JPH0665463U - 周面に小孔が開口する軸部材の表面焼入れ装置 - Google Patents

周面に小孔が開口する軸部材の表面焼入れ装置

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JPH0665463U
JPH0665463U JP2326193U JP2326193U JPH0665463U JP H0665463 U JPH0665463 U JP H0665463U JP 2326193 U JP2326193 U JP 2326193U JP 2326193 U JP2326193 U JP 2326193U JP H0665463 U JPH0665463 U JP H0665463U
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雅昭 岩下
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 栓部材や磁性材煉粉等を用いなくても、前記
小孔周辺の過加熱・過冷却の恐れな焼入れすることがで
きる周面に小孔が開口する軸材の表面焼入れ装置を提供
する。 【構成】 一方側センタ軸20と他方側センタ軸50、
一方側センタ軸20の他方側センタ軸側端部に外嵌固定
された軸部材支承管40、一方側センタ軸20を、その
軸方向一定間隔を隔てる一対の軸受32a、32bを介
して覆う固定のケース30を備え、固定のケース30内
には、一対の軸受32a、32bと一方側センタ軸20
の外周面およびケース内周面とで周回溝Sが区画される
とともに当該ケース30には周回溝Sと連通する半径方
向孔33が形成され、一方側センタ軸20には、軸部材
支承管40側端面に開口する有底の孔231と当該孔2
31及び周回溝Sに連通する半径方向孔24が形成され
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、周面に油孔等の小孔が開口する軸部材の表面を誘導加熱焼入れする 装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面に油孔等の小孔が開口している被処理軸部材を誘導加熱焼入れする 場合、加熱時には小孔の開口周縁に誘導加熱の特性とされるエッジ効果で磁束が 集中するため、他の部分に比べて異常に高温度となり、急冷時には稜線部分が冷 却され易いために、他の部分に比べて深部まで過度に冷却され、これが起因して 部材内応力に破綻を生じて焼き割れが惹起される恐れがあり、焼き割れに到らな いまてせも、過度の焼入れとなって、均一な焼入れ仕上がりが得られないので、 小孔に銅材製の栓部材を嵌着したり、磁性材煉粉を詰めたりした上で、焼入れ処 理を施すようにしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
焼入れ処理の前工程として、小孔に栓部材を嵌着したり、磁性材煉粉を詰めた りする作業と、焼入れ処理の後工程として、小孔から栓部材や磁性材煉粉を抜き とる作業はすへて人手に頼らざるを得ず、その上、栓部材は焼入れ処理後には小 孔内に焼きばめ状態となるので抜き出しが容易ではなく、その上、栓部材が小孔 を完全に密封しないと(完全に密封しない場合が常態である)、焼入れ用冷却流 体(水溶性樹脂剤の水溶が使用される場合が多い)が小孔内に進入して加熱時に 孔壁に焼成付着して焼入れ工程終了後に小さなワイヤブラシで除去しなければ発 錆原因を残すことになり、磁性材煉粉は注意しないと孔内に片が残留するなど、 極めて煩雑かつ時間がかかり、生産性が低下するという問題があった。
