JPH0665151A - ジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法 - Google Patents

ジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法

Info

Publication number
JPH0665151A
JPH0665151A JP4226136A JP22613692A JPH0665151A JP H0665151 A JPH0665151 A JP H0665151A JP 4226136 A JP4226136 A JP 4226136A JP 22613692 A JP22613692 A JP 22613692A JP H0665151 A JPH0665151 A JP H0665151A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
formula
chemical formula
obtaining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4226136A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ebata
隆 恵畑
Yukifumi Koseki
幸史 古関
Koji Okano
耕二 岡野
Hiroshi Kawakami
浩 川上
Katsuya Matsumoto
克也 松本
Hajime Matsushita
肇 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP4226136A priority Critical patent/JPH0665151A/ja
Publication of JPH0665151A publication Critical patent/JPH0665151A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】比較的入手が容易な出発物質から光学純度の高
いジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法を提供す
る。 【構成】レボグルコセノンから合成された化合物(6) に
ビニル基を導入し、化合物(7) を得る。化合物(7) のビ
ニル基の二重結合を酸化的に切断した後水酸基を保護基
に転化して化合物(9) を得る。化合物(9) を塩基で処理
し分子内アルキル化させて化合物(10)を得る。次に化合
物(10)を還元して化合物(11)を得、化合物(11)の一級水
酸基のみをメチルエステル化し、その後二級水酸基を酸
化して、ジヒドロエピジャスミン酸メチル(1) を得る。 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、OX2 基は脱離基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、化粧品、食品
等の加香に用いられる香気成分、農薬等に有用なジヒド
ロエピジャスミン酸メチルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化16に示すジヒドロエピジャスミン酸
メチル(1)は、ジャスミン様の香気を有する香気成分
であり、例えば、化粧品、食品または調合香料等に広く
用いられている。
【0003】
【化16】 このような種類の香料では、2つの置換基が互いにシス
に配位している方が香気的に優れたいることが知られて
いる。
【0004】また、最近の研究では、β−ヒドロキシル
基を有するジヒドロエピジャスミン酸誘導体は、広く植
物の生育調節等に関与することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ジヒドロエピジャスミ
ン酸メチル(1)は、一般的に光学活性な形で存在し、
光学異性体のタイプによって異なる性質を示すことが認
められている。例えば、上述のジヒトロエピタジャスミ
ン酸メチルでは、二つの光学異性体の間で匂いの性質等
が異なることが認められている。従って、ジヒドロエピ
ジャスミン酸メチル(1)を高い光学純度で得ることは
極めて重要である。しかし、従来、光学活性なジヒドロ
エピジャスミン酸メチル(1)を選択的に合成できる製
造方法は知られていない。
【0006】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、選択的に光学活性なジヒドロエピジャスミン酸
メチルを得ることができるジヒドロエピジャスミン酸メ
チルの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジヒドロエピ
ジャスミン酸メチル(1)の製造方法であって、 (a)化17で示されるように、レボグルコセノン
(2)のエノン部分にペンチル基を付加することにより
化合物(3)を得る工程と、
【化17】 (b)化18で示されるように、工程(a)で得られた
化合物(3)を過酸で酸化することにより化合物(4)
を得る工程と、
【化18】 (c)化19で示されるように、工程(b)で得られた
化合物(4)の水酸基を脱離基OX1 に転化することに
より化合物(5)を得る工程と、
【化19】 (式中、OX1 は一般的な脱離基を示す) (d)化20で示されるように、工程4で得られた化合
物(5)を塩基で処理することにより化合物(6)を得
る工程と、
【化20】 (式中、OX1 は上記と同じ意味を示し、R1 は水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基を示す) (e)化21で示されるように、工程(d)で得られた
化合物(6)にビニル基を導入することにより、化合物
(7)を得る工程と、
【化21】 (式中、R1 は上記と同じ意味を示す) (f)化22で示されるように、工程(e)で得られた
化合物(7)のビニル基の二重結合を酸化的に切断した
後に還元することにより、化合物(8)を得る工程と、
