JPH0663047A - 超音波断層像撮影装置 - Google Patents

超音波断層像撮影装置

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JPH0663047A
JPH0663047A JP4226044A JP22604492A JPH0663047A JP H0663047 A JPH0663047 A JP H0663047A JP 4226044 A JP4226044 A JP 4226044A JP 22604492 A JP22604492 A JP 22604492A JP H0663047 A JPH0663047 A JP H0663047A
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JP
Japan
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wave
ultrasonic
phase conjugate
ultrasonic wave
incident
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JP4226044A
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Inventor
Masahiro Ono
正弘 大野
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は波面歪曲の影響を無くし、精度
の良い良質の再構成画像が得られるようにした超音波断
層像撮影装置を提供することにある。 【構成】物体1の所望断層面に対し、種々の方向につい
て超音波を照射し、当該物体の当該所望断層面中を透過
した超音波を検出して上記種々の方向それぞれについて
の測定データを得ると共に、この得られた測定データを
もとに画像再構成して上記物体の断層像を得る超音波断
層像撮影装置において、上記物体に超音波を送信し、ま
た、当該物体を透過した超音波を受信する超音波送受波
手段2と、上記物体を介して上記超音波送受波手段に対
向して配置され、この超音波送受波手段から上記物体を
介して送信されて来る任意の波面波形を持つ超音波に対
してその位相共役波を発生させる位相共役波発生手段3
とを設け、上記超音波送受波手段により位相共役波を検
出させて上記測定データとする構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波を利用して被検体
の断層像を得る超音波断層像撮影装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】超音波を用いた映像装置は、魚群探知
機、超音波診断装置、超音波顕微鏡など、現在既に広く
実用化されており、光学的に観察できない不透明物体の
内部を非破壊で観察するために用いられている。これら
の装置は超音波ビームの走査方式およびデータの表示方
式によってBモード、Cモード、CT(コンピュータト
モグラフィ)法に分類される。
【0003】今、超音波ビームの進行方向(深さ方向)
をz軸、このz軸に対して垂直な横方向面内にx軸、y
軸をとって考えると、Bモードとはx‐z面内の2次元
像を表示するものであり、Cモードとはx‐y面内の2
次元像を表示するものである。これらBモード、Cモー
ドにおいてはx,y座標は超音波の走査位置によって、
z座標は超音波反射波(エコー)の受信時間によって与
えられる。
【0004】一方、CT法はBモードと同様、x‐z面
内の2次元像を表示するものであるが、超音波ビームが
物体を透過した際に受けた振幅変化または位相変化の積
分値を、超音波ビームと物体のなす角度を変化させなが
ら全方位に亙って測定し、そのデータ(投影データ)を
コンピュータによって逆変換処理し、各座標位置の物理
量を計算し、その物理量に対応した階調度を与えて画像
を得ると云った再構成演算処理を行い、この再構成演算
処理により得られた画像(再構成画像)をCT像として
表示するものである。このとき、超音波ビームの振幅を
測定すれば、物体の超音波減衰率が表示され、超音波ビ
ームの位相を測定すれば、物体の音速が表示される。投
影データから画像を再構成する変換アルゴリズムとして
は重畳積分法、Randon積分法等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】CT法はX線および核
磁気共鳴(NMR)において既に実用化されていること
は周知の通りであるが、一方、超音波によるCT法は実
用段階には至っていない。
【0006】しかし、超音波におけるCT法も原理的ア
イデアは開示されており、実験的報告もなされている
(文献[1](尾上守夫:「医用画像処理」(朝倉書
