JP2003265601A - 血液回路 - Google Patents

血液回路

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JP2003265601A
JP2003265601A JP2002075470A JP2002075470A JP2003265601A JP 2003265601 A JP2003265601 A JP 2003265601A JP 2002075470 A JP2002075470 A JP 2002075470A JP 2002075470 A JP2002075470 A JP 2002075470A JP 2003265601 A JP2003265601 A JP 2003265601A
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blood
circuit
blood circuit
arterial
dialyzer
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JP2002075470A
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Kazuya Sakamoto
和也 坂本
Sumio Ohara
澄夫 大原
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Nikkiso Co Ltd
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Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透析治療と血液回収とをオンラインで行わせ、
又は体外循環させる血液量を減少させるべく動脈側血液
回路にドリップチャンバが接続されないものにおいて
も、透析治療において動脈側血液回路を流れる血液中の
血栓を分離することができる血液回路を提供する。 【解決手段】血液流通路2a及び該血液流通路2aを流
れる血液を浄化する中空糸膜3を内在するダイアライザ
2に接続され、血液を体外で循環させ得る血液回路であ
って、ダイアライザ2における血液流通路の導入口2c
に接続され、途中において血液ポンプ5が配設され得る
動脈側血液回路1aと、ダイアライザ2における血液流
通路2aの導出口2dに接続され、途中においてドリッ
プチャンバ7が接続された静脈側血液回路1bと、動脈
側血液回路1aに血液で満たされるチャンバ11を接続
し、該チャンバ11内に濾過網12を形成したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液を流通させる
血液流通路及び該血液流通路を流れる血液を浄化する浄
化膜を内在するダイアライザなどの血液浄化器に接続さ
れ、患者の血液を体外で循環させ得る血液回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、透析治療において使用される血
液回路は、血液を流通させる血液流通路と透析液を流通
させる透析液流通路とが形成されたダイアライザに接続
されて使用されるものであって、当該血液流通路におけ
る血液導入口に接続される動脈側血液回路と、血液流通
路における血液導出口に接続される静脈側血液回路とか
ら主に構成されている。
【0003】動脈側血液回路は、その先端に動脈側穿刺
針が接続されるとともに、しごき型ポンプから成る血液
ポンプが配設され得るよう構成されている。一方、静脈
側血液回路は、その先端に静脈側穿刺針が接続されると
ともに、その途中において、当該静脈側血液回路を流れ
る血液から空気を取り除くためのドリップチャンバが接
続されている。
【0004】また、透析液流通路の導入口と導出口に
は、透析装置が接続されており、当該透析液流通路と血
液流通路とが中空糸などから成る浄化膜を介して隣接形
成されている。これにより、透析治療時においては、血
液ポンプの駆動によって血液側穿刺針から患者の血液が
採取されると、その血液が動脈側血液回路を通ってダイ
アライザに至り、血液流通路を通過する過程で血液中の
老廃物が浄化膜を介して透析液流通路に透過される。そ
して、老廃物を含んだ透析液は、透析装置側に圧送され
て回収される一方、老廃物が取り除かれた血液は、ダイ
アライザの血液導出口から静脈側血液回路に導出され、
ドリップチャンバで除泡及び濾過された後、静脈側穿刺
針を介して患者の体内に戻される。
