JP2000139853A - 鼓膜温度計 - Google Patents

鼓膜温度計

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JP2000139853A
JP2000139853A JP10373200A JP37320098A JP2000139853A JP 2000139853 A JP2000139853 A JP 2000139853A JP 10373200 A JP10373200 A JP 10373200A JP 37320098 A JP37320098 A JP 37320098A JP 2000139853 A JP2000139853 A JP 2000139853A
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eardrum
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infrared
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JP10373200A
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English (en)
Inventor
Sanho Rin
三寶 林
Kyochin Go
享珍 呉
Shiyu Chin
志雄 沈
Chunan Chin
忠男 陳
Bunryo So
文良 曽
Shojin Ko
昭仁 江
淳方 ▲蕭▼
Junho Sho
▲芳▼徳 ▲蘇▼
Hotoku So
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Optotech Corp
Original Assignee
Optotech Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確度が高く,構造が簡単で,操作が便利な
鼓膜温度計を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる鼓膜温度計は,一または
複数の赤外線放射受信端(11)を有するハウジング
(1)と,赤外線放射受信端の近傍に設けられ,被検者
の耳道内に挿入可能な程度の寸法を有し,赤外線放射受
信端を介して入射した赤外線放射量に応じて第1信号を
出力する赤外線検出器(21)と,赤外線検出器の温度
を測定しその温度に応じて第2信号を出力する検出器温
度測定器とを有する赤外線感知装置(2)と,第1信号
及び前記第2信号に基づいて鼓膜温度(3)を算出し,
その温度値を出力する信号処理装置(4)とを備えてい
る。赤外線感知装置(2)を導波管なしに鼓膜近傍まで
持ってくることが可能なので,導波管に起因する誤差を
なくし,正確な測定が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,鼓膜温度計に関
し,特に人の鼓膜が発した赤外線を検出・分析すること
により,人の内部体温(internal tempe
rature)を測定する鼓膜温度計に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの病気について,その診断および処
置は,患者の内部体温を正確に測定することにより分析
可能である。従来,体温の測定方法として,水銀体温計
が最もよく使用されてきた。しかしながら,水銀体温計
は,多くの欠点を有している。まず,水銀体温計は,一
般にガラスで作られているため,内部体温測定時に口腔
または肛門に数分間にわたり挿入する必要があり,使用
者に不快感を与える。また,万が一水銀体温計が壊れた
り,割れたりしたような場合には,ガラス片により身体
を傷つけるおそれがあり,さらには水銀中毒のおそれも
ある。また,水銀体温計は,温度の読み取りが困難であ
り,頻繁に消毒する必要もある。また,使用後に水銀柱
の高さを底線に復帰させるために,体温計を降るなどす
る必要があり,使用者には不便なものであった。
【0003】水銀体温計は,上記のような欠点があるた
め,最近では,電子体温計が広く使用されるようになっ
てきている。一般的な電子体温計は,プローブを有し,
このプローブは導線を介して電子回路を含む分離ユニッ
ト(remoto unit)と接続される。プローブ
は,口腔または肛門に挿入される前に交換可能なキャッ