店,1982)pp292-297 )参照)。
【0007】超音波CTがX線CTやNMR‐CT程に
は普及していない理由は、超音波の持つ回折、屈折現象
がデータ測定の上で障害となっているためである。以
下、この点について説明する。
【0008】CT法における画像再構成アルゴリズム
は、ビームが完全に直線的に進み、かつ、受信器の出力
信号がビームの強度または位相を正確に反映していると
云う仮定のもとに作られている。そして、X線は被検体
中をほぼ完全に直進するため、この仮定を適用できる。
この様子を図5(a)に示す。
【0009】ところが、超音波に対しては、この仮定は
正しくない。超音波の波面の進む速度は音速によって決
定されるが、一般に物体の音速はその組成によって異な
り、広い範囲に亙っている。音速の異なる組成の複合体
中を、超音波が伝播する場合、超音波は屈折、および回
折する。この様子を図5(b)に示す。
【0010】このような場合、(i) ビームの経路が曲が
っているために、直線上のデータを収集せず、(ii)受波
されるビームの波面が歪曲しているために、受波器の出
力がビームの強度または位相を正確に反映しない、と云
う2つの欠点を生じる。これらの欠点のために、超音波
CTでは画像の再構成が不正確であり、実用化が妨げら
れている。
【0011】そこで、この発明の目的とするところは、
波面歪曲の影響を無くし、直線に近い経路を辿る超音波
のみを収集できて、精度の良い良質の再構成画像を得る
ことのできるようにした超音波断層像撮影装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。すなわち、物体の所
望断層面に対し、種々の方向について超音波を照射し、
当該物体の当該所望断層面中を透過した超音波を検出し
て上記種々の方向それぞれについての測定データを得る
と共に、この得られた測定データをもとに画像再構成し
て上記物体の断層像を得る超音波断層像撮影装置におい
て、上記物体に超音波を送信し、また、当該物体を透過
した超音波を受信する超音波送受波手段と、上記物体を
介して上記超音波送受波手段に対向して配置され、この
超音波送受波手段から上記物体を介して送信されて来る
任意の波面波形を持つ超音波に対してその位相共役波を
発生させる位相共役波発生手段とを設け、上記超音波送
受波手段により位相共役波を検出させて上記測定データ
とする構成とする。
【0013】
【作用】上記構成において、被測定物である上記物体は
対向して配される超音波送受波手段と位相共役波発生手
段との間に配置され、超音波送受波手段から超音波を上
記物体の測定対象断層面に対して照射すると、この超音
波は当該測定対象断層面を通り、位相共役波発生手段に
入射する。そして、この位相共役波発生手段により当該
入射超音波の位相共役波が発生する。
【0014】位相共役波とは入射波に対し、同一の波面
を持ち、逆向きに進む波、すなわち、入射波の時間反転
波である。そして、この位相共役波は上記入射超音波と
同一の経路を辿り、超音波送受波手段に受信されて、上
記物体の測定対象断層面の情報を持つ超音波受信信号と
して検出され、測定データとなる。位相共役波が上記物
体を透過すると、位相共役波は入射波に対する時間反転
性を持っていることから、波面の歪曲が自動的に補正さ
れ、その透過後の波面は入射波が上記物体を透過する前
の波面となる。このような、波面に歪曲のないビームを
超音波送受波手段で受信すれば、その検出信号は純粋に
超音波ビームの強度を反映したものとなる。
【0015】この検出信号は、超音波送受波手段と位相
共役波発生手段の間を超音波ビームが往復した際に受け
る減衰量を正確に与える。これは超音波ビームの片道の
減衰量の2倍である。被検体である物体を超音波送受波
手段および位相共役波発生手段に対して相対的に回転さ
せて全方位から超音波ビームの減衰量を測定し、その1
/2の値に対し、画像再構成の変換アルゴリズムを適用
すれば、被検体の音波減衰量を表わす断層像が得られ
る。
【0016】以上述べたように、本発明では超音波CT
に位相共役波発生手段を導入し、位相共役波により波面
の歪曲を補正して受信するようにしたため、歪みの無い
正確な再構成画像が得られるようになる。
【0017】また、位相共役波を発生させるタイミング
を制御すれば、物体を直進経路で透過する超音波に対し
ての位相共役波を発生させることができるから、これに
よって超音波の曲りの影響を除くことも可能になる。
【0018】
【実施例】本発明では位相共役波を利用し、この位相共
役波の持つ歪み補正の特性を用いて超音波ビームに生じ
た歪みを除去することで、画像の再構成を精度良く行え
るようにするもので、上記欠点のうち、(ii)の波面歪曲
の問題を位相共役波を用いて解決し、(i) の欠点を位相
共役波発生装置への付加的機構を以て軽減しようと云う
ものである。以下、本発明の一実施例について、図面を