【0005】かかるドリップチャンバは、透析治療中に
おいて、血液で満たされた下部の液層と上部の空気層が
得られるよう構成されており、液層側の血液に混入した
空気を空気層側に逃がすことにより、当該空気を血液か
ら除去し得るよう構成されたものである。また、ドリッ
プチャンバ内には、メッシュなどから構成された濾過網
が配設されており、血液中に生じた血栓を濾過して分離
し得るよう構成されている。
【0006】ところで、透析治療が終了した後には、血
液回路及びダイアライザ中に残留した血液を患者の体内
に戻す血液回収を行う必要があるが、近年においては、
血液回収を透析治療とオンラインで行うことが提案され
ている。即ち、透析治療が終了しても動脈側及び静脈側
の穿刺針を患者から抜かずそのままの状態とし、透析装
置側から透析液を血液回路側に圧送し、血液回路内に残
留した血液を患者の体内に戻すようにして、透析治療か
ら血液回収までの作業を連続的、且つ自動的に行わせし
めるのである。
【0007】このように、オンラインを想定した血液回
路においては、動脈側血液回路にドリップチャンバを接
続すると、動脈側血液回路中に残留した血液を患者の体
内に戻すことが困難となるため、通常、当該ドリップチ
ャンバは動脈側血液回路に接続されない。即ち、ダイア
ライザから圧送される透析液は、静脈側血液回路におい
ては順方向(透析治療中に血液が流れる方向と同じ)と
なる一方、動脈側血液回路においては逆方向(透析治療
中に血液が流れる方向と逆向き)となるため、動脈側血
液回路にドリップチャンバが接続されていると、その上
部の空気層によって残留した血液及び透析液が動脈側穿
刺針側まで流れないのである。
【0008】また、子供や老人などの透析治療において
は、体外循環させる血液の容量を少なくするため、動脈
側血液回路にドリップチャンバを接続せず、血液中の空
気を取り除くのは、専ら静脈側血液回路に接続されたド
リップチャンバで行うよう構成された血液回路もある。
このような事情により、オンラインを想定したり、子供
や老人に対する透析を行う従来の血液回路は、その動脈
側血液回路にドリップチャンバを具備していないのであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の如きオンラインを想定したり、子供や老人に対して
行うための血液回路においては、動脈側血液回路にドリ
ップチャンバを有さないため、透析治療中に動脈側血液
回路内で発生した血栓を分離することができず、そのま
まダイアライザ内の血液流通路(中空糸内部など)に至
ってしまう虞があった。
【0010】このように、血栓が血液流通路内に至る
と、浄化膜に目詰まりが生じてしまい、クリアランス
(溶質除去能)やUFR(除水能)等、ダイアライザの
諸性能が低下して透析治療に不具合を生じてしまう。ま
た、ダイアライザの浄化膜に目詰まりが生じていると、
透析治療後の血液回収時に、ダイアライザ内の血液流通
路に血液回収液(生理食塩水または透析液)が良好に圧
送されず、当該ダイアライザ内に血液が残留してしまう
虞もあった。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、透析治療と血液回収とをオンラインで行わ
せ、又は体外循環させる血液量を減少させるべく動脈側
血液回路にドリップチャンバが接続されないものにおい
ても、透析治療において動脈側血液回路を流れる血液中
の血栓を分離することができる血液回路を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
血液を流通させる血液流通路及び該血液流通路を流れる
血液を浄化する浄化膜を内在する血液浄化器に接続さ
れ、患者の血液を体外で循環させ得る血液回路であっ
て、前記血液浄化器における血液流通路の導入口に接続
され、途中において血液ポンプが配設され得る動脈側血
液回路と、前記血液浄化器における血液流通路の導出口
に接続され、途中においてドリップチャンバが接続され
た静脈側血液回路と、前記動脈側血液回路における血液
で満たされる充填部位に形成され、流れる血液を濾過す
る濾過網とを具備したことを特徴とする。
【0013】かかる構成によれば、透析治療において、
患者から採取された血液が血液ポンプの駆動で動脈側血
液回路内を流れる際、当該血液中に発生した血栓は濾過
網によって分離される。血栓が分離された血液は浄化器
内に至り、血液流通路を通過する過程で浄化膜によって
浄化される。浄化された後の血液は、静脈側血液回路に
