JPH0665306B2 - 枯草菌において特定遺伝子の表現を増幅する方法およびこれによつて得られた菌株 - Google Patents

枯草菌において特定遺伝子の表現を増幅する方法およびこれによつて得られた菌株

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JPH0665306B2
JPH0665306B2 JP59115355A JP11535584A JPH0665306B2 JP H0665306 B2 JPH0665306 B2 JP H0665306B2 JP 59115355 A JP59115355 A JP 59115355A JP 11535584 A JP11535584 A JP 11535584A JP H0665306 B2 JPH0665306 B2 JP H0665306B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、バチルス(Bacillus)属微生物、特に枯草菌
(Bacillus subtilis)の中において特定遺伝子の表現
を増幅する方法に関するものである。
枯草菌は現在、遺伝子工学技術による異種遺伝子の表現
のための選択的宿主を成す。なぜかならば、この細菌は
工業段階における発酵条件の知られている非病原菌だか
らである。
自己複製可能なプラスミドを使用してプラスミドDNAに
よつて枯草菌の菌株を形質転換することは、かなり以前
から知られていた。
しかし、枯草菌の中におけるこれらの雑種プラスミドの
不安定性に関連した種々の問題が存在する。この不安定
は下記の2型に区分される。
一宿主細胞によるプラスミドの完全欠失に対応する分離
不安定性、 一配列の組換、もつとも多くの場合に配列の欠失に対応
する構造的不安定性。
これらの不安定現象は枯草菌において大腸菌におけるよ
りもはるかに頻繁である。これは、現代技術において宿
主細胞として後者の菌がはるかに多く使用される理由の
一部を説明する。
この問題は、異種遺伝子のクローニングが枯草菌の染色
体の中で実施されうるならば解決できよう。その場合に
は安定性がはるかに大となるからである。
故に、枯草菌の染色体の中に異種遺伝子を組込む目的
で、組込みベクターが構成された。これらのベクター
は、枯草菌の染色体の、組込を保証する相同分節の存在
を本質的特徴としている。
これらのベクターの染色体中への組込みは、大体に下記
の2プロセスによつて生じる。
1°)キヤンベル(1962)によつて記述された単一“乗
換”を含む組換生起の場合(第1図)。この組込みメカ
ニズムは、ベクターが受容体細胞中において環状化され
る場合にのみ生じる。この環状化は、ベクターが内部反
復を有する場合に分子間組換生起の結果として生じ(ミ
シエルほか、1982)、あるいは受容体細胞の染色体の中
に相同配列を残存させながら分子間組替生起の結果とし
て生じることができる(ニオーデほか、1982)。ベクタ
ーが内部反復を含む場合にはこのベクターそのものの有
する相同配列、あるいは受容体細胞の染色体の有する相
同配列をマトリツクスとして使用して、切断の修復によ
つてベクターが環状化されるものと思われる(1982、19
83、ミシエルほかによつてプラスミドについて示された
ごとく)。キヤンベル型メカニズムの組込みは相同配列
の重複を生じ、この重複が異質DNAを包囲する(ハルデ
ンヴアンクほか、1980;ニオーデほか、1982)。
2°)二重“乗換”メカニズムの場合。この場合には、
線形ベクターは、非相同配列の両側に、枯草菌の染色体
DNAと相同の2区域を有しなければならない(ハリス−
ワリツクおよびレーデルベルグ、1977;ニオーデほか、
1982)。もしこのベクターの有する2染色体分節が染色
体の中で隣接していなければ、二重“乗換”によるベク
ターの組込みがこれら2相同区域の間に位置する染色体
部分の欠失を生じる(ニオーデほか、1982)。
枯草菌におけるこのような染色体組込みは、自己複製型
プラスミドベクターの場合のように遺伝子増幅をうるこ
とができない。ところで遺伝子増幅は、クローニングさ
れた遺伝子の大表現のため、従つて対応の蛋白質の工業
生産を保証するため、遺伝子工業分野で現在求められて
いる条件の1つである。
本発明は、染色体中で特定の遺伝子を増幅させたバチル
ス属微生物の菌株の製造方法であって、 (a)前記遺伝子を有する少くとも1種の組込プラスミ
ドベクターをバチルス属微生物の染色体中に組込んで、 ・少くとも前記遺伝子およびその調節遺伝子としての発
現要素ならびに前記遺伝子の上流および下流側各末端に
おいて同じ向きの二つの同一配列とを含む増幅可能な単
位としての少くとも1種のDNA配列、であって ・該増幅可能な単位がさらに選択性遺伝子をコードする
DNA配列、 を染色体中に生じる段階、と (b)次に、選択性遺伝子に対応する選択培地上での培
養によって、得られたバチルス属微生物の菌株を選択
し、選択前の細菌集団に対してコピー数が増大した前記
遺伝子の存在に対応する表現型を有する菌株を採取する
段階とを特徴とする方法、によって前述の欠点を解決す
ることができる。
増幅単位は好ましくは、前記遺伝子とその調節遺伝子と
しての表現要素とを含む増幅可能な単位から成り、この
配列のN末端は増幅単位のあとに位置する配列と同一で
あり、これらの二つの同一配列を下記において“重複配
列”と呼ぶ。
下記の実施例を読めば明かなように、この方法により、
染色体の水準において遺伝子増幅を受けた枯草菌菌株を
選択標識としてまた特定の遺伝子として選択することが
できる。
一般的に、選択標識としての選択性遺伝子は、化学組成
物、特に抗生物質:カナマイシン、クロルアンフエニコ
ール、アンピチリンまたはテトラサイクリンなどに対し
て抵抗性の遺伝子であろう。
このような条件においては、抗生物質に対して非常に抵
抗性の菌株を選択すればよいのであるから、菌株の選択
は容易である。
故に、重複配列のほかにKm遺伝子と、特定遺伝子とし
てのCm遺伝子とを含む増幅単位を用い、Kmに対して
