JPH0665573A - カルノゾールの精製方法 - Google Patents
カルノゾールの精製方法Info
- Publication number
- JPH0665573A JPH0665573A JP4221364A JP22136492A JPH0665573A JP H0665573 A JPH0665573 A JP H0665573A JP 4221364 A JP4221364 A JP 4221364A JP 22136492 A JP22136492 A JP 22136492A JP H0665573 A JPH0665573 A JP H0665573A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon dioxide
- carnosol
- supercritical carbon
- separator
- carnozole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/54—Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids
Landscapes
- Fats And Perfumes (AREA)
- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】カルノゾールを高濃度で、安定かつ効率良く精
製できるカルノゾールの精製方法を提供する。 【構成】カルノゾールを含有する原料物質及び超臨界二
酸化炭素を抽出器20で接触させて可溶性成分を抽出す
る。次に、第一分離器25で可溶性成分を含有する超臨界
二酸化炭素相から低溶解性成分を除去した後、精留塔26
を備えた第二分離器25に導入して超臨界二酸化炭素相を
精留する。これにより、高溶解性成分を含有する超臨界
二酸化炭素を除去して、カルノゾールを濃縮する。精留
塔26の内部は、塔底部から塔頂部に向かって温度が高く
なるように温度勾配を設定する。
製できるカルノゾールの精製方法を提供する。 【構成】カルノゾールを含有する原料物質及び超臨界二
酸化炭素を抽出器20で接触させて可溶性成分を抽出す
る。次に、第一分離器25で可溶性成分を含有する超臨界
二酸化炭素相から低溶解性成分を除去した後、精留塔26
を備えた第二分離器25に導入して超臨界二酸化炭素相を
精留する。これにより、高溶解性成分を含有する超臨界
二酸化炭素を除去して、カルノゾールを濃縮する。精留
塔26の内部は、塔底部から塔頂部に向かって温度が高く
なるように温度勾配を設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルノゾールの精製方
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油脂の酸化防止剤として、合成抗
酸化剤のジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジブ
チルヒドロキシアニソール(BHA)等が使用されてい
る。しかしながら、これらの合成抗酸化剤は、安全性の
面で問題がある。そこで、安全性に優れた天然の酸化防
止剤が注目されている。
酸化剤のジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジブ
チルヒドロキシアニソール(BHA)等が使用されてい
る。しかしながら、これらの合成抗酸化剤は、安全性の
面で問題がある。そこで、安全性に優れた天然の酸化防
止剤が注目されている。
【0003】天然酸化防止剤の一つであるカルノゾール
は、広く植物界に分布し、例えば、ローズマリーの葉、
茎等に存在することが知られている。
は、広く植物界に分布し、例えば、ローズマリーの葉、
茎等に存在することが知られている。
【0004】カルノゾールは、化1に示す構造式(I)
で示される化合物である。
で示される化合物である。
【0005】
【化1】 このようなカルノゾールは、一般に使用されている天然
酸化防止剤であるα−トコフェノールと同等またはそれ
以上の抗酸化力があることが知られており、例えば、油
脂や食品の殺菌剤、酸化防止剤および医薬分野における
抗酸化剤として期待されている。例えば、ローズマリー
のようなカルノゾールを含有する原料物質から、カルノ
ゾールを抽出および分離する方法としては、超臨界二酸