【化22】 (g)化23で示されるように、工程(f)で得られた
化合物(8)の水酸基を脱離基OX2 に転化することに
より、化合物(9)を得る工程と、
【化23】 (式中、OX2 は一般的な脱離基を示す) (h)化24で示されるように、工程(g)で得られた
化合物(9)を塩基で処理することにより閉環させて、
化合物(10)を得る工程と、
【化24】 (式中、OX2 は上記と同じ意味を示す) (i)化25で示されるように、工程(h)で得られた
化合物(10)を還元することにより、化合物(11)
を得る工程と、
【化25】 (j)化26で示されるように、工程(i)で得られた
化合物(11)の一級水酸基のみを選択的に脱離基OX
3 に転化して、化合物(12)を得る工程と、
【化26】 (式中、OX3 は一般的な脱離基を示す) (k)化27で示されるように、工程(j)で得られた
化合物(12)の二級水酸基に保護基R2 を導入するこ
とにより、化合物(13)を得る工程と、
【化27】 (式中、OX3 は上記と同じ意味を示し、R2 は一般的
な保護基を示す) (l)化28で示されるように、式(13)で表される
化合物にニトリル基を導入することにより、式(14)
で表される化合物を得る工程と、
【化28】 (式中、R2 およびOX3 は上記と同じ意味を示す) (m)化29で示されるように、工程(l)で得られた
化合物(14)のニトリル基を加水分解してカルボキシ
ル基に転化した後、酸性条件下で保護基R2 を脱離させ
てのちにカルボキシル基をメチルエステル化することに
より、化合物(15)を得る工程と、
【化29】 (式中、R2 は上記と同じ意味を示す) (n)化30で示されるように、化合物(15)を酸化
することにより、ジヒドロエピジャスミン酸メチル
(1)を得る工程、とを具備したことを特徴とするジヒ
ドロエピジャスミン酸メチルの製造方法を提供する。
【0008】
【化30】 以下、本発明のジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造
方法をさらに詳細に説明する。
【0009】本発明の製造方法の出発原料であるレボグ
ルコセノンは、セルロースの熱分解物として広く知られ
ている。また、レボグルコセノン(2)は、同様にガラ
クトースを出発原料として、Chemistry Letters, 307-3
10(1990)に示されている方法に従って、高い光学純度で
容易に得ることができる。
【0010】工程(a)のレボグルコセノン(2)のエ
ノン部分へペンチル基を導入する反応は、例えば、ヨウ
化銅、臭化銅、塩化銅の銅塩の存在下で、例えば、ペン
チルリチウム、ペンチルマグネシウムのようなアルキル
化剤を用いて行うことができる。この場合に、レボグル
コセノン(2)1モルに対して、アルキル化剤を、1.0
モル〜3.0 モル、好ましくは1.25モル用いるのが望まし
い。このペンチル基の導入反応は、例えば、適当な溶媒
中、不活性ガス雰囲気下、通常-70 ℃〜室温にて、30分
〜20時間撹拌しながら行われる。ここで用いる適当な溶
媒は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル系溶媒、もしくはトルエン、キシレン等の
有機溶媒であるが特に限定されるものではない。
【0011】工程(b)のラクトン環を形成する反応
は、適当な過酸を用いたバイヤービリガー酸化によって
行なうことができる。この場合、化合物(3)1モルに
対し、過酸を1モル〜5モル、好ましくは1モル用いる
のが望ましい。ラクトン環の形成反応に用い得る過酸と
しては、例えば、過酢酸、過蟻酸、メタクロロ過安息香
酸、さらにフタル酸の過酸化物である。このようなラク
トン環の形成反応は、前述の過酸を用いて、適当な溶媒
中、0 ℃〜50℃にて1時間〜80時間撹拌しながら行わ
れる。ここで使用する適当な溶媒としては、例えば、酢
酸や蟻酸の酸類や、例えば塩化メチレン、クロロホルム
のハロゲン系溶媒である。しかし、該溶媒は、過酸と反
応せず、かつ反応後の処理を困難にする副生成物を生じ
ないものであれば良く、特に限定されるものではない。
【0012】工程(c)における、化合物(4)の水酸
基を脱離基OX1 を転化する反応は、通常のエステル化
反応によって、X1 基を水酸基の酸素原子に結合させる
ことにより行うことができる。OX1 基は後述する工程
(d)において脱離されるので、OX1 基は、一般的な
脱離基であれば特に限定されるものではない。しかしな
がら、好ましいX1 基は、例えば、パラトルエンスルフ
ォニル基、メタンスルフォニル基、トリフルオロメタン
フォニル基である。この脱離基OX1 を導入する反応
は、例えば、X1 のハロゲン化物若しくは酸無水物(ac
id anhydride) のようなX1 基を有する化合物を、適当
な溶媒中、-10 ℃〜30℃で3時間〜30時間撹拌しなが
ら反応させることにより行われる。この場合、化合物
(4) 1モルに対して、上記X1 基を有する化合物を1
モル〜4モル、好ましくは1.5 モル用いる。また、適当
な溶媒としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン
を使用できるが特に限定されるものではない。
【0013】工程(d)の化合物(5)のエポキシド化
反応は、適当な溶媒中で塩基性化合物を用いて、通常 0
℃〜30℃にて2時間〜30時間撹拌しながら反応させる
ことで行うことができる。該塩基性化合物としては、例
えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ムのような金属水酸化物や、例えば、炭酸カリウム、炭
酸ナトリウムのような炭酸塩、または、例えば、酢酸カ
リウム、酢酸ナトリウムのような酢酸塩などを用いるこ
とができる。この場合、化合物 (5) 1モルに対し、上
記塩基性化合物を1モル〜3モル、好ましくは1.1 モル
用いるのが望ましい。ここで使用する適当な溶媒として
は、水、及び、例えば、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコールのようなアルコール類、並びに、そ
