JPH0663129A - フィルター内の残留液回収方法 - Google Patents

フィルター内の残留液回収方法

Info

Publication number
JPH0663129A
JPH0663129A JP4237800A JP23780092A JPH0663129A JP H0663129 A JPH0663129 A JP H0663129A JP 4237800 A JP4237800 A JP 4237800A JP 23780092 A JP23780092 A JP 23780092A JP H0663129 A JPH0663129 A JP H0663129A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
plasma
liquid
pump
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4237800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3242461B2 (ja
Inventor
Yoshiki Takagi
愛己 高木
Masahide Murakoshi
正英 村越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP23780092A priority Critical patent/JP3242461B2/ja
Publication of JPH0663129A publication Critical patent/JPH0663129A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3242461B2 publication Critical patent/JP3242461B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のフィルター内の残留液回収方法に適
用される血漿浄化システムの回路は、上流側に図示しな
い血漿バッグ2および接続チューブ91よりなる血漿の
給液ラインを、下流側に図示しないポンプP1 を接続し
たフィルター3を有している。給液ラインより供給され
る血漿をフィルター3に通過させて濾過処理を行う。こ
の血漿の濾過処理が終了した後、給液ラインを閉塞し
て、さらにポンプP1 を駆動させ、フィルター3内を減
圧し、ハウジング30の容積を縮小して濾材33および
析出物20を搾り込み、濾材33および濾過された析出
物20内に残留する血漿を強制的に吸引し、回収する。 【効果】 フィルター3からの液体回収が迅速かつ効率
よく行え、回収率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルター内の残留液
回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルターは、例えば輸血する血
液中から、微小凝集塊などを除去するために輸血セット
中に組み込まれたり、また、血液中の所定の物質を除去
するために血液浄化システムの回路中にセットされて使
用されるなど、各種用途に用いられている。
【0003】上記フィルターを用いる場合には、いずれ
も落差によって血液などをフィルター内へ導入し、さら
にその落差によって生ずる圧力によってフィルター内に
血液を通過させることで不純物等を濾別分離している。
【0004】しかし、上記のようなフィルターの濾過方
法では、血液などの液体の濾過が完了しても、フィルタ
ーの濾材内に染み込んでいたり、分離された濾別物に含
まれた液体は回収することができない。このため、フィ
ルターを回路中に有する処理装置などでは、処理前の液
量に比較して処理後の量が少なくなるといった問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルターを使用した場合、そのフィルター内からの液体回
収効率のよい回収方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明(1)により達成される。また、(2)、
(3)とするのが好ましい。
【0007】(1) 液体の給液ラインと、この液体の
給液ラインに接続され、濾材と、該濾材を収納する変形
可能なハウジングとを有するフィルターと、このフィル
ターの液流出口に直接または間接的に接続されたポンプ
とを有する回路を構成し、前記フィルター内と外部との
連通を閉塞した状態で、前記ポンプによってフィルター
内を吸引し、前記ハウジングを外気圧とフィルター内圧
との圧力差によってハウジング容積が縮小するよう変形
させ、前記ハウジングの変形によって前記濾材を収縮さ
せ、前記濾材内の残留液を回収することを特徴とするフ
ィルター内の残留液回収方法。
【0008】(2) 前記フィルター内の残留液の吸引
によって、フィルター内を減圧した後、前記閉塞を解除
してフィルター内へ気体を吸入させ、フィルター内の残
留液を回収する上記(1)に記載のフィルター内の残留
液回収方法。
