JPH0665121A - 1,2−ジフルオロベンゼンの製造方法 - Google Patents

1,2−ジフルオロベンゼンの製造方法

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JPH0665121A
JPH0665121A JP23657592A JP23657592A JPH0665121A JP H0665121 A JPH0665121 A JP H0665121A JP 23657592 A JP23657592 A JP 23657592A JP 23657592 A JP23657592 A JP 23657592A JP H0665121 A JPH0665121 A JP H0665121A
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JP
Japan
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water content
difluorobenzene
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reduced pressure
water
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Withdrawn
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JP23657592A
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English (en)
Inventor
Yutaka Yaginuma
豊 柳沼
Katsuhiko Takeda
勝彦 武田
Masao Ohashi
雅夫 大橋
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Seimi Chemical Co Ltd
Original Assignee
Seimi Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】2−フルオロベンゼンジアゾニウムテトラフル
オロボレートから1,2−ジフルオロベンゼンを再現性
よく好収率で得る。 【構成】含水量10重量%以下の2−フルオロベンゼン
ジアゾニウムテトラフルオロボレートをジクロロフルオ
ロベンゼン中で減圧脱水した後熱分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医農薬および液晶中間
体として有用な1,2−ジフルオロベンゼンの新規製法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、1,2−ジフルオロベンゼンは、
ハステロイC製圧力容器を用いて、KFまたはCsFと
1,2−ジクロロベンゼンを300〜350℃で18〜
70時間反応させて、0〜56%の収率で得られている
(特開平2−218630号公報;EP371,56
3)。しかし、工業的に入手容易なKFを用いた場合、
収率は0〜20%であり、また、特殊な反応装置を使う
ために、工業的に有利とはいえない。
【0003】シーマンらは2−フルオロアニリンをジア
ゾ化し、ホウフッ酸と反応させて得られる2−フルオロ
ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを熱分解
して1,2−ジフルオロベンゼンを得ている。しかし、
この方法は収率が低く、特に熱分解工程は、無溶媒中で
行い、30%程度の収率で1,2−ジフルオロベンゼン
を得ているにすぎない[G.Schiamann and R.Pillarsky,
Ber.,62,3035,(1929)、および Bergmann,Engel and Son
dor,Z.Phisik.Chem.10(B),106,(1930) ]。
【0004】最近、熱分解工程の改良が検討され、2−
フルオロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート
の熱分解を、少量のシリコーンオイルを添加して81%
の収率で1,2−ジフルオロベンゼンを得る方法(特開
昭59−67232号公報)、150〜180℃の沸点
を有する有機ペルフルオロ化合物媒体中で行い、85%
の収率で得る方法(特開昭63−190836号公
報)、およびポリ塩素化芳香族溶剤中で行う方法(特開
平3−232828号公報)が報告された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の方法を追試したところ、しばしば熱分解工程の反応釜
残が多かったりして、収率にバラツキがあり、必ずしも
高収率で得られないことが判明した。本発明は、1,2
−ジフルオロベンゼンを高収率で得る改良方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは1,2−ジ
フルオロベンゼンを高収率で得る改良方法を鋭意検討し
た結果、2−フルオロベンゼンジアゾニウムテトラフル
オロボレートの熱分解時における再現性の乏しさはジア
