JPH0662456U - 電池収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池収納装置における電池の上下動によるマ
イナス接片の永久変形による導通不良を防止する。 【構成】 枠体１の内部に設けられた電池収納部２の底
部２ａには、弾性部材からなるマイナス接片３が設けて
ある。これと対向する天井部２ｃにはプラス接片４が設
けてあり、ここに収納される電池５はマイナス端子５ａ
がマイナス接片３に弾接した状態で弾性支持されてい
る。プラス端子５ｂはマイナス接片３の付勢力によって
プラス接片４に弾接している。開口部２ｅを閉じている
小蓋６の下端部には、小蓋６を閉じた状態において、電
池５の上下動の範囲をマイナス接片３の弾性限度内に規
制可能なリブ６ｃが設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば時計等の枠体内部に電池を収納する電池収納装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、時計等の枠体の内部に設けられる電池収納装置は、枠体内に電池のサ イズに対応した大きさの電池収納部を容器状に仕切り、電池収納部の底面に板ば ねで構成したマイナス接片を設けてある。そして、電池収納部の天井部にはプラ ス接片が設けてあり、このプラス接片に電池のプラス端子を当接し、平板状のマ イナス端子をマイナス接片に沿って奥手に押し込んで、マイナス接片の付勢力に よって電池の両端子を各接片に弾接させ、時計回路等への電力供給を確実にする ように構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、電池と回路との接続がマイナス接片によって、弾性支持されている ため、振動等によって電池が上下動して、マイナス接片が大きな変形を受けたり 、弾性限度を越えた応力や苛酷な繰り返し応力が生じることがある。また、電池 の重力による応力や振動による応力が常時作用することにより、疲労やクリープ 等による永久変形を生じることがある。このため、一定期間が経過すると、マイ ナス接片の付勢力が弱くなって接触不良が生じ、確実な接続が得られないため、 導通不良の原因となっている。

【０００４】 この対策としては、電池収納部の底部に電池の上下動を抑えるリブを設けて、 電池がマイナス接片側へ近づくのを妨げ、マイナス接片の永久変形を防止しよう とすることも試みられている。しかし、電池収納部の底部にリブを設ける場合、 組み立ての際のマイナス接片の取り付けが面倒である上に、電池収納部内にあっ て電池の着脱が面倒になるという欠点がある。

【０００５】 そこで本考案の目的は、組み立ておよび電池の着脱が容易であるとともに、導 通不良を起こすことのない電池収納装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の電池収納装置は、枠体内部に形成して ある電池収納部と、この電池収納部の天井部に設けてあるプラス接片と、このプ ラス接片と対向して電池収納部の底部に設けてある弾性部材よりなるマイナス接 片と、これらのプラス接片とマイナス接片とに挾持されるとともに、マイナス接 片によってプラス接片を押圧可能に弾性支持される電池と、電池収納部の開口部 に着脱自在な小蓋とを備えた電池収納装置において、小蓋には、これを開口部に 装着した状態において、電池収納部に装着された電池が上下動する際にマイナス 接片の弾性限度内で、この電池の移動範囲を規制するリブを備えている。

【０００７】

【作用】

電池を電池収納部に収納し、電池収納部を小蓋で閉じると、小蓋に設けてある リブの上辺と電池の下端部とが接近した位置で対向し、電池がマイナス接片によ る付勢力に抗して上下動しても、マイナス接片側へ近づくと電池の下端部とリブ の上辺とが当接して電池が保持され、マイナス接片は弾性限度内の変形にとどま り、マイナス接片にはこれ以上の変形は生じない。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の一実施例について、図面を参照して説明する。 図１に示すように、時計の枠体１の背部に、この枠体を仕切って形成した電
池 収納部２が設けてある。電池収納部２の底部２ａは、枠体の底部１ａ上にわずか に高くなるように設けてあり、電池を収納するのに適する形状・大きさになるよ うに形成してあり、マイナス接片３を挾持可能な溝部２ｂが設けてある。電池収 納部２の天井部２ｃは、枠体１の背部を内側に屈成してなる支持部１ｂによって 支持されている。天井部２ｃには、プラス接片４の両端部を挾持する溝部２ｄが 設けてある。

【０００９】 マイナス接片３は、弾性部材の一例であるステンレス板やりん青銅板をプレス によって打抜き、ならびに曲げ加工を施してＶ字状に形成してあり、一辺を電池 収納部の底部の溝部２ｂに挾持してある。マイナス接片３の他辺は傾斜状になっ ており、その先端部は、電池収納部２内に収納された電池５のマイナス端子５ａ との接触面積を大きくするために、取り付けた状態で水平になるように屈成して ある。

