JPH0665523A - ハイソリッド塗料及び塗装方法 - Google Patents

ハイソリッド塗料及び塗装方法

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JPH0665523A
JPH0665523A JP22009592A JP22009592A JPH0665523A JP H0665523 A JPH0665523 A JP H0665523A JP 22009592 A JP22009592 A JP 22009592A JP 22009592 A JP22009592 A JP 22009592A JP H0665523 A JPH0665523 A JP H0665523A
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JP
Japan
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coating
paint
organic solvent
amount
photopolymerizable monomer
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Application number
JP22009592A
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English (en)
Inventor
Taketoshi Minohara
雄敏 蓑原
Kazuyuki Kuwano
一幸 桑野
Takeshi Kawakami
毅 河上
Nobuhiro Ito
信広 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】初期状態に必要な低粘度を維持しつつ、蒸発す
る有機溶剤量を極力減らす。 【構成】アクリル樹脂、加熱型架橋剤及び有機溶剤を含
む塗料において、有機溶剤の一部が電磁波による重合性
をもつ光重合性開始剤及び光重合性単量体により置換さ
れていることを特徴とするハイソリッド塗料。スプレー
ガンから噴射されたこの塗料に所定の電磁波を照射しな
がらスプレー塗装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤量を削減して
塗料溶液の固形分濃度を高めたハイソリッド塗料、及び
ハイソリッド塗料を用いた塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車や家庭用電気製品等の
塗装に用いられる架橋硬化型塗料として、耐候性及び外
観性に優れるアクリル系塗料が多く用いられている。こ
のアクリル系塗料には、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸メチル又はメタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル
酸アルキルと、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル又は
メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の官能基含有単
量体とをラジカル共重合して得られるアクリル樹脂が一
般的に用いられている。そして、このようなアクリル樹
脂の有機溶剤溶液に、メラミン又は多価イソシアネート
等の加熱型架橋剤を加えて得られる塗料は、塗装後焼き
付けることにより、3次元網目構造を有する強固な塗膜
を形成する。
【0003】ところで、スプレー塗装用塗料における有
機溶剤に期待される効果の1つに、スプレー塗工から造
膜過程における塗料の粘度調整効果がある。すなわち、
一般的な従来の塗料は、スプレーガンから噴射される
前、つまり初期の状態で、塗料との質量比率にて約40
〜60wt%もの多量の有機溶剤を含み、低粘度に調整
されている。これにより、塗料をスプレーガンから噴射
するスプレー塗工時に、液状の塗料を円滑に霧状に微粒
化することができる。なお、初期状態の塗料粘度が高す
ぎて、スプレー塗工時に塗料の円滑な微粒化がなされな
いと、形成される塗膜において艶無し等の外観不良の原
因となる。そして、スプレーガンから噴射されて微粒化
した塗料は、被塗物まで飛翔している間に沸点の低い有
機溶剤の一部が蒸発し、粘度が上昇する。この増粘効果
により、塗料が被塗物に塗着する際の”たれ”が抑えら
れる。この一方で、被塗物に塗着した塗料において、有
機溶剤量が極端に少なくなり粘度が極端に増大している
と、塗料の流動性の低下により、塗膜の塗面が凹凸状に
なって艶無し等の外観不良となる。このように、塗料中
の有機溶剤は、スプレー塗工から造膜過程における塗料
の粘度を良好に調整して、スプレー塗工時の円滑な塗料
の微粒化、塗着の際の”たれ”の防止、及び平滑な塗面
の形成等に貢献する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な効果が期待される有機溶剤も、一方では、蒸発するこ
とによる公害問題がクローズアップされるとともに、省
資源の理由から使用量を減らすことが必要となってきて
いる。このため、有機溶剤量を減らして塗料溶液の固形
分濃度を高めること、すなわち塗料のハイソリッド化が
検討されている。この塗料のハイソリッド化を行うに当
たり、有機溶剤量を単純に減らす方法では、上述した有
機溶剤の有用な働きとの兼合から限界がある。つまり、
有機溶剤量を減らし、その分だけ単純に樹脂濃度を高め
た場合、初期状態の塗料粘度が高くなり過ぎて、スプレ
ー塗工時に円滑な微粒化がなされずに艶無し等の外観不
良が発生したりする。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、初期状態に必要な低粘度を維持しつつ、使用する
有機溶剤量及び蒸発する有機溶剤量を極力減らして、塗
工性に優れ、かつ公害及び省資源問題の解決に貢献し得