【0009】(3) 前記濾材は袋状であって、該濾材
の内側および/または濾材とハウジング内壁との間に
は、内部に気体の流入空間を有するスぺーサーが設けら
れている上記(1)または(2)に記載のフィルター内
の残留液回収方法。
【0010】
【作用】フィルターにおいて、給液ラインから流入する
液体を濾過処理する。フィルターは変形可能に構成さ
れ、処理された液体は送液ポンプの吸引によってフィル
ターの液流出口からフィルター外へ導出される。給液ラ
インからの液体の供給が終了した後も、液流入口を閉塞
した状態で、さらに前記送液ポンプによる吸引を続ける
と、ハウジングの容積が縮小するため、濾材および分別
された析出物(凝集物)が搾り込まれ、これらに滲み込
むなどして残留している液体が導出され、効率よく回収
される。
【0011】この時、フィルター内は減圧状態とされて
いるが、さらにこの状態からフィルター内を外気と連通
させると、フィルター内へ空気が急激に流入し、フィル
ターの濾材の空隙に含浸している残留液体をも回収する
ことができ、回収率がさらに向上する。
【0012】
【具体的構成】以下、本発明のフィルター内の残留液回
収方法の好適実施例について、添付図面に基づいて詳説
する。図1は、本発明のフィルター内の残留液回収方法
を用いる血漿浄化システム1の回路図である。
【0013】この血漿浄化システム1は、血漿バッグ
2、フィルター3、ポンプP1 、チャンバ4、透析器
5、ポンプP2 、貯留バッグ6、圧力計7とを有してい
る。
【0014】血漿バッグ2には、患者から採取した血液
から分離された血漿成分が収納されている。この血漿バ
ック2内には、予め血漿蛋白質分画分離剤としての凝集
剤が入れられており、血漿バッグ2内へ導入された血漿
は、前記凝集剤の作用により、該血漿バッグ2内での高
分子量蛋白質成分を析出させている。血漿バッグ2の流
出口は、接続チューブ91を介してフィルター3の液流
入口31に接続されている。この血漿バッグ2と接続チ
ューブ91とでフィルター3への給液ラインが構成され
る。
【0015】フィルター3は、前記析出物を除去するた
めのものである。このフィルター3は、図2および図3
に示されているように、ハウジング30に液流入口31
と液流出口32とを有し、ハウジング30内には袋状に
形成されたシート状の濾材33が収納されている。この
濾材33には、前記ハウジング30に設けられている液
流入口31に連通する開口部331が形成されている。
【0016】ハウジング30は、変形可能に構成された
ものであり、そのように構成するための材料は、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンビニ
ル、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)などの柔
軟な樹脂材料、および、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル等の
硬質樹脂等の硬質な材料をある程度薄肉に形成したもの
が挙げられるが、内部が肉眼で確認できるように、例え
ば半透明または透明なものであることが望ましい。
【0017】上記のような硬質の材料にてハウジング3
0を構成する場合は、ハウジング30が変形し、かつ変
形により容積が十分小さくなるように、ハウジング30
の肉厚および自然状態におけるハウジング30内の隙間
の大きさを設定する。その大きさは材質により異なる
が、例えばポリプロピレンの場合、厚さは2mm程度以
内、ハウジング30を2枚のシートにて構成した際の自
然状態におけるシート間の距離は、ハウジング30の対
角線の5%以下とすることが好ましい。アクリル樹脂の
場合は、厚さは2mm程度、対角線の長さに対しては3%
とすることが好ましい。
【0018】図3に示すように、ハウジング30の形状
は、全体が矩形をなしており、液流入口31と液流出口
32とが、それぞれハウジング30の対角線上の角部の
位置またはその近傍位置に配置されていることが望まし
い。これにより、濾材33の濾過能力や後述する含浸液
体の除去回収をより均一に発揮させることができるから
である。
【0019】図2に示すように、フィルター3の液流入
口31から流入した析出物を含む血漿は、開口部331
を通過して袋状の濾材33の内側に流入し、濾材33を
透過する際に析出物が濾別されて浄化血漿となり、さら
に、ハウジング30の内面と濾材33の外側面の間に形
成された空間34に達し、液流出口32から流出する。
【0020】前記袋状に形成されている本実施例におけ
る濾材33は、例えば繊維の集合体をシート状に形成し
たものが好適に使用される。前記繊維体としては、例え
ばナイロン、ポリプロピレンやポリエステルのような合
成繊維を編成して構成され、例えば合成繊維を均一に積
み重ねた不織布や織布などでよい。繊維としては、一本
または複数本の長い繊維よりなるもの、または多数の短
繊維をからませたもの等いかなる形態でもよい。
【0021】また、繊維径は、好ましくは0.1〜20
μm 程度、より好ましくは1〜5μm 程度である。また
