JPH0662485A - スピーカボックス - Google Patents

スピーカボックス

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JPH0662485A
JPH0662485A JP21112892A JP21112892A JPH0662485A JP H0662485 A JPH0662485 A JP H0662485A JP 21112892 A JP21112892 A JP 21112892A JP 21112892 A JP21112892 A JP 21112892A JP H0662485 A JPH0662485 A JP H0662485A
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Akira Yamagishi
亮 山岸
Katsuyoshi Urano
勝義 浦野
Yoshinori Takahashi
善徳 高橋
Hitoshi Inada
仁志 稲田
Kazuo Fujii
数男 藤井
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Sumitomo Riko Co Ltd
Sony Corp
Tokuyama Corp
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Sumitomo Riko Co Ltd
Sony Corp
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】その内部における音速,内部損失等を含んだ音
響特性の制御が容易であり、かつ、加工性に優れてい
て、良好な外観が得られる合成樹脂材料が用いられて形
成され、設計上の自由度が向上せしめられるスピーカボ
ックスを提供する。 【構成】スピーカ(17)が取り付けられる前面板部分
(11)を備え、少なくとも前面板部分(11)が、ポ
リプロピレン系樹脂100重量部に対して有機系充填材
5〜35重量部及び微小中空体5〜35重量部が混入さ
れて成るポリプロピレン系樹脂組成物により形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピーカの取付けがな
される前面板部分を備え、少なくとも前面板部分がポリ
プロピレン系樹脂材により形成されて構成されるスピー
カボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】カセットテープ・プレーヤ,ディジタル
・オーディオディスク・プレーヤ等を中心構成要素とし
て構成されるオーディオ・システムにおいては、スピー
カが独立したスピーカボックスに収容されて配されるも
のとされることが多い。このような独立したスピーカボ
ックスに収容されて用いられるスピーカは、例えば、ス
ピーカボックスを構成する前面板部分の内面側に取り付
けられたものとされ、その放音特性は、スピーカの背後
に形成されるスピーカボックス内音響空間の形状及び容
量,スピーカボックス内音響空間における吸音部材の配
置状況等によって左右されるのみならず、スピーカボッ
クスを形成する材質による影響も受けるものとなる。即
ち、スピーカボックスに収容されて用いられるスピーカ
について、忠実性に優れた再生音が発せられる良好な放
音特性を得るにあたっては、スピーカボックスを形成す
る部材が、その内部を伝搬する音の伝搬速度、即ち、音
速√(E/ρ)(Eは縦弾性率,ρは密度)が大とされ
るとともに、音響振動特性を規定する音の内部損失 tan
δが適度な値とされるものであることが要求される。
【0003】従来にあっては、スピーカボックスは、パ
ーティクルボードと称される合木板部材によって形成さ
れたものが主流とされている。しかしながら、パーティ
クルボードによってスピーカボックスが形成される場合
には、パーティクルボードがその内部における音速√
(E/ρ)及び音の内部損失 tanδを所望の値をとらせ
るべく制御することが困難なものとされるので、スピー
カボックスに収容されたスピーカについての良好な放音
特性を得るためには、スピーカボックスの形状,寸法,
内部構造等を、パーティクルボードが具える音速√(E
/ρ),音の内部損失 tanδ等を含んだ音響特性に合わ
せて設計することが要求され、スピーカボックスの設計
上の自由度が著しく制限されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如くの状況のも
とで、音速√(E/ρ),音の内部損失 tanδ等を含ん
だ音響特性を容易に制御でき、しかも、加工性に優れて
いて、良好な外観が得られる材質が用いられて形成さ
れ、設計上の自由度が向上せしめられたスピーカボック
スが要望されている。そして、斯かる要望に応えること
を意図して、パーティクルボードに代えて、合成樹脂材
料が用いられて形成されたスピーカボックスも提案され
ており、その際における合成樹脂材料は、ポリスチレ
