JPH0663593U - 高所作業車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者を安全に高所に移動させることのみな
らず、重量物を天井面等に接近させることもできるよう
にした高所作業車を提供する。 【構成】 本高所作業車１０は、上部マスト部材１２ｂ
の下部に取り付けられた作業床１４の上方スペースを取
り囲むように着脱自在に取り付けられる手すり１５と、
この手すり１５が取り外されているときにのみ作業床１
４を上部マスト部材１２ｂに沿って上下にスライド移動
させるスライド手段とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主に屋内作業に用いられる高所作業車に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図５に示すように、高所作業車５０は、走行自在な走行台車５１と、この走行 台車５１に取り付けられた下部マスト部材５２ａおよびこの下部マスト部材５２ ａに伸縮移動自在に取り付けられた上部マスト部材５２ｂからテレスコープ状に 構成された昇降マスト５２とを備えて構成されるものが多い。そして、上部マス ト部材５２ｂの下部には作業床５４が水平に取り付けられている。この作業床５ ４に搭乗した作業者Ｍは、走行台車５１を走行させたり昇降マスト５２の伸縮作 動により作業床５４を昇降させたりして任意の高所に移動することかできる。な お、作業床５４からの作業者Ｍの落下を防止するため、上部マスト部材５２ｂ上 部と作業床５４の上面には、作業床５４の上方スペースを作業者Ｍの腰高にて取 り囲む手すり５５が取り付けられている。

【０００３】 ところで、このような高所作業車５０を用いて、空調ユニット等の重量物Ｇの 屋内天井面Ｃへの取付作業を行う場合には、高所作業車５０の側方に、重量物Ｇ の持ち上げ専用の揚重作業車６０を配置して、取付終了まで重量物Ｇを支持させ てく。ここで、この揚重作業車６０は、走行台車６１および揚重テーブル６４を 昇降させる昇降マスト６２を備える点で高所作業車５０と共通している。このた め、揚重作業車６０の代わりに高所作業車を用いることができるようにも考えら れる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、高所作業車５０と同じものでは、上部マスト部材の大部分が作 業床の上方に突出しており、上部マスト部材と作業床間には手すりが取り付けて あるため、それらが邪魔となって重量物を天井面に接近させることができないと いう問題がある。

【０００５】 本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであり、作業者を安全に高所 に移動させることのみならず、重量物を天井面等に接近させることもできるよう にした高所作業車を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の高所作業車は、上部マスト部材の下部 に取り付けられた作業床の上方スペースを取り囲むように着脱自在に取り付けら れる手すりと、この手すりが取り外されているときにのみ作業床を上部マスト部 材に沿って上下にスライド移動させるスライド手段とを備えている。

【０００７】

【作用】

このような高所作業車では、手すりを取り付けたときは、作業床に作業者をこ こから落下しないように搭乗させることができる。そして、この手すりが取り付 けられた状態ではスライド手段が作動しないので、作業者は誤って作業床を上部 マスト部材に対してスライド移動させることなく安全に高所作業を行うことがで きる。一方、手すりを取り外したときは、スライド手段の作動により作業床を上 部マスト部材の上端まで上昇させることができるので、この作業床に積載した重 量物を天井面等に接近させることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。図１に は、本考案に係る高所作業車１０を示している。この高所作業車１０は、走行自 在な走行台車１１と、この走行台車１１の前部に取り付けられた昇降マスト１２ とを有して構成されている。昇降マスト１２は、走行台車１１に垂直に取り付け られた下部マスト部材１２ａと、この下部マスト部材１２ａを受容しつつこの下 部マスト部材１２ａに対して伸縮移動が自在な上部マスト部材１２ｂとからテレ スコープ状に構成されている。

【０００９】 ここで、昇降マスト１２の伸縮作動を行わせる伸縮駆動装置について図２を用 いて説明する。伸縮駆動装置２０は、下部マスト部材１２ａの側面下部に取り付 けられた下部スプロケット２１と、走行台車１１の車体前部に取り付けられ、下 部スプロケット２１を回転駆動する伸縮駆動モータ２２と、下部マスト部材１２ ａの側面上端部に取り付けられた上部スプロケット２３と、両スプロケット２１ ，２３間にエンドレスに掛け回されたチェーン２４と、このチェーン２４と上部 マスト部材１２ｂとを連結する連結部材２５とから構成されている。このため、 駆動モータ２２を回転作動させてチェーン２４を回転させることにより、上部マ スト部材１２ｂを下部マスト部材１２ａに対して伸縮移動させることができる。

【００１０】 また、図１に示すように、上部マスト部材１２ｂには、作業床支持用ブラケッ ト１３がこの上部マスト部材１２ｂに沿って上下方向にスライド移動自在に取り 付けられている。このブラケット１３の後面には作業床１４が水平に取り付けら れている。

【００１１】 上部マスト部材１２ｂの上部側面と作業床１４の上面には、作業床１４の上方 スペースを腰高に取り囲む手すり１５が取り付けられている。ただし、この手す り１５は、図１中に鎖線で示すように、上部マスト部材１２ｂおよび作業床１４ から取り外すことができる。

