JPH0662761A - ビタミン含浸粒状物およびその製造方法 - Google Patents

ビタミン含浸粒状物およびその製造方法

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JPH0662761A
JPH0662761A JP4219391A JP21939192A JPH0662761A JP H0662761 A JPH0662761 A JP H0662761A JP 4219391 A JP4219391 A JP 4219391A JP 21939192 A JP21939192 A JP 21939192A JP H0662761 A JPH0662761 A JP H0662761A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素、熱、光等に対して安定であり、個々の
粒子が流動性に富んでいる脂溶性ビタミン含浸粒状物を
得る。 【構成】 ビタミンと界面活性剤とが含浸された、見掛
け密度0.55〜0.82g/cm3および粒径0.25〜
2.2mmを有する流動性の優れた糖類多孔質粒状物及び
その製造方法。 【効果】 この粒状物は粒子が粘着することなく流動性
に優れていて、水分散性または水溶性が良好であり、か
つビタミンの安定性及び吸収性が良好であるためにビタ
ミン給与用の飼料添加物として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、酸素、熱、光等に対して安定化
されており、個々の粒子は粘着することなく流動性に富
んでいるビタミン含浸粒状物に係る。詳細には、脂溶性
ビタミンと界面活性剤と糖類多孔質粒状物とを含む水分
散性又は水溶性の粒状物を製造する方法並びに該粒状物
を含有する飼料添加物に係る。
【0002】
【従来の技術】社団法人日本科学飼料協会発行の「飼料
添加物の成分規格等収載書」(第4版、平成4年7月1
1日発行、農林水産省畜産局衛生課監修)にはビタミン
A粉末が「ビタミンA油」、酢酸レチノール又はパルミ
チン酸レチノールを適当な基剤で粉末化し又は被覆・粒
状化することにより製造されること、ビタミンD粉末が
「コレカルシフェロール」、「エルゴカルシフェロー
ル」若しくはこれらの食用植物油溶液又はビタミンD3
油を適当な基剤で粉末化し又は被覆・粒状化することに
より製造されること、及びビタミンE粉末が酢酸dl−α
−トコフェロールを適当な基剤で粉末化し又は被覆・粒
状化することにより製造されることが記載されている。
又、該文献には「ビタミンA油」にカラメル、コムギデ
ンプン、米ぬか油かす、脱脂粉乳、白糖、ビール酵母、
無水ケイ酸又はその塩類等を混和した粉状のビタミンA
製剤;「ビタミンD粉末」に小麦粉、米ぬか油かす、乳
糖、無水ケイ酸又はその塩類、リン酸−水素カルシウム
等を混和した製剤;「ビタミンD3油」にコムギデンプ
ン、米ぬか油かす、脱脂粉乳、白糖、無水ケイ酸又はそ
の塩類等を混和した粉状のビタミンD3製剤;「ビタミ
ンE粉末」に小麦粉、米ぬか油かす、大豆かす、無水ケ
イ酸又はその塩類等を混和したビタミンE製剤が記載さ
れており、さらに又「ビタミンA油」「ビタミンA粉
末」又はこれらの製剤及び「コレカルシフェロール」、
「エルゴカルシフェロール」、「ビタミンD 3油」、
「ビタミンD粉末」又はこれらの製剤に小麦粉、米ぬか
油かす、植物油、大豆油かす、動物油、ブドウ糖、無水
ケイ酸又はその塩類等を混和した粉状ビタミンAD製剤
並びに「ビタミンA油」「ビタミンA粉末」又はこれら
の製剤、「コレカルシフェロール」、「エルゴカルシフ
ェロール」、「ビタミンD3油」、「ビタミンD粉末」
又はこれらの製剤及び「酢酸dl−α−トコフェロー
ル」、「ビタミンE粉末」又はこれらの製剤に、小麦
粉、米ぬか油かす、植物油、大豆油かす、動物油、ブド
ウ糖、無水ケイ酸又はその塩類等を混和した粉状のビタ
ミンADE製剤あるいはビタミン含有液剤も記載されて
いる。
【0003】さらにビタミンAが糖類の乾燥固体中に封
じ込められている形でビタミンAを含有する粉末の製造
方法は特公昭56−32291号公報に、またビタミ
ン、ゼラチンや糖類等の被覆剤、トリグリセライドおよ
び錯生成剤とからなる組成物も特開平2−693号公報
に記載されているが、その製法にあたっては前記各成分
を水中に分散して混合するため、乾燥工程を必要とす
る。しかも前記各公報記載の発明はビタミンAの安定化
組成物を得ることを目的としており、飼料添加物として
使用することは記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公知のビタミン製剤は粉剤や液剤であって取扱いが不便
であり、またその製法も煩雑である欠点があった。
【0005】
【発明の課題を解決するための手段】そこで本発明では
ビタミンを担持させる材料として、予め形成された糖類
多孔質粒状物を用いることによって前記従来技術の欠点
を解消させることに成功した。
【0006】
【発明の構成】本発明はビタミンと界面活性剤とが含浸
された、見掛け密度0.55〜0.82g/cmおよび粒
径0.25〜2.2mmを有する流動性の優れた糖類多孔質
