JPH0663132A - 液体処理器 - Google Patents

液体処理器

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JPH0663132A
JPH0663132A JP24733792A JP24733792A JPH0663132A JP H0663132 A JPH0663132 A JP H0663132A JP 24733792 A JP24733792 A JP 24733792A JP 24733792 A JP24733792 A JP 24733792A JP H0663132 A JPH0663132 A JP H0663132A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハウジング30と、濾過部材33によって画
成された液体流入空間Aと、液体流出空間Bとにそれぞ
れ接続される液体流入口31と液体流出口32とを有す
る液体処理器3であって、液体流出空間Bに連通する排
気用連通路6aと吸気用連通路6bとを設け、排気用連
通路6aには疎水性フィルター62aを、吸気用連通路
6bには除塵かつ除菌作用を有するフィルター62bを
設けた構造で、シール部材(遮蔽手段)65で吸気用連
通路6bを遮蔽して、回収時にこれを剥し、外気を流入
可能とした。 【効果】 プライミングが容易で、かつ液体回収率が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液などの体液を濾別
処理する液体処理器および液体処理器を備えた送液回路
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、輸血セットによって輸血
を行う場合には、輸血される血液は、血液バッグから、
アグリゲートフィルター、血液フィルター、点滴筒等を
介して、主に落差によって流れて行くが、血液バッグ内
の血液がなくなると、血漿バッグ内に空気が入っておら
ず、またはわずかしか入っていないため、血液バッグか
ら下流側に接続されているアグリゲートフィルター、血
液フィルター、点滴筒およびこれらを接続する接続チュ
ーブ内等に、血液が残ってしまう。このため、回路中に
残留する血液なども有効に利用するために、これらを回
収する方法や、回路構造の改良が望まれている。
【0003】一方、成分輸血を行う場合、赤血球製剤の
純度を高くする1つの方法として濾過法が採用されてい
る。この濾過法は、輸血回路中に設けられた、前記血液
フィルターによって実施される。従来の血液フィルター
は、液流入口と液流出口とを有するハウジング内に、白
血球や血小板を除去する濾過部材を設けて構成されてお
り、該濾過部材によって、ハウジング内は液流入口側の
液流入部と、液流出口側の液流出部との二つに分割され
ている。
【0004】ところで、従来の血液フィルターを使用す
る場合には、エアーブロックなどを防止して、血液フィ
ルターの機能を十分に得るために、最初に血液または生
理食塩水などによるプライミング操作が必要となるが、
液流入口が血液フィルター上部に、液流出口が株式会社
に備わっているような血液フィルターにおいては、プラ
イミングの際にハウジングの姿勢を逆さにするなどの、
大掛かりな操作をしなければならなかった。このような
プライミング操作を簡易化するため、例えば、米国特許
第4923620号に記載されているように、血液流入
口を下部に、流出口を上部に設けたものや、特開平2−
63470号に記載されているように、プライミング時
にハウジング内の空気が抜け出るように通気部を設けた
ものが提案されている。
【0005】これらの構造では、プライミングは容易に
可能となるが、濾別処理が終了した後はハウジング内に
体液が残ってしまい、既に述べたような十分な回収は期
待できない。さらに、ハウジング内に残った体液の回収
率を上げるために、血液フィルターの液流入口側に連結
する送液チューブに外部との連通を可能とする気体連通
部を設けた構成が提案されているが、濾過部材が体液で
濡れてしまった後では、流入した気体が濾過部材を透過
できず、液体流入口側の体液しか回収することができな
い。また、前記特開平2−63470号公報には、濾過
部材の液流出口側に回収時に開放される気体連通部が設
けられている構造も開示されているが、プライミング時
の排気作用はないので、プライミング操作が従来どおり
面倒となる。
【0006】さらに、上記公報に記載された従来のフィ
ルターでは、プライミング時に排気作用を有する気体連
通部に着脱自在のキャップを設けて、プライミングが完
了した時にはキャップをつけて気体連通部を閉塞し、回
収時にはキャップを外して気体の流入口としての役割を
兼ね備えさせるこもできるとされている。
【0007】しかし、このようなキャップを設けたもの
は、プライミング終了のタイミングを計ってキャップを
装着しなければならないなど、取扱が煩雑となり、他の
仕事で繁忙な看護婦などが操作するには適さない構造で
ある。さらに、実際には、気体連通部に設けられている
フィルターが、プライミング後に体液に接触すると、体
液中のたんぱく質などがフィルターに付着して、気体が
通気しにくくなり、回収時の気体の流入口としての役割
を果たさなくなってしまうといった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液体
処理器の能力を十分に引き出すためのプライミングを簡
単な操作で可能とし、かつ、液体処理器および液体処理
器を用いた送液回路内の、体液を高い割合で回収するこ
とができる液体処理器および液体処理器を用いた送液回
路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。