参照して説明する。初めに本発明の原理を説明する。 (本発明の原理の説明)
【0019】本発明において、重要な役割を果たすのは
位相共役波である。この位相共役波とは入射波に対し、
同一の波面を持ち、逆向きに進む波、すなわち、入射波
の時間反転波であり、このような時間反転波を発生させ
る装置を位相共役鏡と云う。
【0020】光や超音波において、任意の入射波に対し
てその位相共役波を発生させる装置の研究は既に成され
ており、超音波の位相共役波を発生する位相共役波発生
装置(位相共役鏡)は例えば、文献[2](大野正弘
著:日本音響学会誌,48(2) ,112-118(1992) )等に開
示されている。
【0021】本発明は超音波CT装置にこの位相共役波
発生装置を導入し、これにより発生する位相共役波を用
いて吸収測定の際のビームの波面歪みを補正するように
する。
【0022】本発明の基本的な概念図を図1に示す。図
において、1は被検体、2は超音波を送信し、その反射
波を受信して電気信号に変換する超音波送受波器、3は
超音波の位相共役波発生装置である。
【0023】本発明では被検体1を超音波の送信受信両
方の機能を持つ超音波送受波器2と超音波の位相共役波
発生装置3で挟み込む配置をとる。そして、超音波送受
波器2より被検体1に対し、超音波を送信することによ
り超音波を照射する。このときの超音波の波面はA(実
線)で示す如く平面である。この超音波ビームが被検体
1中を透過すると、被検体1の表面および内部での屈
折、回折の影響により、ビームは広がり、その波面はB
(実線)で示す如く歪曲する。この波面の歪曲した超音
波ビームを位相共役波発生装置3に入射させる。
【0024】位相共役波発生装置3はこの超音波ビーム
の位相共役波を発生させる。この位相共役波は入射波と
同一の波面、すなわち、B´(破線)で示すような波面
を持ち、且つ、入射波と逆向きに進行する。従って、こ
の位相共役波は被検体1に向かって逆進し、そして、こ
の位相共役波が被検体1を透過すると、この位相共役波
は入射波に対する時間反転性を持っていることから、波
面の歪曲が自動的に補正され、その透過後の波面は入射
波が被検体1を透過する前の波面、すなわち、A´(破
線)で示すようにAと同じ平面となる。このような、波
面に歪曲のないビームを超音波送受波器2で受信すれ
ば、その出力信号は純粋に超音波ビームの強度を反映し
たものとなる。
【0025】この出力信号は、超音波送受波器2と位相
共役波発生装置3の間(図の破線領域)を超音波ビーム
が往復した際に受ける減衰量を正確に与える。これは超
音波ビームの片道の減衰量の2倍である。
【0026】被検体1を超音波送受波器2および位相共
役波発生装置3に対して相対的に回転させ、被検体1の
特定断面各位置について全方位に亙り、超音波ビームの
減衰量を測定し、その1/2の値に対し、画像再構成の
変換アルゴリズムを適用すれば、被検体の音波減衰量を
表わす断層像が得られる。
【0027】この結果、本発明においては、従来の超音
波CTにおける上記(ii)の欠点(受波されるビームの波
面が歪曲しているために、受波器の出力がビームの強度
または位相を正確に反映しない)が除去されるため、そ
の再構成画像は正確である。上記(i) の欠点であるビー
ムの曲りの問題は、この構成によっても解決されない
が、受信信号が正確であれば、このビームの曲りは画像
を幾何学的歪曲させる効果をもたらすだけであるため、
実物との対応はつけ易い。このように、超音波CTに位
相共役波発生装置を導入し、波面の歪曲を補正して受信
するようにした本発明では、精度の高い再構成画像が得
られる。以上は、本発明の原理の説明であった。この原
理を実際の装置に適用する場合の例を実施例として説明
する。
【0028】(第1実施例)図2は本発明の一実施例を
示すブロック図である。図1において、1は被検体、2
は超音波送受波器、3は位相共役波発生装置である。5
は非線形圧電体、6a,6bは電極、7はシールド容
器、8は伝搬物質、9は発振器、10は分波器、11は
ゲート回路、12はサーキュレータ、13は周波数逓倍
器、14は増幅器、15は受信回路、16はCPU(コ
ンピュータ)、17は回転駆動機構、18は回転台であ
る。
【0029】回転台18は被検体1を載置して回転させ
るためのテーブルであり、回転駆動機構17によって回
転駆動される構成としてある。発振器9は周波数fなる
信号を発生する発振源であり、分波器10はこの発振器
9の発振出力信号を二手に分配するものである。周波数
逓倍器13は分波器10を介して分配された発振器9か
らの一方の発振出力信号を2逓倍して出力する回路であ
り、増幅器14はこの2逓倍された出力を増幅して出力
する回路である。
【0030】ゲート回路11は分波器10を介して分配
された発振器9からの他方の発振出力信号のゲート制御