れらとテトラヒドロフラン(THF)等との混合溶媒で
あるが、特に限定されるものではない。R1 基は溶媒に
依存して導入され、水または水およびTHFの混合溶媒
の場合には、R1 基は水素原子であり、アルコールまた
はアルコールおよびTHFの混合溶媒の場合には、R1
基はアルコールに対応するアルキル基である。しかし、
1 基は、引き続き行われる工程(e)において脱離さ
れるので特に限定しなくとも良い。
【0014】工程(e)のビニル基の導入反応は、例え
ば、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅等の銅塩の存在下におい
て、化合物(6)と、例えば、ビニルリチウム、ビニル
マグネシウムのようなビニル金属塩と反応することによ
り行うことができる。このビニル化反応は、例えば、適
当な溶媒中、不活性ガス雰囲気下で、−70℃〜室温に
て、1時間から20時間撹拌しながら行われる。ここで
使用する適当な溶媒としては、例えば、エ−テル、テト
ラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒や、トルエン、キシ
レン等の有機溶媒であるが、特に限定されるものではな
い。
【0015】工程(f)の、エポキシド(7)からアル
コ−ル(8)を得る反応は、ビニル基の二重結合を酸化
的に切断した後還元することにより行われる。二重結合
の酸化的切断は、化合物(7)を、オゾン、酸化ルテニ
ウム、四酸化オスミウムまたは過ヨウ素酸ナトリウムの
ような酸化剤で処理して行なわれる。また、還元反応
は、この後、ジボラン、水素化ホウ素ナトリウム等の還
元剤と反応させることにより行うことができる。以上の
ようなアルコール化反応は、例えば、適当な溶媒中、−
70℃〜室温にて、1時間から30時間、撹拌しながら
行われる。ここで使用する適当な溶媒としては、例え
ば、四塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒等で
あるが特に限定されるものではない。
【0016】工程(g)の水酸基を脱離基OX2 に転化
する反応は、前述の工程(C)と同様に、通常のエステ
ル化反応によって、X2 基を酸素原子に結合させること
により行うことができる。OX2 基は、工程(c)と同
様の一般的な脱離基である。
【0017】工程(h)における単環の閉環は、分子内
アルキル化反応によって達成される。化合物(9)の分
子内アルキル化反応は、化合物(9)を適当な塩基で処
理することにより行われる。すなわち、化32に示すよ
うに、工程(e)でビニル基が導入された化合物(VII)
から、工程(f),(g)を経て化合物(IX)を得る。
化合物(IX)を塩基で処理すると、2位でアニオンが発
生し、発生したアニオンは6位の炭素原子を攻撃して脱
離基OX2 が脱離する。これにより、分子内アルキル化
が起こり化合物(IX)の2位および6位の炭素原子の間
で閉環し、化合物(X)が得られる。
【0018】
【化31】 ここで、適当な塩基としては、好ましくは、リチウムジ
イソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド
等の強塩基を用いることができる。この閉環反応は、例
えば、適当な溶媒中、不活性ガス雰囲気下、−70℃〜
室温にて、1時間から30時間撹拌することにより行う
ことができる。適当な溶媒としては、例えば、エ−テ
ル、テトラヒドロフラン等を用いることができるが、特
に限定されるものではない。
【0019】工程(i)では、還元反応によって化合物
(10)のラクトン環が開列して、化合物(11)が得
られる。化合物(10)の還元は、化合物(10)を適
当な還元剤と処理することにより行うことができる。還
元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、
水素化ジイソブチルアルミニウム等を使用できる。この
還元反応は、適当な溶媒中、−70℃〜室温にて、1時
間から30時間撹拌することにより行うことができる。
ここで、適当な溶媒としては、例えば、エ−テル、テト
ラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒や、トルエン、キシ
レン等の有機溶媒であるが特に限定されるものではな
い。
【0020】工程(j)〜(l)では、化合物(11)
の2つの水酸基のうち一級水酸基をニトリル基に選択的
に転化する。
【0021】まず、工程(j)では、化合物(11)の
一級水酸基を選択的に脱離基OX3に転化する。一級水
酸基の脱離基への転化は、通常のエステル化反応によっ
て、X3 基を酸素原子に結合させて行うことができる。
3 基は、後述する工程(l)で脱離されるので特に限
定されないが、好ましくは、パラトルエンスルフォニル
基、メタンスルフォニル基またはトリフルオロメタンス
ルフォニル基である。このX3 基の導入反応は、例え
ば、X3 のハロゲン化物または酸無水物のようなX3
を有する化合物を、適当な溶媒中、−10℃〜30℃に
て3時間から30時間撹拌しながら反応させることによ
り行われる。この場合、化合物(11)1モルに対して
上述のX3 基を有する化合物を、1モル〜4モル、好ま
しくは1モル用いることが望ましい。また、適当な溶媒
は、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等や、これら
と塩化メチレンやクロロホルム等のハロゲン系溶媒との
混合溶媒であるが特に限定されるものではない。
【0022】工程(k)において、二級水酸基へ導入さ
れる保護基R2 は、通常水酸基の保護基として用いられ
ているものであり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基
等のアシル系の保護基、エトキシエチル基、テトラヒド
ロピラニル基等のエ−テル系の保護基、t−ブチルジメ
チルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル系の保護
