JPH0663921B2 - 四輪駆動車用シヤシダイナモ - Google Patents

四輪駆動車用シヤシダイナモ

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JPH0663921B2
JPH0663921B2 JP61264181A JP26418186A JPH0663921B2 JP H0663921 B2 JPH0663921 B2 JP H0663921B2 JP 61264181 A JP61264181 A JP 61264181A JP 26418186 A JP26418186 A JP 26418186A JP H0663921 B2 JPH0663921 B2 JP H0663921B2
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wheels
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は四輪駆動車用シャシダイナモ、特に四輪駆動車
の角駆動輪に実走行と同様な負荷を与える各種動力計測
を行うシャシダイナモの改良に関する。
[従来の技術] 従来より、四輪駆動車の動力計測を行うシャシダイナモ
が周知であり、四輪駆動車の各駆動輪にローラを介して
実走行状態と同様な回転トルクを与え、実走行状態をシ
ュミレートしている。
通常、車両の走行次に駆動輪に加わる全負荷トルクT
は、速度vに基づく走行抵抗トルクTVと、加速度αに基
づく慣性トルクTαとを加算した値となる。
このため、従来のシャシダイナモは、車両の速度及び加
速度に基づき全負荷トルクTをリアルタイムで演算し、
この全負荷トルクTを四等分した回転トルクを各駆動輪
に対して与えていた。
前後輪の駆動力分担比 また、第5図に示すように、四輪駆動車に、特にフルタ
イム4WD車の前輪及び後輪に加わる車重WF及びWRな常に
一定ではなく、車両の設計に応じて異なる場合が多い。
このため、四輪駆動車の前輪と後輪に加える回転トルク
の比率を任意に設定可能なシャシダイナモの開発も行わ
れている。
すなわち、四輪駆動車の前後輪に加わる車重WF、WRが異
なると、前輪側駆動輪のスリップ限界と後輪側駆動輪の
スリップ限界とが異なった値となる。このため、フルタ
イム4WD車では前輪と後輪の駆動力分担比を前記スリッ
プ限界に対応した値に設定することが好ましく、このよ
うにすることにより、フルタイム4WD車では、各駆動輪
の駆動力を最大限に有効利用し、安定した走行を行うこ
とが可能となる。
従って、4WD車の動力計測を行うシャシダイナモでは、
分担比設定器を用いて試験車両の前輪側駆動輪と後輪側
駆動輪との分担比を設定し、前輪側駆動輪と後輪側駆動
輪に対し前記分担比に対応した回転トルクを与えること
ができるよう設計されている。例えば前輪側駆動輪と後
輪側駆動輪の駆動力分担比がそれぞれ0.55,0.45であ
り、全負荷トルクがTである場合を想定すると、前輪側
駆動輪には0.55T、後輪側駆動輪には0.45Tの回転トルク
が印加され、実走行状態シュミレートすることになる。
前後輪の差速 更に、このような四輪駆動車の前輪と後輪との差速が実
走行時と等しくなるように制御するシャシダイナモの提
案も行われており、このようなシャシダイナモでは、前
後輪間の差速が所定の設定値と等しくなるよう前輪側駆
動輪と後輪側駆動輪とに所定の差速トルクを与えてい
る。
また、実走行時に前輪と後輪との間にほとんど差速が発
生しない四輪駆動車では、動力計測時に、前輪及び後輪
との間の差速が0となるよう制御される場合が多い。
このようにして、四輪駆動車用シャシダイナモでは、四
輪駆動車の実走行時における全負荷トルクを演算し、前
輪及び後輪の駆動力分担比、差速に対応した回転トルク
を車両の前輪及び後輪にリアルタイムで印加することに
より、シャシダイナモ上において実走行を正確にシュミ
レートし、各種動力計測を行っていた。
[発明が解決しようとする問題点] (イ)しかし、このようなシャシダイナモは、1個の動
力計を用いて前輪側左右両輪の回転トルクを一括制御
し、他の1個の動力計を用いて後輪側左右後輪の回転ト
ルクを一括制御している。
このため、四輪駆動車の左右両輪に差速が全く発生しな
い状況しかシュミレートすることができず、四輪駆動車
の左右両輪の間に差速が発生する条件の下での試験、特
に第6図に示すように、車両が所定の回転半径をもって
旋回運動をする場合の動力試験などは到底行うことがで
きないという問題があった。
(ロ)また、このような問題を解決するため、四輪駆動
車の各駆動輪に印加する回転トルク演算を、前後輪の駆
動力分担比、差速に加えて、更に左右両輪の差速を考慮
し、各駆動輪毎に行うことも考えられる。
しかし、このようにすると、その演算処理手順が極めて
複雑なものとなるため、装置全体が複雑かつ高価なもの
となることが避けられず、しかも各駆動輪の回転トルク
をリアルタイム演算することが難しいという問題があっ
た。
[発明の目的] 本発明は、このような従来の課題に鑑み為されたもので
あり、その目的は四輪駆動車の各駆動輪に加える回転ト
ルクを、前後輪の分担比、差速に加えて、左右両輪の間
に発生する差速をも考慮して自動的に、しかもリアルタ
イムで演算制御し、実走行状態、特に四輪駆動車が旋回
運動をするような場合を正確にシュミレート可能な四輪
駆動車用シャシダイナモを提供することにある。
[問題点を解決するための手段及び作用] 前記目的を達成するため、本発明の四輪駆動車用シャシ
ダイナモは、四輪駆動車の各駆動輪に1対1に対応して
設けられた4個のローラと、これら各ローラに接続され