るハイソリッド塗料及び塗装方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のハイソリッド塗料は、アクリル樹脂、加熱型架橋剤
及び有機溶剤を含む塗料において、前記有機溶剤の一部
が、電磁波による重合性をもつ光重合性開始剤及び光重
合性単量体により置換されていることを特徴とする。
【0007】上記アクリル樹脂は特に限定されず、アク
リル酸ブチル、メタクリル酸メチル又はメタクリル酸ブ
チル等の(メタ)アクリル酸アルキルと、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル又はメタクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル等の官能基含有単量体とをラジカル共重合して
得られる一般的なアクリル樹脂を用いることができる。
【0008】上記加熱型架橋剤は特に限定されず、アク
リル樹脂に対応してメラミン、多価イソシアネート等の
一般的な加熱型架橋剤を用いることができる。上記有機
溶剤は特に限定されず、トルエン、キシレン、ブタノー
ル等の一般的な有機溶剤を用いることができる。ただ
し、本発明のハイソイッド塗料では、後述するように光
重合性単量体による増粘効果により、塗着時の”たれ”
の発生を効果的に防止することができるので、スプレー
ガンから噴射されてから被塗物に塗着するまでの間に蒸
発するような沸点の低い有機溶剤をあえて用いる必要は
ない。このため、被塗物に塗着した後、塗膜の流動性を
確保して平滑な塗面の形成に貢献し得るような、なるべ
く沸点の高い有機溶剤を用いることが好ましい。
【0009】電磁波による重合性をもつ光重合性単量体
は、その末端に二重結合又は三重結合をもつもので所定
の電磁波による重合性をもつものである。この光重合性
単量体の分子量及び組成については、得られる塗膜の要
求性能に応じて種々決定することができるが、後述する
ようにスプレー前及び塗着後における所定の塗料粘度を
達成し得るように決定することが好ましい。具体的に
は、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPG
DA)、1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HD
DA)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアク
リレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート(HPNDA)等を挙げることがで
き、できるだけ低粘度のものが好ましい。
【0010】電磁波による重合性をもつ光重合性開始剤
は、種々のものを用いることができ、光重合性単量体の
組合せにおいても特に限定されない。例えば、1−フェ
ニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン
(HMPP)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン(HCPK)等を挙げることができる。なお、本
発明のハイソリッド塗料中には、アクリル樹脂、加熱型
架橋剤及び光重合性単量体の塗料固形分が含まれるが、
この塗料固形分の量は、塗料全体を100wt%とした
とき、40〜80wt%とすることが好ましい。塗料固
形分の量が40wt%よりも少ないと、ハイソリッド化
としての効果を十分にあげられない。塗料固形分の量が
80wt%よりも多いと、塗料粘度が高すぎて、スプレ
ー塗工時に微粒化がうまくなされなかったり、塗着時の
流動性が低下して、塗膜外観が艶無しとなる等の不都合
を生じやすくなる。
【0011】本発明のハイソリッド塗料中における光重
合性単量体の量は、塗料全体を100wt%としたと
き、10wt%以上とすることが好ましい。光重合性単
量体の量が10wt%よりも少ないと、ハイソリッド化
を高めるという光重合性単量体を加えることの効果を十
分にあげられない。また、光重合性開始剤の量は、光重
合性単量体との組合せやこれらの種類などにより決定さ
れるが、光重合性単量体及び光重合性開始剤100wt
%に対して1〜5wt%程度とすることができる。
【0012】また、本発明のハイソリッド塗料は、スプ
レー前の塗料粘度が0.3Pa・s以下となり、かつ被
塗物に塗着した直後の塗料粘度が1.0Pa・s以上と
なるようにすることが好ましい。スプレー前の塗料粘度
が0.3Pa・sより高くなると、スプレー塗工時に微
粒化がうまくなされなかったり、塗着時の流動性が低下
して、得られる塗膜外観が艶無しとなる等の不都合を生
じやすくなる。被塗物に塗着した直後の塗料粘度が1.
0Pa・sより低くなると、”たれ”が発生しやすくな
る。
【0013】前記課題を解決する本発明の塗装方法は、
上記ハイソリッド塗料を被塗物に塗装する際、スプレー
ガンから噴射された該塗料に所定の電磁波を照射しなが
らスプレー塗装することを特徴とする。電磁波として
は、上記ハイソリッド塗料に添加される光重合性単量体
を光重合させるもの、代表的には紫外線を選択すること
ができる。この電磁波の照射量は、光重合性単量体と開
始剤の増粘効果に応じて決定することができる。例え
ば、波長λ=400nm以下の紫外線を、1000mJ
の光エネルギーとして照射することができる。
【0014】
【作用】本発明のハイソリッド塗料では、有機溶剤の一
部が電磁波による重合性をもつ光重合性開始剤及び光重
合性単量体で置換されているが、この光重合性開始剤及
び光重合性単量体はアクリル樹脂と比べて塗料の低粘度
化に貢献する。このため本発明のハイソリッド塗料は、
有機溶剤量を減らした分だけ単純に樹脂濃度を高めた従
来の塗料と比較した場合、同じように有機溶剤量を減ら
しても従来の塗料より初期状態の塗料粘度を低く維持す
ることができる。つまり、本発明のハイソリッド塗料
は、スプレー塗工時に塗料を円滑に微粒化し得るような
初期状態の低い塗料粘度を維持しつつ、従来の塗料より
使用する有機溶剤量を減らすことができる。
【0015】そして、本発明の塗装方法にも示すよう
