JPH07178061A - 体温測定装置 - Google Patents

体温測定装置

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Publication number
JPH07178061A
JPH07178061A JP5327567A JP32756793A JPH07178061A JP H07178061 A JPH07178061 A JP H07178061A JP 5327567 A JP5327567 A JP 5327567A JP 32756793 A JP32756793 A JP 32756793A JP H07178061 A JPH07178061 A JP H07178061A
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JP
Japan
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temperature
infrared
infrared sensor
probe
pedestal
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Application number
JP5327567A
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Inventor
Masahiro Shiokawa
正弘 塩川
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】赤外線センサパッケージ内面等からの2次輻射
の影響を低減した、精度の高い真の鼓膜検温ができる体
温測定装置の提供。 【構成】赤外線センサ15が少なくとも2つの感温素子
を有し、一方の感温素子102には測定対象からの赤外
線を入射させ、他方の感温素子103への入射は遮断す
ることで感温素子103をリファレンスとして機能させ
る。また、赤外線センサ15は凹部を有する金属台座1
3の底部130に支持されており、金属台座13の熱容
量を大きくすることで、赤外線センサ15の表蓋11や
パッケージ内面からの2次輻射の影響を低減し、感温素
子102、103を測定対象からの赤外線以外において
は略同等の環境下におく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば鼓膜或いは外耳
道、体表面等を測定対象として温度を測定する非接触式
の体温測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、非接触で生体の皮膚温度を計
測する方法は既に商品化され、行なわれてきた。しか
し、体表面において計測された温度は環境温の影響を強
く受け、医療及び医学の分野で用いられる疾病の有無並
びに病状の経過並びに婦人の基礎体温等のスクリーニン
グを目的としたいわゆる体温とは性質を異としており、
かかる目的のために皮膚温度を用いることは不適切であ
る。
【0003】そこで、センサが非接触で体温を測定する
試みとして、米国特許第4,602,642号公報に見ら
れるような鼓膜を対象とした検温が行われるようになっ
た。ここで、鼓膜温の臨床的意義について述べておく。
体温とは生体の中で恒常性が保たれている核心温度を指
すが、視床下部はその核心温度を司る中枢であると考え
られている。解剖学的にみると、鼓膜の近くを体温中枢
である視床下部を潅流する内頚動脈が走っている。すな
わち、鼓膜と視床下部とは血流を共有しており、それぞ
れの温度変動の相関は極めて高いと言われている。
【0004】従って、鼓膜温は生体の温度中枢である視
床下部温を反映している部位として早くから注目されて
いたが、センサが接触式では鼓膜を傷つける恐れがある
として、一般的には測定されることはなかった。このよ
うな鼓膜損傷の危険性もなく、体温として適切な鼓膜温
が測定できるシステムは、輻射温度計測のもう一つの長
所である短時間温度計測が可能であるという点から、1
分ないしそれ以上の検温時間を必要とする接触式検温の
煩わしさを解放するものであった。なお、ここで短時間
とは数秒程度ないしそれ以下を指す。また、ここで検温
とは、体温をある代表値として読み取る一連の作業を指
し、体温の連続測定(モニタ)を指すものではない。
【0005】しかしながら、従来の赤外線輻射を利用し
た非接触式鼓膜体温計は、プローブを外耳道へ挿入する
ことによって生じる熱外乱に起因した測定誤差を低減す
るため、赤外線センサをプローブ先端から約15ないし
30mm奥まった位置に備え、赤外線センサ自身の急激
な温度変化を防ぐとともに、ライトガイドあるいは導光
管等と呼ばれる赤外線をプローブ先端から赤外線センサ
まで低損失で導くことのできる内面を金メッキ処理等施
した管を光学系として用いていた。一般的に、赤外線反
射率の大きな金等で皮膜した表面といえどもその表面の
赤外線吸収率、すなわちこれと等しい関係の赤外線の輻
射率は0ではない。このため、かかるライトガイドを用
いたプローブの外耳道挿入時においては、赤外線センサ
に急激な温度変化が生じない反面、ライトガイドには急
激な温度変化が生じ、ライトガイドと赤外線センサとの
間に大きな温度勾配が存在する結果となっていた。この
結果、赤外線センサが鼓膜等対象物からの輻射だけでな
く、ライトガイド内面等光学系からの余分な2次輻射を
も受けとることとなり、かかる余分な2次輻射成分によ
る計測誤差を生じ、体温計測装置として必要な±0.1
℃の許容誤差をはるかに越える、例えば±1℃の誤差を
生じたりするという問題点があった。
【0006】上記米国特許第4,602,642号公報で
はかかる問題点を解決するために、ライトガイドと一体
に組み込まれた赤外線センサを平常体温付近の温度約3
6.7℃に加熱制御し、計測時におけるライトガイドと
赤外線センサの温度分布を小さくしてライトガイドから
の2次輻射を低減するとともに、プローブと別体からな
り計測待機時にプローブと向かい合うターゲットをも同
様に温度制御し、その時の赤外線センサの出力をリファ
レンスデータとして参照することによって体温計として
の目標精度を確保しようとしている。
【0007】しかし、かかる構成では温度制御のために
複雑な構造を採る必要があり、またこのため電力を多く
消耗するので、1次電池の頻繁な交換が必要となるか、
または2次電池を用いた充電式にする必要があり、装置
が小型化できないといった問題点があった。
【0008】また、赤外線センサとライトガイドの加熱
制御を排除した構成も、特表昭62−503119号公
報、特表平3−501820号公報、米国特許第4,9
93,419号公報、米国特許第4,993,424号公
報、特開平2−35322号公報、実開平3−1232
34号公報、特開平4−242631号公報等数多くの
例が見られる。
【0009】特表昭62−503119号公報では、焦
電素子を赤外線センサとして用いているが、このため機
械的なシャッターが必要となり、構造が複雑になるばか
りでなく、ライトガイドの2次輻射に対しては何の解決
も施されず、大きな測定温度誤差を招く構成となってい
る。
