JPH0665011A - 抗微生物剤および抗微生物性樹脂またはゴム組成物 - Google Patents
抗微生物剤および抗微生物性樹脂またはゴム組成物Info
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- JPH0665011A JPH0665011A JP24742092A JP24742092A JPH0665011A JP H0665011 A JPH0665011 A JP H0665011A JP 24742092 A JP24742092 A JP 24742092A JP 24742092 A JP24742092 A JP 24742092A JP H0665011 A JPH0665011 A JP H0665011A
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Abstract
いて抗微生物効果が高く、しかも水や有機溶媒に対して
不溶もしくは難溶で、環境汚染の問題を生じるおそれが
ない新規な抗微生物剤、及び該抗微生物剤を配合した樹
脂又はゴム組成物を提供する。 【構成】式(1) (M1 2+)1-x(M2 2+)xO (1) [式中、M1はMgおよび/またはCaを、M2はCuお
よび/またはZnを示し、xは0.0001≦x≦0.5
の範囲の数を示す]の複合金属酸化物を有効成分として
含有する抗微生物剤、及び該抗微生物剤を配合した樹脂
又はゴム組成物。
Description
よび抗微生物性樹脂またはゴム組成物に関する。さらに
詳しくは、それ自体無毒性または極めて毒性の少ない、
耐熱性および耐候性の高い微粒子であり、かつ樹脂、ゴ
ムおよび塗料中への分散性に優れ、さらに樹脂、ゴムお
よび塗料中へ配合するとそれらの熱安定性を向上させる
特徴を有する抗微生物剤、具体的には抗菌剤、抗カビ
剤、および該抗微生物剤を配合した抗微生物性樹脂また
はゴム組成物に関する。
うな気候風土は、微生物の繁殖に適している。このた
め、飲料水、食品等に微生物(細菌、カビ等)が繁殖
し、人命に重大なおそれをもたらす場合も多い。また食
品、化粧品、プラスチックス製品、壁紙、自動車用内外
装品、建材、電線、ケーブル、合成皮革、シーラント、
ゴムホース、床材、木材、塗料等に微生物が繁殖して、
変色、悪臭、強度劣化等を生じる場合がある。例えば、
それが電線であれば、漏電につながり、火災の発生、感
電等の事故発生の危険がある。微生物による文化財の損
傷、プラスチックスに繁殖したカビ等に起因する癌、ア
レルギー性肺炎の発症、繁殖したバクテリアを餌とする
大量のダニ発生、白癬菌の寄生による水虫、頑癬の発症
等の被害をもたらす。
性が近年ますます高まりつつあり、種々の抗微生物剤が
市販されている。これらの抗微生物剤は、塩素、臭素、
ヨウ素を含有するハロゲン化合物;亜ヒ酸銅、酸化第一
銅、硝酸銀、銀や銅を含有するガラス等の無機化合物;
アミン、トリアジン等の窒素化合物;ヒ素、銅、水銀、
錫、亜鉛等の有機金属化合物;イソチアゾロン、ピリチ
オン、チオシアン酸塩等の有機硫黄化合物;アルキルジ
メチルベンジルアンモニウム化合物等の第四級アンモニ
ウム化合物;塩素化フェノール、ビスフェノール、O−
フェニルフェノール等のフェノール化合物等に分類され
る。
毒性の高いものが多く、人体に対する安全性のみなら
ず、環境汚染という問題をも有している。しかも、効果
の割りには高価である。例えば銀のような高価な金属を
使用しないと高い効果が得られない。また既存抗微生物
剤の添加は、製品の耐熱性の劣化、樹脂やゴム、塗料へ
の分散不良に基づく製品外観、機械的強度の低下等をも
たらす場合が多い。
近く、それでいて抗微生物効果が高く、しかも水や有機
溶媒に対して不溶もしくは難溶で、環境汚染の問題を生
じるおそれがない新規な抗微生物剤の提供を目的とす
る。さらに本発明は、それ自体熱および紫外線に対して
安定であり、樹脂、ゴム、塗料中に良く分散するため
に、加工成形性、成形品外観、機械的強度に優れ、かつ
既存の銅とか亜鉛含有抗微生物剤に見られる樹脂、例え
ば塩化ビニル等のハロゲン含有樹脂の熱安定性を著しく
低下させる等の欠点を有しない抗微生物剤、および該抗
微生物剤を配合した樹脂またはゴム組成物の提供を目的
とする。
よび/またはZnを示し、xは0.0001≦x≦0.