【0010】(1) ハウジングと、前記ハウジング内
に収容され、ハウジング内部を液体流入空間と液体流出
空間とに区画する濾過部材と、前記液体流入空間に連通
する液体流入口と、前記液体流出空間に連通する液体流
出口と、前記液体流出空間に連通し、疎水性フィルター
を有する排気用連通路と、前記液体流出空間に連通し、
除塵かつ除菌作用を有するフィルターを有する吸気用連
通路と、前記吸気用連通路を遮蔽し、必要時に前記遮蔽
を解除する遮蔽手段とを有することを特徴とする液体処
理器。
【0011】(2) 前記排気用連通路および/または
吸気用連通路は、液体処理器の使用時の姿勢において、
最も高い位置またはその近傍に設けられている上記
(1)に記載の液体処理器。
【0012】(3) 前記液体流入空間に連通し、前記
液体流入空間内に空気を導入し得る通気手段が設けられ
ている上記(1)または(2)に記載の液体処理器。
【0013】(4) 前記遮蔽手段は、シール部材を吸
気用連通路に剥離可能に貼りつけて構成されているもの
である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体処理
器。
【0014】(5) さらに、ハウジングに設けられた
本体と、前記本体に摺動自在に挿入される弁体と、前記
本体に設けられ、疎水性フィルターを有する排気用連通
路と、前記本体に設けられ、除塵かつ除菌作用を備えた
フィルターを有する吸気用連通路と、前記弁体に形成さ
れ、前記排気用連通路と吸気用連通路に接続される通気
孔とを有し、前記本体に対する前記弁体の位置を変更す
ることによって、前記排気用連通路および前記吸気用連
通路と前記通気孔との接続を切り替えるものである上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の液体処理器。
【0015】(6) さらに、ハウジングに設けられた
本体と、前記本体に摺動自在に挿入される弁体と、前記
弁体に設けられ、疎水性フィルターを有する排気用連通
路と、前記弁体に設けられ、除塵かつ除菌作用を備えた
フィルターを有する吸気用連通路と、前記本体に対する
前記弁体の位置を変更することによって、前記排気用連
通路および前記吸気用連通路の連通状態を切り替えるも
のである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体処
理器。
【0016】(7) ハウジングと、前記ハウジング内
に収容され、ハウジング内部を液体流入空間と液体流出
空間とに区画する濾過部材と、前記液体流入空間に連通
する液体流入口と、前記液体流出空間に連通する液体流
出口とを有する液体処理器であって、前記液体流入空間
に連通し、前記液体流入空間に空気を導入し得る通気手
段が設けられていることを特徴とする液体処理器。
【0017】(8) 前記通気手段は、液体処理器の使
用時の姿勢において、最も高い位置またはその近傍に設
けられている上記(7)に記載の液体処理器。
【0018】(9) ハウジングと、前記ハウジング内
に収容され、ハウジング内部を液体流入空間と液体流出
空間とに区画する濾過部材と、前記液体流入空間に連通
する液体流入口と、前記液体流出空間に連通する液体流
出口とを有する液体処理器と、前記液体処理器の液体流
入口に接続され、接続チューブを有している給液ライン
と、前記接続チューブに設けられ、前記液体処理器への
送液および濾過を行う構成要素とを有する送液回路であ
って、前記構成要素に、前記給液ライン内に空気を導入
し得る通気手段が設けられていることを特徴とする液体
処理器を備えた送液回路。
【0019】(10) ハウジングと、前記ハウジング
内に収容され、ハウジング内部を液体流入空間と液体流
出空間とに区画する濾過部材と、前記液体流入空間に連
通する液体流入口と、前記液体流出空間に連通する液体
流出口とを有する液体処理器と、前記液体処理器の液体
流入口に接続された給液ラインとを有する送液回路であ
って、前記給液ラインに、前記給液ライン内に空気を導
入し得る通気手段が設けられており、該通気手段は、前
記給液ライン内への空気の導入を遮蔽し、必要時に前記
遮蔽を解除する遮蔽手段を有することを特徴とする送液
回路。
【0020】(11) 前記遮蔽手段は、空気を導入す
るための空気導入口にシール部材を剥離可能に貼り付け
て構成されているものである上記(10)に記載の送液
回路。
【0021】(12) 前記遮蔽手段は、空気を導入す
るための空気導入口を気密的に封止する蓋体により構成
されているものである上記(10)に記載の送液回路。
【0022】(13) 上記(1)に記載の液体処理器
と、前記液体処理器の液体流入口に接続された給液ライ
ンとを有する送液回路であって、前記給液ラインに、前
記給液ライン内に空気を導入し得る通気手段が設けられ
ていることを特徴とする液体処理器を備えた送液回路。
【0023】(14) 前記給液ラインは、前記液体流
入口に接続されている接続チューブを備え、前記接続チ
ューブに前記通気手段が設けられている上記(13)に
記載の送液回路。
【0024】(15) 前記給液ラインは、給液容器に
接続される接続具を備え、前記接続具に前記通気手段が
設けられている上記(13)に記載の送液回路。
【0025】
【作用】液体流入口からハウジング内の液体流入空間に
流入した液体は、濾過部材にて濾別分離処理された後、
液体流出空間を経て液体流出口からハウジングの外へ流
出する。ここで、空のハウジング内に最初に液体が流入
した時、液体は最初に液体流入空間に溜りはじめ、該液
体流入空間内の気体の濾過部材を通って、液体流出空間
へ移動する。そして、気体は、さらに液体流出空間から
排気用連通路を経て、ハウジングの外側へ排出される。
【0026】ハウジング内に液体が十分充填されても、