を行うものであり、サーキュレータ12はこのゲート回
路11を介して出力された発振器9からの発振出力信号
を超音波駆動信号として超音波送受波器2に送り、超音
波送受波器2からの超音波受信信号を受信回路15に送
る経路切り替えのための回路である。
【0031】CPU16は回転駆動機構17の回転駆動
タイミング制御をし、また、ゲート回路11のゲート開
閉タイミングを制御し、受信回路15の受信タイミング
を制御する。
【0032】また、非線形圧電体5は例えば棒状のもの
であり、その短手側周面には互いに対向するように一対
の電極6a,6bが配される。非線形圧電体5はその長
手側一端面を被検体1に対向させ、この一端面部分を除
き他はシールド容器7で全体を覆ってシールドし、周囲
から到来する音波や電界を遮蔽するようにしてある。非
線形圧電体5、電極6a,6bおよびシールド容器7で
位相共役波発生装置3の本体を構成している。電極6b
およびシールド容器7は接地してあり、電極6aには増
幅器14からの出力が印加される構成としてある。
【0033】また、超音波送受波器2は超音波駆動信号
を受けて超音波を励振し、超音波ビームを送波すると共
に、到来する超音波を電気信号に変換してサーキュレー
タ12に送るものであり、超音波送受波器2はその超音
波送受波面を被検体1を介して非線形圧電体5の上記一
端面に対向するように配される。
【0034】超音波送受波器2と非線形圧電体5は被検
体1と離間して配置されており、従って、音波の伝搬を
円滑に行い、減衰を少なくするためにこれらの間には伝
搬物質8が介在される。伝搬物質8としては超音波を良
く伝えるものであれば良く、例えば、水、ゼリー等が利
用される。
【0035】本実施例では、超音波の位相共役波発生装
置3を、非線形電気音響相互作用によって実現してい
る。非線形電気音響相互作用とは圧電的に非線形性を持
つ物質中での音波と電場のパラメトリックな相互作用で
あり、この相互作用によって超音波の位相共役波が発生
することは例えば文献[2]に示されている。
【0036】非線形電気音響相互作用を簡単に述べれ
ば、非線形圧電体に周波数fの音波とその倍の周波数2
fの電場を同時に印加すると、それらの積の項の形を持
つ音波が発生し、それは周波数fの音波の位相共役波に
なると云うものである。非線形圧電体としてはニオブ酸
リチウム(LiNbO3 )やPZTセラミックス等が知
られている。
【0037】被検体1は上述したように回転台18の上
に載置され、この回転台18はCPU16の制御のもと
に回転駆動制御される。このようにして回転駆動機構1
7は外部からの信号によって駆動して回転台18を回転
させるが、その際、その回転角に応じた信号Saを出力
する。
【0038】今、発振器9を駆動させることにより、発
振器9からは周波数fのマイクロ波領域の連続波電気信
号(発振出力信号)が発生する。この信号は分配器10
によって2つに分けられ、一方は周波数逓倍器13に送
られ、他方はゲート回路11に送られる。
【0039】ゲート回路11は外部からの信号(CPU
16による制御信号)に応じてゲートを開閉されること
により、入力される連続波信号をトーンバースト波に成
形する。ゲート回路11を介して得られたこのトーンバ
ースト波はサーキュレータ12を介して超音波送受波器
2に送られ、この超音波送受波器2により超音波に変換
される。
【0040】超音波送受波器2および非線形圧電体5と
被検体1の間は超音波を良く伝える伝搬物質8、例え
ば、水、ゼリー等が充填されており、超音波送受波器2
によって変換された超音波は伝搬物質8を介して被検体
1に入射し、被検体1を透過後、また伝搬物質8を介し
て非線形圧電体5へと入射する。
【0041】分波器10によって分けられたもう一方の
信号は周波数逓倍器13によって2逓倍されて2倍の周
波数2fの信号となり、この周波数2fの信号は増幅器
14によって増幅された後、非線形圧電体5上に形成さ
れた電極6aに印加される。
【0042】このとき、非線形圧電体5中の電極6a,
6bで挟まれた領域ではこの周波数2fの信号によって
この周波数対応の振動が生じ、非線形圧電体5へと周波
数fなる入射超音波とによって、非線形電気音響相互作
用が起こり、周波数fの入射超音波の位相共役波が発生
する。この位相共役波は入射波が辿った経路を逆進し、
被検体1を再透過して超音波送受波器4に戻り、この超
音波送受波器4によって受信されることにより、電気信
号に変換されて受信信号となる。この受信信号はサーキ
ュレータ12によって受信回路15に送られ、画像化の
ための信号Srとなる。トーンバースト波の立上がりの
タイミング、受信タイミング、および回転台を回転させ
るタイミングはCPU(コンピュータ)16によって制
御される。
【0043】回転台2の回転により、被検体1を回転さ
せながら、被検体1の測定対象断層面について全方位に