5、好ましくは0.0005≦x≦0.4、さらに好まし
くは0.001≦x≦0.3の範囲の数を示す]で表され
る鱗片状、球状、繊維状等の種々の結晶外形を有する複
合金属酸化物を有効成分として含有する抗微生物剤を提
供する。
はゴムと、0.001〜50重量部、好ましくは0.00
1〜15重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部
の上記抗微生物剤とからなる抗微生物性樹脂またはゴム
組成物を提供する。
かもしくは毒性が比較的少ない亜鉛イオンと銅イオンに
着目し、これら金属を含有する既存の抗微生物剤の抗微
生物効果が低い原因について検討を重ねた。その結果こ
れらの抗微生物剤は、水に対する溶解性が低い、即ち難
溶性であることが原因となっているものと推定した。そ
の結果、本発明者は式(2) (M1 2+)1-x(M2 2+)x(OH)2 (2) [式中、M1、M2およびxは式(1)と同じ意味を示
す]で表される複合金属水酸化物において、銅イオンお
よび亜鉛イオンが水に対する適度の溶解性を示すことに
注目し、鋭意研究に努めた結果、この化合物が優れた抗
微生物効果を示すことを発見した(特願平3−3375
94)。またこの化合物は、樹脂またはゴムに配合され
ると、樹脂またはゴムの耐熱性、耐候性を劣化させない
ばかりではなく、むしろこれらの特性を改善することを
も発見した。
金属水酸化物を焼成して得られる式(1)の複合金属酸
化物が、式(2)の化合物にもまして抗微生物剤として
の働きを示すことを見いだした。また式(1)の複合金
属酸化物を配合した樹脂またはゴムは、式(2)の化合
物よりもさらに改善された耐熱性、耐候性という特性を
発揮することを見いだした。
そらく次のような理由により発揮されるものと推定され
る。酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムに銅および
/または亜鉛が、固溶することにより、酸化マグネシウ
ムまたは酸化カルシウムの結晶中で原子状に分散して存
在し、酸化第二銅や酸化亜鉛の結晶化が抑制される。こ
のため極めて活性であり、しかも酸化カルシウムまたは
酸化マグネシウムが水に対し適度な溶解度を示すため、
容易にかつ長期にわたって銅および/または亜鉛イオン
を放出する。この適度な溶解度とは、酸化第二銅および
酸化亜鉛よりもはるかに溶け易いが、しかし硝酸第二銅
や硝酸亜鉛のように水に溶解するほどではない溶解度を
意味する。またこの酸化マグネシウムまたは酸化カルシ
ウムが、酸化第二銅および酸化亜鉛が、特に酸化第二銅
が樹脂およびゴム、特に塩化ビニル等のハロゲン含有樹
脂の耐熱性、耐候性の劣化作用を阻止し、むしろ改善す
るという働きを示すものと推定される。
化マグネシウムあるいは酸化カルシウムに前二者が希釈
された組成であるため、価格的にも使用し易い。亜鉛を
含有する式(1)の化合物は無毒性であるのみならず、
白色度と隠蔽性および耐紫外線性に優れていると共に、
樹脂およびゴムを自由に着色できるという利点を有して
いる。式(1)の化合物が銅を含有する場合において
も、その色が酸化マグネシウムおよび/または酸化カル
シウムで希釈されているため、製品を着色させる程度が
酸化第二銅、酸化第一銅等の銅化合物に比して著しく低
いという利点をも有する。
発明者が見いだした新規な化合物であり、特願平3−3
6813号、特願平3−124758号、特願平3−1
62203号および特願平3−319827号で開示さ
れている六角板状または繊維状の複合金属水酸化物を約
400℃以上で焼成することにより得られる。この化合
物は、酸化マグネシウムおよび/または酸化カルシウム
に銅イオン(Cu2+)および/または亜鉛イオン(Zn
2+)が固溶した、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウ
ムと同じ結晶構造を有する化合物である。粉末X線回折
にかけると酸化マグネシウムあるいは酸化カルシウムと
殆ど同じ回折パターンを示す。
ると式(1)の固溶体に酸化第二銅および/または酸化
亜鉛が混在し、式(1)の固溶体の前記した利点が十分
に発揮されない傾向にある。xの値が0.0001より
も少ないと抗微生物作用の有効成分となる銅および/ま
たは亜鉛の濃度が低くなり過ぎるため、優れた抗微生物
作用を発揮できなくなる傾向にある。このため本発明の
抗微生物剤のxの範囲は、0.0001≦x≦0.5、好
ましくは0.0005≦x≦0.4、さらに好ましくは
0.001≦x≦0.2である。なお本発明において、副
生した酸化第二銅および/または酸化亜鉛が、式(1)