プで覆われる。電子体温計で体温を測定するには,通常
数十秒間,例えば30秒しか要しないため,測定に数分
間を要する水銀体温計よりも優れている。また,電子体
温計は測定値をディジタル方式で表示する表示部を備え
ているため,体温の読み取りは水銀体温計よりもはるか
に便利である。さらに,測定精度に関しても,電子体温
計の方が水銀体温計よりも優れている。また,使用時に
プローブが交換可能なキャップで覆われるので,同一の
電子体温計を消毒せずに繰り返し使用することが可能で
ある。
【0004】鼓膜温度は,より内部体温に近いため,医
療上は,口腔温度または肛門温度よりも,重要な意義が
あるといわれている。そのため,多くの鼓膜温度を測定
する装置および方法が開発されている。鼓膜が発する放
射を検出するための赤外線センサとして,一般に,焦電
センサ(pyroelectric sensor),
熱電堆センサ(thermopile senso
r),ボロメータ(bolometer)などが知られ
ている。従来の鼓膜温度計では,どの赤外線センサを使
用するにせよ,体温測定時に,赤外線センサが耳道の外
部に置かれる。したがって,鼓膜から発生された赤外線
を赤外線センサにまで導くための導波管を設ける必要が
ある。しかしながら,かかる導波管のために,体温測定
値の誤差および計算上の問題が生じていた。以下,導波
管が体温測定結果に与える影響について説明する。
【0005】鼓膜温度計は,赤外線放射を利用して体温
を測定しているため,全ての物体からの赤外線放射が測
定結果に影響を与える。例えば,導波管の内壁からの赤
外線放射もセンサに到達するので,誤差の原因となるこ
ともある。以下,従来の鼓膜温度計に生じる測定誤差に
ついて分析する。ここで,鼓膜温度,赤外線センサの温
度,及び導波管の内壁の温度を,それぞれTb,Td及
びTtとする。前述のように,従来の鼓膜温度計では,
赤外線センサが耳道の外部,すなわち室温環境の下に置
かれているので,赤外線センサの温度Tdは,室温セン
サによって測定することができる。その際に,室温セン
サは,赤外線センサと空間的に極めて近い位置に置かれ
るので,製作技術及び構成設計について適切に工夫すれ
ば,両センサの温度を一致させることができる。一方,
導波管の内壁温度Ttは,測定前は赤外線センサとほぼ
一致しているが,導波管が耳道に入れられた後では,下
記の二つの原因によってその温度Ttは赤外線センサの
温度Tdと違ってくる。(1)導波管の外壁が耳道と接
触し,耳道の温度が熱流により導波管の内壁に伝導す
る。(2)鼓膜に近い導波管の端が,鼓膜の赤外線放射
を受けることによって温度が上がり,導波管の温度が不
均一になる。理想的には,導波管の内壁の温度上昇δT
tはゼロであることが望ましい。すなわち,導波管の内
壁の温度Ttは,耳道に挿入される前の温度である室温
に保持されることが好ましい。かかる場合には,導波管
による測定上の誤差が生じない。但し,これは不可能で
ある。
【0006】導波管の内壁の温度上昇による誤差を改善
するため,例えば,米国特許第4602642号に開示
されている鼓膜温度計が挙げられる。この鼓膜温度計
は,主に,導線によって接続されているプローブユニッ
ト(probe unit)と,チョッパユニット(c
hopper unit)を備えている。前記プローブ
ユニットは,ハウジング,熱電堆で構成される赤外線セ
ンサ,導波管及び第1調節回路を含んでいる。前記ハウ
ジングは,第1調節回路によって所定の基準温度に保持
される。前記チョッパーユニットは,処理回路及び第2
調節回路を含んでいる。前記プローブユニットにおける
熱電堆及び第1調節回路は,前記導線で前記チョッパー
ユニットの処理回路に接続される。鼓膜温度を測定する
前に,プローブユニットとチョッパーユニットとは組み
合わせて使用され,そのとき,前記赤外線センサは,第
2調節回路によって所定の参考温度に保持された基準タ
ーゲットからの赤外線放射を検出する。前記処理回路
は,繰り返して赤外線センサの出力信号を受け入れ,そ
の信号を訂正データとして保存する。次いで,鼓膜温度
測定時には,使用者が手でプローブユニットを持ち,何
回か耳道に差し入れ,得られた赤外線センサの最大出力
値を,保存された訂正値と比較することによって鼓膜温
度を決める。このような鼓膜温度計は高い正確度を有す
るが,構成が複雑であるし,体温測定の操作も面倒であ
る。
【0007】その他,米国特許第4797840号に
