JPH0661613A - フォトレジストの電着塗装法及びレジストパターンの製造法 - Google Patents

フォトレジストの電着塗装法及びレジストパターンの製造法

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JPH0661613A
JPH0661613A JP20792292A JP20792292A JPH0661613A JP H0661613 A JPH0661613 A JP H0661613A JP 20792292 A JP20792292 A JP 20792292A JP 20792292 A JP20792292 A JP 20792292A JP H0661613 A JPH0661613 A JP H0661613A
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JP
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substrate
electrodeposition
photoresist
resin
coating
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JP20792292A
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Shigeo Tachiki
繁雄 立木
Takuro Kato
琢郎 加藤
Yuji Yamazaki
雄治 山崎
Toshihiko Shiotani
俊彦 塩谷
Katsutoshi Itani
勝利 井谷
Soichi Saito
荘一 斎藤
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TOKAI ELECTRO CHEMICAL CO
Tokai Denka Kogyo KK
Dai Nippon Toryo KK
Showa Denko Materials Co Ltd
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TOKAI ELECTRO CHEMICAL CO
Tokai Denka Kogyo KK
Dai Nippon Toryo KK
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F1/00Etching metallic material by chemical means
    • C23F1/10Etching compositions
    • C23F1/14Aqueous compositions
    • C23F1/16Acidic compositions
    • C23F1/18Acidic compositions for etching copper or alloys thereof

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜厚むらや塗膜外観の低下を起こすことな
く、基板表面にフォトレジストを電着塗装しうる方法及
び高解像度のレジストパターンの製造法を提供する。 【構成】 表面に銅層を有する基板を、化学研磨液を用
いて表面処理し、水洗し、基板の表面を乾燥し、電着塗
装を行うことを特徴とするフォトレジストの電着塗装
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトレジストの電着
塗装法及びレジストパターンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント回路板を製造するに際し
ては、銅張り積層板の表面にフォトレジスト層を形成
し、次いで、活性光線を画像状に照射し、レジストパタ
ーンを形成している。この工程において、フォトレジス
ト層の形成には、種々の方法が採用されている。例え
ば、光硬化性樹脂組成物溶液(塗液)をディップコー
ト、ロールコート、カーテンコート等の塗装方法により
塗装する方法、あるいは感光性樹脂組成物のフィルム
(感光性フィルム)を積層する方法が知られている。こ
れらの方法のうち、感光性フィルムを積層する方法は、
簡便に均一な厚みのフォトレジスト層が形成できること
から、現在主流の方法として採用されている。
【0003】最近、プリント回路板の高密度、高精度化
が進むにしたがい、レジストパターンは、より高品質の
ものが必要となってきている。すなわち、ピンホールが