亙って信号Srを測定し、回転駆動機構17から出力さ
れる回転角に応じた信号Saとともに、画像再構成アル
ゴリズムによって再構成処理すれば、被検体1の音波減
衰を表わす断層像が得られる。
【0044】本実施例においては、超音波送受波器2、
被検体1、位相共役波発生装置3の位置関係が図1に示
した基本概念と同様になっており、超音波送受波器2に
よって受信される超音波の波面は常に歪みのない平面で
あり、その受信信号から得られて受信回路15から出力
される上述の信号Srは、超音波の減衰量を正確に反映
しているため、位相共役波を利用しない超音波CT装置
では得ることのできない、極めて正確な再構成画像が得
られるようになる。
【0045】(第2実施例)図3に第2実施例を示す。
本第2実施例は基本構造は第1実施例と同様であるが、
位相共役波発生装置3の動作タイミングをコントロール
できるようにしたものである。本実施例の構成要素1〜
18は第1実施例における同符号を付した構成要素と同
様である。この実施例では第1実施例の構成要素に、更
に分波器21、信号遅延回路22、ゲート回路23を付
加した。
【0046】分波器21はCPU(コンピュータ)16
からの制御信号を二手に分配するものであり、その分け
られた出力の一方は周波数fの入力信号をバースト波に
するための上述のゲート回路11にゲート制御信号とし
て送られ、他方はこの実施例で新たに設けた信号遅延回
路22によって時間的に遅延をかけられて周波数2fの
信号に対するゲート信号としてゲート回路23に送られ
る。
【0047】ゲート回路23は周波数逓倍器13の2逓
倍された出力にゲートをかけるために本実施例において
新たに設けたものであり、周波数逓倍器13の2逓倍さ
れた出力はこのゲート回路23を介して増幅器14に与
えられる構成としてある。
【0048】信号遅延回路22による遅延時間は、最短
時間で被検体1を通過した超音波が非線形圧電体5の電
極6a,6b間領域に到達する時に周波数2fの電場が
印加されるように設定される。非線形圧電体5が位相共
役波発生装置として動作するためには、fなる周波数の
超音波と、2fなる周波数の電場が同時に印加されるこ
とが必要である。
【0049】本実施例では、電極6a,6bに与える2
逓倍出力を上記のような遅延をかけて与えることによ
り、図中に符号Aで示すような経路を辿った超音波、す
なわち、被検体1中を最短ルート(最短伝播経路)で伝
搬した超音波に対してのみ、位相共役波を発生させる。
そして、図中に符号Bで示すような経路を辿った超音
波、すなわち、回折によって広がり、長い伝搬距離を通
ったために非線形圧電体に遅れて入射した超音波に対し
ては、位相共役波を発生させない。
【0050】従って、超音波送受波器2によって受信さ
れる超音波は経路Aを往復したものだけであり、経路B
のような回り道をした超音波は測定の対象から除外され
る。このため、本実施例においては直線路に近い経路の
音波減衰量を測定することができることとなり、先に示
した欠点(i) すなわち、ビームの経路が曲がるために、
直線上のデータを収集できないと云う欠点が解消され、
精度の高い超音波再構成像が得られるようになる。
【0051】以上、第2実施例は最短時間で被検体1を
通過した超音波が非線形圧電体5の電極6a,6b間領
域に到達する時に周波数2fの電場が印加されるように
遅延制御して、直線経路を辿った超音波に対してのみの
位相共役波を発生させる構成としたものであり、これに
より、本実施例においては直線路に近い経路の音波減衰
量を測定することができることになって、精度の高い超
音波再構成像が得られる超音波CT装置が実現できる。
【0052】上述した2つの実施例はいずれも位相共役
波発生装置を非線形磁性体5およびこの非線形磁性体5
の周面に形成した一対の電極とより構成し、この一対の
電極に電場をかけることにより入射超音波との相互作用
で位相共役波を発生させる構成であった。位相共役波発
生装置としてはこの構成の他に、非線形磁性体の周囲に
コイルを巻装して構成することもできる。その例を第3
実施例に示す。
【0053】(第3実施例)図4は本発明の第3実施例
を示す。本実施例においては位相共役波発生装置3を非
線形磁性体5およびそれに巻き付けたコイル6によって
構成する。他の構成要素1〜4,7〜18は第1実施例
と同様である。
【0054】非線形磁性体、例えば、フェライト等の物
質に周波数fの超音波と2fの電場を同時に印加する
と、非線形磁気音響相互作用が起こり、超音波の位相共
役波が発生することは、例えば、文献[3](特開平3-
312657号公報)に開示されている。この非線形磁気音響
相互作用は入射超音波から、位相共役波への変換効率が
大きく、入射超音波と同等か、それより大きな強度の位
相共役波が発生する。
【0055】従って、非線形磁性体5およびそれに巻き
付けたコイル6による構成の位相共役波発生装置を用
