JPH0666611A - 熱式流量センサ - Google Patents
熱式流量センサInfo
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- JPH0666611A JPH0666611A JP4221094A JP22109492A JPH0666611A JP H0666611 A JPH0666611 A JP H0666611A JP 4221094 A JP4221094 A JP 4221094A JP 22109492 A JP22109492 A JP 22109492A JP H0666611 A JPH0666611 A JP H0666611A
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- Japan
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- film
- substrate
- protective film
- thin film
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Abstract
(57)【要約】
【構成】表面に凹凸を設けた絶縁性基板11の凸部上面
のみに温度依存性の抵抗体薄膜12aを設け、少なくと
も該抵抗体薄膜が形成されている面に抵抗体を保護する
保護膜14を設け、前記抵抗体に電極取付け端子13を
設けたことを特徴とする熱式流量センサ。 【効果】基板に設けた凹凸の凸部上面にのみ抵抗体薄膜
を形成したことにより、保護膜の被覆信頼性並びにセン
サとしての応答性を向上することができる。
のみに温度依存性の抵抗体薄膜12aを設け、少なくと
も該抵抗体薄膜が形成されている面に抵抗体を保護する
保護膜14を設け、前記抵抗体に電極取付け端子13を
設けたことを特徴とする熱式流量センサ。 【効果】基板に設けた凹凸の凸部上面にのみ抵抗体薄膜
を形成したことにより、保護膜の被覆信頼性並びにセン
サとしての応答性を向上することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度センサ、空気流量セ
ンサ等の温度による抵抗変化を利用した熱式流量センサ
に関するものである。
ンサ等の温度による抵抗変化を利用した熱式流量センサ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、発熱抵抗体からの熱放散量を出力
信号とする熱式流量センサとして熱線式(ホットワイヤ
式)流量センサが知られている。
信号とする熱式流量センサとして熱線式(ホットワイヤ
式)流量センサが知られている。
【0003】この熱線式流量センサは、アルミナ等の絶
縁体の円筒の表面に白金等の細い金属線を抵抗体として
巻回し、該抵抗体の両端を白金イリジウム等の棒状のリ
ードに接続し、該リード部をターミナルに固定する構造
のものが知られている。
縁体の円筒の表面に白金等の細い金属線を抵抗体として
巻回し、該抵抗体の両端を白金イリジウム等の棒状のリ
ードに接続し、該リード部をターミナルに固定する構造
のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の巻線式の熱式流
量センサでは、前記のように金属線の巻回工程を含むた
めどうしても生産性が劣り、かつ、高価な白金線を用い
ているためにコスト高になると云う欠点があった。
量センサでは、前記のように金属線の巻回工程を含むた
めどうしても生産性が劣り、かつ、高価な白金線を用い
ているためにコスト高になると云う欠点があった。
【0005】こうした従来の熱式流量センサの欠点を改
良すべく、絶縁体として平板状の基板面に温度依存性を
示す薄膜抵抗体を形成し、その電極端子をターミナルに
接合する形式の熱式流量センサが検討されている。
良すべく、絶縁体として平板状の基板面に温度依存性を
示す薄膜抵抗体を形成し、その電極端子をターミナルに
接合する形式の熱式流量センサが検討されている。
【0006】平板状の熱式流量センサの応答特性を向上
させるには、抵抗体を形成する平板状基板の熱容量を小
