JPH0664209B2 - 樹脂製光学繊維の製造方法 - Google Patents

樹脂製光学繊維の製造方法

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JPH0664209B2 JP60187351A JP18735185A JPH0664209B2 JP H0664209 B2 JPH0664209 B2 JP H0664209B2 JP 60187351 A JP60187351 A JP 60187351A JP 18735185 A JP18735185 A JP 18735185A JP H0664209 B2 JPH0664209 B2 JP H0664209B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光伝送性に優れた樹脂製光学繊維の製造方法
に関するものである。
〔従来の技術〕 芯体(コア)とその外周におけるクラッド層とより成る
光伝送性の光学繊維を情報伝達手段に利用することは古
くから知られており、現在、ガラスを材質とする光学繊
維並びに樹脂を材質とする光学繊維が実用化されてい
る。このうち、樹脂製光学繊維は現時点ではガラス製の
ものに比して光伝送性において多少劣る弱点がある反
面、繊維接続方法が比較的簡便であること、軽量である
こと、可撓性に優れていること、比較的安価に製造する
ことが可能なこと等の実用上有利な特長を有し、このた
め最近多方面において利用され始めている。
従来、斯かる樹脂製光学繊維の製造方法として、ポリメ
チルメタクリレート、ポリスチレン、ポリシクロヘキシ
ルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート等の透
明性が高くかつ非晶性の重合体若しくは共重合体を得、
これを押出成形機等により加熱熔融させて成形すること
により繊維体とし、この繊維体を芯体としてその外周を
覆うよう、例えば浸漬法によってクラッド層を形成する
方法が知られている。具体的には、例えば透明性、力学
的性質及び耐候性等に優れているポリメチルメタクリレ
ート系の重合体若しくは共重合体を与える単量体を用
い、光伝送性が犠牲とされないように不純物を除去して
その純度を上げた単量体を連続塊状重合法により重合さ
せて重合体を得、加熱溶融成形して芯体となる繊維を得
ることが、例えば特公昭53−42261号公報、特公昭53−4
2260号公報に記載されている。
しかしながら、以上の如き従来の製造方法においては、
芯体となる繊維体を熔融成形によって製造するため、そ
の材質である重合体は熔融成形性に優れたものでなけれ
ばならず、このため各種の連鎖移動剤等を重合時に添加
し分子量を小さくして溶融粘度を低下させる等、得られ
る重合体の熔融成形性を向上させる方向に研究が進めら
れている。
しかしながら、従来の方法においては、芯体の材質とし
て用いることのできる重合体の種類が大きな制約を受け
る問題点がある。即ち、熔融成形が必須とされるので、
例えば熔融成形のための高温において不安定なもの、分
子量が大きくて熔融粘度の高いもの等を芯体の材質とし
て用いることは全く不可能であった。
ところが情報技術の多様化に伴い樹脂製の光学繊維に要
求される性能も多様となってきており、例えば熱変形温
度が高いもの、高温における耐熱性や耐久性が高いもの
等が要求されようになってきているが、従来の方法では
そのような材質で芯体を構成させることができない。
このような事情から、本発明者らは、中空糸状のクラッ
ド材を作り、その中空部内に重合性単量体を充填し、得
られる複合材料を重合条件下に置くことにより前記重合
性単量体を重合せしめて光学繊維を製造する方法を、既
に特願昭60−163957号において提案した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、重合性単量体の重合のために、単量体を
充填したクラッド材よりなる複合材料の全体を一括して
同時に重合条件下に置く方法による場合には、重合時に
クラッド材中の重合物質に体積収縮が生ずることによ
り、クラッド材の内部において芯体となるべき重合体に
部分的な切断が生じたり、重合物質の体積収縮に伴うク
ラッド材の内部圧力の減少によってクラッド材が変形
し、得られる光学繊維の断面が偏平になり真円とならな
い場合がある。なお、重合性単量体が架橋性単量体を含
有する場合には、このような問題は比較的生じにくい
が、それでも全く無視できるものではない。