なく、下地の基板表面によく密着したレジストパターン
であることが望まれている。しかしながら、かかる要求
に対して、現在主流となっている感光性フィルムを積層
する方法では限界のあることが知られている。この方法
では、基板製造時の打痕、研磨の不均一性、基板内層の
ガラス布の網目、表面への銅めっきのピット等の不均一
などによって生起する基板表面の凹凸への追従性が乏し
く、充分な密着性を得ることが困難である。この困難
は、フィルムの積層を減圧下で行うこと(特公昭59−
3740号公報)によって回避できるが、これには特殊
で高価な装置が必要となる。
【0004】このようなことが理由となって、近年再び
ディップコート、ロールコート、カーテンコート等の溶
液塗装方法が見直されるようになってきた。しかし、こ
れらの塗装方法では塗膜の制御の困難、膜厚の均一性が
不充分、ピンホールの発生等の問題がある。
【0005】そこで、最近、新たな方法として電着塗装
法でフォトレジスト層を形成する方法が提案されてい
る。この方法によると、レジストの密着性が向上す
る、基板表面の凹凸への追従性が良好である、短時
間で膜厚の均一なフォトレジスト層を形成できる、塗
液が水溶液であるため作業環境の汚染を防止でき防災上
にも問題がない等の利点がある。そのため、最近、電着
塗装法によるフォトレジスト層の形成方法や該方法に好
適な電着浴の組成に関していくつかの提案がなされてい
る。
【0006】しかし、本発明者らの検討によると、電着
塗装法によりフォトレジスト層を形成する方法には、上
述した多くの利点が得られる一方、その操作工程には他
の方法には見られない細心の配慮が必要であることが分
かってきた。特に、電着塗装する予備段階としての基板
の前処理は、極めて重要であり、表面が腐蝕していた
り、油分が付着している基板をそのまま電着塗装する
と、電着塗装後に得られたフォトレジストの膜厚が著し
く不均一になり、また、その後の露光、現像によるレジ
ストパターンの形成も阻害される。したがって、電着塗
装する前に、基板表面は前処理により均一に清浄にして
おかなければならない。
【0007】基板表面の前処理方法としては、通常、脱
脂、物理研磨、化学研磨などがあるが、上述したよう
に、基板表面に発生した錆や腐蝕部分を除去するには脱
脂だけでは不充分であり、また、スルーホールのある基
板の場合には、スルーホール内までを処理するには物理
研磨のみでは不充分である。そのため、電着塗装でフォ
トレジスト層を形成する場合の基板表面の前処理には化
学研磨が多用される。
【0008】しかしながら、化学研磨の場合には、特開
平1−7690号公報に開示されているように基板表面
に付着した化学研磨液を洗い流すために水洗、水切りを
するが、電着塗装後のフォトレジストの膜厚のばらつき
が大きく、塗膜外観を著しく低下するという問題があっ
た。また、スルーホールを有する基板を用いるとスルー
ホール内の膜厚が薄い、もしくはスルーホール内が電着
されないという問題があった。また、特開平2−236
93号公報には酸洗後の水洗工程の後、プレディップ槽
で電着液になじませた後にレジストの電着を行なうとの
記述があるが、やはりこの方法でもフォトレジストの膜
厚のばらつきが大きく、塗膜外観が著しく低下するとい
う問題、スルーホール内の膜厚が薄い、もしくはスルー
ホール内が電着されないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膜厚むらや
塗膜外観の低下を起こすことのない、フォトレジストの
電着塗装法及びレジストパターンの製造法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の膜
厚むらや塗膜外観の低下の原因を鋭意研究した結果、水
洗、水切り後に基板表面に残存している水が電着液と完
全に置換されない状態で電着塗装を行ったためであるこ
とを見出した。すなわち、通常の水切りでは基板からし
たたり落ちる水は取り除けるものの、化学研磨で親水性
の増した銅表面に付着した水やスルーホール内の水は取
り除くことができない。このような銅表面に水が付着し
たままの基板を電着液になじまそうとしたり、電着しよ
うとしても、銅表面に強く付着した水やスルーホール内
の水が電着液でうまく置き換わらず、前記のような問題
点が生じることが分かった。
【0011】本発明は、前述の知見を考慮してなされた
もので、化学研磨し、水洗し、水切りした後、基板表面
を乾燥してから電着塗装することによって上記目的を達
成したものである。すなわち、本発明は、表面に銅層を