非常に抵抗性の菌株を選択することによりCm遺伝子増
幅を実施することができる。この実験は、Cm遺伝子の
代りに興味ある蛋白質の暗号づけ遺伝子を使用した場合
の本発明の利点を示している。
選択圧を保持しなくても安定なこの蛋白質の高生産性菌
株を得ることができる。
第3図においては、重複配列Dと、選択標識としての標
識遺伝子および興味ある蛋白質をコードする遺伝子を含
む増幅された配列Mとから成る増幅単位U.A.を含む
上側の増幅性構造から本発明の方法によつて増幅された
遺伝子の概略構造(下側)が示されている。
技術面において、組込ベクターはその原理とその特殊の
製作法において公知である。
先に述べたように、組込が実施されるにはベクターがバ
チルス属微生物菌株の染色体のものと同様のDNA配列を
有することが必要である。若干の場合には、野生バチル
ス属微生物の染色体の断片を有するベクター、例えば遺
伝子thyBあるいは下記においてXと呼ばれる遺伝子の全
部または一部を含むベクターを使用する。他の場合に
は、例えばpBR322などの細菌プラスミドから生じた特定
の配列をあらかじめ染色体の中に導入する。この場合に
は、同一の配列を有する組込ベクターを使用すればよ
い。この最後の技術は特に実施が簡単である。
一般的に、組込ベクターは、重複配列、標識遺伝子およ
び特定遺伝子から成る増幅単位を含み、バチルス属微生
物の染色体は組込前において重複配列を含む。
また本発明は、本発明の方法を実施して得られた桿菌、
特に枯草菌のバチルス属微生物、ならびに特定遺伝子に
よつて暗号づけられた生成物の製造のための、得られた
菌株の培養法に関するものである。
おどろくべきことに、本発明を使用して増幅された構造
は、一般にこの種の構造が特に不安定であると認められ
ているにもかかわらず、この種の構造を得た細菌の種類
とその部位(染色体あるいはプラスミド)がどのようで
あれ、きわめて安定であることが確認された。故に本発
明は工業的に開発可能の菌株をうることができる。
以下において、本発明を付図に示す実施例について詳細
に説明する。
反対表記のないかぎり、各種酵素はメーカによつて推奨
された技術によつて製造された。
1)菌株Aの中におけるカナマイシン抵抗遺伝子の増幅
の研究 1.1.)菌株Aの構築 遺伝子増幅の研究のため、pBR322配列から誘導された2
個の同形の直接反復型配列でフランクされた(flanqu
)カナマイシン抵抗遺伝子から成る構造を枯草菌の染
色体の中に導入する。
この構造を含む菌株(菌株Aと呼ぶ)は下記の2段階で
構築された。
a)枯草菌の染色体の中にpBR322の第一模写を二重乗換
の生起によつて挿入する段階(ニオーデほか、1982)
(菌株αの取得)、 b)キヤンベル型メカニズムによるpBR322の第二模写と
遺伝子Kmとの挿入(菌株Aの取得)。この構築の各段
階を第4図に略示した。
a)pBR322の第一模写の挿入(菌株α) 枯草菌の染色体の中にpBR322の第一模写を挿入するた
め、組込ベクターpHV452を使用する。このベクターは枯
草菌の染色体の2分節と〔その一方はthyB遺伝子を有し
(ThyB分節と呼ぶ)他方は公知の機能を含まない(X分
節と呼ぶ)〕、プラスミドプラスミドE.coli pHV33△81
とから成る(ダゲールほか、1984)。pHV33△81は、pC1
94のクロルアンフエニコール抵抗遺伝子(Iordanescu、
1975)と、遺伝子TcRの一部を欠失したpBR322とから成
る。これら2つの染色体分節の故に、pHV452が枯草菌の
染色体の中に組込まれて、宿主細菌にクロルアンフエニ
コール抵抗を与えることができる。
枯草菌の菌株SB202のコンピテント細胞を形質転換する
ため、エンドヌクレアーゼBgeIIによつて線形化されたp
HV452を使用した。10被転換体CmR/DNAμgが得られ
た。すべての被転換体はIle-であつた。これは、線形化
されたpHV452がプラスミド/染色体分節ThyBとXとの間
に複式組替が発生した結果として枯草菌の染色体の中に
組込まれたことを示す(第4図)(ニオーデほか、198
2)。この場合、これらの分節の間にあつて遺伝子ilvA
を含む初染色体区域は欠失されてpHV33△81によつて代
置され、遺伝子ilvAの欠失が菌株に対して表現型Ile-
与える(バラほか、1965)。
被転換体CmRIle-の染色体分析は、これが第4図に図示
の構造を有することを示している。故にこのように構成
された菌株は、染色体区域ThyBとXとの間に挿入された
pBR322から誘導させた配列を含む。
b)pBR322の第2模写と遺伝子KmRとの挿入(菌株A) カナマイシン抵抗遺伝子の周囲にpBR322配列の重複を含
む菌株を構成するため、菌株αのpBR322区域の中に、キ
ヤンベル型の組替発生によつて、pBR322の配列とカナマ
イシン抵抗遺伝子とからなるプラスミドを組込んだ。
使用されたプラスミドpHV457は、pBR322の配列と分節Sa
u3A I、IVおよびpUB110(黄色ブドウ球菌のプラスミ
ド)とを含む(グリスザンおよびデユブノ、1978)。pB
R322の部位Bam HIの中に挿入されたこれらの分節はカナ
マイシン抵抗遺伝子を含み、また制限酵素Bgl IIの部位
を含む(ミシエルほか、1982)(第4図)。
枯草菌の染色体の中へのpHV457の模写単独の組込を選択
することが不可能であることが確認されたので、このプ
ラスミドを菌株SB202(Trp-)のコンピテント細胞の中
に、菌株HVS246(Trp+)の染色体DNAと共に導入した。
得られた被転換体Trp+のうちで、5%の栄養系がカナマ
イシンに対して抵抗性であつた。被転換体KmR Trp+の染
色体DNAを抽出し、BglIIまたはEcoRIによつて制限した
のち、プローブとしてpHV33△81を使用して、サザンの
雑種形成技術によつて分析した。得られたオートラジオ
グラフは、分析された被転換体が第4図と第5図に図示
の構造を有することを示す。故にこのようにして構成さ
れた菌株Aはその染色体の中に増幅構造を有し、この構