さくして放熱を良くし、流量変化に対する抵抗体の応答
時間を速くすることにある。また、抵抗体上に形成され
る保護層の膜厚を薄くして、断熱効果を小さくする等が
考えられる。
させるには、抵抗体を形成する平板状基板の熱容量を小
さくして放熱を良くし、流量変化に対する抵抗体の応答
時間を速くすることにある。また、抵抗体上に形成され
る保護層の膜厚を薄くして、断熱効果を小さくする等が
考えられる。
【0007】流体に対して放熱を良くするための一つの
手段として、アルミナ等の絶縁基板面に凹凸を形成しそ
の上に白金の抵抗体薄膜を形成し、基板寸法を大きくせ
ずに抵抗体の表面積を増して放熱効果を向上させる方法
が提案されている(特開平2−281703号公報)。
しかし、この方法ではアルミナ基板に形成された凹凸面
の全面に抵抗体薄膜の微細パターンを形成することは容
易でない。
手段として、アルミナ等の絶縁基板面に凹凸を形成しそ
の上に白金の抵抗体薄膜を形成し、基板寸法を大きくせ
ずに抵抗体の表面積を増して放熱効果を向上させる方法
が提案されている(特開平2−281703号公報)。
しかし、この方法ではアルミナ基板に形成された凹凸面
の全面に抵抗体薄膜の微細パターンを形成することは容
易でない。
【0008】また、前記抵抗体の膜厚はその目的に応じ
て異なるが、0.1〜10μm程度の範囲内のものが多
い。特に、膜厚の薄いものでは前記基板面に形成した凹
凸によって生じるエッジ部における膜厚が薄くなり、そ
れに基づく抵抗値の変化や膜切れが発生し易い。同様
に、保護膜には加熱⇔冷却による熱応力が局所的に加わ
りそれに基づくクラックが発生し易い。こうした対策と
して、抵抗体の膜厚と保護膜の膜厚をある程度厚くする
ことが考えられるが、特に、保護膜を厚くすると断熱効
果が大きくなりセンサとしての応答性低下の原因とな
る。
て異なるが、0.1〜10μm程度の範囲内のものが多
い。特に、膜厚の薄いものでは前記基板面に形成した凹
凸によって生じるエッジ部における膜厚が薄くなり、そ
れに基づく抵抗値の変化や膜切れが発生し易い。同様
に、保護膜には加熱⇔冷却による熱応力が局所的に加わ
りそれに基づくクラックが発生し易い。こうした対策と
して、抵抗体の膜厚と保護膜の膜厚をある程度厚くする
ことが考えられるが、特に、保護膜を厚くすると断熱効
果が大きくなりセンサとしての応答性低下の原因とな
る。
【0009】また凹凸を有する基板全面に抵抗体薄膜を
均一に形成後、凹部内壁面も含めて微細な抵抗パターン
を高精度に形成することは容易でない。
均一に形成後、凹部内壁面も含めて微細な抵抗パターン
を高精度に形成することは容易でない。
【0010】こうした平板状の熱式流量センサにおい
て、高い応答特性を得るため抵抗体素子を測定流体の流
れ方向に直交させて取付けた場合、その感度は最も高く
なるが、流体中の異物が抵抗面に付着する、例えば、自
動車等のエンジンの吸気量測定に用いる場合、エアクリ
ーナでろ過された空気中に含まれる微細なダストや油
滴、あるいはエンジン側からのカーボン粒子等が付着し
易く測定精度が低下すると云う問題がある。これは、エ
ンジンの制御に誤差を生じる。
て、高い応答特性を得るため抵抗体素子を測定流体の流
れ方向に直交させて取付けた場合、その感度は最も高く
なるが、流体中の異物が抵抗面に付着する、例えば、自
動車等のエンジンの吸気量測定に用いる場合、エアクリ
ーナでろ過された空気中に含まれる微細なダストや油
滴、あるいはエンジン側からのカーボン粒子等が付着し
易く測定精度が低下すると云う問題がある。これは、エ
ンジンの制御に誤差を生じる。
【0011】前記異物の付着を最小限に抑制するために
抵抗体素子を流体の流れ方向と平行に取付けるのが好ま
しいが、放熱性が悪くなるために応答特性の高いものが
要求される。
抵抗体素子を流体の流れ方向と平行に取付けるのが好ま
しいが、放熱性が悪くなるために応答特性の高いものが
要求される。
【0012】本発明の目的は、平板状の熱式流量センサ
の前記課題を解決し、応答特性の優れた平板状の熱式流
量センサを提供することにある。
の前記課題を解決し、応答特性の優れた平板状の熱式流
量センサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の要旨は、表面に凹凸を設けた絶縁性基板の凸部上面
のみに温度依存性の抵抗体薄膜を設け、少なくとも該抵
抗体薄膜が形成されている面に抵抗体を保護する保護膜
を設け、前記抵抗体に電極取付け端子を設けたことを特
徴とする熱式流量センサにある。
明の要旨は、表面に凹凸を設けた絶縁性基板の凸部上面
のみに温度依存性の抵抗体薄膜を設け、少なくとも該抵
抗体薄膜が形成されている面に抵抗体を保護する保護膜
を設け、前記抵抗体に電極取付け端子を設けたことを特
徴とする熱式流量センサにある。
【0014】また、前記表面に凹凸を設けた絶縁性基板
の凹部内壁面が傾斜して構成されており、その傾斜角度
が基板面の法線に対して10〜60度である熱式流量セ
ンサにある。
の凹部内壁面が傾斜して構成されており、その傾斜角度
が基板面の法線に対して10〜60度である熱式流量セ
ンサにある。
【0015】上記の基板面に設けられた凹凸は、センサ
の使用目的に応じて形成することができるが、凹部の深
さで1〜50μm、幅1〜200μmのものが一般的で
ある。
の使用目的に応じて形成することができるが、凹部の深
さで1〜50μm、幅1〜200μmのものが一般的で
ある。
【0016】上記熱式流量センサの基板としては、アル
ミナ、SiC等のセラミック絶縁体が用いられ、その厚
さは0.1〜0.2mmのものが一般的である。該基板面
に白金、ニッケル等の温度依存性の抵抗体をスパッタ、
蒸着、めっき法またはペースト印刷法等の手段により、
目的に応じた任意のパターン状に抵抗体を形成すること
ができる。なお、一般には抵抗体薄膜の膜厚としては
0.1〜10μmが好ましい。
ミナ、SiC等のセラミック絶縁体が用いられ、その厚
さは0.1〜0.2mmのものが一般的である。該基板面
に白金、ニッケル等の温度依存性の抵抗体をスパッタ、
蒸着、めっき法またはペースト印刷法等の手段により、
目的に応じた任意のパターン状に抵抗体を形成すること
ができる。なお、一般には抵抗体薄膜の膜厚としては
0.1〜10μmが好ましい。
【0017】また、抵抗体薄膜として白金を使用する場
合は、白金自体が極めて安定なため接着強度を得るに
は、抵抗体薄膜を形成する基板面を粗化するのが好まし
い。
合は、白金自体が極めて安定なため接着強度を得るに
は、抵抗体薄膜を形成する基板面を粗化するのが好まし
い。
【0018】抵抗体薄膜を形成後、その上に被覆する保
護膜としては、例えば、SiO2、Al2O3、ガラス等
が用いられ、該保護膜形成時に既に形成されている抵抗
体薄膜に影響を及ぼさず、かつ、使用条件で溶融,軟化
等の恐れがないものであれば特に制限されない。なお、
保護膜の膜厚は、センサとしての応答性の点からは薄い
ほどよいが、0.5〜10μmが望ましい。
護膜としては、例えば、SiO2、Al2O3、ガラス等
が用いられ、該保護膜形成時に既に形成されている抵抗
体薄膜に影響を及ぼさず、かつ、使用条件で溶融,軟化
等の恐れがないものであれば特に制限されない。なお、
保護膜の膜厚は、センサとしての応答性の点からは薄い
ほどよいが、0.5〜10μmが望ましい。
【0019】
【作用】本発明によれば絶縁体の基板面に形成された凹
凸の凸部にのみ抵抗体を形成し、上記凹部も含めた全表
面に保護膜を形成することにより、該保護膜の信頼性を
高めることができる。その理由は、保護膜がセラミック
製の絶縁基板と前記凹部において直接接触しているため
に密着性が優れ、その結果、抵抗体の形成により生じた
エッジ部においても欠陥のない保護膜が形成できるため
と考える。
凸の凸部にのみ抵抗体を形成し、上記凹部も含めた全表
面に保護膜を形成することにより、該保護膜の信頼性を
高めることができる。その理由は、保護膜がセラミック
製の絶縁基板と前記凹部において直接接触しているため
に密着性が優れ、その結果、抵抗体の形成により生じた
エッジ部においても欠陥のない保護膜が形成できるため
と考える。
【0020】また、前記凹部内壁面を傾斜させたもので
は、よりエッジ部の欠陥がない保護膜を形成することが
できるので、高信頼性の熱式流量センサを得ることがで