に、本発明の塗料は、スプレーガンから噴射されて被塗
物に塗着するまでの間に、所定の電磁波を照射されるこ
とにより、光重合性開始剤により光重合性単量体が架橋
して重合する。この増粘効果により、塗料が被塗物に塗
着した際の”たれ”の発生を効果的に防止することがで
きる。また、この光重合性単量体及び光重合性開始剤
は、造膜、焼き付け過程を経て塗膜の一部(固形分)と
なるので、蒸発して公害の原因となるようなことはな
い。
【0016】このように、本発明のハイソリッド塗料及
びその塗装方法においては、初期状態に必要な低粘度を
維持しつつ、有機溶剤を光重合性開始剤及び光重合性単
量体に置き換えた分だけ、使用する有機溶剤量及び蒸発
する有機溶剤量を減らすことができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。それ
ぞれ、原料塗料としてのO−150(日本ペイント社
製、クリヤ)、TC−71(関西ペイント社製、クリ
ヤ)、TCT−3010(PPG社製、クリヤ)、PK
4031(DUPONT社製、クリヤ)を準備した。
【0018】なお、O−150及びTC−71はアクリ
ル樹脂の分子量が1万程度のものであり、TCT−30
10及びPK4031はアクリル樹脂の分子量が300
0程度のものである。また、光重合性単量体としてのヒ
ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート(HPNDA)98.5wt%と、光重合性開始剤
としての1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン(HMPP、メルク社製、ダロキュア
−173)1.5wt%とを配合した。
【0019】そして、上記原料塗料において、アクリル
樹脂、加熱型架橋剤及び添加剤と有機溶剤との配合割合
を適当に調整しながら、光重合性単量体・開始剤を表1
に示す組成で配合してNo.1〜25の試料を得た。な
お、表1中の組成はwt%で示してある。また、各試料
において、塗料全体のうち有機溶剤以外のものが占める
重量割合を、HS効果として表1に示す。
【0020】上記各試料について、スプレー前の初期状
態における塗料粘度を測定した。その結果を表2に示
す。また各試料を、図1に示すように、スプレーガンを
用いて300mm離れた被塗物に塗装した。この際、N
o.3,5,7,9,11,12,13,14,16,
18,20,21,22,23,25の各試料について
は、スプレーガンから噴射されて被塗物に塗着するまで
の間の飛翔中の塗料に、高圧水銀ランプ(6kW×2)
を300mm離れた所から紫外線照射しながら塗装し
た。そして、各試料について、被塗物に塗着した直後の
塗料粘度を測定した。その結果を表2に示す。
【0021】次に140℃×20分の条件で焼き付け
て、膜厚40μmの塗膜を形成した。その塗膜の外観に
ついて、艶無しや”たれ”の発生等を観察した。その結
果を表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】 表2より、有機溶剤の全て又は大部分を、光重合性単量
体及び開始剤に置き換えると、スプレー前の初期状態で
の塗料粘度が30cPa・s以上と高くなり過ぎて、ス
プレー塗工時に円滑な微粒化がなされず、塗膜外観は艶
無しとなった(試料No.2,3,4,5,20,2
3)。これにより、有機溶剤量は、塗料全体に対して2
0wt%以上とすることが好ましいことがわかる。
【0024】有機溶剤の一部を光重合性単量体及び開始
剤に置き換えるものの、その割合が少ないと、その分H
S効果をあげられない(試料No.14)。有機溶剤の
一部を光重合性単量体及び開始剤に置き換えるものの、
塗装中に紫外線照射を行わなければ、光重合性単量体の
架橋による増粘効果がなく、塗着後の塗料粘度が100
cPa・s以下と低くなって”たれ”が発生したり(試
料No.4,6,8,10)、塗膜の硬化不良が発生し
た(試料No.17)。
【0025】これに対し、有機溶剤の一部を光重合性単
量体及び開始剤で適当量置き換え、かつ塗装中に紫外線
照射を行ったものは、艶無しや”たれ”の発生等の外観
不良もなく、良好な塗膜を形成することができた(試料
No.7,9,11,12,13,16,18,21,
22,25)。なお、試料No.1,15,19,24
は、有機溶剤の一部を光重合性単量体及び開始剤で置き
換えていない従来技術の例である。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のハイソイッ
ド塗料及びその塗装方法によれば、初期状態に必要な低
粘度を維持しつつ、使用する有機溶剤量及び蒸発する有
機溶剤量を減らすことができるので、塗工性が優れたも
のとなり、しかも公害及び省資源問題の解決に貢献する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る塗装方法を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信広 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂、加熱型架橋剤及び有機溶
    剤を含む塗料において、前記有機溶剤の一部が、電磁波
    による重合性をもつ光重合性開始剤及び光重合性単量体
    により置換されていることを特徴とするハイソリッド塗
    料。
  2. 【請求項2】 特許請求の範囲第1項記載の塗料を被塗
    物に塗装する際、スプレーガンから噴射された該塗料に
    所定の電磁波を照射しながらスプレー塗装することを特
    徴とする塗装方法。
JP22009592A 1992-08-19 1992-08-19 ハイソリッド塗料及び塗装方法 Pending JPH0665523A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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