は,導波管の温度が赤外線センサの温度と同一でない場
合に,鼓膜温度の計算式に訂正を加える方法が開示され
ている。以下,これについて説明する。前述したよう
に,理想的には,鼓膜温度計を耳道に差し入れて鼓膜温
度を測る際に,耳道の外に置かれている赤外線センサの
温度Tdは,ほぼ室温Taに等しく,導波管の内壁の温
度Ttは,上昇しない(耳道に差し入れられる前の室温
Taに保持される)。この条件では,鼓膜温度Tbの計
算式が非常に簡単である。もし赤外線センサは,熱電堆
によって構成され,その出力電圧はVoutとすれば,
下記の式が成り立つ。 Vout=K・(Tb−Ta) … (1) 上式において,Kは定数である。すなわち, Tb=(Vout/K+Ta1/4 … (2) ただし,導波管の内壁の温度Ttは上昇するので,式
(1)及び(2)は成立しない。従って,この発明で
は,式(1)の定数Kを室温Taの関数に置き換え,下
記の式(3)を得る。 Vout=f(Ta)・(Tb−Ta) … (3) 上式において, f(Ta)=a+aTa+aTa+aTa+…. … (4) 結果として,鼓膜温度Tbの計算式は非常に複雑にな
り,十分な解析度を得るためには,式(4)の右辺にお
いてかなりの項数を設定せねばならないので,計算は困
難になる。これは,この従来の技術における最大な欠点
である。
【0008】また,従来の鼓膜温度計においては,使用
時に,その赤外線感知装置を耳道の外に置いているの
で,鼓膜が発した赤外線を感知装置まで導く導波管は必
須部材であるが,この導波管は,誤差を導く重要な要因
でもある。かかる誤差は,欧陽盟氏の博士論文である
“放射体温計の分析及び設計”(1998年3月台湾の
交通大学へ博士学位の論文として提出されたもの)に掲
載されている。前記論文によれば,鼓膜温度の測定誤差
δTbは,導波管の内壁の温度変化量δTtに比例す
る。医療用体温計の場合には,体温の測定誤差δTb
は,0.1℃を超えないことが望ましい。これに基づ
き,内壁の温度の最大許容偏移δTtmは,体温の測定
誤差δTb=0.1℃の状態において,導波管の内壁の
温度変化量と定義される。図8は,前記論文の実験結果
を引用するものであり,この実験は,ある鼓膜温度計を
表わす回路を使用し,導波管の内壁の放射率と導波管の
長さを変数として,内壁の温度の最大許容偏移δTtm
を測定する。実験結果によれば,同一の放射率の条件
で,鼓膜温度の測定誤差も同一の場合,導波管は長けれ
ば長いほど,内壁の温度の最大許容偏移δTtmは,小
さくなる。従って,導波管は短ければ短いほど,鼓膜温
度の測定誤差は,小さくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記諸問題
点に鑑みて成されたものであり,赤外線感知装置を鼓膜
温度計の前端に設けるとともに,赤外線感知装置の寸法
を小さくすることにより,鼓膜温度計を耳道に差し入れ
て鼓膜温度を測る際に,その感知装置を鼓膜付近にまで
差し入れることが可能となり,導波管を省略することを
可能にし,その結果,導波管に起因する誤差を完全に無
くし,精度が高く,構造が簡単で,操作が便利な,新規
かつ改良された鼓膜温度計を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の第1の観点によれば,請求項1に記載のよ
うに,一または複数の赤外線放射受信端(11)を有す
るハウジング(1)と,前記赤外線放射受信端(11)
の近傍に設けられ,被検者の耳道内に挿入可能な程度の
寸法を有し,前記赤外線放射受信端(11)を介して入
射した赤外線放射量に応じて第1信号を出力する赤外線
検出器(21)と,前記赤外線検出器の温度を測定しそ
の温度に応じて第2信号を出力する検出器温度測定器
(22)と,を有する赤外線感知装置(2)と,前記第
1信号及び前記第2信号に基づいて鼓膜温度(3)を算
出し,その温度値を出力する信号処理装置(4)と,を
含むことを特徴とする鼓膜温度計が提供される。
【0011】かかる構成によれば,赤外線感知装置
(2)自体を被検者の耳道内に挿入し,鼓膜から発せら
れる赤外線放射を直接測定することが可能なので,導波
管を介して間接測定する従来装置に比較して,導波管に
起因する誤差が無くなり,より精度の高い鼓膜温度を測
定することが可能である。また,本発明によれば,赤外
線検出器(21)の温度を測定し,その温度に応じて第