造においてカナマイシン抵抗遺伝子がpBR322から誘導さ
れた2相同配列でフランクされている。この説明におい
て定義されたような菌株Aの増幅単位はpHV457である。
この菌株はカナマイシンと直接に接触させられたことは
一度もなく、カナマイシン抵抗表現型はこの菌株の副次
培養によつて検出されたことを注意しなければならな
い。
1.2)カナマイシンの亜阻害濃度に対する抵抗性細菌
の検出 菌株Aの中において、全集団によつて寛容される以上の
カナマイシン濃度(亜阻害濃度)に対して抵抗性の細菌
亜集団を探求するため、菌株Aの培養株の複数アリクオ
ツトを、カナマイシンの増量濃度を含有する固体媒地上
に展開した。
その結果は下記を示す。
−遺伝子KmRの1模写はこの抗生物質1μg/mlに対す
る抵抗性を与える(この遺伝子を含まない親菌株SB202
は0.5μg/mlのカナマイシンに対して抵抗性であ
る)。
−菌株Aの中に、1μg/ml以上のカナマイシン濃度に
対して抵抗性の細菌が存在する。これらの細菌の頻度は
10-4〜5・10-7の範囲である。
1.3)カナマイシン2〜10μg/の濃度に対して抵
抗性の細菌の富化 カナマイシンの増大濃度(1〜10μg/ml)を含有する
液体培地(初濃度は106細胞/ml)の中に菌株Aを接種
した。全時間中、これらの培養株の光学密度を600nMで
測定した。
この実験の結果は下記を示す。
−カナマイシン10μg/mlに対して抵抗性の偶発的亜集
団の存在(AKmR 10と呼ぶ)。その頻度は5.10-7であ
る。この亜集団は約20分の世代時間と共に増大する。8
時間の培養ののち、この亜集団が多数となる。
2〜10μg/mlのカナマイシン濃度を含有する液体媒質
の中で菌株Aの順次培養により(30細胞世代に対応)
2:2.5:3:4:5:8および10μg/mlのカナマイ
シンに抵抗する菌株を富化精製した。
1.4)A型菌株中における遺伝子KmRの増幅の検出 下記の技術により細菌染色体中の遺伝子増幅を検出する
ことができる。すなわち、増幅構造を含む菌株から抽出
された染色体DNAを、増幅単位(U.A.)中に単一の
切断部位を有するエンドニユクレアーゼによつて制限し
た。この制限は、種々の染色体分節のほか、増幅単位に
相当する分節を生じる。もし増幅度が十分であれば、こ
の制限のアガロースゲル中電気泳動分析により、“非増
幅”親菌株から抽出された染色体DNA中には存在しない
U.A.に対応する帯域を見ることができる。
それぞれのカナマイシン抵抗性菌株の染色体中のpHV457
の増幅を検出するためにこの技術を使用した。これらの
菌株の染色体DNAのものを抽出し、次にエンドヌクレア
ーゼClaIによつて制限した。この酵素はpHV457の中に単
一の切断部位を有する。この制限の生成物をアガロース
ゲル中電気泳動法によつて分析した。それぞれの菌株の
DNAの中に、菌株Aの染色体DNA中には存在しない帯域が
現れる。その分子量はpHV457の分子量に等しく、この帯
域がpBR322の配列と混種している。これらの結果は、こ
の帯域がpHV457に対応することを暗示している。電気泳
動技術および雑種形成技術によつて観察されたこの帯域
の強い強度は、増幅された構造が直列反復として配置さ
れた多数のpHV457模写から成ることを示している。
また、2種の方法、すなわちアガロースゲル中の電気泳
動法とサザン技術による雑種形成とによつて、カナマイ
シン抵抗性菌株から抽出された全DNAは染色体外形状を
含まないことを確認した。
1.5)カナマイシン抵抗性菌株中の増幅単位/染色体
の数の測定 これらの菌株における増幅度(U.A./染色体の数)
を測定するため、ClaIによつて制限されたそのDNAと、
既知量の線形pHV457と混合されまたは混合されていない
菌株Aの遺伝子DNAとをアガロースゲル中電気泳動法に
よつて分析した。それぞれの菌株のDNA中に観察される
帯域の強さを既知量のpHV457をもつて観察された帯域強
さとデンシトメータによつて比較することにより、これ
らの菌株の含むU.A./染色体の数を測定した。これ
らの結果を第6図に示す。カナマイシンの2μg/mlか
ら5μg/mlまでは、U.A./染色体の数がこの抗生
物質の濃度に比例して増大する。カナマイシンの2μg
/mlにおいて、細菌は染色体あたりpHV457の7複製を含
み、5μg/mlから30複製を含んでいる。染色体の分子
量が2.5・109D、pHV457の分子量が4・106Dとすれば
(30×4・106/2.5・109=0.05)増幅の全幅は細菌ゲ
ノムの約5%に相当する。
1.6)増幅度の増大 より高い増幅度を有する細菌を分離するために下記の2
アプローチを用いた。
a)カナマイシンに対する高抵抗性細菌を得る(カナマ
イシン10μg/ml以上の濃度に対して抵抗性)、 b)アミカシン(Amk)抵抗性細菌をうる。
実際に、抗生物質デイスク周辺の成長阻害テストは、菌
株AKmR 10がカナマイシンよりもアミカシンに対して敏
感であることを示した。
10〜320μg/mlのカナマイシンに抵抗性の菌株はすべ
て約30U.A./染色体を含む。
これらの結果は、 −高増幅度を有する細菌が存在しないこと、またはカナ
マイシンがこのような細菌を選択しえないこと、 −高抵抗性は遺伝子KmRの増幅度の増大と関連しないこ
とを示す。
アミカシン抵抗性細菌 アミカシンの増大濃度を含有する固体媒質上に菌株AKm
R 10の培養株を展張することにより、その波及性効果は
アミカシン2.5μg/ml含有の固体媒質上において50%
であることが確認された。2.5μg/ml以上のアミカシ
ン濃度に対して抵抗性の細菌をうるため、アミカシンの
増大濃度を含む液体媒質に菌株AKmR 10を接種し、順次
サイクルを実施した。このようにして、それぞれ4;
8;16;32および64μg/mlのアミカシンに対して抵抗
性の菌株を分離した(菌株AmKR 4〜AmKR 64)。そのDNA
を抽出し、ClaIによつて制限した。
アミカシン抵抗性菌株(64μg/mlまで)の隔離と、こ
れらの菌株のDNA分析は、これらの菌種が約50U.A.