の複合金属酸化物に混在された状態であっても、抗微生
物剤として適用することができる。
シウムイオンおよび/またはカルシウムイオンと、銅イ
オン(Cu2+)および/または亜鉛イオン(Zn2+)と
を含有する水溶液に、これらカチオンの合計当量に対し
てほぼ当量以下のアルカリ性物質を加え、撹拌下に反応
させ、必要に応じさらに反応物を約100〜200℃で
オートクレーブを用いて水熱処理した後、水洗、脱水、
乾燥する。ついで約300〜1200℃、好ましくは約
400〜900℃で約0.1〜10時間焼成した後、粉
砕、表面処理、分級等の慣用の手段を適宜選択して採用
することにより製造される。抗微生物剤の樹脂、ゴム中
での分散性、親和性をさらに高めようとするときは、ア
ニオン系界面活性剤、アルミニウム、チタネート系カッ
プリング剤、多価アルコールの脂肪酸エステル等によ
り、慣用の方法で抗微生物剤を表面処理してもよい。
脂、ゴム、壁紙、浴室内装材、電線、床材、セメント、
シャワーカーテン、発泡ウレタン、ブイロープ、ビニル
シート、農業用フィルム、合成皮革、シーラント、建
材、家具、繊維製品例えば布、テント、靴下、不織布、
船底用塗料等の塗料、接着剤、木材、竹材、化粧品、口
腔内製品例えば歯磨き、歯ブラシ、プール、クーリング
タワー等の微生物による悪影響を受けるおそれのある各
種分野に利用される。本発明の抗微生物剤は、目的物1
00重量部に対して通常0.001〜50重量部の範囲
で適宜配合使用されるが、配合量は用途により適宜選択
される。本発明の抗微生物剤は、平均2次粒子径約0.
1〜2μmとすることもでき、樹脂、ゴム、塗料中での
分散性に優れている。
すると次の通りである。例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリエチレン、エチレンと他のα−オレ
フィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル
酸エチルまたはアクリル酸メチルとの共重合体、ポリプ
ロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合
体、ポリブテン−1、ポリスチレン、スチレンとアクリ
ロニトリル、エチレンとプロピレン、エチレンとプロピ
レンジエンゴムまたはブタジエンとの共重合体、酢酸ビ
ニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウ
レタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド等の
熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の熱
硬化性樹脂、EPDM、SBR、NBR、ブチルゴム、
イソプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等のゴ
ムを例示できるが、これらに限定されるものではない。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
1.05モル/リットル、Cu2+=0.05モル/リット
ル、25℃)2リットルを容量5リットルのステンレス
製円筒形反応槽に入れ、撹拌下に、1.0モル/リット
ルの合成Ca(OH)22リットル(25℃)を全量加
え反応させた。その後、反応物を100℃で1次間加熱
熟成後、濾過、水洗、乾燥、粉砕した。この物を450
℃で1時間シリコニット炉を用いて焼成した。
焼成物のX線回折パターンは、酸化第2銅の存在を示さ
ず、酸化マグネシウムに相当するものだけであった。し
たがって、酸化第2銅は酸化マグネシウムに固溶してい
ることが確認された。この物の化学組成をキレート滴定
法により、また平均2次粒子径をエタノールを溶媒とし
て超音波法を用いて分散処理した後、マイクロトラック
法により測定した。抗菌性テストは、寒天平板培地に任
意濃度に調整した接種用菌液を塗抹して培養した後、菌
の発育が阻止される最低濃度をもって最小発育阻止濃度
とした。この濃度が低い程、抗菌性が高いことを意味す
る。測定結果を表1に示す。
1.1モル/リットル、Zn2+=0.02モル/リット
ル、20℃)2リットルを容量5リットルのステンレス
製円筒形反応槽に入れ、撹拌下に、1.0モル/リット
ルの合成Ca(OH)22リットル(20℃)を全量加
え反応させた。その後、反応物を120℃で2時間加熱
熟成後、濾過、水洗、乾燥、粉砕した。この物を500
℃で1時間シリコニット炉を用いて焼成した。
た。焼成物のX線回折パターンは、酸化マグネシウムに
相当するものだけであった。したがって、酸化亜鉛は酸