【0004】 本考案はこの問題を解消するためになされたもので、栓部材や磁性材煉粉等を 用いなくても、前記小孔周辺の過加熱・過冷却の恐れな焼入れすることができる 周面に小孔が開口する軸部材の表面焼入れ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するため、 所定間隔を隔てて先端を相対向させて上記軸部材を両端面から軸回転可能に保 持する一方側センタ軸20と他方側センタ軸50、一方側センタ軸20の他方側 センタ軸側端部に外嵌固定された軸部材支承管40、一方側センタ軸20を、そ の軸方向一定間隔を隔てる一対の軸受32a、32bを介して覆う固定のケース 30を備え、 固定のケース30内には、一対の軸受32a、32bと一方側センタ軸20の 外周面およびケース内周面とで周回溝Sが区画されるとともに当該ケース30に は周回溝Sと連通する半径方向孔33が形成され、 一方側センタ軸20には、軸部材支承管40側端面にに開口する有底の孔23 1と当該孔231及び周回溝Sに連通する半径方向孔24が形成され、 軸部材支承管40には、軸部材Wの受け口となる大内径部41と当該内径部4 1の底を一方側センタ軸20の孔231に連絡する小内径部42が形成され、 ケース30に形成された半径方向孔33に気体供給源が接続される構成とした 。
【0006】
【作用】
本考案では、軸部材Wの焼入れ中、気体が、半径方向孔33から軸部材Wの貫 通孔Hを通り小孔hに抜けるので、小孔hから貫通孔H内への冷却流体の侵入は 防止される。
【0007】
【実施例】
以下、本考案の1実施例を図面を参照して説明する。
【0008】 図1において、Wは軸部材、10は駆動軸部であり、20は一方側センタ軸、 30は上記センタ軸20の元部方向外周を被覆するケース、40は軸部材支承管 、50は他方センタ軸、60は閉鎖部材である。
【0009】 上記軸部材Wは、一方端面から他方端面にかけて大径孔Ha、中径孔Hb、小 径孔Hcとそれぞれ径の異なる孔が軸栓に沿って穿設され、途中で折曲してはい るが、連通する貫通孔Hを形成し、当該貫通孔Hには、所定位置から分岐して周 面に開口する小孔hがある。
【0010】 上記駆動軸部10は、軸受12にベアリング群13を介して支承され、図示し ない回転駆動源により回転する駆動軸11からなり、当該駆動軸11の先端面に は所定内径の差込み孔14が穿設され、先端部外周はねじ部15となっていて、 端面に所定内意径の透孔を備えた締め付けキャップ16が螺合可能である。
【0011】 駆動軸10の差込み孔14には、一方側センタ軸20が鍔部20まてそうにゆ うされてキャップ16により緊定してあり、駆動軸部10の回動に伴って回動可 能である。一方側センタ軸20は、差込みされる元部方向が中実部22、先端面 から所定長さ部分ガ中空の管状部23に形成してある。
【0012】 ケース30は、一方側センタ軸20と同軸状となる如く前記軸受12の端面に 一方端面を固定され、締め付けキャップ16から一方側センタ軸20の管状部2 3の所定範囲までを含むことが可能な長さの筒体からなる。当該ケース30の上 記軸受け並びに駆動軸11方向の端面および先端方向の端面それぞれはオイルシ ール31されており、ケース30の成す壁と一方側センタ軸20の外周との間に 形成される空間には、所定の間隔Sを維持して例えばボールベアリング32a、 32bが嵌着されている。
【0013】 従って、センタ軸20は、ボールベアリング32a、32b間の間隔Sで形成 される周回溝に囲まれ、かつケース30内で気密を維持しつつ回動可能である。 一方側センタ軸20の管状部23を上記周回溝Sに囲まれる部位まで達する如 く諸元を設定する一方、他方では、当該管状部23の管壁に管内231と周回溝 Sとを連通する透孔24を設けるとともに、上記ケース30に周回溝Sの所定位 置へ開口する通路33を設け、当該通路に図示しない気体供給源例えばエア・コ ンプレッサと接続する導管を接続可能に設定する。
【0014】 軸部材支承管40は、所定長さ部分が軸部材の一方端部が嵌入可能な小内径部 42に形成した二段内径の管状材からなり、一方側センタ軸20の先端部に、そ の端面が上記大内径部41と所定の間隔部Kを維持して小内径部42内に位置す る如く、ねし孔43を用いてボルト締め固定配置される。小内径部42の内径は 少なくとも軸部材Wの一方端面のいずれかの位置にある貫通孔Hの孔口が含まれ る大きさに設定されなくてはならない。
【0015】 他方側センタ軸50は閉塞部材60と一体構造となっていて、図示しない前進 ・後退運動機構を備えており、一方側センタ軸20に対して相寄る方向および相 離れる方向へ変位可能、かつ図示しない軸受に支承されて自由回動可能な変位軸 51、当該変位軸51の先端部にねじ孔61を用いてボルト締め固定配置された 段付き貫通孔62を有する閉塞部材60、上記貫通孔62の一方側センタ軸20 に対向するコーン521に形成されている本体が挿入され鍔部522が小内径部 にあるコーン軸52、上記変位軸51が閉塞部材60の中内径段差に当接してい る端面と上記コーン軸52の鍔部522との端面間に介挿された圧縮コイルばね 53とからなる。