ン,アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン,ポリメ
チルメタクリレート,ポリプロピレン等を基材とした樹
脂組成物とされる。
【0005】しかしながら、このような樹脂組成物が用
いられて形成された、従来提案されているスピーカボッ
クスにあっては、前述の要望が充分に満たされ、それに
収容されたスピーカから優れた音質の再生音が発せられ
るようになされたものは見当たらない。
【0006】斯かる点に鑑み、本発明は、音速√(E/
ρ),音の内部損失 tanδ等を含んだ音響特性の制御が
容易であり、しかも、加工性に優れていて、良好な外観
が得られる合成樹脂材料が用いられて形成され、設計上
の自由度が大幅に向上せしめられたスピーカボックスを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係るスピーカボックスは、スピーカが取り
付けられる前面板部分を備え、少なくとも前面板部分
が、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して有機系
充填材5〜35重量部及び微小中空体5〜35重量部が
混入されて成るポリプロピレン系樹脂組成物により形成
されたものとされる。そして、有機系充填材としては、
例えば、木粉,ココ椰子殻粉,籾殻粉,コルク粉,セル
ロース粉,木材パルプ,紙細片,布砕片を含んで構成さ
れるグループから選ばれたものが用いられ、また、微小
中空体としては、例えば、耐圧強度を500kg/cm2以上
とする微細ガラス中空粒が用いられる。
【0008】
【作用】このように構成される本発明に係るスピーカボ
ックスにおいては、それに収容されるスピーカの放音特
性に最も大なる影響を及ぼす前面板部分が、他の部分と
は異なって、あるいは、他の部分と同様に、ポリプロピ
レン系樹脂100重量部に対して有機系充填材5〜35
重量部及び微小中空体5〜35重量部が混入されて成る
ポリプロピレン系樹脂組成物により形成される。そし
て、斯かるポリプロピレン系樹脂組成物は、有機系充填
材の5〜35重量部の範囲内での混入量、及び、微小中
空体の5〜35重量部の範囲内での混入量が選択される
ことにより、音速√(E/ρ),音の内部損失 tanδ等
を含んだ音響特性が容易に制御される。従って、本発明
に係るスピーカボックスにあっては、少なくとも、スピ
ーカが取り付けられる前面板部分が、音速√(E/ρ)
が比較的大なる値に設定されるとともに音の内部損失 t
anδが寸法等が考慮された適正な値に設定されたものと
なされて、スピーカから優れた音質の再生音が発せられ
る状態とされ、また、少なくとも前面板部分が、それを
形成するポリプロピレン系樹脂組成物が、有機系充填材
の混入量が5〜35重量部の範囲内とされるとともに微
小中空体の混入量が5〜35重量部の範囲とされること
により、加工性に優れて、良好な外観が得られるものと
され、それにより、音速√(E/ρ),音の内部損失 t
anδ等を含んだ音響特性が容易に制御されることと相俟
って、設計に際しての自由度が著しく改善される。
【0009】
【実施例】図2は、本発明に係るスピーカボックスの一
例を示す正面図であり、図1は、図2におけるI−I線
断面を示す断面図である。
【0010】図1及び図2に示される例は、前面板部分
11,天板部分12,底板部分13,一対の相互対向す
る側面板部分14、及び、前面板部分11に対向する背
面板部分15を備えて構成されている。そして、前面板
部分11には、図1において仮想線により示される如く
に、その内面側に取り付けられるスピーカ17の振動コ
ーン部の前方となる位置に円形開口部18が形成されて
おり、また、円形開口部18の周囲に、スピーカ17の
取付けに用いられる複数の小径取付孔19が設けられて
いる。さらに、前面板部分11には、円形開口部18よ
り下方の位置に、その内面側から背面板部分15に向か
って伸びるダクト形成部20が設けられたダクト孔21
が形成されており、図1及び図2に示される例は、バス
レフ形のスピーカボックスとされている。
【0011】前面板部分11,天板部分12,底板部分
13,側面板部分14,背面板部分15及ダクト形成部
20の夫々は、ポリプロピレン系樹脂組成物によって形
成されており、斯かるポリプロピレン系樹脂組成物は、
ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して有機系充填
材5〜35重量部及び微小中空体5〜35重量部が混入
されて成るものとされる。
【0012】ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレ
ンの単独重合体,プロピレンとエチレン,1−ブテン等
のプロピレン以外のオレフィン系炭化水素との共重合
体,無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸をグラフト重
合させた変成ポリプロピレン等が選択されて用いられ
る。また、有機系充填材としては、木粉,ココ椰子殻