粒状物に関する。該粒状物は飼料添加物として有用であ
る。
【0007】また本発明ではビタミンと界面活性剤とを
ビタミンの分解温度より低い温度で加熱・撹拌して均一
な混合物とし、次いでこれを予め形成された見掛け密度
0.45〜0.68g/cm3および粒径0.25〜2.2mm
を有する糖類多孔質粒状物と約70℃以下の温度で均一
に混合することによりビタミンを糖類多孔質粒状物の細
孔内に含浸させる。
【0008】本発明で用いることのできる予め形成され
た糖類多孔質粒状物としては平均粒径が0.25〜2.2
mmであり、見掛け密度が0.45〜0.68g/cm3好ま
しくは0.49〜0.67g/cm3であるものが好まし
い。そしてこれら糖類としては蔗糖、ブドウ糖、果糖、
オリゴ糖、澱粉加水分解生成物があり、特に蔗糖が好適
であり、例えば日新製糖(株)製のフロストシュガーシリ
ーズ(例えばフロストシュガースタンダード、フロスト
シュガーOM.OMMタイプ等)を使用することができ
る。このフロストシュガーは顆粒の砂糖であって、水に
対する即溶性、耐固結性、耐吸湿性、起泡性、保香性、
耐熱性、純糖によるソフトな甘味、良好な混合性等の特
性を有するために本発明で用いるのに最適と考えられ
る。
【0009】本発明でいうビタミンとは特記しない限
り、脂溶性ビタミンそれ自体、その誘導体および前駆物
を意味し、例えばビタミンA、そのパルミテートもしく
はアセテート、ビタミンEもしくはそのアセテート、ビ
タミンD類(例えばD2、D3およびその活性型)、ビタ
ミンK類、β−カロチン、ユビキノン類等が含まれる。
【0010】界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル(ポリグリセリン脂肪酸エステル)、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルまたはポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル(ポリオキシエチレンひまし油、硬化ひまし油を
含む)等の1種あるいは2種以上を使用することができ
る。上記グリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、日
光ケミカルズ(株)のNIKKOL DGMO-C(ジグリセルモノオ
レエート)および同DGDO(ジグリセルジオレエート)が
ある。ソルビタン脂肪酸エステルとしては例えば、花王
(株)製のエマゾール L-10(F)(ソルビタンモノラウレー
ト)ならびに日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL SO-10R
(ソルビタンモノオレエート)および同SO-15R(ソルビ
タンセスキオレエート)がある。ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステルとしては例えば、日光ケミカル
ズ(株)製のNIKKOL TL-10(POE(20)ソルビタンモノラウ
レート)、同TP-10(POE(20)ソルビタンモノパルミテー
ト)、同TO-10M(POE(20)ソルビタンモノオレエー
ト)、同TO-30(POE(20)ソルビタントリオレエート)、
同TO-106(POE(20)ソルビタンモノオレエート)および
同TI-10(POE(20)ソルビタンモノイソステアレート)が
ある。また、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
テルとしては例えば、BASF社製のCremphor EL(ポリオ
キシエチレンヒマシ油)ならびに日光ケミカルズ(株)製
のNIKKOL CO-10(POE(10)ヒマシ油)、同CO-40TX(POE
(40)ヒマシ油)、同CO-60TX(POE(60)ヒマシ油)、同HC
O-5(POE(5)硬化ヒマシ油)、同HCO-20(POE(20)硬化ヒ
マシ油)、同HCO-40(POE(40)硬化ヒマシ油)、同HCO-6
0(POE(60)硬化ヒマシ油)、同HCO-80(POE(80)硬化ヒ
マシ油)および同HCO-100(POE(100)硬化ヒマシ油)が
ある。
【0011】本発明では前記のような糖類多孔質粒状物
を用い、これにビタミンと界面活性剤とを含浸させる。
ビタミンは糖類多孔質粒状物の細孔内に含浸され、表面
には殆ど付着されていない。このことは原料糖類粒子の
見掛け密度が0.45〜0.68g/cm3であるのに対
し、粒状物の見掛け密度が0.55〜0.82g/cm3
なることからも推定される。そのため本発明の方法によ
って得られた粒状物は流動性に優れ、取扱いに便利であ
る。
【0012】前記界面活性剤は、ビタミンを可溶化また
は分散化するための可溶化剤または分散剤として作用
し、ビタミンと界面活性剤との混合物を糖類多孔質粒状
物に混合する場合にビタミンを糖類多孔質粒状物中に均
一に含浸させることができ、さらにこのようにして得ら
れたビタミンの含浸されている糖類多孔質粒状物が水と
共存する状態となった場合におけるビタミンの水に対す
る可溶化剤または乳化剤としても働くものである。
【0013】本発明の好ましい実施態様において、本粒
