JPH0665414A - 合成樹脂用添加剤、および農業用被覆材 - Google Patents

合成樹脂用添加剤、および農業用被覆材

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JPH0665414A
JPH0665414A JP23896092A JP23896092A JPH0665414A JP H0665414 A JPH0665414 A JP H0665414A JP 23896092 A JP23896092 A JP 23896092A JP 23896092 A JP23896092 A JP 23896092A JP H0665414 A JPH0665414 A JP H0665414A
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JP
Japan
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synthetic resin
group
fluorine
compound
coating material
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JP23896092A
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English (en)
Inventor
Takashige Maekawa
隆茂 前川
Katsuji Ito
勝治 伊藤
Takashi Kamata
俊 鎌田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】農業用被覆材内面近傍における霧発生現象を抑
制する能力があり、かつ、優れた防曇持続性を再現性、
安定性よく付与する含フッ素化合物からなる合成樹脂用
添加剤を提供する。 【構成】オキシエチレン基30個以下のポリオキシエチ
レンジ(あるいはモノ)グリシジルエーテルとパーフル
オロアルキル基含有メタノールとの反応生成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用被覆材に用いら
れる合成樹脂用の添加剤、それを配合した合成樹脂、お
よびその合成樹脂のフィルムからなる農業用被覆材に関
する。さらに詳しくは、被覆材内面近傍における霧発生
現象を抑制する能力(防霧性)があり、かつ長期にわた
り優れた防曇性を発揮する合成樹脂用添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有用植物の生産性、市場性を高め
るために、塩化ビニル系樹脂フィルムなどの農業用被覆
材による被覆下に有用植物を促成、半促成、または抑制
栽培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに
行われている。
【0003】このハウス栽培やトンネル栽培において、
現在使用されている合成樹脂製被覆材、例えば塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの大部分は、被覆材内表面において生
じる水滴の流下を促進し、日光の入射量を多くするため
に、界面活性剤の一種である防曇剤(主としてソルビタ
ン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなど)を
含有している。このような防曇剤を含む被覆材の被覆下
では、被覆材内外の温度差が大きくなると、被覆材内表
面近傍に霧が発生するという現象が、しばしば観察され
る。
【0004】この霧発生現象はハウス栽培およびトンネ
ル栽培等の施設栽培にとって最も大切な晩秋ないし冬季
の朝夕に多く発生する。また、このような霧発生現象
は、ハウスまたはトンネル内の地表面近傍および被覆材
内表面近傍でおこる。このような霧発生の原因として
は、ハウス内外の温度差によりハウス内の水蒸気が飽和
蒸気圧以上に達することが考えられる。すなわち、ハウ
ス内地表面から蒸発した水蒸気や、ハウス内の飽和に近
い水蒸気が、外気温の低下により冷却された被覆材内表
面近傍で凝縮し水滴となり、霧の発生が生じるものであ
る。
【0005】ハウス内に霧が発生すると、有用作物の
葉、茎、花、実などを濡らし、病害発生や病害発生伝播
の原因となる。さらに、ハウス内の見通しが悪くなるた
め、農作業の能率が低下する等の弊害がある。
【0006】このような不利を解消するため、従来、換
