JPH0665877B2 - 冷媒圧縮機 - Google Patents
冷媒圧縮機Info
- Publication number
- JPH0665877B2 JPH0665877B2 JP5512686A JP5512686A JPH0665877B2 JP H0665877 B2 JPH0665877 B2 JP H0665877B2 JP 5512686 A JP5512686 A JP 5512686A JP 5512686 A JP5512686 A JP 5512686A JP H0665877 B2 JPH0665877 B2 JP H0665877B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon
- base material
- shaft
- compressor
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Compressor (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は冷媒圧縮機に関し、更に詳しくは、その部品の
摺動部が、耐摩耗性,耐熱性に優れかつ駆動用モータの
効率を低下させることがなく銅メッキ現象も生起するこ
とがないので、高速運転が可能となり冷却効果を大たら
しめるに有効な冷媒圧縮機に関する。
摺動部が、耐摩耗性,耐熱性に優れかつ駆動用モータの
効率を低下させることがなく銅メッキ現象も生起するこ
とがないので、高速運転が可能となり冷却効果を大たら
しめるに有効な冷媒圧縮機に関する。
(従来の技術) 低温化技術の分野では、例えばフロン系の冷媒を圧縮す
るために、ロータリーコンプレッサのような圧縮機が不
可欠な装置として使用される。
るために、ロータリーコンプレッサのような圧縮機が不
可欠な装置として使用される。
その圧縮機の1例を第1図に一部切欠縦断面図として、
またその圧縮機構の横断面図の第2図として示す。
またその圧縮機構の横断面図の第2図として示す。
第1図,第2図において、1はケーシングでこの中にモ
ータ(図示しない)が収容されシャフト2を回転させ
る。シャフト2はフレーム3の軸受に軸支されてシリン
ダ4内を貫通し、その下端部はサブベアリング5の軸受
に軸支されている。
ータ(図示しない)が収容されシャフト2を回転させ
る。シャフト2はフレーム3の軸受に軸支されてシリン
ダ4内を貫通し、その下端部はサブベアリング5の軸受
に軸支されている。
シリンダ4の内部は偏心回転するクランク部を構成し、
このクランク部の外周にはこれに沿って摺動しながらシ
リンダ4の内壁部と接触しつつ遊星運動をするローラ6
が配設されている。
このクランク部の外周にはこれに沿って摺動しながらシ
リンダ4の内壁部と接触しつつ遊星運動をするローラ6
が配設されている。
シリンダ4には、これを外側から貫通してその先端がス
プリング8の付勢力によってローラ6の外周面に圧接さ
れ、もってシリンダ4内を吸込室10と吐出室11とに画分
するブレード7が設けられている。ローラ6の遊星運動
に対応してブレード7は往復運動をする。
プリング8の付勢力によってローラ6の外周面に圧接さ
れ、もってシリンダ4内を吸込室10と吐出室11とに画分
するブレード7が設けられている。ローラ6の遊星運動
に対応してブレード7は往復運動をする。
ここで、シャフト2の外周面とローラ6の内周面,ロー
ラ6の外周面とブレード7の先端とが摺動部を構成す
る。
ラ6の外周面とブレード7の先端とが摺動部を構成す
る。
シャフト2の回転に伴うローラ6の遊星運動に応じて、
冷媒ガスは吸込口9から吸込室10に吸引され、ここで圧
縮されながら、吐出室11を経て吐出口12から吐出されて
いく。
冷媒ガスは吸込口9から吸込室10に吸引され、ここで圧
縮されながら、吐出室11を経て吐出口12から吐出されて
いく。
このときの摺動部の動作を円滑に行なわせるために、ケ
ーシング1には冷凍機油13が収容され、この冷凍機油13
はシャフト2の回転により、その下端に設けられたポン
プ14に沿って汲みあげられ摺動部の全体に潤滑性を付与
する。
ーシング1には冷凍機油13が収容され、この冷凍機油13
はシャフト2の回転により、その下端に設けられたポン
プ14に沿って汲みあげられ摺動部の全体に潤滑性を付与
する。
このような圧縮機において重要な問題は、運転に伴う各
部品,とりわけ摺動部の部品の潤滑および摩耗という問
題である。
部品,とりわけ摺動部の部品の潤滑および摩耗という問
題である。
通常、これら部品はその表面を精密仕上げし数μmのオ
ーダーで互に組合わされる。これは、とくにロータリー
コンプレッサの場合に顕著であるようにオイルシール性
の良否,ひいではコンプレッサの性能の良否に大きな影
響を与えるからである。運転の進行の伴ない摺動部の部
品が潤滑性を欠き摩耗すれば、その圧縮機は所望する規
定の性能を発揮しない。
ーダーで互に組合わされる。これは、とくにロータリー
コンプレッサの場合に顕著であるようにオイルシール性
の良否,ひいではコンプレッサの性能の良否に大きな影
響を与えるからである。運転の進行の伴ない摺動部の部
品が潤滑性を欠き摩耗すれば、その圧縮機は所望する規
定の性能を発揮しない。
ところで、このような部品間の摩耗現象は、ブレード7
とシャフト2に関連するものとして大別される。ブレー
ド7はシャフト2の回転に伴い往復運動するが、このと
き分割されたシリンダ4内の2室の圧力差によりシリン