排気用連通路の疎水性フィルターに遮られて、排気用連
通路から液体がハウジングの外側に流出することはな
い。
【0027】ハウジング内の液体を回収する場合には、
遮蔽手段による吸気用連通路の遮蔽を解除して、ハウジ
ングと外部との連通を可能とする。吸気用連通路のフィ
ルターの作用によって、ハウジング内に流入する外気
は、塵や細菌は除去されている。
【0028】液体流入空間に連通する通気手段を設けれ
ば、ハウジング内の液体がほぼ完全に回収できる。
【0029】一方、液体処理器が接続されている送液回
路においては、液体処理器の上流側に通気手段を設ける
ことで、液体処理器の上流側の回路内の液体が回収で
き、前記液体処理器として、液体流出空間に吸気用連通
路が設けられているものを用いれば、回路内のほとんど
の残留液体を回収することが可能となる。
【0030】上記液体の具体例としては、例えば血液、
赤血球製剤、、血小板製剤、血漿などが挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の好適実施例について、添付図
面に基づいて詳細に説明する。図1は血液フィルターの
全体断面側面図、図2は、前記血液フィルターを用いた
送液回路の一例で、輸血セットを示す全体図である。
【0032】図示されている輸血セット1は、アグリゲ
ートフィルター2と液体処理器としての血液フィルター
3と、点滴筒4を有している。そして、アグリゲートフ
ィルター2には、血液バッグなどの貯血容器に接続され
る瓶針21が一体として設けられ、前記アグリゲートフ
ィルター2の血液排出口22には、接続チューブ51の
一端が接続されている。点滴筒4は流速を確認するため
のものである。なお、本発明はこのようなアグリゲート
フィルター、点滴筒を設けない構成としてもよい。
【0033】前記接続チューブ51の他端は血液フィル
ター3の液体流入口31に接続されており、血液フィル
ター3の液体流出口32には接続チューブ52の一端が
接続されている。該接続チューブ52の他端は、点滴筒
4の血液導入口41に接続されており、点滴筒4の血液
導出口42には接続チューブ53の一端が接続されてい
る。接続チューブ53の先端70は、使用目的に応じて
針、処理済み体液回収用のバッグ等が接続されている
か、若しくは接続可能にされている。
【0034】そして、前記接続チューブ51にはクラン
プ11が、接続チューブ53にはクレンメ12がそれぞ
れ取り付けられている。
【0035】このような構成において、血液は、最初に
血液バッグからアグリゲートフィルター2内へ流入し、
ここでマイクロアグリゲートが除去され、その後接続チ
ューブ51を経て、血液フィルター3内へ流入する。血
液フィルター3において白血球や血小板などが除去さ
れ、接続チューブ52を経て点滴筒4内へ流入する。ア
グリゲートフィルターを設けると、このように異物が前
もって除去されるので好ましい。
【0036】以上のような輸血セット1を構成する血液
フィルター3について説明する。血液フィルター3は、
ハウジング30と、ハウジング30内に収容されている
濾過部材33と、ハウジング30の内壁と前記濾過部材
33とによって画成された液体流入空間Aおよび液体流
出空間Bと、液体流入空間Aおよび液体流出空間Bとに
それぞれ連通し、前記濾過部材33に対して反対側の位
置の上端と下端とに各形成された液体流入口31と液体
流出口32とを有している。この液体流入口31と液体
流出口32とは、それぞれ上下方向へ延出した管体とな
っており、その管体の端部に接続チューブ51、52が
それぞれ接続される。
【0037】ハウジング30内には、濾過部材33が収
容されている。濾過部材33は、赤血球製剤を透過させ
ることよって、赤血球製剤から白血球や血小板などを濾
別分離する。このような作用を有する濾過部材として
は、例えば合成樹脂性の多孔質体や、極細の繊維の織
布、不織布などが挙げられる。前記多孔質体の構成材料
としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリビニルホル
マール樹脂などがあり、前記繊維の構成材料としては、
例えば、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイ
ロン樹脂などがある。これらの濾過部材は孔径1〜60
μm の孔を有している。
【0038】ハウジング30の内壁には、複数の突部3
01が設けられ、該突部301の間に液体流通空間a、
bが形成される。ハウジング30内に流入した赤血球製
剤は、前記液体流通空間a、bによって、濾過部材33
の全表面へ均一にかつ迅速に流れ渡る。前記突部301
によってハウジング30の内壁と濾過部材33の接触が
防がれるので、円滑な液流通が確保される。また、赤血
球製剤が染み込んで濾過部材33が膨張しても、同様に
円滑な液流通が確保される。
【0039】前記濾過部材33に対して液体流出口側の
ハウジング側面には、連通部6が設けられている。この
連通部6は、図1に示されているように、血液フィルタ
ー3をほぼ垂直にセットした姿勢における、最も高い位
置に位置している。
【0040】図3は前記連通部6の平面図、図4は排気
用連通路6aの断面図、図5は吸気用連通路6bの断面
図である。連通部6は、排気用連通路6aと吸気用連通
路6bとを有している。前記各連通路6a、6bは、ハ
ウジング30に穿設された孔61a、61bと、前記孔
61a、61bに連通し、フィルター62a、62bが
設けられる凹部63a、63bと、前記凹部63a、6
3bを囲んで連続的に形成された突状体64と、該突状
体64の開放部を閉塞するシール材65とを有してい
る。前記孔61a、61bと凹部63a、63bとによ
って、ハウジング30は、外部と連通している。前記孔