ゾニウム塩中の不純物、特に少量の水分によって収率が
著しく変動し、水分が多いと、タール等を生成し、収率
を低下させることを見い出した。そのため、熱分解前に
充分脱水しておくことが必要であり、ジアゾニウム塩を
不活性媒体中で減圧脱水することが必要と考えられる。
しかしその場合でも、その減圧脱水条件下で水分の影響
があり、より含水量の少ないジアゾニウム塩を用いる必
要があることを見い出した。本発明は、含水量の少ない
ジアゾニウム塩を用い、不活性媒体中で減圧脱水した後
熱分解を行うことに関する下記発明である。
【0007】含水量10重量%以下の2−フルオロベン
ゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを不活性媒体
中で減圧脱水してした後熱分解することを特徴とする
1,2−ジフルオロベンゼンの製造方法。
【0008】前記したように、不活性媒体中の減圧脱水
において2−フルオロベンゼンジアゾニウムテトラフル
オロボレートの含水量が多いと、熱分解して得られる
1,2−ジフルオロベンゼンの収率が低下する。これは
減圧脱水においてわずかではあっても熱分解が生じ、こ
の熱分解が含水量の多い条件下の熱分解となるためであ
ると推定される。したがって、減圧脱水開始時の含水量
は10重量%以下である必要があり、好ましくは6重量
%以下である。
【0009】減圧脱水後の含水量は0.1重量%以下で
あることが好ましく、特に実質的に水分を含まない程度
(含水量200ppm以下)に脱水されていることが好
ましい。この脱水は水と共沸する不活性媒体を使用する
ことにより容易に達成される。減圧脱水条件は、特に限
定されるものではないが、100℃以下、80mmHg
以下が好ましく、特に50〜70℃、10〜50mmH
gが好ましい。
【0010】本発明者は、不活性媒体としてジクロロフ
ルオロベンゼンが特に有効であることを見い出した。ジ
クロロフルオロベンゼンとしては、特に限定されるもの
ではないが、沸点172〜174℃の2,3−ジクロロ
フルオロベンゼン、2,4−ジクロロフルオロベンゼ
ン、3,4−ジクロロフルオロベンゼン、およびこれら
の混合物が好ましい。ジクロロフルオロベンゼンの使用
量は2−フルオロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロ
ボレートに対し重量で1〜3倍量が好ましい。
【0011】減圧脱水後、2−フルオロベンゼンジアゾ
ニウムテトラフルオロボレートが不活性媒体中で熱分解
される。熱分解温度は150℃以上が適当である。ジク
ロロフルオロベンゼンを使用した場合、通常は、ジクロ
ロフルオロベンゼンの沸点以下の温度で熱分解が行われ
る。特に、150〜170℃で2〜6時間加熱留出させ
ながら熱分解を行うことが好ましい。
【0012】留出液を通常の後処理後、蒸留することに
よって目的とする1、2−ジフルオロベンゼンが高純度
で高収率で再現性良く得られる。
【0013】本発明において、2−フルオロベンゼンジ
アゾニウムテトラフルオロボレートは2−フルオロアニ
リンをジアゾ化し、ホウフッ酸(HBF4 )と反応させ
て得られるものが好ましい。ホウフッ酸の代りにホウフ
ッ酸ナトリウムなどのホウフッ酸塩を使用することもで
きる。ジアゾ化は既知の方法で行うことができ、例えば
2−フルオロアニリンに無機酸と亜硝酸ナトリウムを反
応させてジアゾ化が行われる。得られたジアゾ化物をホ
ウフッ酸等と反応させることにより、容易に2−フルオ
ロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートが得ら
れる。
【0014】上記方法で得られた2−フルオロベンゼン
ジアゾニウムテトラフルオロボレートは、本発明の方法
に適用する前に精製されていることが好ましい。例え
ば、水やアルコールで洗浄して不純物を除去することが
好ましい。アルコールとしては、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロパノール等を使用することができ
る。洗浄後、本発明の方法における含水量とするため
に、予備乾燥を行うことが好ましい。例えば、常圧また
は減圧下で予備乾燥し、水分含量を10重量%以下と
し、特に6重量%以下としておくことが好ましい。
【0015】以下に本発明の実施例をあげて具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
[実施例1] a)撹拌機、温度計、滴下ロート、および還流冷却器を
つけた500mlの4つ口フラスコ中に塩酸127ml
を仕込み、室温下で2−フルオロアニリン55.5gを
滴下した。30分間撹拌後、0℃に冷却し、40%亜硝
酸ナトリウム水溶液90gを5℃以下で滴下し、30分
間熟成した。不溶物(約20g、NaCl等)を濾別
後、濾液を42%ホウフッ酸135.7g中に撹拌しな
がら滴下し、−10℃に冷却後、析出した塩を濾別し、
濾紙上で水50mlで洗浄後、イソプロパノール60m
lで洗浄した。室温下で一夜通風乾燥後、2時間真空乾
燥すると2−フルオロベンゼンジアゾニウムテトラフル
オロボレート92.2g[含水率1.5%、正味90.