このような問題を考慮した技術として、例えば特開昭57
−45502号公報には、アクリル系単量体またはメタクリ
ル系単量体よりなる重合性単量体を充填したクラッド材
をその一端を加熱すると共に、当該加熱位置を順次に他
端方向に移動して内部の重合性単量体を順次に重合して
光学繊維を製造する方法が開示されている。
しかしながら、この方法においては、アクリル系単量体
またはメタクリル系単量体が沸点の低いものであって、
重合のために加熱した際に当該重合性単量体の流動性が
過大となり、重合収縮が不均一となる結果、得られる重
合体は局部的に重合状態が異なる不均一なものとなり、
結局、良好な芯体を形成することができない、という問
題点がある。
本発明は、以上のような問題を有する方法を改良し、特
定の重合性単量体を用いることにより、中空糸状のクラ
ッド材中において重合体に切断が生ずることがなく、ま
た断面に変形を生ずることがなく、均一な重合体を形成
することができて優れた特性の光学繊維を確実に製造す
ることのできる方法を提供するものである。
〔問題点を解決するための構成及び作用〕
本発明においては、クラッド層を形成する重合体若しく
は共重合体よりなる中空糸状のクラッド材内に、芳香族
単量体を含有するアクリル系単量体またはメタクリル系
単量体よりなる重合性単量体を充填し、得られる複合材
料を、前記重合性単量体が重合する加熱重合条件を満足
する重合ゾーンに順次に進入するよう、その長さ方向に
連続して移動させることにより、前記重合性単量体を順
次重合せしめて前記クラッド材より屈折率の高い芯体を
形成し、もって樹脂製光学繊維を製造する。
本発明方法によれば、中空糸状のクラッド材内に充填さ
れた重合性単量体は、重合ゾーンに順次に進入するに従
って、複合材料の一端側から重合部分が長さ方向に移動
しながら順次に重合して行くこととなるが、アクリル系
単量体またはメタクリル系単量体よりなる重合性単量体
は沸点の高い芳香族単量体を含有するものであるため、
当該重合性単量体が重合のために加熱されたときにその
流動性が過大となることがなくて適度の流動性を有する
状態となり、その結果、形成される重合体が均一なもの
となると共に確実に屈折率が高いものとなる。そして、
重合物質に体積収縮が生ずる場合には、その体積の減少
を補償するように重合性単量体が後続する部分から重合
部分に補充されるようになり、この結果、芯体を形成す
る重合体に切断が生ずることが防止されると共に断面が
偏平になることが防止され、真円状の所期の特性を有す
る光学繊維を確実に、しかも連続的に製造することがで
きる。併せて、芯体となる重合性単量体の重合がクラッ
ド材の内部において行われるため、外部から不純物が混
入することが防止されるので良好な特性の樹脂製光学繊
維が得られる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明においては、第1図に示すように、光学繊維のク
ラッド層となる中空糸状のクラッド材1を製作する。こ
のクラッド材1の材質は、特に制限されるものではなく
て公知のものを用いることができるが、後述する芯体よ
り屈折率が低いことが必要であり、好ましくは1%、更
に好ましくは3%以上低い重合体であることが望まし
い。従って、芯体の材質が、例えば屈折率が1.48〜1.50
等と低屈折率のものである場合には、クラッド材1の材
質の選択範囲が狭くなる。なおこのクラッド材1の材質
は、溶融成形可能な熱可塑性樹脂であることが好まし
い。
かかるクラド材1の材質とされる重合体の例としては、
英国特許1,037,498号明細書に記載のもの、例えば弗化
ビニル、弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロピレン、トリフルオロメチルトリフル
オロビニルエーテル、パーフルオロプロピルトリフルオ
ロビニルエーテル、並びに構造式 (但し、式中XはF、H、若しくはClを表わし、nは2
〜10の整数、mは1〜6の整数、YはCHまたはHを表
わす。) で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸の弗素化
エステルの重合体若しくは共重合体、およびこれらとア
クリル酸若しくはメタクリル酸と低級アルコール(例え
ばメタノール、エタノール等)とによるエステルとの共
重合体を挙げることができる。
更に式 (但し、式中XおよびYは上記定義の通りであり、pは
1〜16の整数を表わす。)の化合物と、アクリル酸若し