気によりハウス内外の温度差を減少させる方法、加温に
より飽和蒸気圧を上げる方法、着色した農業用合成樹脂
フィルムを使用する方法等の方策がとられてきたが、い
ずれの方法も霧発生現象を抑えるのに充分なものではな
かった。
【0007】このような欠点を改良した技術として、被
覆材にフッ素系界面活性剤を配合する方法(特開昭57-1
4648号公報)、有機シロキサン系界面活性剤を添加する
方法(特開昭55-91663号公報)等が提案されている。さ
らに種々のフッ素含有化合物の配合も有効であることが
知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】農業用被覆材として用
いられる合成樹脂に霧発生抑制を目的として配合される
フッ素含有化合物として、ポリオキシエチレングリコー
ルジグリシジルエーテルとパーフルオロアルキル基含有
エタノール(RfC2H4OH)の反応生成物も公知である(特
開昭64-147号公報)。しかしながら、このフッ素含有化
合物による防霧性や防曇持続性の効果は充分ではなかっ
た。
【0009】その原因を検討したところ、上記反応生成
物おいては種々の条件下で製品の安定性、性能を阻害す
る副生成物が生成し、この副生成物の存在が主原因とな
って、防霧性が不充分である、防曇効果の持続性が不充
分である等の欠点を引き起こすことが明らかになった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況において、被覆材内面近傍における霧発生現象を抑制
する能力があり、かつ、優れた防曇持続性をもつ農業用
被覆材を高選択的に提供することを目的として鋭意検討
した結果、下記本発明に至った。
【0011】30個以下のオキシエチレン基を有するポ
リオキシアルキレンジオールのジグリシジルエーテル、
モノアルキルモノグリシジルエーテル、およびモノアリ
ールモノグリシジルエーテルから選ばれた少なくとも1
種のグリシジル化合物と、炭素数20以下のパーフルオ
ロアルキル基およびパーフルオロモノ(あるいはポリ)
オキサアルキル基から選ばれたパーフルオロ基を1〜2
個有するメタノールからなる含フッ素アルコールとの反
応生成物からなる、農業用被覆材に用いられる合成樹脂
に添加される霧発生抑制のための添加剤、その添加剤を
配合してなる合成樹脂、およびその合成樹脂のフィルム
からなる農業用被覆材。
【0012】ポリオキシアルキレンジオールは、オキシ
エチレン基を1分子あたり平均して2〜30個有する必
要がある。好ましくはオキシエチレン基を5〜15個含
有する。また、ポリオキシアルキレン鎖中にはオキシプ
ロピレン基を10個以下、好ましくは5個以下含有して
いてもよい。1分子あたりのオキシエチレン基数はオキ
シプロピレン基数より多くすることが性能上好ましく、
オキシエチレン基のみのポリオキシアルキレン鎖が特に
好ましい。オキシエチレン基およびオキシプロピレン基
を混合使用する場合には、これらがブロック状に結合し
ても、ランダム状に結合してもよい。オキシエチレン基
およびオキシプロピレン基の合計は40個以下、特に2
0個以下が好ましい。
【0013】上記ポリオキシアルキレンジオールのモノ
グリシジルエーテルにおいては、末端水酸基は封鎖され
ている。即ち、アルキルエーテル化あるいはアリールエ
ーテル化されている。このアルキル基の炭素数は10以
下、特に6以下が好ましい。また、このアリール基とし
てはフェニル基やアルキル置換フェニル基などの置換フ
ェニル基がある。
【0014】上記ポリオキシアルキレンジオールのモノ
あるいはジグリシジルエーテルであるグリシジル化合物
は下記式(I)または(I' )で表される化合物が好ま
しい。
【0015】XO(C2H4O)mX ・・・(I) XO(C2H4O)mR ・・・(I' )
【0016】ただし、Xはグリシジル基(すなわち、
2,3−エポキシ−1−プロピル基)を、Rはアルキル
基あるいはフェニル基を、mはそれぞれ独立に30以下
の整数を示す。Rは炭素数6以下、特に4以下のアルキ
ル基が好ましい。mはそれぞれの式において5〜15が
好ましい。
【0017】式(I)または(I' )で表される化合物
としては、例えば下記の式で表される化合物があるが、
これに限定されるものではない。
【0018】XO(C2H4O)9X XO(C2H4O)8(C3H6O)2X XO(C2H4O)8C2H5 XO(C2H4O)6C6H5
【0019】一方、上記グリシジル化合物と反応させる
