JPH0666283U - 磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コアの内周の一部を中心固定軸の外周面に直
接当接するようにし、コアと中心軸との間の当接加工面
の数を最小として、コア外周の偏心を小さくし、モータ
特性を向上すると共に、コアの一部の段差面をフレーム
に載置する構成とし、コアの位置決めを簡易にし、しか
もフレームの剛性を落としめることなく装置の小型化の
維持を図る。 【構成】 磁気ディスクを外周面に装着して駆動するハ
ブ６と、このハブ６の内周面に固定した駆動マグネット
７と、この駆動マグネット７と対向するコイル３の巻回
された鉄心コア１２と、ハブ６との間に軸受５，５を介
在させ該軸受の内輪５ａ，５ａを固定する中心固定軸４
と、この中心固定軸４を固定するフレーム２１とを備え
る磁気ディスク駆動装置において、コア１２の内周の一
部１２ａを中心固定軸４の外周面に当接させると共に、
コア１２の一部１２Ａの段差面１２ｂをフレーム２１に
載置してなるもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ディスク駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図２に示されるような磁気ディスク駆動装置が知られている。 この磁気ディスク駆動装置は所謂中心軸固定の釣り鐘型であり、図が煩雑にな るのを避けるために、中心線より右半分のみが示されている。 同図において、符号１はフレームを示しており、このフレーム１の中央部には 貫通孔が、片面には一定幅を有し円周に沿う溝がそれぞれ形成されている。この 溝の内周面１ａには鉄心コア２が固定されており、このコア２にはコイル３が巻 回されている。上記貫通孔には中心軸４が嵌合固定されており、中心軸４の外周 には軸受５，５の内輪５ａ，５ａがそれぞれ嵌合固定されている。これら軸受５ ，５の外輪５ｂ，５ｂには上記コア２、コイル３等を覆うような形状のハブ６が 嵌合固定されている。このハブ６の外周面には、図示されない磁気ディスクが装 着されており、一方内周の上記コア２の対向する位置には、駆動マグネット７が 固定されている。上記コイル３からは端末線８が導出しており、該端末線８は電 源供給手段９に接続されている。 そして、電源供給手段９からコイル３に所定の駆動電圧を印加することにより 、磁気ディスクを装着したハブ６が回転するようになっている。 なお、符号１０は磁性リングを、１１はシール部材を、１３はスペーサーをそ れぞれ示している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記磁気ディスク駆動装置においては以下の問題点がある。 すなわち、コア２と中心軸４との間にはフレーム１が介在しているために、こ れらの間には、中心軸４外周とフレーム１内周との間及びフレーム１外周とコア ２内周との間の２箇所当接加工面が存在することとなるが、当接加工面の数が増 えるほど最遠に配置される部材の外周の精度は一般的に悪くなるので、コア３の 外周の偏心が比較的大きくなってしまい、コア３外周と駆動マグネット７との間 に形成されるエアギャップが不均一となり、従ってトルクリップルが大きくなり 、モータ特性が劣化するという問題がある。

【０００４】 そこで本考案は、コア外周と駆動マグネットとの間のエアギャップが均一にさ れ、トルクリップルが小さくなって、モータ特性が向上されると共に、組み立て 時のコアの位置決めが比較的簡易になされ、しかも装置の小型化を維持しつつフ レームの剛性を落としめることがない磁気ディスク駆動装置を提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の磁気ディスク駆動装置は上記目的を達成するために、磁気ディスクを 外周面に装着して駆動するハブと、このハブの内周面に固定した駆動マグネット と、この駆動マグネットと対向するコイルの巻回された鉄心コアと、前記ハブと の間に軸受を介在させ該軸受の内輪を固定する中心固定軸と、この中心固定軸を 固定するフレームと、を備える磁気ディスク駆動装置において、前記コアの内周 の一部を前記中心固定軸の外周面に当接させると共に、前記コアの一部の段差面 を前記フレームに載置してなることを特徴としている。