/染色体を含有し、増幅の全幅が細菌染色体の7.5%に
相等することを示している。
故にアミカシンは、カナマイシンをもつて得られる増幅
度より高い増幅度を有する細菌の選定を可能にする。カ
ナマイシンの場合と同様に、アミカシンの増大濃度に対
して抵抗性のそれぞれの菌株を隔離することができる
が、その増幅度は一定にとどまる。このような増幅度の
限界は、50U.A./染色体以上を含有する細菌が存在
しないと推定するが、アミカシンがこれらの細菌を選定
できないと推定することによつて説明することができ
る。
1.7)4′−アデノシルヌクレオチジルトランスフエ
ラーゼ(4′ANT)の活性 4′−アデノシルヌクレオチジルトランスフエラーゼ
は、pUB110のカナマイシン抵抗遺伝子によつて暗号づけ
られた酵素である。
菌株Aおよびカナマイシンの亜阻害濃度に対して抵抗性
の種々の菌株の粗抽出物の中におけるこの酵素の活性を
測定した。
得られた結果(第7図)は、この活性が細菌中に存在す
る遺伝子数に対して、1に近い傾斜をもつて比例して増
大することを示す。これは、カナマイシン抵抗遺伝子の
各模写が4′ANTの生産に対して同様に寄与することを
示す。またこの酵素の活性が同様に、カナマイシン高抵
抗菌株の粗抽出物(濃度>10μg/ml)中において測定
された。これらの菌株を含む4′ANT活性は菌株AKmR 8
中に存在する活性に等しい。
これらの結果全体は、これらの菌株の高抵抗表現型で
4′ANT活性の増大によるものでもなく、また増幅度の
増大によるものでないことを明かにしている。他の現象
がその原因である。
1.8)AKmR 10において増幅された構造(30U.A.
/染色体)の安定性 増幅構造の安定性を研究するため、菌株AKmR 10の新培
養株から得られた1010細胞を、抗生物質を含まない液状
培地に接種した。3世代ののち、非選択的培地中に108
細胞をもつて第2培養サイクルを接種した。16細胞世代
に相当するこの型の5連続培養を実施した。各培養の終
了時に、アリクオツトを採取し、0または7.5μg/ml
のカナマイシンを含有する固体培地上に展張した。これ
らの培養中の生存しうる細菌数および培養中に存在する
7.5μg/mlのカナマイシンに対して抵抗性の細菌数を
計数によつて測定した(各測定ごとに約1000集落が計数
された)。
非選択的培地中において16世代ののち、細菌KmR 7.5の比
率は90%以上である(この値は計数信頼度の限界であ
る)。カナマイシン7.5μg/mlを含有する培地上にお
いて、pHV457の30、20または15模写を有する菌株Aの波
及性効果はそれゾレ100、25および0.1%であるから、非
選択性培地において実施された16世代から生じた細菌は
平均20U.A./染色体以上を保存したと結論すること
ができる。
また、表現型KmR 7.5の欠失/世代確率は<5・10-4であ
る。さらに、非選択的培地中で実施された5世代から出
た細菌の染色体DNAを抽出し、その増幅度をデンシトメ
ータによつて測定した。これらの細菌はある場合には約
30U.A./染色体を含有し、他の場合には28U.A.
