JP2735266B2 - パルスエコー型超音波装置 - Google Patents
パルスエコー型超音波装置Info
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- JP2735266B2 JP2735266B2 JP1033572A JP3357289A JP2735266B2 JP 2735266 B2 JP2735266 B2 JP 2735266B2 JP 1033572 A JP1033572 A JP 1033572A JP 3357289 A JP3357289 A JP 3357289A JP 2735266 B2 JP2735266 B2 JP 2735266B2
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- transmission
- transmitter
- ultrasonic
- harmonic
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
- Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、生体の超音波非線形係数を利用した医療用
の画像診断ならびに定量診断に好適な超音波診断装置、
治療効果監視機能付き治療装置に関する。
の画像診断ならびに定量診断に好適な超音波診断装置、
治療効果監視機能付き治療装置に関する。
[従来の技術] 超音波の生体組織における反射を利用して生体の超音
波反射能の断層像を無侵襲に描出する超音波診断装置
は、腹部をはじめとする体内各部位の医療画像診断に広
く用いられている。これに対し、生体組織における超音
波の減衰係数・音速・非線形係数などの値または分布の
無侵襲計測に関しては、従来それぞれについていくつか
の手法が発表され研究されているが、諸々の実用上の問
題点のため広く普及するに至っていない。
波反射能の断層像を無侵襲に描出する超音波診断装置
は、腹部をはじめとする体内各部位の医療画像診断に広
く用いられている。これに対し、生体組織における超音
波の減衰係数・音速・非線形係数などの値または分布の
無侵襲計測に関しては、従来それぞれについていくつか
の手法が発表され研究されているが、諸々の実用上の問
題点のため広く普及するに至っていない。
このうち、非線形係数は、減衰係数や音速と比較し
て、生体の温度や生体中の水の構造に関して敏感に変化
するといわれており、生体情報としての潜在的重要性が
注目されている。非線係数の生体組織中分布の反射法に
よる無侵襲計測に関しては、日本超音波医学会第46回研
究発表会講演論文集(1985年6月)第399頁から第400頁
に提案されているように、エコーの高調波成分の送波パ
ワー依存性を用いて計測しようとする手法がある。
て、生体の温度や生体中の水の構造に関して敏感に変化
するといわれており、生体情報としての潜在的重要性が
注目されている。非線係数の生体組織中分布の反射法に
よる無侵襲計測に関しては、日本超音波医学会第46回研
究発表会講演論文集(1985年6月)第399頁から第400頁
に提案されているように、エコーの高調波成分の送波パ
ワー依存性を用いて計測しようとする手法がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記の手法では、有限振幅超音波の非
線形伝播により生ずる高調波成分と、日本超音波医学会
第44回研究発表会講演論文集(1984年 6月)第255頁
から第256頁に指摘されているような非線形反射係数に
より生ずる高調波成分とが、分離されることなく計測さ
れてしまう。前者は送波器から着目反射点までの積分効
果として計測され、後者は着目反射点近傍に局剤する値
として計測されるので、このことは計測データの処理や
解釈において重大な問題を生ずる。さらに、反射波中の
基本波成分と高調波成分の位相関係は、反射体が自由端
的であるか固定端的であるかにより変化し、自由端的な
場合には往路で生じた高調波成分が復路において大きく
減少してしまう場合も出てくるので、問題はさらに複雑
になる。
線形伝播により生ずる高調波成分と、日本超音波医学会
第44回研究発表会講演論文集(1984年 6月)第255頁
から第256頁に指摘されているような非線形反射係数に
より生ずる高調波成分とが、分離されることなく計測さ
れてしまう。前者は送波器から着目反射点までの積分効
果として計測され、後者は着目反射点近傍に局剤する値
として計測されるので、このことは計測データの処理や
解釈において重大な問題を生ずる。さらに、反射波中の
基本波成分と高調波成分の位相関係は、反射体が自由端
的であるか固定端的であるかにより変化し、自由端的な
場合には往路で生じた高調波成分が復路において大きく
減少してしまう場合も出てくるので、問題はさらに複雑
になる。
本発明の目的は、このような課題を解決し、有限振幅
超音波の非線形伝播による高調波成分発生を他と分離し
てパルスエコー法により計測する超音波診断装置を提供
することにある。
超音波の非線形伝播による高調波成分発生を他と分離し
てパルスエコー法により計測する超音波診断装置を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明では、送波焦域中
に基本波成分の形成する零点に、第2高調波成分の主極
大が形成されるよう送波器を構成し、その第2高調波主
極大位置に受波器の主極大が形成されるよう構成する。
に基本波成分の形成する零点に、第2高調波成分の主極
大が形成されるよう送波器を構成し、その第2高調波主
極大位置に受波器の主極大が形成されるよう構成する。
より具体的には、以下のように送波器および受波器を
構成する。まず、送波口径を複数個に分割し、その複数
個の部分口径を2群に分けて、その2群を互いに180゜
位相の異なる信号により駆動して送波する。アレイ型送
波器を用いてフォーカスやビーム偏向を電子的に行なう
場合には、通常の送波焦点を形成するための駆動位置を
基準として、上記2群のうち1群の駆動位相を180゜反
転させる。送波音波の伝播によって生じた第2高調波
は、上記2群を同位相で駆動したときに生じる焦域に焦
点を持つ受波器によって、その反射エコーが受信される
よう構成する。
構成する。まず、送波口径を複数個に分割し、その複数