くはメタクリル酸のメチルエステル若しくはエチルエス
テルとによる実質的に無定形の共重合体も好適に用いる
ことができる。その他、米国特許2,468,664号明細書記
載のテトラフロロエチレンとエチレンとの共重合体等も
好適に用いられる。
また芯体の材質の屈折率が大きいものであるときには、
上記の重合体もしくは共重合体の他、エチレン樹脂、プ
ロピレン樹脂、4−メチルペンテン−1樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等も使用することが可能で
ある。
以上の如き重合体を、中空部2を有するチューブ状の中
空糸状に成形することにより、クラッド材1が得られ
る。この成形のための方法としては公知の方法を利用す
ることができ、例えば高温溶融下に押出機等によりチュ
ーブ状に連続的に成形して製造することができる。中空
部2の直径rは特に限定されるものではなく、最終製品
としての光学繊維の使用目的に応じた適度の大きさとす
ることができるが、通常は1μ〜5μ程度である。この
中空部2の直径は、芯体の直径となるが、大きな光源例
えば光放射性ダイオード(LED)からの光を伝送するた
めの光学繊維の場合には、中空部2の直径は大きい方が
有利である。伝送する光がレーザ光のように小さな光源
よりの光である場合には、芯体は直径が小さいものの方
が入射光を捕えるのに適しているので、中空部2の直径
は小さく選定される。そしてこの場合は最小曲げ半径が
小さい利点がある。
クラッド材1は、芯体中を伝播する光を反射するクラッ
ド層となるものであるから、その肉厚tは伝送すべき光
の波長の少くとも数倍以上であれば限定はなく、通常5
〜100μ、好ましくは10〜50μ程度とされる。
本発明においては、以上の如き中空糸状のクラッド材1
の中空部2内に重合性単量体を充填して複合材料とし、
この複合材料の内部の重合性単量体が重合する重合条件
を満足する重合ゾーンを設けてこの重合ゾーンに順次に
進入するよう、前記複合材料をその長さ方向に連続して
移動させ、これによって前記重合性単量体を順次重合せ
しめて前記クラッド材より屈折率の高い芯体を形成して
樹脂製光学繊維を製造する。
本発明において、芯体を形成するための重合性単量体と
しては、芳香族単量体を含有するアクリル系単量体また
はメタクリル系単量体が用いられる。このように、芳香
族単量体を含有するアクリル系単量体またはメタクリル
系単量体からなる重合性単量体を芯体の形成に用いるこ
とにより、得られる芯体は均一な重合体よりなるものと
なると共に確実に高い屈折率を有するものとなる。ここ
に、重合性単量体とは、必ずしも単量体のみを意味する
ものでない。従って、若干重合させたプレポリマー等で
あってもよく、要するにクラッド材1の中空部2内に注
入できる流動性を有する重合可能なものであればよい。
本発明においては、溶融成形を伴なわないため、上記重
合性単量体として多官能の単量体若しくはそのような単
量体の混合物をも使用することができ、また重合時に体
積収縮を伴う通常の重合性単量体を使用することがで
き、これらの点に本発明の大きな特色がある。
本発明において、芯体を形成するための重合性単量体に
含有される芳香族単量体の具体例としては、例えばフェ
ニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、2,2−ビ
ス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、
トリブロモフェニルメタクリレート、アクリロキシジエ
トキシトリブロモベンゼン、2,2−ビス(4−メタクリ
ロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、モ
ノクロルスチレンなどを挙げることができる。
この芳香族単量体は、その1種のみを用いてもよいし、
あるいは2種以上を組合せて用いることもできる。ま
た、この芳香族単量体の全重合性単量体における割合
は、10重量%以上であることが好ましい。
また、本発明において、芯体を形成するために用いられ
る芳香族単量体以外のアクリル系単量体またはメタクリ
ル系単量体の具体例としては、例えばメチルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブ
チルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の
各種の一価アルコールのメタクリレート若しくはアクリ