状物中に更に慣用の抗酸化剤を含ませることができる。
これらの抗酸化剤には例えば、ジブチルヒドロキシトル
エン、ブチルヒドロキシアニソールおよびエトキシキン
などがある。また本粒状物中に水溶性のビタミン類、例
えばビタミンB類、ビタミンCなどを1種または数種類
組合わせて含ませることができる。
【0014】本発明で得られる粒状物中に存在させるべ
きビタミン、界面活性剤および糖類多孔質粒状物の割合
は、用いる各成分の具体例によって変動しうるが、一般
には全重量に基づいてビタミンは22重量%以下であれ
ば充分含浸させることが可能であり、また界面活性剤は
できるだけ少ない方がよいが、約3〜25重量%程度で
あるのが好ましい。
【0015】本発明の粒状物中には、上記成分に加え
て、飼料・食品・医薬の各分野において通常使用されて
いる周知の添加剤、例えば安定剤・滑沢剤・崩壊剤・保
存剤・甘味剤・着香剤・着色剤などを配合することがで
きる。
【0016】本発明の粒状物は通常、ビタミンおよび界
面活性剤を約40℃乃至ビタミンの分解温度より低い温
度で加熱・撹拌して均一な混合物とし、この混合物と糖
類多孔質粒状物とを室温〜約70℃でミキサー内で均一
に混合することによって製造する。この際ビタミンと界
面活性剤との混合あるいはその混合物の糖類多孔質粒状
物への浸透を容易にするため、少量の有機溶剤例えばエ
タノール、アセトン等を希釈剤として添加して行うこと
もできる。ミキサーとしては、通常の粉体および液体の
混合機であればよく、例えばレディゲ社製のレディゲミ
キサーを使用することができる。ビタミンと界面活性剤
との混合温度は好ましくは約50〜約70℃であり、ま
たこの混合物と糖類多孔質粒状物との混合は、好ましく
は約50〜約70℃で行われる。また、該混合物と該糖
類との混合は、前者に後者を投入して行ってもよく、後
者に前者を例えば噴霧投入して行ってもよい。このよう
にして、外観が顆粒状でサラサラしていて流動性に富む
粒状物が得られる。これらは15℃程度の保冷庫保存で
長期保存が可能であり安定性に問題はないと考えられ
る。
【0017】さらに本発明の製造方法では前記のような
界面活性剤および糖類多孔質粒状物を原料成分として用
いることによって、従来この種の製造技術分野で必要と
されている操作である高速撹拌、冷却および乾燥工程を
省くことができそしてそれ故に製造工程の簡素化並びに
得られる粒状物の品質向上および取扱い易さ等の効果が
得られる。
【0018】本発明のさらに別の特徴によれば、本発明
で得られた前記粒状物を用いることによりビタミン吸収
性の優れた飼料添加物を得ることができる。
【0019】近年、牛に対するビタミンA、D3、E給
与の重要性が強調され、各種剤形のAD3E剤が使用さ
れている。しかし、これまで使用されている液剤、粉剤
あるいはルーメン・バイパス剤では剤形によって投与後
のビタミンの血中濃度に著しい差が見られること、血中
濃度の増加が最も良好と思われる液剤では強制的経口投
与という投与の煩雑さのために多頭数に対する頻回応用
には不自由を来す場合が多い。
【0020】しかし、本発明による水分散性または水溶
性の良好な、ビタミン含有粒状物を用いると、顕著なビ
タミン吸収効果が自然給餌により達成され、長期保存が
可能である、安定な飼料添加物を得ることができる。
【0021】本発明により得られたビタミン含浸粒状物
投与時の牛におけるビタミン吸収の効果を検討した。 試験例1 供試牛はホルスタイン種の体重601kgから790kgま
での3歳から6歳までの成牛を5群に分け、各群3頭ず
つ用いた。試験に用いたビタミン含浸粒状物としては以
下の方法により得られたものを用いた。
【0022】ビタミンEアセテート 111.1g、ビタ
ミンAパルミテート 17.4g、ビタミンD2 0.10
7g、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
(日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)92.5g、
BHT 10.1gおよび糖類多孔質粒状物769gを用
い、実施例1と同様の操作を行った。得られた粒状物は
サラサラした外観を有し、流動性に富んでおり、この粒
状物は1g中にビタミンA 25,000IU、ビタミンD
3 2,500IU、ビタミンE 100mgが含浸されてい
る。
【0023】また、比較のために、以下の方法で示され
る粉剤を用いて実験を行った。
【0024】噴霧乾燥法でゼラチンと糖類により被覆さ
れたビタミンA(日清バーディシェ(株)製ルタビットA
500)、ビタミンD(日清バーディシェ(株)製ルタ
ビットD1000)およびケイ酸に含浸されたビタミ
ンE(日清バーディシェ(株)製ルタビットE50)を用
い、米ぬか油かすで希釈混合して粉剤を得た。この粉剤
は上記粒状物と同様に、1g中にビタミンA 25,00
0IU、ビタミンD3 2,500IU、ビタミンE 100mg
が含有されている。
【0025】赤血球ビタミンEは高速液体クロマトグラ
フ法(ビタミン、51巻、p.415〜422、197
7年参照)、血清ビタミンAパルミテートは高速液体ク
ロマトグラフ法(ビタミン、53巻、p.358〜35