粉,籾殻粉,コルク粉,セルロース粉,木材パルプ,紙
細片,布砕片を含んで構成されるグループから1種が選
択されて、あるいは、2種が選択されてそれらが混合せ
しめられて、用いられる。これらの有機系充填材は、い
ずれが選択される場合にも、平均粒径が120μm 以下
とされることが望ましい。さらに、微小中空体として
は、例えば、微細ガラス中空粒が用いられる。斯かる微
小中空体は、耐圧強度を500kg/cm2以上とするものと
され、また、平均粒径が100μm 以下、特に好ましく
は、60μm 以下とされることが望まれる。そして、微
小中空体は、ポリプロピレン系樹脂組成物において平均
粒子密度を0.5〜0.7g/cm3 とするものとなされる
ことが望まれる。
【0013】上述の如くに、ポリプロピレン系樹脂10
0重量部に対して、平均粒径が120μm 以下とされる
のが望ましい有機系充填材5〜35重量部、及び、耐圧
強度を500kg/cm2以上とするものとなされるとともに
平均粒径が100μm 以下とされることが望まれる微小
中空体5〜35重量部が混入されて成るポリプロピレン
系樹脂組成物は、密度ρが比較的小でしかも剛性が高
く、音速√(E/ρ)が比較的大なる値をとるものとな
るとともに、音の内部損失 tanδが適度な値をとるもの
とされる。因みに、ポリプロピレン系樹脂に対して有機
系充填材のみが混入されて微小中空体が混入されない場
合には、剛性は高められるが、密度が小さくされないこ
とになってしまい、また、ポリプロピレン系樹脂に対し
て微小中空体のみが混入されて有機系充填材が混入され
ない場合には、密度δは小さくされるが、剛性が高めら
れず、音の内部損失 tanδが著しく低下したものとなっ
てしまう。有機系充填材の混入による剛性の向上は、有
機系充填材として平均粒径が120μm 以下である木粉
あるいは籾殻粉が用いられる場合に、それらの良好な分
散性により、その効果が特に顕著なものとされる。
【0014】ポリプロピレン系樹脂に対する有機系充填
材の混入が、ポリプロピレン系樹脂の100重量部に対
して有機系充填材が5〜35重量部という比率に選定さ
れているのは、ポリプロピレン系樹脂の100重量部に
対して有機系充填材が5重量部未満とされる場合には、
ポリプロピレン系樹脂に混入された微小中空体との協働
作用による密度ρの低減と剛性の向上とが充分に図れな
くなって、良好な音響特性が得られないことが実験的に
確認され、また、ポリプロピレン系樹脂の100重量部
に対して有機系充填材が35重量部を越える場合には、
スピーカボックスを形成した状態において表面の外観が
劣化したものとされ、さらに、耐衝撃性も低下してしま
うことが実験的に確認されたからである。
【0015】同様に、ポリプロピレン系樹脂に対する微
小中空体の混入が、ポリプロピレン系樹脂の100重量
部に対して微小中空体が5〜35重量部という比率に選
定されているのは、ポリプロピレン系樹脂の100重量
部に対して微小中空体が5重量部未満とされる場合に
は、軽量化を図ることが困難となることが実験的に確認
され、また、ポリプロピレン系樹脂の100重量部に対
して微小中空体が35重量部を越える場合には、音の内
部損失 tanδが低下して良好な音響特性が得られず、か
つ、スピーカボックスを形成した状態において表面の外
観が劣化したものとされてしまうことが実験的に確認さ
れたからである。
【0016】上述の如くの、ポリプロピレン系樹脂10
0重量部に対して、平均粒径が120μm 以下とされる
のが望ましい有機系充填材5〜35重量部、及び、耐圧
強度を500kg/cm2以上とするものとなされるとともに
平均粒径が100μm 以下とされることが望まれる微小
中空体5〜35重量部が混入されて成るポリプロピレン
系樹脂組成物により形成されるスピーカボックスは、例
えば、前面板部分11,天板部分12,底板部分13,
側面板部分14,背面板部分15及びダクト形成部20
の夫々がポリプロピレン系樹脂組成物によって個別に形
成され、それらが組み立てられて得られるものとされ
る。その際、前面板部分11,天板部分12,底板部分
13,側面板部分14,背面板部分15及びダクト形成
部20の夫々の形成にあたっては、ポリプロピレン系樹
脂,有機系充填材及び微小中空体が、ドライブレンドさ
れた後、各部分についての直接成形に供されるようにさ
れてもよいが、それとは異なり、ポリプロピレン系樹
脂,有機系充填材及び微小中空体が、ミキサ装置,押出
装置等が使用されたもとで混練りがなされて複合組成物
とされた後、各部分の成形に供される方法がとられるの
が好ましい。
【0017】表1,表2,表3,表4,表5及び表6
は、本発明の発明者により行われた、複数の本発明に係
るスピーカボックス(用いられたポリプロピレン系樹脂
組成物における有機系充填材及び微小中空体の夫々の混
入量を異にする;実験例)と複数の他のスピーカボック
ス(用いられた材質を異にする;比較例)が用意された
もとでの実験の結果に基づいて纏められた実験例(実験
例1〜実験例7)と比較例(比較例1〜比較例13)と