ダ4の貫通孔内面にこすりつけられブレード7、シリン
ダ4がいずれも摩耗する。また、ブレード7はスプリン
グ8によりその先端がローラ6に圧接されているため、
ローラ6の外周面も摩耗する。一方、シャフト2はロー
ラ6を介してスプリング8やシリンダ4内の圧力を受
け、フレーム3とサブベアリング5に押付けられて若干
湾曲した形状となって高速回転するため、シャフト2の
外面、フレーム3及びサブベアリング5の内面も同様に
摩耗する。
とシャフト2に関連するものとして大別される。ブレー
ド7はシャフト2の回転に伴い往復運動するが、このと
き分割されたシリンダ4内の2室の圧力差によりシリン
ダ4の貫通孔内面にこすりつけられブレード7、シリン
ダ4がいずれも摩耗する。また、ブレード7はスプリン
グ8によりその先端がローラ6に圧接されているため、
ローラ6の外周面も摩耗する。一方、シャフト2はロー
ラ6を介してスプリング8やシリンダ4内の圧力を受
け、フレーム3とサブベアリング5に押付けられて若干
湾曲した形状となって高速回転するため、シャフト2の
外面、フレーム3及びサブベアリング5の内面も同様に
摩耗する。
ときに、冷却効果をあげるために圧縮機を高速運転する
場合には、れら摺動部の部品間における摩耗は急速に進
行する。
場合には、れら摺動部の部品間における摩耗は急速に進
行する。
一方、最近、軽薄短小の時流の中で、小型でかつ冷却効
率の優れた圧縮機の開発が進められている。これら圧縮
機は従来使用していた商用周波数電源と共により高い周
波数の電源による高速運転を行なうよう設計されること
が通例である。
率の優れた圧縮機の開発が進められている。これら圧縮
機は従来使用していた商用周波数電源と共により高い周
波数の電源による高速運転を行なうよう設計されること
が通例である。
ところが、このような高速運転される圧縮機は次のよう
な問題点を含んでいる。すなわち、その第1は、形状が
小型であるにもかからわず大出力を引出さなければなら
ないため、機内の発熱量が著しく大きくなるということ
である。例えば、従来の1馬力のコンプレッサで2馬力
の出力を得るとした場合、コンプレッサの放熱面積は同
一であることからして機内温度は格段に高温となる。第
2の問題は、ローラの回転数は従来に比べて著しく大き
く、また可変であるため摺動部の摩擦条件は過酷になる
ことである。したがって、第3に、摺動部の部品間の摩
耗は増大する。そして第4に、高温になると冷凍機油の
分解生成物と配管材などに含有されている銅成分との化
学反応によって、摺動部の部品や他の部品の表面に銅が
析出する現象,いわゆる銅メッキ現象が多発して圧縮機
の性能低下をもたらすことである。
な問題点を含んでいる。すなわち、その第1は、形状が
小型であるにもかからわず大出力を引出さなければなら
ないため、機内の発熱量が著しく大きくなるということ
である。例えば、従来の1馬力のコンプレッサで2馬力
の出力を得るとした場合、コンプレッサの放熱面積は同
一であることからして機内温度は格段に高温となる。第
2の問題は、ローラの回転数は従来に比べて著しく大き
く、また可変であるため摺動部の摩擦条件は過酷になる
ことである。したがって、第3に、摺動部の部品間の摩
耗は増大する。そして第4に、高温になると冷凍機油の
分解生成物と配管材などに含有されている銅成分との化
学反応によって、摺動部の部品や他の部品の表面に銅が
析出する現象,いわゆる銅メッキ現象が多発して圧縮機
の性能低下をもたらすことである。
このようなことから、摺動部の部品を従来多用されてい
た鉄系金属からセラミックス材そのもので構成する試み
がなされている。
た鉄系金属からセラミックス材そのもので構成する試み
がなされている。
たしかに、セラミックス材は耐摩耗性,耐薬品性,耐熱
性に優れているが、しかし一方では次のような問題を有
している。すなわち、例えばシャフト2にセラミックス
材を用いた場合、この材料は非磁性体であるためモータ
の効率を低下させてしまう。またローラにセラミックス
材を用いた場合、その熱膨張係数が相手材である鉄系金
属の数分の1であるため、運転時には両者間にサイドク
リアランスが発生してオイルシール性が低下する。更に
はセラミックスは精密加工が困難で部品とての生産性は
低く、また自分自身は摩耗しないが、しかし相手材を摩
耗せしめるという不都合がある。
性に優れているが、しかし一方では次のような問題を有
している。すなわち、例えばシャフト2にセラミックス
材を用いた場合、この材料は非磁性体であるためモータ
の効率を低下させてしまう。またローラにセラミックス
材を用いた場合、その熱膨張係数が相手材である鉄系金
属の数分の1であるため、運転時には両者間にサイドク
リアランスが発生してオイルシール性が低下する。更に
はセラミックスは精密加工が困難で部品とての生産性は
低く、また自分自身は摩耗しないが、しかし相手材を摩
耗せしめるという不都合がある。
このようなことから、例えば鉄系金属を基材としその表
面にセラミックス層を形成して耐摩耗性を向上せしめる
ことが提案されている(特開昭57−32096号公報,特開
昭58−77192号公報,特開昭59−128992号公報,実開昭5
7−71785号公報,実開昭57−71786号公報,実開昭59−1
68591号公報等を参照)。
面にセラミックス層を形成して耐摩耗性を向上せしめる
ことが提案されている(特開昭57−32096号公報,特開
昭58−77192号公報,特開昭59−128992号公報,実開昭5