化炭素を用いた抽出方法が知られている(超臨界流体技
術の理論と実際、P.304、(株)NTS、昭和62
年9月5日発行)。この抽出方法によれば、超臨界二酸
化炭素で、250bar,60 ℃の条件下、エントレーナーとし
てヘキサン・エタノールを使用して、ローズマリーから
香気成分を抽出除去した後、その抽出残渣から、さらに
超臨界二酸化炭素で、300barの条件下、エントレーナー
としてエタノールを用いて抽出し、その後減圧して二酸
化炭素を除去し、カルノゾールを含む抽出物を得てい
る。
酸化防止剤であるα−トコフェノールと同等またはそれ
以上の抗酸化力があることが知られており、例えば、油
脂や食品の殺菌剤、酸化防止剤および医薬分野における
抗酸化剤として期待されている。例えば、ローズマリー
のようなカルノゾールを含有する原料物質から、カルノ
ゾールを抽出および分離する方法としては、超臨界二酸
化炭素を用いた抽出方法が知られている(超臨界流体技
術の理論と実際、P.304、(株)NTS、昭和62
年9月5日発行)。この抽出方法によれば、超臨界二酸
化炭素で、250bar,60 ℃の条件下、エントレーナーとし
てヘキサン・エタノールを使用して、ローズマリーから
香気成分を抽出除去した後、その抽出残渣から、さらに
超臨界二酸化炭素で、300barの条件下、エントレーナー
としてエタノールを用いて抽出し、その後減圧して二酸
化炭素を除去し、カルノゾールを含む抽出物を得てい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような超臨界二酸化炭素を用いた抽出方法では、カルノ
ゾール以外の超臨界二酸化炭素により溶出可能な成分も
同時に抽出されてしまう。このため、抽出物中に不純物
が混在しやすい。また、エントレーナーとして用いたエ
タノールもほとんどが抽出物中に残留する。この結果、
抽出物中のカルノゾールの濃度が低くなり、抽出物を使
用した場合に抗酸化活性が低く、十分な抗酸化効果が得
られない問題がある。
ような超臨界二酸化炭素を用いた抽出方法では、カルノ
ゾール以外の超臨界二酸化炭素により溶出可能な成分も
同時に抽出されてしまう。このため、抽出物中に不純物
が混在しやすい。また、エントレーナーとして用いたエ
タノールもほとんどが抽出物中に残留する。この結果、
抽出物中のカルノゾールの濃度が低くなり、抽出物を使
用した場合に抗酸化活性が低く、十分な抗酸化効果が得
られない問題がある。
【0007】従来、カルノゾ−ルおよびその他の不純物
を含む抽出物からさらに目的のカルノゾ−ルを分離する
ためには、蒸留や蒸発等の抽出物に熱を加える方法が用
いられている。しかし、一般にカルノゾ−ル等の抗酸化
剤は、高温にさらされたり、空気(酸素)に接触すると
著しく活性が低下する。そこで、低温下でしかも空気
(酸素)の存在しない条件下で分離する方法が望まれて
いる。
を含む抽出物からさらに目的のカルノゾ−ルを分離する
ためには、蒸留や蒸発等の抽出物に熱を加える方法が用
いられている。しかし、一般にカルノゾ−ル等の抗酸化
剤は、高温にさらされたり、空気(酸素)に接触すると
著しく活性が低下する。そこで、低温下でしかも空気
(酸素)の存在しない条件下で分離する方法が望まれて
いる。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、超臨界二酸化炭素によりカルノゾールを、高濃
度でかつ優れた効率で分離精製できるカルノゾールの精
製方法を提供するものである。
であり、超臨界二酸化炭素によりカルノゾールを、高濃
度でかつ優れた効率で分離精製できるカルノゾールの精
製方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルノゾール
を含有する原料物質を超臨界二酸化炭素と接触させて該
カルノゾールを抽出する工程と、該カルノゾールを含有
する超臨界二酸化炭素相を精留してカルノゾールを濃縮
する工程を具備するカルノゾールの精製方法を提供す
る。
を含有する原料物質を超臨界二酸化炭素と接触させて該
カルノゾールを抽出する工程と、該カルノゾールを含有
する超臨界二酸化炭素相を精留してカルノゾールを濃縮
する工程を具備するカルノゾールの精製方法を提供す
る。
【0010】ここで、超臨界二酸化炭素相の精留を、塔
底部から塔頂部に向かって所定の温度勾配で内部温度が
高くなる精留塔において行うことが好ましい。