た4個の動力計と、前記各動力計の出力トルクを個別制
御しローラ上において4輪駆動車の実走行状態をシュミ
レートする動力計制御手段と、 を含む。
そして、前記動力計制御手段は、 4輪駆動車のホイールベースL及びキングピン間距離K
を設定する設定器と、 4輪駆動車の前輪操舵角θを入力する操舵角設定器と、 走行速度、ホイールベースL、キングピン間距離K及び
前輪操舵角θを用い、所定の演算式に基づき前輪と後輪
との差速ΔV、前輪側左右両輪の差速ΔV及び後輪
側左右両輪の差速ΔVを演算出力する差速演算回路
と、 四輪駆動車の各駆動輪の速度を検出する速度検出部と、 走行速度及び加速度に基づき四輪駆動車の全負荷トルク
を演算し、四輪駆動車の前後輪分担比に基づき前輪側及
び後輪側の角駆動輪が分担する全負荷分担トルクを演算
する全負荷演算回路と、 実際の前後輪の差速が演算された前後輪の差速ΔV
一致するよう、絶対値が等しく正負の符号のみが異なる
前輪側差速トルク及び後輪側差速トルクを演算する前後
輪差速トルク演算回路と、 実際の前輪側左右両輪の差速が演算された差速ΔV
一致するよう、絶対値が等しく正負の符号のみが異なる
左前輪差速トルクと右前輪差速トルクを演算出力する前
輪側差速トルク演算回路と、 実際の後輪側左右両輪の差速が演算された差速ΔV
一致するよう、絶対値が等しく正負の符号のみが異なる
左後輪差速トルク及び右後輪差速トルクを演算出力する
後輪側差速トルク演算回路と、 前輪側の全負荷分担トルク、前輪側差速トルク及び左前
輪差速トルクに基づき左前輪側動力計の出力トルクを制
御する第1の動力計制御回路と、 前輪側の全負荷分担トルク、前輪側差速トルク及び右前
輪差速トルクに基づき右前輪側動力計の出力トルクを制
御する第2の動力計制御回路と、 後輪側の全負荷分担トルク、後輪側差速トルク及び左後
輪差速トルクに基づき左後輪側動力計の出力トルクを制
御する第3の動力計制御回路と、 後輪側の全負荷分担トルク、後輪側差速トルク及び右後
輪差速トルクに基づき右後輪側動力計の出力トルクを制
御する第4の動力計制御回路と、 を含む。
そして、各駆動輪に与えられる回転トルクの総和が全負
荷トルクと常に等しくなるように、四輪駆動車の各駆動
輪の車速制御を自動的に行い、四輪駆動車が操舵角θで
路上を旋回走行した状態をシュミレートすることを特徴
とする。
従って、本発明によれば、単に設定器を用いホイールベ
ースL、キングピン間距離K及び操舵角θを設定するの
みで、四輪駆動車の各駆動輪に印加される回転トルクの
総和を全負荷回転トルクと常に一致するよう制御し、し
かも四輪駆動車の前輪と後輪の駆動力分担比及び差速に
加え、前輪側左右両輪の差速及び後輪側左右両輪の差速
も同時に考慮した回転トルクを各駆動輪に与えることが
できるため、実際の路上走行を正確にシュミレートして
各種動力計測を簡単に行うことが可能となり、特に左右
両輪の間に差速が発生する車両の旋回運動を自動的にか
つ正確にシュミレートして各種動力試験を行うことが可
能となる。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき説明する。
実施例 第2図には、四輪駆動車用シャシダイナモの好適な1例
が示されており、実施例のシャシダイナモは、四輪駆動
車100の前輪側の左右両駆動輪110a,110bを一対のローラ
10a,10b上に当接載置し、後輪側の左右両駆動輪100c,10
0dを一対のローラ10c,10dに上に当接載置している。
そして、四輪駆動車100を、各ローラ10a,…10d上におい
て走行させることにより、各ローラ10は実際の路面に代
え無限端平坦路として機能することとなる。
従って、各ローラ10a,10b,…10dの回転軸に直結された
動力計12a,12b…12dを用いて四輪駆動車100の各駆動輪1
10a,110b,…110dに実走行状態と等しい回転トルクを与
えることにより、実走行を正確にシュミレートして四輪
駆動車100の各種動力試験を行うことができる。
実施例において、実走行ときにおける各駆動輪110の回
転トルクは、制御回路14を用いて演算され、その演算値
に基づき各動力計12a,12b,…12dの出力が制御されるよ
う形成されている。
発明の原理 次に、前記制御回路14の原理を第3図に基づき説明す
る。
(a)全負荷トルクT 第3図(A)には、四輪駆動車100の各駆動輪110a,110b
…110dに印加される全負荷トルクの構成要素が示されて
おり、前述したようにこの全負荷トルクTは、車両の速
度Vに対応して発生する走行抵抗トルクTVと、車両の加
速度αに対応して発生する慣性トルクTαとからなる。
従って、本発明の装置では車両の速度V及び加速度αに
基づきこれら走行抵抗トルクTV及び慣性トルクTαを演
算により求め、その両者を加算して全負荷トルクTを求
めている。
ところで、第2図に示すようなシャシダイナモでは、ロ
ーラ10及び動力計それ自体が固定慣性トルクを有す
る。
従って、四輪駆動車100の各駆動輪110a,110b…110dに印
加する回転トルクの合計が全負荷トルクTと一致するよ
う制御するためには、各動力計12a,12b…12dの出力トル
クの合計TDを次式で示す値に制御することが必要とな
る。
TD=T−TB …(1) (b)駆動力分担比 また、通常四輪駆動車はその前輪側と後輪側との駆動力
が所定の分担比x:(1−x)となるように設計されてい
る。
従って、本発明の装置は、第3図(B)に示すように、
合計出力トルクTDから次式に基づき前輪側全負荷分担ト
ルクTF及び後輪側全負荷分担トルクTRを演算するように
形成されている。
TF=x・TD …(2) TR=(1−x)・TD …(3) 従って、例えば前輪側の分担比が0.55、後輪側の分担比
