JPH06647B2 - 膠質土を原料としたzsm−5ゼオライトの製造法 - Google Patents

膠質土を原料としたzsm−5ゼオライトの製造法

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JPH06647B2 JP59116680A JP11668084A JPH06647B2 JP H06647 B2 JPH06647 B2 JP H06647B2 JP 59116680 A JP59116680 A JP 59116680A JP 11668084 A JP11668084 A JP 11668084A JP H06647 B2 JPH06647 B2 JP H06647B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、天然の膠質土を用いて、高シリカアルミナ
比の反応組成物を得るようにしたZSM−5ゼオライト
の新規な製造法に関するものである。
〔従来技術〕
ゼオライトとは一群の結晶性アルミノケイ酸塩の総称で
あり、鉱物として天然にも産するが、現在では天然物と
同一の結晶構造を持つものや、さらに天然に産しないも
のまで合成されて多種多様である。結晶構造は(SiO4)四
面体と(AlO4)四面体とが酸素原紙を共有して交叉結合
し、三次元的網目構造を型成している。この網目が空洞
を形成し、さらにこの大きい空洞は縦横の孔路により互
いに連絡している。この空洞中には結晶水と(AlO4の負
電荷に対応するカチオンが含まれている。結晶水は加熱
または減圧することにより比較的容易に一部または前部
を脱離されることができる。またカチオンも他のカチオ
ンと溶液中で容易に交換できる。しかもこれらの処理を
行ったあともゼオライトの結晶構造は本質的な変化をう
けない。
このような特徴を有するゼオライトは、当初結晶水を脱
離したあとにできる空洞を利用した吸着剤としての応用
が注目された。1960年にはゼオライトの触媒作用が
発見されて以来、おもに固体酸触媒としてのすぐれた性
質が注目され、その用途は急速に拡大されている。
今日、ゼオライトの次のような性質が利用されている。
(イ)結晶構造を有するため均一の空洞(細孔および細孔
入口径)をもつ。この空洞を「ふるい」と考え、反応物
分子の大きさがふるいより大きければ空洞に入ることが
できないが、小さければ空洞の中に入り、そこで反応す
ることができる。また反応生成物も空洞より大きければ
外へ出られず空洞がつまってしまうが、小さければ外へ
出ることができる。つまり空洞の大きさによって分子を
ふるい分けて反応を進行させ、生成物もふるい分けられ
ることによって選択的な生成物を得ることができる。
(ロ)ゼオライトの触媒作用の本質は固体酸性にある。金
属イオンを含んでいない水素型ゼオライトは焼成温度に
よって、ブレンステッド酸点あるいはルイス酸点とルイ
ス塩基点を発現させ、さらに酸点の強さと数も決めるこ
とができる。すなわち酸点の種類と強さと数によって色
々な反応に対する触媒作用を選ぶことができる。
(ハ)ゼオライト合成時のナトリウムカチオンあるいは水
素イオン(プロトン)を溶液中で容易に他のアルカリ金
属、遷移金属、希土類等のカチオンとイオン交換するこ
とができる。これによって交換したカチオン特有の触媒
作用と、カチオンの大きさによって空洞が狭められるこ
とによる分子ふるい作用とが複合して反応を選ぶことが
できる。
(ニ)さらにゼオライトの金属カチオンを金属微粒子まで
水素で還元すると、結晶構造をもつゼオライトに金属が
均一に分散し、担持された非常に大きい比表面積の触媒
ができる。この触媒作用もまた特異である。
(ホ)直接の触媒作用ではないのであるが、最近、分離の
非常に難しい異性体等にゼオライトを接触させ、分子ふ
るい作用と吸着能によって一部の異性体のみ吸着させ、
後にゼオライトから異性体を脱離させて、難分離物を分
離する方法が行なわれている。
以上の一般的なゼオライトの特性に加え、表1で示され
る粉末X線回析パターンを有するZSM−5ゼオライト
は、メタノールからガソリン留分を合成できる結晶性ア
ルミノシリケートゼオライトの一つとしてオイルショッ
ク以後石油のみの依存から脱却するためのエネルギー資
源の多様化に対応する。
但し、測定条件はCu管球、Niフイルター、40kV、20
mA、2000cps、TC1:PS1゜、SS1゜、RS0.