61bの径は、凹部63b内に血液が侵入せず、かつ、
十分な通気性を有する程度の大きさであればよく、例え
ば0.5〜3.0mm程度であればよい。また孔61bを
下方に傾斜して設け、血液がフィルター62bまで入ら
ないようにした構造とすることもできる。
【0041】前記フィルター62a、62bのうち、排
気用連通路6aに設けられているフィルター62aは、
親水性フィルター621aと疎水性フィルター622a
とを重ねて構成されており、親水性フィルター621a
をハウジング30側にして固定されている。この疎水性
フィルターは、合成樹脂性の多孔質体や、不織布などに
よって構成され、孔径は0.1〜0.3μm 程度である
ことが好ましい。また、親水性フィルターは、合成樹脂
性の多孔質体や極細繊維の織布、不織布等によって構成
され、体液に濡れやすく体液保持力のあるもので、排気
用連通路以下にかかる落差による陰圧により、外気を通
過させないものが好ましい。
【0042】また、吸気用連通路6bに設けられている
フィルター62bは、除塵かつ除菌作用を有するフィル
ターであり、このようなフィルターは、排気用連通路6
aに設けられているフィルター62aと同様、合成樹脂
性の多孔質体や、不織布などによって構成され、孔径
0.1〜0.3μm 程度であることが好ましい。
【0043】また、連通路6aにおいて、親水性フィル
ター621aを設けなくてもよく、代わりに孔61aを
液体流出口より、液体の流出に伴う陰圧に抗して、液体
の表面張力により外気がハウジング内に入ってこない程
度の径とした構造とすることもできる。この場合、孔6
1aの径は0.1〜1mm程度であることが好ましい。
【0044】なお、これら疎水性フィルター622a、
62bの表面に、ハウジングとのシール性を向上させる
ため、フィルター622a、62bよりも融点の低い不
織布等をシール補助材として設けてもよい。
【0045】メンブランフィルターの具体的な材質とし
ては、例えばポリテトラフルオルエチレンをポリエチレ
ンの不織布にラミネートしたもの、アセテート膜にシリ
コーン樹脂をコートしたもの、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリエチレン等のメンブランフィルターなどを
使用することができる。
【0046】フィルター62a、62bの通気抵抗は、
圧差が10cmH2O であるとき、通気量が、5m1/min程度
以上であることが望ましい。
【0047】排気用連通路6aと吸気用連通路6bは隣
接して設けられ、図3に示されているように、前記突状
体64は排気用連通路6aと吸気用連通路6bとに設け
られた各フィルター62a、62bを同時に囲み、ま
た、突状体64は前記フィルター62a、62bの間に
も配置されており、フィルター62a、62bを別々に
隔離する。
【0048】前記突状体64によって形成された開口に
は、フィルム状のシール部材65が剥離可能に貼り付け
られている。このシール部材65の貼着によって、吸気
用連通路6bの気体の流通が遮断される。このシール部
材65は、排気用連通路6aを囲む突状体64にも同時
に貼り付けられているが、その位置には通気孔650が
穿設されており、排気用連通路6aは通気可能となって
いる。
【0049】このシール部材65の左右端には、把手部
651、652が設けられている。シール部材65を前
記突状体64の設けられている範囲よりも長めに形成
し、その突状体64よりはみ出した部分が把手部65
1、652として形成されており、形状は特に限定され
ない。
【0050】このように、把手部651、652は左右
に突出して設けられているため、左右のどちら側からで
もシール部材65を引きはがすことができ、左右どちら
のきき腕の者でも剥しやすい。また、片側から剥した際
に、シール部材65が全て剥される前に、把手部の一部
がちぎれてしまった場合でも、もう一方の把手部により
剥すことが可能となり、シール部材65の剥し不良をな
くすことができる。
【0051】ここで、フィルター62a、62bを別々
に隔離する突状体64は、シール部材65の引き剥し方
向に対して、傾斜して設けられているため、シール部材
65を剥す際の、剥し抵抗の増加が抑制される。
【0052】以上のように構成される血液フィルター6
の作用を説明する。血液フィルター6は、輸血セット1
をセットした状態、即ち、液体流入口31を上方に、液
体流出口32を下方に向けた状態で、血液を流入させ
る。流入した血液は、濾過部材33の液体流入口31側
の液体流入空間Aに溜り、その液体流入空間A中に存在
した気体は、濾過部材33を透過して液体流出口32側
の液体流出空間Bへ流入する。液体流入空間A内に流入
した血液は、液体流入空間A内に溜って行き、同時に濾
過部材33を透過して液体流出空間B内に流入する。
【0053】液体流出空間B内に流入する血液は、液体
流出口32の位置する下側から溜って行き、クランプ1
1が閉じられているため、液体流出空間B内の空気は液
体流出口32から排出されず、液体流出空間Bの上部に
設けられている連通部6の排気用連通路6aから排出さ
れる。
【0054】このように、血液フィルター3において
は、特別のプライミング操作することなく、ハウジング
30内に血液を充填することができる。クランプ11お
よびクレンメ12を外すと、血液フィルター3内に流入
した血液は、濾過部材33によって、白血球や血小板が
除去され、液体流出口32から流出する。ハウジング3
0内に血液が充填されると、排気用連通路6aに設けら
れているフィルター62aに血液が接触するが、既述の
ようにフィルター62aは疎水性を有するために、フィ
ルター62aから血液が染み出すことはない。また、シ
ール部材65を剥すまでは、吸気用連通路6bは閉鎖系