基である。保護基R2 の導入は、アシル系の保護基を導
入する場合は、例えば、ピリジン、トルエチルアミン等
の塩基性化合物の存在下で、例えば、酸無水物、アシル
クロリド等とを反応させることにより行うことができ
る。
【0023】また、エーテル系の保護基を導入する場合
には、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン
酸ピリジン等の酸性化合物の存在下で、例えば、対応す
るエノールエーテルと反応させることにより行うことが
できる。
【0024】また、シリル系の保護基を導入する場合に
は、例えば、適当な溶媒中、イミダゾールやピリジン系
化合物の存在下で、例えば、トリオルガノシリルクロリ
ドまたはトリオルガノシリルトリフラートと反応させる
ことにより行うことができる。ここで適当な溶媒として
は、例えば、ジメチルホルミアミド、塩化メチレンのよ
うな有機溶媒であるが、特に限定されるものではない。
【0025】工程(l)における、ニトリル基の導入
は、化合物(13)を、適当な溶媒中、室温〜180℃
にて、1時間から30時間撹拌しながら、シアン化ナト
リウム、シアン化カリウムのような青酸塩と反応させて
行うことができる。ここで、適当な溶媒は、例えば、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を用いる
ことができるが特に限定されるものではない。
【0026】工程(m)では、まず、化合物(14)の
ニトリル基を加水分解してカルボキシル基に転化する。
この加水分解反応は、化合物(14)を、適当な溶媒
中、塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
存在下で、室温〜150℃で、1時間から30時間撹拌
した後、適当な酸存在下処理することにより行うことが
できる。この際、二級水酸基に導入した保護基R2 が脱
離する。ここで溶媒としては、水及びメタノールもしく
はメトキシエタノールのようなアルコールとの混合溶媒
を用いることができるが、特に限定されるものではな
い。また、酸としては、硫酸、塩酸等が使用できる。
【0027】また、以上のような加水分解反応により得
られた化合物を、適当な溶媒中、ジアゾメタンやジメチ
ル硫酸等のエステル化剤と反応させることによりエステ
ル体を得ることができる。ここで溶媒としては、エーテ
ル、ベンゼン等の有機溶媒であるが、特に限定されるも
のではない。
【0028】工程(n)の酸化反応では、化合物(1
5)を適当な溶媒中、酸化剤と−70℃ー室温似て1時
間から30時間撹拌しながら行うことができる。ここで
酸化剤としては、例えば、ピリジニウムジクロメ−ト、
ジョ−ンズ試薬、中性クロム酸等のクロム酸系酸化剤
や、ジメチルスルホキシド酸化剤、さらには酸化ルテニ
ウム等を使用できる、また、適当な溶媒としては、塩化
メチレン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒であるが特に
限定されるものではない。
【0029】以上説明した如く、本発明のジヒドロエピ
ジャスミン酸メチル(1)の製造方法によれば、出発物
質として用いたレボグルコセノン(2)の光学純度が保
持されたまま合成系が進行するので、光学純度が高いジ
ヒドロエピジャスミン酸メチル(1)を得ることができ
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明のジヒドロエピジャスミン酸メ
チルの製造方法の実施例について詳細に説明する。
【0031】[A] 1,6−アンヒドロ−3,4−ジ
デオキシ−4−C−ペンチル−β−D−エリスロ−ヘキ
ソピラノ−ス−2−ウロ−ス[化合物(3)]の合成 ヨウ化銅 5.72g(30mmol)及びペンチルリ
チウム 75ml(0.8N,60mmol)より常法
に従って調製したジメチル銅リチウム溶液中に−60℃
で、レボグルコセノン3.51g(25mmol)の無
水エ−テル溶液10mlを滴下した。滴下後30分間、
反応溶液を−60℃で撹拌した後、反応温度を0℃まで
上昇させた。次いで、反応溶液を飽和塩化アンモニウム
水溶液中にあけ、室温で30分撹拌した後、不溶物を濾
別した。得られた濾液から有機層を分離し、水層を塩化
メチレンで抽出した。得られた抽出液を先に分離した有
機層と合わせて、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。濾過後濾液を濃縮し、得られた
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘ
キサン:エ−テル=10:1〜2:1)で精製し、さら
に減圧蒸留して、化合物(3)4.01g(81.0
%)を得た。
【0032】得られた生成物の物理的特性は次のとおり
であった。
【0033】沸点: 113−115℃/10mmHg1 H NMR(CDCl3 ): δ 0.89(3H,
t,J=7.0Hz),1.20−1.72(8H,
m),2.01−2.22(2H,m),2.80(1
H,dd,J=7.8,16.3Hz),3.92−
4.06(2H,m),4.50−4.59(1H,
m),5.06(1H,s) [B](3S,4S)−5−ヒドロキシ−3−ペンチル
ペンタン−4−オリド[化合物(4)]の合成 工程[A]で得られた化合物(3)7.51g(37.
9mmol)を酢酸37mlに溶解し、この溶液に撹拌
しながら40%過酢酸6.7mlを滴下して加えた。こ
のとき、反応温度は20〜30℃に維持した。次いで、
反応溶液を室温で一晩撹拌した後、反応溶液に、冷却し
ながらジメチルスルフィド2.40g(38.7mmo
l)を滴下した。得られた混合溶液を30分室温で撹拌
した。得られた反応溶液を濃縮した後、得られた残渣を
メタノ−ル30mlに溶解し、さらに濃塩酸10滴を加
え、50℃に加温しながら6時間撹拌した。次に、溶液
を濃縮して、得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜
1:3)で精製して、化合物(4)6.38g(90.