2信号を出力する検出器温度測定器(22)が設けられ
ているので,使用時に赤外線検出器(21)自体の温度
が上昇した場合であっても,その温度上昇分を知ること
が可能であり,第2信号に基づいて,その温度上昇分を
補正してより精度の高い測定を行うことが可能である。
【0012】また,請求項2に記載のように,赤外線感
知装置(2)や後述の表示部(6)を駆動する電源
(5)をハウジング(1)内に収容する構成とすれば,
携帯にも便利な小型の鼓膜温度計を提供することが可能
となる。
【0013】また,請求項3に記載のように,ハウジン
グ(1)の表面に,信号処理装置(4)により算出され
た鼓膜温度の信号を表示する表示部(6)を設ければ,
使用者は簡単に鼓膜温度値を知ることが可能となり,使
用者の利便が図れる。
【0014】また,請求項4に記載のように,前記ハウ
ジング(1)と前記赤外線感知装置(2)との間に,両
者の熱伝導を防ぐ絶縁装置を設ければ,ハウジング外部
からの熱により測定結果が影響を受ける程度を最小限に
抑えることが可能である。なお,前記絶縁装置は,請求
項5に記載のように,ハウジングと赤外線感知装置との
間に設けられる支持スタッド(12)によって隔てられ
た空気エリアとして構成することが可能であり,かかる
構成によれば,簡便な構成で,イニシャルコストも低減
することができる。
【0015】また,前記赤外線放射検出器は,請求項6
に記載のように,例えば薄膜形成技術によって形成され
た熱電堆構造物とすることも可能であるし,あるいは,
請求項7に記載のように,ボロメータから構成すること
も可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に,添付図面を参照しなが
ら,本発明に係る鼓膜温度計の実施の一形態について詳
細に説明する。なお以下の説明及び添付図面において,
略同一の機能構成を有する部材については同一の符号を
付することにより重複説明を省略することにする。
【0017】図1に示すように,本発明に係わる鼓膜温
度計は,一又は複数の赤外線放射の受信端11を有する
ハウジング1を備えている。ハウジング1の前端には,
小型で,鼓膜3が発し,受信端11を介してハウジング
1内に入る赤外線放射を受信する赤外線感知装置2が設
けられている。そして,赤外線感知装置2は,その赤外
線の放射量に応じて第1信号を出力する赤外線放射検出
器21と,赤外線放射検出器21の温度を測定し,その
温度に応じて第2信号を出力する検出器温度測定器22
とを有している。さらに,ハウジング1内には,第1信
号及び第2信号を受信し,これらの信号に基づいて鼓膜
温度を算出し,その温度値を出力する信号処理装置4
と,電源としての電池5が収容されている。さらに,ハ
ウジング1の上部には,信号処理装置4により算出され
た鼓膜温度の信号を表示する表示部6が設けられてい
る。
【0018】さらに,本発明の別の観点にかかる鼓膜温
度計においては,ハウジング1及び赤外線感知装置2の
間に,両者の熱伝導を防ぐ絶縁手段が設けられる。この
絶縁手段としては,何らかの絶縁体を介装しても構わな
いが,図1に示す本実施の形態のように,ハウジング1
と赤外線感知装置2との間に設けられる支持スタッド1
2によって区画された空気エリアとして構成することが
可能である。
【0019】赤外線感知装置2は,耳道に差し入れるた
め,小さい寸法を有することが必要であり,これは現在
の技術で達成可能である。例えば,熱電堆によって構成
される赤外線放射検出器21と,抵抗によって構成され
る検出器温度測定器22とを同一チップで作成すること
ができる。以下,図2〜図5を参照しながら,熱電堆か
らなる赤外線放射検出器の構成及び製造工程に係わる具
体例を説明する。
【0020】図2は前記実施形態の構成を示す平面図で
あり,図3はその構成を示す断面図であり,図4はその
構成を示す立体図であり,図5はシリコン基板に対して
エッチングを行う前の図3に示す構造物の構成を示す断
面図である。
【0021】まず,図5に示すように,まず,シリコン
基板Sに,複数層の誘電材料からなる支持層D1が形成
される。次に,支持層D1の上に,それぞれゼーベック
(Seebeck)係数が正及び負である熱電対層T1
及びT2が形成される。図5に示す実施形態において
は,熱電対材料が二組あり,熱電対層T1及びT2の間
に誘電層Iが設けられている。図2に示すように,熱接
点h及び冷接点cはそれぞれ熱電対材料の内側及び外側