が0.45である場合には、TF=0.55TD,TR=0.45TDの値と
なる。
(c)差速の発生 また、四輪駆動車は、例えば第6図に示すように所定の
旋回運動をすると、その旋回半径に応じて各駆動輪110
a,110b…100dの間に差速が発生する。
従って、四輪駆動車の実走行状態をシュミレートするた
には、シャシダイナモ上において、これら各駆動輪の間
に発生する差速を正確に再現してやる必要がある。
本発明の特徴的事項は、四輪駆動車の前輪と後輪との間
に発生する差速ΔV、前輪側左右両輪の間に発生する
差速ΔV、後輪側左右両輪の間に発生する差速ΔV
を、四輪駆動車の走行速度V、ホイールベースL、キン
グピン間距離K及び前輪の操舵角θに基づき演算し、角
駆動輪の速度を制御してやることにある。
(d)前後輪の差速 まず、本実施例において、四輪駆動車の前輪と後輪との
間に発生する差速ΔVは、定数A、速度V及び操舵角
θに基づき次式を用いて演算される。
但しRは回転半径を表し、 で与えられる。
そして、実施例の装置は、車両の前輪側左右両輪の平均
速度VFと後輪側左右両輪の平均速度VRとの間の差速(VF
−VR)を測定し、これが前記演算値ΔVとなるように
前輪側差速トルクτと後輪側差速トルク−τの演算
を行う。
ここにおい前輪側差速トルクτと後輪側差速ト−τ
はその絶対値が等しくその符号のみが異なる値として求
められる。
そして、第3図(B)に示すように、本発明の装置は、
次式に基づき前輪側左右両輪110a,110bの分担トルクTF
及び後輪側左右両輪110c,110dの分担トルクTR を求
める。
TF =TF+τ ……(5) TR =TR−τ ……(6) 更に前記TF ,TR を次式で示すよう2分割し、前輪1
個辺りの分担トルクTF 、後輪1個辺りの分担トルクTR
を求める。
TF =(TF /2) …(7) TR =(TR /2) …(8) 従って、四輪駆動車の前輪側の各駆動輪にTF の回転ト
ルクを与え、後輪側の各駆動輪にTR の回転トルクを与
えることにより、四輪駆動車の実走行状態を、前後輪の
駆動力分担比x:(1−x)、差速ΔVを正確にシュミ
レートすることが可能となる。
(e)左右両輪の差速 また、前述したように四輪駆動車が旋回運動をすると、
その旋回半径に応じて前輪側左右両輪110a,110bの間に
差速ΔVが発生し、同様に後輪側左右両輪110c,110d
の間にも差速ΔVが発生する。
特に、このような左右両輪の間における差速は、前輪側
と後輪側とでは異なった値となる。
本発明に特徴的事項は前述したように、速度v、ホイー
ルベースL、キングピン間距離K及び操舵角θを用いて
実走行時に発生する前輪側左右両輪の差速ΔVと、後
輪側左右両輪の差速ΔVを演算し、四輪駆動車の旋回
運動を正確にシュミレートした動力計測を可能としたこ
とにある。
すなわち、本発明の特徴的事項の1つは、四輪駆動車の
走行速度V、ホイールベースンL、キングピン間距離K
及び操舵角θに基づき所定の演算式を用い前輪側左右両
輪の差速ΔVを演算出力することにある。
実施例において、前輪側左右両輪の差速ΔVは次式に
基づき演算される。
また、本発明の他の特徴的事項の1つは、四輪駆動車の
走行速度v,ホイールベースL、キングピン間距離K及び
操舵角θに基づき所定の演算式を用いて後輪側左右両輪
の差速ΔVを演算出力することにある。
実施例において、後輪側左右両輪の差速ΔVは、次式
に基づき演算される。
そして、本発明の装置は、前輪側の左右両輪の差速(Va
−Vb)を検出し、これを前記演算値ΔVに制御するた
めに必要な左前輪差速トクルτ及び右前輪差速トルク
−τを演算する。
ここにおいて、左前輪差速トτ及び右前輪差速トルク
−τの値は、絶対値が等しく、その符号のみが異なる
値として求められる。
同様にして、本発明の装置は、後輪側左右両輪の差速
(Vc−Vd)を検出し、この差速が前記演算値ΔVとな
るよう、左後輪差速トルクτ及び右後輪差速トルク−
τを求める。
ここにおいて、前記左右の差速トルクτ及び−τ
は、絶対値が等しく、その符号のみが異なる値として
求められる。
そして、第3図(C)に示すよう、本発明の装置は、次
式に基づき左前輪分担トルクTa及び右前輪分担トルクTb
を求める。
Ta=TF +τ …(11) Tb=TF −τ …(12) 同様にして、本発明の装置は次式に基づき左後輪分担ト
ルクTc及び右後輪分担トルクTbを求める。
Tc=TF +τ …(13) Td=TF −τ …(14) そして、このようにして求めた各トルクTa,Tb,Tc,Tdに
基づき各動力計12a,12b,12c,12dの出力トルクを制御す
ることにより、前輪側左右両輪110a,110b間に差速ΔV
を発生させ、後輪側左右両輪110c,110d間に差速ΔV
を発生させ、四輪駆動車100の各種動力計測を行うこ
とができる。
以上説明したように、本発明によれば、四輪駆動車の各
駆動輪の間に発生する差速を、前輪と後輪との差速ΔV
と、前輪側左右両輪の間に発生する差速ΔVと、後
輪側左右両輪の間に発生する差速ΔVと、の3つの要
素に分解し、発生する差速を体系づけて解析している。
従って、各駆動輪に所定の差速を発生させるための回転
トルクを簡単な演算により自動的に求めることができ、
四輪駆動車の各駆動輪の差速制御を、簡単な装置でしか
もリアルタイムで行うことが可能となる。
特に、本発明によれば、四輪駆動車の走行速度V、ホイ
ールベースL、キングピン間距離K及び前輪の操舵角θ
に基づき、前後輪の差速ΔV、前輪側左右両輪の差速
ΔV、後輪側左右両輪の差速ΔVを演算するよう形
成されている。このため、装置全体の構成をより簡単な