5%)を得た。
【0034】得られた生成物の物理的特性は次のとおり
であった。
【0035】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.9Hz),1.10−1.62
(9H,m),2.22(1H,dd,J=8.7,1
7.3Hz),2.35−2.52(1H,m),2.
75(1H,dd,J=8.6,17.3),3.61
−3.74(1H,m),3.85−3.96(1H,
m),4.19−4.29(1H,m) [C](3S,4S)−3−ペンチル−5−トシロキシ
ペンタン−4−オリド[化合物(5)]の合成 工程[B]で得られた化合物(4)1.51g(8.1
2mmol)を無水ピリジン10mlに溶解し、溶液
に、氷冷下、トシルクロリド2.32g(12.2mm
ol)を加えた。室温で3時間半撹拌した後、反応溶液
を、冷希塩酸水溶液中にあけ、エ−テルで抽出した。得
られた抽出液を、水、飽和硫酸銅水溶液、水および飽和
食塩水溶液で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶液を濾過した後濃縮して、得られた残渣
を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢
酸エチル=10:1〜5:1)で精製して、化合物
(5)2.39g(86.6%)を得た。
【0036】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0037】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.9Hz),1.20−1.61
(8H,m),2.21(1H,dd,J=8.1,1
7.4Hz),2.30−2.53(4H,m),2.
73(1H,dd,J=8.6,17.4),4.10
−4.34(3H,m),7.39(2H,d,J=
8.5Hz),7.80(2H,d,J=8.5Hz) [D](3S,4S)−4,5−エポキシ−3−ペンチ
ルペンタン酸イソプロピル[化合物(6)]の合成 工程[C]で得られた化合物(5)3.00g(8.8
2mmol)を、イソプロピルアルコ−ル50mlに溶
解し、この溶液に炭酸カリウム1.34g(9.71m
mol)を加えた。反応溶液を50℃で一晩撹拌した
後、不溶物を濾過した。濾液を濃縮した後、得られた残
渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−テ
ル=10:1〜5:1)で精製して、エポキシドとして
化合物(6)1.53g(76.1%)を得た。
【0038】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0039】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.9Hz),1.15−1.50
(15H,m),2.32(1H,dd,J=8.3,
15.3Hz),2.49(1H,dd,J=7.8,
15.3),2.52−2.60(1H,m),2.7
5−2.86(2H,m),4.96−5.10(1
H,m) [E] (3S,4R)−3−ペンチル−6−ヘプテン
−4−オリド[化合物(7)]の合成 ヨウ化銅129mg(0.68mmol)を無水テトラ
ヒドロフラン5mlに懸濁し、これに工程[D]で得ら
れたエポキシド(6)770mg(3.38mmol)
の無水エ−テル25ml溶液を加えた。混合溶液に、ア
ルゴンガス雰囲気下で−20℃に冷却しながら、ビニル
マグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液3.7
1ml(1.0N、3.71mmol)を滴下した。−
20℃で1時間撹拌した後、反応溶液を飽和塩化アンモ
ニウム水溶液中にあけ、30分撹拌し、不溶物を濾過し
た。得られた濾液をエ−テルで抽出した後、抽出液を飽
和食塩水で洗浄した。この後、抽出液を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥して濾過し、濾液を濃縮した。得られた残
渣をメタノ−ル5mlに溶解し、この溶液に10%水酸
化ナトリウム水溶液5mlを加え、室温で3時間撹拌し
た。メタノ−ルを減圧留去した後、得られた残渣をエ−
テルで2度抽出した。さらに水層を希塩酸で酸性にした
後、該水層を1時間撹拌した。次いで、水層をエ−テル
で抽出処理し、得られた抽出液を無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物
をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−
テル=10:1〜5:1)で精製して、化合物(7)4
69mg(70.8%)を得た。
【0040】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0041】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.7Hz),1.17−1.65
(8H,m),2.12−2.28(2H,m),2.
33−2.54(2H,m),2.68(1H,dd,
J=11.5,20.5Hz),4.17(1H,d
d,J=6.5,11.5Hz),5.12−5.22
(2H,m),5.74−5.90(1H,m) [F](3S,4R)−6−ヒドロキシ−3−ペンチル
−4−ヘキサノリド[化合物(8)]の合成 工程[E]で得られた化合物(7)327mg(1.6
7mmol)を無水塩化メチレン40mlに溶解し、こ
の溶液に、−78℃に冷却しながらオゾンを飽和するま
で吹き込んだ。その後、反応溶液を室温まで上昇させた
後、過剰のオゾンをアルゴンガスを吹き込むことにより
除去した。次いで、反応溶液に、ボランジメチルスルフ
ィド0.58ml(10M,5.84mmol)を加
え、室温で20時間撹拌した。次に、反応溶液に1N希
塩酸1mlを加えてから、1時間撹拌した後、炭酸水素
ナトリウム粉を反応溶液が塩基性になるまで添加した。
次いで、反応層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し
た後濾過した。濾液を濃縮した後、得られた残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1〜3:1)で精製して、化合物(8)272mg
(81.9%)を得た。
【0042】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0043】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.8Hz),1.21−1.66
(7H,m),1.76−2.30(6H,m),2.