【００１０】 プラス接片４は、マイナス接片３と同様にステンレス板やりん青銅板をプレス によって打ち抜き、ならびに塑性加工したものであり、周囲を高く形成して電池 ５のプラス端子５ｂが振動等によってずり落ちないように、このプラス端子と当 接する部分を凹部とする浅底容器状に形成してある。プラス接片４の両端部は、 電池収納部２の溝部２ｄに挾持されている。

【００１１】 電池収納部２内には、２個の電池５，５がそれぞれマイナス端子５ａを下側に して装着してある（図２参照）。プラス端子５ｂは、プラス接片４の凹部に当接 し、マイナス端子５ａは、マイナス接片３によって弾性支持されており、プラス 端子５ｂもマイナス接片３の付勢力によって、プラス接片４に弾接されている。

【００１２】 電池収納部の開口部２ｅは、小蓋６によって閉じられている。小蓋６は、上端 部が枠体の背面と同一面となり、下端部は内側へ直角に屈成し、その先端部が枠 体の底部に形成された電池収納部の底部に係合している。小蓋６の開口部への装 着は、上端部を図示しない枠体の係合部に係合し、下端部に設けてある図示しな い弾性爪部によって枠体１に係合させてある。

【００１３】 図３，４に示すように小蓋６の下端部の背面板６ａと底面板６ｂとの直交部に はリブ６ｃが設けてある。リブ６ｃは、これを開口部２ａに装着したときに、電 池５の中央部と一致する位置に設けられ、上辺を水平に形成してあり、電池の下 端部と対向し、かつマイナス接片３の弾性変形範囲のほぼ半分の位置の高さにな るように形成してある。

【００１４】 上記したように、電池収納部２に電池５を収納すると、電池はマイナス接片３ とプラス接片４とによって弾性支持され，これと接続された回路に良好な導通が 得られる。これとともに、電池５の自重または、振動等によって電池５が上下動 して、マイナス接片３側に移動しようとすると、電池の下端部がリブ６ｃの上辺 に当たり、これ以上マイナス接片に近づけなくなり、マイナス接片の変形を小さ くし、マイナス接片の変形を弾性限度内に押さえている。この結果長期間使用し ても、マイナス接片の疲労が少なく、永久変形もほとんど生じなくなるので、接 触不良に起因する導通不良を防止可能になる。

【００１５】 また、このようにマイナス接片を保護するためのリブは、小蓋６に設けてある ため、電池収納部２内の底部は、マイナス接片が設けてあるだけとなるので、組 み立ても容易となる上に、電池収納部内に障害物もないので電池の着脱を困難に することもない。

【００１６】 なお、本実施例では、電池数を２個として説明してあるが、電池数に制約はな い。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は電池収納部の小蓋に設けてあるリブにより、電 池の上下動がマイナス接片の弾性限度内で規制させられるため、マイナス接片の 変形が少なくて済む。マイナス接片に弾性限度以上の力が作用しないので、疲労 や塑性変形などによって圧縮された状態に永久変形することがなくなるため、長 期間使用しても導通不良を起こすおそれがない。また、リブは、電池収納部内に ではなく小蓋に設けてあるので、組み立ての際に電池収納部内への接片の取り付 けに支障を生じたり、電池交換の際における電池着脱を不便にしたりすることが ないなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の要部の断面図である。

【図２】電池収納部内に電池が収納してある状態を示す
背面図である。

【図３】小蓋の拡大断面図である。

【図４】小蓋の内側を示す拡大正面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 ２ 電池収納部 ２ａ 底部 ２ｃ 天井部 ２ｅ 開口部 ３ マイナス接片 ４ プラス接片 ５ 電池 ６ 小蓋 ６ｃ リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠体内部に形成してある電池収納部と、
   上記電池収納部の天井部に設けてあるプラス接片と、上
   記プラス接片と対向して上記電池収納部の底部に設けて
   ある弾性部材よりなるマイナス接片と、上記プラス接片
   と上記マイナス接片とに挾持されるとともに上記マイナ
   ス接片によって上記プラス接片を押圧可能に弾性支持さ
   れる電池と、上記電池収納部の開口部に着脱自在な小蓋
   とを備えた電池収納装置において、 上記小蓋には、上記開口部に装着した状態において、上
   記電池が上下動する際に上記マイナス接片の弾性限度内
   で上記電池の移動範囲を規制するリブが備わっているこ
   とを特徴とする電池収納装置。