JPH0665455U

JPH0665455U - コークス炉の窯出し時における炭化室内への外気流入防止装置

Info

Publication number: JPH0665455U
Application number: JP1306493U
Authority: JP
Inventors: 勤松野
Original assignee: JFE Engineering Corp
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1993-02-26
Filing date: 1993-02-26
Publication date: 1994-09-16

Abstract

(57)【要約】【目的】コークス炉窯出し時における炭化室内への外
気の流入を適切に防止して、炭化室内の温度低下を防
ぎ、炭化室炉壁煉瓦の損傷、燃料消費量の増大を防止す
る。【構成】ラムビーム６の上面に上部閉塞板10をそして
その下面に下部閉塞板11を係合させ、窯出しにおける、
ラムビーム６の炭化室２内への進入時に、上部閉塞板10
および下部閉塞板11をラムビーム６から離脱させると共
に、炭化室２の炉口に設けられたドアフレーム14の上部
フック18および下部フック22に係止させ、かくして、上
部閉塞板10および下部閉塞板11により炭化室２の炉口を
閉塞し、外気の流入を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、コークス炉のコークス窯出し時における炭化室内への外気の流入を防止するための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４に概略側面図で示すように、コークス炉１は、多数の炭化室２および燃焼室（図示せず）によって構成されており、炭化室２および燃焼室の一方側前面には、炭化室２内より赤熱コークス３を押し出すための押出し機４が設けられ、その他方側には、ガイド車および消火車（図示せず）が設けられている。押出し機４は、コークス炉１の炉団方向に移動する移動車５と、移動車５に設けられた、ラムビーム６によって炭化室２内に進退可能な押出し用ラム７とからなっている。８はラムビーム６を移動させるためのピニオンであり、９はラムビーム８の上面に設けられた、ピニオン８に歯合するラックである。

【０００３】コークス炉１の炭化室２内に装入されそして乾留された赤熱コークス３は、炭化室２の押出し機側およびガイド車側の炉蓋を開き、押出し機４のラムビーム６を移動させることによって、ラムビーム６の先端に設けられたラム７により、炭化室２内から押し出され、消火車に収容される。消火車に収容された赤熱コークスは、湿式または乾式の消火設備に運ばれ、そして、消火設備において消火されて製品コークスとなる。

【０００４】炭化室２内は、900 〜1000℃の高温であるため、上述した赤熱コークスの押出し時に、ドラフトが発生する。その結果、炭化室２の押出し機側およびガイド車側の炉蓋を開いたときに、炭化室２内に多量の外気が流入する結果、流入した外気によって、炭化室２内の熱が矢印に示すように流出し、炭化室２内が急冷される。

【０００５】その結果、炭化室の炉壁煉瓦が損傷し、冷却された炭化室内の温度を上げるために燃料消費量が増大し、且つ、ガイド車側に放出された多量の熱風を吸引するために、ガイド集塵機（図示せず）の吸引風量を増大しなければならない等の問題が生ずる。

【０００６】上述した問題を解決するために、例えば、特公昭62-48999号公報には、押出し機のテーブル上に上部旋回アームと下部旋回アームとを設け、両アームの先端部に枠体と前後進枠体を取付け、前後進枠体の前面に上部閉塞体と下部閉塞体を取付け、両閉塞体を押出しラムの炉口内侵入時に、炉口内にラムビームを挟んで進入させ、この閉塞体によって炉口を閉塞し、炭化室内への外気の流入を防止する装置（以下、先行技術という）が開示されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上述した先行技術には、次のような問題がある。即ち、押出し機４には、通常、ラムビーム６を間に挟んでその一方側にドア脱着機が設けられ、その他方側にドアフレームクリーナーが設けられている。そのために、先行技術のような装置を設けると、上記ドア脱着機およびドアフレームクリーナーとの干渉が生ずる。従って、このようなドア脱着機およびドアフレームクリーナーが設けられたコークス炉においては、先行技術の装置を設けてもこれを作動させることができず、実操業上、実施が不可能である。また、これらと干渉しないようにするためには、設備の大幅な改造が必要で、そのために多大な設備費が必要になる。