有する基板を、化学研磨液を用いて表面処理し、水洗
し、基板の表面を乾燥し、電着塗装を行うことを特徴と
するフォトレジストの電着塗装法に関する。
【0012】また、本発明は、上記の電着塗装法により
基板上にフォトレジスト層を形成した後、像状に露光
し、現像することを特徴とするレジストパターンの製造
法に関する。
【0013】まず、本発明のフォトレジストの電着塗装
法について詳述する。本発明においては、表面処理とし
て、化学研磨液を用いる化学研磨を行うが、化学研磨に
先立って、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウム、リン酸ナトリウムなどを用いるアルカリ脱
脂、トリクロルエチレン、パークロルエチレン等の溶剤
脱脂などの脱脂、バフ研磨に代表される物理研磨などを
行うこともできる。
【0014】本発明に用いる化学研磨液としては、特に
制限はなく、各種のものを用いることができるが、硫酸
と過酸化水素を含む水溶液、過硫酸ナトリウム、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩を含む水溶
液などが好適である。
【0015】硫酸と過酸化水素を含む水溶液の場合、硫
酸の濃度は0.5〜30重量%が好ましく、特に5〜2
0重量%がより好ましい。硫酸の濃度が0.5重量%未
満であると、化学研磨効果が充分に発揮されず、また、
30重量%を超えると、不経済であるので好ましくな
い。他方、過酸化水素の濃度は、0.5〜50重量%で
あることが好ましく、特に1〜20重量%がより好まし
い。過酸化水素の濃度が0.5重量%未満であると、化
学研磨効果が充分に発揮されず、また、50重量%を超
えると不経済であるとともに危険を伴うので好ましくな
い。
【0016】また、過硫酸塩を含む水溶液の場合には、
過硫酸塩の濃度は1〜50重量%であることが好まし
く、特に5〜35重量%がより好ましい。過硫酸塩の濃
度が1重量%未満であると、化学研磨効果が充分に発揮
されず、また、50重量%を超えると、不経済であり好
ましくない。なお、過硫酸カリウムは10重量%程度し
か水に溶解せず、濃度には限界がある。
【0017】化学研磨液には、上記の主成分以外にアミ
ン類、アルコール類、グリコールエーテル類、界面活性
剤などを適宜、必要に応じて添加することができる。
【0018】これらの化学研磨液は、通常、10〜50
℃の温度範囲(基板表面の銅を1μm研磨するのに5秒
〜10分かかる)で使用されることが好ましく、特に2
0〜40℃の温度範囲(基板表面の銅を1μm研磨する
のに10秒〜3分かかる)で使用されることが好まし
い。温度が10℃未満であると、生成したCuSO4
溶解度が低くなりすぎ、銅表面に析出するため好ましく
ない。また、50℃を超えると、化学研磨の速度が速す
ぎ、また、過酸化水素H22の分解を促進したりして研
磨量の制御が難しくなる傾向がある。
【0019】化学研磨は、基板を化学研磨液中に浸漬す
る方法、基板表面に化学研磨液を噴霧する方法等により
行われる。前処理による基板表面の銅の研磨量(厚みの
減少量で示される)は、重要であり、0.5μm以上が
好ましく、1.0μm以上がより好ましく、さらには
1.5μm以上が特に好ましい。研磨量が0.5μm未
満であると、前処理した効果が少なく、銅の表面の汚染
状態によって異常電着を引き起こす可能性がある。研磨
量の測定は、研磨前の基板の重量と研磨後の基板の重量
を測定して行なうことができる。
【0020】なお、銅の研磨量は、前処理を化学研磨の
みによって行う場合には、化学研磨のみで0.5μm以
上研磨する必要があり、後述する物理研磨など、他の前
処理法を事前に併用する場合には、化学研磨を含めて各
方法による研磨量の合計が0.5μm以上であればよ
い。
【0021】化学研磨後の基板に付着した化学研磨液を
水洗する方法としては、特に制限はなく、例えば、水中
に基板を浸漬する方法、基板表面に水を噴霧する方法、
基板表面を流水下にさらす方法などが挙げられる。
【0022】上記のようにして水洗した後、電着塗装を
行う前に基板の表面を乾燥するが、ここで乾燥とは、例
えば、空気、窒素ガス等の不活性ガスを濡れている基板
表面に吹き付けるなどの方法で表面の水を除去すること
を言う。この際、基板表面の水が垂れ落ちなくなるまで
放置するか、あるいは絞りロールなどを用いて表面の水
を大まかに除去するなどの水切りをした後、空気や窒素
ガスを吹き付けて乾燥を行ってもよい。また、吹き付け
る空気や窒素ガスの温度を室温以上に高めておくと乾燥