【0016】 上記閉塞部材60の端面は軸部材Wの他方側端面とほぼ同形に形成されている 。また、コーン軸52のコーン521と軸部材Wの他方端面のセンタ孔に挿入可 能に形成されている。
【0017】 他方側センタ軸50が一方側センタ軸20に対して相離れる方向に変位させて 両軸間に、軸部材Wを搬入し、搬入された軸部材Wを図示矢印方向へ移動させて 一方端部を軸部材支承管40の大内径部41内に端面が段差と当接するまで嵌入 する。
【0018】 次いで、前記前進・後退機構を駆動して他方側センタ軸50のへんいじく51 を相寄る方向へ変位させる。これにより、閉塞部材60は装着したコーン軸52 、圧縮コイルばね53を随伴して敷く部材Wの他方端面に向かって前進し、コー ン521を当該軸部材Wの他方端面に設けてるセンタ孔に挿入して軸部材Wを一 方側センタ軸20方向へ押圧しつつ一方側センタ軸20と協同して支承する。
【0019】 この状態において、閉塞部材60の端面は軸部材Wの他方側端面と圧設状態にあ る。
【0020】 軸部材Wがセンタ軸20と50により支承されると、ケース30の通路33は 周回溝S−一方側センタ軸20の透孔24−管状部23のの管内231−軸部材 支承管40の小内径部42内所定間隔部Kを通して軸部材Wの貫通孔Hの一方側 大内径部Haの孔口に連通する。貫通孔Hの他方端方向にある小内径部Hcの孔 口が閉塞部材60で通する。閉塞されているので、結局は、貫通孔Hから分岐す る小孔hを介して軸部材Wの外周面の開口に連通する通路ができる。
【0021】 次いで、図示しない回転駆動源を作動して駆動軸11を回動させるとともに、 図示しない気体供給源から導管を介して通路33へ単位時間当たり所定流量に調 整した気体を流入する。軸部材Wは、駆動軸11の回転に随伴して回転する一方 側センタ軸20と自由回転する他方側センタ軸50に支承されつつ回転し、通路 33から流入した気体は回転中の軸材Wの貫通孔H経由で周面の開口から噴出す る。
【0022】 この状態で、軸部材Wは例えば鞍状の加熱コイルを用いた誘導加熱が施され、 当該誘導加熱により表層を所定焼入れ温度まで加熱された軸部材Wへは所定位置 に設けてある冷却ジャケットから焼入れ用冷却流体が噴射されて、或いは所定の 移動機構で両センタ軸20、50が当該回転および気体供給状態としたまま焼入 れ用冷却流体を満たしてある冷却槽中に軸部材Wを移動して浸漬することにより 、急冷が施され、焼入れされる。
【0023】 この間、小孔hの周面の開口からは気体の噴出が続き、開口周縁部は加熱時の 過熱と急冷時の過冷却が防止され、軸部材Wの被処理部周面には全面に亘って均 一の深さまで均一の形さ分布からなる焼入れ層が形成される。
【0024】 焼入れが完了した軸部材Wは他方側センタ軸50の一方側センタ軸20から相 離れる方向へん変位により支承状態から解放される。
【0025】 この実施例では、気体が、通路33から軸部材Wの貫通孔Hを通り小孔hに抜 けるので、小孔hから貫通孔H内への冷却流体の侵入は防止される。このため、 水溶性樹脂剤からなる冷却流体を使用しても、当該冷却流体が孔壁に付着・焼成 るして被膜となる恐れは無い。
【0026】 上記実施例では、一方側センタ軸20を駆動軸11側、他方側センタ軸50を 変位軸に設定しているが、これを逆に設定してもよい。
【0027】 また、ケース30内の構成は、上記実施例に限定されるものではなく、一方側 センタ軸20の管状部23管内231に気体導入可能かつ当該一方側センタ軸2 0が気密を維持しつつ回転可能な構成だあればよい。
【0028】 さらに、他方側センタ軸50に固定配置する閉塞部材60を第2図に示す如く ねじ孔61で変位軸51に固定配置する本体601と、コーン軸52が貫通する 閉塞板602との2部材とし、両部材601、602間に例えば更ばね63等の 弾性体を介挿して閉塞板602にコーン軸52と同様に弾性を持たせる構成とし 、軸部材Wが加熱時・冷却時に氏名膨張・収縮挙動にコーン軸とともに追随させ つつ閉塞作用を行なわせるようにしてもよい。