レート類;エチレングリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート等の二価アルコ
ール若しくは三価アルコール等の多価アルコールのメタ
クリレート若しくはアクリレート類;2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート等の水酸基を有するメタクリレート若
しくはアクリレート類等の種々のメタクリル酸エステル
若しくはアクリル酸エステル類から選んだものを用いる
ことができる。
本発明においては、これらの重合性単量体は、その1種
のみを用いてもよいし、あるいは2種以上を組合せて用
いることもできる。
以上のような重合性単量体に、必要に応じて、重合開始
剤、重合助剤、分子量調節のための連鎖移動剤等を含有
させ、この重合性単量体を、第1図に示すように中空糸
状のクラッド材1の中空部2内に充填するのであるが、
その充填方法は特に制限されない。例えばクラッド材の
一端を、容器内の調製された重合性単量体中に入れ、他
端に減圧を作用させて吸引により充填する方法、クラッ
ド材の一端から加圧下に重合性単量体を注入充填する方
法等を利用することができる。
そして本発明においては、クラッド材内に重合性単量体
を充填して得られる複合材料は、その全体を一括して重
合条件下に置くのではなく、第2図に示すように、当該
複合材料Mを、その一端を封じた上、重合条件形成装置
10によって形成される重合ゾーン11にその一端から順次
に進入するよう長さ方向に連続的に移動させ、これによ
り、当該重合ゾーン11において複合材料Mの内部の重合
性単量体を重合させる。クラッド材中に重合性単量体を
充填した複合材料Mの他端は、開放された状態で単量体
補充用容器12の重合性単量体中に浸漬される。そして重
合ゾーン11を通過した後の光学繊維は巻き取り機14に巻
き取られる。
以上において、重合ゾーン11を形成するための重合条件
形成装置としては、ヒーター、加熱炉等の適当な加熱器
が用いられる。
通常の場合において、重合性単量体が重合する時には体
積収縮を生ずることが多く、これによってクラッド材の
断面が真円であっても得られる光学繊維の断面が偏平と
なったり、更には芯体に部分的な断線が生じたりするの
あるが、本発明においては、複合材料の一端を封じた状
態で当該一端から順次に重合ゾーンに進入させて複合材
料において重合部分を移動させるようにするため、重合
部分に続く未だ重合していない部分の重合物質は流動性
を有しているので、重合によって体積収縮が生じてもそ
の体積収縮分が補償されるよう重合性単量体が重合部分
に供給され、従って体積収縮に伴って圧力が減少してク
ラッド材に変形を招くことが防止され、更に芯体に切断
が生ずることが防止される。
また、重合性単量体は、アクリル系単量体またはメタク
リル系単量体に芳香族単量体が含有されたものであるこ
とにより、重合ゾーンにおいて加熱されたときに、当該
重合性単量体の流動性が適度なものとなり、その結果、
均一な重合体よりなる芯体を形成することができる。
第2図の例において、重合物質の体積収縮に伴う重合性
単量体の補充は自動的に行われるが、特に単量体補充用
容器12を加圧状態にすることにより、重合性単量体の補
充を円滑に達成することができる。
重合ゾーンにおいて実現するべき重合条件については、
用いる重合性単量体の種類、添加される重合開始剤の種
類、量、その他の条件によって適宜好適な条件を設定す
ればよい。例えば重合温度については、室温から150℃
まで位とされる。また重合開始剤としては、用いる重合
性単量体の種類等により適当なものを選択して用いるこ
とができ、通常のラジカル重合開始剤あるいは光重合開
始剤をそのまま使用することができる。併せて、重合ゾ
ーンの通過距離、複合材料の通過速度も適宜好ましい大
きさに選ぶことができる。
更に本発明においては、重合ゾーンに到達する前の段階
において、複合材料を予備的に処理することができる。
例えば、予備重合を行って重合性単量体の粘度を予め増
加させておくことができ、この場合には、重合ゾーンに
おける重合物質の体積収縮の割合を低く抑えることがで
きる点で有効である。勿論重合ゾーンに到達する前に重
合性単量体の流動性が完全に失われるような前処理は避
けなければならない。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、クラッド材の中空部内に、芳香
族単量体を含有するアクリル系単量体またはメタクリル