速度が向上し、乾燥効率がよくなる。その後、さらに、
乾燥ゾーンに基板を入れて加熱してもよい。但し、吹き
付ける空気や窒素ガス及び乾燥ゾーンの温度の上限は、
120℃とすることが好ましい。温度が120℃を超え
ると、化学研磨した基板を再び酸化させてしまうなどの
不都合が生じる。また、吹き付ける空気や窒素ガスの温
度は0℃以上とすることが好ましく、0℃未満では基板
に付着した水が凝固して除去できなくなるという問題点
が生じる。スルーホールのある基板でスルーホール内表
面を含む基板表面を乾燥させる場合も、前記の方法と同
様の乾燥方法が適用できる。
【0023】スルーホールのある基板を用いる場合に
は、乾燥後、電着塗装の前に、スルーホール内の気泡を
電着液又はその濃度の0.5〜3倍濃度の液で置換する
工程、すなわち、脱泡工程を行うことが好ましい。
【0024】脱泡工程は、例えば、電着液又はその濃度
の0.5〜3倍の濃度の液にスルーホールのある基板を
浸漬し、基板を機械的に振動若しくは揺動させたり、液
中に出し入れしたり、液の攪拌や液に超音波振動を加え
たり、液をポンプ循環によるシャワーとしたりなどの方
法で行うことができる。これらの方法のうち2種以上の
方法を併用することは、脱泡工程の短縮化に有効であ
る。
【0025】この脱泡工程に要する時間は、5〜120
0秒の範囲が好ましく、20〜600秒の範囲がより好
ましい。脱泡工程の時間が5秒未満であると、スルーホ
ール内の脱泡が不完全で、脱泡工程を設けた効果が低く
なる傾向があり、また、1200秒を超えると、生産能
率が落ちる傾向がある。
【0026】脱泡工程を実施する際に、使用する電着液
又はその濃度の0.5〜3倍の濃度の液(以下、希釈液
若しくは濃縮液と略記することがある)を室温以上に加
温しておくと、脱泡工程時間は短縮されるが、液の温度
を50℃以上にすると電着液中のフォトレジスト成分の
安定性が低下するため好ましくない。
【0027】脱泡工程は、スルーホールのある基板を直
接、電着液の入った電着槽中に入れて行ってもよい。ま
た、電着液又はその希釈液若しくは濃縮液を入れたプレ
ディップ槽(予備槽)の中で脱泡工程を行った後、基板
を電着槽に移し、電着塗装工程に進んでもよい。
【0028】脱泡工程に用いる液は、電着液が好ましい
が、電着液の濃度を0.5〜3倍の範囲で希釈若しくは
濃縮した液を用いることができる。希釈には水を用いる
ことができる。0.5倍より低い濃度の液を用いた場合
には、スルーホール内の膜厚が薄くなる傾向があり、3
倍より高い濃度の液を用いた場合は、液の粘度が高すぎ
て脱泡が不充分となる傾向がある。
【0029】本発明において、乾燥工程(水洗後、基板
の表面を乾燥する工程)と脱泡工程の併用は、スルーホ
ールのある基板に対して外表面だけでなくスルーホール
内もフォトレジストの膜厚の均一化や塗膜外観の向上が
行なえるため好適である。
【0030】また、化学研磨の後、直接、乾燥工程に進
行せずに、酸処理、アルカリ処理など、他の処理工程を
経由した後、乾燥工程に移ってもよい。いずれにして
も、本発明においては、化学研磨を経た基板が、電着塗
装工程又は脱泡工程に入る直前で乾燥工程を経ることが
必要である。
【0031】次に、電着塗装に用いる感光性樹脂組成物
を含む感光性電着塗料について説明する。感光性電着塗
料には、電着塗装形式としてアニオン系とカチオン系と
がある。前者は、電着浴中で樹脂がアニオンに解離し、
陽極である被塗物の基板に樹脂アニオンが電気泳動して
基板表面に析出する方式であり、後者は、樹脂がカチオ
ンに解離し、陰極である被塗物の基板に樹脂カチオンが
電気泳動して基板表面に析出する方法である。したがっ
て、アニオン系の場合には、感光性樹脂組成物の主たる
樹脂中にはアニオンに解離しやすいカルボキシル基を含
み、イオンの解離を促進し、感光性樹脂組成物を水溶化
又は水分散化させるために中和剤として、例えば、トリ
エチルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、ア
ンモニア、水酸化ナトリウム等の塩基が添加される。
【0032】また、カチオン系の場合には、感光性樹脂
組成物の主たる樹脂中にはカチオンに解離しやすいアミ
ノ基を含み、イオンの解離を促進し、感光性樹脂組成物
を水溶化又は水分散化させるために中和剤として、例え
ば、酢酸、乳酸、リン酸、硫酸等の酸が添加される。
【0033】一方、感光システムとしては、ネガ型とポ
ジ型に分類される。前者は、露光部が光硬化して現像液
に不溶となり、未露光部を溶解、現像する方式である。