6g(収率86.3%)]が得られた。
【0017】b)撹拌機、温度計、および留出管をつけ
た500mlの3つ口フラスコ中に、2,4−ジクロロ
フルオロベンゼン220gおよび上記で得られたジアゾ
ニウム塩92.0gを仕込み、内温60℃以下で40〜
50mmHgで約30分間減圧留去すると50mmHg
における沸点約50℃の留分10.8g(組成:分離水
1.4g、2,4−ジクロロフルオロベンゼン9.4
g)が留出した。この減圧脱水後のジアゾニウム塩の含
水量は実質的に0(200ppm以下、以下同様)であ
った。
【0018】次に熱分解で生成する廃ガスが水に吸収さ
れるようにしてから、内温を150℃にすると分解が始
まり、生成物が留出し、155〜170℃で4時間反応
させた。留出液91.6g(沸点約100℃以下)が得
られ、これを3%の水酸化ナトリウム水溶液100ml
で洗浄後、水100mlで洗浄すると、粗油として8
8.2g[ガスクロマトグラフィー純度48.3%、正
味42.6g(収率86.6%)]が得られた。これを
常圧蒸留すると1,2−ジフルオロベンゼンが無色透明
液体として40.5g単離された。沸点91〜93℃、
純度99%。
【0019】[実施例2] a)実施例1と同様に反応を行い、後処理後、室温下で
一夜通風乾燥して2−フルオロベンゼンジアゾニウムテ
トラフルオロボレート95.0g[含水率5.5%、正
味89.8g(収率85.6%)]を得た。
【0020】b)実施例1と同様に、2,4−ジクロロ
フルオロベンゼン220gおよび上記で得られたジアゾ
ニウム塩95.0gを仕込み、減圧留去すると留出液3
1.7g(分離水5.20g)が留出した。この減圧脱
水後のジアゾニウム塩の含水量は実質的に0であった。
次に155〜170℃で4時間反応させると留出液(沸
点約100℃以下)93.0gが得られた。これを実施
例1と同様に処理すると、粗油として88.0g[ガス
クロマトグラフィー純度47.8%、正味42.1g
(収率86.3%)]が得られた。これを常圧蒸留し
て、1,2−ジフルオロベンゼンを40.1g単離し
た。沸点91〜93℃、純度99%。
【0021】また、熱分解釜残(148.5g)は、分
析の結果そのほとんどが2,4−ジクロロフルオロベン
ゼンであり、さらに1,2−ジフルオロベンゼンが1重
量%含まれていた。
【0022】[実施例3] a)実施例2と同様に行い、2−フルオロベンゼンジア
ゾニウムテトラフルオロボレート94.8g[含水率
4.6%、正味90.4g(収率86.1%)]を得
た。
【0023】b)実施例2と同様に、2,4−ジクロロ
フルオロベンゼンの代りに、2,3−ジクロロフルオロ
ベンゼン220gを用いて、上記ジアゾニウム塩94.