【０００８】従って、この考案の目的は、上述した問題を解決し、コークス炉のコークス窯出し時における炭化室内への外気の流入を、他の設備等と干渉することがなく、安価な装置により適切に防止して炭化室内の温度低下を防ぎ、炭化室炉壁煉瓦の損傷、燃料消費量の増大等を防止し得る装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案の装置は、炭化室内を進退可能なラムビームと、前記ラムビームの先端に設けられた押出し用ラムとからなるコークス押出し機の、前記ラムビームの上面に係合する、前記炭化室の炉口上部を閉塞するための上部閉塞板と、前記ラムビームの下面に係合する、前記炭化室の炉口下部を閉塞するための下部閉塞板と、前記押出し用ラムの上部に前記ラムビームと平行に設けられた所定長さのラム振れ止め杆とからなり、前記炭化室のドアフレーム上部両側には、前記上部閉塞板を係止するための１対の上部フックが突設され、そして、その下部両側には、前記下部閉塞板を係止するための１対の下部フックが突設され、前記ラム振れ止め杆の上面には、前記上部閉塞板を係止するための実質的に水平な１対の第１フックが設けられ、前記ラムビームの下部には、前記下部閉塞板を係止するための実質的に水平な１対の第２フックが設けられ、前記上部閉塞板には、前記ラム振れ止め杆に挿入される挿入孔と、前記ドアフレームの上部に突設された前記上部フックと係合する１対の上部フック係止孔と、そして、前記ラム振れ止め杆に設けられた前記第１フックと係合する１対の第１係止孔とが設けられており、そして、前記下部閉塞板には、前記ドアフレームの下部に突設された前記下部フックと係合する１対の下部フック係止孔と、そして、前記ラムビームに設けられた前記第２フックと係合する１対の第２係止孔とが設けられていることに特徴を有するものである。

【００１０】

【作用】

この考案の装置によれば、窯出しのために、コークス押出し機のラムビームを炭化室内に進入させることによって、ラムビームの上面および下面に係合されている上部閉塞板および下部閉塞板が、炭化室の炉口上部および下部に自動的に係止され、これによって、炭化室の炉口は自動的に閉塞される。そして、窯出し終了後、ラムビームを炭化室内から後退させることによって、炭化室の炉口に係止されていた上部閉塞板および下部閉塞板は自動的に離脱する。従って、コークス窯出し時における炭化室内への外気の流入を、他の設備等と干渉することなく適切に防止し、炭化室内の温度低下を防ぐことができる。

【００１１】

【実施例】

次に、この考案の装置を、図面を参照しながら説明する。図１は、この考案の装置の１実施態様を示す概略側面図、図２はこの考案の装置の要部拡大斜視図、図３はこの考案の装置により炭化室炉口を閉塞した状態を示す概略正面図である。図面に示すように、コークス押出し機４のラムビーム６には、炭化室２の炉口 2aの上部を閉塞するための上部閉塞板10と、炉口2aの下部を閉塞するための下部閉塞板11とが、以下に述べるように係合されている。

【００１２】即ち、ラムビーム６の先端に設けられた押出し用ラム７の上部には、ラムビーム６と平行に、断面角型状の所定長さのラム振れ止め杆12が設けられており、ラム振れ止め杆12の中間部所定位置には、その上面の幅方向両側に、実質的に水平な１対の第１フック13、13が取り付けられている。

【００１３】上部閉塞板10および下部閉塞板11は、図３に示すように、炭化室２の炉口に設けられたドアフレーム14の内周26よりも大きく、炉口を十分に覆い得る寸法を有している。上部閉塞板10には、押出し用ラム７の上部に設けられたラム振れ止め杆12が挿入される挿入孔15が設けられており、挿入孔15の上部両側には、ラム振れ止め杆12に取り付けられた１対の第１フック13、13と係合する１対の第１係止孔16、16が設けられている。上部閉塞板10の下部にはラムビーム６が、下部閉塞 11の上部には受けローラ25が通過できるように、溝17が形成されている。上部閉塞板10は、ラム振れ止め杆12の第１フック13、13に、第１係止孔16、16を係合することによって、ラム振れ止め杆12に着脱可能に係止される。

【００１４】炭化室２の炉口2aに設けられたドアフレーム14の両側表面上部には、実質的に水平な１対の上部フック18、18が突設されており、そして、上部閉塞板10の上部両側には、上部フック18、18と係合する１対の上部フック係止孔19、19が設けられている。上部閉塞板10は、ドアフレーム14に突設された上部フック18、18に上部フック係止孔19、19を係合することによって、ドアフレーム14に着脱可能に係止される。24は、ドアフレーム14に突設された閂受けである。