15mm、2/min、2cm/minである。
なお誤差は次の表のようにみこまれる。
このZSM−5ゼオライトは所謂高シリカアルミナ比で
あるため、例えば米国特許第3702886号、米国特
許第3894106号、米国特許第3928483号お
よび英国特許第1402981号などに製造法が発明さ
れているが、いずれも、 (イ)天然物でない純正試薬のみを原料にしていること。
(ロ)水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような無機塩
基だけでは合成できず、表2のような有機塩基を主とし
た有機化合物試薬のいずれかを原料に添加しているこ
と。
(ハ)合成時間が数日を要すること。
などの問題点や欠点があった。
表2 ZSM−5ゼオライト合成に有効な有機化合物 〔第一級アミン〕 Cエタノールアミン Cn−ブチルアミン Cn−プロピルアミン Cn−アミルアミン イソ プロピルアミン Cn−ヘキシルアミ
ン Cn−ヘプチルアミン Cn−ノニルアミン Cn−オクチルアミン C10n−デシルアミン 〔ジアミン〕 C1.5−ペンタンジアミン C1.6−ヘキサンジアミン 〔テトラアルキルアンモニウム〕 テトラ−n−プロピルアンモニウム 〔アミド〕 ラクトアミド アセトアミド アミノベンズアミド 〔アルコール〕 エタノール 表2のうち最も普通に使われているのは、高価なテトラ
−n−プロピニアンモニウム(通称TPA)である。Z
SM−5ゼオライトの価格はTPAで決まるといって過
言でない。
一方、合成ゼオライトは、すべて出発原料として化学薬
品を使用したものだけでなく、天然のケイ酸塩鉱物、た
とえば膠質土などの粘土鉱物、火山ガラスを使うことも
できる。これらはゼオライトに必要なケイ酸、アルミナ
を含んでいるので、アルカリを添加すればゼオライトの
合成条件を満すことになる。しかもこれらは天然に膨大
な量で産出し、経済的にも安価である。すでにアロフエ
ンからゼオライトの合成の例は一連の旭電化工業による
ゼオライトAの合成(特公昭46−31129,332
16)、モルデナイト型ゼオライトの合成(特公昭46
−32574)がある。
〔発明の概要〕
この発明は、天然に産出す膠質土を主原料とし、これを
精製または鉱酸処理すると共に高シリカ分にするために
必要なシリカ、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属
カチオンの水溶液を含有する混合物を原料として調製
し、前記膠質土の有するコロイド性強熱減量中に含有す
る有機質の両方を活用して、前記混合物を高シリカアル
ミナ比の例えば表1に示すような粉末X線回析パターン
を有する結晶性アルミノシリケートゼオライトすなわち
ZSM−5ゼオライトの結晶が生成するまで、80℃〜
200℃の温度に保ちながら、水熱合成することを特色
とするZSM−5ゼオライトの製造法に係るものであ
る。
したがって従来法に対するこの発明の特徴は、 (イ)純度の高い化学試薬品でなく、天然物である膠質土
を、化学的に純度を変えなくても、そのまま必須の原料
として用いることができる。
(ロ)したがってMO、SiO2、Al2O3であらわされる純粋
な成分だけでなく、上記MO以外のNa2O、Fe2
TiO、CaO、MgO、KOなどが不純物として合成原料混
合物中に、結晶生成中も共存していること。(Mはアル
カリ金属イオン、またはアルカリ土類金属陽イオン) (ハ)そして有機塩基などの有機化合物試薬を特別に添加
しなくてもよいこと。
(ニ)それでも表1に示すような粉末X線回析パターンを
有する結晶性アルミノシリケイトゼオライトが得られる
こと。
(ホ)しかも合成時間が比較的短いこと。
(ヘ)また、合成原料混合物を数時間比較的低温で反応し
て結晶核を生成させ、次いでその結晶核の成長とさらに
熟成を促進させるために、加圧下高温例えば160〜1
80℃にするような複雑な二段階工程をとるのではな
く、一段の工程で一気に水熱合成温度例えば160〜1
80℃で結晶核の発生と成長、熟成を行なう簡単な方法
であること。したがって前記二段階工程法で発生した結
晶核と核自体が異なること。
(ト)さらに、合成条件混合物中に塩化ナトリウムを意図