7−71785号公報,実開昭57−71786号公報,実開昭59−1
68591号公報等を参照)。
しかしながら、これら公報に開示されている部材は、耐
摩耗性の支配因子であるセラミックス層と金属基材との
密着性に関しては何らの検討もなされていない。実際、
上記のような方法により、炭素鋼の表面にセラミックス
層を形成したシャフトを用いて圧縮機を組立ててシャフ
トを高速回転させた場合、セラミックス層が剥離し、容
易に凝着摩耗を起こしてしまうという欠点があった。
摩耗性の支配因子であるセラミックス層と金属基材との
密着性に関しては何らの検討もなされていない。実際、
上記のような方法により、炭素鋼の表面にセラミックス
層を形成したシャフトを用いて圧縮機を組立ててシャフ
トを高速回転させた場合、セラミックス層が剥離し、容
易に凝着摩耗を起こしてしまうという欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、金属基材の表面にセラミックス層を形成して
成る摺動部の部品における上記した問題を解消し、セラ
ミックス層と金属基材との密着性が良好で耐摩耗性に優
れた部品を組み込んだ冷媒圧縮機の提供を目的とする。
成る摺動部の部品における上記した問題を解消し、セラ
ミックス層と金属基材との密着性が良好で耐摩耗性に優
れた部品を組み込んだ冷媒圧縮機の提供を目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段・作用) 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結
果、基材である金属部材にセラミックス層を成膜する際
に両層の間に後述する炭素濃厚層を介在せしめると金属
基材とセラミックス層の密着性が向上するとの事実を見
い出し、それを摺動部とする本発明の冷媒圧縮機を開発
するに到った。
果、基材である金属部材にセラミックス層を成膜する際
に両層の間に後述する炭素濃厚層を介在せしめると金属
基材とセラミックス層の密着性が向上するとの事実を見
い出し、それを摺動部とする本発明の冷媒圧縮機を開発
するに到った。
すなわち、本発明は冷媒圧縮機は、部品の摺動部が、金
属基材と;該金属基材の表面もしくはその近傍に形成さ
れ、該基材中の平均炭素濃度よりも高い炭素濃度を有す
る炭素濃厚層と;該炭素濃厚層の表面に成膜されたセラ
ミックス層と;から成ることを特徴とする。
属基材と;該金属基材の表面もしくはその近傍に形成さ
れ、該基材中の平均炭素濃度よりも高い炭素濃度を有す
る炭素濃厚層と;該炭素濃厚層の表面に成膜されたセラ
ミックス層と;から成ることを特徴とする。
本発明の冷媒圧縮機の構造はその摺動部の部品が後述す
る部品であることを除いては従来構造のものと略同一で
あるので、以後の説明は摺動部の部品に関して行なう。
る部品であることを除いては従来構造のものと略同一で
あるので、以後の説明は摺動部の部品に関して行なう。
本発明における摺動部は、金属基材と炭素濃厚層とセラ
ミックス層とから構成される。
ミックス層とから構成される。
まず、金属基材としては、従来から圧縮機の摺動部材と
して用いられているものであれば何であってもよい。例
えば、ねずみ鋳鉄,焼結金属,鍛造品,各種のステンレ
ス鋼あるいはSCMのような鉄系金属;アルミニウム系合
金;ニッケル系合金;クロム系合金をあげることができ
る。とくに、炭素を0.01重量%以上含有する金属基材は
好適である。また、これら金属基材のうち鉄系金属にお
いては、アルミニウム,クロム,チタン,マンガン,ケ
イ素,ボロン,ニッケル等が含有されていても不都合は
ない。
して用いられているものであれば何であってもよい。例
えば、ねずみ鋳鉄,焼結金属,鍛造品,各種のステンレ
ス鋼あるいはSCMのような鉄系金属;アルミニウム系合
金;ニッケル系合金;クロム系合金をあげることができ
る。とくに、炭素を0.01重量%以上含有する金属基材は
好適である。また、これら金属基材のうち鉄系金属にお
いては、アルミニウム,クロム,チタン,マンガン,ケ
イ素,ボロン,ニッケル等が含有されていても不都合は
ない。
この金属基材の表面もしくはその近傍には炭素濃厚層が
形成される。ここでいう炭素濃厚層とは、金属基材に含
有されている炭素の平均濃度よりその濃度が相対的に高
い領域である。とくに炭素濃厚層の炭素濃度は基材にお
ける平均濃度の1.2倍以上であることが好ましい。更に
好ましくは1.5〜2.0倍である。
形成される。ここでいう炭素濃厚層とは、金属基材に含
有されている炭素の平均濃度よりその濃度が相対的に高
い領域である。とくに炭素濃厚層の炭素濃度は基材にお
ける平均濃度の1.2倍以上であることが好ましい。更に
好ましくは1.5〜2.0倍である。
この炭素濃厚層の機能は必ずしも理論的に解明されてい
るわけではないが、この上に成膜されるセラミックス層
と下部の金属基材とを大きな密着力で結合する作用を果
たし、運転中におけるセラミックス層の剥落を防止して
摺動部の耐摩耗性を長期に亘って保持するに有効であ
る。
るわけではないが、この上に成膜されるセラミックス層
と下部の金属基材とを大きな密着力で結合する作用を果
たし、運転中におけるセラミックス層の剥落を防止して
摺動部の耐摩耗性を長期に亘って保持するに有効であ
る。
この炭素濃厚層は大別して次の2通りの方法で形成する
ことができる。
ことができる。
第1の方法は金属基材の炭素の平均濃度が0.01重量%以
上である場合で、その場合には金属基材の表面を、温度