後者は、例えば、オルトキノンジアジド化合物などのよ
うに露光によりアルカリ水溶液などへの溶解性が増す性
質を利用して、露光部を溶解、現像する方式である。し
たがって、ネガ型の場合には組成物中に光重合性の不飽
和結合を有する化合物と光重合開始剤が必要となる。
【0034】また、ポジ型の場合には、オルトキノンジ
アジド化合物、o−ニトロベンジル化合物、さらには、
t−ブチルエステル基、t−アミルエステル基などの酸
分解性基を有する化合物とヨードニウム塩、スルホニウ
ム塩などの光酸発生剤からなる化学増幅系などが用いら
れる。
【0035】上記の各場合の感光性樹脂組成物の代表例
をまとめると、下記のようになる。
【0036】 アニオン系/ネガ型の場合 カルボキシル基含有樹脂、分子中に重合性不飽和結合を
少なくとも1個有するエチレン性不飽和化合物及び光重
合開始剤が主成分となる。ここで、カルボキシル基含有
樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
等とアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチ
レン等との共重合物が好ましい。また、カルボキシル基
の含有率は、酸価が30〜250となる程度であること
が好ましい。樹脂の酸価が30未満であると、水分散性
が劣り、酸価が250を超えると、電着膜(フォトレジ
スト)の外観が劣る。樹脂の重量平均分子量は、100
0〜150,000が好ましい。分子量が1000未満
であると、電着膜の機械的強度が弱く、150,000
を超えると、電着塗工性が劣る。
【0037】カルボキシル基含有樹脂は、さらに重合性
不飽和基を含んでいてもよい。かかる樹脂としては、カ
ルボキシル基含有樹脂にメタクリル酸グリシジルを付加
反応させたり、水酸基含有モノマーをさらに共重合成分
とする共重合体に、分子中に重合性不飽和結合を有する
モノイソシアナート化合物、例えば、β−メタクリロイ
ルエチルイソシアナートを反応させることによって製造
できる。
【0038】カルボキシル基含有樹脂の他の例として
は、エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸とのエステル化物にお
ける脂肪酸鎖中の不飽和結合にα,β−エチレン性不飽
和二塩基酸又はその無水物を付加させた樹脂がある。ま
た、不飽和脂肪酸変性の高酸価アルキド樹脂も本発明に
用いることができる。さらに、共役ジエン重合体又は共
役ジエン共重合体にα,β−不飽和ジカルボン酸無水物
を付加し、さらにアルコール性水酸基を有するα,β−
不飽和モノカルボン酸エステルを反応させた樹脂があ
る。これらの樹脂の酸価及び分子量は、いずれも前述の
範囲の値であることが好ましい。
【0039】これらのカルボキシル基含有樹脂に用いる
中和剤としては、前述したように、例えば、トリエチル
アミン、モノエタノールアミン、モルホリン、アンモニ
ア、水酸化ナトリウム等の塩基があり、これらは単独で
又は混合物として使用できる。中和剤の使用量は、樹脂
中のカルボキシル基1当量に対して、0.3〜1.0当
量が好ましく、0.3当量未満では電着液の水分散安定
性が低下し、1.0当量を超えると、塗膜厚が薄くな
り、貯蔵安定性も低下する傾向があり、好ましくない。
【0040】分子中に重合性不飽和結合を少なくとも1
個有するエチレン性不飽和化合物としては、エチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート等の多価アルコールのアクリル酸エステ
ルあるいはメタクリル酸エステルを挙げることができ
る。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のア
クリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルも有用
である。
【0041】光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、
エチルアントラキノン、エチルチオキサントン等の公知
の光重合開始剤を用いることができる。
【0042】これらの感光性樹脂組成物は、前記のカル
ボキシル基含有樹脂100重量部に対して、分子中に重
合性不飽和結合を少なくとも1個有するエチレン性不飽
和化合物を20〜50重量部、光重合開始剤を2〜10
重量部の割合で含有していることが好ましい。エチレン
性不飽和化合物が50重量部を超えると、組成物の水分
散性が低下し、20重量部未満では組成物の光硬化性が