【0010】特表平3−501820号公報や米国特許
第4,993,419号公報では、プローブ先端のライト
ガイド及びライトガイドに接続される赤外線センサに対
してプローブ外部との断熱を採る構造となっているが、
外耳道からの大きな熱流に対しては断熱が不十分で、構
造が複雑なだけで所定の精度が得られない構成となって
いる。
【0011】また、米国特許第4,993,424号公報
では、かかる赤外線センサ及びライトガイドのプローブ
外部からの断熱構造だけでは不十分なため、計測待機時
にプローブ先端部をピストル形本体にスライド収納する
と同時に較正用プレートによる赤外線センサの較正を行
い、プローブ先端部をある一定時間冷却しなければ次の
計測ができないような構成となっている。かかる構成
は、プローブ先端部の断熱構造に加えて、プローブを本
体に収納するためと収納時にセンサ前面に較正用プレー
トを回転配置するための複雑な構造を採る必要があり、
プローブ先端部の出し入れが面倒で使用しにくいだけで
なく、装置の小型化を阻むものであった。
【0012】特開平4−242631号公報では、前記
のような断熱構造を採った上で、プローブ部に連動した
マイクロスイッチによって外耳挿入時に測定を開始する
構成を採り、測定開始のタイミングと終了のタイミング
をほぼ揃えることによって、外耳からの熱伝導による熱
量が計測毎に概ね等しくなるようにして、ライトガイド
からの2次輻射量が毎回同程度になるように構成してい
る。かかる構成は、プローブ部がマイクロスイッチと連
動する必要があるため、本体部に対して微動できる複雑
な構造を採らなければならなかった。また、プローブ先
端に装着する衛生用カバーはプローブが動きやすいため
装着しにくく、更にカバー装着時に容易にスイッチがオ
ンして測定を開始してしまうため測定を1回待たなけれ
ばならなかった。
【0013】特開平2−35322号公報や実開平3−
123234号公報では、光学系であるライトガイドや
レンズからの2次輻射に対して、赤外線センサの温度を
知る温度センサの他に光学系の温度を知る別の温度セン
サを設けて、光学系からの2次輻射成分をステファン−
ボルツマン(Stefan−Boltzmann)の放
射則により補正を加える構成を採っている。かかる構成
では、光学系内に存在する温度分布に対しては多数の温
度センサを要するので現実的ではなかった。
【0014】以上の技術には、それぞれ前記したような
問題点があったが、いずれも少しでも検温時間が長びく
と外耳道からの大きな熱流によるライトガイド等の光学
系からの2次輻射が無視できない程大きくなるため、1
回限りの測定しかできず、連続的に鼓膜温を測定するこ
とができないという共通の問題点があった。
【0015】また、ライトガイドを用いた構成では、プ
ローブ先端から赤外線センサまで、できる限り低損失で
赤外線を導くため、赤外線センサへの赤外線入射角が広
い範囲にわたり結果的に赤外線センサの視野が広くなっ
てしまうので、鼓膜という限局された部位の温度を知る
ことができないという問題点があった。また、ライトガ
イドやレンズ等の光学系を用いた構成では、プローブ内
における光路(光軸)を一定にしておく必要があるため、
硬質なプローブ外筒からなり、個人差が大きく複雑に曲
がっている外耳道形状には合わず、十分に外耳道の奥ま
でプローブを挿入できなかった。このため、鼓膜すら赤
外線センサの視野内に捉えることができない恐れがあ
り、外耳道温しか測れない場合があるという問題点があ
った。
【0016】特開平2−234345号公報では、塩ビ
等の可撓性を有する材質からなるライトガイドによる構
成が示されているが、筒状物体を曲げるには限度があ
り、仮に曲がったとしても管の円形内断面形状が変形し
たり、管の内面にコーティングしている金等の赤外線反
射膜に亀裂や剥がれが生じ、精度面の特性を維持できな
かった。
【0017】ここで、解剖学的に鼓膜と外耳道との違い
を比較しておく。外耳道の周囲には、頭部等で加熱冷却
された静脈血が多くの静脈洞中に存在する。このため、
外耳道温は環境温に左右され易く、体温調節中枢である
視床下部温とは必ずしも一致しない。かかる外耳道温か
らの赤外線輻射を含んだ形での鼓膜温は、本来の意味に
おいて真の鼓膜温とは呼べない。
【0018】すなわち、従来の輻射を利用した非接触式
鼓膜体温計では、光学系等における熱外乱に起因する計
測誤差が大きいだけではなく、赤外線センサ及びこれに
関わる光学系の視野が広く、また、複雑に曲がっている
外耳道内にプローブを十分挿入できなかったので、環境
温の影響を受け易い外耳道温を含んだ形で赤外線輻射を
捉えてしまい、鼓膜温としての表示をするには不適切で
あるという問題点があった。また、このために臨床的に
も体温として用いることは疾病の状態を見誤る恐れ等が
あり危険であった。
【0019】以上のような問題を解決するためには、あ
る程度可撓性を有するプローブの先端部に赤外線センサ
を配置すれば良い。しかし、プローブ先端部近傍に赤外
線センサを配置した構造自身は公知であるものの、非接
触式鼓膜体温計においては、赤外線センサがライトガイ
ドを用いたものより更に厳しい熱環境下に曝されるた
め、赤外線センサの窓材やパッケージ内面からの2次輻
射の影響を無視することができなくなり、所定の計測精
度が得られないので、今日までかかる鼓膜体温計を実現
することができなかった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来例
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、赤
外線輻射を受ける非接触式鼓膜体温計において、前記赤
外線センサが良好な熱伝導性の基板と赤外線透過窓と蓋
とから一体に形成され、前記基板に支持される複数の熱
的な構造が略等しい構造体上に感温素子が形成され、前
記赤外線センサの視野が絞られ、前記赤外線センサが凹
部を有する台座によって該凹部の底部で支持され、前記
台座の熱伝導性が前記赤外線センサよりも実質的に大き
いことにより、赤外線センサの窓材やパッケージ内面か
らの2次輻射の影響を低減でき、赤外線センサを厳しい
熱環境下にあるプローブ先端部近傍に配置することがで
きるようになり、多様で複雑な外耳道形状に沿って挿入
できるような柔軟性を持つプローブにすることができ、
これによって精度の高い真の鼓膜検温や鼓膜温の連続測
定が可能となるような体温測定装置を提供することであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の体温測定装置は、以下の様な構成を備えてい
る。
【0022】すなわち、鼓膜及び/又は鼓膜近傍の外耳
道からの赤外線輻射を電気的信号として検出する赤外線
センサと、前記赤外線センサからの電気的信号を測定対
象温度に変換する変換手段と、前記測定対象温度を表示
する表示手段とを有し、前記赤外線センサは複数個の感
温素子を有し、前記複数個の感温素子の内少なくとも2
個以上が略同等の材質からなる構造体上に形成され、前
記構造体は赤外線を略透過する材質からなる蓋部材によ
って形成される密閉空間内に支持され、前記蓋部材の前
記構造体に対向する面に赤外線遮断部として働く赤外線
反射膜が部分的に設けられ、前記感温素子と前記構造体