9、1979年参照)により測定を行った。
【0026】以下、その結果を表1および2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】試験例2 21〜34日齢、体重43kgから54kgのホルスタイン
種の子牛6頭を2群に分け、試験例1と同様にしてビタ
ミン含浸粒状物と粉剤を0.05g/kg BWとして哺乳時
に牛乳と混合して給与した。以下、その結果を表3およ
び4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】以上の結果より本発明によるビタミン含浸
粒状物を成牛及び子牛に対してそれぞれ自然給餌および
哺乳により投与したところ、成牛に投与後の赤血球ビタ
ミンE及び血清ビタミンAパルミテート並びに子牛に投
与後の赤血球ビタミンE及び血清ビタミンAパルミテー
トの各値は明瞭に増加し、比較に用いた粉剤投与時に比
して極めて良好で、かつ成牛では本剤溶解後の強制的な
経口投与とほぼ同様の結果が得られた。
【0033】
【実施例】以下に、実施例および比較例により本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0034】実施例 1 ビタミンEアセテート5gおよびビタミンAパルミテー
ト5gとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)13gとを
約60℃で加熱・混合せしめた。一方、ミキサー内に糖
類多孔質粒状物(日新製糖(株)製のフロストシュガース
タンダード;粒径0.85mm、見掛け密度0.49g/cm
3)77gを仕込み、これを混合しながら上記混合物を
添加して、約2分混合し、均一な粒状生成物(粒径0.8
5mm、見掛け密度0.64g/cm3)を得た。この生成物
はサラサラした外観を有し、流動性に富んでいた。
【0035】実施例 2 ビタミンEアセテート214.9g、ビタミンAパルミ
テート344.8gおよびビタミンD3 2.05gと、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノオレエート(日光ケミ
カルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)61.0g、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレート(日光ケミカルズ(株)
製のNIKKOL TO-30)314.4g、ポリオキシエチレン
ヒマシ油(BASF社製のクレモホール EL)207.
9gおよびソルビタンモノラウレート(花王(株)製のエ
マゾール L-10(F))45.5gと、エトキシキン7.0g
と、リン酸水素2ナトリウム2.5gとを約67℃で加
熱・混合せしめた。一方、ミキサー内にフロストシュガ
ースタンダード4250.0gを仕込み、これを混合し
ながら上記混合物を添加して、約2分混合し、均一な混
合物(粒径0.85mm、見掛け密度0.64g/cm3)を得
た。この粒状生成物はサラサラしており、流動性に富ん
でいた。この生成物の断面(顆粒を折って新たに断面を
つくった)を走査型電子顕微鏡を用いて撮影したとこ
ろ、糖類多孔質粒状物の内部に上記混合物が含浸されて
いることが分かった。
【0036】比較例 糖類多孔質粒状物の代わりに乳糖、グラニュー糖および
上白糖を用いて、実施例1記載の処方を繰り返した。生
成物は湿り気のある不定形(団塊)のものであった。
【0037】実施例 3 ビタミンEアセテートとポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル(NIKKOL TO-10M)とを、それぞれ3、
8、13、19および20.5gと20、15、10、
4および2.5gとの量で、約60℃で加熱・混合せし
めて、5種の混合物を調製した。一方、ミキサー内にフ
ロストシュガースタンダード77gを仕込み、これを混
合しながら上記混合物を添加して、約2分混合し、5種
の均一な生成物を得た。
【0038】また、ビタミンEアセテート19g、NIKK
OL TO-10M 2g、Gremphor EL 1.2g、NIKKOL TO-30
0.4g、エマゾール L-10(F)0.4gおよびフロストシ
ュガースタンダード77gを用いて上記操作を繰り返
し、均一な粒状生成物を得た。
【0039】上記生成物について、以下の方法に従って
溶解性試験を行った。100ml容の透明サンプルビン
に、上記生成物1gを計りとり、これに水100mlを加
え、ビンに蓋をした。サンプルビンをよく振った後、室
温に放置し、24時間後にその外観を観察した。
【0040】上記6種の生成物のうちビタミンEアセテ
ート20.5g、NIKKOL TO-10M 2.5gおよびフロスト
シュガースタンダード77gを用いた生成物の場合、2
4時間後には分離しており、油分、固形物が浮いてい
た。残りのものについては、24時間後でもまだ均一に
乳化していた。
【0041】実施例 4 糖類多孔質粒状物としてフロストシュガーOMM(S)
(粒径0.65mm、見掛け密度0.65g/cm3)、フロス
トシュガーOMM(W)(粒径0.28mm、見掛け密度0.
