当する電気的信号を用いて体温を測定す
るのである。
【0028】しかし、実際には、探針部20を外耳道へ挿
入するときにスペキュラム100の表面は外耳道の内面と
必然的に接触するので、センシング素子240の温度T1
は周辺熱により変化する。即ち、測定時の温度差ΔTが
時間に従い随時に変化することにより測定誤差が発生す
る。従って、測定時のT1が一定に維持されなければ連
続測定時に測定するたびに誤差が発生して測定した体温
値が異なることとなるので、使用者の信頼度が減少する
事態が生じる可能性がある。
【0029】本発明による赤外線体温計10のセンサハウ
ジング110の先端内側には断熱部230が形成されているの
で、周辺熱が赤外線センサ190のキャップ210に伝達され
るのが防止され、スペキュラム100とセンサハウジング1
10を横切る周辺熱の影響は赤外線センサ190のステム200
の領域に制限される。即ち、周辺熱は外耳道と接触する
スペキュラム100を通じてセンサハウジング110に伝達さ
れ、センサハウジング110と接触する熱放散部材180及び
熱拡散部材220の領域で熱交換が発生する。スペキュラ
ム100は、防水構造のためにセンサハウジング110に接着
されいる。そして、このスペキュラム100の材質として
用いられるシリコンゴムは、一般に用いられるABS合
成樹脂材質に比べ熱伝導性が優れており、更にセンサハ
ウジング110との間にどんな空間も形成していないの
で、より迅速に周辺熱を伝達することができる。
【0030】センサハウジング110に伝導された周辺熱
はまず第2段付け170と接触された熱放散部材180を通し
て赤外線センサ190のステム200の領域に伝達され、残り
の周辺熱の一部はセンサハウジング110と接触した熱拡
散部材220へ、その他はセンサハウジング110の後端側に
伝達される。熱放散部材180及び熱拡散部材220に伝達さ
れた熱はステム200の温度を上昇させる。この際、これ
らの熱放散部材180及び熱拡散部材220は高い熱伝導性の
材質で形成されているので、ステム200と接触されるセ
ンシング素子240の温度が迅速に上昇し、その後一定値
を維持することになる。これにより、温度T1が測定開
始前に迅速に一定値に維持されて温度差ΔTが一定とな
るので、周辺熱により発生する測定誤差を除去すること
ができる。
【0031】したがって、上述の構成を備えた本発明に
係る赤外線体温計10は、赤外線を感知する赤外線センサ
190が先端側に配置されることにより鼓膜赤外線が赤外
線センサ190に直接入射されるとともに、上述の通り周
辺熱によるセンシング素子240の温度変化が迅速に除去
されて一定値に維持されるので正確な温度を測定するこ
とができるようになる。
【0032】図3は、本発明に係る赤外線体温計10の探
針部20の分解断面図である。この探針部20を組み立てる
過程で、まずセンサハウジング110とスペキュラム100が
接する面を接着剤を用いて気密状態となるように接着す
る。そして、センサハウジング110の入射角拡張部160の
先端面に形成された第1段付け130にエポキシ樹脂を用
いて気密部材140を接着固定する。次に、センサハウジ
ング110の先端側内面に形成される第2段付け170に中空
円筒形の熱放散部材180を挿入し、後端側から先端側へ
赤外線センサ190を、熱放散部材180の後端側面とステム
200の外周とが接触するように挿入し、センサハウジン
グ110の一部分、熱放散部材180及びステム200の後端側
対向面に前述の通り熱拡散部材220を一定量充填させて
から熱硬化することにより探針部20が完成される(図2
参照)。
【0033】また、探針部20と本体30の結合を図4に示
す。下部ケーシング50の上部先端側には、探針部20の後
端部が挿入されるように形成された連結突起300が設け
られ、下部ケーシング50の上部側最先端面には第3段付
け310が形成されている。
【0034】まず、探針部20は連結突起300に挿入さ
れ、固定部320が第3段付け310に安定的に取り付けられ
る。そして、センサハウジング110の後端の一部に形成
された雄ネジ部330に、内周に雌ネジ部340が形成された
固定ナット350を羅合させることにより、探針部20は本
体30に堅固に固定される。固定ナット350により探針部2
0の連結部360は本体30の連結突起300の最先端面と密着
されるので、連結部360と下部ケーシング50との間の境
界面でも水分の浸透が防止されることになる。
【0035】図5は、本発明による赤外線体温計10の内
部構造を示す断面図で、探針部20が本体30上部に傾斜し
て連結固定される。液晶画面400は緩衝部材410上に配置
され回路基板420に固定される液晶蓋体430により保護さ
れて表示部80を構成する。赤外線センサ190のリードフ
ィン250はリード線440により回路基板420の所定領域に
電気的に連結される。回路基板420には探針部20から出
力された電気的信号を増幅する増幅部450、この増幅部4
50の出力信号をデジタル信号に変換して体温を演算処理
して算出するとともにその他の各種機能を行う制御部46
0、測定開始及び測定終了状態を知らせるブザー470、制
御部460により計算された体温値と作動状態をディスプ
レイする表示部80、赤外線体温計10を作動させ測定を開
始するための作動ボタン60、摂氏‐華氏相互転換及び測
定値記憶などの機能を行うための機能ボタン70、及び回
路基板420に電源を供給するバッテリ480を内装するバッ
テリホルダ490が具備される。また、上部ケーシング40
と下部ケーシング50とはネジ500により互いに固定さ
れ、ネジキャップ510により仕上げられる。
【0036】このような構成により製作された本発明に
係る赤外線体温計10を用いて体温を測定する方法は以下
の通りである。すなわち、作動ボタン60を押してから体
温測定準備状態で本体30を一方の手で把持し、探針部20
を外耳道に挿入した後、測定開始ブザー音を確認し、作
動ボタン60を押して測定を開始する。その後、測定終了