と前記蓋部材とで構成される前記赤外線センサは凹部を
有する台座の凹部底部に接合され、前記台座の熱伝導性
が前記赤外線センサより実質的に大きく、前記赤外線セ
ンサと前記台座とからなる赤外線センサ組立体を外耳道
へ挿入するプローブ先端部に備える。
【0023】そして、好ましくは、赤外線センサはの赤
外線受光部は、視野が絞られていることを一態様とす
る。
【0024】また、好ましくは、赤外線センサは、2ケ
以上の略同等の構造体上に形成された赤外線遮蔽部温と
赤外線受光部温を感知する感温素子を有するボロメータ
であることを一態様とする。
【0025】更に好ましくは、基板部温を感知する感温
素子をも備えたボロメータであることを一態様とする。
【0026】また、好ましくは、赤外線センサは、基板
部温を検知する第1の感温素子及び赤外線受光部温のセ
ンサ基板部温からの温度変化分を検知する第2の感温素
子と赤外線遮蔽部温のセンサ基板部温からの温度変化分
を検知する第3の感温素子を有するサーモパイルである
ことを一態様とする。
【0027】また、好ましくは、赤外線センサは、フレ
キシブル基板(FPC)によって、電気的に配線されて
いることを一態様とする。
【0028】また、好ましくは、赤外線センサ組立体は
プローブ後方よりバネによって支持されてプローブ先端
部近傍に配置され、プローブ先端部は可撓性を有する材
料からなる。
【0029】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。
【0030】(実施例1)図1は、本発明の一実施例で
ある一体型鼓膜体温計の一部断面を示す概略図である。
【0031】図1において、1は例えばサーモパイルや
ボロメータのような赤外線センサ組立体、2はプローブ
筺体本体、3はプローブ先端フレキシブル部、4は信号
処理回路、5はスイッチ、6は温度等の表示部(LC
D)、7はブザー、8はセンサ1と信号処理回路4を電
気的に接続する信号線、9は赤外線センサ組立体1を支
持する支持部材で、コイルバネ等で形成されている。
【0032】赤外線センサ組立体1内の赤外線センサ1
5は、Siウェハをダイシングして得られるセンサチッ
プ10、と表蓋11と裏蓋12から成り、例えばセンサ
がボロメータである時には図2に示すような構造をと
る。
【0033】図2において、センサチップ10はシリコ
ンオキシナイトライド等の電気的絶縁体であり、熱伝導
性が低い材料から成る薄膜100を有し、この薄膜10
0は厚みが数μm、例えば3μm程度以下である。この
薄膜100は、単結晶シリコン100aが裏面に存在す
る基板部101と単結晶シリコン100aが裏面に存在
しない複数の、例えば2ケの赤外線感受構造体102,
103とから成る。この赤外線感受構造体102,10
3の熱容量が基板部101の熱容量と比べて非常に小さ
いため、赤外線輻射によるわずかな熱流によって赤外線
感受構造体102,103の温度は上昇する。
【0034】また、赤外線感受構造体102,103
は、略同等の構造を有し、材質も略同等であるが、表蓋
11に設けられた赤外線遮蔽膜112によって、一方は
対象物からの赤外線を検知する受光部102として機能
し、一方は対象物からの赤外線を検知しないリファレン
ス部103として機能する。かかる赤外線感受構造体1
02,103が、対象物からの赤外線を除いては略同等
の熱的な構造を有して、少なくとも一対備えられている
ので、リファレンス部103が無効信号分である赤外線
センサ内面における2次輻射をキャンセルすることがで
きる。かかる2次輻射成分のキャンセル機能については
後にも述べるが、構造的に重要な点は、対象物からの赤
外線を検知する受光部102と、対象物からの赤外線を
検知しないリファレンス部103の、立体角で全球状に
わたる光学的視野が略同等である点で、このためには赤
外線感受構造体102,103が図2に示したように略
同一平面上にある構造の方が好ましい。
【0035】これらの赤外線感受構造体上102,10
3には、それぞれ感温素子104,105が付いてい
る。感温素子104,105はサーミスタ、例えばスパ
ッタリング等によって得られるアモルファスシリコン
(a−Si)薄膜で、シリサイド(不図示)を介して、
例えばアルミニウム(Al)のような金属を蒸着したリ
ード線107にオーミックコンタクトされ、電極パッド
106へ電気的に導かれる。感温素子104,105
は、もちろんPN接合等の温度依存特性を有する電気的
素子でもかまわないし、サーモパイルを2組以上備えた
ものでもかまわない。ただし、2組のサーモパイルが赤
外線感受構造体上の感温素子である場合は、サーミスタ
のような単独で温度を測れる感温素子が別に少なくとも
一つ必要である。
【0036】また、ボロメータにおいても赤外線感受構
造体102,103の他に、基板部101上に少なくと
も1つの感温素子140を備えることができるが、この
ような感温素子140は、赤外線に実質的に感応しない
ので、赤外線センサ15全体の代表温度を測定でき、例
えば赤外線センサ15内面からの二次輻射の影響が極端
に大きい場合等を検出できるので、かかる場合は、計測
不能であることを示すアラームを発する等の情報として
用いることができる。
【0037】また、表蓋11は赤外線透過性が良好で、
かつ剛性を有する、例えばシリコン(Si)やゲルマニ
ウム(Ge)の単結晶のような材質から成り、センサチ
ップ10の赤外線構造体102,103と接触しないよ
うに、部分的にエッチング等によって薄くされた肉薄部
113を有し、肉薄部113以外の肉厚部114におい
てセンサチップ10の基板部101に電極パッド106
の部分を露出した形で接合されている。
【0038】更に、センサチップ10の受光部102に
対して光学的に赤外線を絞るために、表蓋11の表面に
部分的に実質的に不透明な材料、例えば金(Au)、銅
(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属を蒸着等によ
り得られるアパーチャ110を備えている。かかるアパ
ーチャ110は、図2に示したような表蓋11の外側表
面に限らず内側表面に備えていても良いし、両面に備え
ていてもかまわない。アパーチャ110により表蓋11
は、赤外線を透過する赤外線窓部111と赤外線を透過
しない赤外線遮断部112に分けられる。かかるアパー
チャ110によって、センサチップ10の受光部102
には、対象物のある目標点及び目標域の表面からの赤外
線のみが入射する。
【0039】また、表蓋11に用いられるSi等の材料
は、一般に表面での赤外線の反射が大きく、赤外線透過
率が小さいので、赤外線遮断部112以外の赤外線窓部
111に相当する部分には、例えば硫化亜鉛(ZnS)
やフッ化マグネシウム(MgF2)等からなる赤外線反
射防止膜を成膜するのが好ましい。
【0040】アパーチャ110によるセンサ1の視野角
は、狭ければ狭いほど対象物をスポットで捉えるのに良
いが、あまり狭すぎるとセンサ1のゲインが小さくなり
S/N比の点から望ましくなく、後述するように立体角
で0.068πsr(ステラジアン)以上、0.586
πsr以下であることが望ましい。なお、ここでsrは
立体角の単位で平面における角度(rad)が円弧の長