低下する傾向がある。光重合開始剤についても上記の範
囲より多すぎると、水分散性が低下し、少なすぎると、
光硬化性が低下する傾向がある。
【0043】これらの感光性樹脂組成物は、前記の3成
分に加えて、着色剤、光発色剤、熱重合防止剤、可塑
剤、充填剤等を含有していてもよい。
【0044】 カチオン系/ネガ型の場合 1〜3級アミノ基含有樹脂、分子中に重合性不飽和結合
を少なくとも1個有するエチレン性不飽和化合物及び光
重合開始剤が主成分となる。ここで、1〜3級アミノ基
含有樹脂としては、例えば、アミノエチル(メタ)アク
リレート〔(メタ)アクリレートは、メタクリレート及
びアクリレートを意味するものとする。以下同様〕、
N,N’−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,
N’−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート等の
アミノ基含有重合性モノマーとアクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、スチレンなどとの共重合物が好ま
しい。また、アミノ基の含有率は、アミン価が30〜2
50となる程度が好ましい。樹脂のアミン価が30未満
では水分散性が劣り、アミン価が250を超えると、電
着膜(フォトレジスト)の外観が劣る。樹脂の重量平均
分子量は、5,000〜150,000が好ましい。分
子量が5,000未満では、電着膜の機械的強度が弱
く、150,000を超えると電着塗工性が劣る。
【0045】アミノ基含有樹脂の他の例としては、前記
のアミノ基含有重合性モノマーの代わりに、例えば、グ
リシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリルアミドなどのグリシジル基含有重合性モノマーと
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン
などとの共重合体を合成し、該共重合体とジメチルアミ
ン、ジエタノールアミン、ピペリジン、モルホリン等の
第二級アミン化合物を付加させることによって得られる
樹脂が挙げられる。さらには、メラミン樹脂、尿素樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂等の
アミノ樹脂なども本発明の方法に用いることができる。
【0046】アミノ基含有樹脂は、さらに、重合性不飽
和基を含むものであってもよい。かかる樹脂は、例え
ば、基体樹脂に含有させたグリシジル基の一部をアミノ
化合物と反応させて開環させ、その後残存するグリシジ
ル基にアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸
を反応させて不飽和基を導入するか、あるいはグリシジ
ル基に水酸基を持った不飽和モノマー、例えば、ヒドロ
キシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート等を反応させて不飽和基を導入することによって製
造することができる。
【0047】これらのアミノ基含有樹脂の中和剤として
は、前述したように、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳
酸、ギ酸、リン酸、硫酸等の酸が使用でき、これらは単
独又は混合物として使用できる。中和剤の使用量は、ア
ミノ基1当量に対して0.3〜1.0当量が好ましく、
0.3当量未満では電着液の水分散安定性が低下し、
1.0当量を超えると、塗膜厚が薄くなり、貯蔵安定性
が低下する傾向があり、好ましくない。
【0048】分子中に重合性不飽和結合を少なくとも1
個有するエチレン性不飽和化合物及び光重合開始剤につ
いては、前記アニオン系/ネガ型の場合に例示したも
のと同じものを使用することができる。
【0049】これらの感光性樹脂組成物は、前記のアミ
ノ基含有樹脂100重量部に対して、1分子中に重合性
不飽和結合を少なくとも1個有するエチレン性不飽和化
合物を20〜50重量部、光重合開始剤を2〜10重量
部の割合で含有していることが好ましい。それぞれの範
囲外での使用は、前記アニオン系/ネガ型の場合に記
載した理由と同様に好ましくない。
【0050】これらの感光性樹脂組成物は、前記の3成
分に加えて、着色剤、光発色剤、熱重合防止剤、可塑
剤、充填剤などを含有していてもよい。
【0051】 アニオン系/ポジ型の場合 一般的には、キノンジアジド基とカルボキシル基とを有
する樹脂系、又はキノンジアジド基を分子内に2個以上