【００１５】ラムビーム６の下面所定位置には、その幅方向両側に、実質的に水平な１対の第２フック20、20が取り付けられており、下部閉塞板11には、その上部両側に、第２フック20、20と係合する１対の第２係止孔21、21が設けられている。下部閉塞板11は、第２フック20、20に第２係止孔21、21を係合することによって、ラムビーム６に着脱可能に係止される。

【００１６】炭化室２の炉口2aに設けられたドアフレーム14の両側表面下部には、実質的に水平な１対の下部フック22、22が突設されており、そして、下部閉塞板11の両側には、下部フック22、22と係合する１対の下部フック係止孔23、23が設けられている。下部閉塞板11は、ドアフレーム14に突設された下部フック22、22に下部フック係止孔23、23を係合することによって、ドアフレーム14に着脱可能に係止される。なお、下部フック22、22および前述した上部フック18、18は、図３に示すように、１点鎖線で示す炉蓋外周27の装着位置よりも外側に設けられている。

【００１７】次に、この考案の装置の作動について説明する。上部閉塞板10を、押出し用ラム７の上部に設けられたラム振れ止め杆12に、挿入孔15によって挿入し、そして、ラム振れ止め杆12の第１フック13、13に第１係止孔16、16を係合する。かくして、上部閉塞板10は、ラム振れ止め杆12に係止される。そして、ラムビーム６の第２フック20、20に、下部閉塞板11の第２係止孔21、21を係合する。かくして、下部閉塞板11は、ラムビーム６に係止される。

【００１８】窯出し時に、上述した状態で、ピニオン８およびラック９によってラムビーム６を前進させ、押出し用ラム７を炭化室２内に進入させて、炭化室２内の赤熱コークス３を押し出す。このとき、上部閉塞板10および下部閉塞板11もラムビーム６と共に前進する。その結果、上部閉塞板10は、その上部フック係止孔19がドアフレーム14に突設された上部フック18、18と係合し、そして、ラム振れ止め杆12 の第１フック13、13から離脱する。かくして、上部閉塞板10は、ドアフレーム14 に係止される。

【００１９】また、下部閉塞板11は、その下部フック係止孔23がドアフレーム14に突設された下部フック22、22と係合し、そして、ラムビーム６の第２フック20、20から離脱する。かくして、下部閉塞板11は、ドアフレーム14に係止される。このようにして、炭化室２の炉口2aは、上部閉塞板10および下部閉塞板11によって閉塞される。

【００２０】炭化室２内の赤熱コークス３を押し出した後、ラムビーム６を後退させ、押出し用ラム７を炭化室２内から抜き出す。その結果、上部閉塞板10は、ラム振れ止め杆12に設けられた第１フック13、13と係合して、ラムビーム６と共に後退し、ドアフレーム14に突設された上部フック18、18から離脱する。また、下部閉塞板 11は、ラムビーム６に設けられた第２フック20、20と係合して、ラムビーム６と共に後退し、ドアフレーム14に突設された下部フック22、22から離脱する。かくして、炭化室２の炉口2aは開放される。なお、別の実施態様として、閉塞板10、 11のドアフレーム14に当接する部分をマグネットにしてドアフレームに係止してもよい。

【００２１】

【考案の効果】

上述したように、この考案の装置によれば、押出し機による、炭化室内の赤熱コークスの押出し時に、その炉口は、何らの別の駆動源を要することなく、上部閉塞板および下部閉塞板によって自動的に閉塞される。従って、次のような、工業上有用な効果がもたらされる。

【００２２】 (1) 炭化室内への外気の流入による炭化室内温度の低下が防止されるので、炭化室炉壁煉瓦の損傷が少なくなり、耐火物の吹きつけや溶射等による炉壁煉瓦の補修が大幅に減少し、コークス炉の寿命が延長する。また、燃料消費量を低減することができる。 (2) 炭化室内への外気の流入が防止されることによって、ガイド車側への熱風の吹き出しが減少する結果、ガイド集塵機の消火車直上における巻込み風量が増加し、集塵性能が向上する。 (3) ドア脱着機やドアフレームクリーナー等のような他の設備等と干渉することなく、現在の設備にこの装置を取り付けることができ、しかも装置は安価であって経済的である。