ものとすることができ、しかも、四輪駆動車の各種旋回
運動を正確にしかも簡単にシュミレートしその動力計測
を行うことが可能となる。
なお、本実施例において用いられる前記(4)(9),
(10)の演算式は、典型的な四輪駆動車を想定し、その
再発生する差速を経験則に基づき所定の数式を用いてシ
ュミレートしたものである。
すなわち、四輪駆動車の旋回運動時に発生する各駆動輪
の差速ΔV、ΔV、ΔVは、これを幾何学的に求
めると複雑な演算式となりその演算に多くのファクタが
入ってくるため装置全体が極めて複雑なものとなる。
このため、本実施例においては四輪駆動車として、その
重心がセンター部付近にあるものを想定し、この再発生
する差速ΔV、ΔV及びΔVを、経験則により求
められる数式を用いて演算した。
このような四輪駆動車で、前輪110a,110bの操舵角をθ
に設定すると、前輪110a,110bはその約半分のθ/2の
角度で旋回を開始し、これと同時に後輪110c,110dには
スリップが発生し回転中心が第6図に示すOの位置にか
ら前方にずれるため、その相互作用により四輪駆動車は
全体として操舵角θの方向に向けてて旋回運動を行って
いくことになる。
このような場合に、該四輪駆動車の前輪及び後輪の間に
は前記第(4)式で示す差速ΔVが発生し、後輪側左
右両輪の間には前記第(9)式で示す差速ΔVが発生
し、更に後輪側左右両輪には前記第(10)式で示す差速
ΔVが発生することが経験則により求められる。
従って、本実施例の装置によれば、重心がん車両の中心
部付近にある四輪駆動車の動力計測、特にその旋回運動
試験を簡単な装置でしか精度良く行うことが可能とな
る。
制御回路の構成 第1図には、前記制御回路14の好適な1例が示されてい
る。
(a)ホイールベースL、キングピン間距離K等の設定 本実施例の制御回路14は、ホイールベース設定器210、
キングピン間距離設定器212及び操舵角設定器214を含
む。
そして、前記ホイールベース設定器210を用いて、試験
用四輪駆動車100のホイールベースL、すなわち前後車
軸の中心間の水平距離Lを設定する。
また、キングピン間距離設定器212を用いて、駆動輪110
のキングピン間の距離Kを設定する。
また、操舵角設定器214を用いて四輪駆動車100の前輪側
駆動輪110(a),110(b)の操舵角θを設定する。
(b)速度検出 実施例の制御回路14は、四輪駆動車100の各区動輪110a,
110b,…110dの速度を検出する速度セサ20a,20b,…20dが
設けられている。
実施例において、これら各センサ20a,20b,…20dは、対
応するローラ10a,10b,…10d又は動力計12a,12b,…12dの
回転数に基づき対応する駆動輪110の速度検出を行うよ
うに形成されている。
そして、全輪平均速度演算回路22は、前記各センサ20a,
20b,…20dの検出する速度の平均を演算し、これを全
負荷演算回路28へ入力している。
また、前輪平均速度演算回路24は、センサ20a,20b,…20
dの検出する前輪側左右両輪の速度Va及びVbの平均速度
を演算し、これを前後輪差速トルク演算回路30へ入
力している。
同様に、後輪平均速度演算回路26は、センサ20c,20dの
検出する後輪側左右両輪の速度Vc及びVdの平均速度
を演算し、これを前後輪差速トルク演算回路30へ入力し
ている。
(c)全負荷トルクT また、実施例の装置は、分担比設定比器32を用いて、四
輪駆動車100の前輪110a,110bと、後輪110c,110dとの駆
動力分担比x:(1−x)を設定し、これを全負荷演算回
路28へ入力している。
全負荷演算回路28は、四輪駆動車100の平均速度に基
づき加速度αを求める。そして、これら速度及び加速
度αに基づき第3図(A)に示す全負荷トルクTを演算
する。
(d)前後輪の駆動力分担比 ここにおいて、全負荷トルクTを構成する慣性トルクT
αは、固定慣性トルクTBと電気慣性トルクTEとから成る
が、固定慣性トルクTBは、シャシダイナモを構成するロ
ーラ10及び動力計12の機械的な慣性負荷として既に存在
している。
従って、駆動力110a,110b,…110dに加える回転トルクの
総和を全負荷トルクTと一致させるためには、各動力計
12の合計出力トルクを、電気慣性トルクTEと走行抵抗ト
ルクTVとを加算した値TDとなるよう制御すれば良いこと
が理解される。
このため、実施例の全負荷演算回路28は、前記平均速度
及び加速度αに基づき、全負荷トルクTを求め、この
全負荷トルクTから固定慣性トルクTBを減算した値を、
全動力計の合計出力トルクTDとして求める。
そして、この合計出力トルクTDを分担比設定器32の出力
する分担比x:(1−x)に基づき前輪側全負荷分担トル
クTF=x・TD及び後輪側全負荷分担トルクTR=(1−
x)TDとして求め、対応する各加算器34−1,34−2へ向
け出力する。
(e)前後輪の差速ΔV また、実施例の装置は、四輪駆動車100の前輪110a,110b
と後輪110c,110dとの差速ΔVを自動的に演算する前
後輪差速演算回路38を有し、その演算差速ΔVを前後
輪差速トルク演算回路30へ入力している。
本発明において、この前後輪差速演算回路38は、四輪駆
動車100の走行速度及び前輪の操舵角θに基づき所定
の演算式を用いて前輪側と後輪側の各駆動輪の差速ΔV
を演算出力するよう形成されている。本実施例におい
ては、全輪平均速度演算回路22の出力する平均速度及
び操舵角設定器214の出力する操舵角θに基づき、前記
第(4)式を用いて差速ΔVを演算出力するよう形成
されている。
そして、前後輪差速トルク演算回路30は、四輪駆動車10