的に存在せしめて結晶の晶出、成長、熟成をする必要が
ないこと。
である。
原料として使用する膠質土とは、わが国にも広く分布し
ている火山灰が風化作用によって生じた軽土層中の鉱物
学でいうアロフエンを主成分としているシリカ−アルミ
ナゲルである。他方によって鹿沼土、粟土(栃木県)、
味噌土(長野県)、水土(島根県)、ほらす、赤ほや
(九州)、おんじ(四国)などと称せられ、その化学分
析を表3に示す。
これら産地より堀出した原土を水ひして磁鉄鉱、輝石、
長石、石英などの岩石部分を除くことによって、精製し
た膠質土の収率の比較的高い栃木県産のうち、主に寺内
産出鹿沼土の実施例を中心に詳細に述べる。
実施例1 (イ)精製膠質土の調製 栃木県真岡市寺内から採集した原土を水と共にボールミ
ル粉砕器に入れ、適宜時間粉砕すると淡黄色の泥水が得
られる。これをノーベル水ひ装置に通すと、上流には夾
雑物として含まれる比重の大きい前記岩石部分が捕集さ
れ、比重の小さい泥水のみが通過することによつて下流
に集められ分級できる。集めた泥水をフイルタープレス
によって脱水分離し、淡黄色の板状ケーキとして精製膠
質土を得た。
精製膠質土の含水率は65〜70重量%でその化学組成
は表3−3列目の栃木県寺内に示した。
(ロ)結晶性アルミノシリケイトゼオライト(Na型)の
調製 調製原料は、 精製膠質土(SiO2/Al2O3=1.7366.52重量%HO)
0.8969g に高シリカアルミナ比にするに必要なシリカ分を補充す
るための 沈降シリカ(88.25%SiO2) 1.6091g アルカリと水 水酸化ナトリウム(87.09%NaOH) 0.5103g 蒸溜水
14.4021g を24mlオートクレープ中に調合した。この混合物の組
成は酸化物のモル比表示で 5Na2O−23SiO2−Al2O3−750H2O である。前記オートトレーブを175℃保ち、毎秒10
cmの振幅で振とうさせながら24時間結晶化させた。
得られた結晶生成物を濾過によって母液から分離し、水
洗し、150℃で1時間半乾燥させた。このNa型生成物
の粉末X回析パターンは表1と同様であつた。
また、Na型生成物を500℃、16時間空気中で焼成し
たときの比表面積は273m2/g(B.E.T法、液体窒
素温度)であった。
ちなみに、前記酸化物組成を同一にして、原料混合物と
して膠質土を添加せず、純正試薬の沈降シリカ、塩化ア
ルミニウム、水酸化ナトリウムおよび蒸溜水によって調
製した場合は、175℃24時間の合成条件では結晶化
しなかった。
(ハ)結晶性アルミノシリケイトゼオライトのイオン交換
によるH型の調製 Na型生成物1gにつき1規定NHNO水溶液25ml
を加えて、80℃に1時間保ち、ナトリウムイオンをア
ンモニアイオンにカチオン交換した。そしてNH型生
成物を母液から分離後、120℃、2時間空気中で乾燥
し、さらに450℃、6時間空気中でか焼した後H型結
晶性アルミノシリケイトゼオライトを得た。この生成物
の粉末X線回析パターンは表1と同様であった。
(ニ)結晶性アルミノシリケイトの反応性 前記H型結晶性アルミノシリケイトゼオライトの触媒能
を水素炎型検出器付パルス反応器で調べた。条件は下記
に示す。
反 応:メタノールによるトルエンのアルキル化反応 実験装置:反応器 内径3mmのパイレツクスガラス製 カラム 担体 ダイヤソリッドL−1 60〜80メッシュ 液相 5%ベントン34と 5%DIDP 90℃ 3.7m 検出器 FID 実験条件:前処理 ヘリウム気流中 430℃ 2時間 キャリアガス ヘリウム 流量20ml/分 触媒量 0.02g 反応液注入量 0.23μl 実験結果(1回から3回までのパルス実験の平均値) :転化率 20.9% 生成物 生成率
選択率 P−キシレン
16.2% 77.4% ベンゼン 1.4〃 6.6〃 エチレンベンゼン 1.0〃 5.0〃 メタン エーテル 根跡 トリメチルベンゼン ちなみに前記Na型結晶性アルミノシリケイトゼオライ
トは全く反応しなかった。
実施例2 実施例1と同じ方法で原料混合物の主成分の組成を酸化
物のモル比で表示したNa型結晶性アルミノシリケイト
ゼオライトの生成状態図を図1に示す。64例の結果を
まとめたものである。合成条件は175℃、24時間、