67g/cm3)またはフロストシュガーOM(S)(粒径
1.19mm、見掛け密度0.65g/cm3)を用いて、実
施例1記載の処方を繰り返した場合にも同様にサラサラ
した外観を有し、流動性に富んだ粒状物(見掛け密度
0.8g/cm3)が得られた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、酸素、熱、光等に対して安定化
されており、個々の粒子は粘着することなく流動性に富
んでいるビタミン含浸粒状物に係る。詳細には、脂溶性
ビタミンと界面活性剤と糖類多孔質粒状物とを含む水分
散性又は水溶性の粒状物を製造する方法並びに該粒状物
を含有する飼料添加物に係る。
【0002】
【従来の技術】社団法人日本科学飼料協会発行の「飼料
添加物の成分規格等収載書」(第4版、平成4年7月1
1日発行、農林水産省畜産局衛生課監修)にはビタミン
A粉末が「ビタミンA油」、酢酸レチノール又はパルミ
チン酸レチノールを適当な基剤で粉末化し又は被覆・粒
状化することにより製造されること、ビタミンD粉末が
「コレカルシフェロール」、「エルゴカルシフェロー
ル」若しくはこれらの食用植物油溶液又はビタミンD3
油を適当な基剤で粉末化し又は被覆・粒状化することに
より製造されること、及びビタミンE粉末が酢酸dl−α
−トコフェロールを適当な基剤で粉末化し又は被覆・粒
状化することにより製造されることが記載されている。
又、該文献には「ビタミンA油」にカラメル、コムギデ
ンプン、米ぬか油かす、脱脂粉乳、白糖、ビール酵母、
無水ケイ酸又はその塩類等を混和した粉状のビタミンA
製剤;「ビタミンD粉末」に小麦粉、米ぬか油かす、乳
糖、無水ケイ酸又はその塩類、リン酸−水素カルシウム
等を混和した製剤;「ビタミンD3油」にコムギデンプ
ン、米ぬか油かす、脱脂粉乳、白糖、無水ケイ酸又はそ
の塩類等を混和した粉状のビタミンD3製剤;「ビタミ
ンE粉末」に小麦粉、米ぬか油かす、大豆かす、無水ケ
イ酸又はその塩類等を混和したビタミンE製剤が記載さ
れており、さらに又「ビタミンA油」「ビタミンA粉
末」又はこれらの製剤及び「コレカルシフェロール」、
「エルゴカルシフェロール」、「ビタミンD 3油」、
「ビタミンD粉末」又はこれらの製剤に小麦粉、米ぬか
油かす、植物油、大豆油かす、動物油、ブドウ糖、無水
ケイ酸又はその塩類等を混和した粉状ビタミンAD製剤
並びに「ビタミンA油」「ビタミンA粉末」又はこれら
の製剤、「コレカルシフェロール」、「エルゴカルシフ
ェロール」、「ビタミンD3油」、「ビタミンD粉末」
又はこれらの製剤及び「酢酸dl−α−トコフェロー
ル」、「ビタミンE粉末」又はこれらの製剤に、小麦
粉、米ぬか油かす、植物油、大豆油かす、動物油、ブド
ウ糖、無水ケイ酸又はその塩類等を混和した粉状のビタ
ミンADE製剤あるいはビタミン含有液剤も記載されて
いる。
【0003】さらにビタミンAが糖類の乾燥固体中に封
じ込められている形でビタミンAを含有する粉末の製造
方法は特公昭56−32291号公報に、またビタミ
ン、ゼラチンや糖類等の被覆剤、トリグリセライドおよ
び錯生成剤とからなる組成物も特開平2−693号公報
に記載されているが、その製法にあたっては前記各成分
を水中に分散して混合するため、乾燥工程を必要とす
る。しかも前記各公報記載の発明はビタミンAの安定化
組成物を得ることを目的としており、飼料添加物として
使用することは記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公知のビタミン製剤は粉剤や液剤であって取扱いが不便
であり、またその製法も煩雑である欠点があった。
【0005】
【発明の課題を解決するための手段】そこで本発明では
ビタミンを担持させる材料として、予め形成された糖類
多孔質粒状物を用いることによって前記従来技術の欠点
を解消させることに成功した。
【0006】
【発明の構成】本発明はビタミンと界面活性剤とが含浸
された、見掛け密度0.55〜0.82g/cmおよび粒
径0.25〜2.2mmを有する流動性の優れた糖類多孔質
粒状物に関する。該粒状物は飼料添加物として有用であ
る。
【0007】また本発明ではビタミンと界面活性剤とを
ビタミンの分解温度より低い温度で加熱・撹拌して均一
な混合物とし、次いでこれを予め形成された見掛け密度
0.45〜0.68g/cm3および粒径0.25〜2.2mm
を有する糖類多孔質粒状物と約70℃以下の温度で均一
に混合することによりビタミンを糖類多孔質粒状物の細
孔内に含浸させる。
【0008】本発明で用いることのできる予め形成され
た糖類多孔質粒状物としては平均粒径が0.25〜2.2
mmであり、見掛け密度が0.45〜0.68g/cm3好ま
しくは0.49〜0.67g/cm3であるものが好まし
い。そしてこれら糖類としては蔗糖、ブドウ糖、果糖、
オリゴ糖、澱粉加水分解生成物があり、特に蔗糖が好適
であり、例えば日新製糖(株)製のフロストシュガーシリ
ーズ(例えばフロストシュガースタンダード、フロスト
シュガーOM.OMMタイプ等)を使用することができ
る。このフロストシュガーは顆粒の砂糖であって、水に
対する即溶性、耐固結性、耐吸湿性、起泡性、保香性、
耐熱性、純糖によるソフトな甘味、良好な混合性等の特
性を有するために本発明で用いるのに最適と考えられ
る。
【0009】本発明でいうビタミンとは特記しない限
り、脂溶性ビタミンそれ自体、その誘導体および前駆物
を意味し、例えばビタミンA、そのパルミテートもしく
はアセテート、ビタミンEもしくはそのアセテート、ビ
タミンD類(例えばD2、D3およびその活性型)、ビタ
ミンK類、β−カロチン、ユビキノン類等が含まれる。