底部から塔頂部に向かって所定の温度勾配で内部温度が
高くなる精留塔において行うことが好ましい。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の超臨界二酸化炭素を用いたカルノ
ゾールの精製方法において、原料物質とは、例えば、ロ
ーズマリーの葉又は茎のようなカルノゾールを含有する
天然物、または、これらの天然物から有機溶媒等を用い
て抽出して得た抽出物やカルノゾールを人工的に合成し
て得られた生成混合物のような粗精製物を含む。
ゾールの精製方法において、原料物質とは、例えば、ロ
ーズマリーの葉又は茎のようなカルノゾールを含有する
天然物、または、これらの天然物から有機溶媒等を用い
て抽出して得た抽出物やカルノゾールを人工的に合成し
て得られた生成混合物のような粗精製物を含む。
【0013】カルノゾールの抽出は、超臨界状態にある
二酸化炭素と原料物質とを接触させることにより行われ
る。抽出条件は、抽出圧力が76〜500kg/cm2
の範囲内であって、抽出温度が31〜70℃の範囲内で
あることが好ましい。しかしながら、抽出温度が高くな
るにつれて抽出圧力が低い場合にはカルノゾールを選択
的に抽出することが困難になるため、抽出圧力を高く設
定することが特に好ましい。例えば、40℃の場合には
75〜300kg/cm2 、60℃の場合には100〜30
0kg/cm2 であることが好ましい。
二酸化炭素と原料物質とを接触させることにより行われ
る。抽出条件は、抽出圧力が76〜500kg/cm2
の範囲内であって、抽出温度が31〜70℃の範囲内で
あることが好ましい。しかしながら、抽出温度が高くな
るにつれて抽出圧力が低い場合にはカルノゾールを選択
的に抽出することが困難になるため、抽出圧力を高く設
定することが特に好ましい。例えば、40℃の場合には
75〜300kg/cm2 、60℃の場合には100〜30
0kg/cm2 であることが好ましい。
【0014】このようにして得られたカルノゾールを含
有する超臨界二酸化炭素相を精留して、カルノゾールを
濃縮・精製する。超臨界二酸化炭素相の精留は、例え
ば、精留塔において行われる。この精留塔の内部は、塔
底部から塔頂部に向かって直線的または曲線的な温度勾
配で温度が高くなるように設定され、かつ、所定の圧力
条件に設定されている。
有する超臨界二酸化炭素相を精留して、カルノゾールを
濃縮・精製する。超臨界二酸化炭素相の精留は、例え
ば、精留塔において行われる。この精留塔の内部は、塔
底部から塔頂部に向かって直線的または曲線的な温度勾
配で温度が高くなるように設定され、かつ、所定の圧力
条件に設定されている。
【0015】精留塔内部の温度勾配は、例えば、塔頂部
の温度が約60℃であって塔底部の温度が約40℃であ
る場合が特に好ましい。精留塔内部の圧力条件は、50
〜100kg/cm2 の範囲内が好ましい。
の温度が約60℃であって塔底部の温度が約40℃であ
る場合が特に好ましい。精留塔内部の圧力条件は、50
〜100kg/cm2 の範囲内が好ましい。
【0016】以上のように超臨界二酸化炭素相は精留さ
れて、揮発性成分やエントレーナーのような超臨界二酸
化炭素に溶解しやすい成分(高溶解性成分という)が超
臨界二酸化炭素相と共に除去され、高濃度でカルノゾー
ルを含有するカルノゾールの精製物が得られる。
れて、揮発性成分やエントレーナーのような超臨界二酸
化炭素に溶解しやすい成分(高溶解性成分という)が超
臨界二酸化炭素相と共に除去され、高濃度でカルノゾー
ルを含有するカルノゾールの精製物が得られる。
【0017】上述の精留による高溶解性成分の除去に先
立って、カルノゾールよりも超臨界二酸化炭素に溶解し
難い成分(以下、低溶解性成分という)を超臨界二酸化
炭素相から分離するために、例えば、超臨界二酸化炭素
相を低溶解性成分だけが分離される温度及び圧力条件に
設定した分離器に導入して低溶解性成分を除去すること
により、カルノゾールの濃度をより高めることができ
る。
立って、カルノゾールよりも超臨界二酸化炭素に溶解し
難い成分(以下、低溶解性成分という)を超臨界二酸化
炭素相から分離するために、例えば、超臨界二酸化炭素
相を低溶解性成分だけが分離される温度及び圧力条件に
設定した分離器に導入して低溶解性成分を除去すること
により、カルノゾールの濃度をより高めることができ
る。
【0018】また、精留によって分離された高溶解性成
分を含む超臨界二酸化炭素を、高溶解性成分が超臨界二