/染色体を含有していた。故に表現型分析と生化学分析
は増幅構造の安定性が大であることを示す。
2)菌株BとCにおけるカナマイシン抵抗染色体の増幅
の研究 菌株Aの中に含まれる構造はカナマイシン抵抗遺伝子の
増幅を可能とする。この増幅は、pBR322の配列の特殊性
によるものであろうか、あるいは重複の存在によるもの
であろうか。下記の2つの場合についてカナマイシン抵
抗遺伝子の増幅を研究することにより、これら2つの仮
説を検証した。
−遺伝子が、pBR322のものと異る同形配列でフランクさ
れている場合、 −重複によつて包囲されていない場合。
2.1)菌株BとCの構築 これらの菌株は、環状ベクターと染色体との間の一回の
組替生起を必要とするキヤンベル型メカニズムにより、
あるいは線状ベクターと染色体との間の2回の組替生起
により(ニオーデほか、1982)、枯草菌の染色体の中に
組込ベクターを挿入することによつて構成された。
使用された組込ベクターはpHV458である。このベクター
は、pHV457と、pHV438から生じる2染色体分節ThyBおよ
びX(それぞれ2Kbおよび3.3Kb)とから成る(ニオー
デほか、1982)(第8図)。これは枯草菌において非複
製であつて、pUB110のカナマイシン抵抗染色体を含む。
このベクターはその2つの染色体分節により、下記の二
態様で枯草菌の染色体の中に組込まれる。
a)キヤンベル型メカニズムにより、ThyBまたはX区域
において、カナマイシン抵抗遺伝子の周囲に、組込部位
に対応する分節の重複を作る。このようにして構築され
た2菌株を下記において菌株BtおよびBxと呼ぶ(第8
図)。
b)組替の二重生起により、区域ThyBとXとの間に位置
する遺伝子ilvAを有する染色体分節の欠失を生じ、この
分節の代りにpHV457を用いる(第8図)。このように構
成された菌株を菌株Cと呼ぶ。
枯草菌の染色体の中へのカナマイシン抵抗遺伝子の模写
単独の組込みを直接に選択することが不可能であるか
ら、これらの3菌株を構成するため菌株(SB202(Tr
p-)のコンピテント細胞を、菌株HVS246(Trp+)の染色
体DNAと共にpHV458によつて形質転換した。得られた被
転換体Trp+のうち、10%の栄養系KmRを検出し、その75
%はIle+、25%はIle-であつた。
2.1.1)被転換体KmRIle-(菌株C) これらの被転換体がC型の構造(第8図)を有すること
を証明するため、2被転換体KmRIle-の染色体DNAを抽出
した。EcoRIまたはBglIIにより制限ののちに、pHV458を
プロープとして使用してスーザン技術によりDNAを分析
した。
オートラジオグラフイーののちに得られた結果は、枯草
菌の染色体の区域ThyB−Xの中に二重組替生起によつて
pHB458の単量体を組込む際に期待される結果に対応して
いる。一方においてはこれらの被転換体がpBR322の配列
との相同区域を含み、他方においてはこれらが遺伝子il
vAを失つたことを証明することにより、このような結果
が確認された。
2.1.2)被転換体KmRIle+(菌株BtとBx) 6被変換体KmRIle+をサザンの雑種形成技術によつて分
析した。それらの染色体DNAを抽出し、次にEcoRIまたは
BglIIによつて制限したのち、pHV458と雑種形成した。
得られた結果は、4被変換体がキヤンベル型メカニズム
によつて染色体の中に組込まれたpHV458の単量体を含
み、他の2被変換体は、pHV458の多数の模写を含み、枯
草菌の染色体の中へのpHV458の重合体の組込みから生じ
ることを示している。
前記の結果からは、菌株SB202の染色体の中にpHV458を
組込む部位(ThyBまたはX)を知ることができない。こ
れを確認するため、pHV458の単量体を含む被変換体の染
色体DNAと、菌株Cの染色体DNAとを、エンドヌクレアー
ゼBamHIによつて制限した。この酵素はpHV458の中にお
いて固有の部位を認識する(第8図)。これらの制限さ
れたDNAをサザンの技術によつてpHV458と雑種形成し
た。菌株CのDNAは、約6Kbの分節に対応する雑種形成
帯域を示していた。ところで、菌株Cの染色体DNAのBam
HIによる制限はpHV458と雑種形成されうる2分節を生じ
(第8図)、その幅は、染色体DNA中の隣接BamHI部位の
位置に依存している。その結果、遺伝子thyBを含む分節
が2.4Kb以上の幅を有しなければならないのに対して、
Xに対応する分節は9Kb以上の幅を有しなければならな
い。故に、雑種形成によつて検出された6Kbの分節は遺
伝子thyBを含む分節に対応するのに対して、9Kb以上の
幅の分節Xを含む分節は検出されなかつた。これはおそ
らく、このような分節がニトロセルローズのフイルター
上に有効に転送されるには大きすぎたからであろう。pH
V458の単量体を含む4被転換体のうちの2体のDNAは、
菌株Cにおいて観察された帯域と類似の帯域を示す。菌
株BtとBx(第8図)の期待構造の分析は、Bt型の構造を
含むDNAのみがこの帯域を発生できることを示してい
る。
故に、染色体区域ThyBへのキヤンベル型メカニズムによ
るpHV458の組込みから、菌株Cと共通の6Kb帯域を有す
る2種の被変換体が生じる。故にこのように形成された
菌株はカナマイシン抵抗遺伝子を包囲する分節ThyBの重
複を含む(菌株Bt)。染色体区域X中へのpHV458の組込
みから、他の2種の被変換体が生じる。これらの菌株は
カナマイシン抵抗遺伝子を包囲する分節Xの重複を含む
(菌株Bx)(第8図)。菌株AおよびCと同様に、これ
らの二菌株(BtとBx)はカナマイシンと直接に接触させ
られなかつた。
2.2)菌株B中の増幅 2.2.1)カナマイシンの亜阻害濃度に対して抵抗性
のB型細菌の検出 菌株BtとBxの培養のアリクオツトを、その各種濃度に対
する波及性効果を測定するため、カナマイシンの増大濃
度を含有する固体媒地上に展張した。その結果、下記が
明かとなつた。
a)菌株Bxは菌株Aと同様に行動する。この菌株はカナ
マイシン1μg/mlに抵抗し、亜阻害カナマイシン濃度
(2〜8μg/ml)に抵抗することのできる細菌を含
む。これらの細菌の頻度は10-4〜10-6の範囲である。
b)菌株Btは菌株AおよびBxよりもカナマイシン抵抗性