導出され、ドリップチャンバを介して患者の体内に戻さ
れる。
【0014】請求項2記載の発明は、前記充填部位が、
前記動脈側血液回路に接続された比較的少容量のチャン
バであることを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明は、前記充填部位が、
前記動脈側血液回路に接続された陰圧検出部であること
を特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明は、前記充填部位は、
前記動脈側血液回路を構成する可撓性チューブであるこ
とを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の第1実
施形態に係る血液回路は、透析治療に使用されるもの
で、図1に示すように、動脈側血液回路1aと、静脈側
血液回路1bとから主に成り、これら動脈側血液回路1
a及び静脈側血液回路1bの基端がダイアライザ(血液
浄化器)2の血液導入口2c及び血液導出口2dにそれ
ぞれ接続されたものである。
【0018】ダイアライザ2は、図2に示すように、略
筒状の筐体における両側面に血液導入口2c及び血液導
出口2dが形成されるとともに、上面に透析液導入口2
e及び透析液導出口2fが形成されたものである。筐体
内には複数の中空糸膜3(血液浄化膜)が配設されてお
り、該中空糸膜3内部が血液導入口2c及び血液導出口
2dを連通して血液回路1中を流れる血液を流し得る血
液流通路2aを成している一方、中空糸膜3外周面と筐
体との間の空間が透析液導入口2e及び透析液導出口2
fを連通して透析装置本体4から供給された透析液を流
し得る透析液流通路2bを成している。
【0019】また、中空糸膜3には複数の微少孔が形成
されているため、血液が血液流通路2aを通過し、透析
液が透析液流通路2bを通過する際、中空糸膜3を介し
て血液中の不要物(老廃物)が透析液側に透析除去する
ことができるよう構成されている。尚、同図中符号2g
は、中空糸膜3を血液導入口2cと液密に連通させる封
止剤を示しており、かかる封止剤2gは血液導出口2d
側にも設けられている。
【0020】動脈側血液回路1aには、その先端に動脈
側穿刺針aを接続可能な動脈側シャントコネクタ8が設
けられているとともに、途中に、しごき型の血液ポンプ
5が取り付けられる軟質樹脂製可撓性チューブ6及び陰
圧を検出する陰圧検出部13が接続されている。
【0021】血液ポンプ5は、可撓性チューブ6をしご
きつつ図1中矢印方向に回転駆動することにより、動脈
側穿刺針aから採取された血液を、血液回路1及びダイ
アライザ2内で流動させ、静脈側穿刺針bから患者の体
内に戻す流動作用を奏するものである。陰圧検出部13
は、動脈側血液回路1aにおける動脈側穿刺針aから血
液ポンプ5までの間が所定圧以下の陰圧となることを検
出するためのもので、該陰圧検出部13の表裏面からセ
ンサの接触子(不図示)を当接させ、その反力により圧
力(陰圧)を検出するものである。
【0022】透析装置本体4は、ダイアライザ2の透析
液導入口2eに接続される透析液導入ライン4aと、透
析液導出口2fに接続される透析液排出ライン4bを有
しており、図示しないポンプにて透析液導入ライン4a
を介してダイアライザ2内の透析液流通路2bに透析液
を供給するものであり、該透析液流通路2bを通過した
透析液が透析液導出口2fから透析液排出ライン4bへ
排出されるよう構成されている。
【0023】尚、透析装置本体4には、透析液排出ライ
ン4bの一部をバイパスするバイパスラインが形成され
ており、該バイパスラインに除水ポンプが配設され、所
望量の除水を行うことができるよう構成されている。
【0024】静脈側血液回路1bには、その先端に静脈
側穿刺針bを取り付け得る静脈側シャントコネクタ10
が設けられ、その途中において除泡及び血栓分離のため
のドリップチャンバ7が接続されている。このドリップ
チャンバ7は、図3に示すように、内部に所定容量(1
0ml程度)の液体(血液)を収容し得る収容空間7c
を有した透明樹脂製の略筒状体から成り、ダイアライザ
2側から流れる血液を収容空間7c内に導入する導入口
7aと、該収容空間7c内の血液を静脈側穿刺針b側へ
流す導出口7bが形成されている。
【0025】このうち導入口7aは、ドリップチャンバ
7の上側に形成されるとともに、導出口7bはドリップ
チャンバ7の底面に形成されており、収容空間7c内に
おける上部に空気層7d、下部に液層7eが生じ得るよ
う構成されている。尚、同図中符号9は、導出口7b側