酸化炭素から分離される温度及び圧力条件に設定した分
離器に導入して、高溶解性成分を超臨界二酸化炭素から
除去して超臨界二酸化炭素を再利用することも可能であ
る。
分を含む超臨界二酸化炭素を、高溶解性成分が超臨界二
酸化炭素から分離される温度及び圧力条件に設定した分
離器に導入して、高溶解性成分を超臨界二酸化炭素から
除去して超臨界二酸化炭素を再利用することも可能であ
る。
【0019】
【作用】本発明のカルノゾールの精製方法によれば、原
料物質を超臨界二酸化炭素と接触させることにより、高
効率でカルノゾールを抽出することができる。また、カ
ルノゾールを含有する超臨界二酸化炭素相を精留するこ
とにより、不要な高溶解性成分を高効率で分離できる。
さらに、比較的低温である条件下でカルノゾールを抽出
および精製するためカルノゾールの活性が安定に維持さ
れる。
料物質を超臨界二酸化炭素と接触させることにより、高
効率でカルノゾールを抽出することができる。また、カ
ルノゾールを含有する超臨界二酸化炭素相を精留するこ
とにより、不要な高溶解性成分を高効率で分離できる。
さらに、比較的低温である条件下でカルノゾールを抽出
および精製するためカルノゾールの活性が安定に維持さ
れる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して詳細に説明する。
して詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明のカルノゾールの精製方法
に使用する精製装置の一例を示す説明図である。
に使用する精製装置の一例を示す説明図である。
【0022】図中11は、二酸化炭素を収容するボンベ
である。ボンベ11は、開閉弁12を介して熱交換器1
3に接続されている。熱交換器13の流出側には、ポン
プ14が接続されている。ポンプ14の流出側には、開
閉弁15を介して熱交換器16が接続されている。開閉
弁15および熱交換器16の間には、エントレーナータ
ンク17がポンプ18および開閉弁19を介して接続さ
れている。
である。ボンベ11は、開閉弁12を介して熱交換器1
3に接続されている。熱交換器13の流出側には、ポン
プ14が接続されている。ポンプ14の流出側には、開
閉弁15を介して熱交換器16が接続されている。開閉
弁15および熱交換器16の間には、エントレーナータ
ンク17がポンプ18および開閉弁19を介して接続さ
れている。
【0023】熱交換器16の流出側には、抽出器20が
接続されている。抽出器20には、原料物質供給源45
が開閉弁46を介して接続されている。また、抽出器2
0の流出側には、圧力調節弁21を介して第一分離器2
2が接続されている。第一分離器22の底部には開閉弁
23を介して分離された成分を回収する回収タンク(図
示せず)が接続されている。一方、第一分離器22の流
出側には、圧力調節弁24を介して第二分離器25が接
続されている。
接続されている。抽出器20には、原料物質供給源45
が開閉弁46を介して接続されている。また、抽出器2
0の流出側には、圧力調節弁21を介して第一分離器2
2が接続されている。第一分離器22の底部には開閉弁
23を介して分離された成分を回収する回収タンク(図
示せず)が接続されている。一方、第一分離器22の流
出側には、圧力調節弁24を介して第二分離器25が接
続されている。
【0024】第二分離器25の上部には精留塔26が設
けられている。精留塔26には、9つのヒータ27が順
次添設されている。一方、第二分離器25の底部には、
開閉弁28を介して目的成分を回収する回収タンク29
が接続されている。
けられている。精留塔26には、9つのヒータ27が順
次添設されている。一方、第二分離器25の底部には、
開閉弁28を介して目的成分を回収する回収タンク29
が接続されている。
【0025】精留塔26の塔頂部には、圧力調節弁30
を介して第三分離器31が接続されている。第三分離器
31は恒温槽32に浸漬されている。第三分離器31の
流出側には、圧力調節弁33を介して二酸化炭素回収部
(図示せず)に接続されている。
を介して第三分離器31が接続されている。第三分離器
31は恒温槽32に浸漬されている。第三分離器31の
流出側には、圧力調節弁33を介して二酸化炭素回収部
(図示せず)に接続されている。
【0026】このような構成からなる精製装置10の各
部には、圧力計36〜40および温度計41〜44が取