8gを仕込み、減圧留去すると留出液18.8g(分離
水4.5g)が留出した。この減圧脱水後のジアゾニウ
ム塩の含水量は実質的に0であった。次に152〜16
7℃で4.5時間熱分解すると留出液が96g得られ
た。
【0024】留出液をアルカリ水洗後、水洗すると透明
な粗油が91g[ガスクロマトグラフィー純度45.8
%、正味41.7g(収率85.0%)]得られた。こ
れを蒸留すると1,2−ジフルオロベンゼンが39.6
g単離された。沸点90〜93℃、純度99%。
【0025】[実施例4〜5、比較例1〜4] a)撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器をつ
けた1リットルの4つ口フラスコ中に塩酸305mlを
仕込み、室温下で2−フルオロアニリン133.2gを
滴下した。30分間撹拌後、0℃に冷却し、40%亜硝
酸ナトリウム水溶液216gを5℃以下で滴下し、30
分間熟成させた。
【0026】不溶物を濾別後、濾液を42%ホウフッ酸
325.7g中に撹拌しながら滴下し、−10℃に冷却
後、2時間撹拌した。ジアゾニウム塩は濾別後、冷水2
00mlで洗浄し、2−フルオロベンゼンジアゾニウム
テトラフルオロボレートの含水品339g[含水率3
4.8%、正味220.8g(収率87.7%)]を得
た。
【0027】このジアゾニウム塩を6等分(正味36.
8gずつ)し、各々室温下、常圧または減圧下、乾燥条
件を変えて、含水率の異なるジアゾニウム塩A〜F(表
1)を調製した。なお、ジアゾニウム塩A〜Bを使用し
た場合が実施例4〜5、ジアゾニウム塩C〜Fを使用し
た場合が比較例1〜4である。
【0028】b)これら含水率の異なるジアゾニウム塩
A〜Fそれぞれについて、次の操作を行った。すなわ
ち、撹拌機、温度計および留出管をつけた200mlの
3つ口フラスコ中に2,4−ジクロロフルオロベンゼン
88gおよびジアゾニウム塩(正味36.0g)を仕込
み、内温60℃以下で、20〜50mmHgで、留出液
が濁らなくなるまで、減圧留去した。この減圧脱水後の
ジアゾニウム塩の含水量はいずれも実質的に0であっ
た。
【0029】次に廃ガスが水に吸収されるようにしてか
ら、内温を上げ、150〜170℃で4.5時間分解反
応を行った。留出した液を3%水酸化ナトリウム水溶液
40mlおよび水40mlで洗浄後、得られた粗油をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、1,2−ジフル
オロベンゼンの収率は表1の通りであった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】2−フルオロベンゼンジアゾニウムテト
ラフルオロボレートの含水量を調節することにより、2
−フルオロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレー
トから1,2−ジフルオロベンゼンを再現性よく好収率
で得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明において、2−フルオロベンゼンジ
アゾニウムテトラフルオロボレートは2−フルオロアニ
リンをジアゾ化し、ホウフッ酸(HBF4 )と反応させ
て得られるものが好ましい。ホウフッ酸の代りにホウフ
ッ酸ナトリウムなどのホウフッ酸塩を使用することもで
きる。ジアゾ化は既知の方法で行うことができ、例えば
2−フルオロアニリンに無機酸と亜硝酸ナトリウムを反
応させてジアゾ化が行われる。得られたジアゾ化物をホ
ウフッ酸等と反応させることにより、容易に2−フルオ
ロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートが得ら
れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水量10重量%以下の2−フルオロベン
    ゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを不活性媒体
    中で減圧脱水した後熱分解することを特徴とする1,2
    −ジフルオロベンゼンの製造方法。
  2. 【請求項2】含水量6重量%以下の2−フルオロベンゼ
    ンジアゾニウムテトラフルオロボレートを用いる、請求
    項1の製造方法。
  3. 【請求項3】不活性媒体としてジクロロフルオロベンゼ
    ンを使用する、請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】減圧脱水後の2−フルオロベンゼンジアゾ
    ニウムテトラフルオロボレートの含水量を0.1重量%
    以下とする、請求項1、2、または3の製造方法。
  5. 【請求項5】2−フルオロベンゼンジアゾニウムテトラ
    フルオロボレートが、2−フルオロアニリンをジアゾ化
    し、次いでホウフッ酸と反応させて得られるものであ
    る、請求項1の製造方法。
JP23657592A 1992-08-12 1992-08-12 1,2−ジフルオロベンゼンの製造方法 Withdrawn JPH0665121A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5725249A (en) * 1995-07-13 1998-03-10 Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho Preloader apparatus

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