ブザー音を確認し、探針部20を外耳道から抜いて表示部
80にディスプレイされた体温値を読み取る。
【0037】測定の際には、赤外線センサ190に鼓膜及
びその近傍から放射された赤外線が直接入射され、入射
した赤外線は所定の電気的信号に変換されてリード線44
0を通じて赤外線体温計10の本体30に内装された増幅部4
50に伝達される。増幅部450に伝達された信号は一定の
大きさに増幅され且つ雑音が除去されて制御部460に伝
達され、デジタル信号に変換された電気的信号はマイコ
ンにより演算されて体温値が表示部80にディスプレイさ
れる。
【0038】以上のように本発明による赤外線体温計
は、赤外線センサが鼓膜から放射される赤外線を直接検
出できるように製作し、これと同時に探針部の内部への
水分の浸透を防止するという技術的思想をもっている。
従って、探針部の形状を一部変更するかまたは言及しな
い他の実施例を用いて鼓膜に対して赤外線センサを近接
させるか、または他の気密手段を用いて気密性を確保す
るように実現することもできる。しかし、このような実
施例が別途の作業工程なしに鼓膜部位から放射される赤
外線を直接検出して体温を測定する構成や、水分の浸透
を防止する構成となる場合には、それらの全てが本発明
の技術的範囲に包含されるといえる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る赤外
線体温計は、鼓膜部位に赤外線センサを近接するように
製作し、鼓膜部位から放射された赤外線が赤外線センサ
に直接入射されるようにするとともに、探針部の内部に
水分が浸透することを防止することにより、正確な体温
を測定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る赤外線体温計の外観斜視図であ
る。
【図2】本発明に係る赤外線体温計の探針部の断面拡大
図である。
【図3】本発明に係る赤外線体温計の探針部の分解断面
図である。
【図4】本発明に係る赤外線体温計の探針部と本体の結
合を示す断面図である。
【図5】本発明に係る赤外線体温計の断面図である。
【符号の説明】
20 探針部 30 本体 100 スペキュラム 110 センサハウジング 140 気密部材 160 入射角拡張部 180 熱放散部材 190 赤外線センサ 220 熱拡散部材 240 センシング素子 320 固定部 350 固定ナット 360 連結部 420 回路基板 450 増幅部 460 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲鄭▼ 東元 大韓民国 仁川市 東區 松林5洞 336 松林住公アパートメント 603 (72)発明者 田 岷錫 大韓民国 ソウル市 瑞草區 瑞草洞 1686−4 錦湖アパートメント ガ洞 405 Fターム(参考) 2G066 AC13 BA08 BA09 BA23 BA30 BA57 BB11 BB15 BB20 BC07 BC15 CA20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鼓膜及びその近傍で発生する赤外線を検
    出して人体の体温を測定する赤外線体温計において、 手で把持できるように形成された本体と、この本体に対
    して着脱可能に設けられ、外耳道に挿入された際の先端
    部への赤外線入射のための先端孔を備えた探針部と、こ
    の探針部の先端部内側に配置される赤外線センサと、を
    有して構成されることを特徴とする赤外線体温計。
  2. 【請求項2】 前記探針部は、外耳道に挿入される中空
    のスペキュラムと、このスペキュラムの内面に接着され
    るとともに、内部に赤外線センサを備えるセンサハウジ
    ングと、このセンサハウジングの先端に配置される気密
    部材と、を有して構成されることを特徴とする請求項1
    に記載の赤外線体温計。
  3. 【請求項3】 前記スペキュラムは、シリコンゴムによ
    り中空の円錐形に形成され、前記気密部材は、板状のシ
    リコンウェハにより形成されることを特徴とする請求項
    2に記載の赤外線体温計。
  4. 【請求項4】 前記センサハウジングの先端内側には外
    向きに傾斜した内周面を有する入射角拡張部が形成され
    ることを特徴とする請求項2に記載の赤外線体温計。
  5. 【請求項5】 前記センサハウジングの後端には雄ネジ
    部が形成され、これに雌ネジ部が形成された固定ナット
    を羅合させることにより、前記本体に前記探針部を締結
    することを特徴とする請求項2に記載の赤外線体温計。
  6. 【請求項6】 前記センサハウジングの内部に配置され
    た前記赤外線センサは、キャップ、センシング素子、ス
    テム、及びリードフィンを有して構成され、前記キャッ
    プは、シリコンウェハにより構成されたフィルタを有し
    て構成されることを特徴とする請求項2に記載の赤外線
    体温計。
  7. 【請求項7】 前記赤外線センサの外周には外耳道周辺
    で発生する周辺熱を前記赤外線センサに伝達する金属材
    質の熱放散部材が配置され、前記センサハウジングの内
    部には外耳道周辺で発生する周辺熱を前記赤外線センサ
    に伝達して互いに熱交換が行なわれるようにするととも
    に、前記赤外線センサ及び前記熱放散部材をセンサハウ
    ジングの内部に固定する熱拡散部材が設けられることを
    特徴とする請求項6に記載の赤外線体温計。
  8. 【請求項8】 前記熱放散部材は銅により形成され、前
    記熱拡散部材はエポキシ樹脂により形成されることを特
    徴とする請求項7に記載の赤外線体温計。
  9. 【請求項9】 前記センサハウジングと前記赤外線セン
    サとの間には断熱部が形成されることを特徴とする請求
    項2から8のいずれか1項に記載の赤外線体温計。
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