である。なぜかなら、2μg/mlのカナマイシン上のそ
の波及性効果は5・10-1である(10-4ではなく)からで
ある。またこの菌株Btは4、8、16μg/mlのカナマイ
シン上で成長することのできる細菌を含んでいる。この
菌株の高カナマイシン抵抗は、染色体起源のプロモータ
による遺伝子KmRの転写増大に由来する可能性がある。
2.2.2)10μg/mlのカナマイシンに対して抵抗性
の細菌の富化 10μg/mlカナマイシン抵抗性細菌を富化するため、菌
株Aの場合と同様に、10μg/mlのカナマイシンを含有
する液体培地中で菌株BtおよびBxを培養した。
菌株Aの場合と同様に、選択的培地中での菌株Bxの培養
中に、カナマイシン抵抗亜集団の富化を明かにすること
ができた。非選択的培地中においては、この亜集団は富
化されない。
2.2.3)カナマイシンに対して高抵抗性のBx型細菌
の取得 カナマイシンの増大濃度を含有する液状培地中での連続
サイクルによつて、10μg/ml〜0.1g/mlのカナマイ
シン抵抗を有する、菌株Bx由来の菌株が得られた。
2.2.4)B型菌株の増幅度の測定 10μg〜20mg/mlのカナマイシン抵抗性菌株Bx中に含有
されるpHV458の模写数をデンシオメータによつて測定し
た。これらの菌株はすべて、約20U.A./染色体を含
有する。
菌株Aの場合と同様に、Bx型菌株のカナマイシン抵抗の
増大は増感度の増大と関連していない。故にこれらの菌
株の高抵抗性は染色体増幅とは別個の現象によるもので
ある。
デンシトメータにより、10μg/mlのカナマイシン抵抗
性Bt型菌株は約5U.A./染色体を含むことを確認し
た。選択剤としてのカナマイシンの使用は高増幅度を有
するBt型菌株を隔離することができないと推測される。
なぜかならば、10μg/mlのカナマイシン抵抗性のA型
およびBx型菌株は最大増幅度を含むからである。
菌株Bt KmR 10の低増幅度は、この遺伝子の過表現を生じ
る染色体起源のプロモータが増幅単位の中に含有されて
いると推定することによつて説明することができよう。
カナマイシン抵抗遺伝子がpHV457の小分節BglII−BamHI
の方向に配向されていることを知つており(J.E.デ
ービス、私的通信)また菌株A、Bt、Bxの構造およびそ
れらのカナマイシン抵抗度を認識しているから、この染
色体起源プロモータが分節ThyBの中に位置すると結論す
ることができる。
2.2.5)菌株BxR 10の中で増幅された構造(20U.
A./染色体)の安定性 菌株AKmR 10の場合と同様にして菌株Bx KmR 10の中で増
幅された構造の安定性を研究した。
菌株Bx KmR 10の中で増幅された構造(20U.A./染色
体)の安定性は菌株AKmR 10中において観察された安定
性に類似している。また細胞KmR 7.5が世代時間によつて
KmS 7.5となる確率は<6・10-4である。
菌株Bxの中で増幅された構造の安定性が菌株AKmR 10
中に存在するものと同様であるから、菌株Aの中から欠
失されるが菌株Bxの中に存在する染色体区域が増幅構造
の安定性を変更させることのできる特殊の機能を含まな
いと結論することができる。
2.3)菌株C 2.3.1)カナマイシン高抵抗C型菌株の取得とその
増幅度の測定 1μg/mlのカナマイシンに対して抵抗性の菌株Cか
ら、10−20……320μg/mlのカナマイシンに対して抵
抗性の菌株を得た。これらの菌株においてはカナマイシ
ン抵抗遺伝子の増幅は全く検出されなかつた。これらの
結果は、菌株Cの中に増幅構造を含む亜集団が存在しな
いことを暗示している。従つて、この遺伝子が増幅され
うるためにはその周囲の重複が必須であると思われる。
前述のようにして得られたC型菌株の高抵抗度はカナマ
イシンに対する菌株の感度の一時変異によるものと思わ
れる。
3.)菌株αとDの中におけるクロルアンフエニコール
(Cm)抵抗遺伝子の増幅の研究 A型、Bx型、Bt型およびC型の菌株について実施された
研究は、カナマイシン抵抗遺伝子は、これが2つの同一
配列の中間に挿入された場合にのみ増幅されうることを
示している。これらの観察を一般化し、観察された増幅
がカナマイシン抵抗遺伝子を含むDNA断片の特殊性によ
るものではないことを示すため、クロルアンフエニコー
ル抵抗遺伝子が同一配列によつて包囲されている場合と
包囲されていない場合の増幅を研究した。
3.1)構築 3.1.1)菌株α 菌株αの構築はパラグラフ1.1.a)の中に記載され
ている。この菌株はその染色体の中に、pBR322から誘導
されpC194(pHV33△81)のクロルアンフエニコール抵抗
遺伝子を有し同一配列によつて包囲されていない配列を
含んでいる。
3.1.2)菌株D 菌株Dの染色体の中には、pC194のクロルアンフエニコ
ール抵抗遺伝子を包囲した菌株A中に含まれる重複に類
似の重複(pBR322から誘導された配列重複)が存在す
る。この菌株を構築するため、枯草菌における非複製プ
ラスミド、pHV33△81によつて菌株Cのコンピテント細
胞を形質転換した(ダゲールほか、1983)。
菌株Cの染色体の中へのpHV△81の重合体の組込を防止
するため、プラスミドpHV33△81の調製は強く重合され
ていた。PatIによつてあらかじめ線形化されたこのプラ
スミドpHV33△81の調製のDNAによつて、菌株Cのコンピ
テント細胞を形質転換した。このように線形化されたプ
ラスミドはその形質転換能の一部を保持している。線形
化プラスミドと受容体細胞中に存在する同相配列との間
の相互作用によつて、このプラスミドの有する切断が修
復されるからである(コンタントおよびデユブノ、197
9)。2・103の被転換体CmR/DNAμgが得られた。EcoR
IとBglIIによつて切断された被転換体から抽出されたDN
A全量をpHV457と雑種形成した。その構造は求められる
菌株Dの構造(第9図)に対応していた。
3.2)キロルアンフエニコール抵抗遺伝子の増幅 3.2.1)菌株D クロルアンフエニコールの増大濃度を含む液状媒地中に
おいて菌株D(クロルアンフエニコール5μg/ml抵
抗)の順次培養により、10〜50μg/mlのクロルアンフ
エニコールに対して抵抗性の菌株を得た。
菌株Dの培養から、種々の増感度を有し2.5と7U.