さ1をその半径rで除した1/rであるのと同様に、球
面上の面積Aをその半径Rの2乗で除したA/R2で求
められ、0.586πsrは光軸からの角度、すなわち
赤外線センサ受光面からみた、天頂角でπ/4(ra
d)に相当する。
【0041】センサチップ10は、表蓋11が接合され
ている反対の面に裏蓋12が接合されている。そして、
表蓋11、センサチップ10、裏蓋12の積層構造から
なる赤外線センサ15内部の空洞部は、外気に対して密
閉されている。なお、図2の実施例では、センサチップ
10と裏蓋12は別部材によって構成されているが、こ
れを一体に構成してもよい。更に、図2の実施例では表
蓋11がセンサチップ10の赤外線感受構造体102,
103に直接触れないように窓肉薄部113を備えてい
たが、センサチップ10の上下を逆にして、赤外線感受
構造体102,103が裏蓋12側に来るよう配置して
も良い。この場合は、赤外線感受構造体102,103
と裏蓋12が接しないように裏蓋12に肉薄部(不図
示)を備える必要があるが、表蓋11には必ずしも肉薄
部を備える必要はない。
【0042】赤外線センサ15は、実質的な密閉構造を
採るために、表蓋11、センサチップ10、裏蓋12の
各接合面において、陽極接合或いは半田等のろう材によ
る接合が行われる。かかる接合は積層構造要素間の熱結
合を良好にし、赤外線センサ15内面における温度分布
を小さくして、結果的に2次輻射の要因を低減すること
になる。
【0043】かかる密閉構造は内部にN2,Ne,H
e,Ar,Xe等の不活性ガスを封入したり、10-1
orr以下に減圧することにより、感温素子104,1
05の特性の経時変化を低減することができる。そし
て、不活性ガスの中でも原子番号の大きな物質ほど熱伝
導率が小さく、キセノン(Xe)等の封入は熱伝導率が
小さいために、熱型赤外線センサ15においては、赤外
線感受構造体102,103からガスへの熱の逃げを低
減でき、赤外線センサ15としての感度を向上させるこ
とができる。
【0044】また、かかる密閉構造をある略一定の真空
(減圧)度、例えば10-1Torr以下の真空に保て
ば、同様の意味においてより好ましい。熱型赤外線セン
サ15の感度と真空度の関係は既に知られていて、常温
において約10-1Torr〜約10-3Torrの間で真
空度を上げるに従い感度は大きくなるが、約10-3To
rr以下の真空では感度はほとんど変化しないので、真
空度が変化しても感度変化がほとんど生じないように、
少なくとも10-3Torr以下の真空度での密閉構造に
することが望ましい。
【0045】かかる真空密閉構造は、接合面におけるガ
スの漏れがないことと密閉構造内における放出ガスがほ
とんどないことが必要となるが、前者の点に関して前述
した陽極接合や半田接合が好ましく、後者の点に関して
も表蓋11,センサチップ10,裏蓋12が、結晶界面
にガスを多く含んだ多結晶体ではなく単結晶のSi等か
らなるので都合が良い。
【0046】また、かかる熱型赤外線センサ15の真空
(減圧)密閉構造は、サーミスタ等の感温素子104,
105の通電による自己加熱と放熱の関係による誤差が
問題となる恐れがあるが、本発明においては、受光部1
02とリファレンス部103が赤外線による輻射熱伝達
以外の面で略同等の熱構造を有しているため、感温素子
104,105の自己発熱に起因する計測誤差を生じる
ようなことは殆どない。
【0047】更に、裏蓋12は、センサチップ10が接
合されている反対の面において凹部を有する台座13の
凹部底面130に固定されている。台座13は、銅,ア
ルミニウム,銀等の金属、銅合金,アルミニウム合金,
銀合金,これらの合金の粉末体の焼結体等の熱伝導性が
良好な金属等の材質からなり、凹部を形成する台座先端
外周部131は、少なくとも赤外線センサ15の最前面
である表蓋11の表面よりプローブ前方へある所定長
さ、例えば1mm程度突き出している。また、赤外線セ
ンサ15の裏蓋12と台座13の凹部底面130とは、
半田等による接合を行うのが熱結合を良好にする意味に
おいて好ましい。かかる赤外線センサ15と台座13を
組み立てたものを以後赤外線センサ組立体1と呼ぶ。
【0048】赤外線センサ15の積層構造を形成する各
接合面や裏蓋12と台座13の接合面においては、陽極
接合であれば数100℃に加熱しながらSi−SiO2
間で数100kVの電圧を印加して接合できるように、
接合面のどちらかのSiウェハ上にあらかじめSiO2
等を形成する必要がある。また、半田接合であれば半田
の融点をやや越える温度で接合を行い、半田がウェハ表
面に濡れるようにあらかじめCu等を蒸着しておく必要
がある。もちろん、センサチップ10上での半田接合の
場合はリード線107が存在するので、短絡しないよう
に絶縁膜を少なくともリード線107部にかぶせ、その
上に半田接合用のCu等の蒸着を行う必要がある。ま
た、半田接合の場合は、Cu等の蒸着膜の上に、半田自
身をスパッタリング等の手法で成膜することもできる。
【0049】しかし、例えば全ての接合面を半田接合す
る場合、(C1)表蓋11−センサチップ10,(C
2)センサチップ10−裏蓋12,(C3)裏蓋12−
台座13,(C4)電極パッド106−FPC5のセン
サ側電極50(後述)の計4ケ所の接合を行う必要があ
るため融点の異なる半田を用意する必要があり、この場
合ある決まった接合手順と半田融点の組み合せにしてお
かなければならない。この一例を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】ところで、図14に本発明の赤外線組立体
1から台座13を除き、赤外線センサ15のみをプロー
ブ先端近傍に配置したときの外耳道挿入時におけるプロ
ーブ中心軸方向の温度分布を、図15に従来のキャンパ
ッケージの赤外線センサ16をプローブ先端近傍に配置
したときの外耳道挿入時におけるプローブ中心軸方向の
温度分布を示すように、一般に赤外線センサ15をプロ
ーブ先端近傍に備えた非接触式鼓膜体温計にあっては、
空気を介してのプローブ前面への大きな熱流が存在する
ため、プローブ軸方向に大きな温度分布が生じ、赤外線
センサ表蓋温度TWと感音素子部温度TSの温度差(TW
−TS)が大きくなる。したがって、赤外線センサ15
(図15においては16)の表蓋11(図15において
は窓17)からの2次輻射成分により計測誤差を生じる
ことになる。なお、図中において、TBは赤外線センサ
組立体後端部温度を表している。
【0052】かかる赤外窓からの2次輻射成分は、本発
明の赤外線センサ15においても、本来は熱構造が略同
等である受光部102とリファレンス部103から構成
されるので、基本的に表蓋11からの輻射も略同等とな
るはずである。しかし、表蓋11に設けたアパーチャ1
10により形成される赤外線を透過する赤外線窓部11
1と赤外線を透過しない赤外線遮断部112のそれぞれ
の輻射率が異なるため、赤外線センサ15がプローブ先
端近傍に備えられていて、表蓋11と赤外線感受構造体
102,103の温度差が極めて大きいような場合に
は、表蓋11から赤外線感受構造体102,103への
輻射が略同等とは見なせなくなり、表蓋11からの2次
輻射成分として無視できなくなる。