濾材33の嵩密度は、好ましくは0.1〜1g/cm3 、よ
り好ましくは0.3〜0.6g/cm3 であり、このような
嵩密度とするために繊維の形状は、直線的なものでもバ
ルキー化されたものでもよい。
【0022】濾材33としては、上記の他、例えば、燒
結体、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンな
どの多孔質材が挙げられ、濾別する物質の大きさや物理
量などによって使用される濾材は異なる。
【0023】前記袋状に形成された濾材33の外側およ
び内側面には、スぺーサー35a,35bが重ねられて
いる。このスぺーサー35a,35bは、例えば織布、
不織布、メッシュなどのように、通気性および通液性が
良好な材質で構成される。このスぺーサー35a,35
bは、後述するように、ハウジング30内の圧力を下げ
て、ハウジング30の内壁や、濾材33を密着させて、
血漿を搾り出した後、液流入口側を開放して空気を流入
させた場合に、濾材33の空隙内に容易に空気が流入で
きるようにするためのものである。
【0024】このような効果を発揮させるためには、ス
ぺーサー35a,35bは、前記濾材33よりも目の粗
い繊維体であることが好ましい。このようにすれば、ス
ぺーサー35a,35bの繊維の間に、空気が流入する
ための十分な流入空間が確保され、前記効果が有効に発
揮される。スぺーサーを不織布とした場合には、その厚
さは20〜1000μm 程度、目付は10〜250程
度、さらに20〜40程度のものが好ましい。
【0025】前記フィルター3の液流出口32には、接
続チューブ92を介してチャンバ4の流入口が接続され
ている。フィルター3内の血漿を回収する際、血漿に混
入している空気が、前記チャンバ4内において分離され
る。さらに、チャンバ4には圧力計7が接続されてい
る。
【0026】チャンバ4の流出口には、接続チューブ9
3を介して、送液ポンプとしてのポンプP1 の吸入口が
接続されている。このポンプP1 によって、血漿は血漿
バッグ2から導出され、フィルター3内へ導かれる。な
お、本発明では、チャンバ4を省略し、フィルター3の
液流出口32とポンプP1 の吸入口とが接続チューブ9
3等により直接接続されていてもよい。前記ポンプP1
の吐出口側には、接続チューブ94を介して透析器5の
血漿導入口が接続されている。
【0027】透析器5は、濾過済血漿中に残存する過剰
の凝集剤を除去するものである。透析器5には、貯留槽
11から透析液がポンプP3 を介して、例えば400〜
600ml/min 程度の流量で送液されるとともに、貯留
槽12に排出される。透析器5の血漿液導出口は、接続
チューブ95を介してポンプP2 の吸入口に接続され、
ポンプP2 の吐出口は貯留バッグ6に接続されている。
【0028】ここで、ポンプP1 、P2 の具体例として
は、ポンプP1 はローラーポンプ、、ポンプP2 はロー
ラーポンプ、遠心型ポンプなどが挙げられるが、そのな
かでも特にローラーポンプが好ましい。さらに、ポンプ
1 は、送液用のポンプを兼ねることが好ましい。回路
が単純となるからである。
【0029】接続チューブ94には、圧力計を接続する
こともできる。この圧力計にて、透析器5内の圧力を測
定し、その検出値を制御手段に入力する。この制御手段
は、ポンプの駆動を制御するものとし、前記検出値に基
づいて透析器5内の圧力が適正な値に維持されるよう
に、ポンプP2 の(吐出量)回転数を調節する構成とす
ることもできる。また、透析器5とポンプP2 との間ま
たは、ポンプP2 と回収バッグ6との間には、伝導度セ
ンサーを設けることもでき、該伝導度センサーによっ
て、透析器5で過剰な凝集剤が除去されるているかを連
続的に確認し、さらに気泡を検知するようにすることも
できる。
【0030】前記各接続チューブ91〜96の構成材質
は、柔軟性を有し、外側から押し潰して内腔を容易に閉
塞できるものが好ましく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、PET、PBTのような
ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウ
レタン、ポリエステルエラストマー、スチレン−ブタジ
エン−スチレン共重合体等の熱可塑性エラストマー等が
挙げられるが、そのなかでも特にポリ塩化ビニルが好ま
しい。各接続チューブがポリ塩化ビニル製であれば、十
分な可撓性、柔軟性が得られるので取扱が容易で、また
クレンメ等による閉塞に特に適し、しかもバッグ2、フ
ィルター3、チャンバー4、透析器5などとの接合性が
良好となるからである。
【0031】次に、上記構成の血漿浄化システム1に適
用した本発明のフィルター内の残留液回収方法について
説明する。ポンプP1 の駆動によって、血漿バッグ2内
の血漿は、接続チューブ91を経てフィルター3内へ流
入する。血漿バッグ2内で既に沈殿している析出物20
としての高分子量蛋白質成分が、フィルター3の濾材3
3内に残って濾別され、凝集剤を含む血漿がフィルター