個の部分口径を2群に分けて、その2群を互いに180゜
位相の異なる信号により駆動して送波する。アレイ型送
波器を用いてフォーカスやビーム偏向を電子的に行なう
場合には、通常の送波焦点を形成するための駆動位置を
基準として、上記2群のうち1群の駆動位相を180゜反
転させる。送波音波の伝播によって生じた第2高調波
は、上記2群を同位相で駆動したときに生じる焦域に焦
点を持つ受波器によって、その反射エコーが受信される
よう構成する。
本発明では、さらに、上記第2高調波成分に等しい周
波数を基本波周波数として、上記零点に焦点を形成する
送波モードを設け、上記送波モードによる受信信号強度
をこの送波モードによる受信信号強度によって規格化し
て表示するよう装置を構成する。
波数を基本波周波数として、上記零点に焦点を形成する
送波モードを設け、上記送波モードによる受信信号強度
をこの送波モードによる受信信号強度によって規格化し
て表示するよう装置を構成する。
[作用] 送波口径を複数個に分割し、その複数個の部分口径を
それぞれの合計面積がほぼ等しい2群に分け、通常の送
波焦点を形成するめための駆動位相を基準とするとき2
群のうち1群の駆動位相を180゜反転させて送波器を駆
動すると、基本波成分に関するかぎり、本来の送波焦点
位置における音圧に関して各群からの寄与が互いに打ち
消しあい、その位置に複数の焦点に挟まれた零点が形成
される。これに対し、第2高調波成分については、基本
波成分に関する180゜の位相差が第2高調波成分に関す
る360゜の位相差に対応するので、本来の送波焦点位置
において各群からの寄与が互いに強めあい、その位置に
焦点が形成される。
それぞれの合計面積がほぼ等しい2群に分け、通常の送
波焦点を形成するめための駆動位相を基準とするとき2
群のうち1群の駆動位相を180゜反転させて送波器を駆
動すると、基本波成分に関するかぎり、本来の送波焦点
位置における音圧に関して各群からの寄与が互いに打ち
消しあい、その位置に複数の焦点に挟まれた零点が形成
される。これに対し、第2高調波成分については、基本
波成分に関する180゜の位相差が第2高調波成分に関す
る360゜の位相差に対応するので、本来の送波焦点位置
において各群からの寄与が互いに強めあい、その位置に
焦点が形成される。
そこで、第2高調波成分を受信するための受波焦点を
本来の送波焦点位置の近傍に設定すれば、往路における
伝播中に生じた第2高調波が、焦域中の反射体により反
射されて受信される。受波焦点付近の基本波成分の音圧
は充分に小さいので、往路において基本波として伝播し
非線形反射により第2高調波に変換されて受信される第
2高調波成分は上記の第2高調波成分に比べて無視し得
る。また、反射波中の基本波成分と高調波成分の位相関
係によって、受信される第2高調波成分が直接的影響を
受けることもない。従って、往路における非線形伝播に
より生ずる高調波成分のみを他のメカニズムにより生ず
る高調波成分と分離して計測することができる。
本来の送波焦点位置の近傍に設定すれば、往路における
伝播中に生じた第2高調波が、焦域中の反射体により反
射されて受信される。受波焦点付近の基本波成分の音圧
は充分に小さいので、往路において基本波として伝播し
非線形反射により第2高調波に変換されて受信される第
2高調波成分は上記の第2高調波成分に比べて無視し得
る。また、反射波中の基本波成分と高調波成分の位相関
係によって、受信される第2高調波成分が直接的影響を
受けることもない。従って、往路における非線形伝播に
より生ずる高調波成分のみを他のメカニズムにより生ず
る高調波成分と分離して計測することができる。
さらに、上記第2高調波成分に等しい周波数を基本波
周波数として、上記零点に焦点を形成する送波モードを
設け、上記搬送モードによる受信信号強度をこの送波モ
ードによる受信信号強度によって規格化すれば、上記零
点近傍に存在する反射体の強度の影響をとり除くことが
できる。この規格化により、非線形係数の生体組織中分
布を反射体強度の分布から分離して得ることができる。
周波数として、上記零点に焦点を形成する送波モードを
設け、上記搬送モードによる受信信号強度をこの送波モ
ードによる受信信号強度によって規格化すれば、上記零
点近傍に存在する反射体の強度の影響をとり除くことが
できる。この規格化により、非線形係数の生体組織中分
布を反射体強度の分布から分離して得ることができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を第1図〜第16図を用いて詳細
に説明する。
に説明する。
1つめの実施例として、アニュラ・アレイ型送受波器
を2分割した第1図に示すような形式の送受波器を機械
的に走査する型の装置の構成のブロック図を、第2図に
示した。
を2分割した第1図に示すような形式の送受波器を機械
的に走査する型の装置の構成のブロック図を、第2図に
示した。
第1図の送受波器は、通常のアニュラ・アレイ(円環
状アレイ)型送受波器を中心軸を含む平面によりさらに
2分割して2つの超音波振動子群1(1−1〜1−n)
および2(2−1〜2−n)に分割した形式を持ち、基
本周波の送波並びに倍周波の送受波に備えて音響整合層
4並びに背面制動層5により広帯域化がはかられてい
る。振動子全体は、回転走査機構により8のまわりに回
転可能なように7により支持されている。なお、煩雑さ
を避けるため、機械走査機構や音響カップリング材は、
第1図より省略した。また、第1図(b)では、音響整
合層4を透視したときの図を示した。
状アレイ)型送受波器を中心軸を含む平面によりさらに
2分割して2つの超音波振動子群1(1−1〜1−n)
および2(2−1〜2−n)に分割した形式を持ち、基
本周波の送波並びに倍周波の送受波に備えて音響整合層
4並びに背面制動層5により広帯域化がはかられてい
る。振動子全体は、回転走査機構により8のまわりに回
転可能なように7により支持されている。なお、煩雑さ
を避けるため、機械走査機構や音響カップリング材は、
第1図より省略した。また、第1図(b)では、音響整
合層4を透視したときの図を示した。
前述のように本装置は、送波制御回路12(12−1、12
−2)により制御される2つの送波モードをもつ。第1
は、第1群と第2群の対応する振動子を互いに逆相の基
本周波により駆動するモード、第2は、第1群と第2群