室温〜500℃,真空度10-4〜10Torrの条件下でアルゴ
ン,キセノン,クリプトンのような希ガスでスパッタエ
ッチングする方法である。このような処理を施すことに
より、理由は明確ではないが、金属基材中の炭素が表面
に遊動し、表面の所定厚み部分の炭素濃度が内部の炭素
濃度よりも高くなるものと考えられる。
上である場合で、その場合には金属基材の表面を、温度
室温〜500℃,真空度10-4〜10Torrの条件下でアルゴ
ン,キセノン,クリプトンのような希ガスでスパッタエ
ッチングする方法である。このような処理を施すことに
より、理由は明確ではないが、金属基材中の炭素が表面
に遊動し、表面の所定厚み部分の炭素濃度が内部の炭素
濃度よりも高くなるものと考えられる。
真空度,温度またはスパッタエッチングの時間等によっ
てこの炭素濃厚層の炭素濃度,層厚等が変動する。
てこの炭素濃厚層の炭素濃度,層厚等が変動する。
第2の方法は、金属基材の炭素の平均濃度が0.01重量%
より低い場合で、このときは上記した希ガスに更に例え
ば、メタン,エタン,プロパン,ブタン等のアルカリ系
炭化水素のガス;エチレン,プロピレン等のアルケン系
炭化水素のガス;アセチレン等のアルチン系炭化水素の
ガス;炭酸ガスや炭酸ガスと一酸化炭素の混合ガス;の
ような炭素源を所定量(例えば5容量%)混合して第1
の方法と同様の条件で金属基材の表面をスパッタエッチ
ングする方法である。
より低い場合で、このときは上記した希ガスに更に例え
ば、メタン,エタン,プロパン,ブタン等のアルカリ系
炭化水素のガス;エチレン,プロピレン等のアルケン系
炭化水素のガス;アセチレン等のアルチン系炭化水素の
ガス;炭酸ガスや炭酸ガスと一酸化炭素の混合ガス;の
ような炭素源を所定量(例えば5容量%)混合して第1
の方法と同様の条件で金属基材の表面をスパッタエッチ
ングする方法である。
もち論、この方法を炭素平均濃度が0.01重量%以上であ
る金属基材に適用しても何らの不都合はない。
る金属基材に適用しても何らの不都合はない。
また、その他の方法としては、金属基材の表面にコロイ
ダルカーボンのような炭素源をスプレー法等で塗布し、
ここに上記した希ガス等でスパッタエッチングする方法
や反応容器内を炭素系微粒子が分散する雰囲気としこの
雰囲気中で希ガス等によるスパッタエッチング処理を施
す方法、更には常用されている浸炭処理法などを適用す
ることができる。
ダルカーボンのような炭素源をスプレー法等で塗布し、
ここに上記した希ガス等でスパッタエッチングする方法
や反応容器内を炭素系微粒子が分散する雰囲気としこの
雰囲気中で希ガス等によるスパッタエッチング処理を施
す方法、更には常用されている浸炭処理法などを適用す
ることができる。
このような方法で、金属基材の表面に形成された炭素濃
厚層の厚みは、それがあまり薄いと前記した作用効果が
得られず、逆にあまり厚い場合にはセラミックス層と金
属基材との密着性を低下せしめるので、通常50Å〜5μ
m程度の厚みに調整することが好ましい。
厚層の厚みは、それがあまり薄いと前記した作用効果が
得られず、逆にあまり厚い場合にはセラミックス層と金
属基材との密着性を低下せしめるので、通常50Å〜5μ
m程度の厚みに調整することが好ましい。
この炭素濃厚層の上にセラミックス層が成膜される。セ
ラミックス層としては、窒化ケイ素系,窒化チタン系,
窒化アルミニウム系,窒化タンタル系,窒化ボロン系,
炭化ケイ素系,炭化チタン系,炭化アルミニウム系,炭
化タンタル系など耐摩耗性に優れるセラミックスの層で
あればよい。このセラミックス層は、SEMによる破断面
観察結果によれば、柱状の多結晶体で形成され、高負荷
を受ければ塑性変形してその負荷による摩耗を軽減す
る。
ラミックス層としては、窒化ケイ素系,窒化チタン系,
窒化アルミニウム系,窒化タンタル系,窒化ボロン系,
炭化ケイ素系,炭化チタン系,炭化アルミニウム系,炭
化タンタル系など耐摩耗性に優れるセラミックスの層で
あればよい。このセラミックス層は、SEMによる破断面
観察結果によれば、柱状の多結晶体で形成され、高負荷
を受ければ塑性変形してその負荷による摩耗を軽減す
る。
このセラミックス層の成膜には、成膜技術として汎用さ
れている化学気相蒸着法(CVD法),スパッタリング
法,イオンプレーティング法,溶射法などを適用するこ
とができる。これらのうち、CVD法は好適である。CVD法
の反応形式には多種のものが知られているが、高温で反
応が行われると金属基材が変形し、冷媒圧縮機に要求さ
れる寸法精度が得られないおそれもあるため、プラズマ
励起反応,光励起反応,レーザー励起反応を利用したも
のがよい。特に、プラズマCVD法は多種の反応ガスを用
いることができるので利用範囲が広くて有用である。
れている化学気相蒸着法(CVD法),スパッタリング
法,イオンプレーティング法,溶射法などを適用するこ
とができる。これらのうち、CVD法は好適である。CVD法
の反応形式には多種のものが知られているが、高温で反
応が行われると金属基材が変形し、冷媒圧縮機に要求さ
れる寸法精度が得られないおそれもあるため、プラズマ
励起反応,光励起反応,レーザー励起反応を利用したも
のがよい。特に、プラズマCVD法は多種の反応ガスを用
いることができるので利用範囲が広くて有用である。
セラミックス層の膜厚は、摺動部の要求特性との関係で
変化させればよいが、通常、500Å〜30μmであり、好
ましくは2000Å〜10μmである。