に形成される。その後,熱電対層T2の上に二層の誘電
材料を蒸着し,保護層D2を形成する。最後に,保護層
D2の上に,赤外線放射を吸収できる材料層Aを形成す
る。図2に示すように,熱電堆は,複数の熱電対を直列
接続することによって形成される。
【0022】次に,シリコン基板は,中間部が吊り薄膜
(suspended film)形状を成すように,
表面または裏面よりエッチングを行う必要がある。図3
は,表面エッチングによって作成された熱電堆構成を示
す断面図である。図4に示すように,熱電堆構造物の表
面には複数のエッチング窓が開かれ,これらのエッチン
グ窓を介し,シリコン基板に対して異方性エッチングす
ることにより,シリコン基板の中間部が吊るされるよう
な薄膜になる。
【0023】図2〜図5に示す実施形態に置いては,シ
リコン基板の表面からエッチングを行って吊り薄膜形状
を形成する構成を示したが,本発明はかかる例に限定さ
れない。例えば,シリコン基板の裏面からエッチングを
行い,図6に示すような熱電堆構造物を形成することも
可能である。さらに,また,そのシリコン基板をさらに
薄く加工し,図7に示すような熱電堆構造物を形成する
ことも可能である。
【0024】次に,上記のように構成された鼓膜温度計
の使用方法について簡単に説明すると,使用時に,使用
者は,図11に示すように,被検者の耳道内に鼓膜温度
計のハウジング1の赤外線放射受信端11を挿入する。
その後,不図示のスイッチをオンにすることにより測定
が開始される。鼓膜3から発せられる赤外線放射は,鼓
膜3の近傍にある赤外線放射受信端11を介して赤外線
感知装置21により感知され,赤外線感知装置21は感
知した赤外線照射量に応じた第1信号を信号処理装置4
に出力する。同時に,検出器温度測定器は,赤外線感知
装置21自体の温度を測定し,その温度に応じて第2信
号を信号処理装置4に出力する。信号処理装置4では,
赤外線照射量に応じた第1信号に対して,所定の関数あ
るいはテーブルに応じて第2信号により補正を行い,鼓
膜3から発生された赤外線放射量に応じて鼓膜温度を算
出する。このようにして測定された測定値は表示部6に
表示される。
【0025】なお,上記説明においては,赤外線放射受
信端11を被検者の耳道内に挿入した後に鼓膜温度計の
スイッチをオンにした例を示したが,測定を開始する前
に,スイッチをオンにして,周囲から発せられる赤外線
放射量を予め補正を基準データとして獲得し,その後測
定時に,該基準データに応じて補正を行うように構成し
ても良い。
【0026】以上のように,本実施の形態によれば,既
存の薄膜加工技術を利用して赤外線感知装置の寸法を極
めて小さくすることにより,鼓膜温度計に導波管が不要
になる。従って,導波管に起因する誤差が完全に無くな
り,精度が高く,構造が簡単で,操作が便利な鼓膜温度
計を提供することができる。
【0027】以上,添付図面を参照しながら,本発明に
かかる鼓膜温度計の好適な実施形態について詳細に説明
したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であ
れば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内
において各種の変更例または修正例に想到し得ることは
明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的
範囲に属するものと了解される。
【0028】例えば,本実施の形態においては,使用者
が手に握りやすいように,ガン形状のハウジングを採用
した実施例を示したが,本発明はかかる例に限定され
ず,各種形状のハウジングを採用することが可能であ
る。
【0029】また,ハウジングの前端の受信端11につ
いては,看者の耳道内に挿入されるものであるから,使
用時に耳道内を傷つけないように,ある程度の弾性を有
するラバー状の被覆が施されることが好ましい。
【0030】また,上記実施の形態においては,赤外線
放射検出器として,熱電堆構造物を採用した例を示した
が,本発明はかかる例に限定されず,赤外線放射検出器
をボロメータなどの赤外線放射検出器から構成すること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる鼓膜温度計における各部材と耳
の関係を示す縦断面図である。
【図2】熱電堆によって構成された赤外線放射検出器の