となっているため、血液は凹部63bに流入できず、フ
ィルター62bに接触しない。
【0055】輸血が完了した後に、血液フィルター3内
の血液を回収するには、前記連通部6に設けられている
シール部材65を剥して、吸気用連通路6bを連通状態
とする。吸気用連通路6bが連通状態となると、液体流
出空間B内に空気が流入し、液体流出空間B内の血液
は、落差によって液体流出口32から排出される。
【0056】吸気用連通路6bから流入する空気は、フ
ィルター62bによって、菌や塵が除去されている。こ
のとき、フィルター62bは濡れていないので、外部の
空気は容易に吸気用連通路6bから流入することができ
る。
【0057】液体流入口31側の血液も回収するには、
前記吸気用連通路6bと同様の通気手段を、濾過部材3
3の液体流入口31側に設ければよい。
【0058】ここで、前記連通部6の構造の上記のよう
な場合に限定されず、例えば図6に示されているような
構造としてもよい。連通部6は、ハウジング30に一体
的に形成された本体66と、該本体66に挿入された棒
状の弁体67とから構成され、本体66には、孔661
a、661bが形成され、該孔661a、661bには
フィルター662a、662bがそれぞれ設けられてい
る。既述のように、フィルター662aは疎水性を有す
るフィルター、フィルター662bは除塵、除菌作用を
有するフィルターである。
【0059】また弁体67にも同様に通気孔671a、
671bが穿設されている。そして、弁体67は、本体
66に対して、気密状態を維持しつつ、軸方向へスライ
ドし得る構造となっている。
【0060】前記孔661a、661bの間隔と通気孔
671a、671bの間隔は、異なる距離設定されてお
り、弁体67をスライドさせることによって、前記孔6
61a、661bと通気孔671a、671bとを別々
に1つづつ接続させることができるように構成されてい
る。弁体67の端部には、スライド操作させるための把
手部672が設けられている。
【0061】このような構成において、プライミングす
る場合には、弁体67をスライドさせて、通気孔671
aと孔661aとを接続させ、排気可能な状態とする。
プライミングが完了したところで、弁体67をスライド
させて、孔661a、661bが、いずれの通気孔67
1a、671bにも接続されない位置に弁体67をセッ
トする。
【0062】この状態で血液の濾過処理を行い、処理終
了後、血液フィルター3内の血液を回収する場合には、
弁体67をスライドさせて通気671bと孔661bと
を接続させ、吸気可能な状態とし、外気を流入させる。
また、所望の位置で弁体が止まるように、弁体と本体の
間にリブを設けてもよい。
【0063】以上のような構成の他、例えば、弁体67
に穿設されている通気孔671を1つとし、この通気孔
671を孔661a、661bに交互に接続するような
構成としてもよく、また通気孔671a、671bを弁
体67の軸方向に屈曲させ、図8や図9のように、それ
らの一端を弁体67の両端に及ばせて開口させ、この開
口に、疎水性フィルター662aと、フィルター662
bを設けた構成としてもよい。
【0064】図7に示されている実施例では、本体66
の構造は、前記図6に基づいて説明した実施例と同様で
あるが、本体66に挿入される弁体67の形状と構造が
異なる。即ち、弁体67は断面形状が円形である棒状体
であって、該弁体67は本体66に対して、気密状態を
維持しつつ、回動自在にスライドし得るように構成され
ている。そして、弁体67には、本体66に形成されて
いる孔661a、661bに対応した位置に、横断面に
おける直径方向に通気孔671a、671bが形成され
ている。この通気孔671a、671bは、それぞれ異
なる向きに形成されており、同時に孔661a、661
bに接続されることはない。
【0065】弁体67の回動位置によって、孔661
a、661bと通気孔671a、671bとが、それぞ
れ別々に接続され、排気用連通路6aと吸気用連通路6
bとがそれぞれ連通状態となる。
【0066】弁体67の一端には、把手部672が設け
られている。把手部672は弁体67の横断面径方向に
突出して設けられており、この把手部672を揺動させ
ることによって、弁体67が本体66内で回動する構造
となっている。
【0067】また、弁体が所望の回転角度にて止まるよ
うに、弁体と本体の間にクリックを設けてもよい。
【0068】図8は、連通部6の他の構造を示すもので
ある。本体66に対して弁体67が摺動自在に挿入され
ている構成は、前記図7で示されている構成例と同様で
ある。この構造では、弁体67に通気孔671a、67
1bが軸方向に形成され、その通気孔671a、671
bの一端は、弁体67の両端に及んでそれぞれ開口して
おり、その開口部には、疎水性を有するフィルター67
3aと、除塵かつ除菌作用を有するフィルター673b
がそれぞれ設けられている。
【0069】通気孔671a、671bの他端は、横断
面半径方向に屈曲して、弁体67の外周面まで及んで開
口している。他の構造は、前記図7に示されている構造
と同様であるので省略する。前記弁体67の外周面に設
けられている通気孔671a、671bの開口は、弁体
67が異なる回転位置で、ハウジング30の内側に臨む
ように配置されており、2つの通気孔671a、671
bが同時にハウジング30内に開口しないように構成さ
れている。ハウジング30内に開口しない開口は、本体
66の内面によって閉塞され、空気は流通しない。
【0070】このような、通気孔671a、671bお
よびフィルター673a、673bによって、排気用連
通路6aと吸気用連通路6bが構成される。
【0071】以上説明した連通部6の構成例の他、図9
に示されているように、排気用連通路6aを図8で示さ
れている構造とし、吸気用連通路6bを図7で示されて
いる構造とすることもでき、あるいは、それぞれ逆の構
造とすることもできる。
【0072】上記説明した血液フィルター3において、
濾過部材33の液体流入口31側にも、ハウジング30
内に空気を導入し得る通気手段を設けることができる。
この通気手段を設けることで、ハウジング30内の濾過
部材33の液体流入口31側に残留する血液をも回収す
ることができる。
【0073】次に、輸血セット1の回路中から血液を回
収する構造について説明する。回路中から、残留する血
液を落差によって回収することは、外部から空気を回路
中に導入し得る通気手段を設けることによって可能とな
る。このような通気手段を設ける位置は、接続されてい
る血液バッグに近い程、回収量は多くなる。具体的に通
気手段を設ける位置としては、例えば、図2に示されて
いる輸血セット1において、接続チューブ51および接
続チューブ51に付属している、送液および濾過を円滑
に行うための構成要素、例えば、血液バッグへ接続する
ための瓶針、アグリゲートフィルター2、チャンバーな
どが挙げられる。
【0074】このような通気手段は、既述した吸気用連
通路および排気用連通路を有さない通常の構成である液
体処理器に適用することもできる。この場合、処理器を
逆さにするなど、通常のプライミング操作と濾過を行
い、その後、この通気手段の作用により回収を行うこと
ができる。そして、前記吸気用および排気用連通路をさ
らに設けた構造とすることにより、出口側も回収でき好
ましい。
【0075】アグリゲートフィルター2に通気手段を設
けた構造を図10に示す。アグリゲートフィルター2
は、ハウジング20内に、下端が閉塞されている筒状の
液体フィルター23を収容しており、上端には瓶針21
が一体として固定されている。瓶針21に形成された流
路211は、前記液体フィルター23の内側に連通して
いる。液体フィルター23は、例えば、平均孔径が20
〜150μm 程度の網目状のものを用いることができ、
構成材質としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリプロピ
レン、ナイロンなどのプラスチックがあげられる。
【0076】このような、アグリゲートフィルター2の
ハウジング上部に通気手段7が設けられている。図11
に通気手段7の拡大断面図を示す。通気手段7は、ハウ
ジング20に形成され、ハウジング20内部と外部とを
連通させる孔71と、該孔71を閉塞するように設けら
れたフィルター72と、フィルター72を固定するため
に外側から覆い被せられて固定されるキャップ73とか
ら構成されている。前記キャップ73には、複数の通気
孔731が設けられ、空気の流通が可能となる。なお、
このようなキャップ構造を、前述の連通部に適用しても
よい。吸気用連通路においては、ピルシール等で予め遮
蔽するようにする。さらに、上記ハウジング20の下部
には、チャンバー24が設けられている。
【0077】以上のような構成において、最初にアグリ
ゲートフィルター2の瓶針21を血液バッグへ接続する
と、アグリゲートフィルター2のハウジング20内に血
液が溜って行く。血液が通気手段7の位置まで達した
ら、ハウジング20の下部に設けられているチャンバー
24を指で押圧して容積を縮小させ、さらに容積が復元
する時に吸引力によって、前記ハウジング20の血液を
チャンバー24内に導入する。次にクランプ11による
閉塞を解除すると、血液は接続チューブ51を通って、
血液フィルター3内へ流入し、液体流出空間Bの排気用
連通路6aの位置まで血液の液面が達したところで血流
は止まる。ここで、クレンメ12による閉塞を解除する
と、血液バッグからの送血が開始される。
【0078】送血中は、血液フィルター3内の濾過部材
33による圧損が大きいため、アグリゲートフィルター
2の通気手段7から、空気は流入してこない。血液バッ
グ内の血液が全て流出すると、前記通気手段7に落差に
よる陰圧がかかるので、そこから空気が流入する。
【0079】この空気の流入によって、アグリゲートフ
ィルター2から下流側の血液の回収が可能となる。
【0080】このような通気手段7は、図12に示され
ているように、瓶針21に設けることもできる。この場
合には、瓶針21内に通気路75が形成され、該ハウジ
ング20内と連通する。フィルター72、キャップ73
およびシール部材74の構造は、既述の図11に示され
ている構造と同様なので、説明を省略する。
【0081】さらに、通気手段7の他の構造として、図
13に示されているように、瓶針21内に、流路212
の他に、通気路211が設けられている。この通気路2
11の一端は瓶針21の先端に開口し、他端はハウジン
グ20の内側に開口している。前記通気路211によっ
て、ハウジング20内の空気は、血液バッグ内へ流入
し、同時に流路212から血液がハウジング20内へ流
入する。
【0082】血液バッグ内の血液が全て流出すると、最
初にハウジング20から血液バッグ内に流入した空気
が、ハウジング20内に流入し、ハウジング20内に残
留する血液の回収を可能にする。
【0083】図2に示されているように、アグリゲート
フィルター2に瓶針が一体として設けられている場合の
他、瓶針を別体として、瓶針とアグリゲートフィルター
2を接続チューブで接続した構造としてもよい。この構
造では、図14に示されているように、瓶針に通気手段
7が設けられており、血液バッグ内の血液がなくなった
時点で、通気手段7を通気可能な状態とする。通気手段
7の具体的な構造の説明は、図11で説明した構造と同
様であるので省略する。
【0084】このように、瓶針に通気手段7を設けれ
ば、輸血セット1内に残留する赤血球製剤のうち、瓶針
から血液フィルター3までのほとんど全てを回収するこ
とが可能となる。
【0085】通気手段7の他の例として、接続チューブ
に設けることもできる。図15には、接続チューブに通
気手段7を設けた構造が示されている。接続チューブ設
けたられた枝管54に、除塵かつ除菌作用を有するエア
ーフィルター55を接続し、該エアーフィルターの空気
流入口を、要時に剥離するシール部材56で閉鎖した構
造となっている。エアーフィルターとしては、例えばテ
ルモ社製「GLフィルター」を用いることができる。ま
た、シール部材56の代わりに、気密的に封止するキャ
ップ部材を用いてもよい。
【0086】上記説明した場合の他、通気手段7を設け
る位置を、送液回路の他の構成要素に設けることもでき
る。例えば、血液フィルター3の上流側にチャンバーが
設けられている場合には、そのチャンバーに通気手段を
設けてもよい。
【0087】以上説明した構成では、血液フィルターの
上流側の血液の回収が可能となる。具体的には、液体流
入側の通気手段により空気を流入させると、通気手段よ
り下流側に残留する赤血球製剤が下流へ向けて流れ落
ち、血液フィルター内の液体流入空間から濾過部材を経
て、液体流出空間へ流れ込む。ところで、輸血セットの
落差による圧力は、濾過部材のバブルポイントよりも低
いため、通気手段から流入する空気は、濾過部材よりも
下流へは流れ込まない。
【0088】ここで、上記のように、回路中に通気手段
7を設けるとともに、既述の血液フィルター3を用いる
ことによって、輸血セット1内に残留するほとんど全て
の赤血球製剤を回収することができる。
【0089】その手順を簡単に説明すると、血液バッグ
内の血液が空になると、落差により輸血セット1内が陰
圧状態となり、前記通気手段より外気が導入されて、血
液フィルター3よりも上流側の血液が、血液フィルター
3内の濾過部材33内を通過し、下流へ流れる。濾過部
材33よりも上流側の血液が下流側へ流れ込み終わった
時点で、連通部6のシール部材65を剥し、吸気用連通
路6bを通気可能状態とし、濾過部材33の下流側の血
液を落差によって回収する。
【0090】以上の血液フィルター3の上流側にアグリ
ゲートフィルター2を備えた輸血セット1について説明
したが、必要に応じてアグリゲートフィルター2を省略
することもできる。そのような場合においては、血液フ
ィルター3に瓶針を一体として形成し、該瓶針に通気手
段を設けることができる。
【0091】図16は、血液フィルター3の断面側面図
である。この構成における血液フィルター3の液体流入
口31は、液体流入空間Aの最下部に位置しており、こ
の液体流入口31に、ハウジング30と一体的に形成さ
れた瓶針34の流路341が接続されている。流路34
1は瓶針34の先端からハウジング30の厚肉部内に渡
って連続して形成されている。
【0092】さらに、瓶針34には、空気が流通する通
気手段として、通気路35が形成されており、その一端
は瓶針34の先端に開口し、下端は、液体流入空間Aの
最上部に開口している。
【0093】このような構成とすることによって、最初
に血液をハウジング30内へ流入させると、液体流入空
間Aの最下部に血液が流入し、血液が下から順に充填さ
れて行く。同時に液体流入空間A内の空気は、通気路3
5を通って液体流入空間A内の空気が血液バッグ内へ流
入し、液体流入空間Aのプライミングが完了する。
【0094】血液バッグ中の血液がなくなると、プライ
ミング時に血液バッグ中へ流入した空気と、初めから血
液バッグ内にあった空気が、流路341から液体流入空
間A内へ流入する。この空気の流入によって、濾過部材
33の上流側の血液は、濾過部材33の下流側へ透過し
て流入することができる。
【0095】図17は、瓶針34の流路341に、通気
手段7が設けられた構成例を示すものである。通気手段
7の構成は、図11で示した通気手段と同様であるの
で、説明を省略する。
【0096】以上は、輸血セットを例に挙げて説明した
が、他の送液回路に本発明の液体処理器や、上記構造を
用いてもよく、例えば血漿浄化システムに用いられるフ
ィルターに、本発明の液体処理器を用いてもよい。
【0097】例えば、本発明の液体処理器は、血漿浄化
システムに用いられ、血漿蛋白質分画分離剤によって血
漿内に析出した高分子蛋白成分を濾別するフィルターと
して用いることもできる。図18は、上記血漿浄化シス
テムのフィルターとして用いられる本発明の液体処理器
の構成を示す断面側面図である。
【0098】この液体処理器8は、筐状のハウジング8
0と、ハウジング80に被せられる蓋体81と、蓋体8
1とハウジング80とにそれぞれ設けられた液体流入口
82および液体流出口83と、ハウジング80内に設け
られた濾過部材84と、濾過部材84をハウジング80
内に固定するポッティング材85とを有している。液体
流入口82は、蓋体81を貫通する管体811によって
構成されている。
【0099】濾過部材84は、図19に示されているよ
うに、2枚のシート状の濾材841、842を3つの端
辺で貼り合わせて袋状にしたもので、貼り合わされてい
ない端辺を開放して、その開放端には前記管体811が
挿入され、管体811と濾過部材84との間、および濾
過部材84とハウジング80との間には、ポッティング
材85が充填されて、濾過部材84が固定されている。
このように構成された液体処理器8内に血漿が流入する
と、濾過部材84の内側から外側へ透過する時に、析出
物が濾別される。
【0100】さらに、ハウジング80には連通部9が設
けられている。該連通部9は、図3〜図5で説明した構
造の他、図11で説明した通気手段を排気用連通路9
a、吸気用連通路9bとして用いることもできる。この
とき、剥離部材としてのシール部材94bは、吸気用連
通路9bのキャップ93bにのみ設ければよい。
【0101】最初にプライミングする際には、下側から