【0010】界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル(ポリグリセリン脂肪酸エステル)、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルまたはポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル(ポリオキシエチレンひまし油、硬化ひまし油を
含む)等の1種あるいは2種以上を使用することができ
る。上記グリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、日
光ケミカルズ(株)のNIKKOL DGMO-C(ジグリセルモノオ
レエート)および同DGDO(ジグリセルジオレエート)が
ある。ソルビタン脂肪酸エステルとしては例えば、花王
(株)製のエマゾール L-10(F)(ソルビタンモノラウレー
ト)ならびに日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL SO-10R
(ソルビタンモノオレエート)および同SO-15R(ソルビ
タンセスキオレエート)がある。ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステルとしては例えば、日光ケミカル
ズ(株)製のNIKKOL TL-10(POE(20)ソルビタンモノラウ
レート)、同TP-10(POE(20)ソルビタンモノパルミテー
ト)、同TO-10M(POE(20)ソルビタンモノオレエー
ト)、同TO-30(POE(20)ソルビタントリオレエート)、
同TO-106(POE(20)ソルビタンモノオレエート)および
同TI-10(POE(20)ソルビタンモノイソステアレート)が
ある。また、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
テルとしては例えば、BASF社製のCremphor EL(ポリオ
キシエチレンヒマシ油)ならびに日光ケミカルズ(株)製
のNIKKOL CO-10(POE(10)ヒマシ油)、同CO-40TX(POE
(40)ヒマシ油)、同CO-60TX(POE(60)ヒマシ油)、同HC
O-5(POE(5)硬化ヒマシ油)、同HCO-20(POE(20)硬化ヒ
マシ油)、同HCO-40(POE(40)硬化ヒマシ油)、同HCO-6
0(POE(60)硬化ヒマシ油)、同HCO-80(POE(80)硬化ヒ
マシ油)および同HCO-100(POE(100)硬化ヒマシ油)が
ある。
【0011】本発明では前記のような糖類多孔質粒状物
を用い、これにビタミンと界面活性剤とを含浸させる。
ビタミンは糖類多孔質粒状物の細孔内に含浸され、表面
には殆ど付着されていない。このことは原料糖類粒子の
見掛け密度が0.45〜0.68g/cm3であるのに対
し、粒状物の見掛け密度が0.55〜0.82g/cm3
なることからも推定される。そのため本発明の方法によ
って得られた粒状物は流動性に優れ、取扱いに便利であ
る。
【0012】前記界面活性剤は、ビタミンを可溶化また
は分散化するための可溶化剤または分散剤として作用
し、ビタミンと界面活性剤との混合物を糖類多孔質粒状
物に混合する場合にビタミンを糖類多孔質粒状物中に均
一に含浸させることができ、さらにこのようにして得ら
れたビタミンの含浸されている糖類多孔質粒状物が水と
共存する状態となった場合におけるビタミンの水に対す
る可溶化剤または乳化剤としても働くものである。
【0013】本発明の好ましい実施態様において、本粒
状物中に更に慣用の抗酸化剤を含ませることができる。
これらの抗酸化剤には例えば、ジブチルヒドロキシトル
エン、ブチルヒドロキシアニソールおよびエトキシキン
などがある。また本粒状物中に水溶性のビタミン類、例
えばビタミンB類、ビタミンCなどを1種または数種類
組合わせて含ませることができる。
【0014】本発明で得られる粒状物中に存在させるべ
きビタミン、界面活性剤および糖類多孔質粒状物の割合
は、用いる各成分の具体例によって変動しうるが、一般
には全重量に基づいてビタミンは22重量%以下であれ
ば充分含浸させることが可能であり、また界面活性剤は
できるだけ少ない方がよいが、約3〜25重量%程度で
あるのが好ましい。
【0015】本発明の粒状物中には、上記成分に加え
て、飼料・食品・医薬の各分野において通常使用されて
いる周知の添加剤、例えば安定剤・滑沢剤・崩壊剤・保
存剤・甘味剤・着香剤・着色剤などを配合することがで
きる。
【0016】本発明の粒状物は通常、ビタミンおよび界
面活性剤を約40℃乃至ビタミンの分解温度より低い温
度で加熱・撹拌して均一な混合物とし、この混合物と糖
類多孔質粒状物とを室温〜約70℃でミキサー内で均一
に混合することによって製造する。この際ビタミンと界
面活性剤との混合あるいはその混合物の糖類多孔質粒状
物への浸透を容易にするため、少量の有機溶剤例えばエ
タノール、アセトン等を希釈剤として添加して行うこと
もできる。ミキサーとしては、通常の粉体および液体の
混合機であればよく、例えばレディゲ社製のレディゲミ
キサーを使用することができる。ビタミンと界面活性剤
との混合温度は好ましくは約50〜約70℃であり、ま
たこの混合物と糖類多孔質粒状物との混合は、好ましく
は約50〜約70℃で行われる。また、該混合物と該糖
類との混合は、前者に後者を投入して行ってもよく、後
者に前者を例えば噴霧投入して行ってもよい。このよう
にして、外観が顆粒状でサラサラしていて流動性に富む
粒状物が得られる。これらは15℃程度の保冷庫保存で
長期保存が可能であり安定性に問題はないと考えられ
る。
【0017】さらに本発明の製造方法では前記のような
界面活性剤および糖類多孔質粒状物を原料成分として用
いることによって、従来この種の製造技術分野で必要と
されている操作である高速撹拌、冷却および乾燥工程を
省くことができそしてそれ故に製造工程の簡素化並びに
得られる粒状物の品質向上および取扱い易さ等の効果が
得られる。
【0018】本発明のさらに別の特徴によれば、本発明