変化させればよいが、通常、500Å〜30μmであり、好
ましくは2000Å〜10μmである。
セラミックス層の成膜操作は、前記した炭素濃厚層を形
成したときの同一反応容器内で連続工程として行なうこ
とが好ましい。しかし、炭素濃厚層形成の工程とセラミ
ックス層成膜の工程とをそれぞれ別々の反応容器内で進
めても不都合はない。
成したときの同一反応容器内で連続工程として行なうこ
とが好ましい。しかし、炭素濃厚層形成の工程とセラミ
ックス層成膜の工程とをそれぞれ別々の反応容器内で進
めても不都合はない。
成膜法としてプラズマCVDを適用し、かつ上記した連続
工程でセラミックス層を形成する場合、その反応条件は
目的,金属基材,セラミックス層の種類に応じて適宜変
更されるが、例えば、ケイ素を一つの構成成分とするセ
ラミックス層を成膜する場合300℃以下、好ましくは200
〜250℃というような温度条件とする。また、ガス流量
については、例えばスパッタエッチングの場合にはアル
ゴン,キセノン,クリプトン等の希ガスを500SCCM〜2SL
M、窒化ケイ素層を形成する場合にはN2,NH3等を500SCCM
〜2SLMにSiH4を50〜300SCCM混合するというように条件
を変化させる。なお、プラズマCVD装置は容量結合型で
もよいし、誘導結合型でもよいが、量産を目的として大
きな体積で均一なプラズマを得るためには容量結合型の
方が望ましい。
工程でセラミックス層を形成する場合、その反応条件は
目的,金属基材,セラミックス層の種類に応じて適宜変
更されるが、例えば、ケイ素を一つの構成成分とするセ
ラミックス層を成膜する場合300℃以下、好ましくは200
〜250℃というような温度条件とする。また、ガス流量
については、例えばスパッタエッチングの場合にはアル
ゴン,キセノン,クリプトン等の希ガスを500SCCM〜2SL
M、窒化ケイ素層を形成する場合にはN2,NH3等を500SCCM
〜2SLMにSiH4を50〜300SCCM混合するというように条件
を変化させる。なお、プラズマCVD装置は容量結合型で
もよいし、誘導結合型でもよいが、量産を目的として大
きな体積で均一なプラズマを得るためには容量結合型の
方が望ましい。
(実施例) 実施例1 本発明にかかる摺動部の部品が圧縮機のシャフトである
場合につき説明する。
場合につき説明する。
まず、ねずみ鋳鉄(炭素の含有量3重量%)を所定形状
に切出したシャフトをトリクレンで脱脂した後、ステン
レス製の容器からなる容量結合型のパラズマCVD装置内
に挿入し、基板上にセットした。次に、メカニカルプー
スターポンプとロータリーポンプにより装置内を10-3To
rr程度まで排気した。その後、装置内壁及びシャフトに
吸着されたガスを脱ガスするために、更に油拡散ポンプ
あるいはクライオポンプを用いて10-6〜10-8Torrまで排
気し、基板加熱温度を室温より徐々に上げて300℃とし
た。つづいて、排気系をメカニカルプースターポンプと
ロータリーポンプに切換え、Arガスを1000SCCMの流量で
導入しながら内部の圧力を0.01Torrより徐々に上げ約1T
orrに維持した。
に切出したシャフトをトリクレンで脱脂した後、ステン
レス製の容器からなる容量結合型のパラズマCVD装置内
に挿入し、基板上にセットした。次に、メカニカルプー
スターポンプとロータリーポンプにより装置内を10-3To
rr程度まで排気した。その後、装置内壁及びシャフトに
吸着されたガスを脱ガスするために、更に油拡散ポンプ
あるいはクライオポンプを用いて10-6〜10-8Torrまで排
気し、基板加熱温度を室温より徐々に上げて300℃とし
た。つづいて、排気系をメカニカルプースターポンプと
ロータリーポンプに切換え、Arガスを1000SCCMの流量で
導入しながら内部の圧力を0.01Torrより徐々に上げ約1T
orrに維持した。
次いで、13.56MHzの高周波電力を1kW印加してプラズマ
を発生させ、シャフトにスパッタエッチングを1時間行
なった。つづいて、SiH4とNH3ガスとの流量比が1:7とな
るようにSiH4ガスを導入し、高周波電力を400W印加して
プラズマを発生させ、30分間で2μmの窒化ケイ素層を
成膜した。
を発生させ、シャフトにスパッタエッチングを1時間行
なった。つづいて、SiH4とNH3ガスとの流量比が1:7とな
るようにSiH4ガスを導入し、高周波電力を400W印加して
プラズマを発生させ、30分間で2μmの窒化ケイ素層を
成膜した。
一方、比較にためにシャフト表面に何の処理も施さず、
プラズマCVD法により厚さ2μmに窒化ケイ素層のみを
成膜した。
プラズマCVD法により厚さ2μmに窒化ケイ素層のみを
成膜した。
これら2本のシャフトにつき、表面の窒化ケイ素層を化
学分析したところ、その組成はSi3N2.5〜4.2であった。
学分析したところ、その組成はSi3N2.5〜4.2であった。
また2本のシャフトの表面層につきそれぞれオージェ電
子分光分析を行ない、層の深さ方向における各構成元素
の分布を測定しその結果を第3図(実施例1),第4図
(比較例)として示した。
子分光分析を行ない、層の深さ方向における各構成元素
の分布を測定しその結果を第3図(実施例1),第4図
(比較例)として示した。
第3図から明らかなように、本発明のシャフトは基材で
あるねずみ鋳鉄と窒化ケイ素層との間に厚み約1000Åの
炭素濃厚層が存在している。ちなみにこの炭素濃厚層に
おける炭素濃度は約8重量%であり、ねずみ鋳鉄の約2.