0の前後輪の差速(VF−VR)が前記設定差速ΔVと一
致するよう、前輪側差速トルクτを演算し加算器34−
1へ入力するとともに、このτをインバータ40を用い
て反転し、後輪側差速トルク−τとして加算器34−2
へ入力する。
この結果、加算器34−1,34−2からは第(5)式、第
(6)式で表すように、四輪駆動車100の前後輪の分担
比x:(1−x)及び差速ΔVを考慮した前輪側の全負
荷分担トルクTF 及び後輪側の全付加分担トルクTR
出力されることになる。
そして、各加算器34−1,34−2の出力TF ,TR は更に
除算器36−1,36−2へ入力され、ここで前記第(7)
式、第(8)式に基づきその値は1/2に除算され、前
輪側一輪当りの分担トルクTF 及び後輪側一輪当りの分
担トルクTR として出力される。
(f)左右両輪の差速ΔV,ΔV また、実施例の装置は、四輪駆動車100の前輪側左右両
輪100a及び110bの間に発生する差速ΔVを前輪側差速
演算回路40を用いて演算し、その値ΔVを前輪側差速
トルク演算回路42へ入力している。
本発明において、この前輪用側差速演算回路40は、四輪
駆動車100の走行速度、ホイールベースL、キングピ
ン間距離K及び操舵角θに基づき前記差速ΔVを演算
出力するよう形成されており、具体的には前記第(9)
式に基づき差速ΔVを演算出力するよう形成されてい
る。
また、実施例の装置は、四輪駆動車100の後輪側左右両
輪110c及び110dの差速ΔVを、後輪側差速演算回路44
を用いて演算し、その演算値ΔVを後輪側差速トルク
演算回路46へ入力している。
本発明において、この後輪側差速演算回路44は、四輪駆
動車100の走行速度、ホイールベースL、キングピン
間距離K及び操舵角θに基づき差速ΔVを演算出力す
るよう形成されており、具体的には前記第(10)式に基
づき差速ΔVを演算出力するよう形成されている。
そして、前記前輪用差速トルク演算回路42は、センサ20
a,20bを用いて検出される前輪側左右両輪110a及び110b
の差速(VF−VR)と前記演算差速ΔVとが一致するよ
う、左前輪差速トルクτを演算し加算器48aへ入力す
る。これと同時に、この差速トルクτをインバータ50
を介して反転し右前輪差速トルク−τを求め、これを
加算器48bへ入力している。
そして、前記各加算器48a,48bは前記第(11)式、第(1
2)式に基づき、前輪側左右両輪110a及び110bの間に差
速ΔV発生させるために必要な左前輪分担トルクTa及
び右前輪分担トルクTbを演算出力する。
同様にして、後輪用車速トルク演算回路46は、センサ20
c及び20dを用いて検出された後輪側左右両輪110c及び11
0dの差速(Vc−Vd)と演算差速ΔV3とが一致するよう、
左後輪差速トルクτを演算し加算器48cへ入力すると
ともに、該演算トルクτをインバータ52を用いて反転
し右後輪差速トルク−τを求めこれを加算器48dへ入
力している。
そして、前記各加算器48c及び48dは、四輪駆動車100の
左右後輪に所定の差速ΔVを発生させるために必要な
左後輪分担トルクTc及び右後輪分担トルクTdを前記第
(13)式、第(14)式に基づき演算出力する。
(g)動力計の出力制御 このようにして、各加算器48a,48b,48c,48dは、前記第
(11)式〜第(14)式に示すように、四輪駆動車100の
前後輪に差速ΔV、前輪側左右両輪に差速ΔV、後
輪側左右両輪に差速ΔVを発生させるために必要な、
左前輪分担トルクTa,右前輪分担トルクTb,左後輪回転ト
ルクTc,右後輪分担トルクTdを演算出力する。
そして、これら各演算値に基づき、各動力計制御回路54
a,54b,…54dは対応する動力計12a,12b,…12dの出力トル
クを制御している。
従って、四輪駆動車100の各駆動輪110a,100b,…110dに
は、ローラ10a,10b,…10dを介して、これら各動力計12
a,12b,…12dの出力する回転トルクTa,Tb,…Tdと、ロー
ラ10及び動力計12の有する固有の固定慣性トルクとを合
計した回転トルクが印加されることなる。
ここにおいて、各ローラ10a,10,…10dを介して対応する
駆動輪110a,110b,…110dに与えられる各固定慣性トルク
の総和がTBであるとすると、ローラ10a,10b,…10dを介
して各駆動輪110a,110b…110dに与えられる回転トルク
の総和は、次式で表されるように、全負荷トルクTと一
致することが理解される。
(Ta+Tb+Tc+Td)+TB ={(TF +τ)+(TF −τ)+(TR + τ)+(TR −τ)+TB} =2TF +2TR +TB =TF +TR +TB =TV+Tα+TB =TF+TR+TB =TD+TB =T …(15) 以上の構成とすることにより、本発明の四輪駆動車用シ
ャシダイナモでは、以下にのべるような優れた作用効果
を奏することが可能となる。
(イ)まず、本発明のシャシダイナモでは、四輪駆動車
100の前輪110a,110bの後輪110c,110dに、分担比設定器3
2で設定された分担比x:(1−x)に応じた回転トルク
を与えることができ。
特に、本発明によれば、前記第(4)式で示すように、
四輪駆動車100の走行速度、前輪110a,110bの操舵角θ
を考慮して、前輪側駆動輪110a,110bと後輪側駆動輪110
c,110dとの差速ΔVを演算し、前輪及び後輪の実際の
差速(VF−VR)がΔVとなるように自動的にその左差
速制御を行うため、実走行状態、特に四輪駆動車が旋回
運動するような場合を正確にシュミレート可能であるこ
とが理解されよう。
(ロ)また、本発明によれば、前記第(9)式に示すよ