【０００６】

【作用】

このような手段における磁気ディスク駆動装置によれば、コアの内周の一部が 中心固定軸の外周面に直接当接していることから、コアと中心軸との間の当接加 工面は最小の１箇所となり、コア外周の偏心が小さくなって、エアギャップが均 一化される。また、コアの一部の段差面をフレームに載置する構成を採っている ことから、コアの一部をフレームに載置するだけでコアの位置決めができ、簡易 に位置決めがなされると共に、中心固定軸を固定するフレームの肉厚は従来と同 様に充分確保され、従ってフレームの肉厚をさらに厚くしなくとも、剛性は確保 される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は本考案の一実施例を示す磁気ディスク駆動装置の側断面図を示しており 、従来技術で説明したのと同一なものに対しては同一符号を付し、ここでの説明 は省略する。 この実施例の磁気ディスク駆動装置が従来技術のそれと主に違う点は、コアの 内周の一部（図における上方の部位）を軸心に向かって全周に渡って突出させて コア１２とし、このコア１２における突出部１２Ａの内周面１２ａを、中心固定 軸４の外周面に当接させ嵌合固定した点である。 ここで、フレーム２１の片面には、一定幅を有し円周に沿う溝が形成されてお り、該溝の内周面２１ａは、コア１２の内方に突出してない部分の内周面１２ｃ より若干小さくなっている。このフレーム２１の溝を有する面と上記コア１２の 段差が形成された面とは対向するよう配置されており、フレーム２１の中心固定 軸４を固定する部分２１ｂの上に、上記突出部１２Ａの段差面１２ｂが載置され た状態で、コア１２の位置決めがなされている。

【０００８】 このように、本実施例においては、コア１２における突出部１２Ａの内周面１ ２ａが中心固定軸４の外周面に直接当接しているので、コア１２と中心軸４との 間の当接加工面は最小の１箇所となり、しかも中心固定軸４の外周面は、軸受５ ，５を嵌合することもあり、その加工精度は極めて高くなっていることから、コ ア１２の外周の偏心は小さくなり、エアギャップが均一化されて、トルククリッ プルが小さくなるようになされている。

【０００９】 また、上記コア１２における突出部１２Ａの段差面１２ｂを、フレーム２１の 中心固定軸４を固定する部分２１ｂ上に載置すれば、コア１２の位置決めがなさ れるようになっており、組み立てを簡易にすることが可能となっている。

【００１０】 ここで、コア１２に段差を設けずに、内周全部を中心固定軸４に当接させる構 成も考えられるが、そのように構成すると、軸方向の装置の長さを変えないとす る（装置の小型化を維持する）と、フレームの中心固定軸４を固定する部分の軸 方向の厚さが薄くなって剛性が落ちてしまうことになり、一方フレームの剛性を 保つべくフレームの中心固定軸４を固定する部分の軸方向の厚さを厚くして軸方 向の装置の長さを長くすると、装置の小型化が維持できないという相反する問題 が生じてしまう。 しかしながら、本実施例においては、その点は解消されている。 すなわち、コア１２の突出部１２Ａの段差面１２ｂをフレーム２１の中心固定 軸４を固定する部分２１ｂ上に載置する構成を採っているので、フレーム２１の 中心固定軸４を固定する部位の軸方向の長さは従来よりさほど短くなく、従って フレームの肉厚を厚くすることなく（小型化を維持しつつ）、フレームの剛性を 確保することが可能となっている。

【００１１】 以上本考案者によってなされた考案を実施例に基づき具体的に説明したが、本 考案は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々 変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施例においては、磁 性リング１０が設けられているが、中心固定軸４が強磁性体の場合には、必要が ない。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の磁気ディスク駆動装置によれば、コアの内周の一部 を中心固定軸の外周面に直接当接するようにしたので、コアと中心軸との間の当 接加工面は最小の１箇所となり、コア外周の偏心が小さくなって、エアギャップ が均一化され、従ってトルクリップルが小さくなって、モータ特性を向上するこ とが可能となる。 また、コアの一部の段差面をフレームに載置する構成としたので、コアの一部 をフレームに載置するだけでコアの位置決めがなされ、従って簡易に位置決めを 行うことが可能となる。 また、同様にコアの一部の段差面をフレームに載置する構成としたので、中心 固定軸を固定するフレームの肉厚を従来と同様に充分確保でき、フレームの肉厚 をさらに厚くしなくとも、剛性を確保できるようになる。従って、フレームの剛 性を落としめることなく装置の小型化を維持することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す磁気ディスク駆動装置
の側断面図である。

【図２】従来技術を示す磁気ディスク駆動装置の側断面
図である。

【符号の説明】

３ コイル ４ 中心固定軸 ５ 軸受 ５ａ 軸受内輪 ６ ハブ ７ 駆動マグネット １２ コア １２Ａ コアの内周の一部 １２ｂ コアの一部の段差面 ２１ フレーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ディスクを外周面に装着して駆動す
   るハブと、このハブの内周面に固定した駆動マグネット
   と、この駆動マグネットと対向するコイルの巻回された
   鉄心コアと、前記ハブとの間に軸受を介在させ該軸受の
   内輪を固定する中心固定軸と、この中心固定軸を固定す
   るフレームと、を備える磁気ディスク駆動装置におい
   て、 前記コアの内周の一部を前記中心固定軸の外周面に当接
   させると共に、 前記コアの一部の段差面を前記フレームに載置してなる
   磁気ディスク駆動装置。