い、周波数逓倍器13で2逓倍した発振器9の出力を増
幅器14で増幅して位相共役波発生装置のコイル6に印
加し、励磁することにより、周波数fなる入射超音波の
位相共役波を発生すると、超音波送受波器2で受信され
る被検体透過後の位相共役波の受信信号は第1および第
2実施例に比べて大きく、S/N比の高いデータが得ら
れる。
【0056】このように、非線形磁性体5にコイルを巻
回した構成の位相共役波発生装置を用いて被検体透過超
音波の位相共役波を発生させる構成の本実施例では超音
波送受波器2によって受信される位相共役波の強度は、
第1および第2実施例に比べて大きく、S/N比の高い
データが測定できることから、この測定して得られたデ
ータをもとに、再構成した画像のS/N比も当然高いも
のとなる。
【0057】また、本第3実施例に図2の第2実施例と
と同様、遅延回路を導入し、位相共役波を発生させるタ
イミングを制御する構成とすることもでき、この場合、
超音波の伝播経路を選別することができて、直進経路を
辿る超音波に対する位相共役波のみを発生させるように
することができるようになり、精度の高い再構成画像が
得られるようになる。なお、本発明は上記した実施例に
限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜
変形して実施し得るものである。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では超音波C
T装置に位相共役波発生装置を導入することによって、
歪曲のない波面の超音波を受信し、正確な音波減衰量を
測定できるようになり、精度の高い被検体の測定対象断
層面における再構成像を得ることができるようになる。
また、位相共役波発生装置の動作タイミングを制御する
ことにより、被検体中を直線路に近い経路で伝播した超
音波の減衰量を測定できるようになり、これによって、
一層正確な音波減衰量に関する断層像が得られるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的説明をするための図。
【図2】本発明の第1実施例を示すブロック図。
【図3】本発明の第2実施例を示すブロック図。
【図4】本発明の第3実施例を示すブロック図。
【図5】従来技術を説明するための図。
【符号の説明】
1…被検体 2…超音波送受
波器 3…位相共役波発生装置 5…非線形圧電
体 6…コイル 6a,6b…電
極 7…シールド容器 8…伝搬物質 9…発振器、 10,21…分
波器 11,23…ゲート回路 12…サーキュ
レータ 13…周波数逓倍器 14…増幅器 15…受信回路 16…CPU
(コンピュータ) 17…回転駆動機構 18…回転台 22…信号遅延回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の所望断層面に対し、種々の方向に
    ついて超音波を照射し、当該物体の当該所望断層面中を
    透過した超音波を検出して上記種々の方向それぞれにつ
    いての測定データを得ると共に、この得られた測定デー
    タをもとに画像再構成して上記物体の断層像を得る超音
    波断層像撮影装置において、 上記物体に超音波を送信し、また、当該物体を透過した
    超音波を受信する超音波送受波手段と、 上記物体を介して上記超音波送受波手段に対向して配置
    され、この超音波送受波手段から上記物体を介して送信
    されて来る任意の波面波形を持つ超音波に対してその位
    相共役波を発生させる位相共役波発生手段とを設け、上
    記超音波送受波手段により位相共役波を検出させて上記
    測定データとすることを特徴とする超音波断層像撮影装
    置。
JP4226044A 1992-08-25 1992-08-25 超音波断層像撮影装置 Withdrawn JPH0663047A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003516797A (ja) * 1999-12-15 2003-05-20 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 超音波プローブを有する診断撮像システム
KR100521566B1 (ko) * 2001-09-21 2005-10-13 지이 메디컬 시스템즈 글로발 테크놀러지 캄파니 엘엘씨 초음파 진단 장치
JP2007093283A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Toshiaki Kikuchi 位相共役波による距離変動計測方法及び距離変動計測システム

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