を覆った濾過網(メッシュ)9を示しており、かかる濾
過網9により静脈側血液回路1bを流れる血液中の不純
物(血栓など)を除去し得るよう構成されている。
【0026】ここで、第1実施形態の血液回路1におけ
る動脈側血液回路1aには、透析治療時に患者の血液で
満たされるチャンバ11(充填部位)が接続されてい
る。かかるチャンバ11は、図4で示すように、動脈側
血液回路1aを流れている血液を一定量収容し得る収容
空間11aと、当該動脈側血液回路1aにおける上流側
に接続された導入口11bと、同下流側に接続された導
出口11cと、収容空間11aに配設された濾過網12
とから構成されたものである。
【0027】収容空間11aは、静脈側血液回路1bに
接続されたドリップチャンバ7の容量に対して比較的少
容量(10mL以下)のチャンバから成り、透明又は半
透明の樹脂成形品で構成されている。また、収容空間1
1aは、チャンバ11における一端に形成された導入口
11bと、他端に形成された導出口11cとを連通して
成り、血液ポンプ5により導かれた血液が収容空間11
a内に至り、濾過網12を通過して、導出口11cから
ダイアライザ2側に導出し得るよう接続されている。
【0028】かかるチャンバ11の収容空間11aは、
プライミング時にはプライミング液(生理食塩水など)
が充填され、その後の透析治療時には患者の血液が充填
されるよう構成されている。即ち、チャンバ11は同図
の如き形状とされているため、当該チャンバ11がいず
れの向きで配設されても、内部の収容空間11aに空気
層が形成されないようになっている。
【0029】濾過網12は、動脈側穿刺針aからチャン
バ11の導入口11bに至るまでの間に発生した血栓を
血液から分離するためのもので、同図の如くコーンタイ
プのものから成る。然るに、濾過網12を他の形態のも
の(例えば、袋状、成形タイプ等)としてもよく、その
目開きも70メッシュ相当(透析型人工腎臓装置承認基
準解説における基準)に限らず種々適用することができ
る。即ち、濾過網12は、チャンバ11内を通過する血
液から血栓を分離し得れば足り、材質や形状などは種々
変更することができるのである。
【0030】上記構成により、導入口11bから収容空
間11aに流れ込んだ血液中の血栓のみを濾過網12の
網目上(上流側表面)に留まらせ分離することができる
ので、当該血栓がダイアライザ2内に流れ込んで、クリ
アランスやUFR等諸性能を低下させる虞がない。ま
た、ダイアライザ2内の浄化膜(中空糸膜)も目詰まり
が回避されるので、透析治療後の血液回収時において、
当該ダイアライザ2内に残留する血液を抑制し、スムー
ズに患者の体内に血液を回収させることができる。
【0031】更に、透析治療後における血液回収をオン
ラインで行う場合、透析装置本体4から圧送された透析
液及び動脈側血液回路1a及びダイアライザ2内に残存
した血液が当該動脈側血液回路1aにおいて逆流するの
を許容することができる。即ち、チャンバ11内には空
気層が形成されていないため、ダイアライザ2の血液導
入口2cから吐出された液(透析液及び血液)が動脈側
穿刺針aを介してスムーズに患者の体内に戻されるので
ある。
【0032】また、チャンバ11の容量が一般のドリッ
プチャンバ(静脈側血液回路1bに配設されたドリップ
チャンバ7の如きもの)の容量に比べて少量なので、当
該ドリップチャンバを動脈側血液回路1aにも接続した
ものに比べて、体外循環させる血液量の増加を抑えるこ
とができる。従って、子供や老人に対する透析治療にお
いて、体外循環させるべき血液量の増加を抑制し、患者
の負担を緩和することができる。
【0033】次に、本発明に係る第2の実施形態につい
て説明する。本実施形態に係る血液回路は、図6に示す
ように、動脈側血液回路1a側に接続された陰圧検出部
13を充填部位として、当該陰圧検出部13内に濾過網
14を形成したものである。即ち、動脈側血液回路1a
には、第1実施形態で示したチャンバ11は接続されて
おらず、かかるチャンバ11の代わりに通常血液回路に
接続されている陰圧検出部13を利用したものである。
尚、同図において、第1の実施形態と同様の構成要素に
は、同一符号を付してある。
【0034】かかる陰圧検出部13は、弾力に富んだ樹
脂成形品から成り、プライミング時においてはプライミ
ング液(生理食塩水など)、及び透析治療時においては
患者の血液で満たされ、先の実施形態のチャンバ11と
同様、空気層は形成されない。また、陰圧検出部13
は、図5で示すように、内部に所定容量の収容空間13