の対応する振動子を互いに同相の倍周波により駆動する
モードである。第2のモードでは、通常の単一フォーカ
スと全く同様なフォーカスのための遅延時間が与えられ
た信号で送受波回路13により各素子が駆動されるのに対
し、第1のモードでは、各素子の信号に通常の単一フォ
ーカスのための遅延時間が与えられた上に、第1群また
は第2群のどちらか一方の素子群の信号の位相が反転さ
れた信号で、各素子が駆動される。
−2)により制御される2つの送波モードをもつ。第1
は、第1群と第2群の対応する振動子を互いに逆相の基
本周波により駆動するモード、第2は、第1群と第2群
の対応する振動子を互いに同相の倍周波により駆動する
モードである。第2のモードでは、通常の単一フォーカ
スと全く同様なフォーカスのための遅延時間が与えられ
た信号で送受波回路13により各素子が駆動されるのに対
し、第1のモードでは、各素子の信号に通常の単一フォ
ーカスのための遅延時間が与えられた上に、第1群また
は第2群のどちらか一方の素子群の信号の位相が反転さ
れた信号で、各素子が駆動される。
すなわち、第1群のk番めの振動子が第3図(a)に
例として示した信号により駆動されるとき、それに対応
する第2群のk番めの振動子が第3図(b)の信号によ
り駆動される。第3図(c)に例として示したような、
送波焦点付近の音響的不連続(この例では、点反射体)
により反射された倍周波エコーは、超音波振動子1なら
びに2および送受波回路13により受信され、受波フォー
カス回路14においてフォーカスのための遅延時間が与え
られて互いに加算され、検出回路15においてエコー強度
に変換される。
例として示した信号により駆動されるとき、それに対応
する第2群のk番めの振動子が第3図(b)の信号によ
り駆動される。第3図(c)に例として示したような、
送波焦点付近の音響的不連続(この例では、点反射体)
により反射された倍周波エコーは、超音波振動子1なら
びに2および送受波回路13により受信され、受波フォー
カス回路14においてフォーカスのための遅延時間が与え
られて互いに加算され、検出回路15においてエコー強度
に変換される。
倍周波同相送波時のエコー強度は、そのまま表示回路
18に入力されて通常の超音波パルスエコー像として表示
される一方、記憶回路16−2に記録されて非線形係数算
出のために用いられる。他方、基本周波逆相送波時のエ
コー強度は、記憶回路16−1に一旦記録されて除算回路
17に入力され、記憶回路16−2に記録されている対応す
る位置からのエコー強度により除されて、その位置の近
傍の非線形係数に対応する計測値として表示回路18に入
力される。表示回路18では、その計測値をもとに超音波
非線形係数分布像を表示する。
18に入力されて通常の超音波パルスエコー像として表示
される一方、記憶回路16−2に記録されて非線形係数算
出のために用いられる。他方、基本周波逆相送波時のエ
コー強度は、記憶回路16−1に一旦記録されて除算回路
17に入力され、記憶回路16−2に記録されている対応す
る位置からのエコー強度により除されて、その位置の近
傍の非線形係数に対応する計測値として表示回路18に入
力される。表示回路18では、その計測値をもとに超音波
非線形係数分布像を表示する。
非線形係数分布像を通常のパルスエコー像に重畳させ
て表示するときには、パルスエコー像の表示色を非線形
係数の大きさに応じて変化させる。また、主制御回路10
による制御に従い、必要に応じて関心領域の超音波非線
形係数の経時変化を表示する。この関心領域に位置ぎめ
や選択には、上述した通常のパルスエコー像が有用であ
る。
て表示するときには、パルスエコー像の表示色を非線形
係数の大きさに応じて変化させる。また、主制御回路10
による制御に従い、必要に応じて関心領域の超音波非線
形係数の経時変化を表示する。この関心領域に位置ぎめ
や選択には、上述した通常のパルスエコー像が有用であ
る。
本実施例の装置により焦点面上に形成される音場の一
例を次に示す。第4図は、直径32mmの超音波振動子を用
い、基本周波数を2MHzに、焦点距離を64mmに設定したと
きの音場を示したものである。図中(a)および(b)
は、基本周波逆相送波時の、それぞれ基本周波2MHzおよ
び倍周波4MHzの音場であり、図中(c)は倍周波同相受
波時(または送波時)の倍周波の音場である。縦軸はそ
れぞれの図中の最大値により規格化した超音波強度であ
る。
例を次に示す。第4図は、直径32mmの超音波振動子を用
い、基本周波数を2MHzに、焦点距離を64mmに設定したと
きの音場を示したものである。図中(a)および(b)
は、基本周波逆相送波時の、それぞれ基本周波2MHzおよ
び倍周波4MHzの音場であり、図中(c)は倍周波同相受
波時(または送波時)の倍周波の音場である。縦軸はそ
れぞれの図中の最大値により規格化した超音波強度であ
る。
焦点において、倍周波成分がピークをもつのに対し
て、基本周波数成分の強度は0なので、同じ点を焦点と
する受波器により倍周波の反射エコーを受信すれば、焦
点までにおける非線形伝播により発生した倍周波のみを
受信することができる。さらに、受信エコー強度を倍周
波同相送受波によるエコー強度により除すれば、焦点付
近の反射体強度の影響を除き送受伝播路の非線形係数の
みによる計測値を得ることができる。
て、基本周波数成分の強度は0なので、同じ点を焦点と
する受波器により倍周波の反射エコーを受信すれば、焦
点までにおける非線形伝播により発生した倍周波のみを
受信することができる。さらに、受信エコー強度を倍周
波同相送受波によるエコー強度により除すれば、焦点付
近の反射体強度の影響を除き送受伝播路の非線形係数の
みによる計測値を得ることができる。
第5図は、その計測値の振幅における送波伝播路中各
点の非線形係数の寄与を、振動子群の中心軸を含み、振
動子群を2分割する線に直交する平面上に、プロットし
たものである。非線形係数の寄与の分布が、深度方向・
方位方向ともに5mm程度の範囲に局在化されており、焦
点を走査して超音波非線形係数分布像を形成するとき、
この程度の空間分解能が得られることがわかる。
点の非線形係数の寄与を、振動子群の中心軸を含み、振
動子群を2分割する線に直交する平面上に、プロットし
たものである。非線形係数の寄与の分布が、深度方向・