含フッ素アルコールは、メタノールの炭素原子に結合し
た水素原子の一部ないし全部が炭素数20以下のパーフ
ルオロアルキル基またはパーフルオロモノ(あるいはポ
リ)オキサアルキル基に置換された含フッ素アルコール
である。炭素数20以下のパーフルオロアルキル基また
はパーフルオロモノ(あるいはポリ)オキサアルキル基
を以下Rf で表す。この含フッ素アルコールは下記の3
つの式(II)〜(II'')で表される化合物である。ただ
し、1分子中に2〜3のRf 基を有する含フッ素アルコ
ールの場合、1分子における複数のRf は異なるもので
あってよい。この含フッ素アルコールの内特に好ましい
ものは、下記の内式(II)で表される化合物である。
【0020】RfCH2OH ・・・(II) (Rf)2CHOH ・・・(II' ) (Rf)3COH・・・(II'')
【0021】この含フッ素アルコールは通常の炭化水素
系のアルコールやこれまで通常用いられてきたパーフル
オロアルキル基含有エタノールに比較して水酸基部分の
酸性度が高い。したがって、含フッ素アルコールはエポ
キシ基と容易に反応するとともに、上記グリシジル化合
物との反応において副生成物の生成が少ないという特徴
が発揮される。また、エポキシ基が反応生成物の水酸基
と反応して生成する重合物の生成も少ない。
【0022】Rf がパーフルオロアルキル基の場合、そ
の炭素数は1〜20であり、14以下が好ましい。ま
た、式(II)で表される化合物の場合、好ましいパーフ
ルオロアルキル基の炭素数は3〜18、特に6〜14で
ある。式(II' )あるいは(II'')で表される化合物の
場合は、その一部または全部のパーフルオロアルキル基
の炭素数は1〜14、特に1〜6であることが好まし
い。またパーフルオロアルキル基はその炭素数が6以上
の場合直鎖状であるか末端部分を除き直鎖状であること
が好ましい。また、Rf がパーフルオロアルキル基であ
る含フッ素アルコールを用いる場合、パーフルオロアル
キル基の炭素数が異なる複数の含フッ素アルコールの混
合物を用いることもできる。
【0023】パーフルオロモノ(あるいはポリ)オキサ
アルキル基とは、上記のようなパーフルオロアルキル基
中のジフルオロメチレン基の1以上がエーテル性酸素原
子に置換されてなる基である。この場合、その炭素数と
エーテル性酸素原子の合計は20以下であり、特に4〜
17が好ましい。また、エーテル性酸素原子の数は1〜
4、特に1〜2が好ましい。このパーフルオロモノ(あ
るいはポリ)オキサアルキル基としては下記式(III )
で表されるものが好ましい。
【0024】Rf'(ORF)n −・・・(III ) ただし、式(III )において、Rf'はパーフルオロアル
キル基(特に炭素数4以下のもの)、RF は炭素数2〜
4のパーフルオロアルキレン基(分岐を有するものであ
ってよい)、nは1〜4の整数を表す。好ましいRF は
パーフルオロポロピレン基やパーフルオロエチレン基、
好ましいnは1〜2である。
【0025】以下に含フッ素アルコールを例示するが、
これに限定されるものではない。なお、分岐を表してい
ないパーフルオロ基は直鎖状であることを示す。
【0026】C6F13CH2OH C8F17CH2OH C10F21CH2OH C12F25CH2OH
【0027】(CF3)2CFC3F6CH2OH CF3{OCF(CF3)CF2}2CH2OH (CF3)2CHOH (C4F9)2CHOH (C4F9)3COH
【0028】グリシジル化合物と含フッ素アルコールと
の反応生成物は、通常、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ金属水素化物等の存在下に、グリシジル化合物と含フ
ッ素アルコールとをほぼ等モル反応させて得られる。即
ち、ジグリシジル化合物1モルと含フッ素アルコール2
モル、モノグリシジル化合物1モルと含フッ素アルコー
ル1モル反応させる。ジグリシジル化合物とモノグリシ
ジル化合物の混合物の場合は、その割合に応じて等モル
の含フッ素アルコールを反応させる。
【0029】この反応によって生成する反応生成物はグ
リシジル化合物のエポキシ基と含フッ素アルコールの水
酸基が反応して生成するものであり、例えば、前記式
(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物と
より下記式で表される化合物が生成する。前記のよう
に、この反応において副生成物や重合物等の生成が極め
て少なく、収率よく目的とする反応生成物を得ることが