7倍であった。これに対し、比較例のシャフトには第4
図から明らかなように炭素濃厚層の存在は認められなか
った。
あるねずみ鋳鉄と窒化ケイ素層との間に厚み約1000Åの
炭素濃厚層が存在している。ちなみにこの炭素濃厚層に
おける炭素濃度は約8重量%であり、ねずみ鋳鉄の約2.
7倍であった。これに対し、比較例のシャフトには第4
図から明らかなように炭素濃厚層の存在は認められなか
った。
次に、これら2本のシャフトについて、窒化ケイ素層と
基材との間の密着性を調べるために各種の試験を行なっ
た。まず、スクラッチ試験(引っかき試験)を行なった
ところ、実施例1のシャフトでは8〜10N、比較例のシ
ャフトでは3N以下という結果が得られ、実施例1のシャ
フトの方が窒化ケイ素層の密着性のよいことが確認され
た。
基材との間の密着性を調べるために各種の試験を行なっ
た。まず、スクラッチ試験(引っかき試験)を行なった
ところ、実施例1のシャフトでは8〜10N、比較例のシ
ャフトでは3N以下という結果が得られ、実施例1のシャ
フトの方が窒化ケイ素層の密着性のよいことが確認され
た。
また、第5図に示すような耐摩耗性評価装置を用いて窒
化ケイ素層の密着性を評価した。この装置はシャフト2
をサブベアリング5,5ではさみこみ、シャフト2を回転
させながらサブベアリング5,5のしめつけによる荷重を
変化させ、その際のトルク変化を調べる装置である。な
お、シャフトの回転数は290rpm、荷重は22.5kg/3minの
割合で135kgまで上昇させた。この試験で得られた荷重
とトルクとの関係を第6図に示す。第6図からわかるよ
うに、比較例のシャフトではトルク上昇カーブが非常に
不安定である。これは比較例のシャフトでは窒化ケイ素
層の密着性が悪く、試験中に窒化ケイ素層の剥離が生じ
ているためであると考えられる。これに対して、実施例
1のシャフトではトルク上昇カーブが非常にスムーズで
あり、窒化ケイ素層の密着性が良好であることが推定さ
れる。
化ケイ素層の密着性を評価した。この装置はシャフト2
をサブベアリング5,5ではさみこみ、シャフト2を回転
させながらサブベアリング5,5のしめつけによる荷重を
変化させ、その際のトルク変化を調べる装置である。な
お、シャフトの回転数は290rpm、荷重は22.5kg/3minの
割合で135kgまで上昇させた。この試験で得られた荷重
とトルクとの関係を第6図に示す。第6図からわかるよ
うに、比較例のシャフトではトルク上昇カーブが非常に
不安定である。これは比較例のシャフトでは窒化ケイ素
層の密着性が悪く、試験中に窒化ケイ素層の剥離が生じ
ているためであると考えられる。これに対して、実施例
1のシャフトではトルク上昇カーブが非常にスムーズで
あり、窒化ケイ素層の密着性が良好であることが推定さ
れる。
また、2種のシャフトの表面にカッターナイフでキズを
つけようとした場合、実施例1のシャフトは比較例のシ
ャフトよりもキズがつきにくい傾向を示した。
つけようとした場合、実施例1のシャフトは比較例のシ
ャフトよりもキズがつきにくい傾向を示した。
以上のように、鋳鉄表面に炭素濃厚層を形成することに
より、窒化ケイ素層の密着性が大幅に向上していること
が確認された。
より、窒化ケイ素層の密着性が大幅に向上していること
が確認された。
更に、実施例1のシャフト以外の部材として、フレーム
及びシリンダをねずみ鋳鉄で製作し、ローラを共晶黒鉛
鋳鉄で、ブレードを焼結体でそれぞれ作製し、第2図図
示の圧縮機を組立てて実機テストを行なった結果、実施
例のシャフトは窒化ケイ素層の剥離を起こすことなく、
7000rpmまで良好な回転を示した。しかも銅メッキ現象
は認められなかった。
及びシリンダをねずみ鋳鉄で製作し、ローラを共晶黒鉛
鋳鉄で、ブレードを焼結体でそれぞれ作製し、第2図図
示の圧縮機を組立てて実機テストを行なった結果、実施
例のシャフトは窒化ケイ素層の剥離を起こすことなく、
7000rpmまで良好な回転を示した。しかも銅メッキ現象
は認められなかった。
実施例2 本発明にかかる部品が圧縮機のブレードである場合につ
き説明する。
き説明する。
まず、炭素を0.1重量%含むSUS303ステンレス鋼を所定
形状に切出したブレードについて、残留応力を取除くた
めに焼きなましした後、トリクレンで脱脂し、ガス浸炭
炉中に挿入した。次にXeガスを導入し最初0.1Torr,200
℃で1時間、次に250℃,1Torrで1時間スパッタエッチ
ング処理を施した。炭素濃厚層の厚みは500Åで炭素の
最大濃度は0.5重量%であった。その後、ブレードを取
出し、表面に付着しているすすを酸洗して除去し、さら
にトリクレンで洗浄した。
形状に切出したブレードについて、残留応力を取除くた
めに焼きなましした後、トリクレンで脱脂し、ガス浸炭
炉中に挿入した。次にXeガスを導入し最初0.1Torr,200
℃で1時間、次に250℃,1Torrで1時間スパッタエッチ
ング処理を施した。炭素濃厚層の厚みは500Åで炭素の
最大濃度は0.5重量%であった。その後、ブレードを取
出し、表面に付着しているすすを酸洗して除去し、さら
にトリクレンで洗浄した。
次いで、ブレードを実施例1で用いたのと同様なプラズ
マCVD装置内に装入し、基板加熱温度を550℃とし、TiCl
4とCH4とをガス流量比1:5の割合で流して炭素濃厚層表
面に炭化チタン層を形成した。
マCVD装置内に装入し、基板加熱温度を550℃とし、TiCl