きるものと考える。
は、よりエッジ部の欠陥がない保護膜を形成することが
できるので、高信頼性の熱式流量センサを得ることがで
きるものと考える。
【0021】前記保護膜の信頼性が向上することによ
り、該保護膜の膜厚を小さくできるので、抵抗体の放熱
特性あるいは加熱特性が良好となり測定精度を向上する
ことができる。
り、該保護膜の膜厚を小さくできるので、抵抗体の放熱
特性あるいは加熱特性が良好となり測定精度を向上する
ことができる。
【0022】
【実施例】図1は、試験に供した抵抗体素子の模式断面
図である。これを用いて基板面形状と保護膜の被覆性と
の関係を調べた。
図である。これを用いて基板面形状と保護膜の被覆性と
の関係を調べた。
【0023】基板11としては、図1で示すように表面
が平なもの(試料A)と、凹凸(凹部の深さ10μ
m、幅100μm)を形成したもの(試料B,Cおよ
びD)4種を用い、これに抵抗体12を形成後その上に
保護膜14を被覆した。抵抗体12は膜厚1μmの白金
薄膜を積層後、SiO2の保護膜14をスパッタ法で0.
5μm被覆し、抵抗体素子とした。
が平なもの(試料A)と、凹凸(凹部の深さ10μ
m、幅100μm)を形成したもの(試料B,Cおよ
びD)4種を用い、これに抵抗体12を形成後その上に
保護膜14を被覆した。抵抗体12は膜厚1μmの白金
薄膜を積層後、SiO2の保護膜14をスパッタ法で0.
5μm被覆し、抵抗体素子とした。
【0024】比較試験は、銅めっき用電解液(硫酸銅水
溶液)中で上記4種の抵抗体素子を陰極側に接続し、電
解めっき法により銅めっきを行い、保護膜14の被覆不
良箇所に析出する銅めっきから不良率を算出した。結果
を表1に示す。なお、試験素子は、各10個用いて行っ
た。
溶液)中で上記4種の抵抗体素子を陰極側に接続し、電
解めっき法により銅めっきを行い、保護膜14の被覆不
良箇所に析出する銅めっきから不良率を算出した。結果
を表1に示す。なお、試験素子は、各10個用いて行っ
た。
【0025】
【表1】
【0026】試料Aは、抵抗体12による段差のエッジ
部に銅の析出が見られ、その被覆不良率は約40%であ
った。また、試料Bは、凹部内の側面およびエッジ部に
銅の析出が見られ、膜厚0.5μmの保護膜として膜厚
0.5μmでは不十分なことが分かった。
部に銅の析出が見られ、その被覆不良率は約40%であ
った。また、試料Bは、凹部内の側面およびエッジ部に
銅の析出が見られ、膜厚0.5μmの保護膜として膜厚
0.5μmでは不十分なことが分かった。
【0027】これに対して、本実施例の試料Cおよび試
料Bは不良発生率が10%以下であり、優れていること
が分かる。
料Bは不良発生率が10%以下であり、優れていること
が分かる。
【0028】本発明の凹凸を形成した基板11の凸部の
みに抵抗体12を形成した抵抗体素子の保護膜14は、
凹部内に白金の薄膜が形成されていいないため、保護膜
の密着性がよく、それによってエッジ部も十分に被覆さ
れるものと思われる。また、試料Dのように凹部内壁面
を傾斜させた抵抗体素子においては、更に、充分な被覆
性を示している。
みに抵抗体12を形成した抵抗体素子の保護膜14は、
凹部内に白金の薄膜が形成されていいないため、保護膜
の密着性がよく、それによってエッジ部も十分に被覆さ
れるものと思われる。また、試料Dのように凹部内壁面
を傾斜させた抵抗体素子においては、更に、充分な被覆
性を示している。
【0029】図2は本発明の一実施例による抵抗体素子
の平面(a)とその断面(b)を示す図である。
の平面(a)とその断面(b)を示す図である。
【0030】抵抗体12は、抵抗検出部12aと電極取
付け端子部12bからなり、所定の抵抗値に調整後、電
極取付け端子部12bを除き、保護膜14が形成され
る。電極取付け端子部12bは、駆動用回路とリード線
13により電気的に接続され熱式流量センサが構成され
る。
付け端子部12bからなり、所定の抵抗値に調整後、電
極取付け端子部12bを除き、保護膜14が形成され
る。電極取付け端子部12bは、駆動用回路とリード線
13により電気的に接続され熱式流量センサが構成され
る。
【0031】基板11して表面粗さ0.2μm以下、板