A./染色体を含む菌株を隔離することができる。故
に、菌株A、BxおよびBtの中に見られるカナマイシン抵
抗遺伝子の増幅は、遺伝子KmRを有する配列の特殊性に
よるものではない。
故に実験条件において、7U.A./染色体以上を含む
菌株を隔離することは不可能であつた。この結果を説明
することができる2つの仮説がある。すなわち、クロル
アンフエニコールがこれらの菌株を選択することができ
ないが、あるいはこれらの菌株が存在しないかである。
3.2.2)菌株α 菌株αは5μg/mlのクロルアンフエニコールに抵抗す
る。この菌株から、5μg/ml以上のクロルアンフエニ
コール濃度に対して抵抗性の細菌をうることは不可能で
あつた。5μg/mlのクロルアンフエニコール抵抗性菌
株のDNA全量を抽出し、デンシオメータによつて分析し
た。増幅構造はまつたく検出されなかつた。
菌株Dとαについて実施されたこれらの研究は、クロル
アンフエニコール抵抗遺伝子が2つの同一配列の間に挿
入されれば増幅されうることを示す。
4.2種の遺伝子の共増幅 2種の遺伝子の共増幅が可能であることを示すため、菌
株Eを構築した。その染色体の中に、クロルアンフエニ
コール抵抗遺伝子を含むpHV33△81と、カナマイシン抵
抗遺伝子を含むpHV458とが挿入された。これらの2つの
プラスミドが2つの配列Xによつて包囲されてU.A.
No.2を構築する(第10図)。この構造の場合、pHV458の
増幅は必ずpHV33△81の増幅を伴う。また菌株Eは、
U.A.No.1を成すクロルアンフエニコール抵抗遺伝子
pHV33△81を包囲するpBR322の配列の重複を含む(第10
図)。pHV33△81の増幅はpHV458の増幅とは無関係であ
りうる。
4.1)菌株Eの構築 菌株Bxのコンピテント細胞が、PstIによつてあらかじめ
線形化されたプラスミドpHV33△81によつてクロルアン
フエニコール抵抗に関して形質転換された(パラグラフ
3.1.2.参照)。3μg/mlのクロルアンフエニコ
ールに抵抗性の102被転換体/DNAμgを得た。第10図に
図示の構造を有する推定される栄養系が選ばれた。
4.2)pHV458とpHV33△81の増幅 10μg/mlのカナマイシンまたは増大濃度のクロルアン
フエニコール(0〜40μg/ml)を含有する液状培地の
中に菌株Eの細胞を接種した。18時間のインキユベーシ
ヨンののち、10μg/mlカナマイシン抵抗性細胞と、25
μg/mlクロルアンフエニコール抵抗性細胞の割合を固
体媒質上展張によつて測定した。
非選択培地中での菌株Eの培養の結果、10μg/mlカナ
マイシン抵抗性細胞の割合は2.5・10-5である(菌株A
とBxについて測定された値に近い値)。25μg/mlクロ
ルアンフエニコール抵抗性細胞の割合は3.3・10-6であ
る。予期されたように、10μg/mlカナマイシンに対し
て抵抗性の細菌は、10μg/mlのカナマイシンを含有す
る液状媒地での培養中に富化された(固体培地Km10上で
の波及性効果は1)。この富化に伴つて、25μg/mlク
ロルアンフエニコール抵抗性細菌の量が増大した。固体
媒地Cm25上の波及性効果は0.1。10μg/mlのカナマイ
シンの存在における培養中のクロルアンフエニコール抵
抗遺伝子の非誘導が、Cm25上の波及性効果がKm10上より
も劣ること(1/10)の原因に相違ない。
これらの結果は、一方の遺伝子(遺伝子KmR)の増幅が
同一増幅単位中に存在する他方の遺伝子(遺伝子CmR
の増幅を伴うことを示している。
クロルアンフエニコールの低濃度(15μg/mlまで)で
実施される培養の場合、クロルアンフエニコール抵抗性
遺伝子とカナマイシン抵抗性遺伝子との共増幅は微弱で
あるようだ。これは、pHV33△81(U.A.No.1の一部
を成す)(第10図)の独立の増幅、またはカナマイシン
抵抗遺伝子の不十分な共増幅(増幅度が10μg/mlカナ
マイシン抵抗を与えるには小さすぎる)によるものかも
しれない。15μg/ml以上のクロルアンフエニコール濃
度においては、クロルアンフエニコール抵抗細菌の富化
に伴つて10μg/mlカナマイシン抵抗性細菌が富化され
ることを注意しよう(細胞CmR 25に対する細胞KmR 10の比
は50%から90%に増大する)。これは、U.A.No.2の
増幅がU.A.No.1単独の増幅よりも優先的に生じるこ
とを意味する。
実施例において使用された菌株とプラスミドの特性と起
源を下表に要約する。
1)insとこれに続くカツコ付きプラスミド名は、その
プラスミドが染色体の中に挿入されることを意味する。
2)delまたはdupとこれに続く遺伝子名、配列またはプ
ラスミド名は、プラスミドの挿入後に、それぞれこの遺
伝子、配列またはプラスミドの欠失または重複のあつた
ことを意味する。
3)プラスミドが多数個所に挿入されうるとき、その組
込部位はプラスミドの名称のあとに示される。
参考文献 Barat M.,Anagnostopoulos C.及びSchneider A.M.(196
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1:1565-1571 Michel B.,Niudet B.及びEhrlich S.D.(1983)Plasmid
10:1-10 Niaudet B.,Goze A.及びEhrlich S.D.(1982)Gene19:2
77-284