の比較結果をあらわす。実験は、複数の実験例と複数の
比較例の夫々について、その材質の物性値(音速及び内
部損失)の測定・算出,それに収容されたスピーカから
の放音の音質評価、及び、その外観評価が行われるもの
とされた。複数の実験例と複数の比較例の夫々はバスレ
フ形のスピーカボックスとされ、その前面板部分の内面
側にスピーカが取り付けられた。
【0018】そして、音質評価は、スピーカからの放音
を実際に試聴して原音再生度を5段階評価に当てはめる
ことにより行われ、また、外観評価は、表面のシルバー
ストリークを目視判断して3段階評価に当てはめること
により行われた。音質評価における5段階評価は、優れ
ている:A,やや優れている:AB,標準(パーティク
ルボード製と同等):B,やや劣る:BC,劣る:C
とされ、また、外観評価における3段階評価は、シルバ
ーストリーク無し:a,シルバーストリークがあるが目
立たない:b,シルバーストリークが目立つ:c とさ
れた。なお、表1及び表2において、微小中空体:V−
1,V−2及びV−3は、密度 (g/cm3)及び公称耐圧強
度(kg/cm2)が、夫々、0.60及び700,0.38及
び280、及び、0.50及び100〜120とされた
ものである。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】表7は、実験例1〜実験例7と比較例1〜
比較例13のうちの有機充填材を含むものとの夫々につ
いての微小中空体と有機充填材との混入量状態をあらわ
す。
【0026】
【表7】
【0027】上記表1〜表6にあっては、本発明に係る
スピーカボックスである実験例1〜実験例7が、音質評
価において“A”もしくは“AB”を得るともに外観評
価において“a”もしくは“b”を得ており、本発明に
係るスピーカボックスとは異なるスピーカボックスであ
る比較例1〜比較例13に比して、良好な音質評価と外
観評価との両者において優れていることが理解される。
また、少なくとも、実験例1〜実験例7について、有機
充填材の混入量の5〜35重量部の範囲内での変化、及
び、微小中空体の混入量の5〜35重量部の範囲内での
変化に応じて、音速√(E/ρ)及び音の内部損失 tan
δが変化せしめられることが分かる。また、表7におい
ては、「比」は「比較例」を意味し、また、「実」は
「実験例」を意味している。そして、点線(・・・・
・)により囲まれた部分が、本発明に係るスピーカボッ
クスに対応する範囲である。
【0028】これらの表1〜表7よりして、本発明に係
るスピーカボックスが、各構成部分の音速√(E/ρ)
及び音の内部損失を含んだ音響特性を制御することが容
易であって、その音速が比較的大なる値に設定されると
ともに音の内部損失 tanδが寸法等が考慮された適正な
値に設定されて、スピーカから優れた音質の再生音が発
せられるものとされ、また、ポリプロピレン系樹脂組成
物が、有機系充填材の混入量が5〜35重量部の範囲内
とされるとともに微小中空体の混入量が5〜35重量部
の範囲とされることにより、加工性に優れて、良好な外
観が得られるものとされ、音響特性が容易に制御される
ことと相俟って、設計に際しての自由度が著しく改善さ
れるものとされることが確認される。
【0029】上述においては、本発明に係るスピーカボ
ックスを形成するポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリ
プロピレン系樹脂100重量部に対して有機系充填材5
〜35重量部及び微小中空体5〜35重量部が混入され
て成るものと記述されているが、斯かる記述は、本発明
に係るスピーカボックスを形成するポリプロピレン系樹
脂組成物はポリプロピレン系樹脂,有機系充填材及び微
小中空体のみを構成成分としている、ということを意味
しているのではなく、本発明に係るスピーカボックスを
形成するポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレ
ン系樹脂100重量部,有機系充填材5〜35重量部及
び微小中空体5〜35重量部に加えて、それら以外の成
分をも必要に応じて含むものであることを意味してい
る。ポリプロピレン系樹脂,有機系充填材及び微小中空
体以外の含有成分としては、例えば、酸化防止剤,帯電
防止剤,分散剤,難燃剤,紫外線吸収剤,有機過酸化
物,潤滑剤,着色剤等が挙げられる。
【0030】また、図1及び図2に示される本発明に係
るスピーカボックスの例にあっては、前面板部分11,
天板部分12,底板部分13,側面板部分14,背面板
部分15及ダクト形成部20の夫々が、ポリプロピレン
系樹脂100重量部に対して有機系充填材5〜35重量
部及び微小中空体5〜35重量部が混入されて成るポリ
プロピレン系樹脂組成物によって形成されているが、本
発明に係るスピーカボックスは、斯かる例に限られるも
のではなく、少なくとも前面板部分が、ポリプロピレン
系樹脂100重量部に対して有機系充填材5〜35重量
部及び微小中空体5〜35重量部が混入されて成るポリ
プロピレン系樹脂組成物によって形成されていればよ