水分95%のものである。
ところで第1図に示す生成状態図は、SiO2,Na2O,Al2
O3を頂点とするモル分率表示の三角相図であって、SiO2
高モル側を図示したものである。
ちなみに、SiO2−Na2O軸の数字はSiO2のモル分率を、N
a2O−Al2O3軸の数字はNa2Oのモル分率を、SiO2−Al2O
3軸の数字はAl2O3のモル分率をそれぞれ示している。
図中の記号は A−表1の粉末X線回析パターンを示す結晶性 アルミノシリケイトゼオライトの単一相 B−モルデナイトゼオライトの単一相 C−モルデナイトゼオライトとアナルシンゼオライトの
共存相 D−アナルシンゼオライトの単一相 E−ゼオライトPの単一相 を示す。
なお、合成条件は24時間、水分95%で第1図は17
5℃のもの、第2図は150℃のものである。
実施例3 実施例1ではシリカアルミナ比調製補充に沈降シリカを
用いたが、膠質土は鉱酸によりシリカアルミナ比を変化
させることができるので、膠質土のみを用いた結晶性ア
ルミノシリケイトゼオライトの例を示す。
(イ)塩酸処理膠質土の調製 表3の栃木県大沢赤褐色土に次の量論式 2Al23+12HCl→4AlCl3+6H2O Fe23+6HCl→2FeCl3+3H2Oにしたがい必要な5N−
HCl量を算出し、その2倍量を加え、80℃、2時間
反応させると含有するアルミナ分と鉄分が酸液中に溶出
する。反応後大量の水で十分水洗した膠質土を母液から
濾過によって分離した。この時の母液のpHは5.5であっ
た。この酸処理膠質土を110℃、24時間乾燥した後
の化学組成は次に示す。
吸着水分 24.52% 強熱減量 5.01% SiO2 85.43% Al23 5.25%Fe23 0.58% SiO2/Al23 7.38 である。
(ロ)膠質土のみによる結晶性アルミノシリケイト ゼオライト(Na型)の調製 調製原料として 実施例1、(イ)の精製膠質土 0.0242g 前記塩酸処理膠質土 3.2035g 水酸化ナトリウム(87.09%NaOH) 0.5784g 蒸溜水 16.3211g を24mlオートクレープ中に調合した。この混合物の組
成は酸化物のモル比表示で 5Na2O−23SiO2−Al23−750H2O である。前記オークトレーブを175℃に保ち、毎秒1
0cmの振幅で振とうさせながら24時間結晶化させた。
得られた結晶生成物を濾過によって母液から分離し、水
洗し、150℃、1時間半乾燥させた。膠質土を塩酸処
理した時の塩素イオンが調製時に残っていたが、このN
a型生成物の粉末X線回析パターンは表1と一致した。
実施例4 実施例2と同じ系で、調製温度のみ150℃とした場合
の生成状態図を図2に示す。図中の記号は第1図と同じ
であるので、その説明は省く。
実施例5 (イ)ZSM−5ゼオライト(K型)の調製 調製原料は、 生成膠質土(SiO2/Al23=1.73、64.50重量% H0)0.8403gに高シリカアルミナ比にするに必要
なシリカ分を補充するための 沈降シリカ(88.25%SiO2) 1.6188g アルカリと水 水酸化カリウム(85.0%KOH) 0.7346
g 蒸溜水
14.4580g を24mlオートクレーブ中に調合した。この混合物の組
成は酸化物のモル比表示で 5KaO−23SiO2−Al23−750H2O である。前記オートクレーブを175℃に保ち、毎秒1
0cmの振幅で振とうさせながら48時間結晶化させた。
得られた結晶生成物を濾過によって母液から分離し、水
洗し、150℃で1時間半乾燥させた。このK型生成物
の粉末X線回析パターンは表1に示すゼオライトとモル
デナイトゼオライトとの共存を示した。
(ロ)結晶性アルミノシリケイトゼオライト(Na−K
型)の調製 前記(イ)の反応原料混合物の組成を酸化物のモル比表示
で 3.75KaO−1.25Na2O−23SiO2−Al23−750H2O 2.5KaO−2.5Na2O−23SiO2−Al23−750H2O 1.25KaO−3.75Na2O−23SiO2−Al23−750H2O と変化させて結晶化させた。得られたNa−K型生成物
の粉末X線回析パターンは、表1に示すゼオライトとモ
ルデナイトの共存を示したが、Naが多くなるに従っ
て、結晶化が早くなり、かつ表1に示したゼオライトが
多くなった。
〔発明の効果〕
この発明は叙上のように成るので、以下の効果を奏する
ものである。
(イ)天然物である膠質土を原料にしていることである。
ことさら原料を試薬の純度まで求めなくても、表3のよ
うな多成分の混合している膠質土で充分である。しかも
膠質土は火山国日本のいたる所で身うけられるが、工業
資源の対象となりうるものは原土取得とその成分性質よ
り考慮しても乾燥原土推定量数億トンにもおよぶ一大国
内資源であること。
(ロ)膠質土は非晶質なシリカゲルとアルミナゲルが天然
に均一に分布していて多孔質(250m2/g〜300m2
/g)である。しかも、表3の強熱減量の大部分として
計測されている前記膠質土中の構造水が、300℃〜5
00℃の合成温度以上まで保持されている特性(示差熱
分析曲線より)を有している。したがって、合成温度で
は表3の成分は水酸化物として存在しているものも多い
ので、膠質土(SiO4),(AlO4)四面体をつくりやすく、
緩かな合成条件においてさえも、短時間にゼオライト結
晶構造をつくる能力を有している。それを活用したこ
と。
(ハ)膠質土中強熱減量の一部として、天然に含有してい
る微量(数%〜5%)の有機質のために、上記(ロ)の結
晶化能力との相乗効果により高価な有機塩基などの試薬
を特別に添加しなくても表1のゼオライト合成が可能な
こと。
(ニ)さらに、表3の膠質土化学組成中のFe2O3、CaO、Mg
O、アルカリ(K2O、Na2O)、そして微量のTiOなどのカチ
オン類がすでに原料膠質土の構造の一部として存在して
おり、新たに合成原料混合物の一つとして添加したアル
カリ金属カチオンと相乗して、膠質土がゼオライトにな
りやすい潜在的能力が引き出されたこと。
(ホ)したがって安価に早く合成できること。
である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、この発明に係る製造法で得られ
た実施例2および実施例4の結晶化アルミシリケイトゼ
オライトの生成状態図を示す。 図中の記号は A−表1の粉末X線回析パターンを示す結晶性 アルミノシリケイトゼオライトの単一相 B−モルデナイトゼオライトの単一相 C−モルデナイトゼオライトとアナルシンゼオライトの
共存相 D−アナルシンゼオライトの単一相 E−ゼオライトPの単一相 を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膠質土、シリカおよび金属カチオン水溶液
    を含有する混合物を調整し、かつ、主成分が酸化物のモ
    ル比で表わしてつぎの組成 SiO2/Al2O3=8以上 M2/nO/SiO2=0.01〜0.35 HO含有量=60〜99モル% (式中、Mはアルカリ金属陽イオン、またはアルカリ土
    類金属陽イオン、nは原子価を示す。)を有する前記混
    合物をゼオライトの結晶が生成するまで少くとも80℃
    の温度に保つことを特徴とする膠質土を原料としたZS
    M−5ゼオライトの製造法。
  2. 【請求項2】アルカリ金属がナトリウムであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の膠質土を原料とし
    たZSM−5ゼオライトの製造法。
  3. 【請求項3】膠質土、鉱酸処理した膠質土、およびアル
    カリ金属カチオン水溶液を含有する混合物を調製し、か
    つ主成分が酸化物のモル比で表わして、つぎの組成 SiO2/Al2O3=8以上 M2/nO/SiO2=0.01〜0.35 HO含有量=60〜99モル% (式中、Mはアルカリ金属陽イオン、またはアルカリ土
    類金属陽イオン、nは原子価を示す。)を有する前記混
    合物をゼオライトの結晶が生成するまで少くとも80℃
    の温度に保つことを特徴とする膠質土を原料としたZS
    M−5ゼオライトの製造法。
  4. 【請求項4】アルカリ金属がナトリウムであることを特
    徴とする特許請求の範囲第3項記載の膠質土を原料とし
    たZSM−5ゼオライトの製造法。
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