4とCH4とをガス流量比1:5の割合で流して炭素濃厚層表
面に炭化チタン層を形成した。
この実施例2のブレード以外の部材として、シャフト、
フレーム及びシリンダをねずみ鋳鉄で、ローラを共晶黒
鉛鋳鉄でそれぞれ作製し、第2図図示の圧縮機を組立て
て実機テスト行なった結果、ブレード表面の炭化チタン
層は剥離を起こすことなく、高速で安定な回転を示し
た。銅メッキ現象も認められなかった。
フレーム及びシリンダをねずみ鋳鉄で、ローラを共晶黒
鉛鋳鉄でそれぞれ作製し、第2図図示の圧縮機を組立て
て実機テスト行なった結果、ブレード表面の炭化チタン
層は剥離を起こすことなく、高速で安定な回転を示し
た。銅メッキ現象も認められなかった。
実施例3 本発明にかかる部品が圧縮機のローラである場合につい
て説明する。
て説明する。
炭素含有量が0.01重量%である36Ni−Fe合金からローラ
形状のリングを切削加工した。
形状のリングを切削加工した。
このローラを反応容器の中に置き、実施例2と同様にし
てまずArを導入し、更にメタンガスを導入して全体の内
圧を1.05Torrにしてスパッタエッチング処理を施した。
てまずArを導入し、更にメタンガスを導入して全体の内
圧を1.05Torrにしてスパッタエッチング処理を施した。
その後ローラを400℃まで加熱し、ここにB2H6とNH3ガス
を流量比1:4の割合で流してローラ表面に酸素の混入し
た炭化ホウ素層を形成した。
を流量比1:4の割合で流してローラ表面に酸素の混入し
た炭化ホウ素層を形成した。
この実施例3のローラ以外の部材として、シャフト、フ
レーム及びシリンダをねずみ鋳鉄で、ブレードをSUS303
ステンレス鋼でそれぞれ作製し、第2図図示の圧縮機を
組立てて実機テストを行なった結果、ローラ表面の炭化
ホウ素層は剥離を起こすことなく、高速で安定な回転を
示した。また、銅メッキ現象は認められなかった。
レーム及びシリンダをねずみ鋳鉄で、ブレードをSUS303
ステンレス鋼でそれぞれ作製し、第2図図示の圧縮機を
組立てて実機テストを行なった結果、ローラ表面の炭化
ホウ素層は剥離を起こすことなく、高速で安定な回転を
示した。また、銅メッキ現象は認められなかった。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明の冷媒圧縮機は、
部品の摺動部が上記したように構成されているので次の
ような効果を奏し有用である。
部品の摺動部が上記したように構成されているので次の
ような効果を奏し有用である。
摺動部における金属基材とセラミックス層との密着
性が強固であり、耐摩耗性が優れているので、圧縮機を
高速運転することが可能となり、しかもその使用寿命は
長い。
性が強固であり、耐摩耗性が優れているので、圧縮機を
高速運転することが可能となり、しかもその使用寿命は
長い。
セラミックス層の厚みは薄いので、金属基材はほと
んど非磁性化することなく、モータ効率は低下しない。
また同様にセラミックス層と金属基材との熱膨張係数の
差に基づく問題も該セラミックス層が薄いことによって
生起することがなく、高温になってもサイドクリアラン
スの発生は抑制される。
んど非磁性化することなく、モータ効率は低下しない。
また同様にセラミックス層と金属基材との熱膨張係数の
差に基づく問題も該セラミックス層が薄いことによって
生起することがなく、高温になってもサイドクリアラン
スの発生は抑制される。
セラミックス層は、冷媒雰囲気中で高負荷を受けて
も塑性変形してその負荷による摩耗が軽減されることで
ある。
も塑性変形してその負荷による摩耗が軽減されることで
ある。
このことは、従来、セラミックス部材の場合、その面粗
さが1.6S以下でないと相手材の摩耗を促進せしめていた
という問題を解消し、少々面粗さが劣悪であってもその
塑性変形により相手材の摩耗を促進しないということを
意味し、従来、面精度を向上せしめるために努力されて
いた加工におけるロードを軽減する。したがって、優れ
た性能でかつ安価な圧縮機の提供が可能となる。
さが1.6S以下でないと相手材の摩耗を促進せしめていた
という問題を解消し、少々面粗さが劣悪であってもその
塑性変形により相手材の摩耗を促進しないということを
意味し、従来、面精度を向上せしめるために努力されて
いた加工におけるロードを軽減する。したがって、優れ
た性能でかつ安価な圧縮機の提供が可能となる。
また、このようなセラミックス層を持つことにより、耐
摩耗性は劣るが剛性に富む量産性の良い構造材をシャフ
トに使用することができる。すなわち、圧縮機のような
片持ち支持構造の機器においては、圧縮機の組立て時に
モータのロータ・ステータ間の空液が不均一になる。こ
のためロータ・ステータ間に働く電磁力でシャフトに曲
げ応力が働くが、この力を剛性に富む材料を使用するこ
とにより、ベアリングが受ける余分な力を吸収できるの
で、モータの起動トルクを小さくでき、圧縮機の性能向
上に寄与する効果がある。
摩耗性は劣るが剛性に富む量産性の良い構造材をシャフ
トに使用することができる。すなわち、圧縮機のような
片持ち支持構造の機器においては、圧縮機の組立て時に
モータのロータ・ステータ間の空液が不均一になる。こ
のためロータ・ステータ間に働く電磁力でシャフトに曲
げ応力が働くが、この力を剛性に富む材料を使用するこ
とにより、ベアリングが受ける余分な力を吸収できるの
で、モータの起動トルクを小さくでき、圧縮機の性能向
上に寄与する効果がある。