い。前面板部分はその内面側にスピーカが取り付けら
れ、スピーカボックスに収容されるスピーカの放音特性
に最も大なる影響を及ぼす部分とされるので、少なくと
も前面板部分がポリプロピレン系樹脂100重量部に対
して有機系充填材5〜35重量部及び微小中空体5〜3
5重量部が混入されて成るポリプロピレン系樹脂組成物
により形成されるものとされることにより、本発明の目
的が達成されて、所望の作用効果が得られることにな
る。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係るスピーカボックスにあっては、それに収容されるス
ピーカの放音特性に最も大なる影響を及ぼす前面板部分
が、他の部分とは異なって、あるいは、他の部分と同様
に、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して有機系
充填材5〜35重量部及び微小中空体5〜35重量部が
混入されて成るポリプロピレン系樹脂組成物により形成
され、それにより、音速√(E/ρ),音の内部損失 t
anδ等を含んだ音響特性が容易に制御されるものとされ
る。従って、本発明に係るスピーカボックスは、少なく
とも、スピーカが取り付けられる前面板部分が、音速√
(E/ρ)が比較的大なる値をとるとともに音の内部損
失 tanδが寸法等が考慮された適正な値をとるものとさ
れて、スピーカから優れた音質の再生音が発せられる状
態をとるとともに、少なくとも前面板部分が、それを形
成するポリプロピレン系樹脂組成物が、有機系充填材の
混入量が5〜35重量部の範囲内とされるとともに微小
中空体の混入量が5〜35重量部の範囲とされることに
より、加工性に優れて、良好な外観が得られるものとさ
れ、それにより、音速√(E/ρ),音の内部損失 tan
δ等を含んだ音響特性が容易に制御されることと相俟っ
て、設計に際しての自由度が著しく改善されるものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカボックスの一例を示す断
面図である。
【図2】本発明に係るスピーカボックスの一例を示す正
面図であり、そのI−I線断面が図1に示される。
【符号の説明】
11 前面板部分 12 天板部分 13 底板部分 14 側面板部分 15 背面板部分 17 スピーカ 18 円形開口部 20 ダクト形成部 21 ダクト孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦野 勝義 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 高橋 善徳 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達株 式会社内 (72)発明者 稲田 仁志 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達株 式会社内 (72)発明者 藤井 数男 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピーカが取り付けられる前面板部分を備
    え、少なくとも該前面板部分が、ポリプロピレン系樹脂
    100重量部に対して有機系充填材5〜35重量部及び
    微小中空体5〜35重量部が混入されて成るポリプロピ
    レン系樹脂組成物により形成されたスピーカボックス。
  2. 【請求項2】有機系充填材が、木粉,ココ椰子殻粉,籾
    殻粉,コルク粉,セルロース粉,木材パルプ,紙細片,
    布砕片を含んで構成されるグループから選ばれたことを
    特徴とする請求項1記載のスピーカボックス。
  3. 【請求項3】微小中空体が微細ガラス中空粒とされたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカボック
    ス。
  4. 【請求項4】微小中空体が耐圧強度を500kg/cm2以上
    とすることを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ
    ボックス。
  5. 【請求項5】前面板部分及びその他の部分が、全体的に
    上記ポリプロピレン系樹脂組成物により形成されたこと
    を特徴とするスピーカボックス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004054315A1 (ja) * 2002-12-10 2004-06-24 Og Corporation スピーカキャビネット
WO2008074310A3 (de) * 2006-12-21 2008-09-25 E & W Greenland Gmbh Werkstoff zur herstellung eines formkörpers sowie formkörper

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