JPH0664787B2 - トラツキング制御回路 - Google Patents

トラツキング制御回路

Info

Publication number
JPH0664787B2
JPH0664787B2 JP59117228A JP11722884A JPH0664787B2 JP H0664787 B2 JPH0664787 B2 JP H0664787B2 JP 59117228 A JP59117228 A JP 59117228A JP 11722884 A JP11722884 A JP 11722884A JP H0664787 B2 JPH0664787 B2 JP H0664787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
circuit
output
track
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59117228A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60261058A (ja
Inventor
隆 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP59117228A priority Critical patent/JPH0664787B2/ja
Publication of JPS60261058A publication Critical patent/JPS60261058A/ja
Publication of JPH0664787B2 publication Critical patent/JPH0664787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は例えば映像信号やオーディオ信号をPCM信
号化し、これを単位時間ずつ回転ヘッドにより記録媒体
上に1本ずつの斜めのトラックとして記録し、これを再
生するディジタル信号の記録再生装置等に用いて好適な
トラッキング制御回路に関する。
背景技術とその問題点 ヘリカルスキャン型の回転ヘッド装置によって、磁気テ
ープ上に映像信号やオーディオ信号を単位時間分毎に1
本ずつの斜めトラックを形成して記録し、これを再生す
る場合に、映像信号やオーディオ信号をPCM化して記
録再生することが考えられている。これはPCM化すれ
ば高品位の記録再生ができるからである。
この場合において、再生時、記録トラック上を正しく回
転ヘッドが走査するようにするトラッキング制御は、従
来は、固定の磁気ヘッドによってテープの幅方向の一端
側に記録されているコントロール信号を上記固定ヘッド
で再生し、この再生コントロール信号と回転ヘッドの回
転位相とが一定位相関係となるようにすることにより行
っているのが通常である。
しかし、この方法ではトラッキング制御用に特に固定の
磁気ヘッドを設けなければならない。
このような固定の磁気ヘッドを設けることは、記録再生
装置を小型化したい場合に、その取付場所等の関係で不
都合を来たす。
そこで、この固定ヘッドを用いずに再生用回転ヘッドの
再生出力のみを利用してその回転ヘッドのトラッキング
制御を行う方法が、本出願人によって、先に提案され
た。
この方法は、PCM信号は時間軸の圧縮・伸長が容易で
あり、したがって、アナログ信号のように信号を常に時
間的に連続させて記録再生する必要はなく、そこで、1
本のトラックに領域を分けてこのPCM信号と、これと
は別個の信号を記録することが容易にできることに着目
してなされたものである。
すなわち、PCM信号を時間軸圧縮して複数個の回転ヘ
ッドによって斜めにトラックをガードバンドを形成しな
い状態で記録媒体上に形成して記録する際に、各トラッ
クの長手方向にPCM信号とは記録領域として独立にト
ラッキング用パイロット信号を複数個記録し、再生時、
走査幅がトラックの幅より広い回転ヘッドによって記録
トラックを走査し、回転ヘッドが走査中のトラックの両
隣りのトラックからのパイロット信号の再生出力によっ
て回転ヘッドのトラッキングを制御するものである。
そして、このトラッギング用パイロット信号を記録、再
生する際の基準となる信号は、共に、回転ヘッドの回転
駆動用モータの回転に同期して得られる回転ヘッドの回
転位相を示す30Hzのパルス信号(PG)が使用されてい
る。
ところが、このように再生時も、トラッキング用パイロ
ット信号を再生する際の検出位置基準としてPG信号を
使用すると、装置の機械的経時変化や温度変化等によ
り、PG信号の基準位置がずれ、再生時に一種のトラッ
キング誤差の定常量(オフセット)として現われる。
このために、再生時、記録時と同様のタイミングでトラ
ッキング用パイロット信号を再生し、回転ヘッドを制御
することが困難となり、特に機器相互間の互換性がとれ
なくなる不都合がある。
また、PG信号を基準にしてヘッドの1回転期間にわた
りトラッキング用パイロット信号の再生出力を得るサン
プリングパルスを形成するようにしているので、その誤
差分が積分されたかたちで増大していわゆるジッタの影
響を受け、サンプリングパルスの位置がずれてくる不都
合がある。
また、回転ヘッド方式の記録再生装置では、トラッキン
グ制御を考えるとき、ノーマル再生だけではなく、テー
プ速度を記録時とは異ならせる可変速再生の場合を考慮
しなければならない。
発明の目的 この発明は、斯る点に鑑み、ノーマル再生時は勿論変速
再生時において、装置の機械的経時変化や温度変化或い
はジッタの影響を受けることなく、トラッキング用パイ
ロット信号を確実に再生して回転ヘッドを正しく制御
し、機器相互間の互換性を図ることができると共に複数
の再生速度を切換えて再生を行う際の回路構成を簡略化
できるディジタル信号の記録再生装置におけるトラッキ
ング制御回路を提供するものである。
発明の概要 この発明では、ディジタル信号が時間軸圧縮されて複数
個の回転ヘッドによって斜めのトラックにガードバンド
を形成しない状態で記録された記録媒体よりディジタル
信号を再生するディジタル信号の再生装置のトラッキン
グ制御回路において、隣接するトラックのトラッキング
用パイロット信号をパルス信号によりサンプリングする
サンプリング手段とサンプリングされた隣接するトラッ
クのトラッキング用パイロット信号の差をとる減算手段
と、この減算手段の出力を駆動系に転送する伝送系と、
上記サンプルされたトラッキング用パイロット信号を基
準信号によって正規化する手段とを備え、この正規化手
段の出力に応じて上記伝送系の増幅率を増加調整し、サ
ーボ利得が一定となるように構成している。これによ
り、この発明は装置の機械的経時変化や温度変化或いは
ジッタに何等影響されることなく、また記録媒体と回転
ヘッドの組合わせ等により出力が変動することがあって
も、確実にトラッキング用パイロット信号を再生して回
転ヘッドのトラッキング制御を行うことができ、機器相
互間の互換性を図ることができる。また、複数の再生速
度を切換えて再生を行う際の回路構成を簡略化できる。
実施例 以下、この発明の一実施例を第1図〜第11図に基づいて
詳しく説明する。
第1図は本実施例の回路構成を示すもので、ここでは、
この発明に直接関係するトラッキング用パイロット信号
及び消去用信号を記録し、これをノーマル再生と変速再
生例えば2倍速及び3倍速を切換えて再生する回路構成
のみを示しており、記録情報である例えばPCM信号の
記録、再生の回路構成に付いては省略されている。
同図において、(1A),(1B)は回転ヘッド、(2)は記録媒
体としての磁気テープである。回転ヘッド(1A)及び(1B)
は、第2図に示すように、等角間隔、つまり180度の各
間隔を保ってドラム(3)の周辺部に配置される。一方、
磁気テープ(2)がテープ案内ドラム(3)の周辺のその180
度角範囲よりも狭い例えば90度角範囲にわたって巻き付
けられる。そして、回転ヘッド(1A)及び(1B)が1秒間に
30回転の割合で矢印(4H)の方向に回転させられるととも
にテープ(2)が矢印(4T)で示す方向に所定の速度で走行
されて、回転ヘッド(1A)及び(1B)により磁気テープ(2)
上に、第3図に示すような斜めの1本ずつの磁気トラッ
ク(5A)(5B)が例えばいわゆる重ね書きの状態で形成され
るようにされる。すなわち、ヘッドギャップの幅(走査
幅)Wはトラック幅よりも大きくされている。この場
合、ヘッド(1A)及び(1B)のギャップの幅方向はその走査
方向に直交する方向に対して互いに異なる方向となるよ
うにされる。つまり、いわゆるアジマス角が異なるよう
にされる。
そして、2個の回転ヘッド(1A)(1B)がテープ(2)に対し
て共に対接しない期間(これはこの例では90度の角範囲
分の期間である)が生じ、この期間を利用して記録時は
冗長データの付加、再生時は訂正処理等をするようにす
れば装置の簡略化が図れる。
(6)はトラッキング用パイロット信号Pを発生する発振
器であって、パイロット信号Pは、例えばその周波数
はアジマロスの比較的多い値、すなわちアジマスロス
の効く周波数例えば二百kHz程度とされ、且つ、比較的
高レベルで記録される。なお、このパイロット信号Pの
周波数は、トラッキング位相ずれ対パイロッ再生出力の
直線性が保証できれば、むしろアジマスロスの比較的少
ない周波数である方が好ましい。また、(6A)はパイロッ
ト信号の消去用信号Eを発生する発振器であって、消去
用信号Eは、以前に記録されていたテープに、後に、こ
れに重ねて前の記録情報を消去しつつ新たな記録をなす
とき、記録トラックが必ず前の記録トラックと一致する
とはかぎらないから前に記録されていたパイロッ信号を
消去する必要があるため使用されるもので、その周波数
は、パイロット信号の周波数とは実用的に離れ
た例えば700kHz前後のものであって、かつ、アジマスロ
スの比較的多い周波数とされる。また、その記録レベル
もパイロット信号Pを実用上消去できるものとされる。
そして、この消去用信号Eがこゝではパイロット信号の
位置を検出するための位置出し信号として使用される。
また、(6B)は上述の消去用信号Eとは別な消去用信号E
を発生する発振器であって、この消去用信号Eは、
これによりパイロット信号P及び消去用信号Eを重ね書
きしたとき、これ等信号P及びEの消去率が高いものが
好ましく、その周波数としては例えば2MHz程度のも
のが使用される。
(7),(7A)及び(7B)は記録波形発生回路であって、後述
されるパルスPGに関連した遅延信号のエッジ例えば立
下りを検出するエッジ検出回路(8A),(8B)からの夫々出
力に応答し、発生回路(7)及び(7A)は発振器(6)及び(6B)
からのパイロット信号に基づき、1トラック当り何個の
パイロット信号P及び消去用信号Eを如何ような配列
で挿入するかに応じて所定時間t(tは各パイロッ
ト信号及び消去用信号Eの記録時間、但し消去用信号
の1つの記録領域当りの記録時間はトラック(5A)で
は連続して時間t,トラック(5B)では離間した2箇所