【0053】かかる、赤外窓からの2次輻射成分を低減
するためには、表蓋11に設けたアパーチャ110を絞
ることにより、同じ受光部102とリファレンス部10
3が視野の上から略同等の表蓋11の赤外線遮断部11
2を見込むようにするか、若しくは、表蓋11と赤外線
感受構造体102,103の温度差を小さくするかのど
ちらかである。前者の解決方法は、赤外線センサ15の
感度がたとえ十分に大きくても、2次輻射成分が低減す
るのと同様に対象物からの本来の信号成分も低減するこ
とになり、輻射成分に関するS/N比は変わらないので
意味がない。一方、後者の解決方法は、赤外線輻射の原
理からいえば妥当な方法で、赤外線センサ15を用いた
温度計測の基本である。
【0054】本実施例では、赤外線センサ15をプロー
ブ先端近傍に備えた鼓膜体温計において、前述したよう
な赤外線センサ15における積層構造自身並びに赤外線
センサ15と台座13との良好な熱結合、更に加えて良
好な熱伝導性を有する台座13の台座先端外周部131
とを備える。これにより、温度分布が元来小さくなるよ
うなシリコン(Si)等の熱伝導の良い材質からなる積
層構造の赤外線センサ15において、銅(Cu)等の更
に熱伝導の良い材質からなる台座13の台座先端外周部
131が存在することにより、プローブ前面からの熱流
が赤外線センサ15後部(裏蓋12側)へ回り込むこと
になり、台座先端部から台座後端部133までの温度差
は大きくても、部分的に赤外線センサ15の厚み部分に
おいては、温度差がほとんど生じない。かかる台座13
の台座先端外周部131は、従来の技術のライトガイド
と形状が似ているが、以上のような赤外線センサ15の
厚み部分での温度差を小さくするという役割を果たす点
において異なり、また、台座先端外周部131が赤外線
センサ受光部102の視野内に入らないようにしなけれ
ば意味がない点においても、両者は機能的に全く異なる
ものである。表蓋11のアパーチャ110によって赤外
線センサ受光部102の視野を限定するのが好ましいこ
とは前述したが、かかる視野角は、以上のようにセンサ
チップ10の受光部102、表蓋11のアパーチャ11
0並びに台座13の台座先端外周部131のサイズや位
置関係等から求められるものである。
【0055】また、かかる台座13の構造で重要なの
は、台座先端外周部131端面より赤外線センサ15前
面(窓表面)が奥まった位置に配置される点と台座13
の熱伝導性が赤外線センサ15の熱伝導性より良い点と
赤外線センサ15の厚みに比べて台座13の凹部底面1
30から台座後端部133までの長さが長く、台座13
の方が熱容量が大きい点である。本実施例においては、
かかる構造を採ることによって、図5に示すように、赤
外線センサをプローブ先端近傍に配置したときよりも表
蓋11と赤外線感受構造体102,103の温度差(T
W−TS)が低減するので、プローブを外耳道へ挿入した
際に生じる厳しい熱環境下においても表蓋11からの2
次輻射成分を無視することができ、計測誤差を低減でき
る。
【0056】また、センサチップ10の電極パッド10
6には、フレキシブルプリント基板(FPC)から成る
信号線5の一端であるセンサ側電極50がはんだ等によ
って電気的に結合されている。台座13の側面は、少な
くとも1面が面取りされていて面取り部132を形成し
て、これにより台座13の凹部底面130の少なくとも
一部が外側面に通じるような穴が形成されており、赤外
線センサ15の配線である信号線8がかかる穴を通して
プローブ筺体本体2まで導かれ、信号線8のもう一端に
よって信号処理回路4に接続されている。
【0057】本実施例では、図2に示したように台座1
3が台座先端外周部131と一体に形成されていたが、
図3のプローブ先端軸方向断面図に示すように台座13
と台座先端外周部131が別部材から構成されていても
よい。かかる構造の方が、側面が少なくとも1面面取り
されている台座13に、赤外線センサ15とFPC5を
取り付けた後に台座先端外周部131を取り付ければ良
いので組み立てやすい。ただし、この場合には台座先端
外周部131と台座13が十分に熱接触できるように、
はめ合わせの寸法精度に注意したり、熱伝導性の良い接
着剤や半田を用いる等しなければならない。また、台座
先端外周部131と台座13は別材質であってもよい
が、シリコン等からなる赤外線センサ15より実質的に
熱伝導性の良い材質、例えば銅とアルミニウム,銅合金
とアルミニウム,銅合金とアルミニウム,銀とアルミニ
ウム,銀と銅合金等のような組合せにすることが好まし
い。なお、台座先端外周部131と台座13はこれらの
金属,合金の粉末体の焼結体で構成することにより製造
が容易になる。
【0058】更に本発明における構造的に重要な点は、
赤外線センサ15の平面方向、すなわち赤外線感受構造
体102,103の中心部を結んだ方向に対して、熱伝
導あるいは熱伝導に起因した赤外線センサ15内面から
の2次輻射により温度分布が生じると、センサチップ1
0の受光部102と熱構造が略同等のリファレンス部1
03が、赤外線センサ15全体の温度変動や赤外線セン
サ15内面からの2次輻射に対するリファレンスとして
機能できないという点である。かかる問題点は、台座1
3及び赤外線センサ15自身の熱伝導率が大きいとはい
っても、赤外線センサ15をプローブ先端近傍に備えた
鼓膜体温計にあっては一般的に角型形状である赤外線セ
ンサ15の角が、台座先端外周部131に接触していた
りすると、対象物からの赤外線以外の周囲からの熱伝導
等による受光部102とリファレンス部103との温度
分布を生じる可能性があるので誤差を生じる恐れがあ
る。従って、上記した理由により、赤外線センサ15の
角は台座先端外周部131に直接接触しないように赤外
線センサ15を取り付けるのが好ましく、また、センサ
チップ10の受光部102とリファレンス部103が、
円柱台座13の中心及び面取り部132の面に対して対
称に配置するように取り付けるのが、プローブ円周方向
からの熱伝導をできるだけ均一化する意味においてより
好ましい。
【0059】本実施例においては、図1に示すように赤
外線センサ組立体1の台座13の後端部を支持部材9で
支持し、支持部材9はプローブ筺体本体2の先端部で固
定されている。なお、支持部材9としてはコイルバネ等
が好適に用いられる。この時、赤外線センサ15の配線
である信号線8は、支持部材9のコイル外側に配置され
ていてもよいし、もちろん図3に示すように支持部材9
のコイル内側に配線されていてもよい。かかる構成を採
ることにより、赤外線センサ組立体1とプローブ先端部
3の内壁との間に空隙を設け、プローブ円周方向からの
熱伝導を抑えることができるので、センサチップ10の
受光部102とリファレンス部103との間に熱伝導に
起因した温度分布を生じることがない。また、支持部材
9はバネ性を有し、且つ、熱伝導性の良い材質、例えば
リン青銅、ベリリウム銅等の銅合金等からなることが好
ましく、プローブ先端部3を外耳道へ挿入した際に赤外
線センサ組立体1へ流入した大きな熱流が、熱伝導の良
い支持部材9を介してプローブ筺体本体2側へ逃げるた
め、プローブ先端部3におけるプローブ軸方向の温度分