で得られた前記粒状物を用いることによりビタミン吸収
性の優れた飼料添加物を得ることができる。
【0019】近年、牛に対するビタミンA、D3、E給
与の重要性が強調され、各種剤形のAD3E剤が使用さ
れている。しかし、これまで使用されている液剤、粉剤
あるいはルーメン・バイパス剤では剤形によって投与後
のビタミンの血中濃度に著しい差が見られること、血中
濃度の増加が最も良好と思われる液剤では強制的経口投
与という投与の煩雑さのために多頭数に対する頻回応用
には不自由を来す場合が多い。
【0020】しかし、本発明による水分散性または水溶
性の良好な、ビタミン含有粒状物を用いると、顕著なビ
タミン吸収効果が自然給餌により達成され、長期保存が
可能である、安定な飼料添加物を得ることができる。
【0021】本発明により得られたビタミン含浸粒状物
投与時の牛におけるビタミン吸収の効果を検討した。 試験例1 供試牛はホルスタイン種の体重601kgから790kgま
での3歳から6歳までの成牛を5群に分け、各群3頭ず
つ用いた。試験に用いたビタミン含浸粒状物としては以
下の方法により得られたものを用いた。
【0022】ビタミンEアセテート 111.1g、ビタ
ミンAパルミテート 17.4g、ビタミンD2 0.10
7g、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
(日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)92.5g、
BHT 10.1gおよび糖類多孔質粒状物769gを用
い、実施例1と同様の操作を行った。得られた粒状物は
サラサラした外観を有し、流動性に富んでおり、この粒
状物は1g中にビタミンA 25,000IU、ビタミンD
3 2,500IU、ビタミンE 100mgが含浸されてい
る。
【0023】また、比較のために、以下の方法で示され
る粉剤を用いて実験を行った。
【0024】噴霧乾燥法でゼラチンと糖類により被覆さ
れたビタミンA(日清バーディシェ(株)製ルタビットA
500)、ビタミンD(日清バーディシェ(株)製ルタ
ビットD1000)およびケイ酸に含浸されたビタミ
ンE(日清バーディシェ(株)製ルタビットE50)を用
い、米ぬか油かすで希釈混合して粉剤を得た。この粉剤
は上記粒状物と同様に、1g中にビタミンA 25,00
0IU、ビタミンD3 2,500IU、ビタミンE 100mg
が含有されている。
【0025】赤血球ビタミンEは高速液体クロマトグラ
フ法(ビタミン、51巻、p.415〜422、197
7年参照)、血清ビタミンAパルミテートは高速液体ク
ロマトグラフ法(ビタミン、53巻、p.358〜35
9、1979年参照)により測定を行った。
【0026】以下、その結果を表1および2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】試験例2 21〜34日齢、体重43kgから54kgのホルスタイン
種の子牛6頭を2群に分け、試験例1と同様にしてビタ
ミン含浸粒状物と粉剤を0.05g/kg BWとして哺乳時
に牛乳と混合して給与した。以下、その結果を表3およ
び4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】以上の結果より本発明によるビタミン含浸
粒状物を成牛及び子牛に対してそれぞれ自然給餌および
哺乳により投与したところ、成牛に投与後の赤血球ビタ
ミンE及び血清ビタミンAパルミテート並びに子牛に投
与後の赤血球ビタミンE及び血清ビタミンAパルミテー
トの各値は明瞭に増加し、比較に用いた粉剤投与時に比
して極めて良好で、かつ成牛では本剤溶解後の強制的な
経口投与とほぼ同様の結果が得られた。
【0033】試験例3 試験例1で用いた製剤(I)と比較のために噴霧乾燥法で
ゼラチンと糖類により被覆されたビタミンA製剤(日清
バーディシェ(株)製ルタビツドA500:(II))を用いて
ビタミンAパルミテートの安定性試験を行った。ビタミ
ンAパルミテートは前述の高速液体クロバトグラフ法に
より測定した。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【実施例】以下に、実施例および比較例により本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0037】実施例 1 ビタミンEアセテート5gおよびビタミンAパルミテー
ト5gとポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
(日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)13gとを
約60℃で加熱・混合せしめた。一方、ミキサー内に糖
類多孔質粒状物(日新製糖(株)製のフロストシュガース
タンダード;粒径0.85mm、見掛け密度0.49g/cm
3)77gを仕込み、これを混合しながら上記混合物を
添加して、約2分混合し、均一な粒状生成物(粒径0.8
5mm、見掛け密度0.64g/cm3)を得た。この生成物
はサラサラした外観を有し、流動性に富んでいた。
【0038】実施例 2 ビタミンEアセテート214.9g、ビタミンAパルミ
テート344.8gおよびビタミンD3 2.05gと、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノオレエート(日光ケミ
カルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)61.0g、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレート(日光ケミカルズ(株)
製のNIKKOL TO-30)314.4g、ポリオキシエチレン
ヒマシ油(BASF社製のクレモホール EL)207.