方位方向ともに5mm程度の範囲に局在化されており、焦
点を走査して超音波非線形係数分布像を形成するとき、
この程度の空間分解能が得られることがわかる。
比較のため、本発明を用いずに同相の基本周波数送波
を行なったとき、焦点面に形成される音場を、それぞれ
基本周波および倍周波について第6図(a)および
(b)に示した。焦点において、倍周波成分だけでなく
基本周波数成分もピークをもつので、同じ点を焦点とす
る受波器により倍周波の反射エコーを受信するとき、焦
点までの送波の非線形伝播により発生した倍周波だけで
なく、反射における非線形現象により生じた倍周波も分
離されることなく一緒に受信することになり、問題であ
る。
を行なったとき、焦点面に形成される音場を、それぞれ
基本周波および倍周波について第6図(a)および
(b)に示した。焦点において、倍周波成分だけでなく
基本周波数成分もピークをもつので、同じ点を焦点とす
る受波器により倍周波の反射エコーを受信するとき、焦
点までの送波の非線形伝播により発生した倍周波だけで
なく、反射における非線形現象により生じた倍周波も分
離されることなく一緒に受信することになり、問題であ
る。
もう1つの実施例として、第7図に示すリニア・アレ
イ型送受波器を用いた電子走査型装置の構成のブロック
図を第8図に示した。
イ型送受波器を用いた電子走査型装置の構成のブロック
図を第8図に示した。
第7図の送受波器は、通常のパルスエコー像撮像用リ
ニア・アレイ(直線状アレイ)型送受波器と基本的に同
様の形式を持ち、基本周波の送波並びに倍周波の送受波
に備えて音響整合層4並びに背面制動層5により広帯域
化がはかられ、また、アレイの配列に直交する方向(短
軸方向)のフォーカスのために音響レンズ6を有してい
る。
ニア・アレイ(直線状アレイ)型送受波器と基本的に同
様の形式を持ち、基本周波の送波並びに倍周波の送受波
に備えて音響整合層4並びに背面制動層5により広帯域
化がはかられ、また、アレイの配列に直交する方向(短
軸方向)のフォーカスのために音響レンズ6を有してい
る。
第8図の装置構成の第2図との相違点は、振動子の機
械的走査機構9の代わりに送波または受波口径の選択機
構11を有することである。主制御回路10の制御に従っ
て、超音波振動子全体3(3−1から3−N)の中か
ら、送波または受波口径を形成する振動子1および2が
選択されることにより、計測または撮像のための焦点走
査が電子的に行なわれる。
械的走査機構9の代わりに送波または受波口径の選択機
構11を有することである。主制御回路10の制御に従っ
て、超音波振動子全体3(3−1から3−N)の中か
ら、送波または受波口径を形成する振動子1および2が
選択されることにより、計測または撮像のための焦点走
査が電子的に行なわれる。
本実施例の装置により焦点面上に形成される音場の一
例を次に示す。
例を次に示す。
第9図は、短軸幅12mmの超音波アレイ振動子を用い、
基本周波数を2MHzに、送受波口径を64mmに、焦点距離を
64mmに設定したときの音場を示したものである。第4図
と同様、図中(a)および(b)は、基本周波逆相送波
時の、それぞれ基本周波2MHzおよび倍周波4MHzの音場で
あり、図中(c)は倍周波同相受波時(または送波時)
の倍周波の音場であり、焦点までの送波の非線形伝播に
より発生した倍周波のみを受信することができる。第10
図は、第5図と同様、送波伝播路中各点の非線形係数の
計測値の振幅における寄与を、送受波口径の中心軸を含
み、送波口径を2分割する線に直交する平面上に、プロ
ットしたものである。非線形係数の寄与の分布が、深度
方向・方位方向ともに3mm程度の範囲に局在化されてお
り、焦点を走査して超音波非線形係数分布像を形成する
とき、この程度の空間分解能が得られることがわかる。
基本周波数を2MHzに、送受波口径を64mmに、焦点距離を
64mmに設定したときの音場を示したものである。第4図
と同様、図中(a)および(b)は、基本周波逆相送波
時の、それぞれ基本周波2MHzおよび倍周波4MHzの音場で
あり、図中(c)は倍周波同相受波時(または送波時)
の倍周波の音場であり、焦点までの送波の非線形伝播に
より発生した倍周波のみを受信することができる。第10
図は、第5図と同様、送波伝播路中各点の非線形係数の
計測値の振幅における寄与を、送受波口径の中心軸を含
み、送波口径を2分割する線に直交する平面上に、プロ
ットしたものである。非線形係数の寄与の分布が、深度
方向・方位方向ともに3mm程度の範囲に局在化されてお
り、焦点を走査して超音波非線形係数分布像を形成する
とき、この程度の空間分解能が得られることがわかる。
さらに、他の一例として、第11図に示されているよう
にアレイ型送波器20を超音波治療装置と共有し、基本波
の送波器に組み込まれた倍周波の送受波器23により検出
される受信信号をもとに治療効果監視用情報を提供する
よう構成した装置の構成のブロック図を、第12図に示し
た。
にアレイ型送波器20を超音波治療装置と共有し、基本波
の送波器に組み込まれた倍周波の送受波器23により検出
される受信信号をもとに治療効果監視用情報を提供する
よう構成した装置の構成のブロック図を、第12図に示し
た。
第11図の送波器は、アイ・イー・イー・イー超音波シ
ンポジウム会議録(IEEE Ultrasonics Symposium Pr
oceedings)(1987年10月14日〜16日)第867〜870頁に
記載されているアレイ型送波器と基本的に同様の形式を
持ち、送波器素子20からの効果的な放熱をはかるため軽
金属製の音響整合層21を備えており、送波回路25による
制御にもとづいて大きさの可変な拡がりをもつ治療用の
焦域を形成することができる。本実施例では、これを治
療用送波器として用いると同時に、この一部分を2分割
して互いに逆相で駆動することにより非線形係数計測用
の送波器としても用いる。また、図中の送受波器23は通
常のパルスエコー像撮像用セクタ・スキャン型アレイ送
受波器と基本的に同様の形式を有しており、その送波は
制御回路26により制御される。
ンポジウム会議録(IEEE Ultrasonics Symposium Pr
oceedings)(1987年10月14日〜16日)第867〜870頁に
記載されているアレイ型送波器と基本的に同様の形式を
持ち、送波器素子20からの効果的な放熱をはかるため軽