化マグネシウムに固溶していることが確認された。測定
結果を表1に示す。
85モル/リットル、Zn2+=0.15モル/リット
ル、30℃)2リットルと、2.0モル/リットルのN
aOH水溶液2リットル(30℃)をそれぞれ50ミリ
リットル/分の流量で、定量ポンプを用いて、予め50
0ミリリットルの水を入れた容量5リットルの反応槽に
連続的に供給し反応させた。反応物を濾過、水洗、脱
水、乾燥、粉砕後、シリコニット炉を用いて550℃で
1時間焼成した。
た。この物のX線回折パターンは、CaOのみであっ
た。従って、CuOはCaOに固溶していることが確認
された。この物の測定結果を表1に示す。
1.0モル/リットルのスラリー4リットル(20℃)
を容量5リットルの反応槽に入れ、撹拌下に、1.0モ
ル/リットルの硝酸亜鉛水溶液(20℃)240ミリリ
ットルを加え反応させた。反応物を濾過、水洗、乾燥、
粉砕後、シリコニット炉を用いて600℃で1時間焼成
した。
た。この物のX線回折パターンはCaOのみであった。
従って、ZnOはCaOに固溶していることが確認され
た。この物の測定結果を表1に示す。
リットル(20℃)を容量5リットルの反応槽に入れ、
撹拌下に、硝酸マグネシウムと硝酸第2銅の混合水溶液
(Mg2+=0.08モル/リットル、Cu2+=0.10モ
ル/リットル、20℃)2リットルを加え反応させた。
反応物を濾過、水洗、乾燥、粉砕後、シリコニット炉を
用いて600℃で1時間焼成した。
あった。この物のX線回折パターンはCaOのみであっ
た。従って、MgOもCuOもCaOに固溶しているこ
とが確認された。この物の測定結果を表1に示す。
トルに、撹拌下に、31gの酸化マグネシウム粉末を加
え、40℃に保持して7時間反応させた。この系に、
1.0モル/リットルの塩化亜鉛水溶液35ミリリット
ルを加え、約30分間反応させた後、濾過、水洗し、さ
らに得られたケーキ状物を90℃に加熱した5モル/リ
ットルの水酸化ナトリウム水溶液500ミリリットルに
撹拌下に加え、約20分間反応させた。反応後、濾過、
水洗、乾燥、篩過した。これを電気炉を用いて空気雰囲
気中500℃で1時間焼成した。
焼成物を走査型電子顕微鏡により観察した結果、短径約
0.2〜0.3μm、長径約20〜60μmの繊維状外形
であった。また粉末X線回折パターンは、酸化マグネシ
ウムとほぼ同じであり、酸化亜鉛は検出されなかった。
この物の測定結果を表1に示す。
リットル(20℃)を容量5リットルの反応槽に入れ、
撹拌下に、0.6モル/リットルの硝酸第2銅の水溶液
(20℃)2リットルを加え反応させた。反応物を濾
過、水洗、乾燥、粉砕後、シリコニット炉を用いて60
0℃で1時間焼成した。
の物のX線回折パターンはCaOとCuOの2つを示し
た。従って、CaOに固溶していないCuOが存在して
いることが確認された。この物の測定結果を表1に示
す。
ス法、特号、比較例3)についての測定結果を表1に示
す。
3分間溶融混練した。ついでプレス成形機を用いて、1
70℃、2分間、200kg/cm2の条件下で、厚さ
1mmのシートを作成した。このシートに青カビを振り
かけ、その後のカビの育成状態を観察した。他方、この
シートを190℃のオーブンに入れ黒化するまでの時間
を測定した。塩化ビニルは、熱劣化すると黒化するの
で、黒化するまでの時間が長い程熱安定性が優れている
ことを示す。測定結果を表2に示す。抗カビ剤として
は、実施例7は実施例1で得られた抗微生物剤を、実施
例8は実施例4で得られた抗微生物剤を、比較例4は比
較例2のCuOを、比較例5は比較例3のZnOをそれ
ぞれ使用した。
が僅かに認められる 2;カビの発育が少し認められる 3;カビの発育
が中程度に認められる 4;カビの発育が激しく認められる。
/または酸化マグネシウムに、酸化第2銅および/また
は酸化亜鉛を固溶させてなる新規な抗微生物剤が提供さ
れる。本発明の抗微生物剤は、銅イオンおよび/または
亜鉛イオンを酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムに
近い水に対する溶解性をもって放出するので、難溶性の
酸化第2銅や酸化亜鉛に比して優れた抗微生物性を発揮
する。さらには、樹脂やゴム、塗料への分散性に優れ、
それらの特性を損なうことなく、むしろ耐熱性、耐候性
を向上させるという優れた特性を有している。
そらく次のような理由により発揮されるものと推定され
る。酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムに銅および
/または亜鉛が、固溶することにより、酸化マグネシウ