3からチャンバ4内へ流入する。チャンバ4では、血漿
中に混入している気泡と、血漿とが分離される。気泡が
分離された血漿はポンプP1 の吐出力によって透析器5
へ送られる。透析器5では血漿中に残存する過剰の凝集
剤が除去される。
【0032】透析器5で凝集剤が除去された血漿は、ポ
ンプP2 によって貯留バッグ6へ送液される。上記のよ
うに、血漿バッグ2内の、析出物を含む血漿は、フィル
ター3および透析器5によって浄化され、順次貯留バッ
グ6へ送られ、回収される。血漿が全て血漿バッグ2内
から流出したところで、接続チューブ91を例えばクラ
ンプ15などの閉塞手段で閉塞する。
【0033】なお、閉塞手段としては、クランプの他
に、バブルポイントを有する膜を用いることもできる。
即ち、液流入口側にこのような膜を設け、濾過後、この
膜が濡れた状態にてバブルポイント以下の圧にて吸引す
る。そして、ポンプP1 の作動を継続してさらにフィル
ター3内の血漿を吸引する。
【0034】吸引によってフィルター3内の圧力が低下
するに伴い、ハウジング30が変形してその容積が縮小
する。フィルター3内の袋状の濾材33の内側には、濾
別された血漿の析出物20が溜っており、血漿は濾材3
3の空隙内や前記析出物20中に染み込んで残留してい
る。
【0035】フィルター3内の残留血漿を吸引していく
と、既述のようにハウジング30の形状が容積を縮小す
る方向に変形し、図4および図5に示されているよう
に、ハウジング30の対抗する一対の内壁によって前記
袋状の濾材33は両側から挟み込まれて、濾材33自体
の体積が縮小して搾り込まれる。このような減圧による
ハウジング変形によって、前記濾材33の有する空隙内
や前記析出物20中に染み込んで残留している血漿が搾
り出されて回収される。
【0036】以上のような工程によって、十分な回収率
を得ることができるが、本発明では、次のような操作を
行うことで、回収率をさらに向上することができる。フ
ィルター3内の圧力が十分減圧された時、例えば−50
〜−600mmHg程度、好ましくは−100〜−400mm
Hg程度となったところで、前記接続チューブ91を閉塞
しているクランプ15を取り外し、血漿バッグ2内に残
留している空気をフィルター3内へ流入させる。
【0037】前記の他、フィルター3に別の空気流入路
を設け、該空気流入路から空気が流入するようにするこ
ともできる。この場合には、該空気流入路に疎水フィル
ターや細菌除去フィルターを設けることが好ましい。
【0038】フィルター3の内圧と外気圧との差によっ
て、外気が勢いよくハウジング30内へ流入する。また
濾材33は、ハウジング30に圧縮されて縮小した状態
から膨張して元の大きさに戻ろうとし、濾材33内の空
隙は元の大きさに拡張する。このとき、ハウジング30
内に外気が勢いよく流入するため、拡張しつつある濾材
33の空隙に、前記外気が流入し、該空隙内に残留する
血漿を濾液側へ吹き飛ばす。
【0039】濾材33から離脱した血漿は、液流出口3
2等を経て回収される。このように、フィルター3内に
残った血漿、特に濾材33内に含浸して残留している血
漿をも回収することができ、回収率が向上する。
【0040】このように、フィルター3内を減圧後、フ
ィルター3内を外気と連通させて復圧させると、収縮し
ている濾材33の膨張による空隙の拡張と、勢いよく流
入する外気との相互作用によって、濾材33内等に残留
している血漿を、濾材33のほぼ全体から均一に除去回
収することができる。
【0041】さらに、スぺーサー35a,35bの作用
によって、勢い良く流入してくる外気は、濾材33の全
面に均一にかつ迅速に達し、前記回収率を向上させる効
果がさらに補強される。
【0042】なお、フィルター内を外気と連通させる方
法は、前記接続チューブ91等の切断に限らず、例え
ば、接続チューブ91の血漿バッグ2またはフィルター
3との接続部を取り外したり、接続チューブ91等の途
中に設置されたコック(図示せず)等を解放したり、ま
た、ハウジング30の一部を破断する等して開口を形成
したり、あるいは、チューブないで破断することによっ
て連通可能な連通手段で閉塞されている空気流入路を接
続し、前記連通手段を破断するなどによって行うことが
できる。また、バッグ2に予め必要量の空気を入れてお
くことによっても行うことができる。
【0043】以上のように、フィルター3内を減圧した
後、空気を流入させて回収する場合には、吸引回収した
血漿に気泡が混ざる可能性があるため、チャンバ4で気
泡と血漿が分離される。従って、このチャンバ4によっ
て、フィルター3に流入した空気が血漿とともにチャン
バ4に流入する程度まで、フィルター3内の血漿を回収
し続けることができ、血漿の回収量をできるだけ稼ぐこ
とができる。
【0044】フィルター3内を減圧した後、フィルター
3内を外部へ向けてで開放するタイミングは、例えばチ
ャンバ4に接続された圧力計7の所定の値(例えば前述
の−50〜−600mmHg程度)に達した時に、ポンプP
1 を停止させたり、ブザーやランプなどの報知手段によ
って知らせるように構成することもできる。