り付けられている。
部には、圧力計36〜40および温度計41〜44が取
り付けられている。
【0027】このような構成からなる精製装置10を用
いて次のようにして原料物質からの目的のカルノゾール
の抽出を行う。
いて次のようにして原料物質からの目的のカルノゾール
の抽出を行う。
【0028】まず、開閉弁12を開放してボンベ11か
ら二酸化炭素を供給する。供給した二酸化炭素を、熱交
換器13で所定温度まで冷却する。通常、熱交換器13
の温度は、気体状態の二酸化炭素が液体二酸化炭素にな
るような温度に設定される。具体的には、例えば、−5
〜5℃に設定される。次に、二酸化炭素は、ポンプ14
で所定圧力まで昇圧させる。ここで、二酸化炭素は抽出
時に適した圧力まで加圧される。
ら二酸化炭素を供給する。供給した二酸化炭素を、熱交
換器13で所定温度まで冷却する。通常、熱交換器13
の温度は、気体状態の二酸化炭素が液体二酸化炭素にな
るような温度に設定される。具体的には、例えば、−5
〜5℃に設定される。次に、二酸化炭素は、ポンプ14
で所定圧力まで昇圧させる。ここで、二酸化炭素は抽出
時に適した圧力まで加圧される。
【0029】次に、開閉弁15を開放して液体状態の二
酸化炭素を熱交換器16に導入し、超臨界二酸化炭素を
得る。
酸化炭素を熱交換器16に導入し、超臨界二酸化炭素を
得る。
【0030】この際、エントレーナーをエントレーナー
タンク17からポンプ18で昇圧した後熱交換器16の
前で超臨界二酸化炭素に混入する。
タンク17からポンプ18で昇圧した後熱交換器16の
前で超臨界二酸化炭素に混入する。
【0031】エントレーナーを含有する超臨界二酸化炭
素を、抽出器20に導入する。予め、抽出器20の内部
には原料物質が収容されている。これにより、抽出器2
0の内部で超臨界二酸化炭素および原料物質が接触し、
原料物質中のカルノゾールおよびその他の超臨界二酸化
炭素に可溶な成分(以下、可溶性成分という)が超臨界
二酸化炭素中に溶出する。
素を、抽出器20に導入する。予め、抽出器20の内部
には原料物質が収容されている。これにより、抽出器2
0の内部で超臨界二酸化炭素および原料物質が接触し、
原料物質中のカルノゾールおよびその他の超臨界二酸化
炭素に可溶な成分(以下、可溶性成分という)が超臨界
二酸化炭素中に溶出する。
【0032】ここで、原料物質は、原料物質供給部45
からバッチ単位で抽出器20に供給しても良いし、連続
的に温度および圧力が抽出器20内部と等しくなるよう
に調整する装置を介して供給し、向流接触抽出を行って
も良い。ただし、連続抽出する場合には、抽出器20に
抽残物を排出するための排出口(図示せず)を設ける必
要がある。
からバッチ単位で抽出器20に供給しても良いし、連続
的に温度および圧力が抽出器20内部と等しくなるよう
に調整する装置を介して供給し、向流接触抽出を行って
も良い。ただし、連続抽出する場合には、抽出器20に
抽残物を排出するための排出口(図示せず)を設ける必
要がある。
【0033】次に、可溶性成分を含有する超臨界二酸化
炭素相を抽出器20の上部から流出させて、圧力調節弁
21で所定圧力に減圧した後、第一分離器22に供給す
る。この際、第一分離器22の内部は、超臨界二酸化炭
素に含有される成分のうち、低溶解性成分が分離される
温度および圧力に設定する。例えば、第一分離器22の
内部は、20〜40℃の温度、および、100〜150
kg/cm2 に設定することが好ましい。これにより、
低溶解性成分は第一分離器22で分離され、開閉バルブ
23を経て排出される。
炭素相を抽出器20の上部から流出させて、圧力調節弁
21で所定圧力に減圧した後、第一分離器22に供給す
る。この際、第一分離器22の内部は、超臨界二酸化炭
素に含有される成分のうち、低溶解性成分が分離される
温度および圧力に設定する。例えば、第一分離器22の
内部は、20〜40℃の温度、および、100〜150
kg/cm2 に設定することが好ましい。これにより、
低溶解性成分は第一分離器22で分離され、開閉バルブ
23を経て排出される。
【0034】次いで、低溶解性成分が分離された超臨界
二酸化炭素相を、圧力調節弁24で所定圧力に減圧され
た後に第二分離器25に導入する。この際、ヒータ27
によって、精留塔26の塔底部から塔頂部にかけて所定
の温度範囲にわたって温度が上昇するような直線的また
は曲線的な温度勾配が、精留塔26の内部を流通する超