ムまたは酸化カルシウムの結晶中で原子状に分散して存
在し、酸化第二銅や酸化亜鉛の結晶化が仰制される。こ
のため極めて活性であり、しかも酸化カルシウムまたは
酸化マグネシウムが水に対し適度な溶解度を示すため、
容易にかつ長期にわたって銅および/または亜鉛イオン
を放出する。この適度な溶解度とは、酸化第二銅および
酸化亜鉛よりもはるかに溶け易いが、しかし硝酸第二銅
や硝酸亜鉛のように水に溶解するほどではない溶解度を
意味する。またこの酸化マグネシウムまたは酸化カルシ
ウムが、酸化第二銅および酸化亜鉛の、特に酸化第二銅
の樹脂およびゴム、特に塩化ビニル等のハロゲン含有樹
脂の耐熱性、耐候性の劣化作用を阻止し、むしろ改善す
るという働きを示すものと推定される。
発明者が見いだした新規な化合物であり、特願平3−3
6813号、特願平3−124758号、特願平3−1
62203号および特願平3−319827号で開示さ
れている六角板状または繊維状の複合金属水酸化物を約
300℃以上で焼成することにより得られる。この化合
物は、酸化マグネシウムおよび/または酸化カルシウム
に銅イオン(Cu2+)および/または亜鉛イオン(Z
n2+)が固溶した、酸化マグネシウムまたは酸化カル
シウムと同じ結晶構造を有する化合物である。粉末X線
回折にかけると酸化マグネシウムあるいは酸化カルシウ
ムと殆ど同じ回折パターンを示す。
85モル/リットル、Cu2+ =0.15モル/リット
ル、30℃)2リットルと、2.0モル/リットルのN
aOH水溶液2リットル(30℃)をそれぞれ50ミリ
リットル/分の流量で、定量ポンプを用いて、予め50
0ミリリットルの水を入れた容量5リットルの反応槽に
連続的に供給し反応させた。反応物を▲ろ▼過、水洗、
脱水、乾燥、粉砕後、シリコニット炉を用いて550℃
で1時間焼成した。
であった。この物のX線回折パターンはCaOのみであ
った。従って、ZnOはCaOに固溶していることが確
認された。この物の測定結果を表1に示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 式(1) (M1 2+)1-x(M2 2+)xO (1) [式中、M1はMgおよび/またはCaを、M2はCuお
よび/またはZnを示し、xは0.0001≦x≦0.5
の範囲の数を示す]の複合金属酸化物を有効成分として
含有する抗微生物剤。 - 【請求項2】 100重量部の樹脂またはゴムと0.0
01〜50重量部の請求項1記載の抗微生物剤とからな
る抗微生物性樹脂またはゴム組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4247420A JP2987262B2 (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 抗微生物剤および抗微生物性樹脂またはゴム組成物 |
US07/979,230 US5344636A (en) | 1991-11-27 | 1992-11-20 | Anti-microorganism agent and anti-microorganism resin or rubber composition |
DE69207734T DE69207734T2 (de) | 1991-11-27 | 1992-11-24 | Mittel gegen Mikroorganismen und Harz- oder Kautschukzusammensetzung gegen Mikroorganismen |
EP92310744A EP0544502B1 (en) | 1991-11-27 | 1992-11-24 | Anti-microorganism agent and anti-microorganism resin or rubber composition |
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- 1992-08-24 JP JP4247420A patent/JP2987262B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN102333535A (zh) * | 2009-02-25 | 2012-01-25 | 协和化学工业株式会社 | 氧化镁微粒 |
JPWO2010098417A1 (ja) * | 2009-02-25 | 2012-09-06 | 協和化学工業株式会社 | 酸化マグネシウム細粒 |
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