【0045】また、フィルター3内圧が低くなると、血
漿バッグ2内の空気がわずかに入り込んで血漿中に気泡
が発生しやすくなり、この発生した気泡の検知によっ
て、前記負圧となったフィルター3の開放タイミングを
測る構成としてもよい。この場合には、接続チューブ9
2に、血漿内の気泡を検知する気泡検出手段を取り付け
ることができる。
【0046】この気泡検出手段は例えば光透過量によっ
て気泡の有無を検出する光センサーなどを用いることが
できる。気泡検出手段からの気泡検出信号は、前記制御
手段に入力し、前記報知手段により前記タイミングを知
らせるようにすることもできる。
【0047】一方、透析器5において、透析液中に含ま
れている、例えばエンドトキシン等の生体に悪影響を及
ぼす物質が血漿内に流入することを抑えるように、ポン
プP1 およびポンプP2 のそれぞれの吐出量Q1 および
2 を、Q1 ≧Q2 の関係に設定されていることが好ま
しい。
【0048】また既述のように、フィルター3内から強
制的に血漿を吸引していると、フィルター3内の圧力の
低下に伴って、ポンプP1 からの吐出量が低下するが、
前記制御手段では、この吐出量の低下に合わせて、ポン
プP2 の回転量を制御する構成とすることもできる。
【0049】すなわち、ポンプP1 の吐出量が低下する
と、ポンプP1 とポンプP2 の間の回路の圧力が低下す
るため、この低下を透析器5内の圧力を検出する圧力計
8で検出し、その検出値を制御手段へ入力する。制御手
段は、前記圧力計からの入力値に基づいてポンプP2
回転数を制御する。このほか、ポンプP1 の吐出量を検
出する流量計を設けて、その検出値に基づきポンプP2
の吐出量を制御するように構成してもよい。
【0050】以上のように、構成された血漿浄化システ
ム1は、血漿バッグ2から貯留バッグ6へ血漿を送る構
成となっているが、給液ラインは、血漿バッグ2と接続
チューブ91とによって構成されるものに限られない。
給液ラインの他の構成例としては、例えば、患者の血管
から採取した血液を血球成分と血漿とに分離する血漿分
離器と、前記血漿分離器によって分離された血漿に前記
血漿蛋白質分画分離剤を混合して溶解する混合容器とを
有する給液ラインであってもよい。
【0051】本発明の方法によれば、フィルター3から
血漿などの液体を回収する効率が格段に向上する。特
に、液体の濾材中に残留する割合の高いポアーサイズの
小さい濾材を使用したフィルターに対してや、粘性の高
い液体の濾過を行う場合などに、本発明の方法を用いる
ことは、特に効果的である。上記説明において、液体と
は、血液または血液成分、あるいはその濃厚液、分画液
等を含むものである。
【0052】なお、本発明の方法については、上記血漿
浄化システム1に限らず、液体の濾過に使用するフィル
ターであればよく、他の種類、例えばフィルターを用い
た回路、輸血用血液フィルター、輸液フィルターにも利
用することもでき、またフィルター単独で使用する場合
にも利用することができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。下記のような回路をそれぞれ構成し、各回収条件に
おいて、フィルターからの回収率を比較した。
【0054】I.回路構成要素 <フィルターA>前記具体的構成で説明したフィルター
を用いた(図2〜図5)。 ・ハウジング材質:ポリ塩化ビニル(ソフトタイプ) ・最大充填容量:250ml ・濾 材:材質 ナイロン30/ポリエステル70 繊維径 1〜5μm 繊維形状 直線 嵩密度 0.4g/cm3 濾過面積 400cm2 ・スぺーサー:不織布 材質 ナイロン 嵩密度 0.2g/cm3
【0055】<送液ポンプ> ・ローラーポンプ:ローラー回転数 11rpm :チューブ内径 3.5mm
【0056】<血漿バッグ>血漿を37℃に加熱して凝
集剤を溶解したものを360ml収容したものを用いた。 血漿:牛血液を遠心法によって分離して得た。 凝集剤:塩化ナトリウム 84g グリシン 53.2g
【0057】II.回路構成 上記各フィルターAの液流入口に、前記血漿バッグを連
結し、フィルターAの液流出口に、前記送液ポンプを連
結して構成した。
【0058】III .回収方法 前記血漿バッグ内の血漿を、前記送液ポンプで30ml/
min で吸引して濾過した。血漿バッグ内の血漿が空にな
った所で、フィルターA内から血漿を回収する方法とし
て、以下の方法を行い、ポンプから吐出された濾液を回
収して、その量を計量した。
【0059】実施例1:フィルターAの回路におい
て、血漿バッグが空となった時に、血漿バッグとフィル
ターAを連結するチューブをクランプし(閉鎖し)、フ
ィルターA内への空気の流入を防ぎながら搾り込みを行
い、フィルター内圧が−250mmHgとなった時点でクラ
ンプを外し、血漿バッグ内の空気を流入させ、液流出口
より気泡が1分間以上連続的に出て来た時点でポンプを
止めて回収量を測定した。
【0060】実施例2 フィルターAの回路におい
て、血漿バッグが空となった時に、血漿バッグとフィル