できる。なお、以下この本発明における反応生成物を特
定含フッ素化合物という。 RfCH2OCH2CH(OH)CH2O(C2H4O)mCH2CH(OH)CH2OCH2Rf
【0030】本発明における農業用被覆材を構成する合
成樹脂としては、一般にフィルム形成性の熱可塑性合成
樹脂があげられる。具体的には塩化ビニル、エチレン、
プロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル等の単量体の単独重合体、これら単量体の相互の共重
合体、これら単量体中の少なくとも1種と他の共重合可
能な単量体(例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデンな
ど)との共重合体、その他含フッ素樹脂、熱可塑性ポリ
エステル、ポリアミド等、またはこれら重合体のブレン
ド物などがあげられる。これらの中では、耐候性、光透
過性、経済性、強度の観点から、塩化ビニル系樹脂(即
ち、塩化ビニル単独重合体、および塩化ビニル重合単位
を50重量%含むその共重合体)、およびエチレン系樹
脂(即ち、ポリエチレン、およびエチレン重合単位を5
0重量%以上含むその共重合体)が好適である。
【0031】この合成樹脂には後述のような種々の添加
剤を配合することができる。農業用被覆材としては、柔
軟なフィルムとなる合成樹脂材料であることが好まし
く、そのため特に塩化ビニル系樹脂としては可塑剤を配
合した軟質塩化ビニル系樹脂が好ましい。農業用被覆材
として最も有利には、軟質塩化ビニル系樹脂のフィルム
である。
【0032】本発明において、特定含フッ素化合物は1
種のみを単独で使用することができるし、2種またはそ
れ以上組み合わせて使用することもできる。この特定含
フッ素化合物の合成樹脂への配合量は、配合する特定含
フッ素化合物の種類、合成樹脂の種類等に応じて広範囲
に変えることができる。一般的には、合成樹脂100重
量部(ただし可塑剤は計算に含めない。以下同じ。)あ
たり、少なくとも0.01重量部とすることができ、ま
た、配合量の上限は厳密に制約されるものではないが、
あまり多量に配合すると、ブリードアウトや白濁を生じ
るおそれがあるので、通常は2重量部以下で充分であ
る。配合量の好適範囲は合成樹脂100重量部あたり
0.02〜1.0重量部である。
【0033】本発明の農業用被覆材には防曇性をもたせ
るため、従来から農業用塩化ビニル系樹脂フィルム分野
で利用されている防曇剤を配合する。しかし、本発明に
おいて使用しうる防曇剤としては、特定含フッ素化合物
を除いた防曇剤をいう。使用しうる防曇剤の具体例とし
ては、例えば、ソルビトール、マンニトール、グリセリ
ン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチ
ロールプロパン等の多価アルコール類と炭素数10〜2
2個の脂肪酸より誘導される非イオン系界面活性剤、ま
たは、上記多価アルコール類と脂肪酸とアルキレンオキ
サイドより誘導される非イオン系界面活性剤があげられ
る。炭素数10〜22個の脂肪酸としては、直鎖または
分岐鎖状脂肪酸のいずれでもよい。
【0034】より具体的には、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
ベヘニン酸、オレイン酸等の脂肪酸のほか、牛脂、菜種
油、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、ごま油、アマニ
油、パーム油、これらの硬化油から得られる脂肪酸類、
および、これらの混合脂肪酸があげられる。
【0035】防曇剤はまた、冬季の低温期においても防
曇性を発揮し、夏季の高温期においても被覆剤から抽出
されにくく、防曇性を長期間持続するものの中から選ぶ
のがよい。このような防曇持続性を示すものとして、ソ
ルビトール、マンニトール、および縮合度が2〜10で
あるポリグリセリンから選ばれる多価アルコール類と炭
素数16〜18の脂肪酸より誘導される非イオン系界面
活性剤、または上記の多価アルコール類と脂肪酸、およ
びエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドよ
り誘導される非イオン系界面活性剤があげられる。
【0036】防曇剤の合成樹脂への配合量は、従来の農
業用合成樹脂フィルムに対して使用されている場合と同
等とすることができる。一般的には、合成樹脂100量
部あたり1〜5重量部の範囲、好ましくは1.5〜3.