うに四輪駆動車100の速度、ホイールベースL,キング
ピン間距離K及び前輪の操舵角θを考慮して、前輪側左
右両輪110a及び110bの間に発生する差速をΔVに演算
し、これ等左右両輪110a及び110bの実際の差速(Va−V
b)を演算値ΔVに自動制御しているため、四輪駆動
車が実際に路上を走行している状態、特に操舵角θで旋
回運動している場合に発生する前輪側左右両輪の差速を
より正確にシュミレートしその動力計測を行うことが可
能となる。
(ハ)また、本発明によれば、前記第(10)式に示すよ
うに四輪駆動車100に走行速度、ホイールベースL,キ
ングピン間距離K及び操舵角θに基づき、後輪側左右両
輪110c及び110dの間に発生する差速ΔVを演算し、前
輪側とは全く独立して、これ等後輪側左右両輪110c及び
110dの差速(Vc−Vd)を演算値ΔVに制御しているた
め、実際の路上走行状態をより正確にシュミレートする
ことが可能となる。
(ニ)更に、本発明によれば、前記第(15)式で示すよ
うに、、四輪駆動車100の各駆動輪110a,110b…110dに加
える回転トルクの総和が実走行時における全負荷トルク
Tと一致するよう制御しながら、前記差速制御を行うた
め、所定の負荷が加わった状態における四輪駆動車100
の実走行状態をシャシダイナモ上において極めて正確に
シュミレートすることができる。
特に、本発明によれば、四輪駆動車100のホイールベー
スL,キングピン間距離Kを予め設定しておけば、動力試
験中には操舵角設定器214を用いて操舵角θを入力する
だけで、各種四輪駆動車の旋回運動をシャシダイナモ上
において正確かつ自動的にシュミレートすることがで
き、また動力試験中において操舵角θを任意に変更する
こともできるため、シャシダイナモ上において四輪駆動
車の各種動力計測を効率よく行うことが可能となる。
(ホ)更に、本発明によれば、四輪駆動車100の4つの
駆動輪110a,110b…の間に発生する差速を、前述したよ
うに前後輪の間に発生する差速ΔVと、前輪側左右両
輪の間に発生する差速ΔVと、後輪側左右両輪の間に
発生する差速ΔVの3つの要素に分解して解析しその
演算を行っている。このため、駆動輪110a,110b,…110d
の間に所定の差速を発生させるためのトルク演算を、こ
れら各駆動輪毎に個別に行うものに比し簡単かつ迅速に
行うことができる。
従って、本発明によれば装置全体の構成を簡単にかつ安
価なものとし、しかも、四輪駆動車100の実走行状態を
リアルタイムで正確にシュミレートして各種動力計測を
行うことができる。
(ヘ)更に、本発明によれば、前述したように、四輪駆
動車100のホイールベースL,キングピン間距離Kを予め
設定しておき、その後前輪の操舵角θを入力すればよい
ため、オペレータは各データの設定を容易に行うことが
でき、またこのような差速制御を例えば電子計算機など
を用いて自動的に行うような場合でも、その旋回運動試
験用のプログラムを極めて簡単なものとすることが可能
となる。
具体的な実施例 第4図には、前記第1図に示すブロック図の具体的な回
路構成が示されている。
実施例において、各センサ20は、ピックアップ20−1を
用いて対応するローラ10の回転数を検出し、その検出回
転数を検出器20−2を用いて走行速度に変換出力してい
る。
また、実施例の分担設定器32は、前輪の分担比xを設定
する設定器32aと、この設定値に基づき後輪側分担比
(1−x)を演算出力する演算器32bから構成され、こ
れら各分担比を全負荷演算回路28へ入力している。
また、この全負荷演算回路28は、走行抵抗演算部60と慣
性抵抗演算部62とを含み、車両走行速度に基づいた走
行抵抗トルクTv及び加速度αに基づいた慣性トルクTα
の演算を行っている。
すなわち、前記走行抵抗演算部60は、ロードロード設定
器64と一対の積算器66,68から構成されている。
前記ロードロード設定器64は、全輪平均速度演算回路22
の出力する平均速度に基づき該速度における走行抵
抗トルクTvを演算出力する。このようなロードロード設
定器64としては、各種方式を採用したものが周知であ
り、本実施例においては、予め車速vと走行抵抗トルク
との関係を制定しておき、速度vに対応したトルクを走
行抵抗トルクTvとして出力するよう形成されている。
そして、一方の積算器66な、このロードロード設定器64
から出力される四輪駆動車全体の走行抵抗トルクTvに前
輪側駆動輪の分担比xを乗算し前輪側駆動輪110a,110b
に加わる走行抵抗分担トルク(xTv)を演算出力してい
る。
また、他方の積算器68は、前記走行抵抗トルクTvに、後
輪側駆動輪110c及び110dの駆動力分担比(1−x)を乗
じて、これら後輪側駆動輪110c,110dに加わる走行抵抗
分担トルク(1−x)Tvを演算出力する。
また、前記慣性抵抗演算部62は、四輪駆動車100の車重
Wを設定する車両重量設定器70を含み、設定値Wを積算
器74及び76へ入力している。
積算器74は、該車重Wと前輪側分担比xとを積算し、前
輪側駆動輪110a及び110bの慣性負荷Wxを演算し、これを
減算器78へ入力している。
同様にして、他方の積算器76は、車重Wと後輪側分担比
(1−x)とを積算し、後輪側駆動同輪110c,110dの分
担する慣性負荷W(1−x)を演算し、これを減算器80
へ入力している。
また、この慣性抵抗演算部62は、前輪側ローラ及び動力
計の固定慣性負荷WBFを設定する設定器82と、後輪側ロ
ーラ及び動力計の固定慣性WBRを制定する設定器84とを
含み、これら設定値を対応する減算器78及び80へ入力し
ている。
そして、一方の減算器78は、前輪側の慣性負荷Wxから固