【００１２】 さらに、上部マスト部材１２ｂには、図２に詳しく示すように、作業床支持用 ブラケット１３を上下方向にスライド移動させるスライド駆動装置３０が取り付 けられている。このスライド駆動装置３０は、上部マスト部材１２ｂの下端部前 側に取り付けられた下部スプロケット３１と、この下部スプロケット２１を回転 駆動するスライド駆動モータ３２と、上部マスト部材１２ｂの上端部前側に取り 付けられた上部スプロケット３３と、両スプロケット３１，３３間にエンドレス に掛け回されたチェーン３４と、このチェーン３４とブラケット１３とを連結す る連結部材３５とから構成されている。このため、スライド駆動モータ３２を回 転作動させてチェーン３４を回転させることにより、作業床支持用ブラケット１ ３、即ち、作業床１４を上部マスト部材１２ｂに対してスライド移動させること ができる。

【００１３】 このように構成されたスライド駆動装置３０は、図３に示すように、操作スイ ッチ（図１等に図示はしていないが、上部マスト部材１２ｂの上端部等に取り付 けられる。）４１がオン操作されたときに、この操作スイッチ４１から操作信号 ライン４２を介して送出された操作信号により作動する。ただし、操作信号ライ ン４２上には開閉装置４３が設けられており、この開閉装置４３には手すり装着 検出器４４がつながっている。この手すり装着検出器４４は、上部マスト部材１ ２ｂの上部および作業床１４の上面うち少なくとも一方に手すり１５が取り付け られたことを検出して検出信号を出力する。そして、開閉装置４３は、手すり装 着検出器４４から検出信号を受けたときに上記操作信号ライン４２を遮断するよ う作動し、検出信号が未入力のとき（作業床１４から手すり１５が取り外された とき）に操作信号ライン４２を開通するよう作動（復帰）する。

【００１４】 以上のように構成された高所作業車１０では、図１に示すように、作業床１４ を上部マスト部材１２ｂの下端部に固定し、上部マスト部材１２ｂおよび作業床 １４に手すり１５を取り付ければ、作業床１４に作業者（図示せず）をそこから 落下するおそれなく搭乗させることができる。なお、この状態で操作スイッチ４ １をオン操作しても、開閉装置４３が遮断側に切り換わっているので、スライド 駆動装置３０は作動せず、作業床１４が上部マスト部材１２ｂに対して上昇する ことはない。このため、作業者は安全に高所作業を行うことができる。

【００１５】 一方、上部マスト部材１２ｂおよび作業床１４から手すり１５を取り外した後 、作業床１４に重量物（図示せず）を積載して、操作スイッチ４１をオン操作す れば、手すり装着検出器４４からの検出信号の入力がなくなった開閉装置４３が 既に開通側に復帰しているため、スライド駆動装置３０を作動させて作業床１４ を上部マスト部材１２ｂに対して上昇させることができる。こうして、図４に示 すように、作業床１４を上部マスト部材１２ｂの上端まで上昇させることにより 、作業床１４から上方に突出する部分をほとんどなくすることがでる。そして、 伸縮駆動装置２０によって昇降マスト１２を適宜伸長させれば、重量物をこれを 取り付けるべき屋内天井面等に接近させることができる。このため、本高所作業 車１０を揚重作業車の代わりに用いて作業を行うことができる。

【００１６】 なお、上記実施例では、電気的に作動する開閉装置４３によりスライド駆動装 置３０の作動を規制したが、機械的に規制するものを用いてもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の高所作業車を用いれば、手すりを取り付けること により、作業者は落下しないように作業床に搭乗することができ、また、誤操作 を行っても作業床の上部マスト部材に対するスライド移動が行われないようにす ることができる。このため、作業床に搭乗した作業者は安全に高所作業を行うこ とができる。一方、手すりを取り外すことにより、作業床を上部マスト部材の上 端までスライド移動させることができる。このため、作業床に積載した重量物を 天井面等に接近させることができる。したがって、本高所作業車を揚重作業車の 代わりに使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る高所作業車の側面図である。

【図２】上記高所作業車における伸縮駆動装置およびス
ライド駆動装置を示した概略図である。

【図３】上記スライド駆動装置の制御系のブロック図で
ある。

【図４】上記高所作業車の側面図である。

【図５】従来の高所作業車等の背面図である。

【符号の説明】

１０，５０ 高所作業車 １１，５１ 走行台車 １２，５２ 昇降マスト １２ａ，５２ａ 下部マスト部材 １２ｂ，５２ｂ 上部マスト部材 １４，５４ 作業床 １５，５５ 手すり ２０ 伸縮駆動装置 ３０ スライド駆動装置 ６０ 揚重作業車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行自在な走行台車と、この走行台車に
   取り付けられた下部マスト部材およびこの下部マスト部
   材に伸縮移動自在に取り付けられた上部マスト部材から
   テレスコープ状に構成され、前記上部マスト部材に取り
   付けられた作業床を昇降移動させる昇降マストとを有し
   てなる高所作業車であって、 前記上部マスト部材の下部に取り付けられた前記作業床
   の上方スペースを取り囲むように着脱自在に取り付けら
   れる手すりと、 前記手すりが取り外されているときにのみ前記作業床を
   前記上部マスト部材に沿って上下にスライド移動させる
   スライド手段とを備えていることを特徴とする高所作業
   車。