臨界二酸化炭素相に付される。
二酸化炭素相を、圧力調節弁24で所定圧力に減圧され
た後に第二分離器25に導入する。この際、ヒータ27
によって、精留塔26の塔底部から塔頂部にかけて所定
の温度範囲にわたって温度が上昇するような直線的また
は曲線的な温度勾配が、精留塔26の内部を流通する超
臨界二酸化炭素相に付される。
【0035】これにより、超臨界二酸化炭素相は精留さ
れて、第二分離器25の底部にカルノゾールが高濃度で
濃縮される。このカルノゾールの濃縮物は、回収タンク
29に回収する。
れて、第二分離器25の底部にカルノゾールが高濃度で
濃縮される。このカルノゾールの濃縮物は、回収タンク
29に回収する。
【0036】一方、カルノゾールが分離され、高溶解性
成分を含有する超臨界二酸化炭素相を、精留塔26の塔
頂部から圧力調節弁30で、例えば0〜30kg/cm
2 に減圧した後に第三分離器31に導入する。第三分離
器31は、恒温槽32により、例えば、0〜30℃に設
定する。これにより、超臨界二酸化炭素中のエントレー
ナー等の高溶解性成分が分離される。超臨界二酸化炭素
は、再びカルノゾールの抽出に使用可能である。
成分を含有する超臨界二酸化炭素相を、精留塔26の塔
頂部から圧力調節弁30で、例えば0〜30kg/cm
2 に減圧した後に第三分離器31に導入する。第三分離
器31は、恒温槽32により、例えば、0〜30℃に設
定する。これにより、超臨界二酸化炭素中のエントレー
ナー等の高溶解性成分が分離される。超臨界二酸化炭素
は、再びカルノゾールの抽出に使用可能である。
【0037】次に、上述の精製装置10を用いて、ロー
ズマリーからのカルノゾールの抽出分離を行った場合に
ついて説明する。
ズマリーからのカルノゾールの抽出分離を行った場合に
ついて説明する。
【0038】まず、予め抽出器20の内部にローズマリ
ーの粉砕物(カルノゾール約1.6重量%)を収容し
た。次いで、抽出器20、第一分離器22、第二分離器
25および第三分離器31における抽出および分離条件
を表1に示すように設定し、カルノゾールの抽出分離を
上述の抽出方法に従って行った。この際、超臨界二酸化
炭素に対してエントレーナーとしてエタノールを20重
量%添加した。
ーの粉砕物(カルノゾール約1.6重量%)を収容し
た。次いで、抽出器20、第一分離器22、第二分離器
25および第三分離器31における抽出および分離条件
を表1に示すように設定し、カルノゾールの抽出分離を
上述の抽出方法に従って行った。この際、超臨界二酸化
炭素に対してエントレーナーとしてエタノールを20重
量%添加した。
【0039】このような抽出工程において、第一分離器
22、第二分離器25および第三分離器31での溶質中
カルノゾール濃度およびカルノゾール回収率を求めた。
この結果を表2に示す。なお、ここで、溶質中カルゾノ
ール濃度とは、超臨界二酸化炭素によって抽出された不
要成分を含む抽出物総量中のカルノゾールの濃度であ
り、カルノゾール回収率とは、抽出器により抽出された
総カルノゾール量のうち各分離器で回収されたカルノゾ
ールの割合である。
22、第二分離器25および第三分離器31での溶質中
カルノゾール濃度およびカルノゾール回収率を求めた。
この結果を表2に示す。なお、ここで、溶質中カルゾノ
ール濃度とは、超臨界二酸化炭素によって抽出された不
要成分を含む抽出物総量中のカルノゾールの濃度であ
り、カルノゾール回収率とは、抽出器により抽出された
総カルノゾール量のうち各分離器で回収されたカルノゾ
ールの割合である。
【0040】また、比較例として、分離器が超臨界二酸
化炭素によって抽出される成分を減圧により分離するた
めの第一分離器22のみであって、第二分離器25およ
び第三分離器31を有しないことを除き、本実施例の精
製装置10と同様の構成からなる精製装置を用いて、表
1に示す抽出および分離条件でローズマリーのエタノー
ル抽出物からのカルノゾールの抽出分離を行い、分離器
での溶質中カルノゾール濃度を求めた。この結果を表2
に併記する。
化炭素によって抽出される成分を減圧により分離するた
めの第一分離器22のみであって、第二分離器25およ
び第三分離器31を有しないことを除き、本実施例の精
製装置10と同様の構成からなる精製装置を用いて、表
1に示す抽出および分離条件でローズマリーのエタノー
ル抽出物からのカルノゾールの抽出分離を行い、分離器