系単量体よりなる重合性単量体を充填してなる複合材料
を、前記重合性単量体が重合する加熱重合条件を満足す
る重合ゾーンに順次に進入するよう、その長さ方向に連
続して移動させることにより、前記重合性単量体を順次
重合せしめて芯体を形成するため、重合する重合性単量
体の流動性が適度なものとなって均一な重合体を得るこ
とができると共に、当該芯体が芳香族単量体成分を含有
するために確実に屈折率が高いものとなり、また重合性
単量体として用いる単量体の選択範囲が広く、架橋性重
合体や溶融成形ができない重合体を材質とする芯体によ
る光学繊維を得ることができ、しかも重合性単量体とし
て重合時に体積収縮が生ずるものを用いたときにも、形
成される芯体に部分的な切断が生じたり断面が変形して
偏平となることがなく、結局所期の優れた特性の光学繊
維を確実に製造することができる。
また重合ゾーンにおいては、1本の複合材料を連続して
重合処理するため、複合材料の一部が重なり合った状態
となることがなく、従って複合材料の全体を常に均一な
条件で重合させることができる。更に熔融成形時に生じ
易い不純物の混入の機会が少なく、本質的に光伝送性に
優れた芯体を形成することができる。
〔実施例〕
実施例1 フッ化ビニリデン樹脂「KF1000」(呉羽化学(株)製
品)を用いて240℃の出口温度で押出し成形を行い、内
径0.8mm、肉厚0.028mmの中空のフッ化ビニリデン樹脂よ
り成るクラッド材を得た。この樹脂の屈折率は温度25℃
で約1.42であった。
一方、充分に精製したメチルメタクリレート88重量部と
2官能性単量体である2,2−ビス(4−メタクリロキシ
エトキシフェニル)プロパン12重量部との混合物にイソ
プロピルパーオキシジカーボネート0.3重量部を添加し
て重合性単量体液を調製し、この重合性単量体液をよく
洗浄された容器に入れた。そして前記クラッド材の一端
をこの容器内の単量体液中に入れ、他端を真空ポンプで
吸引することにより、単量体液をクラッド材内に充填し
た。その後クラッド材の一端を加熱圧着により封じ、窒
素置換し更に温度80℃とした恒温庫内に前記複合材料を
その封じた一端から順次に入れ、恒温庫内に設けた巻き
取り機により、約2m/Hrの速度で連続的に巻き取るよう
にして重合性単量体を重合させ、巻き取り量が30mに達
した時点で複合材料を恒温庫外において切断し、更に恒
温庫の温度を110℃に昇温して2時間放置し、以って芯
体を形成して光学繊維を得た。
この光学繊維の芯体の温度25℃における屈折率は、約1.
50であった。またこの光学繊維の断面は殆ど真円であっ
た。
この光学繊維について光伝送損失を測定したところ、温
度25℃において約400dB/kmであり、また温度120℃にお
いても充分な光伝送能力を有し、大きな耐熱性を有する
ものであった。
尚光伝送損失(α)は次式により計算して求めた値であ
る。
l:光学繊維の長さ(km) I:標準長さlの時の出射端面の光量 I:長さlの時の出射端面の光量 l=10mを標準とし、繊維両端面を繊維軸に直角に切
断し平滑面を作成した。そしてハロゲンランプを光源と
して用い、平行光線を透過主波長が650nmのフイルター
で単色化して光学繊維の一端に入射させ、出射端面の光
量を大面積のフォトダイオードで検出した。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明樹脂製光学繊維の製造において用いられ
るクラッド材を模式的に示す説明用斜視図、第2図は本
発明方法の実施の一例を示す説明図である。 1……クラッド材、2……中空部 M……複合材料、10……重合条件形成装置 11……重合ゾーン 12……重合性単量体補充用容器 14……巻き取り機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッド層を形成する重合体若しくは共重
    合体よりなる中空糸状のクラッド材内に、芳香族単量体
    を含有するアクリル系単量体またはメタクリル系単量体
    よりなる重合性単量体を充填し、得られる複合材料を、
    前記重合性単量体が重合する加熱重合条件を満足する重
    合ゾーンに順次に進入するよう、その長さ方向に連続し
    て移動させることにより、前記重合性単量体を順次重合
    せしめて前記クラッド材より屈折率の高い芯体を形成す
    ることを特徴とする樹脂製光学繊維の製造方法。
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