布を小さくできるようになる。すなわち、図5に示した
ようなプローブ構造における赤外線センサ15の表蓋1
1と赤外線感受構造体102,103との小さな温度差
(TW−TS)を、図6に示したように更に小さくできる
ので、表蓋11からの2次輻射成分をより低減すること
ができる。
【0060】また、上記のような理由により支持部材9
は熱伝導性が良好であれば、硬質な材料でもかまわない
が、赤外線センサ15をプローブ先端近傍に配置した鼓
膜体温計においては、板状または線状のコイルバネのよ
うな弾性材料等を用いることによりプローブ先端部3を
柔軟な材料からなるフレキシブルプローブとすることが
できる。これにより、個人差が大きく複雑に曲がってい
る外耳道形状に沿ってプローブ先端部3を無理なく挿入
することができるようになる。このようにプローブ先端
部3をフレキシブルにした場合は、前述したプローブ先
端部3と赤外線センサ組立体1との間に設けられた空隙
が押しつぶされ、プローブ円周方向からの熱流が不均一
になり、センサチップ10の受光部102とリファレン
ス部103との間に温度分布が生じる可能性があるの
で、プローブ先端部3の内壁面に部分的に3点以上の突
起31を設けて、プローブ先端部3の内壁面が赤外線セ
ンサ組立体1に面接触しないようにするのが好ましい。
かかる突起31によるプローブ先端部3と赤外線センサ
組立体1との隙間の確保は、赤外線センサ組立体1の側
面における断熱が目的であるから、隙間の部分に代わり
の断熱材、例えば発泡ウレタン等の合成樹脂等を用いて
もよい。
【0061】また、支持部材9と赤外線センサ組立体1
との接合は、簡便にねじ込み式にしても熱結合が良く好
ましいが、半田等のろう付けによる接合でも熱結合が更
に良くなるので好ましい。また、図1における実施例に
おいては、支持部材9をプローブ筺体本体2の先端部に
取り付けているが、支持部材9を固定するためのホルダ
(図6における90)を別に設け、ホルダをプローブ筺
体本体2の先端部に取り付けても良い。かかるホルダ
は、プローブ先端部3を外耳道へ挿入した時の熱流を、
支持部材9の後端部から十分に逃がすことができるよう
に、熱伝導が良く熱容量が大きな材料、例えばアルミニ
ウム(Al)、アルミニウム合金、銀、銀−タングステ
ン合金等を用いるのが好ましく、ホルダと支持部材9は
ねじ込み式等の接合を行うのが熱結合の点から好まし
い。
【0062】図4は、本実施例に関わる赤外線センサ1
5のセンサチップ10の部分平面図である。
【0063】このセンサチップ10は、センサ基板とし
てのシリコン基板(Siウェハ:厚さ200〜400μ
m)100aに空洞部100b(図2)が形成され、こ
の空洞部の表面側には架橋部(赤外線感受構造体)10
2,103が設けられている。この架橋部102(10
3)は、平面形状が例えば円形の赤外線感応部108a
と、この赤外線感応部108aを支持する2本の支持部
108bとにより構成されている。この赤外線感応部1
08a及び支持部108bは共に厚さ、例えば約3μm
のシリコンオキシナイトライド膜により一体的に形成さ
れている。感温素子104(105)は、温度変化によ
り電気抵抗値が変化するような物質、例えばアモルファ
スシリコン(a−Si)やアモルファスゲルマニウム
(a−Ge)により形成されている。この感温素子10
4,105には、それぞれアルミニウム等の金属で形成
された櫛形状の電極109a,109bが接続され、こ
れらの配線層109a,109bを通して信号処理回路
4に接続されている。
【0064】本実施例の赤外線センサ15では、対象物
から放射された赤外線は表蓋11の赤外線窓部111を
通して入射された後、受光部102の赤外線感応部10
8aにより受光される。この受光部102の赤外線感応
部108aで受光された赤外線(熱エネルギ)は感温素
子104に熱伝導し、これにより感温素子104の電気
抵抗値が変化する。この電気抵抗値は配線層109a,
109bの各端部に設けられた電極パッド106及び信
号線8を介して、信号処理回路4によりその時流れる電
流値または電圧値を測定することにより検出される。こ
の電流値または電圧値により対象物から放射された赤外
線量を知り、対象物の温度を知ることができる。
【0065】図7は、以上のような本発明の一実施例に
おける、信号処理回路3のブロック図の基本構成を示
す。
【0066】図7において、41は赤外線センサ15に
基準電圧を印加する基準定電圧電源、42は赤外線セン
サ15からの信号の増幅回路、43は増幅回路42から
のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回
路、44はA/D変換回路43からのデジタル信号を演
算処理して対象温度に変換し、次に述べるアルゴリズム
Sにより対象温度のピーク値をホールドする等の処理を
行う中央演算装置(CPU)である。また、CPU44
は、スイッチ6のオンオフを監視するとともにアルゴリ
ズムSに従って液晶表示部(LCD)7に対象温度を表
示し、ブザー8の発音を制御する。
【0067】次に、図8に示したフローチャートによっ
てアルゴリズムSと回路動作の一実施例を説明する。
【0068】図8においてスイッチ6がクリックされる
(S1)と、CPUに電源が供給され、初期チェック処
理(S2)、計測待機処理(S3)、ピーク計測処理
(S4)のアルゴリズムへ進み、スイッチ6がダブルク
リックされれば(S5)、スイッチオフとなる。
【0069】次に、図8における各アルゴリズムの詳細
を図9〜図11を用いて説明する。
【0070】図9は、初期チェックアルゴリズムS2の
フローチャートを示す。
【0071】図9において、スタート後、バッテリーチ
ェック(S10)、回路動作チェック(S11)を行
い、異常が無ければLCD7の全灯(S12)を行い表
示機能を確認できるようにする。バッテリーチェック
(S10)及び回路動作チェック(S11)においてエ
ラーが発見されればエラー表示(S14)を行い、ある
一定時間、例えば1分経過(S15)したら、自動的に
電源が切れる(S17)。また、エラー表示(S14)
後、例えば1分経過する前にスイッチ6をダブルクリッ
ク(S16)することによっても電源は切れる。ここ
で、何も異常が発見されず、LCD7の全灯(S12)
を行った後は、計測可能であることを示す計測マークの
表示点灯(S13)を行い、メインフローに戻る。
【0072】図10は、計測待機アルゴリズムS3のフ
ローチャートを示す。
【0073】図10において、スタート後、測定変数の
リセットを行い(S21)、スイッチ6の1回だけのク
リック(以後、シングルクリック)を監視する(S2
2)。ここで、シングルクリックが無い場合は、スイッ
チ6のダブルクリック(電源切り)の監視(S23)及
びバッテリーチェック(S24)を行った後、スイッチ
6を最後に操作してからの時間がある一定時間、例えば
10分以内であれば(S25)、再びスイッチのシング
ルクリックの監視(S22)へ戻る。スイッチ6を最後
に操作してからの時間が、例えば10分を越えた時は、
自動的に電源は切れる(S26)。前記、シングルクリ
ック監視(S22)→ダブルクリック監視(S23)→
バッテリーチェック(S24)→タイマー10分経過?