定慣性負荷WBFを減算し、その減算値(Wx−WBF)を前輪
側の電気慣性負荷WEFとして積算器84へ向け出力する。
同様にして、他方の減算器80は前段の積算器76の出力か
ら設定器84の出力を減算し、その減算値{W(1−x)
−WBF)を後輪側の電気慣性負荷WERとして積算器88へ向
け出力する。
そして、この慣性抵抗演算部62は、このようにして求め
た電気慣性負荷を加速度αに対応した電気慣性トルクに
演算するため、加速度センサ72を用いて加速度αを検出
している。
実施例において、この加速度センサ72は、車両平均速度
を微分することにより加速度αを演算出力している。
そして、各積算器84及び88は、次式に基づき前輪側の電
気慣性分担トルクTEF及び後輪側の電気慣性分担トルクT
ERを求め、これを対応する加算器90及び92へそれぞれ入
力している。
TEF=α・WEF=xTE …(16) TER=α・WER=(1−x)TE …(17) そして、一方の加算器90は、積算器66及び86の出力する
前輪側の走行抵抗分担トルク及び電気慣性分担トルクを
次式で示すように加算し、その加算値を前輪側駆動輪の
全負荷分担トルクTFとして出力する。
TF=xTv+xTE=x・(Tv+TE) …(18) 同様にして他方の加算器92には、積算器68及び88の出力
する後輪側駆動輪の走行抵抗分担トルク及び電気慣性分
担トルクを次式で示すように加算し、その加算値TR後輪
側駆動輪110c及び110dの全負荷分担トルクTRとして出力
する。
TR=(1−x)Tv+(1−x)TE =(1−x)(Tv+TE) …(19) また、本実施例の前後輪差速演算回路38は、設定器214
から出力される操舵角θの、全輪平均速度演算回路22か
ら出力される速度とを用い前記第(4)式に基づき前
後輪間の差速ΔVを演算出力している。
そして、実施例の前後輪差速トルク演算回路30は、前輪
側左右両輪と平均速度VFと後輪側左右両輪の平均速度VR
との差速を検出する減算器30aと、検出差速と演算差速
ΔVとの偏差を検出する減算器30bとを含み、トルク
演算器30cを用いて前記検出偏差が0となるよう、差速
トルクτを演算出力している。
また、実施例の前輪側差速演算回路40は四輪駆動車100
の走行速度,ホイールベースL、キングピン間距離K
及び前輪の操舵角θに基づき、前記第(9)式を用いて
前輪側左右両輪の差速ΔVを演算出力している。
そして、前輪用差速トルク演算回路42は、減算器42a,42
b及びトルク演算値42cからなり、前輪側左右両輪の差速
(Va−Vb)と演算差速ΔVとの偏差が0となるよう左
前輪110aの差速トルクτを演算出力している。
また実施例の後輪側差速演算回路44は、四輪駆動車の走
行速度、ホイールベースL、キングピン間距離K及び
操舵角θを用いて前記第(10)式に基づき後輪側左右両
輪の差速ΔVを演算出力している。
そして、後輪用差速トルク演算回路46は、減算器46a,46
b及びトルク演算器46cからなり、後輪側左右両輪の差速
(Vc−Vd)と演算差速ΔVとの偏差が0となるよう、
左後輪の差速トルクτを演算出力している。
また、実施例の動力計制御回路54は、それぞれ対応する
動力計12の揺動トルクを検出しアンブ54−2を介して出
力するロードセル54−1と、揺動トルクと加算器48の出
力とを照合する照合器52−3を含み、照合値が一致する
よう、トルク制御回路54−4によりゲートパルスジェネ
レータ54−5、サイリスタユニット54−6を介して動力
計12の出力を制御している。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、四輪駆動車の各
駆動輪の間に発生する差速を、前後輪の間に発生する差
速と、前輪側左右両輪の間に発生する差速と、後輪側左
右両輪の間に発生する差速の3つの要素に分解し、発生
する差速を体系づけて解析している。このため、4輪駆
動車が各駆動輪の間に所定の差速をもって実走行してい
る際にこれら各駆動輪に加わる回転トルクの演算を簡単
にしかも迅速に行うことができ、四輪駆動車の各駆動輪
の差速制御を簡単な装置で、自動点にかつリアルタイム
で行うことができる。
また、本発明によれば、これら各駆動輪に加わる回転ト
ルクの総和が、実走行時に四輪駆動車に加わる全負荷ト
ルクと常に等しい値となるよう制御されるため、シャシ
ダイナモ上において、四輪駆動車の各種動力試験、特に
四輪駆動車が所定のトルク条件下で旋回走行している状
態を正確にシュミレートして動力計測することが可能と
なる。
特に、本発明によれば、予め四輪駆動車のホイールベー
ス及びキングピン間距離を予め設定しておけば、動力試
験中に四輪駆動車の操舵角θを入力するのみで、四輪駆
動車の前後輪間の差速、前輪側左右両輪の差速、後輪側
左右両輪の差速を自動的に演算制御することができる。
このため、四輪駆動車が路上でステアリングをきったと
きと同じ状態をシャシダイナモ上において、簡単な操作
で正確に再現し、車両の各種旋回性能試験を行うことが
可能となる。
更に、本発明によれば、予め試験車両のホイールベー
ス、キングピン間距離を単に設定しておけば、試験中に
は必要に応じて操舵角θを設定するという簡単な操作を
行えばよいだけであるため、オペレータの負担を著しく
軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明にかかる四輪駆動車用シャ
シダイナモの好適な実施例を示すブロック図、 第3図は本発明の原理を示す説明図、 第4図は第1図に示すブロック図の具体的な回路構成の
説明図、 第5図は四輪駆動車の前輪及び後輪に印加される車重の
説明図、 第6図は四輪駆動車が旋回運動する場合の説明図であ