厚0.1mmのアルミナ基板を用い、抵抗体層12とし
ては白金をめっき法により1μm厚さに形成した。次い
で、抵抗体層12をフォトリソグラフィー法を用いて所
定のパターン状に形成するため、エッチング用マスクと
してポジ型フォトレジストを形成する。このエッチング
用マスクは、後で基板11の表面に凹部を形成する際凹
部内壁面を傾斜加工するため露光現像処理時に傾斜角度
を制御した。なお、傾斜角度は10〜60度で露光して
制御し、所定のパターン状抵抗体を形成した。
厚0.1mmのアルミナ基板を用い、抵抗体層12とし
ては白金をめっき法により1μm厚さに形成した。次い
で、抵抗体層12をフォトリソグラフィー法を用いて所
定のパターン状に形成するため、エッチング用マスクと
してポジ型フォトレジストを形成する。このエッチング
用マスクは、後で基板11の表面に凹部を形成する際凹
部内壁面を傾斜加工するため露光現像処理時に傾斜角度
を制御した。なお、傾斜角度は10〜60度で露光して
制御し、所定のパターン状抵抗体を形成した。
【0032】上記白金膜をArガスでイオンミリング法
により所定のパターン状にエッチングして形成後、アル
ミナ基板11の凹部形成部をエッチングガスとしてCH
F3、CF4を用いてイオンミリング法によりエッチング
し凹部を形成した。
により所定のパターン状にエッチングして形成後、アル
ミナ基板11の凹部形成部をエッチングガスとしてCH
F3、CF4を用いてイオンミリング法によりエッチング
し凹部を形成した。
【0033】図3は、上記イオンミリング法によるエッ
チング用マスク(ポジ型フォトレジスト膜)の傾斜角度
(θ1)とアルミナ基板11のエッチング角度(θ2)と
の関係を示すグラフである。イオンミリングガスにCF
4を用いた場合、ポジ型フォトレマスクの傾斜角度に対
してアルミナ凹部の傾斜角度はほぼ1対1で形成するこ
とができる。また、CHF3ガスはエッチング比が大き
いためにエッチング用マスクを薄くすることができる。
チング用マスク(ポジ型フォトレジスト膜)の傾斜角度
(θ1)とアルミナ基板11のエッチング角度(θ2)と
の関係を示すグラフである。イオンミリングガスにCF
4を用いた場合、ポジ型フォトレマスクの傾斜角度に対
してアルミナ凹部の傾斜角度はほぼ1対1で形成するこ
とができる。また、CHF3ガスはエッチング比が大き
いためにエッチング用マスクを薄くすることができる。
【0034】イオンミリング法により基板11の凹部内
壁面の傾斜角度を10〜60度に制御エッチングした
後、エッチング用マスクをO2ガスと導入できる加熱減
圧槽内で加熱して除去し、更に、抵抗体層12の温度係
数の安定化のために900〜1200℃で熱処理し、抵
抗検出部12aを所定の抵抗値に調整して電極取付け端
子部12b以外にガラスペーストを塗布焼成して保護膜
14を形成した。
壁面の傾斜角度を10〜60度に制御エッチングした
後、エッチング用マスクをO2ガスと導入できる加熱減
圧槽内で加熱して除去し、更に、抵抗体層12の温度係
数の安定化のために900〜1200℃で熱処理し、抵
抗検出部12aを所定の抵抗値に調整して電極取付け端
子部12b以外にガラスペーストを塗布焼成して保護膜
14を形成した。
【0035】なお、前記において基板11に複数の抵抗
体素子を形成後、個々に切断,分離する手段によれば、
より生産性を上げることができる。
体素子を形成後、個々に切断,分離する手段によれば、
より生産性を上げることができる。
【0036】図4に上記により作製した凹部内壁面が傾
斜した抵抗体素子の断面図を示す。また、図5には凹部
内壁面が傾斜し、かつ、抵抗体形成面の裏面にも凹部を
形成し熱放散性を向上した本発明の他の本実施例の抵抗
体素子の断面図を示す。
斜した抵抗体素子の断面図を示す。また、図5には凹部
内壁面が傾斜し、かつ、抵抗体形成面の裏面にも凹部を
形成し熱放散性を向上した本発明の他の本実施例の抵抗
体素子の断面図を示す。
【0037】なお、図6は従来の抵抗体素子の断面図で
ある。
ある。
【0038】前記の抵抗体素子を自動車等のエンジンの
熱式流量センサとして使用する場合は、発熱用抵抗体セ
ンサと流体の温度センサとに使い分けることができる。