【図面の簡単な説明】
第1図は単式組替生起の略示図、第2図は複式組替生起
の略示図、第3図は遺伝子増幅の略示図、第4図は菌株
αとAの構築図、第5図は菌株Aの構造図、第6図は遺
伝子模写数(コピー数)/カナマイシン抵抗のグラフ、
第7図は遺伝子模写数/4′ANT活性のグラフ、第8図
は菌株Bt、Bx、Cの構築と構造を示す図、第9図は菌株
Dの構造図、また第10図は菌株Eの構造図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:125) (72)発明者 ブリジツト、ニオーデ フランス国75251、パリ、セデ、05、プラ ース、ジユシウ、2

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】染色体中で特定の遺伝子を増幅させたバチ
    ルス属微生物の菌株の製造方法であって、 (a)前記遺伝子を有する少くとも1種の組込プラスミ
    ドベクターをバチルス属微生物の染色体中に組込んで、 ・少くとも前記遺伝子およびその調節遺伝子としての発
    現要素ならびに前記遺伝子の上流および下流側各末端に
    おいて同じ向きの二つの同一配列とを含む増幅可能な単
    位としての少くとも1種のDNA配列、であって ・該増幅可能な単位がさらに選択性遺伝子をコードする
    DNA配列、 を染色体中に生じる段階、と (b)次に、選択性遺伝子に対応する選択培地上での培
    養によって、得られたバチルス属微生物の菌株を選択
    し、選択前の細菌集団に対してコピー数が増大した前記
    遺伝子の存在に対応する表現型を有する菌株を採取する
    段階、 とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】選択標識としての選択性遺伝子は化合物に
    対する抵抗性遺伝子であって、 (b)段階に際して、この化合物に対して最高の抵抗性
    を示す菌株を選択することを特徴とする、特許請求の範
    囲第1項による方法。
  3. 【請求項3】化合物は抗生物質であることを特徴とす
    る、特許請求の範囲第2項による方法。
  4. 【請求項4】選択標識としての選択性遺伝子はKm遺伝
    子またはCm遺伝子であることを特徴とする、特許請求
    の範囲第3項による方法。
  5. 【請求項5】重複配列である同一配列は細菌プラスミド
    から生じることを特徴とする、特許請求の範囲第1項乃
    至第4項のいずれかによる方法。
  6. 【請求項6】重複配列である同一配列はpBR 322
    から生じることを特徴とする、特許請求の範囲第5項に
    よる方法。
  7. 【請求項7】重複配列である同一配列は野生種枯草菌の
    染色体のDNA配列の全部または一部によって構築され
    ることを特徴とする、特許請求の範囲第1項乃至第4項
    のいずれかによる方法。
  8. 【請求項8】重複配列である同一配列は遺伝子ThyB
    の全部または一部によって構築されることを特徴とす
    る、特許請求の範囲第5項乃至第7項のいずれかによる
    方法。
  9. 【請求項9】(a)段階において、組込プラスミドベク
    ターは少くとも、 ・重複配列である同一配列、標識遺伝子としての選択性
    遺伝子および特定の遺伝子からなる一種の増幅可能な単
    位を含み、バチルス属微生物の染色体は組込前に重複配
    列を含むことを特徴とする、特許請求の範囲第1項乃至
    第8項のいずれかによる方法。
  10. 【請求項10】バチルス属微生物の染色体中に存在する
    重複配列としての同一配列は、組込プラスミドベクター
    による組込によって導入されたことを特徴とする、特許
    請求の範囲第9項による方法。
  11. 【請求項11】下記の方法を実施して得られたバチルス
    属微生物の菌株。 染色体中で特定の遺伝子を増幅させたバチルス属微生物
    の菌株の製造方法であって、 (a)前記遺伝子を有する少くとも1種の組込プラスミ
    ドベクターをバチルス属微生物の染色体中に組込んで、 ・少くとも前記遺伝子およびその調節遺伝子としての発
    現要素ならびに前記遺伝子の上流および下流側各末端に
    おいて同じ向きの二つの同一配列とを含む増幅可能な単
    位としての少くとも1種のDNA配列、であって ・該増幅可能な単位がさらに選択性遺伝子をコードする
    DNA配列、 を染色体中に生じる段階、と (b)次に、選択性遺伝子に対応する選択培地上での培
    養によって、得られたバチルス属微生物の菌株を選択
    し、選択前の細菌集団に対してコピー数が増大した前記
    遺伝子の存在に対応する表現型を有する菌株を採取する
    段階、とを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】枯草菌を使用することを特徴とする、特
    許請求の範囲第11項による菌株。
JP59115355A 1984-04-27 1984-06-05 枯草菌において特定遺伝子の表現を増幅する方法およびこれによつて得られた菌株 Expired - Lifetime JPH0665306B2 (ja)

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