9gおよびソルビタンモノラウレート(花王(株)製のエ
マゾール L-10(F))45.5gと、エトキシキン7.0g
と、リン酸水素2ナトリウム2.5gとを約67℃で加
熱・混合せしめた。一方、ミキサー内にフロストシュガ
ースタンダード4250.0gを仕込み、これを混合し
ながら上記混合物を添加して、約2分混合し、均一な混
合物(粒径0.85mm、見掛け密度0.64g/cm3)を得
た。この粒状生成物はサラサラしており、流動性に富ん
でいた。この生成物の断面(顆粒を折って新たに断面を
つくった)を走査型電子顕微鏡を用いて撮影したとこ
ろ、糖類多孔質粒状物の内部に上記混合物が含浸されて
いることが分かった。
【0039】比較例 糖類多孔質粒状物の代わりに乳糖、グラニュー糖および
上白糖を用いて、実施例1記載の処方を繰り返した。生
成物は湿り気のある不定形(団塊)のものであった。
【0040】実施例 3 ビタミンEアセテートとポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート(NIKKOL TO-10M)とを、それぞれ3、
8、13、19および20.5gと20、15、10、
4および2.5gとの量で、約60℃で加熱・混合せし
めて、5種の混合物を調製した。一方、ミキサー内にフ
ロストシュガースタンダード77gを仕込み、これを混
合しながら上記混合物を添加して、約2分混合し、5種
の均一な生成物を得た。
【0041】また、ビタミンEアセテート19g、NIKK
OL TO-10M 2g、Gremphor EL 1.2g、NIKKOL TO-30
0.4g、エマゾール L-10(F)0.4gおよびフロストシ
ュガースタンダード77gを用いて上記操作を繰り返
し、均一な粒状生成物を得た。
【0042】上記生成物について、以下の方法に従って
溶解性試験を行った。100ml容の透明サンプルビン
に、上記生成物1gを計りとり、これに水100mlを加
え、ビンに蓋をした。サンプルビンをよく振った後、室
温に放置し、24時間後にその外観を観察した。
【0043】上記6種の生成物のうちビタミンEアセテ
ート20.5g、NIKKOL TO-10M 2.5gおよびフロスト
シュガースタンダード77gを用いた生成物の場合、2
4時間後には分離しており、油分、固形物が浮いてい
た。残りのものについては、24時間後でもまだ均一に
乳化していた。
【0044】実施例 4 糖類多孔質粒状物としてフロストシュガーOMM(S)
(粒径0.65mm、見掛け密度0.65g/cm3)、フロス
トシュガーOMM(W)(粒径0.28mm、見掛け密度0.
67g/cm3)またはフロストシュガーOM(S)(粒径
1.19mm、見掛け密度0.65g/cm3)を用いて、実
施例1記載の処方を繰り返した場合にも同様にサラサラ
した外観を有し、流動性に富んだ粒状物(見掛け密度
0.8g/cm3)が得られた。
【0045】実施例5 β−カロチン1.43gをピーナッツオイル3.24gに
加温溶解し、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ート(日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)15.3
3gおよびBHT3.00gおよび糖類多孔質粒状物
(日新製糖製ルロストシュガースタンダード)77.0
0gを用い、実施例1と同様の操作を行った。得られた
粒状物はサラサラした外観を有し、流動性に富んでい
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビタミンと界面活性剤とが含浸された、
    見掛け密度0.55〜0.82g/cm3および粒径0.25
    〜2.2mmを有する流動性の優れた糖類多孔質粒状物。
  2. 【請求項2】 飼料添加物である請求項1記載の粒状
    物。
  3. 【請求項3】 ビタミンおよび界面活性剤を該ビタミン
    の分解温度より低い温度で加熱・撹拌して均一な混合物
    とし、次いでこれを予め形成された見掛け密度0.45
    〜0.68g/cm3および粒径0.25〜2.2mmを有する
    糖類多孔質粒状物と約70℃以下の温度で均一に混合す
    ることからなる請求項1記載の粒状物の製造方法。
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