熱式流量センサとして使用する場合は、発熱用抵抗体セ
ンサと流体の温度センサとに使い分けることができる。
【0039】熱式流量センサは流体温度と発熱用抵抗体
センサの温度差が常に一定になるようにブリッジ回路が
構成され、発熱用抵抗センサが流体に放熱した熱量に相
当する熱量をフィードバックして熱量に相当する出力検
出電圧から流体の流量を算出する電子回路に接続されて
いる。
センサの温度差が常に一定になるようにブリッジ回路が
構成され、発熱用抵抗センサが流体に放熱した熱量に相
当する熱量をフィードバックして熱量に相当する出力検
出電圧から流体の流量を算出する電子回路に接続されて
いる。
【0040】前記電子回路との接続用リード線13はパ
ラレルギャップ溶接、共晶圧接接合またはペースト焼付
け法等によって電極取付け端子部12bに接続され、熱
式流量センサを構成する。
ラレルギャップ溶接、共晶圧接接合またはペースト焼付
け法等によって電極取付け端子部12bに接続され、熱
式流量センサを構成する。
【0041】前記電子回路を用いて、本発明の抵抗体素
子と従来の抵抗体素子とで空気流量をステップ変化させ
た場合の応答特性を比較すると、95%応答で従来の抵
抗体素子に対し本発明の抵抗体素子の応答速度は約2倍
と、大幅に向上した。特に、低流量側での測定精度が向
上した。
子と従来の抵抗体素子とで空気流量をステップ変化させ
た場合の応答特性を比較すると、95%応答で従来の抵
抗体素子に対し本発明の抵抗体素子の応答速度は約2倍
と、大幅に向上した。特に、低流量側での測定精度が向
上した。
【0042】
【発明の効果】本発明による熱式流量センサは、基板面
の凸部にのみ抵抗体を形成したため流体への放熱性が優
れ、特に、低流量側での測定精度が向上できる。
の凸部にのみ抵抗体を形成したため流体への放熱性が優
れ、特に、低流量側での測定精度が向上できる。
【0043】また、基板面の凹部内壁面が傾斜している
ために抵抗体を保護する保護膜の抵抗体エッジ部で発生
する局部的な応力集中を緩和し、被覆性に優れ、保護膜
の厚さを薄くすることができるので放熱性が良くなり応
答速度を向上することができる。
ために抵抗体を保護する保護膜の抵抗体エッジ部で発生
する局部的な応力集中を緩和し、被覆性に優れ、保護膜
の厚さを薄くすることができるので放熱性が良くなり応
答速度を向上することができる。
【図1】実施例の比較試験に用いた抵抗体素子の模式断
面図である。
面図である。
【図2】本発明の一実施例による抵抗体素子の平面図と
断面図である。
断面図である。
【図3】本実施例におけるイオンミリング法によるエッ
チング用マスクのエッチング傾斜角度(θ1)とアルミ
ナ基板のエッチング角度(θ2)との関係を示すグラフ
である。
チング用マスクのエッチング傾斜角度(θ1)とアルミ
ナ基板のエッチング角度(θ2)との関係を示すグラフ
である。
【図4】本発明に一実施例に係る抵抗体素子の模式断面
図である。
図である。
【図5】本発明に一実施例に係る抵抗体素子の模式断面
図である。
図である。
【図6】従来の抵抗体素子の模式断面図である。
11…基板、12…抵抗体、12a…抵抗検出部、12
b…電極取付け端子部、13…リード線、14…保護
膜。
b…電極取付け端子部、13…リード線、14…保護
膜。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 実 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 鈴木 忠雄 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 磯野 忠 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に凹凸を設けた絶縁性基板の凸部上
面のみに温度依存性の抵抗体薄膜を設け、少なくとも該
抵抗体薄膜が形成されている面に抵抗体を保護する保護
膜を設け、前記抵抗体に電極取付け端子を設けたことを
特徴とする熱式流量センサ。 - 【請求項2】 前記表面に凹凸を設けた絶縁性基板の凹
部内壁面が傾斜して構成されており、その傾斜角度が基