金属製の音響整合層21を備えており、送波回路25による
制御にもとづいて大きさの可変な拡がりをもつ治療用の
焦域を形成することができる。本実施例では、これを治
療用送波器として用いると同時に、この一部分を2分割
して互いに逆相で駆動することにより非線形係数計測用
の送波器としても用いる。また、図中の送受波器23は通
常のパルスエコー像撮像用セクタ・スキャン型アレイ送
受波器と基本的に同様の形式を有しており、その送波は
制御回路26により制御される。
本実施例では、これを通常のパルスエコー撮像用の送
受波器として用いると同時に、非線形係数計測用の倍周
波の受波器としても用いる。計測された治療対象領域の
超音波非線形係数にもとづき効果が推定され、治療用送
波強度が制御されるよう構成されている。
受波器として用いると同時に、非線形係数計測用の倍周
波の受波器としても用いる。計測された治療対象領域の
超音波非線形係数にもとづき効果が推定され、治療用送
波強度が制御されるよう構成されている。
また、通常のパルスエコー撮像モードは、治療対象領
域の選定・照準などに便利である。なお、図中(b)で
は、音響整合層20および4を透視したときの図を示し
た。
域の選定・照準などに便利である。なお、図中(b)で
は、音響整合層20および4を透視したときの図を示し
た。
本実施例の装置により焦点面上に形成される非線形係
数計測用の音場の一例を次に示す。
数計測用の音場の一例を次に示す。
第13図(a)および(b)は、送波器20の外径80mm内
径40mmの部分口径を第14図のように2分割し、図中+お
よび−の部分をそれぞれ第3図(a)および(b)に波
形を示した中心周波数1MHzの信号により駆動したとき、
幾何学的焦点距離120mmの焦点面に形成されるそれぞれ
基本周波1MHzおよび倍周波2MHzの音場を示したものであ
る。図中(c)は、送受波器23による倍周波受波時(ま
たは送波時)の音場であり、焦点までの送波の非線形伝
播により発生した倍周波のみを受信することができる。
径40mmの部分口径を第14図のように2分割し、図中+お
よび−の部分をそれぞれ第3図(a)および(b)に波
形を示した中心周波数1MHzの信号により駆動したとき、
幾何学的焦点距離120mmの焦点面に形成されるそれぞれ
基本周波1MHzおよび倍周波2MHzの音場を示したものであ
る。図中(c)は、送受波器23による倍周波受波時(ま
たは送波時)の音場であり、焦点までの送波の非線形伝
播により発生した倍周波のみを受信することができる。
第15図は、第5図と同様、送波伝播路中各点の非線形
係数の計測値の振幅における寄与を、送受波口径の中心
軸に含み、送波口径を2分割する線に直交する平面上
に、プロットしたものである。非線形係数の寄与の分布
が、深度方向・方位方向ともに7mm程度の範囲に局在化
しており、焦点を走査して超音波非線形係数分布像を形
成するとき、この程度の空間分解能が得られることがわ
かる。
係数の計測値の振幅における寄与を、送受波口径の中心
軸に含み、送波口径を2分割する線に直交する平面上
に、プロットしたものである。非線形係数の寄与の分布
が、深度方向・方位方向ともに7mm程度の範囲に局在化
しており、焦点を走査して超音波非線形係数分布像を形
成するとき、この程度の空間分解能が得られることがわ
かる。
第16図には、この実施例の超音波治療装置を加温治療
装置として用いたときのタイムチャートの一例を示す。
図中(a)に超音波送波器20の送波振幅の実効値、
(b)に治療対象生体組織の温度、(c)に治療対象生
体組織の超音波非線形係数の3秒おきの計測値の初期値
を基準とした変化分の絶対値をプロットした。治療対象
生体組織の加温目標温度を平常温度+8℃と設定して加
温を行なった。±10℃程度の温度範囲では(c)の非線
形係数の温度変化分は(b)の温度変化に比例している
とみることができる。
装置として用いたときのタイムチャートの一例を示す。
図中(a)に超音波送波器20の送波振幅の実効値、
(b)に治療対象生体組織の温度、(c)に治療対象生
体組織の超音波非線形係数の3秒おきの計測値の初期値
を基準とした変化分の絶対値をプロットした。治療対象
生体組織の加温目標温度を平常温度+8℃と設定して加
温を行なった。±10℃程度の温度範囲では(c)の非線
形係数の温度変化分は(b)の温度変化に比例している
とみることができる。
数秒間の短時間加熱を行なったときの温度の立ち上が
りは、生体組織による不確定度の大きい血流量にはよら
ず生体組織による不確定度の少ない比熱によって決ま
る。また、生体組織の温度の時間変化の時定数は、一般
に、比熱と血流量と熱伝導率によって決まるが、通常の
血流量では熱伝導によって持ち去られる熱量は、血流に
よって持ち去られる熱量と比較して無視できるので、逆
に、温度の時間変化の時定数から生体組織の血流量を推
定することができる。
りは、生体組織による不確定度の大きい血流量にはよら
ず生体組織による不確定度の少ない比熱によって決ま
る。また、生体組織の温度の時間変化の時定数は、一般
に、比熱と血流量と熱伝導率によって決まるが、通常の
血流量では熱伝導によって持ち去られる熱量は、血流に
よって持ち去られる熱量と比較して無視できるので、逆
に、温度の時間変化の時定数から生体組織の血流量を推
定することができる。
そこで、短時間に治療対象生体組織を目標温度に到達
させるべく、超音波非線形係数計測値の初期値を主制御
回路10に記録した上で、10W/cm3、3秒間の急速な熱量
投入を超音波送波決20により行ない、急速加温停止直後
の非線形係数計測値を定常加温時の比較参照値として送
波回路25に記憶させた。急速加温停止後60秒間、非線形
係数の時間変化を計測し、その時定数から血流量を推定
し、その推定値から治療対象生体組織を目標温度に定常
に加温するに必要な投入熱量を算出し、急速加温停止後
60秒後、その算出値を中心に前述の比較参照値と非線形
係数計測値を比較することにより投入熱量を調節しなが
ら加温を行なうよう主制御回路10と送波回路25を構成し
た。この例では、計測された時定数100秒から血流量が1
0Kg/s/m3と推定され、定常加温に必要な投入熱量が40mW
/cm3と概算された。
させるべく、超音波非線形係数計測値の初期値を主制御
回路10に記録した上で、10W/cm3、3秒間の急速な熱量