61−2.79(1H,m),3.74−3.89(2
H,m),4.25−4.36(1H,m) [G] (3S,4R)−3−ペンチル−6−トシロキ
シヘキサン−4−オリド[化合物(9)]の合成 工程[F]で得られた化合物(8)200mg(1.0
1mmol)を無水ピリジン5mlに溶解し、この溶液
に、氷冷下でトシルクロリド287mg(1.51mm
ol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応溶液を冷
希塩酸水溶液中にあけ、エ−テルで抽出した。得られた
抽出液を、水、飽和硫酸銅水溶液、水および飽和食塩水
溶液で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。次いで、濾過液を濾過した後濃縮して、得られた残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢
酸エチル=10:1〜5:1)で精製して、化合物
(9)292mg(82.3%)を得た。
【0044】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0045】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.8Hz),1.18−1.59
(8H,m),1.80−1.93(1H,m),2.
03−2.27(3H,m),2.56(3H,s),
2.65(1H,dd,J=8.0,16.9Hz),
4.06−4.26(3H,m),7.38(2H,
d,J=8.5Hz),7.79(2H,d,J=8.
5Hz) [H] (1R,4S,7S)−7−ペンチル−2−オ
キサビシクロ[2,2.1]ヘプタン−3−オン[化合
物(10)]の合成 工程[G]で得られた化合物(9)197mg(0.5
6mmol)を無水テトラヒドロフラン5mlに溶解
し、この溶液にアルゴンガス雰囲気下、−78℃に冷却
しながら、リチウムヘキサメチルジシラジドのテトラヒ
ドロフラン溶液0.56ml(1N,0.56mmo
l)を滴下して加えた。反応温度を3時間かけて室温ま
で戻した後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液に
あけ、エ−テルで抽出した。得られた抽出液を飽和食塩
水で洗浄した後、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。次いで、濾過して濃縮し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−テ
ル=10:1)で精製して、化合物(10)87.3m
g(85.6%)を得た。
【0046】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0047】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.8Hz),1.19−1.60
(9H,m),1.62−1.80(1H,m),1.
81−2.06(3H,m),2.68−2.75(1
H,m),4.60−4.68(1H,m) [I] (1R,2S,3R)−3−ヒドロキシメチル
−2−ペンチル−1−シクロペンタノ−ル[化合物(1
1)]の合成 工程[H]で得られた化合物(10)21mg(0.2
1mmol)を無水エ−テル1mlに溶解し、この溶液
に、氷冷下で撹拌しながら水素化リチウムアルミニウム
6.6mg(0.17mmol)を加えた。反応溶液を
1時間撹拌した後、反応層に水0.1ml,2N水酸化
ナトリウム0.2mlおよび水0.1mlを順次加え、
しばらく撹拌してから、不溶物を濾過した。濾液を濃縮
して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜1:1)
で精製して、ジオールとして化合物(11)18mg
(83.7%)を得た。
【0048】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0049】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.6Hz),1.21−1.60
(6H,m),1.67−1.98(5H,m),2.
16−2.29(1H,m),3.42−3.73(4
H,m),4.05−4.14(1H,m) [J] (1R,2S,3R)−3−トシロキシメチル
−2−ペンチル−1−シクロペンタノ−ル[化合物(1
2)]の合成 工程[H]で得られたジオール(11)23mg(0.
12mmol)を無水塩化メチレン1mlに溶解し、こ
の溶液に、氷冷下で撹拌しながらトシルクロリド24m
g(0.12mmol)およびピリジン29mg(0.
37mmol)の無水塩化メチレン溶液1mlをゆっく
り滴下した。反応溶液を室温で一晩撹拌した後、反応層
に飽和食塩水1mlを加え、エ−テルで抽出した。得ら
れた抽出液を、飽和硫酸銅水溶液、飽和食塩水で順次洗
浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、抽
出液を濾過した後、濾液を濃縮して、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢
酸エチル=10:1〜1:1)で精製して、モノトシレ
−トとして化合物(12)42.8mg(81.7%)
を得た。
【0050】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0051】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
7(3H,t,J=6.8Hz),1.18−1.40
(7H,m),1.52−1.85(7H,m),2.
24−2.38(1H,m),2.45(3H,s),
3.99−4.17(3H,m),7.34(2H,
m),7.79(2H,m) [K] (1R,2S,3R)−2−ペンチル−1−テ
トラヒドロピラニロキシ−3−トシロキシメチルシクロ
ペンタン[化合物(13)]の合成 工程[J]で得られたモノトシレ−ト(12)23mg
(0.054mmol)を無水塩化メチレン2mlに溶
解し、この溶液にジヒドロピラン14mg(0.16m
mol)およびパラトルエンスルホン酸ピリジン塩3m
gを加え、室温で一晩撹拌した。反応層に、エ−テル3
ml、次いで50%飽和食塩水を加えてから、有機層を
分離した。該有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後に濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を、分取
薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−テル=
1:1)で精製して、トシレートとして化合物(13)
25.3mg(91.7%)を得た。
【0052】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0053】1 H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
7(3H,t,J=6.7Hz),1.19−2.00
(19H,m),2.22−2.39(1H,m),
2.44(3H,m),3.39−3.50(1H,
m),3.62−3.80(1H,m),3.87−
4.19(3H,m),4.51−4.59(1H,
m),7.31−7.37(2H,m),7.75−
7.84(2H,m) [L](1R,2S,3R)−3−シアノメチル−2−
ペンチル−1−テトラヒドロピラニロキシシクロペンタ
ン[化合物(14)]の合成 工程[K]で得られたトシレ−ト(13)20mg
(0.04mmol)を無水ジメチルホルムアミド1m
lに溶解し、この溶液に、撹拌しながらシアン化ナトリ
ウム5.8mg(0.12mmol)及びテトラブチル
アンモニウムブロミド2.9mg(0.009mmo
l)を加え、100℃で一晩撹拌した。反応溶液を冷却
した後で水にあけ、エ−テルで抽出した。得られた抽出
液を、飽和重曹水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。次に、抽出液を濾過した後濾液を濃縮し
た。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:エ−テル=20:1〜5:1)で
精製し、ニトリル化合物として化合物(14)8.3m
g(58.0%)を得た。
【0054】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0055】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.9Hz),1.20−2.05
(18H,m),2.28−2.55(3H,m),
3.45−3.56(1H,m),3.75−3.90
(1H,m),3.97−4.03(0.7Hm),
4.14−4.19(0.3H,m),4.52−4.
59(0.7H,m),4.63−4.68(0.3
H,m) [M] (1R,2S,3R)−1−ヒドロキシ−3−
メトキシカルボニルメチル−2−ペンチルシクロペンタ
ン[化合物(15)]の合成 工程[L]で得られたニトリル化合物(14)28mg
(0.077mmol)をメタノ−ル1mlに溶解し、
この溶液に水酸化ナトリウム28mg(0.7mmo
l)の水溶液1mlを加えた。この混合溶液を60℃で
6時間撹拌した後、希硫酸水溶液にあけた。1時間撹拌
した後、反応溶液を塩化メチレンで抽出した。得られた
抽出液を、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、該抽出
液を濾過した後濃縮して、得られた残渣を、エーテル1
mlに溶解し、この溶液に、ジアゾメタンのエーテル溶
液0.2mlを加えてさらに1時間撹拌した。この混合
溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:
1〜5:1)で精製し、ヒドロキシエステルとして化合
物(15)15.9mg(90.3%)を得た。
【0056】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0057】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=7.0Hz),1.10−2.45
(17H,m),3.66(3H,s),4.13−
4.27(1H,m) [N](2S,3R)−3−メトキシカルボニルメチル
−2−ペンチル−1−シクロペンタノン(ジヒドロエピ
ジャスミン酸エチル)の合成 工程[M]で得られたヒドロキシエステル(15)20
mg(0.088mmol)を無水塩化メチレンに溶解
し、この溶液に、ピリジニウムジクロメ−ト49mg
(0.13mmol)を加えて、室温で3時間撹拌し
た。この後、反応層にエ−テルを加え、不溶物をフロリ
ジルカラムで除去して濃縮した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−テ
ル=10:1〜5:1)で精製し、ジヒドロエピジャス
ミン酸エチル12.4mg(62.6%)を得た。
【0058】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0059】1H NMR(CDCl3 ) : δ 0.
88(3H,t,J=6.9Hz),1.16−1.6
0(9H,m),1.73−1.80(2H,m),
2.07−2.17(1H,m),2.19−2.26
(1H,m),2.27−2.38(2H,m),2.