の時間を合わして時間tとする)を有するパイロット
信号P及び消去用信号Eを、また発生回路(7B)は発振
器(6A)からの消去用信号Eに基づき、1トラック当り何
個の消去用信号Eを如何ような配列で挿入するかに応じ
て所定時間 を有する消去用信号Eを、所定間隔Tで発生する。(8
F)は発生回路(7),(7A)及び(7B)の出力を理論的に処理
するオア回路である。(9)は回転ヘッド(1A)及び(1B)を
切換えるためのスイッチ回路であって、タイミング信号
発生回路(10)からの切換信号S(第4図A)によって
切換えられる。このタイミング信号発生回路(10)には、
パルス発生器(11)からの回転ヘッド(1A)(1B)の回転駆動
用モータ(12)の回転に同期して得られる回転ヘッド(1A)
(1B)の回転位相を示す30HzのパルスPGが供給されてい
る。また、パルスPGにタイミング信号発生回路(10)か
らの30Hzのパルスとが位相サーボ回路(13)に供給され
て、サーボ出力によりモータ(12)の回転位相が制御され
る。
タイミング信号発生回路(10)からの切換信号Sにより
切換えられたスイッチ回路(9)からのパイロット信号
は、アンプ(14A)又は(14B)で増幅された後夫々スイッチ
回路(15A)又は(15B)の接点R側を介して回転ヘッド(1A)
又は(1B)に供給され、磁気テープ(2)上に記録される。
スイッチ回路(15A)及び(15B)は記録時は接点R側に接続
され、再生時にはP側に切換えられる。
また、タイミング信号発生回路(10)からの出力信号S
(第4図C)が遅延回路(16)に供給され、こゝで回転ヘ
ッド(1A)(1B)とパルス発生器(11)の取付位置の間隔等に
相当した遅延がなされた後、エッジ検出回路(8A)の入力
側に供給されてパイロット信号の記録基準としてのエッ
ジ例えば立ち下りが検出される。なお、遅延回路(16)で
遅延された信号S(第4図D)の立下りは一回転期間
中の最初のヘッドがテープに当接する時間と一致するよ
うになされている。
また、(17A),(17B),(17C),(17D)及び(17E)は夫々遅
延時間T(1トラック上に記録されるパイロット信号
P,消去用信号E及びEの夫々間隔に相当する時
間)、T(2T),T(ヘッドの半回転期間に相当
する時間)、t及び を有する遅延回路である。遅延回路(16)からの信号S
(第4図D)が夫々遅延回路(17A)〜(17C)に供給され
る。遅延回路(17A)からの信号S(第4図E)はエッ
ジ検出回路(8A)に供給され、遅延回路(17B)からの信号
(第4図F)はエッジ検出回路(8B)に供給され、遅
延回路(17C)からの信号S(第4図G)は直接エッジ
検出回路(8B)に供給されると共に、夫々遅延回路(17A)
及び(17B)で時間T及びTだけ遅延されて信号S
(第4図H)及び信号S(第4図I)としてエッジ検
出回路(8B)及び(8A)に供給される。
エッジ検出回路(8A)及び(8B)からの信号S(第4図
J)及び信号S10(第4図K)は夫々遅延回路(17D)及
び(17E)で時間T及び 遅延されて信号S11(第4図L)及び信号S12(第4図
M)となる。信号S11はオア回路(8C)の一入力端に供給
されると共に遅延回路(17E)で時間 遅延されて信号S13(第4図N)となる。この信号S13
はオア回路(8D)の一入力端に供給されると共に遅延回路
(17E)で時間 遅延されて信号S14(第4図O)となり、この信号S14
はオア回路(8E)の一入力端に供給されると共に遅延回路
(17E)で時間 遅延されて信号S15(第4図P)となり、オア回路(8D)
の他入力端に供給される。
また、信号S12はオア回路(8E)の他入力端に供給される
と共に遅延回路(17D)で時間t遅延されて信号S
16(第4図Q)となり、この信号S16はオア回路(8D)の
別な他入力端に供給されると共に更に遅延回路(17D)で
時間t遅延されて信号S17(第4図R)となり、オア
回路(8C)の他入力端に供給される。
オア回路(8C),(8D)及び(8E)からの信号S18(第4図
S),信号S19(第4図T)及び信号S20(第4図U)
は夫々記録波形発生回路(7),(7A)及び(7B)に実質的に
ゲート信号として供給され、発生器(6),(6B)及び(6A)
からの夫々パイロット信号P,消去信号E及びEが記
録波形発生回路(7),(7A)及び(7B)を介してオア回路(8
F)の出力側に合成信号S21(第4図V)として取り出さ
れる。
(18A)(18B)は再生時、スイッチ回路(15A)(15B)が接点P
側に切り換えられた時対応する回転ヘッド(1A)(1B)から
の再生出力が供給されるアンプであって、これ等のアン
プ(18A)(18B)の各出力はスイッチ回路(19)に供給され
る。スイッチ回路(19)は、タイミング信号発生回路(10)
からの30Hzの切換信号S′(第5図A、第6図A及び
第7図A)により記録時と同様にヘッド(1A)のテープ当
接期間を含む半回転期間と、ヘッド(1B)のテープ当接期
間を含む半回転期間とで交互に切換えられる。
(20)はスイッチ回路(19)からの再生出力よりパイロット
信号Pのみを取り出すための通過中心周波数の狭帯
域のバンドパスフィルタ、(21)は応答特性を良くするた
め、フィルタ(20)の出力をピーク値をホールドするため
のピークホールド回路、(22),(60)はホールドされてい
るピーク値をサンプリングし、ホールドするためのサン
プリングホールド回路、(23)はサンプリングホールド回
路(22),(60)の各出力を減算する減算器であって、サン
プリングホールド回路(22),(60)は、実質的には後述さ
れるように、ノーマル再生時には現在走査中のトラック
に隣接する両隣りのトラックの各両端部分及び中央部分
又2倍速再生時には現在走査中のトラックの中央部分か
端部、更に3倍速再生時にはその走査中のトラックに隣
接する両隣りのトラックの中央部分か両端部分に記録さ
れている各パイロット信号のクロストークをサンプリン
グし、ホールドするように働く。
(61)はサンプリングパルス発生回路(22),(60)の各出力
を加算する加算器、(62)は基準信号を発生する基準信号
発生回路、(63)は基準信号を加算器(61)の加算出力で割
算する割算器、(64)は割算器(63)の割算出力と減算器(2
3)の減算出力を乗算する乗算器である。後述されるよう
にサンプリングホールド回路(22),(60)の各出力の加算
値で基準値を割り、サンプリングホールド回路(22),(6
0)の各出力の減算値と乗算することにより、乗算器(64)
の出力側には常に一定レベルの出力が得られる。つま
り、自動的にループ利得を一定に調整する、いわゆるA
GC動作を行うことができる。
(24)は乗算器(64)からの乗算出力をサンプリングホール
ドするためのサンプリングホールド回路であって、この
サンプリングホールド回路(24)に与えられるサンプリン
グパルスのタイミングはサンプリングホールド回路(60)
に与えられるサンプリングパルス以降であれば任意の時
間でよい。
そして、サンプリングホールド回路(24)の出力がトラッ
キング制御信号としてスイッチ回路(25)を介して出力端
子(26)に取り出されるようになされている。
また、サンプリングホールド回路(22),(60),(24)用の
サンプリングパルス等を形成するために、スイッチ回路
(19)の出力側に再生出力より消去用出力Eのみを取り出
すための通過中心周波数の狭帯域のバンドパスフィ
ルタ(29)が設けられ、その出力S39(第5図K,第6図
I、第7図K)は波型整形回路(30)で波形整形されて信
号S22(第5図L、第6図J、第7図L)となる。
(31)は波型整形回路(30)からの信号の立ち上りを検出す
るための立ち上り検出回路であって、後述されるよう
に、ヘッドの半回転期間毎に消去用信号の立ち上りが検
出される。検出回路(31)の出力は、複数個のゲート回路
(331),(332),(333),(334),(335)及び(336)に供給さ
れ、そのゲート信号としては例えばカウンタを用いたウ
インド信号発生回路(34)からのウインド信号SW1〜SW6
(第5図C〜H)が使用される。ウインド信号発生回路
(34)は、タイミング信号発生回路(10)からの出力信号S
に応答してクロック端子(42)からのクロックをカウン
トし、少なくとも上述の信号S22の両端縁をカバーし得
る所定幅のウインド信号を複数個の再生モードに応じて
発生する。
すなわち、ウインド信号発生回路(34)は、モード設定回
路(32)よりノーマル再生モード設定の指令信号を受ける
と、ウインド信号SW1〜SW6を順次発生し、また、2倍
速再生モード設定の指令信号を受けると、ウインド信号
W2,SW5またはSW3,SW4のみを発生し、更に3倍速
再生モード設定の指令信号を受けると、ウインド信号S
W2,SW5又はSW1,SW3とSW4,SW6)のみを発生す
る。
従って、ゲート回路(331)〜(336)の各出力側には、これ
等のウインド信号SW1〜SW6の期間内に入った信号S22
のエッジのみが導出されて、オア回路(35)の出力側に出
力信号S23(第5図M、第6図K、第7図M)として取
り出され、実質的にスタートパルスとして例えばカウン
タを用いた遅延回路(36)の一方の入力側に供給される。
また、複数個の遅延時間設定回路(38)及び(39)が設けら
れ、設定回路(38)は、2倍速及び3倍速再生時信号S23
の発生時点よりパイロット信号を実質的にサンプリング
開始するまでの遅延時間taを設定し、設定回路(39)
は、2倍速再生時、信号S23の発生時点よりパイロット
信号の実質的なサンプリング時点までの遅延時間tbを
設定する。
このようにして設定回路(38)及び(39)で設定される各遅
延時間は、遅延時間設定選択器(37)において、ウインド
信号発生回路(34)からのウインド信号SW1〜SW6により
選択されて遅延回路(36)の他方の入力側に供給される。
従って、カウンタである遅延回路(36)は信号S23をスタ
ートパルスとして遅延が必要でない場合は直接、また遅
延が必要であればその設定された時間だけクロック端子
(42)からのクロックをカウントし、カウント終了時点で
その出力側に狭幅の信号S24(第5図N、第6図L及び
第7図N)を発生する。
(43)は例えばカウンタを用いたパルス発生回路であっ
て、遅延回路(36)からの信号S24をトリガパルスとして
クロック端子(42)からのクロックをカウントし、ノーマ
ル再生時及び3倍速再生時(の第1の方法)では所定間
隔で一対のパルスPi(第5図O、第7図O)を、ま
た、2倍速再生時及び3倍速再生時(の第2の方法)で
は一対のパルスPiのうちの1つ(第6図M,P、第7
図R)を、検出しようとする各パイロット信号に対応し
て発生する。このパルスPiはピークホールド回路(21)
に供給されると共に例えばD型フリップフロップ回路等
を用いたサンプリングパルス発生回路(44)に供給され
る。
サンプリングパルス発生回路(44)はパルスPiに応答し
て、サンプリングパルスSP,SPをサンプリング