投入を超音波送波決20により行ない、急速加温停止直後
の非線形係数計測値を定常加温時の比較参照値として送
波回路25に記憶させた。急速加温停止後60秒間、非線形
係数の時間変化を計測し、その時定数から血流量を推定
し、その推定値から治療対象生体組織を目標温度に定常
に加温するに必要な投入熱量を算出し、急速加温停止後
60秒後、その算出値を中心に前述の比較参照値と非線形
係数計測値を比較することにより投入熱量を調節しなが
ら加温を行なうよう主制御回路10と送波回路25を構成し
た。この例では、計測された時定数100秒から血流量が1
0Kg/s/m3と推定され、定常加温に必要な投入熱量が40mW
/cm3と概算された。
なお、本実施例では、加温治療の手段として、超音波
を用いる場合を例としたが、電界や磁界など他の低侵襲
性手段を用いてもよい。
を用いる場合を例としたが、電界や磁界など他の低侵襲
性手段を用いてもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、パルスエコー
法を用いて、往路における有限振幅超音波の非線形伝播
により生ずる高調波成分のみを他のメカニズムにより生
ずる高調波成分と分離して計測することができ、非線形
係数の生体組織中分布を求めることができる。これによ
り、超音波による臨床診断において大きな有用性を持つ
診断装置を提供することができる。また、非線形係数
は、減衰係数や音速などの線形パラメタよりも大きな温
度係数を有すると言われているので、ハイパーサーミア
治療における超音波による温度監視にも、極めて有用な
監視装置を提供することができる。
法を用いて、往路における有限振幅超音波の非線形伝播
により生ずる高調波成分のみを他のメカニズムにより生
ずる高調波成分と分離して計測することができ、非線形
係数の生体組織中分布を求めることができる。これによ
り、超音波による臨床診断において大きな有用性を持つ
診断装置を提供することができる。また、非線形係数
は、減衰係数や音速などの線形パラメタよりも大きな温
度係数を有すると言われているので、ハイパーサーミア
治療における超音波による温度監視にも、極めて有用な
監視装置を提供することができる。
なお、以上では、簡単のため説明を省略したが、本発
明の方法を「日本超音波医学会第46回研究発表会講演論
文第399頁から第400頁」に記されているような従来方法
と組合せることにより、非線形反射係数により生ずる高
調波成分を、往路における非線形伝播により生ずる高調
波成分と分離して計測することもでき、非線形反射係数
の生体組織中分布を求めることができる。
明の方法を「日本超音波医学会第46回研究発表会講演論
文第399頁から第400頁」に記されているような従来方法
と組合せることにより、非線形反射係数により生ずる高
調波成分を、往路における非線形伝播により生ずる高調
波成分と分離して計測することもでき、非線形反射係数
の生体組織中分布を求めることができる。
また、実施例の説明では、簡単のため、送波口径を2
分割して互いに反対の位相により駆動する場合を例とし
たが、本発明の適応範囲は、送波口径を2分割する場合
に限られず、2群に分かれた複数個の部分口径に分割さ
れた送波口径を有し、その2群を互いに反対の位相によ
り駆動する場合にも及ぶものである。
分割して互いに反対の位相により駆動する場合を例とし
たが、本発明の適応範囲は、送波口径を2分割する場合
に限られず、2群に分かれた複数個の部分口径に分割さ
れた送波口径を有し、その2群を互いに反対の位相によ
り駆動する場合にも及ぶものである。
第1図、第11図のそれぞれ(a)および(b)は、本発
明の一実施例の装置を構成する機械走査型送受波器のそ
れぞれ側面図および下面図、第2図、第8図、第12図は
本発明の実施例の超音波装置の構成を示すブロック図、
第3図(a)および(b)は、それぞれ第1群および第
2群の互いに対応する送波器振動子の逆相送波時におけ
る駆動信号、同じく(c)は、受信される倍周波エコー
信号である。第4図、第9図、第13図は本発明の実施例
の、焦点面に形成される音場の三次元モデル図、第5
図、第10図、第15図は上記実施例の装置を用いたときの
非線形係数の寄与をプロットした鳥瞰図である。第6図
(a)および(b)は従来例の装置において同相の基本
周波送波を行なったとき、焦点面に形成される音場を示
した三次元モデル図、第7図(a)・(b)および
(c)は、本発明の実施例のリニア・アレイ型送受波器
のそれぞれ正面図・下面図および側面図、第14図は、本
発明の実施例における送波器の部分口径を示す説明図、
第16図は本発明の超音波装置を加温治療装置として用い
たときのタイムチャートの一例であり、(a)は送波振
幅の実効値、(b)は治療対象生体組織の温度、(c)
は治療対象生体組織の超音波非線形係数の計測値の初期
値を基準とした変化分の絶対値を示す図である。 符号の説明 1……第1群の超音波振動子、2……第2群の超音波振
動子、3……超音波振動子全体、4……音響整合層、5
……背面制動層、6……音響レンズ層、7……振動子支
持部、8……振動子回転軸、9……振動子回転走査機
構、10……主制御回路、11……口径選択回路、12−1…
…第1群の超音波振動子の送波制御回路、12−2……第
2群の超音波振動子の送波制御回路、13……送受波回
路、14……受波フォーカス回路、15……倍周波エコー強
度検出回路、16−1……逆相送波時のエコー強度記憶回
路、16−2……倍周波同相送波時のエコー強度記憶回
路、17……エコー強度除算回路、18……表示回路、20−
1,20−2,…,20−M……治療用超音波振動子、21……軽
金属製音響整合層、23−1,23−2,…,23−m……監視用
超音波振動子、25……治療用超音波振動子送波回路、26
……監視用超音波振動子送波制御回路
明の一実施例の装置を構成する機械走査型送受波器のそ
れぞれ側面図および下面図、第2図、第8図、第12図は
本発明の実施例の超音波装置の構成を示すブロック図、
第3図(a)および(b)は、それぞれ第1群および第
2群の互いに対応する送波器振動子の逆相送波時におけ
る駆動信号、同じく(c)は、受信される倍周波エコー
信号である。第4図、第9図、第13図は本発明の実施例
の、焦点面に形成される音場の三次元モデル図、第5
図、第10図、第15図は上記実施例の装置を用いたときの