(S25)→シングルクリック監視(S22)という、
計測待機ループの中で、バッテリーチェック(S24)
でエラーが発見されれば、エラー表示(S27)を行
い、ある一定時間、例えば5分経過(S28)したら、
自動的に電源が切れる(S26)。エラー表示(S2
7)後、例えば5分以内であれば、ダブルクリック監視
(S23)に戻るので、ダブルクリックでも電源は切れ
る。前記計測待機ループの中で、シングルクリック(S
22)があれば、メインフローへ戻る。
【0074】図11は、ピーク計測アルゴリズムS4の
フローチャートを示す。
【0075】図11において、スタート後、ある一定時
間毎、例えば2秒毎に計測マークが点滅(S31)し、
データのサンプリング(S32)を行い、データから測
定対象温Tobjを推定する(S33)。かかる測定対象
温の推定は、あらかじめ、較正によって得られている温
度テーブルより導かれる(不図示)。推定された測定対
象温Tobjは時系列データとして、デジタルフィルター
を通して平滑化され、Tobj(AVE.)となる(S34)。
ここで得られたTobj(AVE.)と、これまでのピーク値T
objp(AVE.)の大小を判断(S35)して、Tobj(AVE.)
が大きければ、ピーク値としてTobjp(AVE.)を更新(S
39)する。この時LCD7への温度表示は、ある一定
時間毎、例えば0.5秒毎に更新(S40)され、それ
と同時にある一定時間、例えば0.2秒間ブザー8が鳴
る(S41)。スイッチ6が押され、ピーク計測アルゴ
リズムS4が開始されてからの時間がある一定時間、例
えば5秒経過しているか調べ(S36)、まだであれ
ば、計測マーク点滅(S31)に戻り、次のデータサン
プリングを続ける。計測終了時刻になっていれば、計測
マークが点灯し(S37)、ブサー8がある一定時間、
例えば1秒間鳴り(S38)、メインフローに戻る。
【0076】以上で1回の検温が終了し、ダブルクリッ
クがなければ再び計測待機アルゴリズムS3へ入る。
【0077】(実施例2)図12は本発明の他の実施例
で、プローブが温度表示部と分離している分離型の鼓膜
体温計を示す外観図である。
【0078】図12において、32はセパレートプロー
ブ、70は温度表示本体ケース、71は液晶(LCD)
等の表示部、72はスイッチである。51は温度表示本
体ケース70とセパレートプローブ32とを電気的に接
続するケーブルである。また、ケーブル51は未使用時
には本体ケース70内に収納しておくことができる。使
用時はセパレートプローブ32を引き出すことにより、
ある長さ、例えば30cmまで引き出すことができ、未
使用時はケーブル巻き取りキー73を押すことによって
ケーブル51を自動的に本体ケース70内に収納するこ
とができる。
【0079】上記のような温度表示本体ケース70と分
離したセパレートプローブ32により、計測値の表示を
見ながら体温を測定することができ、フレキシブルなプ
ローブ先端部3の挿入具合を微調整することができるの
で、外耳道のより適切な位置までプローブを挿入できる
ようになる。
【0080】(実施例3)図13は本発明の他の実施例
で、鼓膜体温計(モニタ)用として用いられるヘッドホ
ン形状のプローブを示す部分断面図である。
【0081】図13において、図1と同様の番号のもの
についての説明は省く。20はプローブ先端部3と嵌合
してプローブヘッド部背面を覆うプローブヘッド裏蓋、
22は外耳の耳介等に柔らかに当たる耳当て、21はプ
ローブ軸方向の位置合わせが容易にできるような、例え
ばネジ込みでプローブヘッド裏蓋20と固定され、柔軟
な材質からなる耳当て22を支持する耳当て支持部、2
3はヘッドホンケーブル53をプローブヘッド裏蓋20
から通すためのブッシュで、以上のプローブ部構造体を
まとめてプローブヘッド25と総称する。本実施例にお
けるヘッドホン状プローブは、一対のプローブヘッド2
5が弧状板弾性体(バネ)26に連結ピン24を用いて
接続され、弧状板弾性体26は、弧状板弾性体26の末
端に取り付けられているスライドガイド27により互い
にスライドして長さ調節ができるように接続されてい
る。
【0082】また、赤外線センサ15からの信号線8に
よる配線は、プローブヘッド25内で一度中継基板52
を介してヘッドホンケーブル53に接続され、1対のヘ
ッドホンケーブル53は、弧状のヘッドホン形状の任意
の場所においてケーブル中継部54を介して1本のモニ
タケーブル55にまとめられ、温度表示本体75まで電
気的に接続される。図13においては温度表示本体75
を示していないが、図12のように表示部71を備える
だけではなく、他の一般的出力装置であるアナログペン
レコーダ(不図示)や他の磁気媒体等に出力できるよう
な出力端子を備えていると更に好ましい。本実施例のよ
うな体温のモニタリングを目的とした場合、実施例1で
示したような図11のピーク計測アルゴリズムは意味が
なく、実計測値Tobjか、または平滑化されたTobj(A
VE.)を出力或いは表示できるようになっているのが
好ましい。
【0083】本実施例では、鼓膜温の連続計測のため
の、ヘッドホン状プローブと、両側の鼓膜温を計測する
ための1対の赤外線センサを備えているが、ここで、両
側の鼓膜温のモニタの意味について述べておく。
【0084】赤外線輻射を利用した体温計は、赤外線セ
ンサの短い熱応答時定数により、短時間の体温計測が可
能であるが、同様の意味において、鼓膜温モニタも赤外
線センサの短い時定数が特徴となり、例えば低体温麻酔
時の急激な温度変化に対しても1秒以下の遅れで計測が
可能となる。尚、ここで、低体温麻酔時の急激な温度変
化とは、1℃/分前後を指す。本発明のプローブ先端部
近傍における赤外線センサ組立体の構造は、かかるプロ
ーブ先端部周囲の熱環境の急変(急冷)に対しても、有
用で体温の連続測定装置としての精度を損なうことはな
い。また、視床下部と血流を共有する鼓膜温の両側のモ
ニタは、術中における片側または一部の脳循環不全を監
視する意味において、片側だけの脳温モニタでは不十分
な場合があるため、臨床の現場では有用である。
【0085】図13における実施例では、かかる鼓膜温
モニタの意義を背景に、赤外線センサをプローブ先端近
傍に配置したフレキシブルプローブを備える一対のプロ
ーブヘッドを、両耳に挟み込めるようなヘッドホン形状
にすることにより、プローブを安定して装着できるよう
になる。また、プローブ先端部3が柔軟な材質からなる
とともに、耳当て22が、例えば発泡ウレタン等の軟質
材からなるため、ヘッドホン状プローブの長時間装着に
対しても違和感や抵抗感を低減することができるので好
ましい。
【0086】また、ヘッドホン状プローブの片側のプロ
ーブヘッド25を、赤外線センサを備えない単なる耳当
て22の支持部材にして、片側だけの鼓膜温モニタにし
てもかまわない。両側の鼓膜温をモニタする場合は、両
側の赤外線センサの特性が揃っていることが望ましく、
同一ロットの赤外線センサを用いること等により、両側
の赤外線センサの特性の違いによる測定誤差を小さくす
ることが好ましい。
【0087】(実施例4)図16は、本発明の他の実施
例を示すもので、キャンパッケージを用いているが、蓋
11は、センサチップ10に直接接合され、ワイヤー1
8が樹脂モールド19により保護されたものである。
【0088】上述の実施例の説明では、本発明の好適な
実施例のみを示した。様々な態様が、本明細書に記載の