5重量部の範囲とすることができる。
【0037】本発明において、農業用被覆材を構成する
合成樹脂には、また必要に応じて、前記以外の通常の各
種合成樹脂添加剤、例えば可塑剤、滑剤、熱安定剤、帯
電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等を通常の量で配
合することができる。例えば、本発明において好適な軟
質塩化ビニル系樹脂についていえば、重合度が約100
0〜2000の塩化ビニル重合体100重量部に対し
て、可塑剤を約30〜70重量部配合することができ
る。
【0038】用いうる好適な可塑剤としては、例えばジ
−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレ
ート、ジドデシルフタレート、ジウンデシルフタレート
等のフタル酸誘導体、ジオクチルイソフタレート等のイ
ソフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジオク
チルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジ−n−ブチル
マレート等のマレイン酸誘導体、トリ−n−ブチルシト
レート等のクエン酸誘導体、モノブチルイタコネート等
のイタコン酸誘導体、ブチルオレート等のオレイン酸誘
導体、その他トリクレジルホスフェート、エポキシ化大
豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があげられる。
【0039】また、合成樹脂に配合することができる滑
剤または熱安定剤としては、例えばポリエチレンワック
ス、ビスアマイド、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシ
ノール酸バリウム等があげられる。紫外線吸収剤として
は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフ
ェノン系、シアノアクリレート系、フェニルサリシレー
ト系等の紫外線吸収剤があげられる。また、顔料および
染料としては、例えば酸化チタン、シリカ、群青、フタ
ロシアニンブルー等があげられる。
【0040】これら合成樹脂添加剤は、通常の含有量、
例えば前記合成樹脂100重量部あたり、通常5重量部
以下の量配合される。
【0041】基材となる合成樹脂に特定含フッ素化合
物、防曇剤、さらに要すれば各種合成樹脂添加剤を配合
するには、通常の配合技術、混合技術、例えばリボンブ
レンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、そ
の他の配合機、混合機によって混合した後、フィルム化
することにより可能である。合成樹脂をフィルム化する
には、それ自体公知の方法、例えば溶融押出法、溶液流
延法、カレンダー法等を採用すればよい。
【0042】本発明における農業用被覆材はフィルム状
のものが好ましい。そのフィルムの厚さは、余り薄いと
強度が不充分で好ましくなく、逆に厚すぎるとフィルム
化作業、その後の取扱い(フィルムを切ってハウス型に
接合する作業、ハウスに展張する作業等を含む)等に不
便をきたすので、0.01〜0.5mmの範囲とするの
がよい。本発明に係る農業用被覆材は、従来から使用さ
れている農業用被覆材と同様にして、ハウス、トンネル
等の農園芸施設に展張し、有用植物の栽培に利用するこ
とができる。
【0043】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
例に限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
[合成例1]撹拌装置および還流冷却器を備えたフラス
コに、1,1−ジヒドロキシパーフルオロノナノール1
9.89g(44mmol)、ノナオキシエチレングリコールジグリ
シジルエーテル11.26g(22mmol)、テトラヒドロフラン20
g を仕込み、90℃に加熱した。ここに、水酸化カリウム
0.74g(13mmol) を加え、5時間加熱撹拌した。反応生成
物に合成珪酸マグネシウム10g を加え、90℃、5時間撹
拌した。得られた反応物を濾過し、溶媒を留去して含フ
ッ素化合物Aを得た。
【0045】[合成例2〜5、比較合成例1〜2]表1
に示した原料を用いる他は合成例1と同様にして、含フ
ッ素化合物B〜Eを合成した(合成例2〜5)。また、
本発明におけるものとは異なる原料を用いて同様に含フ
ッ素化合物F、Gを合成した(比較合成例1〜2)。用
いたグリシジル化合物と含フッ素アルコールを合成例1
を含め表1に示す。なお、合成における両化合物の仕込
み比は、いずれの合成例でも等当量である。また、表1
中Xはグリシジル基を表す。
【0046】
【表1】
【0047】[実施例1〜5]合成樹脂材料として下記
の組成を基本組成とし、これに表1に示した含フッ素化
合物A〜Eをそれぞれ0.2重量部ずつ配合した。