非線形係数の寄与をプロットした鳥瞰図である。第6図
(a)および(b)は従来例の装置において同相の基本
周波送波を行なったとき、焦点面に形成される音場を示
した三次元モデル図、第7図(a)・(b)および
(c)は、本発明の実施例のリニア・アレイ型送受波器
のそれぞれ正面図・下面図および側面図、第14図は、本
発明の実施例における送波器の部分口径を示す説明図、
第16図は本発明の超音波装置を加温治療装置として用い
たときのタイムチャートの一例であり、(a)は送波振
幅の実効値、(b)は治療対象生体組織の温度、(c)
は治療対象生体組織の超音波非線形係数の計測値の初期
値を基準とした変化分の絶対値を示す図である。 符号の説明 1……第1群の超音波振動子、2……第2群の超音波振
動子、3……超音波振動子全体、4……音響整合層、5
……背面制動層、6……音響レンズ層、7……振動子支
持部、8……振動子回転軸、9……振動子回転走査機
構、10……主制御回路、11……口径選択回路、12−1…
…第1群の超音波振動子の送波制御回路、12−2……第
2群の超音波振動子の送波制御回路、13……送受波回
路、14……受波フォーカス回路、15……倍周波エコー強
度検出回路、16−1……逆相送波時のエコー強度記憶回
路、16−2……倍周波同相送波時のエコー強度記憶回
路、17……エコー強度除算回路、18……表示回路、20−
1,20−2,…,20−M……治療用超音波振動子、21……軽
金属製音響整合層、23−1,23−2,…,23−m……監視用
超音波振動子、25……治療用超音波振動子送波回路、26
……監視用超音波振動子送波制御回路
Claims (13)
- 【請求項1】複数の分割振動子を受波器及び送波器とし
て用い、検査対象内に超音波を送波して反射信号を検出
するパルスエコー型超音波装置において、前記複数の分
割振動子に接続される超音波の送受波回路と、該送受波
回路に接続される送波制御回路及び受波フォーカス回路
と、該受波フォーカス回路による検出信号を表示する表
示手段とを有し、前記送波制御回路は前記超音波の送波
による焦域中に基本波の成分が形成する音圧の零点の近
傍に第2高調波の成分の極大を形成するための前記送波
器の制御を行ない、前記受波フォーカス回路は前記受波
器の受波焦点を前記第2高調波の成分の極大の近傍に設
定し、前記受波器は前記超音波の非線形伝播により生じ
た第2高調波による反射信号を検出し、前記検査対象内
の非線形係数の分布を得ることを特徴とするパルスエコ
ー型超音波装置。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の装置におい
て、前記送波器は第1群と第2群に分かれた複数個の部
分口径に分割された送波口径を有し、前記送波制御回路
は、前記第1群と前記第2群の前記部分口径を逆相の前
記基本波により駆動する第1の送波モード、及び前記第
1群と前記第2群の前記部分口径を同相の前記第2高調
波により駆動する第2の送波モードとにより、前記送波
器を駆動させ前記超音波の送波の制御を行なうことを特
徴とするパルスエコー型超音波装置。 - 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載の装置におい
て、前記送波器は第1、及び第2の部分口径に分割され
た送波口径を有し、前記送波制御回路は、前記第1の部
分口径と前記第2の部分口径を逆相の前記基本波により
駆動する第1の送波モード、及び前記第1の部分口径と
前記第2の部分口径を同相の前記第2高調波により駆動
する第2の送波モードとにより、前記送波器を駆動させ
前記超音波の送波の制御を行なうことを特徴とするパル
スエコー型超音波装置。 - 【請求項4】特許請求の範囲第1項に記載の装置におい
て、前記受波焦点を前記零点とともに走査することを特
徴とするパルスエコー型超音波装置。 - 【請求項5】特許請求の範囲第2項又は第3項に記載の
装置において、前記第1の送波モードにより検出された
前記反射信号を前記第2の送波モードにより検出された
前記反射信号により規格化して得る前記非線形係数を前
記表示手段に表示することを特徴とするパルスエコー型
超音波装置。 - 【請求項6】特許請求の範囲第1項に記載の装置におい
て、前記送波器は加温治療対象領域に超音波を照射する
超音波送波器であり、前記受波器による受信信号から得
る前記加温治療対象領域の非線形係数に基づいて、前記
加温治療対象領域に照射する前記超音波の送波強度を制
御することを特徴とするパルスエコー型超音波装置。 - 【請求項7】特許請求の範囲第6項に記載の装置におい
て、前記加温治療対象領域を目標温度に上昇させる加温
の停止後の所定の時間において得る前記非線形係数の時
間変化の時定数から血流量を求め、前記加温治療対象領
域を前記目標温度に維持するための前記超音波の送波強
度を制御することを特徴とするパルスエコー型超音波装
置。 - 【請求項8】複数の分割振動子を受波器及び送波器とし
て用いる送受波器と、前記複数の分割振動子に接続され
る超音波の送受波回路と、該送受波回路に接続される送
波制御回路及び受波フォーカス回路と、該受波フォーカ
ス回路による検出信号を表示する表示手段とを有し、検
査対象内に超音波を送波して反射信号を検出するパルス
エコー型超音波装置において、前記送波器は第1群と第
2群に分かれた複数個の部分口径に分割された送波口径
を有し、前記送波制御回路は、前記第1群と前記第2群
の前記部分口径を逆相の前記基本波により駆動する第1
の送波モード、及び前記第1群と前記第2群の前記部分
口径を同相の前記第2高調波により駆動する第2の送波
モードとにより、前記送波器を駆動させ前記超音波の送
波の制御を行ない、前記超音波の送波による焦域中に基
本波の成分が形成する音圧の零点の近傍に第2高調波の
成分の極大を形成し、前記受波フォーカス回路は前記受
波器の受波焦点を前記第2高調波の成分の極大の近傍に
設定し、前記受波器は前記超音波の非線形伝播により生
じた第2高調波による反射信号を検出し、前記受波焦点
を前記零点ともに走査して前記検査対象内の非線形係数
の分布を得ることを特徴とするパルスエコー型超音波装
置。 - 【請求項9】特許請求の範囲第8項に記載の装置におい
て、前記第1の送波モードにより検出された前記反射信
号を前記第2の送波モードにより検出された前記反射信