血漿が溜って行くにつれて、排気用連通路9aから内部
の空気が排出され、液体処理器8の姿勢を変えることな
く、容易にプライミング操作を完了させることができ
る。
【0102】液体処理器8内の血漿を回収する場合に
は、シール部材94bを剥すと、吸気用連通路9bから
空気が流入し、ハウジング80内の残留血漿の回収が容
易に可能となる。
【0103】前記液体処理器8は、上記構成例の他、図
20に示されているように、濾過部材84を袋状に形成
しない構造のものでもよい。この構造は、濾過部材84
を構成する2枚のシート状の濾材841、842を、3
つの端辺で貼り合わせることなく、ハウジング80の内
壁に端辺を固定して構成されている。
【0104】この構成においては、濾材により区画され
た液体流出空間Bは2つ形成されており、ハウジング下
側において、2つの液体流出空間Bを結合するように、
流路(図示せず)が形成され、液体流出口に連通してい
る。
【0105】このような構成の液体処理器8には、前記
濾材841、842に対向したハウジング80の各側面
に、連通部9がそれぞれ設けられている。このように、
区画された液体流出空間が複数ある場合、その各々に連
通部9を設けることにより、全ての液体流出空間の液体
を回収できる。
【0106】前記構造では、血漿を充填して行くと、濾
過部材84と、ハウジング80との内壁の間に、互いに
独立した(相互に空気流通のない)空間が形成される
が、それぞれの空間に連通部9が設けられているので、
プライミングや残留血漿の回収が容易かつ確実に行える
といった利点がある。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体処理
器および液体処理器を備えた送液回路によれば、液体処
理器および液体処理器を用いた送液回路内の、体液を高
い割合で回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】血液フィルターの全体断面側面図である。
【図2】輸血セットの全体図である。
【図3】連通部の平面図である。
【図4】排気用連通路の断面図である。
【図5】吸気用連通路の断面図である。
【図6】連通部の他の構成例を示す一部切欠き全体斜視
図である。
【図7】連通部の他の構成例を示す一部切欠き全体斜視
図である。
【図8】連通部の他の構成例を示す一部切欠き全体斜視
図である。
【図9】連通部の他の構成例を示す一部切欠き全体斜視
図である。
【図10】通気手段を設けたアグリゲートフィルターの
部分断面側面図である。
【図11】通気手段の拡大断面図である。
【図12】瓶針に通気手段を設けたアグリゲートフィル
ターの部分断面側面図である。
【図13】通気手段として通気路を瓶針に有するアグリ
ゲートフィルターの部分断面側面図である。
【図14】単独の瓶針に通気手段を設けた構造を示す瓶
針の部分断面側面図である。
【図15】接続チューブに通気手段を設けた構造を示
す、接続チューブの部分斜視図である。
【図16】通気手段としての通気路を有する、瓶針一体
型血液フィルターの全体断面側面図である。
【図17】瓶針一体型血液フィルターにおいて、瓶針に
通気手段を設けたものの、部分断面図である。
【図18】血漿浄化システムのフィルターとして用いら
れる液体処理器の全体断面側面図である。
【図19】図18におけるA−A線断面図である。
【図20】血漿浄化システムのフィルターとして用いら
れる液体処理器の他の構成例を示すもので、平面断面図
である。
【符号の説明】
1 輸血セット(送液回路) 2 アグリゲートフィルター 20 ハウジング 21 瓶針 211 通気路 212 流路 22 血液排出口 23 液体フィルター 24 チャンバー 3 血液フィルター(液体処理器) 30 ハウジング 31 液体流入口 32 液体流出口 33 濾過部材 34 瓶針 341 流路 35 通気路 4 点滴筒 41 血液導入口 42 血液導出口 51〜3 接続チューブ 54 枝管 55 エアーフィルター 56 シール部材 6 連通部 6a 排気用連通路 6b 吸気用連通路 61a、b 孔 62a、b フィルター 621a 親水性フィルター 622a 疎水性フィルター 63a、b 凹部 64 突状体 65 シール部材 650 通気孔 651〜2 把手部 66 本体 661a、b 孔 662a、b フィルター 67 弁体 671a、b 通気孔 672 把手部 673a、b フィルター 7 通気手段 71 孔 72 フィルター 73 キャップ 731 通気孔 75 通気路 8 液体処理器 80 ハウジング 81 蓋体 811 管体 82 液体流入口 83 液体流出口 84 濾過部材 841〜2 濾材 85 ポッティング材 9 連通部 9a 排気用連通路 9b 吸気用連通路 91a、b 孔 92a、b フィルター 93a、b キャップ 94b シール部材 11 クランプ 12 クレンメ A 液体流入空間 a 液体流通空間 B 液体流出空間 b 液体流通空間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、 前記ハウジング内に収容され、ハウジング内部を液体流
    入空間と液体流出空間とに区画する濾過部材と、 前記液体流入空間に連通する液体流入口と、 前記液体流出空間に連通する液体流出口と、 前記液体流出空間に連通し、疎水性フィルターを有する
    排気用連通路と、 前記液体流出空間に連通し、除塵かつ除菌作用を有する
    フィルターを有する吸気用連通路と、 前記吸気用連通路を遮蔽し、必要時に前記遮蔽を解除す
    る遮蔽手段とを有することを特徴とする液体処理器。
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