る。 10a,10b,10c,10d……ローラ 12a,12b,12c,12d……動力計 14……制御回路 20a,20b,20c,20d……速度センサ 22……全輪平均速度演算回路 24……前輪平均速度演算回路 26……後輪平均速度演算回路 28……全負荷演算回路 32……前後輪差速トルク演算回路 38……前後輪差速演算回路 40……前輪側差速演算回路 42……前輪側差速トルク演算回路 44……後輪側差速演算回路 46……後輪側差速トルク演算回路 50a,50b,50c,50d……動力計制御回路 210,212,214……設定器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四輪駆動車の各駆動輪に1対1に対応して
    設けられた4個のローラと、これら各ローラに接続され
    た4個の動力計と、前記各動力計の出力トルクを個別制
    御しローラ上において4輪駆動車の実走行状態にシュミ
    レートする動力計制御手段と、 を含み、 前記動力計制御手段は、 4輪駆動車のホイールベースL及びキングピン間距離K
    を設定する設定器と、 4輪駆動車の前輪操舵角θを入力する操舵角設定器と、 四輪駆動車の各駆動輪の速度を検出する速度検出部と、 走行速度、ホイールベースL、キングピン間距離K及び
    前輪操舵角θを用い、所定の演算式に基づき前輪と後輪
    との差速ΔV、前輪側左右両輪の差速ΔV及び後輪
    側左右両輪の差速ΔVを演算出力する差速演算回路
    と、 走行速度及び加速度に基づき四輪駆動車の全負荷トルク
    を演算し、四輪駆動車の前後輪分担比に基づき前輪側及
    び後輪側の各駆動輪が分担する全負荷分担トルクを演算
    する全負荷演算回路と、 実際の前後輪の差速が演算された差速ΔVと一致する
    よう、絶対値が等しく正負の符号のみが異なる前輪側差
    速トルク及び後輪側差速トルクを演算する前後輪差速ト
    ルク演算回路と、 実際の前輪側左右両輪の差速が演算された差速ΔV
    一致するよう、絶対値が等しく正負の符号のみが異なる
    左前輪差速トルクと右前輪差速トルクを演算出力する前
    輪側差速トルク演算回路と、 実際の後輪側左右両輪の差速が演算された差速ΔV
    一致するよう、絶対値が等しく正負の符号のみが異なる
    左後輪差速トルク及び右後輪差速トルクを演算出力する
    後輪側差速トルク演算回路と、 前輪側の全負荷分担トルク、前輪側差速トルク及び左前
    輪差速トルクに基づき左前輪側動力計の出力トルクを制
    御する第1の動力計制御回路と、 前輪側の全負荷分担トルク、前輪側差速トルク及び右前
    輪差速トルクに基づき右前輪側動力計の出力トルクを制
    御する第2の動力計制御回路と、 後輪側の全負荷分担トルク、後輪側差速トルク及び左後
    輪差速トルクに基づき左後輪側動力計の出力トルクを制
    御する第3の動力計制御回路と、 後輪側の全負荷分担トルク、後輪側差速トルク及び右後
    輪差速トルクに基づき右後輪側動力計の出力トルクを制
    御する第4の動力計制御回路と、 を含み、各駆動輪に与えられる回転トルクの総和が全負
    荷トルクと常に等しくなるように、四輪駆動車の各駆動
    輪の車速制御を行い、四輪駆動車が操舵角θで路上を走
    行した状態をシュミレートすることを特徴とする四輪駆
    動車用シャシダイナモ。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲(1)記載の装置におい
    て、前記差速演算回路は、 四輪駆動車の走行速度及び前輪操舵角θに基づき所定の
    演算式に従って前輪と後輪との差速ΔVを演算出力す
    る前後輪差速演算回路と、 前記走行速度、ホイールベースL、キングピン間距離K
    及び操舵角θに基づき所定の演算式に従って前輪側左右
    両輪の差速ΔVを演算する前輪側差速演算回路と、 前記走行速度、ホイールベースL、キングピン間距離K
    及び操舵角θに基づき所定の演算式に従って後輪側左右
    両輪の差速ΔVを演算する後輪側差速演算回路と、 から成ることを特徴とする四輪駆動車用シャシダイナ
    モ。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲(1),(2)のいずれか
    に記載の装置において、 前後輪差速演算回路は、定数A,前輪操舵角θ、走行速度
    Vを用いて次式に基づき前後輪の差速ΔVを演算出力
    することを特徴とする四輪駆動車用シャシダイナモ。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲(1)〜(3)のいずれか
    に記載の装置において、 前輪側差速演算回路は、定数A、走行速度V、ホイール
    ベースL、キングピン間距離K及び前輪操舵角θを用い
    て、次式に基づき前輪側左右両輪の差速ΔVを演算出
    力することを特徴とする四輪駆動車用シャシダイナモ。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲(1)〜(4)のいずれか
    に記載の装置において、 後輪側差速演算回路は、定数A、走行速度V,ホイールベ
    ースL,キングピン間距離K及び操舵角θを用いて、次式
    に基づき後輪側左右両輪の差速ΔVを演算出力するこ
    とを特徴とする四輪駆動車用シャシダイナモ。
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