aが形成されているとともに、一端が動脈側血液回路1
aの先端側(動脈側穿刺針a側)と接続された導入口1
3b、他端が同血液ポンプ5側(可撓性チューブ6側)
と接続された導出口13cが収容空間13aと連通し、
動脈側穿刺針aから採取された患者の血液が内部を通過
し得るよう構成されている。
【0035】濾過網14は、導入口13bから導入され
て収容空間13a内に至った血液を濾過して、当該血液
中の血栓を分離するためのもので、第1の実施形態に係
る濾過網12と同様、袋状、成形タイプ又はコーンタイ
プのいずれを適用してもよく、その目開きも70メッシ
ュ相当に限らず種々のものを適用することができる。然
るに、陰圧検出部13においては、陰圧検知のための接
触子が当接するため、その検出精度を維持すべく、弾力
に富んだもの(袋状のもの等)を使用するのが好まし
い。
【0036】上記実施形態によれば、第1の実施形態と
同様、動脈側血液回路1aにドリップチャンバが接続さ
れないものにおいても、透析治療において動脈側血液回
路1aを流れる血液中の血栓を分離することができ、ダ
イアライザ2の性能低下を回避することができる。更
に、陰圧検出部13は、通常、透析治療で使用される血
液回路には接続されているため、かかる陰圧検出部13
を充填部位とした本実施形態によれば、体外循環させる
べき血液量を従来と略同一とすることができ、子供や老
人等における透析治療時の負担を緩和することができ
る。
【0037】次に、本発明に係る第3の実施形態につい
て説明する。本実施形態に係る血液回路は、図7に示す
ように、動脈側血液回路1aを構成する可撓性チューブ
を充填部位として、当該可撓性チューブ内に濾過網15
を形成したものである。かかる濾過網15は、血液ポン
プ5とダイアライザ2との間に接続された可撓性チュー
ブに形成され、その部位において血液中の血栓を分離す
るよう構成されているが、動脈側血液回路1aを構成す
る可撓性チューブ内であれば如何なる部位に形成しても
よい。尚、同図において、第1及び第2の実施形態と同
様の構成要素には、同一符号を付してある。
【0038】ここで形成された濾過網15は、動脈側血
液回路1aを流れる血液を濾過して、当該血液中の血栓
を分離するためのもので、先の実施形態と同様、袋状、
成形タイプ又はコーンタイプのいずれを適用してもよ
く、その目開きも70メッシュ相当に限らず種々のもの
を適用することができる。
【0039】本実施形態によれば、第1及び第2の実施
形態と同様、動脈側血液回路1aにドリップチャンバが
接続されないものにおいても、透析治療において動脈側
血液回路1aを流れる血液中の血栓を分離することがで
き、ダイアライザ2の性能低下を回避することができ
る。更に、第2の実施形態と同様、体外循環させるべき
血液量を従来と略同一とすることができ、子供や老人等
における透析治療時の負担を緩和することができる。
【0040】以上、第1〜第3の実施形態について説明
したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例
えば濾過網を動脈側血液回路に接続された他の構成要素
に設けるようにしてもよい。この場合、濾過網を形成す
べき充填部位は、透析治療時に血液で満たされる部位で
あれば足りる。尚、第1〜第3の実施形態における濾過
網は、いずれも血液流路の下流側から上流側に向かって
形成されているが、血液中の不純物(血栓など)が除去
可能であれば、逆向きに形成(上流側から下流側に向か
って形成)してもよく、その形状においても種々のもの
とすることができる。また、第3の実施形態において
は、流路に対して垂直方向に配設された濾過網としても
よい。
【0041】濾過網12、14及び15を、例えば網目
を細かくする等して気泡が通過しないように形成させ、
回路のセッティングに際して入り込んだ気泡がダイアラ
イザに流れていくことを防止することも好ましいが、そ
の場合には網面に滞留した気泡が返血時に人体に戻らな
いような対策をとることが必要である。
【0042】また、上記実施形態においては何れも透析
治療で使用される血液回路に適用しているが、他の治療
で用いられる血液回路(血漿分離や心肺回路)に対して
適用することができる。更に、上記実施形態の如くダブ
ルニードル(動脈側及び静脈側にそれぞれ穿刺針を有し
たもの)の他、シングルニードル(1つの穿刺針からY
字管等を介して動脈側血液回路及び静脈側血液回路と接
続されたもの)の血液回路にも適用することができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、動脈側血液回