実施の一形態の概略的な構成を示す平面図である。
【図3】図2に示す熱電堆の断面構造を示す縦断面図で
ある。
【図4】図2に示す熱電堆の概略構成を示す見取図であ
り,本実施の形態にかかる吊り薄膜構造を点線で示して
いる。
【図5】図2に示す熱電堆の断面構造を示しており,エ
ッチング加工前の様子を示す縦断面図である。
【図6】熱電堆によって構成された赤外線放射検出器の
他の実施の形態の概略的な構成を示す縦断面図である。
【図7】熱電堆によって構成された赤外線放射検出器の
さらに他の実施の形態の概略的な構成を示す縦断面図で
ある。
【図8】鼓膜温度の測定誤差と導波管の長さとの関係を
示す模擬計算の結果である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 赤外線感知装置 3 鼓膜 4 信号処理装置 5 電池 6 表示部 11 受信端 12 支持スタッド 21 赤外線放射検出器 22 検出器温度測定器 A 材料層 c 冷接点 D1 支持層 D2 保護層 h 熱接点 I 誘電層 O,O’ 出力端子 S シリコン基板 T1,T2 熱電対層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沈 志雄 台湾新竹科学工業園区創新一路8号 光磊 科技股▲ふん▼有限公司内 (72)発明者 陳 忠男 台湾新竹科学工業園区創新一路8号 光磊 科技股▲ふん▼有限公司内 (72)発明者 曽 文良 台湾新竹科学工業園区創新一路8号 光磊 科技股▲ふん▼有限公司内 (72)発明者 江 昭仁 台湾新竹科学工業園区創新一路8号 光磊 科技股▲ふん▼有限公司内 (72)発明者 ▲蕭▼ 淳方 台湾新竹科学工業園区創新一路8号 光磊 科技股▲ふん▼有限公司内 (72)発明者 ▲蘇▼ ▲芳▼徳 台湾新竹科学工業園区創新一路8号 光磊 科技股▲ふん▼有限公司内 Fターム(参考) 2G066 AC13 BA08 BA09 BC15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一または複数の赤外線放射受信端を有す
    るハウジングと,前記赤外線放射受信端の近傍に設けら
    れ,被検者の耳道内に挿入可能な程度の寸法を有し,前
    記赤外線放射受信端を介して入射した赤外線放射量に応
    じて第1信号を出力する赤外線検出器と,前記赤外線検
    出器の温度を測定しその温度に応じて第2信号を出力す
    る検出器温度測定器と,を有する赤外線感知装置と,前
    記第1信号及び前記第2信号に基づいて鼓膜温度を算出
    し,その温度値を出力する信号処理装置と,を含むこと
    を特徴とする,鼓膜温度計。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングの中に設けられる電源を
    含むことを特徴とする,請求項1に記載の鼓膜温度計。
  3. 【請求項3】 前記ハウジングの表面に設けられ,信号
    処理装置に算出された鼓膜温度の信号を表示する表示部
    を含むことを特徴とする,請求項1または2に記載の鼓
    膜温度計。
  4. 【請求項4】 前記ハウジングと前記赤外線感知装置と
    の間に設けられ,両者の熱伝導を防ぐ絶縁装置を含むこ
    とを特徴とする請求項1,2または3のいずれかに記載
    の鼓膜温度計。
  5. 【請求項5】 前記絶縁装置は,ハウジングと赤外線感
    知装置との間に設けられる支持スタッドによって隔てら
    れた空気エリアであることを特徴とする請求項4に記載
    の鼓膜温度計。
  6. 【請求項6】 前記赤外線放射検出器は熱電堆で構成さ
    れることを特徴とする請求項1,2,3,4または5の
    いずれかに記載の鼓膜温度計。
  7. 【請求項7】 前記赤外線放射検出器はボロメータで構
    成されることを特徴とする請求項1,2,3,4または
    5のいずれかに記載の鼓膜温度計。
JP10373200A 1998-11-05 1998-12-28 鼓膜温度計 Pending JP2000139853A (ja)

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TW87118476 1998-11-05

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