での溶質中カルノゾール濃度を求めた。この結果を表2
に併記する。
【0041】
【表1】
【表2】 表2から明らかなように、第二分離器25から回収した
濃縮物中の溶質中カルノゾール濃度は8〜10%であっ
た。また、第二分離器25でのカルノゾールの回収率
は、96〜97%であった。また、第三分離器32で回
収された回収物はほとんどエタノールであった。
濃縮物中の溶質中カルノゾール濃度は8〜10%であっ
た。また、第二分離器25でのカルノゾールの回収率
は、96〜97%であった。また、第三分離器32で回
収された回収物はほとんどエタノールであった。
【0042】これに対して、比較例の精製装置では、分
離器で得た濃縮物の溶質中カルノゾール濃度は約5%で
あり、カルノゾールは低濃度であることが確認された。
離器で得た濃縮物の溶質中カルノゾール濃度は約5%で
あり、カルノゾールは低濃度であることが確認された。
【0043】また、本実施例の精製装置10において、
ローズマリーのエタノール抽出物を、原料物質供給部4
5から一定量供給し、同様の抽出および分離条件でカル
ノゾールの抽出分離を行った。この結果、溶質中カルノ
ゾール濃度が原料のエタノール抽出物では約5%であっ
たが、第二分離器25で得られた濃縮物では約20%で
あった。また、第三分離器31ではエタノールを分離で
きることが確認された。
ローズマリーのエタノール抽出物を、原料物質供給部4
5から一定量供給し、同様の抽出および分離条件でカル
ノゾールの抽出分離を行った。この結果、溶質中カルノ
ゾール濃度が原料のエタノール抽出物では約5%であっ
たが、第二分離器25で得られた濃縮物では約20%で
あった。また、第三分離器31ではエタノールを分離で
きることが確認された。
【0044】
【発明の効果】以上説明した如くに、本発明のカルノゾ
ールの精製方法によれば、カルノゾールを含有する原料
物質から、カルノゾールを高濃度で容易にかつ効率良く
精製することができる。また、比較的低温である条件で
抽出及び精留するためカルノゾールの活性を安定して維
持できる等顕著な効果を奏する。
ールの精製方法によれば、カルノゾールを含有する原料
物質から、カルノゾールを高濃度で容易にかつ効率良く
精製することができる。また、比較的低温である条件で
抽出及び精留するためカルノゾールの活性を安定して維
持できる等顕著な効果を奏する。
【図1】本発明のカルノゾールの精製方法に使用される
精製装置の一例を示す説明図。
精製装置の一例を示す説明図。
10…精製装置、11…ボンベ、13,16…熱交換
器、14,18…ポンプ、17…エントレーナータン
ク、20…抽出器、22…第一分離器、25…第二分離
器、26…精留塔、31…第三分離器。
器、14,18…ポンプ、17…エントレーナータン
ク、20…抽出器、22…第一分離器、25…第二分離
器、26…精留塔、31…第三分離器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米井 祥男 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社たばこ中央研究所内 (72)発明者 小野 高弘 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社たばこ中央研究所内 (72)発明者 鈴木 順二 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社たばこ中央研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 カルノゾールを含有する原料物質を超臨
界二酸化炭素と接触させて該カルノゾールを抽出する工
程と、該カルノゾールを含有する超臨界二酸化炭素相を
精留してカルノゾールを濃縮する工程を具備するカルノ
ゾールの精製方法。 - 【請求項2】 超臨界二酸化炭素相の精留を、塔底部か
ら塔頂部に向かって所定の温度勾配で内部温度が高くな
るように設定された精留塔において行うことを特徴とす