【0029】 上記実施例では、軸部材Wに貫通孔Hが穿設されているものを挙げて説明した が、軸部材Wに軸線に沿った盲孔が穿設されている場合でも、当該軸部材Wの盲 孔の孔口がある端面を一方側センタ軸20の先端部に固着配設する軸部材支承管 40に嵌着するようにすればよく、この場合には、他方側センタ軸50に閉塞部 材60、閉塞板602を用いず、通常の軸材焼入れ用コーン軸を使用してもよい 。
【0030】 使用する気体は、通常の場合、空気でよいが、必要に応じ、貫通孔Hもしくは 盲孔および小孔が焼入れ時に酸化するのを防止するため、不活性ガスを使用する ようにしてもよい。また、この気体の流量は、小孔hの開口周縁部の加熱時にお ける過熱分の奪熱と冷却流体の小孔hへの侵入を防止するに足る量であればよい 。
【0031】
【考案の効果】
本考案は以上説明した通り、栓部材や磁性煉粉で小孔を塞がなくてもよいから 、軸部材焼入れ前および焼入れ前後の手間が省けだけでなく、冷却流体の小孔か らの侵入を防止することができるので、水溶性樹脂剤からなる冷却流体を使用し ても、当該冷却流体が孔壁に付着・焼成して被膜となる恐れは無く、また、発錆 の恐れもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の断面正面図である。
【図2】本考案の他の実施例の一部断面正面図である。
【符号の説明】
20 一方側センタ軸 30 ケース 33 通路 40 軸部材支承管 41 大内径部 42 小内径部 50 一方側センタ軸 60 閉塞部材 H、Ha、Hb、Hc 貫通孔もしくは盲孔 h 小孔 S 周回溝 W 軸部材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線に沿って一方端面から他方端面まで
    穿孔されている貫通孔もしくは一方端面から所定位置ま
    で穿孔されている盲孔より分岐した小孔が周面に開口す
    る軸部材の周表面を誘導加熱焼入れする装置において、 所定間隔を隔てて先端を相対向させて上記軸部材を両端
    面から軸回転可能に保持する一方側センタ軸20と他方
    側センタ軸50、一方側センタ軸20の他方側センタ軸
    側端部に外嵌固定された軸部材支承管40、一方側セン
    タ軸20を、その軸方向一定間隔を隔てる一対の軸受3
    2a、32bを介して覆う固定のケース30を備え、 固定のケース30内には、一対の軸受32a、32bと
    一方側センタ軸20の外周面およびケース内周面とで周
    回溝Sが気密に区画されるとともに当該ケース30には
    周回溝Sと連通する半径方向孔33が形成され、 一方側センタ軸20には、軸部材支承管40側端面に開
    口する有底の孔231と当該孔231及び周回溝Sに連
    通する半径方向孔24が形成され、 軸部材支承管40には、軸部材Wの受け口となる大内径
    部41と当該大内径部41の底を一方側センタ軸20の
    孔231に連絡する小内径部42が形成され、 ケース30に形成された半径方向孔33に気体供給源が
    接続されることを特徴とする周面に小孔が開口する軸部
    材の表面焼入れ装置。
JP1993023261U 1993-05-06 1993-05-06 周面に小孔が開口する軸部材の表面焼入れ装置 Expired - Lifetime JPH089156Y2 (ja)

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JPH089156Y2 JPH089156Y2 (ja) 1996-03-13

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010024515A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Fuji Electronics Industry Co Ltd 誘導加熱装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS492248A (ja) * 1972-03-16 1974-01-10
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