銅メッキ現象が起らないことである。これは摺動部
の摺動性が向上してその部分の温度が、金属同士の場合
よりも低温になるためであろうと考えられる。いずれに
しても、従来の商用周波数を用いることなく高速回転さ
せその冷却効率を大たらしめるコンプレッサに多発する
銅メッキ現象が解消することは非常に大きな利点である
といえる。
の摺動性が向上してその部分の温度が、金属同士の場合
よりも低温になるためであろうと考えられる。いずれに
しても、従来の商用周波数を用いることなく高速回転さ
せその冷却効率を大たらしめるコンプレッサに多発する
銅メッキ現象が解消することは非常に大きな利点である
といえる。
このように、本発明の冷媒圧縮機は優れた効果を有し、
小型であっても大出力を引出すことが可能であり、高い
信頼性をもって長期使用できしかも安価に製作できるの
でその工業的価値が極めて大である。
小型であっても大出力を引出すことが可能であり、高い
信頼性をもって長期使用できしかも安価に製作できるの
でその工業的価値が極めて大である。
第1図,第2図はそれぞれロータリーコンプレッサの一
部切欠縦断面図、及びクランク部の横断面図を表わす。 第3図,第4図はそれぞれ実施例1及び比較例のシャフ
トの表面層のオージェ電子分光分析法による層の深さ方
向における構成元素の分布を表わす図である。 第5図はセラミックス層と金属基材との密着性を測定す
るための装置の概略図であり、第6図は第5図の装置で
測定した実施例1および比較例のシャフトの特性図であ
る。 1……ケーシング、2……シャフト 3……フレーム、4……シリンダ 5……サブベアリング、6……ローラ 7……ブレード、8……スプリング 9……冷媒吸入口、10……吸込室 11……吐出室、12……冷媒吐出口 13……冷凍機油、14……ポンプ
部切欠縦断面図、及びクランク部の横断面図を表わす。 第3図,第4図はそれぞれ実施例1及び比較例のシャフ
トの表面層のオージェ電子分光分析法による層の深さ方
向における構成元素の分布を表わす図である。 第5図はセラミックス層と金属基材との密着性を測定す
るための装置の概略図であり、第6図は第5図の装置で
測定した実施例1および比較例のシャフトの特性図であ
る。 1……ケーシング、2……シャフト 3……フレーム、4……シリンダ 5……サブベアリング、6……ローラ 7……ブレード、8……スプリング 9……冷媒吸入口、10……吸込室 11……吐出室、12……冷媒吐出口 13……冷凍機油、14……ポンプ
Claims (3)
- 【請求項1】部品の摺動部が、 金属基材と;該金属基材の表面もしくはその近傍に形成
され、該基材中の平均炭素濃度よりも高い炭素濃度を有
する炭素濃厚層と;該炭素濃厚層の表面に成膜されたセ
ラミックス層と;から成ることを特徴とする冷媒圧縮
機。 - 【請求項2】該炭素濃厚層の炭素濃度が、金属基材中の
平均炭素濃度の1.2倍以上である特許請求の範囲第1項
記載の冷媒圧縮機。 - 【請求項3】該金属基材が炭素0.01重量%以上含有して
いる特許請求の範囲第1項または第2項記載の冷媒圧縮
機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5512686A JPH0665877B2 (ja) | 1985-03-14 | 1986-03-14 | 冷媒圧縮機 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60-49402 | 1985-03-14 | ||
JP4940285 | 1985-03-14 | ||
JP5512686A JPH0665877B2 (ja) | 1985-03-14 | 1986-03-14 | 冷媒圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62677A JPS62677A (ja) | 1987-01-06 |
JPH0665877B2 true JPH0665877B2 (ja) | 1994-08-24 |
Family
ID=26389792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5512686A Expired - Lifetime JPH0665877B2 (ja) | 1985-03-14 | 1986-03-14 | 冷媒圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0665877B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03264679A (ja) * | 1989-12-27 | 1991-11-25 | Yoshida Kogyo Kk <Ykk> | 導電性材料の表面処理方法 |
WO2022014709A1 (ja) * | 2020-07-16 | 2022-01-20 | Dowaサーモテック株式会社 | 金属炭化物膜被覆部材およびその製造方法 |
-
1986
- 1986-03-14 JP JP5512686A patent/JPH0665877B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62677A (ja) | 1987-01-06 |
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