路における透析治療時に血液で満たされる充填部位に、
流れる血液を濾過する濾過網が形成されているので、透
析治療と血液回収とをオンラインで行わせ、又は体外循
環させる血液量を減少させるべく動脈側血液回路にドリ
ップチャンバが接続されないものにおいても、透析治療
において動脈側血液回路を流れる血液中の血栓を分離す
ることができる。
【0044】請求項2の発明によれば、充填部位が、動
脈側血液回路に接続された比較的少容量のチャンバであ
るので、ドリップチャンバに比べて体外循環させる血液
量を少なくすることができるとともに、透析治療と血液
回収とをオンラインで行わせ、又は体外循環させる血液
量を減少させるべく動脈側血液回路にドリップチャンバ
が接続されないものにおいても、透析治療において動脈
側血液回路を流れる血液中の血栓を分離することができ
る。
【0045】請求項3の発明によれば、通常、動脈側血
液回路に接続されるべき陰圧検出部を充填部位とし、内
部に濾過網を形成したので、新たに充填部位を設けて濾
過網を形成するものに比べて、製造コストを抑制し、回
路構成を簡単なものとすることができる。
【0046】請求項4の発明によれば、動脈側血液回路
を構成する可撓性チューブを充填部位として、内部に濾
過網を形成したので、新たに充填部位を設けて濾過網を
形成するものに比べて、製造コストを抑制し、回路構成
を簡単なものとすることができる。また、陰圧検出部を
充填部位として濾過網を形成した場合においては、接触
子の押圧に影響が及ぼされる可能性があるが、可撓性チ
ューブに濾過網を形成したものにおいては、そのような
影響がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る血液回路を示す
模式図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る血液回路におけ
るダイアライザ(血液浄化器)を示す一部断面図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る血液回路におけ
るドリップチャンバを示す模式図
【図4】本発明の第1の実施形態に係る血液回路におけ
るチャンバ及び濾過網を示す模式図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る血液回路におけ
る陰圧検出部及び濾過網を示す模式図
【図6】同陰圧検出部が動脈側血液回路に接続された状
態を示す模式図
【図7】本発明の第3の実施形態に係る血液回路におけ
る濾過網が形成された動脈側血液回路(可撓性チュー
ブ)を示す模式図
【符号の説明】
1…血液回路 1a…動脈側血液回路 1b…静脈側血液回路 2…ダイアライザ(血液浄化器) 3…中空糸膜(浄化膜) 4…透析装置本体 5…血液ポンプ 6…可撓性チューブ(しごきポンプ配設部分) 7…ドリップチャンバ 8…動脈側シャントコネクタ 9…メッシュ 10…静脈側シャントコネクタ 11…チャンバ(充填部位) 12、14、15…濾過網 13…陰圧検出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液を流通させる血液流通路及び該血液流
    通路を流れる血液を浄化する浄化膜を内在する血液浄化
    器に接続され、患者の血液を体外で循環させ得る血液回
    路であって、 前記血液浄化器における血液流通路の導入口に接続さ
    れ、途中において血液ポンプが配設され得る動脈側血液
    回路と、 前記血液浄化器における血液流通路の導出口に接続さ
    れ、途中においてドリップチャンバが接続された静脈側
    血液回路と、 前記動脈側血液回路における血液で満たされる充填部位
    に形成され、流れる血液を濾過する濾過網と、を具備し
    たことを特徴とする血液回路。
  2. 【請求項2】前記充填部位は、前記動脈側血液回路に接
    続された比較的少容量のチャンバであることを特徴とす
    る請求項1記載の血液回路。
  3. 【請求項3】前記充填部位は、前記動脈側血液回路に接
    続された陰圧検出部であることを特徴とする請求項1記
    載の血液回路。
  4. 【請求項4】前記充填部位は、前記動脈側血液回路を構
    成する可撓性チューブであることを特徴とする請求項1
    記載の血液回路。
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