ターAを連結するチューブをクランプし(閉鎖し)、フ
ィルターA内への空気の流入を防ぎながら搾り込みを行
い、フィルター内圧が−250mmHgとなった時点でポン
プを止めて、回収量を測定した。
【0061】比較例1:フィルターAの回路におい
て、血漿バッグとフィルターAを連結するチューブとの
間をクランプせずに、フィルターA内に急激に空気を流
入させることなくポンプを動かして回収を行い、液流出
口より気泡が1分間以上連続的に出て来た時点でポンプ
を止めて回収量を測定した。
【0062】IV.実施結果 上記のような実施例および比較例で得られた値を表1に
示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示されているように、実施例1,2
では血漿の回収率が比較例に比べて良好で、その値が顕
著に異なるとが明らかである。特に、実施例1では、回
収効率が極めて良好なものとなっている。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のフィルター
内の残留液回収方法によれば、フィルターから血漿など
の液体を回収する効率が格段に向上する。特に、液体の
濾材中に残留する割合の高いポアーサイズの小さい濾材
を使用したフィルターに対してや、粘性の高い液体の濾
過を行う場合などには、その効果は顕著である。
【0066】また、外気を流入させて液体を回収する方
法を用いた場合には、さらに回収率が向上し、この方法
において、スペーサーを有するフィルターを用いると、
外気流入による効果が、より一層発揮される。
【0067】一方、本発明では、回路に設置された送液
ポンプを用いてフィルター内を減圧するため、専用の減
圧手段等を別途を設ける必要がなく、回路構成の複雑化
を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する血漿浄化システムの全体回路
図である。
【図2】フィルターが濾過作用を発揮している時の、ハ
ウジング、液流入口および液流出口の断面側面図であ
る。
【図3】フィルターが濾過作用を発揮している状態で
の、フィルターの全体斜視図である。
【図4】フィルターを減圧して、搾り込んだ状態でのハ
ウジング、液流入口および液流出口の断面側面図であ
る。
【図5】フィルターを減圧して、搾り込んだ状態でのフ
ィルターの全体斜視図である。
【符号の説明】
1 血漿浄化システム 2 血漿バッグ 3 フィルター 30 ハウジング 31 液流入口 32 液流出口 33 濾材 331 開口部 34 空間 35a,b スぺーサー 4 チャンバ 5 透析器 6 貯留バッグ 7 圧力計 91〜96 チューブ 11、12 貯留槽 15 クランプ 20 析出物 P1 〜P3 ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の給液ラインと、この液体の給液ラ
    インに接続され、濾材と、該濾材を収納する変形可能な
    ハウジングとを有するフィルターと、このフィルターの
    液流出口に直接または間接的に接続されたポンプとを有
    する回路を構成し、 前記フィルター内と外部との連通を閉塞した状態で、 前記ポンプによってフィルター内を吸引し、 前記ハウジングを外気圧とフィルター内圧との圧力差に
    よってハウジング容積が縮小するよう変形させ、 前記ハウジングの変形によって前記濾材を収縮させ、前
    記濾材内の残留液を回収することを特徴とするフィルタ
    ー内の残留液回収方法。
JP23780092A 1992-08-12 1992-08-12 フィルター内の残留液回収方法 Expired - Fee Related JP3242461B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23780092A JP3242461B2 (ja) 1992-08-12 1992-08-12 フィルター内の残留液回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23780092A JP3242461B2 (ja) 1992-08-12 1992-08-12 フィルター内の残留液回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0663129A true JPH0663129A (ja) 1994-03-08
JP3242461B2 JP3242461B2 (ja) 2001-12-25

Family

ID=17020607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23780092A Expired - Fee Related JP3242461B2 (ja) 1992-08-12 1992-08-12 フィルター内の残留液回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3242461B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6410139B1 (en) 1999-03-08 2002-06-25 Chisso Corporation Split type conjugate fiber, method for producing the same and fiber formed article using the same