58−2.69(1H,m),3.71(3H,s) ジヒドロエピジャスミン酸エチルは、化粧料等の香気成
分として有用である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のジヒドロ
エピジャスミン酸メチルの製造方法によれば、比較的入
手が容易でかつ光学純度が高いものが用意できるレボグ
ルコセノンを出発物質とし、その光学純度を維持したま
まで選択的に光学活性なジヒドロエピジャスミン酸メチ
ルを容易に製造できる等顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 493/08 A 9165−4C (72)発明者 川上 浩 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 松本 克也 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 松下 肇 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示されるジヒドロエピジャスミン
    酸メチル(1)の製造方法であって、 【化1】 (a)化2で示されるように、レボグルコセノン(2)
    のエノン部分にペンチル基を付加することにより化合物
    (3)を得る工程と、 【化2】 (b)化3で示されるように、工程(a)で得られた化
    合物(3)を過酸で酸化することにより化合物(4)を
    得る工程と、 【化3】 (c)化4で示されるように、工程(b)で得られた化
    合物(4)の水酸基を脱離基OX1 に転化することによ
    り化合物(5)を得る工程と、 【化4】 (式中、OX1 は一般的な脱離基を示す) (d)化5で示されるように、工程4で得られた化合物
    (5)を塩基で処理することにより化合物(6)を得る
    工程と、 【化5】 (式中、OX1 は上記と同じ意味を示し、R1 は水素原
    子または炭素数1〜5のアルキル基を示す) (e)化6で示されるように、工程(d)で得られた化
    合物(6)にビニル基を導入することにより、化合物
    (7)を得る工程と、 【化6】 (式中、R1 は上記と同じ意味を示す) (f)化7で示されるように、工程(e)で得られた化
    合物(7)のビニル基の二重結合を酸化的に切断した後
    に還元することにより、化合物(8)を得る工程と、 【化7】 (g)化8で示されるように、工程(f)で得られた化
    合物(8)の水酸基を脱離基OX2 に転化することによ
    り、化合物(9)を得る工程と、 【化8】 (式中、OX2 は一般的な脱離基を示す) (h)化9で示されるように、工程(g)で得られた化
    合物(9)を塩基で処理することにより閉環させて、化
    合物(10)を得る工程と、 【化9】 (式中、OX2 は上記と同じ意味を示す) (i)化10で示されるように、工程(h)で得られた
    化合物(10)を還元することにより、化合物(11)
    を得る工程と、 【化10】 (j)化11で示されるように、工程(i)で得られた
    化合物(11)の一級水酸基のみを選択的に脱離基OX
    3 に転化して、化合物(12)を得る工程と、 【化11】 (式中、OX3 は一般的な脱離基を示す) (k)化12で示されるように、工程(j)で得られた
    化合物(12)の二級水酸基に保護基R2 を導入するこ
    とにより、化合物(13)を得る工程と、 【化12】 (式中、OX3 は上記と同じ意味を示し、R2 は一般的
    な保護基を示す) (l)化13で示されるように、式(13)で表される
    化合物にニトリル基を導入することにより、式(14)
    で表される化合物を得る工程と、 【化13】 (式中、R2 およびOX3 は上記と同じ意味を示す) (m)化14で示されるように、工程(l)で得られた
    化合物(14)のニトリル基を加水分解してカルボキシ
    ル基に転化した後、酸性条件下で保護基R2 を脱離させ
    てのちにカルボキシル基をメチルエステル化することに
    より、化合物(15)を得る工程と、 【化14】 (式中、R2 は上記と同じ意味を示す) (n)化15で示されるように、化合物(15)を酸化
    することにより、ジヒドロエピジャスミン酸メチル
    (1)を得る工程、とを具備したことを特徴とするジヒ
    ドロエピジャスミン酸メチルの製造方法。 【化15】
JP4226136A 1992-08-25 1992-08-25 ジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法 Pending JPH0665151A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4226136A JPH0665151A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 ジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4226136A JPH0665151A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 ジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0665151A true JPH0665151A (ja) 1994-03-08

Family

ID=16840417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4226136A Pending JPH0665151A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 ジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0665151A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115477581A (zh) * 2022-09-13 2022-12-16 安徽金禾化学材料研究所有限公司 一种高顺式二氢茉莉酮酸甲酯的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115477581A (zh) * 2022-09-13 2022-12-16 安徽金禾化学材料研究所有限公司 一种高顺式二氢茉莉酮酸甲酯的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0560835B2 (ja)
US5112994A (en) Method of producing (S)-4-hydroxymethyl-γ-lactone
Schaaf et al. Total synthesis of prostaglandins F1. alpha. and E1
EP0585104B1 (en) A method of preparing a saturated monocyclic hydrocarbon compound and an intermediate therefor
JPH0665151A (ja) ジヒドロエピジャスミン酸メチルの製造方法
JP2896946B2 (ja) ネオカルジリン類の製造法
JPH0316333B2 (ja)
JPS6157836B2 (ja)
CA1173051A (en) Total synthesis of 1rs,4r,5rs-4-(4,8- dimethyl-5-hydroxy-7-nonen-1-yl)-4-methyl-3, 8-dioxabicyclo¬3.2.1| octane-1-acetic acid
JP3178046B2 (ja) (+)−エストロン誘導体の製造法
US5216177A (en) Method of preparing trans-3,4-disubstituted-γ-lactones
JPH0753681B2 (ja) トロポン誘導体の製造法
JPH0248573A (ja) ロバスタチンの6―デスメチル―6―エキソ―メチレン誘導体及びその類似体の製造方法
JP2654835B2 (ja) 光学活性4―エン―6―オール化合物、その製造中間体及びそれらの製造方法
JP2893473B2 (ja) (+)―エキレニンの製造法および中間体
US4980485A (en) Method of manufacturing optically-active periplanone-b
JPS6130661B2 (ja)
JP2756608B2 (ja) 光学活性イソオキサゾール誘導体の製造方法、並びにその製造中間体及びその製造方法
JP2654834B2 (ja) 光学活性ビニル化合物、その製造中間体及びそれらの製造方法
JPS6323181B2 (ja)
KR0144853B1 (ko) (2-아미노티아졸-4-일)아세트산 유도체 및 이의 제조방법
JP2718546B2 (ja) シクロペンテノン誘導体の立体選択的製造法
WO2002060850A1 (fr) Procede de synthese d'acide gras insature $g(a)-cetol
JPS623840B2 (ja)
JPH05230048A (ja) (S)−γ−ラクトンの製造方法