ホールド回路(22)及び(24)に対して発生する。
また、(51)はフィルタ(29)の出力側に設けられた比較回
路であって、この比較回路(51)はフィルタ(21)の出力、
すなわち消去用信号Eの再生出力と基準電源(52)からの
基準値を比較し、再生出力が基準値を例えば越えるよう
であれば出力信号S25(第8図C)を発生し、ラッチパ
ルスとしてD型フリップフロップ回路(53)のクロック端
子に供給する。またタイミング信号発生回路(10)からの
切換信号S′の例えば立ち下りを検出する回路(54)が
設けられ、切換信号S′からの立ち下りに同期して出
力信号S26(第8図E)を発生し、リセット信号として
フリップフロップ回路(53)のリセット端子Rに供給す
る。また、切換信号S′がインバータ(55)で反転され
て信号 (第8図F)となり、フリップフロップ回路(53)の入力
端子Dに供給される。
更に、切換信号S′の例えば立ち上りを検出する回路
(56)が設けられ、切換信号S′の立ち上りに同期して
出力信号S27(第8図G)を発生し、クロック信号とし
てD型フリップフロップ回路(57)のクロック端子に供給
する。フリップフロップ回路(57)の入力端子Dにはフリ
ップフロップ回路(53)の出力信号S28(第8図H)が供
給され、フリップフロップ回路(57)の出力信号S29(第
8図I)がスイッチ回路(25)の切換え制御信号として使
用される。すなわち、後述されるようにスイッチ回路(2
5)は、制御信号S29が一方のレベル例えば高レベル
(H)の時は接点a側に接続されて、トラッキング制御
信号を出力端子(26)へ取り出して通常の動作を行うも、
制御信号S29が他方のレベル例えば低レベル(L)の時
は接点b側に接続されて、端子(58)より一定の電位Vcc
を出力端子(26)へ取り出し、これをトラッキング制御信
号としてキャプスタンサーボ系へ与え、走査中のヘッド
を強制的に正常なトラッキング状態にせしめる。
次に、第1図の回路動作を第4図〜第10図の信号波形を
参照し乍ら説明する。
先ず、記録時には、回転ヘッド(1A)(1B)の回転位相を示
すパルス発生器(11)からのパルスPGに応答して、タイ
ミング信号発生回路(10)からの第4図Cに示すような信
号Sが発生され、この信号Sは遅延回路(16)で所定
時間Tだけ遅延され、もってその出力側には第4図D
に示すような信号Sが出力される。この信号Sは上
述の如く直接及び遅延回路(17A),(17B)を介してエッジ
検出回路(8A)に供給され、こゝでそのエッジ(立ち下
り)が検出され、このエッジに同期してその出力側に第
4図Jに示すような狭幅の信号Sが発生される。ま
た、遅延回路(17B),(17C)及び(17A)からの信号S
及びSがエッジ検出回路(8B)に供給され、こゝで
そのエッジ(立ち下り)が検出され、このエッジに同期
してその出力側に第4図Kに示すような信号S10が発生
される。信号S,S10が夫々遅延回路(17D)及び(17E)
に供給されて、上述の如き遅延がなされ(第4図L〜R
参照)、この結果オア回路(8C)〜(8E)の出力側には、第
4図S〜Uに夫々示すような信号S1820が取り出さ
れ、これ等の信号S18,S19及びS20によって、実質的
にヘッド(1A),(1B)によるパイロット信号P,消去用信
号E及び消去用信号Eの記録開始基準が夫々決められ
る。
信号S18,S19及びS20は夫々記録波形発生回路(7),
(7A)及び(7B)に供給され、記録波形発生回路(7)は、供
給された信号S18に同期して発振器(6)からのパイロッ
ト信号Pを第4図Sに示すような所定間隔をせって所定
時間tPだけ通すようになり、また、記録波形発生回路
(7A)は、供給された信号S19に同期して発振器(6B)から
の消去用信号Eを第4図Tに示すような所定間隔をも
って実質的に所定時間tPだけ通すようになり、更に、
記録波形発生回路(7B)は、供給された信号S20に同期し
て発振器(6A)からの消去用信号Eを第4図Uに示すよう
な所定間隔をもって所定時間 だけ通すようになる。
記録波形発生回路(7),(7A)及び(7B)からの出力信号は
オア回路(8F)で加算され、もってその出力側には第4図
Vに示すような信号S21が取り出される。
因みにこのとき、例えばヘッド(1B)が第3図におけるト
ラック(5B2)を記録している場合を考えると、第4図S
における信号S18の第1、第2及び第3パルスは夫々パ
イロット信号PA2,PA4及びPA6に対応し、第4図Tに
おける信号S19の第1、第2及び第3パルスは、消去用
信号EA2,EA4の両側及び消去用信号EA6の一側に夫々
隣接する消去用信号Eに対応し、また、第4図Uにお
ける信号S20の第1、第2及び第3パルスは夫々上記E
に隣接する消去用信号EA2,EA4及びEA6に対応し、
これ等各信号の配列に対応した信号すなわちPA2
,EA2,EとPA4,E,EA4,EとEA6,E
,PA6の合成信号が夫々グループ毎にオア回路(8F)の
出力側に取り出されることになる。
また、例えばヘッド(1A)が第3図におけるトラック(5
A2)を記録している場合を考えると、第4図Sにおける
信号S18の第1、第2及び第3パルスは夫々パイロット
信号PB2,PB4及びPB6に対応し、第4図Tにおける信
号S19の第1、第2及び第3パルスは、消去用信号
B2,EB4の一側及び消去用信号EB6の両側に夫々隣接
する消去用信号Eに対応し、また、第4図Uにおける
信号S20の第1、第2及び第3パルスは夫々上記E
隣接する消去用信号EB2,EB4及びPB6に対応し、これ
等各信号の配列に対応した信号すなわちEB2,E,P
B2とEB4,E,PB4とPB6,E,EB6,Eの合成
信号が夫々グループ毎にオア回路(8F)の出力側に取り出
されることになる。
一方、タイミング信号発生回路(10)からは、パルス発生
器(11)からのパルスPGに応答して第4図Aに示すよう
な切換信号Sが発生されており、この信号Sは回転
ヘッド(1A)(1B)の回転に同期しており、第4図A及びB
に示すように、信号Sがハイレベルであるヘッドの半
回転期間t内においてヘッド(1A)がテープ(2)に当接
し、信号Sがローレベルである半回転期間t内にお
いてヘッド(1B)がテープ(2)に当接するような関係とさ
れる。そして、スイッチ回路(9)は切換信号Sによ
り、期間tでは図の状態に、期間tでは図の状態と
は逆の状態に、夫々切換えられ、ヘッド切換えがなされ
る。
従って、オア回路(8F)の出力側に得られた信号S21は、
スイッチ回路(9)が図の状態とは逆の状態にあるとき
は、アンプ(14B)及びスイッチ回路(15B)のR側を通って
ヘッド(1B)へ供給され、期間t内のヘッド(1B)のテー
プ(2)への当接期間の始め,中央及び終りで、第3図に
示すように、トラック(5B)の長手方向の中心位置から等
距離l(T相当)だけ離れたトラック(5B)の長手方向
の両端部分に設けられたトラッキング用信号の記録領域
T1及びAT2に夫々時間 の間記録され、更にトラック(5B)の中央部分に設けられ
た同様の記録領域AT3に時間 の間記録される。
一方スイッチ回路(9)が図の状態にあるときは、信号S
17は、アンプ(14A)及びスイッチ回路(15A)のR側を通っ
てヘッド(1A)へ供給され、期間t内のヘッド(1A)のテ
ープ(2)への当接期間の始め,中央及び終りで、同図に
示すように、トラック(5A)の長手方向の中心位置から等
距離l(T相当)だけ離れたトラック(5A)の長手方向
の両端部分に設けられた上述同様の記録領域AT1及びA
T2に夫々時間 の間記録され、更にトラック(5A)の中央部分に設けられ
た同様の記録領域AT3に夫々時間 の間記録される。
また、これ等のパイロット信号及び消去用信号が記録さ
れる時間以外では、図示せずも1本のトラックとして記
録すべき1セグメント部分のオーディオPCM信号が、
期間tではアンプ(14A)を通じてヘッド(1A)に供給さ
れ、期間tではアンプ(14B)を通じてヘッド(1B)に供
給されて夫々各トラック(5A)(5B)の上述したパイロット
信号の記録領域以外の記録領域AP1及びAP2に記録され
る。
次に以上のように記録された信号の再生について説明す
る。
この再生時においても、モータ(12)には記録時と同様に
して位相サーボ回路(13)によりドラム位相サーボがかけ
られている。
先ず、ノーマル再生時においては、回転ヘッド(1A)及び
(1B)によりテープ(2)から取り出された信号は、夫々ス
イッチ回路(15A)の接点P側とアンプ(18A)及びスイッチ
回路(15B)の接点P側とアンプ(18B)を介してスイッチ回
路(19)に供給される。このスイッチ回路(19)はタイミン
グ信号発生回路(10)からの第5図Aに示すような30Hzの
切換信号S′により記録時と同様にヘッド(1A)のテー
プ当接期間を含む半回転期間tと、ヘッド(1B)のテー
プ当接期間を含む半回転期間tとで交互に切り換えら
れる。したがって、このスイッチ回路(19)からは第5図
Iのような1セグメントずつの間欠的なPCM信号S
が得られ、これが図示せずも再生プロセッサに供給され
てもとのPCM信号に復調され、更にデコーダに供給さ
れてブロック同期信号によりブロック毎のデータが検出
されるとともに誤り訂正、デ・インターリーブ等の処理
がなされ、D/Aコンバータでアナログオーディオ信号
に戻されて出力側に導出される。
トラッキングコントロールは次のようにしてなされる。
今、例えばヘッド(1B)が第3図において一定鎖線をもっ
て示すようなトラック(5B2)を含む走査幅Wの範囲を走
査するとすると、ヘッド(1B)はこのトラック(5B2)の両
隣りのトラック(5A2)(5A1)にまたがって走査し、第3図
に示すように領域AT1においてはトラック(5B2)のパイ
ロット信号PA2と、両隣りのトラック(5A2)のパイロッ
ト信号PB2及びトラック(5A1)のパイロット信号PB1
を再生し、領域AT3においてはトラック(5B2)のパイロ
ット信号PA4と、両隣りトラック(5A2)のパイロット信
号PB4及びトラック(5A1)のパイロット信号PB3とを再
生し、領域AT2においては両隣りのトラック(5A2)のパ
イロット信号PB6及びトラック(5A1)のパイロット信号
B5と、トラック(5B2)のパイロット信号PA6とを再生
する。このときスイッチ回路(19)からのヘッド(1B)の再
生出力は通過中心周波数の狭帯域のバンドパルフィ
ルタ(20)に供給されて、第5図Jに示すようにその出力
としてはパイロット信号のみが取り出され、これが
ピークホールド回路(21)に供給される。
また、スイッチ回路(19)の出力Sがバンドパスフィル
タ(29)に供給され、こゝで周波数の第5図Kに示す
ような消去用信号S39が取り出される。この信号は波形
整形回路(30)に供給されて第5図Lに示すような信号S
22とされ、その後立ち上り検出回路(31)に供給され、こ
ゝでその立ち上りが検出されてゲート回路(331)〜(336)
に供給される。
また、ウインド信号発生回路(34)からは、タイミング信
号発生回路(10)からの第5図Bに示すような信号S
応答して、第5図C〜Hに示すようなウインド信号SW1
〜SW6が順次発生されてゲート回路(331)〜(336)にゲー
ト信号として供給されており、従って、これ等ゲート回
路の出力側には、ウインド信号SW1〜SW6の各期間中に
入った信号のみが実質的に取り出され、結果としてゲー
ト回路(331)〜(336)の出力側にあるオア回路(35)の出力
側には、第5図Mに示すように、信号S22すなわち消去
用信号S(期間t中ではEA2,EA4,EA6、期間t
中ではEB2,EB4,EB6)の始端に一致した狭幅の信
号S23が得られる。
この信号S23は遅延回路(36)に供給される。ところが、
このノーマル再生時には信号S23はサンプリングしよう
とするパイロット信号の中央付近に一致しているので遅
延する必要はなく、従ってこの時選択器(37)による遅延
回路(36)に対する遅延時間の設定はなされず、遅延回路
(36)は、第5図Nに示すように、信号S23に一致した信
号S24を順次発生する。
この信号S24はパルス発生回路(43)に供給され、ここで
信号S24に基づいて第5図Oに示すように、検出しよう
とする各パイロット信号に対応した一対のパルスPiが
形成され、サンプリングパルス発生回路(44)及びピーク
ホールド回路(21)に供給される。そして、サンプリング
パルス発生回路(44)からは、パルスPiに基づいて、第
5図P及びQに示すようなサンプリングパルスSP
びSPが発生されると共に図示せずもSPに続く第
3のサンプリングパルスSPが発生されて、夫々サン
プリングホールド回路(22),(60)及び(24)に供給され
る。
このようにして得られたパルスPiがピークホールド回
路(21)に供給されると共にこのパルスPiに基づいて形
成されたサンプリングパルスSP,SP及びSP
が夫々サンプリングホールド回路(22),(60)及び(24)に
供給されることになる。
従って、ヘッド(1B)でトラック(5B2)を走査中には、第
5図からも明らかなように、パルスPiの第1のパルス
i1は矢印(4T)(第3図)で示す移送方向とは逆側の隣
接トラック(5A2)のパイロット信号PB2,PB4及びPB6
のクロストークをピークホールド回路(21)においてピー
クホールドする状態となり、このときのピークホールド
回路(21)の出力がサンプリングホールド回路(22)に供給
され、こゝで第1のパルスPi1の立ち下りで発生される
サンプリングパルスSPによりサンプリングされ、進
み位相のトラッキング信号として減算器(23)の一方の入
力端に供給される。
また、パルスPiの第2のパルスPi2はテープ移送方向
側の隣接トラック(5A1)のパイロット信号PB1,PB3
びPB5のクロストークをピークホールド回路(21)におい
てピークホールドする状態となり、このときのピークホ
ールド回路(21)の出力がサンプリングホールド回路(60)
に供給され、こゝで第2のパルスPi2の立ち下りで発生
されるサンプリングパルスSPによりサンプリングさ
れ、遅れ位相のトラッキング信号として減算器(23)の他
方の入力端に供給され、したがって、減算器(23)はパイ
ロット信号PB2とPB1、PB4とPB3、PB6とPB5のクロ
ストークに夫々対応したトラッキング信号を順次減算す
る。そして減算器(23)からの減算出力信号が乗算器(64)
の一方の入力端に供給される。
また、サンプリングホールド回路(22),(60)の各出力が
加算器(61)に供給されて加算され、その加算出力が割算
器(63)に供給され、加算出力により基準信号発生回路(6
2)からの基準信号が割算されて乗算器(64)の他方の入力
端に供給される。この結果、乗算器(64)の出力側には、
テープや回転ヘッドのバラツキ等によってパイロット信
号のクロストークにレベル変動があっても、常に一定レ
ベルの出力が得られる。
このことを第9図及び第10図を参照して詳述する。第9
図はトラッキングの位相と、パイロット信号のクロスト
ーク出力の関係の一例を示すもので、同図において、f
P1はサンプリングホールド回路(22)側に得られるクロス
トーク、fP2はサンプリングホールド回路(60)側に得ら
れるクロストークを夫々表わしている。トラッキングの
位相が0度の時回転ヘッドはトラック上をずれることな
く正確に走査しており、この0度を中心にして+側にず
れると、クロストークfP2は徐々に増大して位相90度近
くになると再び低下するようになり、一方クロストーク
P1は徐々に低下して位相が45度で零となる。また、0
度を中心にして一側にずれると、クロストークfP1は徐
々に増大して位相−90度近くになると再び低下するよう
になり、一方クロストークfP2は徐々に低下して位相が
−45度で零となる。
ところが、テープや回転ヘッド等がバラツクと、サンプ
リングホールド回路(22)及び(60)の出力側に得られるク
ロストークの量は変化し、例えば1/2になる場合も考え
られる。その時のサンプリングホールド回路(22)及び(6
0)の出力側に得られるクロストークを夫々fP1′及びf
P2′とすると、トラッキングの位相に対して第9図に夫
々一点鎖線で示すような変化をする。すなわち、クロス
トークfP1及びfP2より丁度1/2レベルが低下した変化
の仕方である。
そして、これ等クロストークfP1とfP2及びfP1′とf
P2′の差、つまり減算器(23)の出力を見ると、夫々第10
図に実線a及び鎖線bで示すような変化となる。従っ
て、このような特性を成す出力をそのまゝ出力端子(26)
側のサーボ系へ帰還すると、実線a及び鎖線bで示す特
性の差は、サーボ特性(サーボ利得)の差となる。よっ
て、テープや回転ヘッド等のバラツキが著しい場合に
は、サーボ系が発振したり、外乱を押さえきれなくなっ
て、目標とするサーボ特性を満足できなくなる等の不都
合を生じるおそれがある。
そこで、この発明では、減算器(23)の出力をそのまゝサ
ーボ系へ帰還しないで、その出力に或る値を乗算して帰
還するようにする。すなわちサンプリングホールド回路
(22)及び(60)の出力側に得られるクロストークfP1とf
P2(又はfP1′とfP2′)を加算器(61)で加算して減算
器(63)に供給し、こゝで基準信号発生回路(62)からの基
準信号を供給された加算出力で割算し、乗算器(64)に供
給して減算器(23)からの減算出力と乗算するわけであ
る。
いま、これをfP1,fP2に関して表わすと次式で表わさ
れる。
上記(1)式において、Refは基準信号発生回路(62)から
の基準信号のレベル、(fP1+fP2)は加算器(61)の出
力レベル(第9図に破線で示す)、(fP1−fP2)は減
算器(23)の出力レベルである。そして、上記(1)式にお
いて、トラッキングの位相が−45度以下では、第9図か
らもわかるように、fP2=0であるので上記(1)式は となる。また、トラッキング位相が45度以上ではfP1
0であるので、上記(1)式は となる。また、トラッキングの位相が−45度から45度の
間では、第9図からもわかるように、(fP1+fP2)が
略Refに等しいので、上記(1)式は となる。すなわち、トラッキングの位相が−45度以下と
45度以上では乗算器(64)の出力は夫々Ref,−Refに固
定され、−45度から45度の間では(fP1−fP2)に関連
して直線的に変化する。これを図示すると、第10図の破
線cのように表わされる。また、このことはクロストー
クが1/2に低下したfP1′,fP2′に付いても同様のこ
とが云える。
従って、クロストークの出力が変化してもサーボ利得が
一定になるいわゆるAGC回路が実現できる。
このようにして乗算器(64)の出力側に得られた一定出力
はサンプリングホールド回路(24)に供給され、こゝでサ
ンプリングパルス発生回路(44)からサンプリングパルス
SPの後に発生されるサンプリングパルスSPによ
ってサンプリングホールドされる。したがって、サンプ
リングホールド回路(24)からは乗算器(64)の乗算出力が
トラッキング制御信号として得られ、これがスイッチ回
路(25)の接点a側を介して出力端子(26)より図示しない
がキャプスタンモータに供給されてテープの移送量が制
御されて、ヘッド(1B)がトラック(5B2)を走査すると
き、両側の2本のトラック(5A2)及び(5A1)にそれぞれ同
じ量だけまたがるように制御される。すなわち、ヘッド
(1B)のギャップの幅方向の中心位置がトラック(5B2)の
中心位置に一致して走査するように制御される。
また、その他のトラックに付いても同様に行われ、例え
ばトラック(5A2)をヘッド(1A)が走査するときは、第5
図の右側部分に示すように、その両隣りのトラック(5
B3)及び(5B2)のパイロット信号PA7,PA9,PA11及び
A2,PA4,PA6のクロストークが得られるからこの等
を上述同様ピークホールド回路(21)で順次ピークホール
ドし、サンプリングパルス発生回路(44)からサンプリン
グホールド回路(22)に供給されるサンプリングパルスS
によりパイロット信号PA7,PA9,PA11のクロス
トークをサンプリングしてトラッキング信号を得ると共
にサンプリングホールド回路(60)に供給されるサンプリ
ングパルスSPによりパイロット信号PA2,PA4,P
A6のクロストークをサンプリングしてトラッキング信号
を得る。そして減算器(23)及び加算器(61)でパイロット
信号PA7とPA2、PA9とPA4、PA11とPA6のクロスト
ークに夫々対応したトラッキング信号を減算及び加算
し、減算出力はそのまゝ乗算器(64)に供給し、加算出力
は割算器(63)で基準信号を割算した後、乗算器(64)に供
給する。そして乗算器(64)からの乗算出力をサンプリン
グホールド回路(24)に供給されるサンプリングパルスS
でサンプリングすることにより、ヘッド(1A)に対す
るトラッキング制御信号を得ることができる。
また、同様にしてトラック(5B3)をヘッド(1B)が走査す
るときには、第3図に示すように、その両隣りのトラッ
ク(5A3)及び(5A2)のパイロット信号PB7,PB9,PB11
及びPB2,PB4,PB6のクロストークが得られるから、
パイロット信号PB7,PB9,PB11のクロストークをサ
ンプリングパルスSPでサンプリングすると共にパイ
ロット信号PB2,PB4,PB6のクロストークをサンプリ
ングパルスSPでサンプリングし、減算器(23)及び加
算器(61)で、パイロット信号PB7とPB2、PB9とPB4
B11とPB6のクロストークに夫々対応したトラッキン
グ信号を減算及び加算し、減算出力と、加算出力で基準
信号を割算した出力との乗算出力を最終的にサンプリン
グパルスSPでサンプリングすることにより、ヘッド
(1B)に対するトラッキング制御信号を得ることができ
る。
次に、2倍速再生時においては、第3図に破線Tで示
すような位置を回転ヘッドのギャップ幅の中心が通るよ
うに走査する。つまり、記録時アジマス角の異なる2個
の回転ヘッドで形成された隣接する2本の記録トラック
(5A)(5B)の一方例えばトラック(5B)を各回転ヘッド(1A)
(1B)のテープ当接期間の前半で走査し、他方例えばトラ
ック(5A)をその後半で走査するようにする。
このような走査の仕方で、回転ヘッド(1A)及び(1B)によ
りテープ(2)から取り出された信号は、夫々スイッチ回
路(15A)の接点P側とアンプ(18A)及びスイッチ回路(15
B)の接点P側とアンプ(18B)を介してスイッチ回路(19)
に供給される。このスイッチ回路(19)はタイミング信号
発生回路(10)からの第6図Aに示すような30Hzの切換信
号S′により記録時と同様にヘッド(1A)のテープ当接
期間を含む半回転期間tと、ヘッド(1B)のテープ当接
期間を含む半回転期間tとで交互に切り換えらえる。
したがって、このスイッチ回路(19)からは第6図Gのよ
うな1セグメントずつの間欠的なPCM信号Sが得ら
れ、これが図示せずも再生プロセッサに供給されてもと
のPCM信号に復調され、更にデコーダに供給されてブ
ロック同期信号によりブロック毎のデータが検出される
とともに誤り訂正、デ・インターリーブ等の処理がなさ
れ、D/Aコンバータでアナログオーディオ信号に戻さ
れて出力側に導出される。
トラッキングコントロールは次のようにしてなされる。
今、例えばヘッド(1B)が第3図において2本のトラック
(5A2)(5A3)にまたがって破線Tで示すような方向に走
査するとすると、ヘッド(1B)は第3図に示すように領域
T1においてはトラック(5B3)のパイロット信号P
A7と、トラック(5B2)のパイロット信号PA2及びトラッ
ク(5A2)のパイロット信号PB2とを再生し、領域AT3
おいてはトラック(5B3)のパイロット信号PA9と、トラ
ック(5B2)のパイロット信号PA4と、トラック(5A2)のパ
イロット信号PB4とを再生し、領域AT2においてはトラ
ック(5A3)のパイロット信号PB11,トラック(5A2)のパ
イロット信号PB6と、トラック(5B3)のパイロット信号
A11とを再生する。このときスイッチ回路(19)からの
ヘッド(1B)の再生出力は通過中心周波数の狭帯域の
バンドパスフィルタ(20)に供給されて、第6図Hの左側
部分に示すようにその出力Sとしてはパイロット信号
のみが取り出され、これがピークホールド回路(21)に供
給される。
また、例えばトラック(5A3)と(5B4)の2本のトラックを
第3図に破線Tで示すような方向にヘッド(1A)が走査
するときは、同図に示す領域AT1においてはトラック(5
B4)のパイロットPA8と、トラック(5B3)のパイロット信
号PA7及びトラック(5A3)のパイロット信号PB7とを再
生し、領域AT3においてはトラック(5B4)のパイロット
信号PA10と、トラック(5B3)のパイロット信号PB9とを
再生し、領域AT2においてはトラック(5A4)のパイロッ
ト信号PB12,トラック(5A3)のパイロット信号PB11
びトラック(5B4)のパイロット信号PA12とを再生する。
このとき、スイッチ回路(14)からのヘッド(1A)の再生出
力はバンドパスフィルタ(20)に供給されて、第6図Hの
右側部分に示すようにその出力Sとしてはパイロット
信号のみが取り出され、これが、同時にピークホールド
回路(21)に供給される。
また、スイッチ回路(19)の出力Sがバンドパスフィル
タ(29)に上述同様供給され、こゝで第6図Iに示すよう
な消去用信号S(期間t中では代表的にはEA7,E
A9,EA11,期間t中では代表的ははEB7,EB9,E
B11)が取り出される。この信号Sは波形整形回路(3
0)に供給されて第6図Jに示すような信号S22とされ、
その後立ち上り検出回路(31)に供給され、こゝでその立
ち上りが検出されてゲート回路(331)〜(336)に供給され
る。
また、2倍速再生時にはモード設定回路(32)からの設定
指令信号によりウインド信号発生回路(34)からは、第6
図C及びFに示すようなウインド信号SW2及びSW5が発
生されてゲート回路(332)及び(335)にゲート信号として
供給されており、従ってゲート回路(332)及び(335)の出
力側には、ウインド信号SW2及びSW5の期間中に入った
信号S22の立ち上りのみが実質的に取り出され、結果と
してゲート回路(332)及び(335)の出力側にあるオア回路
(35)の出力側には、第6図Kに示すように、信号S22
立ち上りに夫々一致した狭幅の信号S23が得られる。
この信号S23は遅延回路(36)に供給される。また、この
時選択器(37)において遅延時間設定回路(38)が選択され
て遅延時間taが遅延回路(36)に対して設定される。遅
延回路(36)は、期間t中では、第6図Lの左側部分に
示すように、信号S23より時間taだけ遅延した信号S
24を発生し、期間tでは第6図Lの右側部分に示すよ
うに、信号S23に一致した信号S24を発生する。
この信号S24はパルス発生回路(43)に供給され、ここで
信号S24に基づいて第6図Mに示すように、検出しよう
とする各パイロット信号に対応したパルスPiが形成さ
れ、サンプリングパルス発生回路(44)及びピークホール
ド回路(21)に供給される。
なお、この2倍速再生時では、期間t及びtの両期
間すなわちヘッドの1回転期間で始めて1つのトラッキ
ングエラー信号を得るようにしている。
そこで、こゝでは、例えば期間tではパルス発生回路
(43)からのパルスPiの第1のパルスPi1により走査中
のトラックの中央領域で最後に現われるパイロット信
号、つまりヘッド(1B)がトラック(5A2)と(5B3)にまたが
って走査する時は第6図H及びMに示すようにトラック
(5A2)のパイロット信号PB4のクロストークをピークホ
ールド回路(21)でピークホールドし、一方期間tでは
パルス発生回路(43)からのパルスPiの第2のパルスP
i2により走査中のトラックの中央領域で最初に現われる
パイロット信号、つまりヘッド(1A)がトラック(5A3)と
(5B4)にまたがって走査する時は第6図H及びMに示す
ようにトラック(5B4)のパイロット信号PA10のクロスト
ークをピークホールドするようにする。
従って、このモードではパルス発生回路(43)はヘッドの
一方の走査期間例えば期間tではパルスPiの第1の
パルスPi1のみを発生し、ヘッドの他方の走査期間例え
ば期間tではパルスPiの第2のパルスPi2のみを発
生するようにする。
そして、上述の如く例えばヘッド(1B)が2本のトラック
(5A2),(5B3)にまたがって走査するときは、領域AT3
おけるパイロット信号PB4のクロストークがパルス発生
回路(43)のパルスPiの第1のパルスPi1(第6図M)
でピークホールド回路(21)においてピークホールドさ
れ、この時のピークホールド回路(21)の出力がサンプリ
ングパルス発生回路(44)からのサンプリングパルスSP
(第6図N)によりサンプリングホールド回路(22)に
おいてサンプリングされてノーマル再生時のトラッキン
グエラー信号との極性を同じくするために、減算器(23)
の他方の入力端及び加算器(61)に供給される。
また、ヘッド(1A)が2本のトラック(5A3)と(5B4)の2本
のトラックにまたがって走査するとき、領域AT3におけ
るパイロット信号PA10のクロストークがパルス発生回
路(43)のパルスPiの第2のパルスPi2(第6図M)で
ピークホールド回路(21)においてピークホールドされ、
この時のピークホールド回路(21)の出力がサンプリング
パルス発生回路(44)からのサンプリングパルスSP
(第6図O)によりサンプリングホールド回路(66)に
おいてサンプリングされて、減算器(23)の一方の入力端
及び加算器(61)に供給される。
そして、減算出力と、加算出力で基準信号を割算した出
力との乗算出力がサンプリングホールド回路(24)におい
てサンプリングパルス発生回路(44)からのサンプリング
パルスSP(図示せずもパルスPiの第3のパルスP
i3(図示せず)に対応して発生される)によりサンプリ
ングされ、トラッキング制御信号としてスイッチ回路(2
5)の接点a側を介して出力端子(26)に導出される。
この導出された制御信号はキャプスタンモータに供給さ
れてテープの移送量が制御されて、ヘッド(1B)がトラッ
ク(5A2)と(5B3)、またヘッド(1A)がトラック(5A3)と(5B
4)の夫々2本のトラックにわたって走査するとき、第3
図に破線Tで示すような走査軌跡を回転ヘッドが描く
ように制御される。
なお、上述の2倍速再生時においては、走査中のトラッ
クの中央領域に記録されているパイロット信号のクロス
トークを利用する場合であるが、第6図P〜Rに示すよ
うに、走査中のトラックの端部に記録されているパイロ
ット信号のクロストークを利用してもよい。
例えば、期間tでは走査中のトラックの終り領域で最
後に現われるパイロット信号PA11のクロストークを、
ピークホールド回路(21)において、第6図Pに示すよう
なパルスPiの第1のパルスPi1でピークホールドし、
一方期間tでは走査中のトラックの始め領域で最後に
現われるパイロット信号PB7のクロストークを、ピーク
ホールド回路(21)において、第6図Pに示すようなパル
スPiの第2のパルスPi1でピークホールドするように
する。
そして期間tで、ピークホールド回路(21)の出力を、
サンプリングホールド回路(22)において、サンプリング
パルス発生回路(44)からの第6図Qに示すようなサンプ
リングパルスSPによりサンプリングしてノーマル再
生時と同様減算器(23)の一方の入力端及び加算器(61)に
供給し、一方期間tで、ピークホールド回路(21)の出
力を、サンプリングホールド回路(60)において、サンプ
リングパルス発生回路(44)からの第6図Qに示すような
サンプリングパルスSPによりサンプリングして減算
器(23)の他方の入力端及び加算器(61)に供給し、減算出
力と、加算出力で基準信号を割算した出力との乗算出力
を、サンプリングホールド回路(24)において、サンプリ
ングパルス発生回路(44)からのサンプリングパルスSP
によりサンプリングし、これをトラッキング制御信号
として出力端子(26)側へ導出するようにする。
なお、この際には、モード設定回路(32)からの設定指令
信号により、ウインド信号発生回路(34)からは、第6図
D及びEに示すようなウインド信号SW3及びSW4を発生
させて、これ等の信号SW3及びSW4の期間中に入った信
号S22の立ち上りのみを取り出し、オア回路(35)の出力
側に信号S23(第6図K)を得るようにする。
また、このとき、選択器(37)では、設定回路(39)を選択
して遅延時間tbを遅延回路(36)に対して設定し、その
出力側に信号S23より時間tbだけ遅延した信号S
24(第6図L)を発生し、これをパルス発生回路(43)に
供給し、上述の第6図Pに示すようなパルスPiを得る
ようにする。
また、3倍速再生時においては、隣接するトラック(5A)
(5B)がアジマス角の異なるものであっても、3トラック
ピッチで回転ヘッド(1A)(1B)が交互に走査するから、2
倍速の場合のようにヘッドがアジマスの異なるトラック
を走査することにならない。そこで、この例では第3図
に二点鎖線Tで示すような走査軌跡を回転ヘッドが描
くように制御する。
今、例えばヘッド(1B)が第3図において二点鎖線T
もって示すようなトラック(5B3)を含む走査幅Wの範囲
を走査するとすると、ヘッド(1B)はこのトラック(5B3)
の両隣りのトラック(5A3)(5A2)にまたがって走査し、第
3図に示すように領域AT1においてはトラック(5B3)の
パイロット信号PA7と、両隣りのトラック(5A3)のパイ
ロット信号PA7と、両隣りのトラック(5A3)のパイロッ
ト信号PB7及びトラック(5A2)のパイロット信号PB2
を再生し、領域AT2においては両隣りのトラック(5A3)
のパイロット信号PB11及びトラック(5A2)のパイロット
信号PB6と、トラック(5B3)のパイロット信号PA11とを
再生する。このときスイッチ回路(19)からのヘッド(1B)
の再生出力は通過中心周波数の狭帯域のバンドパス
フィルタ(20)に供給されて、第7図Jに示すようにその
出力Sとしてはパイロット信号のみが取り出され、こ
れがピークホールド回路(21)に供給される。
また、スイッチ回路(19)の出力Sがバンドパスフィル
タ(29)に上述同様供給され、こゝで第7図Kに示すよう
な消去用信号S(代表的にはEA7,EA9,EA11)が
取り出される。この信号Sは波形整形回路(30)に供給
されて第7図Lに示すような信号S22とされ、その後立
ち上り検出回路(31)に供給され、こゝで、その立ち上り
が検出されてゲート回路(331)〜(336)に供給される。
また、3倍速再生時にはモード設定回路(32)からの設定
指令信号によりウインド信号発生回路(34)からは、第7
図D及びGに示すようなウインド信号SW2及びSW5が発
生されてゲート回路(332)及び(335)にゲート信号として
供給されており、従って、これ等ゲート回路の出力側に
は、ウインド信号SW2及びSW5の各期間中に夫々入った
信号S22の立ち上りのみが実質的に取り出され、結果と
してゲート回路(332)及び(335)の出力側にあるオア回路
(35)の出力側には、第7図Mに示すように、信号S22
立ち上りに一致した狭幅の信号S23が得られる。
この信号S23は遅延回路(36)に供給される。ところが、
この場合ノーマル再生時同様信号S23はサンプリングし
ようとするパイロット信号の中央付近に一致しているの
で遅延する必要はなく、従ってこの時選択器(37)による
遅延回路(36)に対する遅延時間の設定はなされず、遅延
回路(36)は、第7図Nに示すように、信号S23に一致し
た信号S24を発生する。
この信号S24はパルス発生回路(43)に供給され、ここで
信号S24に基づいて第7図Oに示すように、検出しよう
とする各パイロット信号に対応した一対のパルスPiが
形成され、サンプリングパルス発生回路(44)及びピーク
ホールド回路(21)に供給される。そして、サンプリング
パルス発生回路(44)からは、一対のパルスPiに基づい
て第7図P及びQに示すようなサンプリングパルスSP
及びSPが発生されると共に図示せずもSPに続
く第3のサンプリングパルスSPが発生されて、夫々
サンプリングホールド回路(22),(60)及び(24)に供給さ
れる。
従って、ヘッド(1B)でトラック(5B3)を走査中には、第
7図からも明らかなように、パルスPiの第1のパルス
i1は矢印(4T)(第3図)で示す移送方向とは逆側の隣
接トラック(5A3)のパイロット信号PB9のクロストーク
をピークホールド回路(21)においてピークホールドする
状態となり、このときのピークホールド回路(21)の出力
がサンプリングホールド回路(22)に供給され、こゝで第
1のパルスPi1の立ち下りで発生されるサンプリングパ
ルスSPによりサプリングされ、進み位相のトラッキ
ング信号としてノーマル再生時と同様減算器(23)の一方
の入力端及び加算器(61)に供給される。
また、パルスPiの第2のパルスPi2はテープ移送方向
側の隣接トラック(5A2)のパイロット信号PB4のクロス
トークをピークホールド回路(21)においてピークホール
ドする状態となり、このときのピークホールド回路(21)
の出力がサンプリングホールド回路(60)に供給され、こ
ゝで、第2のパルスPi2の立ち下りで発生されるサンプ
リングパルスSPによりサンプリングされ、減算器(2
3)の他方の入力端及び加算器(61)に遅れ位相のトラッキ
ング信号として供給される。従って、減算器(23)及び加
算器(60)はパイロット信号PB9とPB4のクロストークに
それぞれ対応したトラッキング信号を減算及び加算す
る。そして、減算出力と、加算出力で基準信号を割算し
た出力との乗算出力がサンプリングホールド回路(24)に
供給され、こゝでサンプリングパルスSPによりサン
プリングされる。
したがって、このサンプリングホールド回路(24)から
は、乗算器(64)の出力がトラッキング制御信号として得
られ、これがスイッチ回路(25)の接点a側を介して出力
端子(26)より図示しないがキャプスタンモータに供給さ
れてテープの移送量が制御されて、中央の領域AT3のパ
イロット信号PB9とPB4を用いてヘッド(1B)が第3図に
二点鎖線Tで示すような走査軌跡を描くように制御さ
れる。
また、その他のトラックに付いても同様に行われ、例え
ばトラック(5B3)より3トラック後のトラック(5A4)をヘ
ッド(1A)が第3図の二点鎖線Tの如く走査するとき
は、第7図Jの右側部分に示すように、トラック(5A4)
のパイロッ信号PB8,PB10,PB12と、その両隣りのト
ラック(5B5)及び(5B4)のパイロット信号PA13,PA15
A17及びPA8,PA10,PA12のクロストークが得られ
るからこれ等のうち両隣りのトラック(5B5)及び(5B4)の
中央部分(領域AT3)に記録されているパイロット信号
A15及びPA10のクロストークをピークホールド回路(2
1)で順次ピークホールドし、サンプリングパルス発生回
路(44)からサンプリングホールド回路(22)に供給される
サンプリングパルスSPによりパイロット信号PA15
のクロストークをサンプリングしてトラッキング信号を
得、これを次段の減算器(23)及び加算器(61)に供給する
と共にパイロッ信号PA10のクロストークに対応したピ
ークホールド回路(21)よりの出力をサンプリングホール
ド回路(60)に供給してサンプリングパルスSPにより
サンプリングしてトラッキング信号を得、これを減算器
(23)及び加算器(61)に供給する。そして、こゝで、パイ
ロット信号PA15とPA10のクロストークに夫々対応した
トラッキング信号を減算及び加算し、減算出力と、加算
出力で基準信号を割算した出力との乗算出力をサンプリ
ングホールド回路(24)に供給されるサンプリングパルス
SPでサンプリングすることにより、ヘッド(1A)に対
するトラッキング制御信号を得ることができる。
なお、上述の3倍速再生時においては、走査中のトラッ
クの中央領域に記録されているパイロット信号のクロス
トークを利用する場合であるが、第7図R〜Tに示すよ
うに、走査中のトラックの端部に記録されているパイロ
ット信号のクロストークを利用してもよい。
例えば、期間tでは走査中のトラックの始め及び終り
領域で夫々最後及び最初に現われるパイロット信号PB2
及びPB11のクロストークをピークホールド回路(21)に
おいて第7図Rに示すようなパルスPiの第1のパルス
i1及び第2のパルスPi2でピークホールドし、一方期
間tでは走査中のトラックの始め及び終り領域で夫々
2番目に現われるパイロット信号PA8及びPA17のクロ
ストークを、ピークホールド回路(21)において、第7図
Rに示すようなパルスPiの第1のパルスPi1及び第2
のパルスPi2でピークホールドするようにする。
そして期間tで、ピークホールド回路(21)の出力(パ
イロット信号PB2に対応)を、サンプリングホールド回
路(22)においてサンプリングパルス発生回路(44)からの
第7図Tに示すようなサンプリングパルスSPにより
サンプリングして、ノーマル再生時のトラッキングエラ
ー信号との極性を同じにするため、減算器(23)の他方の
入力端及び加算器(61)に供給し、また、パイロット信号
B11に対応したピークホールド回路(21)の出力をサン
プリングホールド回路(60)に供給してサンプリングパル
ス発生回路(44)からの第7図Sに示すようなサンプリン
グパルスSPによりサンプリングして減算器(23)の一
方の入力端及び加算器(61)に供給する。そして減算出力
と、加算出力で基準信号を割算した出力との乗算出力
を、サンプリングホールド回路(24)において、サンプリ
ングパルス発生回路(44)からのサンプリングパルスSP
によりサンプリングし、これをトラッキング制御信号
として出力端子(26)側へ導出するようにする。また、期
間tにおいてもパイロット信号PA8及びPA17に対し
て同様の動作を行う。
なお、この際には、モード設定回路(32)からの設定指令
信号により、ウインド信号発生回路(34)からは、第7図
C,E及びF,Hに示すようなウインド信号SW1,SW3
及びSW4,SW6を発生させて、これ等のウインド信号の
期間中に入った信号S22の立ち上りのみを取り出し、オ
ア回路(35)の出力側に信号S23(第7図M)を得るよう
にする。
また、このとき、選択器(37)では、設定回路(38)を選択
して遅延時間taを遅延回路(36)に対して設定し、その
出力側に信号S23より時間taだけ遅延した信号S
24(第7図N)を発生し、これをパルス発生回路(43)に
供給し、上述の第7図Rに示すようなパルスPiを得る
ようにする。
また、本実施例では、上述の如く消去用信号Eの周波数
をアジマスロスの比較的多い値に予め選定して記録
するようにしているので、ヘッドからはそのアジマスと
走査中のトラックのアジマスとの関係は無視できなくな
り、アジマスが異なれば、つまり走査中のトラックより
ずれて隣接トラックに入るようになるとそれだけ消去用
信号Eのクロストーク成分は低減されたものとなる。
そこで、本実施例では、ヘッドのトラックずれ量が所定
範囲内では、上述の如くトラックずれ量に応じたトラッ
キングエラー出力を検出してトラッキング制御を行う通
常の動作を行い、このトラックのずれ量が所定範囲を越
すと、制御量をある一定の電位Vccに固定し、これによ
って強制的にヘッドをトラッキング制御するようにす
る。このときの比較対象となる基準値は、ヘッドが同ア
ジマスのトラックを走査している時の隣接トラックの消
去用信号E(逆アジマス)の再生出力と、ヘッドが逆ア
ジマスのトラックを走査している時の隣接トラックの消
去用信号E(同アジマス)の再生出力のうち、レベルの
高い方の再生出力より大きくなるように最小値を決定
し、ヘッドが同アジマスのトラックを走査している時の
そのトラックの消去用信号Eの再生出力より小さくなる
ように最大値を決定し、この最小値と最大値の範囲の任
意の所に基準値を設定するようにする。
更に、この基準値の設定に付いて詳述するに、通常ジッ
タ等の影響を考慮しないでこの基準値を設定するには、
例えば第3図において、ヘッド(1B)がトラック(5B2)を
ジャストトラッキングで走査する際に、最大値が同アジ
マスの消去用信号EA2の再生出力より小さく、また最小
値が隣接トラック(5A2)又は(5A1)の逆アジマスの消去用
信号EB2又はEB1の再生出力より大きく且つヘッド(1B)
が1トラック分ずれて逆アジマスのトラック(5A2)又は
(5A1)をジャストトラッキングで走査する時の隣接トラ
ック(5B3)又は(5B2)の消去用信号EA7又はEA2(共に同
アジマス)の再生出力又は隣接トラック(5B2)又は(5B1)
の消去用信号EA2又はEA1(共に同アジマス)の再生出
力より大きくなるよう決め、この最大値と最小値の範囲
内で基準値を設定すればよい。
ところが、例えばジッタ等の影響があると、本実施例の
如く消去用信号Eの記録時間が少くともパイロット信号
Pの記録時間より短かくないと 走査中のトラックに隣接する両トラックの消去用信号E
が一部重複してしまい、消去用信号Eの始端を検出でき
ないので、セルフクロックを形成出来ず、トラッキング
制御に誤動作を生じるおそれがある。
例えばジッタ等の影響により消去用信号EA7の終端部と
消去用信号EA2の始端部が重復するような関係になる
と、ヘッド(1B)が1トラック分ずれて逆アジマスのトラ
ック(5A2)をジャストトラッキングで走査したときに同
アジマスである消去用信号EA7とEA2の再生出力の加算
されたものが検出されることになる。従って、上述の如
く基準値の最小値の条件の1つであるEA7又はEA2の再
生出力より大きくなるように決めても誤動作の原因とな
り、よって、この場合、最小値は少くとも上述の消去用
信号EA7とEA2の再生出力の加算値より大きくする必要
があり、それだけ、比較回路(51)における基準値を設定
する範囲が狭くなることになる。
そこで、本実施例では、上述の如く消去用信号Eの記録
の仕方を、その始端が隣接トラックのパイロット信号P
の中央付近に位置するようにすると共に少くとも終端が
当該パイロット信号Pの終端付近で終るようにする、つ
まり消去用信号Eの記録時間が、少くともパイロット信
号Pの記録時間より短かくなるようにして、上述の消去
用信号E同士の重復を避けているわけである。従って、
本実施例では、これ等重復した消去用信号E同士の重復
をも考慮した基準値の設定をする必要がなくなり、最小
値の方を広くとれるので、たとえジッタ等の影響があっ
ても、基準値の設定範囲を大きくとれることになる。
因みに、本実施例では、基準値の最小値は、ヘッドが同
アジマスのトラックを走査している時の隣接トラックの
消去用信号E(逆アジマス)の再生出力と、ヘッドが1
トラック分ずれて逆アジマスのトラックを走査している
時の隣接トラックの消去用信号E(同アジマス)の再生
出力のうち、レベルの高い方の再生出力より大きくなる
ように決定し、最大値は上述同様決定してやればよい。
なお、時間 内のジッタの影響は機械的に十分吸収し得るようにして
おく。
従って、検出される消去用信号Eのクロストーク出力
が、この基準値を越えるようであれば、上述の如く信号
23が発生されて、これに基づいてサンプリングパルス
SP,SP,SPが形成されるも、基準値以下で
あればもはやヘッドは逆トラックを走査中で信号S23
発生されず、従ってサンプリングパルスSP,S
,SPも形成されない。
そこで、本実施例では基準値を境にして、消去用信号E
のクロストーク出力がこの値以下であれば、もはやヘッ
ドは大幅にトラックずれを起していると見做し、強制的
にヘッドを正しい位置へシフトしてやるようにする。
この動作を行うのが第1図に示す比較回路(51)以降の回
路である。次のこの回路動作を第8図を参照し乍ら説明
する。
いま、比較回路(51)の一方の入力側にフィルタ(29)から
の第8図Bに示すような信号Sが供給されると、この
信号Sは比較回路(51)の他方の入力側に供給される基
準電源(52)からの基準値と比較され、信号Sが基準値
より大きいと、比較回路(51)の出力側には第8図Cに示
すような信号S25が発生されてフリップフロップ回路(5
3)にラッチパルスとして供給される。一方、この信号S
25の発生に先だって立ち下り検出回路(54)により切換信
号S′(第8図D)の立ち下りが検出されてその出力
側に第8図Eに示すような信号S26が発生されてフリッ
プフロップ回路(53)が第8図Hに示すようにリセットさ
れる。また、フリップフロップ回路(53)の入力端子Dに
はインバータ(55)で反転された第8図Fに示すような切
換信号 が供給されており、従ってフリップフロップ回路(53)は
信号S25(ラッチパルス)が供給された時点でその出力
側に第8図Hに示すように高レベル(H)の信号S28
発生し、次段のフリップフロップ回路(57)に供給する。
また、立ち上り検出回路(56)により切換信号S′の立
ち上りが検出されて、その出力側に第8図Gに示すよう
な信号S27が出力され、フリップフロップ回路(57)のク
ロック端子に供給される。この時点でフリップフロップ
回路(57)の出力側には第8図Iに示すように高レベルの
信号S29が発生され、スイッチ回路(25)へ切換制御信号
として供給される。スイッチ回路(25)は、こゝでは信号
29が高レベルの時は接点a側に接続されるようになさ
れているので、もって出力端子(26)には、サンプリング
ホールド回路(24)側よりのトラッキング制御信号が導出
される。
一方、信号Sが基準値以下であれば、比較回路(51)の
出力側には信号S25は発生されないので、フリップフロ
ップ回路(53)は信号S26にリセットされたまゝで、その
出力信号S28は第8図Hに破線で示すように低レベル
(L)に維持されている。この状態ではフリップフロッ
プ回路(57)の出力信号S29も第8図Iに破線で示すよう
に高レベルにある。
そして、切換信号S′の立ち上りで検出回路(56)より
信号S27(第8図G)が供給されると、フリップフロッ
プ回路(57)の出力信号S29は第8図Iに破線で示すよう
に高レベルより低レルに変化し、この低レベルの信号S
29がスイッチ回路(25)に供給され、スイッチ回路(25)は
接点b側に切換わる。この結果出力端子(26)には端子(5
8)より一定の電位Vccをもった信号が導出され、この信
号が図示せずもキャプスタンサーボ系に供給され、トラ
ッキング制御がなされる。
例えば一定の電位Vccが正の場合、キャプスタンサーボ
系を介してテープの送りは早目られるので、実質的にヘ
ッドは自己のアジマスに対応した次のトラックに移って
正常なトラッキング動作を行い、また電位Vccが0の場
合、テープの送りは遅くさせられるので、実質的にヘッ
ドは現在走査中のトラックに引き戻されるような形とな
り、これによって正常なトラッキング動作に入ってゆく
ことになる。
このようにして、本実施例では、パイロット信号の消去
用信号Eをアジマスロスの比較的多い周波数のものと
し、これをパイロット信号の位置出し信号として兼用す
るようにしたので、いわゆるセルフクロックの抜き出し
の回路構成が簡略化されると共にその性能をも向上でき
る。
また、本実施例では、再生時、トラックの記録されてい
る消去用信号Eの再生出力の始端を実質的に基準として
パイロット信号を検出してサンプリングパルスを自己発
生する、つまり、サンプリングパルスとしてのセルフク
ロックを実質的にトラックパターン上から発生するよう
にしたので、オフセットの如きパルスPGを基準とした
場合の悪影響がなくなる。
また、アジマスロスの効く周波数を有する消去用信号E
のクロストーク出力が基準値以下のときは、強制的に一
定の電位に制御量を固定してヘッドのトラッキング制御
を行うようにしたので、精度の高いトラッキング制御が
可能となる。
また、各ヘッドの走査期間毎に上述の如くサンプリング
パルスを発生してトラッキング位置を検出する、つまり
サンプリングパルスとしてのセルフクロックを各ヘッド
が実質的にトラックパターン上でその都度発生し、1ト
ラック夫々トラッキング位置を検出するので、ジッタの
影響もなくなる。
更に各再生モードにおいて、パイロット信号の検出位置
は、実質的にそ消去用信号Eのエッジを利用するか、ま
たはこのエッジからの遅延時間を切換えてやればよいの
で、大部分の回路構成を共通化できる。
更にパイロット信号の位置を検出する消去用信号Eの始
端が隣接するトラックのパイロット信号の中央付近に位
置するような記録の仕方を行っているので、わざわざ消
去用信号Eの始端を上記パイロット信号の中央付近に位
置させるべく遅延を行うような回路等が不要となり、そ
れだけ回路構成が簡略化される。また消去用信号Eの記
録時間は少くともパイロット信号Pの記録時間より短か
くなるようにしているので、隣接するトラックの消去用
信号Eが所定の間隔をもって保持され、従ってジッタ等
の影響で記録された消去用信号Eが実質的に隣接トラッ
ク間で重復するようなことがなく、もって比較回路(51)
における基準値の設定範囲に余裕をもたせることができ
る。
第11図はこの発明の第2実施例を示すもので、同図にお
いて第1図と対応する部分には同一符号を付し、その詳
細説明は省略する。
上述の実施例ではサンプリングホールド回路(22),(60)
の各出力を加算し、この加算出力で基準信号を割算して
減算出力と乗算する場合であったが、本実施例では、サ
ンプリングホールド回路(22),(60)の各出力のうち、い
ずれかレベルの大きい方を検出し、この検出出力で基準
信号を割算して減算出力と乗算する場合である。
そこで、ピークホールド回路(21)の出力側にゲート回路
(65)を設ける。そして、このゲート回路(65)のゲート信
号を得るのにサンプリングパルス発生回路(44)からのサ
ンプリングパルスSP,SPが供給されるオア回路
(66)を設け、その出力をD型フリップフロップ回路(67)
のクロック端子CKへ供給し、このフリップフロップ回
路(67)の出力端子Qからの出力をゲート信号としてゲー
ト回路(65)へ供給するようにする。なお、こゝではフリ
ップフロップ回路(67)の入力端子Dと反転出力端子は
相互接続されて使用される。
ゲート回路(65)の出力はピークホールド回路(68)に供給
され、こゝでピークホールドされる。つまり、こゝでサ
ンプリングホールド回路(22)及び(60)の各出力のうち、
レベルの大きい方の出力がホールドされる。そして、ピ
ークホールド回路(68)からの出力はサンプリングホール
ド回路(69)に供給され、こゝでサンプリングパルス発生
回路(44)からのサンプリングパルスSPによりサンプ
リングホールドされ、割算器(63)に供給される。
後は上述同様このサンプリングホールド回路(69)の出力
により基準信号発生回路(62)からの基準信号が割算器(6
3)において割算され、この割算出力が乗算器(64)におい
て減算器(23)からの減算出力と乗算される。そして、こ
の乗算出力がサンプリングホールド回路(24)に供給さ
れ、こゝでサンプリングパルス発生回路(44)からのサン
プリングパルスSPによりサンプリングされ、トラッ
キング制御信号としてスイッチ回路(25)の接点a側を介
して出力端子(26)に導出される。
従って、本実施例でも上述の実施例同様テープや回転ヘ
ッド等のバラツキによりパイロット信号のクロストーク
にレベル変動があっても、常にサーボ利得を一定とする
ことができ、確実なトラッキング制御が可能である。
なお、上述の各実施例は回転ヘッド装置としてヘッド角
間隔よりも狭い角範囲にわたってテープを巻き付けて記
録・再生する特殊のものであるが、通常のようにヘッド
角間隔と同じ角範囲にテープを巻き付けるようにする回
転ヘッド装置を用いる場合にもこの発明が適用できるこ
とは勿論である。
また、パイロット信号等が記録される中央領域AT3を削
除してこの部分にもPCM信号を記録してもよく、その
場合、両端のパイロット信号を利用してトラッキング制
御を行えばよいので問題はない。
発明の効果 上述の如くこの発明によれば、隣接するトラックのトラ
ッキングエラー信号の差をとると共に各トラッキングエ
ラー信号のうち少くともレベルの大きい方のトラッキン
グ信号で基準信号を割算し、これと上記差信号の乗算を
行う信号処理を行ってトラッキングサーボ系への伝送系
の増幅率を調整するようにしたので、たとえ記録媒体と
回転ヘッドの組合わせ等によりパイロット信号のクロス
トークのレベルが変動しても、常にサーボ的に安定化を
図ることができ、確実なトラッキング制御ができる。
また、回転ヘッドによって記録トラックを走査する際
に、隣接トラックのパイロット信号の中央付近にその始
端を有し、且つパイロット信号の記録時間より短かくな
るように記録されているアジマスロスの比較的多い周波
数を有する消去用信号Eの始端を基準としてこのパイロ
ット信号を検出するパルス信号を形成し、その検出出力
に基づくトラッキング制御信号によって回転ヘッドのト
ラッキング制御を行うと共に消去用信号Eの再生出力が
基準値以下のときは、或る一定の電位に制御量を固定し
て回転ヘッドのトラッキング制御を行うようにしたの
で、装置に機械的経時変化や温度変化或いはジッタがあ
っても、何等それ等の影響を受けることなく、再生時
に、記録時と装置が異なってもノーマル再生時又は変速
再生時におけるトラッキング制御を精度良く行うことが
でき、機器相互間の互換性を図ることができる。
また、トラッキング制御用のパイロットの位置を検出す
るための消去用信号Eが隣接するパイロット信号の中央
付近に始端を有するように記録されているので、斯る始
端をパイロット信号の中央付近に位置するように遅延さ
せる回路等が不要となり、それだけ回路構成が簡略化さ
れる。
更に消去用信号Eの記録時間は少くともパイロット信号
Pの記録時間より短かくなるようになし、隣接するトラ
ックの消去用信号E同士が所定の間隔をもって離間され
るようにしているので、隣接するトラックの消去用信号
Eが隣接して記録される場合より、比較回路(51)におけ
る基準値の設定範囲を拡大でき、またジッタの影響も軽
減される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す回路構成図、第2図
は第1図で使用される回転ヘッド装置の一例を示す図、
第3図はこの発明の記録トラックパターンの概要を示す
図、第4図は第1図における記録動作の説明に供するた
めの信号波形図、第5図は第1図におけるノーマル再生
動作の説明に供するための信号波形図、第6図は第1図
における2倍速再生動作の説明に供するための信号波形
図、第7図は第1図における3倍速再生動作の説明に供
するための信号波形図、第8図は第1図における再生動
作の説明に供するための信号波形図、第9図及び第10図
はこの発明の説明に供するための線図、第11図はこの発
明の他の実施例を示す回路構成図である。 (1A)(1B)は回転磁気ヘッド、(2)は磁気テープ、(6)はパ
イロット信号の発振器、(6A),(6B)は消去用信号の発振
器、(7),(7A),(7B)は記録波形発生回路、(16),(17A)
〜(17E),(36)は遅延回路、(8A),(8B)はエッジ検出回
路、(20),(29)はバンドパルフィルタ、(21),(68)はピ
ークホールド回路、(22),(24),(60),(69)はサンプリ
ングホールド回路、(23)は減算器、(25)はスイッチ回
路、(30)は波形整形回路、(31),(56)は立ち上り検出回
路、(32)はモード設定回路、(331)〜(336)はゲート回
路、(34)はウインド信号発生回路、(37)は遅延時間設定
選択器、(38),(39)は遅延時間設定回路、(43)はパルス
発生回路、(44)はサンプリングパルス発生回路、(51)は
比較回路、(52)は基準電源、(53),(57)はD型フリップ
フロップ回路、(56)は立ち下り検出回路、(61)は加算
器、(62)は基準信号発生回路、(63)は割算器、(64)は乗
算器、(65)はゲート回路、(66)はオア回路、(67)はD型
フリップフロップ回路である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディジタル信号が時間軸圧縮されて複数個
    の回転ヘッドによって斜めのトラックにガードバンドを
    形成しない状態で記録された記録媒体よりディジタル信
    号を再生するディジタル信号の再生装置のトラッキング
    制御回路において、 隣接するトラックのトラッキング用パイロット信号をパ
    ルス信号によりサンプリングするサンプリング手段とサ
    ンプリングされた隣接するトラックのトラッキング用パ
    イロット信号の差をとる減算手段と、該減算手段の出力
    を駆動系に転送する伝送系と、上記サンプルされたトラ
    ッキング用パイロット信号を基準信号によって正規化す
    る手段とを備え、該正規化手段の出力に応じて上記伝送
    系の増幅率を増加調整し、サーボ利得が一定となるよう
    にしたことを特徴とするトラッキング制御回路。
  2. 【請求項2】上記正規化手段は上記サンプルされたトラ
    ッキング用パイロット信号の各々の加算信号によって基
    準信号を割算することで出力信号を得る特許請求の範囲
    第1項記載のトラッキング制御回路。
  3. 【請求項3】上記正規化手段は上記サンプルされたトラ
    ッキング用パイロット信号のレベルの大きい方のトラッ
    キング用パイロット信号によって基準信号を割算するこ
    とで出力を得る特許請求の範囲第1項記載のトラッキン
    グ制御回路。
JP59117228A 1984-06-07 1984-06-07 トラツキング制御回路 Expired - Lifetime JPH0664787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59117228A JPH0664787B2 (ja) 1984-06-07 1984-06-07 トラツキング制御回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59117228A JPH0664787B2 (ja) 1984-06-07 1984-06-07 トラツキング制御回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60261058A JPS60261058A (ja) 1985-12-24
JPH0664787B2 true JPH0664787B2 (ja) 1994-08-22

Family

ID=14706554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59117228A Expired - Lifetime JPH0664787B2 (ja) 1984-06-07 1984-06-07 トラツキング制御回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0664787B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08229552A (ja) * 1994-11-14 1996-09-10 Samsung Electron Co Ltd 浄水器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08229552A (ja) * 1994-11-14 1996-09-10 Samsung Electron Co Ltd 浄水器

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60261058A (ja) 1985-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR930011693B1 (ko) 트랙킹 제어회로
US4739420A (en) Method and apparatus for recording and reproducing a digital signal on a record medium using a rotary head
JPH0474790B2 (ja)
US4656539A (en) Method and apparatus with improved tracking control for recording a digital signal
JPH0795365B2 (ja) 情報信号再生装置
JPH0664787B2 (ja) トラツキング制御回路
JP2593841B2 (ja) 同期信号検出回路
JPH0572669B2 (ja)
JPS6126148B2 (ja)
JPS6130338B2 (ja)
JPH0570218B2 (ja)
JPH0610901B2 (ja) ディジタル信号の再生装置
JP2589742B2 (ja) 磁気記録再生装置
JP3624846B2 (ja) 記録再生装置
JP2598978B2 (ja) 回転ヘッド式テープレコーダのシンク信号検出方法
JPS634256B2 (ja)
JPH0754614B2 (ja) 磁気記録再生装置
EP0357352A2 (en) Video signal recording/reproducing apparatus
JPH0552578B2 (ja)
JPH0435821B2 (ja)
JPH0466061B2 (ja)
JPH0229277B2 (ja)
JPH05182306A (ja) デジタル信号の記録方法
JPS6256562B2 (ja)
JPS62128050A (ja) テ−プ走行制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term