US9356272B2 (en) 2010-03-30 2016-05-31 Daiwabo Holdings Co., Ltd. Polyolefin-based split-type conjugate fiber, fiber assembly and battery separator using the same and method for producing the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6410139B1 (en) 1999-03-08 2002-06-25 Chisso Corporation Split type conjugate fiber, method for producing the same and fiber formed article using the same
US6617023B2 (en) 1999-03-08 2003-09-09 Chisso Corporation Splittable multi-component fiber, method for producing it, and fibrous article comprising it
US9356272B2 (en) 2010-03-30 2016-05-31 Daiwabo Holdings Co., Ltd. Polyolefin-based split-type conjugate fiber, fiber assembly and battery separator using the same and method for producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3242461B2 (ja) 2001-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3517359B2 (ja) 細胞分離・回収装置および細胞の分離・回収方法
US4631050A (en) Autotransfusion system and method
US5423738A (en) Blood pumping and processing system
US4828543A (en) Extracorporeal circulation apparatus
AU667282B2 (en) System and method for processing biological fluid
JP5249973B2 (ja) 腹水処理システムおよびその洗浄方法
WO1988001193A1 (en) Blood cell washing systems and methods
JP5062631B2 (ja) 腹水処理システムおよびその作動方法
JP2004130085A (ja) 血小板産物のための選択的白血球除去ユニット
WO1996020020A2 (en) Device and method for separating components from a biological fluid
JP4092048B2 (ja) 血液収集装置
JPH03207372A (ja) 血液の圧送および処理システム
US11583615B2 (en) System and method for treating haemorrhagic fluid for autotransfusion
JP2018518241A5 (ja)
JP2003265601A (ja) 血液回路
JP3242461B2 (ja) フィルター内の残留液回収方法
WO1989002304A1 (en) Leucocyte-separating filter
JP3242470B2 (ja) フィルター内の残留液回収方法
US20220331793A1 (en) Preprocessing device, preprocessing method, and non-transitory computer readable medium storing program
JPH04117646U (ja) 体液濾過濃縮装置
WO2022036738A1 (zh) 流体处理方法及流体处理装置
JP3264699B2 (ja) フィルターを用いる血液またはその成分の濾過方法
JP2004173853A (ja) 血液成分分離装置及び血液成分分離方法
JPH06327769A (ja) 血漿処理装置
JP2007319542A (ja) 血球製剤処理装置および血球製剤処理回路

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees