JPH0662840U - 厨房用収納器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高さ設定が自由にでき、また清掃が比較的容
易な厨房用収納器具を得る。 【構成】 ミッドウェイ空間等の壁面に固定される固定
部１と、固定部１に係止される厨房器具類の収納具２，
３，４，５とからなり、固定部１は高さ方向に複数の取
り付け孔７ａを形成した少なくとも一対の基部７と、基
部７の取り付け孔７ａに略水平に配置された着脱自在な
複数の支持バー８とを備え、さらに収納具２，３，４，
５は支持バー８に係止可能な係止部を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として流し台上部のミッドウェイ空間に設置される厨房用収納器 具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年厨房内の空間を有効活用し、厨房作業を円滑かつ効率的に行えるシステム キッチンが広く使用されるようになった。

【０００３】 このシステムキッチンは、厨房の床面にレイアウトするフロアキャビネット、 及びその上方の壁面又は天井に吊り下げるウォールキャビネット、また、略天井 までの高さを有するトールキャビネット等を構成要素とし、これらを機能的に配 置することによってその目的を達成している。

【０００４】 このようなシステムキッチンを利用した厨房作業としては、食物の洗浄から加 工処理、さらには食器類の洗浄等があり、厨房作業の各工程において、鍋やフラ イパン、缶切りや皮剥き器などの小物の調理器具、また各種調味料、さらには布 巾等が登場する。

【０００５】 したがって、厨房作業をより効率的に行うためには、このような器具類を簡単 に手の届く位置に収納することが特に肝要となる。

【０００６】 このため、作業者から手の届く流し台上部のミッドウェイ空間に、収納棚とし てのワイヤシェルフを設けたり、また有孔ボードを配置して、これに必要な器具 類を吊り下げることが行われている。また、近年、流し台の略全幅に亘るメタル バーをミッドウェイ空間に配置し、これに調理機具を吊り下げること等も行われ ている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらワイヤシェルフやメタルバーは、いわゆる固定式のものであるた め、収納物の種類や使用者の身長等に応じて取り付け位置を変更することができ ない。一旦ビス等の固定具を取り外し、高さを変えて付け替えることも可能では あるが、ビスの取り付け孔が露出し、美観的にも好ましいものではない。

【０００８】 この点有孔ボードの場合、取り付け位置を比較的簡単に変更することが可能で あるが、有孔ボード全面に汚れが付着し易く、また有孔ボード自体は一度設定す れば簡単には取り外せないため清掃がし難いという問題がある。

【０００９】 本考案はミッドウェイ空間等に設けられる厨房用収納器具における上記問題点 を解消するもので、高さ設定が自由にでき、また清掃が比較的容易な厨房用収納 器具を得ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案の厨房用収納器具は、上記目的を達成するために、ミッドウェイ空間等 の壁面に固定される固定部と、同固定部に係止される厨房器具類の収納具とから なり、前記固定部は高さ方向に複数の取り付け孔を形成した少なくとも一対の基 部と、同基部の取り付け孔に略水平に配置された着脱自在な複数の支持バーとを 備え、さらに前記収納具は前記支持バーに係止可能な係止部を備えていることを 特徴とする。

【００１１】

【作用】

本考案の厨房用収納器具においては、基部に取り付けられた収納具係止用の支 持バーを、高さ方向に複数箇所形成した取り付け孔の所定位置に付け替えること によって、この支持バーに取り付けられる厨房器具類の収納具の取り付け高さを 自由に設定することが可能となる。

【００１２】

【実施例】 以下図面に示す実施例に基づいて本考案の特徴を具体的に説明する。

【００１３】 図１は本考案の一実施例である厨房用収納器具の斜視図である。

【００１４】 本実施例の厨房用収納器具３０は、流し台４０の奥側に設けられた壁面Ｗの流 し台４０と、この上部に設けられたウォールキャビネット４１の間、いわゆるミ ッドウェイ空間Ｍに設けられる。

【００１５】 厨房用収納器具３０は、壁面Ｗに固定される固定部１と、固定部１に係止され る、収納具としての調味料用収納具２，鍋用収納具３、本立て兼まな板立て４、 及び箸やしゃもじ等の調理用具立て５から構成される。

【００１６】 図２は図１に示す厨房用収納器具の固定部１を一部省略して示す斜視図、図３ は図２に示す支持バーの取り付け状況を説明するための分解斜視図、図４は支持 バーの取り付け状態を示す要部の断面図である。

【００１７】 図２から図４を参照して、固定部１は、所定間隔を置いて配置されたプレート 状の一対の基部７を有し、この基部７には、高さ方向に６ｃｍ間隔で１１個の取 り付け孔７ａが形成されている。基部７の上下端はそれぞれ折り曲げ、ビス孔（ 図示せず）を有する固定片７ｂとし、この上下端の固定片７ｂがビスによって壁 面に固定されている。

【００１８】 ８は取り付け孔７ａに装着された断面円形状の支持バーで、支持バー８の外径 は、基部７の取り付け孔７ａの内径よりも若干小さく、両端には雄ねじ８ａが形 成されている。９は支持バー８に挿通して使用されるローレット加工した固定用 リング、１０はリング９とで基部７を挟み込んで支持バー８を基部７の外側から 固定する留め具である。この留め具１０は、外周にローレット加工された摘み部 １０ａと、取り付け孔７ａを挿通可能な外径を有し、外周面および内周面にそれ ぞれ雄ねじ１０ｃ，雌ねじ１０ｄを形成した突出部１０ｂを備える。また、固定 用リング９の内周部には、支持バー８の雄ねじ８ａの外径よりも径大で、留め具 １０の外周に形成された雄ねじ１０ｃに螺合する雌ねじ９ａが形成されている。 １１は支持バー８の他端を固定するドライバ溝を形成した固定具で、その基本構 造は留め具１０と同様である。

【００１９】 支持バー８の基部７への取り付けは、支持バー８の両端に固定用のリング９を 挿通し、この状態で、一方の基部７の取り付け孔７ａを通した留め具１０の突出 部１０ｂの雌ねじ１０ｄと、支持バー８の雄ねじ８ａとを螺合させる。さらにリ ング９の雌ねじ９ａと突出部１０ｂの雄ねじ１０ｃとを螺合し、締め付けること によって、基部７をリング９と留め具１０の摘み部１０ａ内面とで挟み込む。支 持バー８の一方の端部にも、同様に固定具１１を取り付けて固定する。

【００２０】 本実施例の支持バー８はこのように螺合結合による取り付け構造であるため、 その取り外しは容易であり、基部７自体をそのまま固定した状態で、基部７に設 けられた１１箇所の取り付け孔７ａの何れにも、支持バー８を付け替えることが できる。これによって、支持バー８に取り付けられる調味料用収納具２，鍋用収 納具３、本立て兼まな板立て４、及び、調理用具立て５等の各種収納具の取り付 け高さを簡単に変更することができる。また、支持バー８自体は基部７から容易 に分解できるため、組立た状態では困難な基部７とバー８の取り付け部分の掃除 等も容易に行うことができ清掃性が向上する。

【００２１】 図５は固定部の他の実施例を示す斜視図で、プレート状の基部７を３基配置し 、支持バー１３を外筒１３ａ及び内筒１３ｂの２重管からなる伸縮自在な構造と したものである。必要に応じて内筒１３ｂを図の右端の基部７まで延ばして使用 する。

【００２２】 次いで上記した固定部１の支持バー８に着脱自在に係止して使用される、調味 料用収納具２，鍋用収納具３、本立て兼まな板立て４、及び調理用具立て５の４ つの収納具について説明する。

【００２３】 図１に戻って、ステンレスプレートで形成された調味料用収納具２は、矩形状 の底板２ａの後端から略垂直に背板２ｂを立ち上げ、その上端部を支持バー８の 外径より若干大きい径で折り曲げて支持バー８への係止部２ｃとしている。２ｄ は底板２ａの前端から立ち上げた前板で、前板２ｄと背板２ｂの間には、調味料 等の収納物の落下を防止するためのガードプレート２ｅが設けられている。

【００２４】 鍋用収納具３は、調味料用収納具２と同様にステンレスプレートによって形成 され、一般家庭で使用される鍋やフライパン等を収容可能なように、幅６０〜９ ０ｃｍ，奥行き３０ｃｍの底板３ａを持ち、底板３ａの後端から略垂直に高さ６ ｃｍの背板３ｂを立ち上げ、その上端部を折り曲げて支持バー８への係止部３ｃ としている。さらに、重量のある鍋を載せた場合のことを考慮し、底板３ａの前 端部は他端を支持バー８に取り付けられたチェーン１２によって補強されている 。

【００２５】 本立て兼まな板立て４は、図６の斜視図に示すように、ステンレス製の線状部 材によって構成され、前記した支持バー８に係止される支持部１５と、本立てや まな板立てとして使用される第１の収納部１６、及び、布巾掛けや収納されたま な板の間仕切りとして使用する第２の収納部１７を備える。

【００２６】 支持部１５は、並行に配置された一対の側杆１５ａの上端部を折り曲げて、そ の先端部同士を横杆１５ｂで接続して、支持バー８への係止部とし、さらに、側 杆１５ａの下部位置には、２本の補強用横杆１５ｃが取り付けられている。

【００２７】 第１の収納部１６は、補強用横杆１５ｃに溶接によって取り付けられた略Ｊ字 状の４本の縦杆１６ａによって構成され、この縦杆１６ａは、底部１６ｂ、底部 １６ｂの後端から立ち上げられ上部を補強横杆１５ｃに溶接によって固定された 取り付け部１６ｃ、及び底部１６ｂの前端から約４．５ｃｍ程度立ち上げられた 受け部１６ｄが形成されている。さらに、間口方向に所定間隔をおいて配置され た４本の縦杆１６ａの受け部１６ｄ上端は、連結横杆１６ｅにより接続されてい る。

【００２８】 一方、第２の収納部１７は、図中左側の側杆１５ａの下端部に基端部を回動可 能に軸支された支持杆１７ａと、この支持杆１７ａの先端部から手前側に向かっ て略６０度折り曲げられた連結杆１７ｂ、連結杆１７ｂから直角方向に突設され た約１０ｃｍの２本の間仕切り杆１７ｃ、及び、先端部を上方に折り曲げた２本 の布巾掛け１７ｄによって構成されている。

【００２９】 この本立て兼まな板立て４は、図１に示すように支持バー８に支持部１５の上 端を係止して使用する。図７（ａ）及び図７（ｂ）はその使用態様を示す断面図 で、図７（ａ）は第２の収納部１７の連結杆１７ｂを前方に配置した状態である 。この状態では、支持部１５の側杆１５ａ及び縦杆１６ａの取り付け部１６ｃが 垂直状態となり、略水平状態の底部１６ａ上にまな板Ｂを配置する。その際、第 ２の収納部の間仕切り杆１７ｃによって収納されたまな板同士が密着しないよう に支持される。また、第２の収納部１７の布巾掛け１７ｄには、布巾Ｋを掛けて 使用する。

【００３０】 図７（ｂ）は第１の収納部１６をクッキングブック等の本立として使用してい る状態を示し、第２の収納部１７の連結杆１７ｂが支持バー８に当接し、第１の 収納部１６が、第２の収納部１７の支持杆１７ａに支えられ、支持部１５の側杆 １５ａ及び第１の収納部１６の取付け部１６ｃが傾斜した状態となり、本立とし て使用することが可能となる。

【００３１】 このように、本実施例の本立て兼まな板立て４は、一つの装置で、まな板立て 、本立て、布巾かけとして多機能に使用することができ、ミッドウェイ空間の有 効利用が可能となる。

【００３２】 調理用具立て５は、図８の斜視図に示すように、外周を上方に立ち上げた網目 状の底を持つ受け皿２０、この受け皿２０の上部位置に略等間隔で水平に配置さ れた第１、第２、第３の長円状のリング２１，２２，２３、及びこれら底板２０ 、第１のリング２１，第２のリング２２，第３のリング２３を連結一体化する、 ステンレスの線材からなる係止具２４によって形成されている。

【００３３】 本実施例の調理用具立て５は、図８に示す様に、調理用具，カトラリーの収納 器具としては勿論、図９に示すように布巾Ｋを丸めて、第１のリング２１と第２ のリング２２の間、または第２のリング２２と第３のリング２３の間に挟み込ん で収納することもできる。

【００３４】 またさらに、本実施例においては、第３のリング２３内部空間の平面投影面積 を３７．２ｃｍ² 、同じく第２のリング２２を２９．５ｃｍ² 、第１のリング２ １を２２．７ｃｍ² 、さらに受け皿２０を１８．９ｃｍ² としている。この面積 は、図１０の使用状態に示すように、スパゲティＳを束ねた時のスパゲティＳの 重量に対応しており、束ねた状態のスパゲティＳの外形が、第３のリング２３を 丁度挿通する断面積を有するものである場合、スパゲティＳの重量が１ｋｇ、同 様に第２のリング２２の場合８００ｇ、第１のリング２１の場合６００ｇ、受皿 ２０の場合４００ｇとなる。

【００３５】 このように、本実施例の調理用具立て５は、単に調理用具の収納具としてだけ ではなく、布巾掛けやスパゲティの計量器としても利用することができる。

【００３６】 以上に説明したように、本実施例の厨房用収納器具は、複数本設けられた支持 バー８の所定位置に、収納具としての、調味料用収納具２，鍋用収納具３、本立 て兼まな板立て４、及び調理用具立て５を係止して使用する。その際、使用者の 身長等に応じて支持バー８の取り付け位置を変え、各使用者の最も使い易い高さ に設定することができる。また、使用によって汚れた場合には、各収納具２，３ ，４，５だけを取り外して清掃することができ、さらに、支持バー８自体も分解 して細部まで清掃することができる。

【００３７】

【考案の効果】

本考案によって以下の効果を奏することができる。

【００３８】 （１）基部に取り付けられた支持バーの高さを変えることによって、支持バーに 取り付けられる収納具の高さを自由に設定することができ、使用者の人体寸法、 使い勝手、商品の目的に合った位置に設定できる。

【００３９】 （２）支持バーが着脱自在であるため分解掃除が可能となり、清掃性が向上する 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である厨房用収納器具の斜視
図である。

【図２】図１に示す厨房用収納器具を一部省略して示す
斜視図である。

【図３】図２に示す支持バーの取り付け状況を説明する
ための分解斜視図である。

【図４】支持バーの取り付け状態を示す要部の断面図で
ある。

【図５】固定部の他の実施例を示す斜視図である。

【図６】図１に示す本立て兼まな板立ての斜視図であ
る。

【図７】図６に示す本立て兼まな板立ての使用態様を示
す断面図である。

【図８】図１に示す調理用具立ての斜視図である。

【図９】図８に示す調理用具立ての使用態様を示す斜視
図である。

【図１０】図８に示す調理用具立ての他の使用態様を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１ 固定部、２ 調味料用収納具、２ａ 底板、２ｂ
背板、２ｃ 係止部、２ｄ 前板、２ｅ ガイドプレー
ト、３ 鍋用収納具、３ａ 底板、３ｂ 背板、３ｃ
係止部、４ 本立て兼まな板立て、５ 調理用具立て、
７ 基部、７ａ取り付け孔、７ｂ 固定片、８，１３
支持バー、８ａ 雄ねじ、９ 固定用リング、９ａ 雌
ねじ、１０留め具、１０ａ 摘み部、１０ｂ 突出部、
１０ｃ雄ねじ、１０ｄ 雌ねじ、１１ 固定具、１２
チェーン、１３ａ 外筒、１３ｂ 内筒、１５ 支持
部、１６ 第１の収納部、１６ａ 縦杆、１６ｂ 底
部、１６ｃ 取付け部、１６ｄ 受け部、１６ｄ 連結
横杆、１７ 第２の収納部、１７ａ 支持杆、１７ｂ
連結杆、１７ｃ 間仕切り杆、１７ｄ 布巾掛け、２０
受け皿、２１ 第１のリング、２２ 第２のリング、
２３ 第３のリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ミッドウェイ空間等の壁面に固定される
   固定部と、同固定部に係止される厨房器具類の収納具と
   からなり、前記固定部は高さ方向に複数の取り付け孔を
   形成した少なくとも一対の基部と、同基部の取り付け孔
   に略水平に配置された着脱自在な複数のバーとを備え、
   さらに前記収納具は前記バーに係止可能な係止部を備え
   ていることを特徴とする厨房用収納器具。