る請求項1記載のカルノゾールの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4221364A JPH0665573A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | カルノゾールの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4221364A JPH0665573A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | カルノゾールの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665573A true JPH0665573A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=16765640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4221364A Pending JPH0665573A (ja) | 1992-08-20 | 1992-08-20 | カルノゾールの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0665573A (ja) |
-
1992
- 1992-08-20 JP JP4221364A patent/JPH0665573A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH01143601A (ja) | ガス流からの凝固による蒸気低減 | |
US6337429B1 (en) | Method for separating a C4-hydrocarbon mixture | |
WO1992021638A1 (en) | Process for purifying aqueous crude ethanol solution | |
RU2399617C2 (ru) | Устройство и способ для получения этиленоксида | |
US4406778A (en) | Spent oil recovery process | |
EP0234932A2 (en) | Extraction process using supercritical fluid | |
JPS63301293A (ja) | 混合供給原料からの炭化水素の分離方法 | |
US4720326A (en) | Process for working-up aqueous amine solutions | |
US2366361A (en) | Purification of butadiene | |
KR100220285B1 (ko) | 순수한 벤젠과 순수한 톨루엔을 제조하는 방법 | |
US5882485A (en) | Process for the separation of dimethyl ether and chloromethane in mixtures | |
JPS6289637A (ja) | 直鎖第1級脂肪族高級アルコ−ルの抽出法 | |
NZ270873A (en) | Extraction (especially hops) using supercritical gas | |
JPS629568B2 (ja) | ||
US4167521A (en) | Recovery of nitrated compounds using solvent extraction and distillation | |
JPH0665573A (ja) | カルノゾールの精製方法 | |
JP3010099B2 (ja) | 超臨界流体抽出装置 | |
JPH067605A (ja) | 超臨界二酸化炭素を用いた抽出装置 | |
KR840000578B1 (ko) | 윤활유의 용매 정제방법 | |
JPS6225985A (ja) | アルコ−ルの濃縮精製方法 | |
JP2540038B2 (ja) | パラフインの抽出法 | |
JP2726828B2 (ja) | 高度不飽和脂肪酸またはそのエステルの濃縮分別装置とその濃縮分別法 | |
DK147279B (da) | Fremgangsmaade til ekstraktion af aromatiske carbonhydrider fra carbonhydridblandinger | |
EP0061877A2 (en) | Method and apparatus for providing a hop extract | |
JPH1015334A (ja) | 炭酸ガス精製方法とその装置 |