【0048】 ポリ塩化ビニル(重合度1300) 100重量部 ジオクチルフタレート 50重量部 Ba-Zn 系液状安定剤 1重量部 Ba-Zn 系粉末状安定剤 1重量部 ソルビタンパルミテート 2重量部
【0049】上記組成の混合物5種をそれぞれ180 ℃に
加温したカレンダー成形機に供給し、常法によりフィル
ム化し、厚さ 0.075mmのフィルムを作成した。この5種
のフィルムについて、次に記載した方法に従って防霧性
を評価した。結果を表2に示す。実施例1〜5はそれぞ
れ含フッ素化合物A〜Eの種類の順に対応する。
【0050】[比較例1〜3]実施例と同じ基本組成の
合成樹脂材料に、比較合成例で合成した含フッ素化合物
F、Gをそれぞれ0.2重量部配合し、上記実施例と同
様にフィルムを作成して評価を行った(比較例1〜
2)。
【0051】また、含フッ素化合物を配合しないほかは
上記実施例と同じ基本組成の合成樹脂材料を用いて同様
にフィルムを作成して評価を行った(比較例3)。
【0052】[防霧性の評価方法]朝および夕方の気温
が低下する時間に実験用ハウスに設けた水槽の水温を40
℃に保ち、2時間にわたりハウス内の霧の発生状況を観
察した。この観察を10月から3月まで定期的に行った。
防霧性の評価の数値は以下の基準で表した。
【0053】1・・・ハウス内に霧の発生が全く見られ
ないか、フィルム内表面近傍にのみわずかに発生してい
る状態。 2・・・ハウス全体に霧が発生しているが、25m先のハ
ウスの奥が明瞭に識別できる状態。 3・・・ハウス全体に霧がやや濃く発生し、25m先のハ
ウスの奥を明瞭には識別できない状態。 4・・・ハウス全体に霧が濃く発生し、25m先のハウス
の奥が全く識別できない状態。
【0054】[防曇性の評価方法]霧の観察と並行して
実験用ハウスに張ったフィルム内表面の防曇性を観察し
た。防曇性の評価の数値は以下の基準で表した。
【0055】1・・・フィルム内表面に水滴の付着が全
く認められない状態。 2・・・フィルム内表面にわずかに水滴の付着が認めら
れる状態。 3・・・フィルム内表面に水滴の付着が認める状態。 4・・・フィルム内表面にかなりの水滴の付着が認めら
れる状態。 5・・・フィルム内表面全体にわたり水滴の付着が認め
られる状態。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明における含フッ素化合物は、高選
択的に合成でき、不純物の少ない反応生成物である。し
たがって、農業用被覆材に対して安定して性能の高い霧
発生抑制効果が得られる。また、霧発生抑制効果のみな
らず、防曇持続性、防霧持続性ともに優れている。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】農業用被覆材として用
いられる合成樹脂に霧発生抑制を目的として配合される
フッ素含有化合物として、ポリオキシエチレングリコー
ルジグリシジルエーテルとパーフルオロアルキル基含有
エタノール(RfC2H4OH)の反応生成物も公知である(特
開昭64-147号公報)。しかしながら、このフッ素含有化
合物による防霧性や防曇持続性の効果は充分ではなかっ
た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】XO(C2H4O)mX ・・・(I) XO(C2H4O)mR ・・・(I' )
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】XO(C2H4O)9X XO(C2H4O)8(C3H6O)2X XO(C2H4O)8C2H5 XO(CO)
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】一方、上記グリシジル化合物と反応させる
含フッ素アルコールは、メタノールの炭素原子に結合し
た水素原子の一部ないし全部が炭素数20以下のパーフ
ルオロアルキル基またはパーフルオロモノ(あるいはポ
リ)オキサアルキル基に置換された含フッ素アルコール
である。炭素数20以下のパーフルオロアルキル基また
はパーフルオロモノ(あるいはポリ)オキサアルキル基
を以下Rf で表す。この含フッ素アルコールは下記の3
つの式(II)〜(II'')で表される化合物である。ただ
し、1分子中に2〜3のRf 基を有する含フッ素アルコ
ールの場合、1分子における複数のRf は異なるもので
あってよい。この含フッ素アルコールの内特に好ましい
ものは、下記の内式(II)で表される化合物である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】RfCH2OH ・・・(II) (Rf)2CHOH ・・・(II' ) (Rf)3COH・・・(II''
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】Rf がパーフルオロアルキル基の場合、そ
の炭素数は1〜20であり、14以下が好ましい。ま
た、式(II)で表される化合物の場合、好ましいパーフ