特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲か
ら逸脱することなく実施可能であることは当業者には明
らかである。それ故に、本発明はここで示され説明され
た実施例のみに限定されるものではない。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、鼓膜及び
/又は鼓膜近傍の外耳道からの赤外線輻射を電気的信号
として検出する赤外線センサと、前記赤外線センサから
の電気的信号を測定対象温度に変換する変換手段と、前
記測定対象温度を表示する表示手段とを有し、前記赤外
線センサは複数個の感温素子を有し、前記複数個の感温
素子の内少なくとも2個以上が略同等の材質からなる構
造体上に形成され、前記構造体は赤外線を略透過する材
質からなる蓋部材によって形成される密閉空間内に支持
され、前記蓋部材の前記構造体に対向する面に赤外線遮
断部として働く赤外線反射膜が部分的に設けられ、前記
感温素子と前記構造体と前記蓋部材とで構成される前記
赤外線センサは凹部を有する台座の凹部底部に接合さ
れ、前記台座の熱伝導性が前記赤外線センサより良く、
前記赤外線センサと前記台座とからなる赤外線センサ組
立体を外耳道へ挿入するプローブ先端部に備えるように
したことにより、赤外線センサパッケージ内面等からの
2次輻射の影響を低減でき、赤外線センサ組立体を厳し
い熱環境下にあるプローブ先端部近傍に配置することが
できるようになり、多様で複雑な外耳道形状に沿ってよ
り深く挿入できるような柔軟性を持つプローブにするこ
とができ、これによって精度の高い真の鼓膜検温や鼓膜
温の連続測定ができる体温測定装置を提供することがで
きる。
【0090】また、赤外線センサを、2ケ以上の略同等
の構造体上に形成された赤外線遮蔽部温と赤外線受光部
温を感知する感温素子を有するボロメータとすることに
より、焦電素子を用いた場合のような機械的なシャッ
タ、チョッパ等が不要になり、プローブ構造が単純にで
き、赤外線センサをプローブ先端近傍に配置できる小型
の赤外線センサが得られる。
【0091】また、赤外線センサを、基板部温を検知す
る感知する第1の感温素子及び赤外線受光部温のセンサ
基板部温からの温度変化分を検知する第2の感温素子と
赤外線遮蔽部温のセンサ基板部温からの温度変化分を検
知する第3の感温素子を有するサーモパイルとすること
により、焦電素子を用いた場合のような機械的なシャッ
タ、チョッパ等が不要になり、プローブ構造が単純にで
き、赤外線センサをプローブ先端近傍に配置できる小型
の赤外線センサが得られる。
【0092】また、基板部温を、感知する感温素子をも
備えたボロメータとすることにより、赤外線センサ内面
からの2次輻射の影響を実質的に受けない基板温度を検
出できるので、極端に急激な温度変動に赤外線センサが
さらされた時等に2次輻射が大きすぎて計測不能である
ことを示すための判断基準として用いることができる。
【0093】また、赤外線センサをフレキシブル基板に
より電気的に配線することにより、赤外線センサの配線
が容易になり、プローブ先端部の構造を柔軟な材質で構
成できる。
【0094】また、赤外線センサ組立体を、プローブ後
方より弾性部材で支持されてプローブ先端部近傍に配置
されるようにし、プローブ先端部を可撓性を有する材料
で形成したことより、プローブを、個人差の大きい外耳
道に沿って容易に挿入でき、センサ視野を鼓膜に向けや
すくなり、測定精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である一体型鼓膜体温計の全
体図(部分断面図)である。
【図2】本発明の一実施例の赤外線センサ組立体構造図
(部分断面)である。
【図3】本発明の他の実施例のプローブ先端部の断面図
である。
【図4】本発明の前記実施例の赤外線センサに備えられ
た赤外線感受構造体の平面図である。
【図5】本発明の実施例におけるプローブ先端概略断面
図と外耳道挿入時におけるプローブ中心軸方向の温度分
布を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例におけるプローブ先端概略
断面図と外耳道挿入時におけるプローブ中心軸方向の温
度分布を示す図である。
【図7】本発明の一実施例におけるブロック図である。
【図8】本発明の前記実施例におけるメインフローチャ
ートである。
【図9】図8のメインフロー中の初期チェックアルゴリ
ズムを示すフローチャートである。
【図10】図8のメインフロー中の計測待機アルゴリズ
ムを示すフローチャートである。
【図11】図8のメインフロー中のピーク計測アルゴリ
ズムを示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施例である分離型鼓膜体温計
の全体外観図である。
【図13】本発明の他の実施例である鼓膜温モニタ用の
ヘッドホン状プローブの部分断面図である。
【図14】赤外線センサのみをプローブ先端近傍に配置
したときのプローブ先端概略断面図と外耳道挿入時にお
けるプローブ中心軸方向の温度分布を示す図である。
【図15】従来のキャンパッケージの赤外線センサをプ
ローブ先端近傍に配置したときのプローブ先端概略断面
図と外耳道挿入時におけるプローブ中心軸方向の温度分
布を示す図である。
【図16】本発明の他の実施例である分離型鼓膜体温計
の部分断面図である。
【符号の説明】
1 赤外線センサ組立体 2 プローブ本体 3 プローブ先端部(フレキシブル) 9 支持部材 10 センサチップ 11 表蓋 12 裏蓋 13 台座 15 赤外線センサ 31 突起 100 薄膜 101 基板部 102 赤外線感受構造体(受光部) 103 赤外線感受構造体(リファレンス部部) 104,105 感温素子 108a 赤外線感応部 108b 支持部 109a,109b 電極部 110 アパーチャ 111 赤外線窓部 112 赤外線遮断部 130 凹部底面 131 台座先端外周部 Tw 窓部温度、 Ts 感温素子部温度、 TB 赤外線センサ組立体後端部温度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鼓膜及び/又は鼓膜近傍の外耳道からの
    赤外線輻射を電気的信号として検出する赤外線センサ
    と、 前記赤外線センサからの電気的信号を測定対象温度に変
    換する変換手段と、 前記測定対象温度を表示する表示手段とを有する体温測
    定装置において、 前記赤外線センサは複数個の感温素子を有し、 前記複数個の感温素子の内少なくとも2個以上が略同等
    の材質からなる構造体上に形成され、 前記構造体は赤外線を略透過する材質からなる蓋部材に
    よって形成される密閉空間内に支持され、 前記蓋部材の前記構造体に対向する面に赤外線遮断部と
    して働く赤外線反射膜が部分的に設けられ、 前記感温素子と前記構造体と前記蓋部材とで構成される
    前記赤外線センサは凹部を有する台座の凹部底部に接合
    され、 前記台座の熱伝導性は前記赤外線センサよりも良く、 前記赤外線センサと前記台座とからなる赤外線センサ組
    立体を外耳道へ挿入するプローブ先端部に備えることを
    特徴とした体温測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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