【提出日】平成５年４月９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１３】上部閉塞板10および下部閉塞板11は、図３に示すように、炭化室２の炉口に設けられたドアフレーム14の内周26よりも大きく、炉口を十分に覆い得る寸法を有している。上部閉塞板10には、押出し用ラム７の上部に設けられたラム振れ止め杆12が挿入される挿入孔15が設けられており、挿入孔15の上部両側には、ラム振れ止め杆12に取り付けられた１対の第１フック13、13と係合する１対の第１係止孔16、16が設けられている。上部閉塞板10の下部にはラムビーム６が、下部閉塞板 11の上部には受けローラ25が通過できるように、溝17が形成されている。上部閉塞板10は、ラム振れ止め杆12の第１フック13、13に、第１係止孔16、16を係合することによって、ラム振れ止め杆12に着脱可能に係止される。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２０】炭化室２内の赤熱コークス３を押し出した後、ラムビーム６を後退させ、押出し用ラム７を炭化室２内から抜き出す。その結果、上部閉塞板10は、ラム振れ止め杆12に設けられた第１フック13、13と係合して、ラムビーム６と共に後退し、ドアフレーム14に突設された上部フック18、18から離脱する。また、下部閉塞板 11は、ラムビーム６に設けられた第２フック20、20と係合して、ラムビーム６と共に後退し、ドアフレーム14に突設された下部フック22、22から離脱する。かくして、炭化室２の炉口2aは開放される。上述したラムビーム６の前後進動作において、ラムビーム６の下面および受けローラ25は摩耗するために、ドアフレーム 14のフック18、22に対する、閉塞板10、11の係止孔19、23の相対高さが狂う場合が生ずるが、その場合には、受けローラ25の高さを調整すればよい。なお、別の実施態様として、閉塞板10、11のドアフレーム14に当接する部分をマグネットにしてドアフレームに係止してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の装置の１実施態様を示す概略側面図
である。

【図２】この考案の装置の要部拡大斜視図である。

【図３】この考案の装置により炭化室炉口を閉塞した状
態を示す概略正面図である。

【図４】コークス押出し時における炭化室内への外気の
流入状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１コークス炉、２炭化室、 2a 炉口、３赤熱コークス、４押出し機、５移動車、６ラムビーム、７押出し用ラム、８ピニオン、９ラック、 10 上部閉塞板、 11 下部閉塞板、 12 ラム振れ止め杆、 13 第１フック、 14 ドアフレーム、 15 挿入孔、 16 第１係止孔、 17 溝、 18 上部フック、 19 上部フック係止孔、 20 第２フック、 21 第２係止孔、 22 下部フック、 23 下部フック係止孔、 24 閂受け、 25 ラムビーム受けローラ、 26 ドアフレーム内周、 27 炉蓋外周。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】炭化室内を進退可能なラムビームと、前
記ラムビームの先端に設けられた押出し用ラムとからな
るコークス押出し機の、前記ラムビームの上面に係合す
る、前記炭化室の炉口上部を閉塞するための上部閉塞板
と、前記ラムビームの下面に係合する、前記炭化室の炉
口下部を閉塞するための下部閉塞板と、前記押出し用ラ
ムの上部に前記ラムビームと平行に設けられた所定長さ
のラム振れ止め杆とからなり、前記炭化室のドアフレーム上部両側には、前記上部閉塞
板を係止するための１対の上部フックが突設され、そし
て、その下部両側には、前記下部閉塞板を係止するため
の１対の下部フックが突設され、前記ラム振れ止め杆の
上面には、前記上部閉塞板を係止するための実質的に水
平な１対の第１フックが設けられ、そして、前記ラムビ
ームの下部には、前記下部閉塞板を係止するための実質
的に水平な１対の第２フックが設けられ、前記上部閉塞板には、前記ラム振れ止め杆に挿入される
挿入孔と、前記ドアフレームの上部に突設された前記上
部フックと係合する１対の上部フック係止孔と、そし
て、前記ラム振れ止め杆に設けられた前記第１フックと
係合する１対の第１係止孔とが設けられており、そし
て、前記下部閉塞板には、前記ドアフレームの下部に突
設された前記下部フックと係合する１対の下部フック係
止孔と、そして、前記ラムビームに設けられた前記第２
フックと係合する１対の第２係止孔とが設けられている
ことを特徴とする、コークス炉の窯出し時における炭化
室内への外気流入防止装置。