号により規格化して得る前記非線形係数を前記表示手段
に表示することを特徴とするパルスエコー型超音波装
置。 - 【請求項10】複数の分割振動子を受波器及び送波器と
して用いる送受波器と、前記複数の分割振動子に接続さ
れる超音波の送受波回路と、該送受波回路に接続される
送波制御回路及び受波フォーカス回路と、該受波フォー
カス回路による検出信号を表示する表示手段とを有し、
検査対象内に超音波を送波して反射信号を検出するパル
スエコー型超音波装置において、前記送波器は第1、及
び第2の部分口径に分割された送波口径を有し、前記送
波制御回路は、前記第1の部分口径と前記第2の部分口
径を逆相の前記基本波により駆動する第1の送波モー
ド、及び前記第1の部分口径と前記第2の部分口径を同
相の前記第2高調波により駆動する第2の送波モードと
により、前記送波器を駆動させ前記超音波の送波の制御
を行ない、前記超音波の送波による焦域中に基本波の成
分が形成する音圧の零点の近傍に第2高調波の成分の極
大を形成し、前記受波フォーカス回路は前記受波器の受
波焦点を前記第2高調波の成分の極大の近傍に設定し、
前記受波器は前記超音波の非線形伝播により生じた第2
高調波による反射信号を検出し、前記受波焦点を前記零
点とともに走査して前記検査対象内の非線形係数の分布
を得ることを特徴とするパルスエコー型超音波装置。 - 【請求項11】特許請求の範囲第2項又は第3項に記載
の装置において、前記第1の送波モードにより検出され
た前記反射信号を前記第2の送波モードにより検出され
た前記反射信号により規格化して得る前記非線形係数を
前記表示手段に表示することを特徴とするパルスエコー
型超音波装置。 - 【請求項12】複数の分割振動子を受波器及び送波器と
して用いる送受波器と、前記複数の分割振動子に接続さ
れる超音波の送受波回路と、該送受波回路に接続される
送波制御回路及び受波フォーカス回路と、該受波フォー
カス回路による検出信号を表示する表示手段とを有する
検査対象内に超音波を送波して反射信号を検出するパル
スエコー型超音波装置において、前記送波制御回路は、
前記送波器の第1の領域の前記複数の分割振動子の駆動
位相と前記送波器の第2の領域の前記複数の分割振動子
の駆動位相とを180゜反転させて前記送波器の駆動制御
を行ない、前記超音波の送波による焦域中に基本波の成
分が形成する音圧の零点の近傍に第2高調波の成分の極
大を形成し、前記受波フォーカス回路は前記受波器の受
波焦点を前記第2高調波の成分の極大の近傍に設定し、
前記受波器は前記超音波の非線形伝播により生じた第2
高調波による反射信号を検出し、前記受波焦点を前記零
点とともに走査して前記検査対象内の非線形係数の分布
を得ることを特徴とするパルスエコー型超音波装置。 - 【請求項13】複数の分割振動子を受波器及び送波器と
して用いる送受波器と、前記複数の分割振動子に接続さ
れる超音波の送受波回路と、該送受波回路に接続される
送波制御回路及び受波フォーカス回路と、該受波フォー
カス回路による検出信号を表示する表示手段とを有する
検査対象内に超音波を送波して反射信号を検出するパル
スエコー型超音波装置において、前記複数の分割振動子
から選択された第1群及び第2群の分割振動子からなる
口径を設定する手段を有し、前記送波制御回路は前記第
1群の分割振動子の駆動位相と前記第2群の分割振動子
の駆動位相とを180゜反転させて前記送波器の駆動制御
を行ない、前記超音波の送波による焦域中に基本波の成
分が形成する音圧の零点の近傍に第2高調波の成分の極
大を形成し、前記受波フォーカス回路は前記受波器の受
波焦点を前記第2高調波の成分の極大の近傍に設定し、
前記受波器は前記超音波の非線形伝播により生じた第2
高調波による反射信号を検出し、前記口径の位置を変化
させ前記受波焦点を前記零点とともに走査して前記検査
対象内の非線形係数の分布を得ることを特徴とするパル
スエコー型超音波装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1033572A JP2735266B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-02-15 | パルスエコー型超音波装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1033572A JP2735266B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-02-15 | パルスエコー型超音波装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02213332A JPH02213332A (ja) | 1990-08-24 |
JP2735266B2 true JP2735266B2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=12390256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1033572A Expired - Fee Related JP2735266B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-02-15 | パルスエコー型超音波装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2735266B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101439684B1 (ko) | 2012-12-26 | 2014-09-12 | 동국대학교 산학협력단 | 초점 심도 확장 방법, 초음파 영상 표시 방법 및 이를 수행하는 초음파 시스템 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101439684B1 (ko) | 2012-12-26 | 2014-09-12 | 동국대학교 산학협력단 | 초점 심도 확장 방법, 초음파 영상 표시 방법 및 이를 수행하는 초음파 시스템 |
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