板面の法線に対して10〜60度である請求項1に記載
の熱式流量センサ。 - 【請求項3】 前記絶縁性基板がセラミック材料で形成
され、前記抵抗体を保護する保護膜がSiO2、Al2O
3またはガラスからなる膜厚0.5〜10μmの被膜で形
成されている請求項1または2に記載の熱式流量セン
サ。 - 【請求項4】 前記抵抗体薄膜が白金またはニッケルの
スパッタ膜、蒸着膜またはめっき膜である請求項1,2
または3に記載の熱式流量センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4221094A JPH0666611A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 熱式流量センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4221094A JPH0666611A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 熱式流量センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0666611A true JPH0666611A (ja) | 1994-03-11 |
Family
ID=16761399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4221094A Pending JPH0666611A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | 熱式流量センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0666611A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20170110225A1 (en) * | 2014-03-26 | 2017-04-20 | Heraeus Sensor Technology Gmbh | Ceramic carrier and sensor element, heating element and sensor module, each with a ceramic carrier and method for manufacturing a ceramic carrier |
CN108293276A (zh) * | 2015-11-30 | 2018-07-17 | 株式会社电装 | 加热板及其制造方法与制造装置、使用该加热板的热流通量传感器的制造装置 |
CN112805557A (zh) * | 2018-10-15 | 2021-05-14 | Nissha株式会社 | Mems气体传感器及mems气体传感器的制造方法 |
-
1992
- 1992-08-20 JP JP4221094A patent/JPH0666611A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10529470B2 (en) | 2014-03-26 | 2020-01-07 | Heraeus Nexensos Gmbh | Ceramic carrier and sensor element, heating element and sensor module, each with a ceramic carrier and method for manufacturing a ceramic carrier |
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US12055507B2 (en) | 2018-10-15 | 2024-08-06 | Nissha Co., Ltd. | MEMS gas sensor and method for manufacturing MEMS gas sensor |
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