ルオロアルキル基の炭素数は3〜18、特に6〜14で
ある。式(II' )あるいは(II'')で表される化合物の
場合は、その一部または全部のパーフルオロアルキル基
の炭素数は1〜14、特に1〜6であることが好まし
い。またパーフルオロアルキル基はその炭素数が6以上
の場合直鎖状であるか末端部分を除き直鎖状であること
が好ましい。また、Rf がパーフルオロアルキル基であ
る含フッ素アルコールを用いる場合、パーフルオロアル
キル基の炭素数が異なる複数の含フッ素アルコールの混
合物を用いることもできる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】Rf'(ORF)n −・・・(III ) ただし、式(III )において、Rf'はパーフルオロアル
キル基(特に炭素数4以下のもの)、RF は炭素数2〜
4のパーフルオロアルキレン基(分岐を有するものであ
ってよい)、nは1〜4の整数を表す。好ましいRF
パーフルオロポロピレン基やパーフルオロエチレン基、
好ましいnは1〜2である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】C6F13CH2OH C8F17CH2OH C10F21CH2OH C1225CHOH
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】(CFCFCCHOH CF3{OCF(CF3)CF2}2CH2OH (CF3)2CHOH (C4F9)2CHOH (CCOH
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】この反応によって生成する反応生成物はグ
リシジル化合物のエポキシ基と含フッ素アルコールの水
酸基が反応して生成するものであり、例えば、前記式
(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物
とより下記式で表される化合物が生成する。前記のよう
に、この反応において副生成物や重合物等の生成が極め
て少なく、収率よく目的とする反応生成物を得ることが
できる。なお、以下この本発明における反応生成物を特
定含フッ素化合物という。 RCHOCHCH(OH)CHO(C
O)CHCH(OH)CHOCH
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【表1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】30個以下のオキシエチレン基を有するポ
    リオキシアルキレンジオールのジグリシジルエーテル、
    モノアルキルモノグリシジルエーテル、およびモノアリ
    ールモノグリシジルエーテルから選ばれた少なくとも1
    種のグリシジル化合物と、炭素数20以下のパーフルオ
    ロアルキル基およびパーフルオロモノ(あるいはポリ)
    オキサアルキル基から選ばれたパーフルオロ基を1〜3
    個有するメタノールからなる含フッ素アルコールとの反
    応生成物からなる、農業用被覆材に用いられる合成樹脂
    に添加される霧発生抑制のための添加剤。
  2. 【請求項2】グリシジル化合物が下記式(I)または
    (I' )で表される化合物である、請求項1の添加剤。 XO(C2H4O)mX ・・・(I) XO(C2H4O)mR ・・・(I' ) (ただし、Xはグリシジル基を、Rはアルキル基あるい
    はフェニル基を、mは両式でそれぞれ独立に30以下の
    整数を示す。)
  3. 【請求項3】含フッ素アルコールが式(II)で表される
    化合物である、請求項1の添加剤。 RfCH2OH ・・・(II) (ただし、Rfは炭素数20以下のパーフルオロアルキル
    基またはパーフルオロモノ(あるいはポリ)オキサアル
    キル基を示す。)
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか一項の添加剤を配
    合してなる、農業用被覆材に用いられる合成樹脂。
  5. 【請求項5】合成樹脂が塩化ビニル系樹脂である、請求
    項4の合成樹脂。
  6. 【請求項6】請求項4の合成樹脂のフィルムからなる農
    業用被覆材。
  7. 【請求項7】合成樹脂が塩化ビニル系樹脂である、請求
    項6の農業用被覆材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004024790A1 (en) * 2002-09-16 2004-03-25 Esetec Incorporated 'copolymer, coating composition comprising the same, process for applying it'

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