有する化合物(感光剤)とカルボキシル基含有樹脂との
混合系がある。
【0052】前者の例としては、メタクリル酸、アクリ
ル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、t−ブチルアミノエ
チルメタクリレート等に1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ベンゾキノ
ン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等を反応さ
せて得られたモノマー及びアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル等のモノマーを共重合した樹脂がある。
ここで、樹脂中のキノンジアジド基の含有量は、樹脂の
分子量100当たり0.04〜0.20個が好ましく、
0.04個未満では露光時に発生するカルボン酸の量が
少ないため現像が困難であり、0.20個を超えると電
着膜(フォトレジスト)が硬くてひび割れを起こしやす
くなる。
【0053】後者の例としては、前記アニオン系/ネ
ガ型の場合に記載したカルボキシル基含有樹脂に、没食
子酸エステル、トリヒドロキシベンゾフェノン等に1,
2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロ
リド、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スル
ホニルクロリド等を反応させて得られた感光剤を、カル
ボキシル基含有樹脂と感光剤の総量100重量部に対し
て5〜50重量部混合した組成物がある。感光剤の含有
量が5重量部未満では光感度が低く、50重量部を超え
ると電着液の水分散安定性が低下する。
【0054】前者及び後者の樹脂の酸価及び重量平均分
子量は、前記アニオン系/ネガ型の場合に記載したカ
ルボキシル基含有樹脂と同様である。また、用いる中和
剤の代表例及び使用量も同様である。さらに、これらの
感光性樹脂組成物は、前記の主成分に加えて、着色剤、
光発色剤、熱重合防止剤、可塑剤、充填剤などを含有し
ていてもよい。
【0055】 カチオン型/ポジ型の場合 一般的にはキノンジアジドを分子内に付加した1〜3級
アミノ基含有樹脂が主成分として使用される。このよう
な樹脂は、分子内に1個の2級アミノ基を有する重合性
モノマー、例えば、t−ブチルアミノエチルメタクリレ
ート、t−ブチルアミノスチレン等にアニオン系/ポ
ジ型の場合に記載したキノンジアジド類を反応させたモ
ノマー、前記カチオン系/ネガ型の場合に記載した1
〜3級アミノ基含有モノマー及び必要に応じてアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等の重合
性モノマーを共重合することにより得ることができる。
【0056】キノンジアジドを分子内に付加したアミノ
基含有樹脂のアミノ基含有率は、アミン価が30〜25
0となる程度が好ましい。樹脂のアミン価が30未満で
あると水分散性が劣り、アミン価が250を超えると、
電着膜(フォトレジスト)の外観が劣る。樹脂の重量平
均分子量は5000〜150,000が好ましい。分子
量が5000未満では、電着膜の機械的強度が弱く、1
50,000を超えると電着塗工性が劣る。
【0057】また、樹脂中のキノンジアジド基の含有量
は樹脂の分子量100当たり0.04〜0.20個が好
ましく、0.04個未満では露光時に発生するカルボン
酸の量が少ないため現像が困難であり、0.20個を超
えると、樹脂のガラス転移点が高くなり、電着膜(フォ
トレジスト)が硬くてひび割れを起こしやすくなる。
【0058】これらのアミノ基含有樹脂に用いる中和剤
の代表例及び使用量も同様である。さらに、これらの感
光性樹脂組成物は、前記の主成分に加えて、着色剤、光
発色剤、熱重合防止剤、可塑剤、充填剤等を含有してい
てもよい。
【0059】これらの感光性樹脂組成物を用いて電着液
を作製するには、一般的には、まずメトキシエタノー
ル、エトキシエタノール、ジエチレングリコール、ジオ
キサン等の親水性溶媒に感光性樹脂組成物を均一に溶解
させることが望ましい。この場合、樹脂を合成する際に
用いた親水性溶媒をそのまま用いてもよく、いったん合
成溶媒を留去した後、別の親水性溶媒を加えてもよい。
また、親水性溶媒は、2種類以上用いてもよい。親水性
溶媒の使用量は、感光性樹脂組成物100重量部に対し
て300重量部以下の範囲が好ましい。
【0060】次に、この溶液に前記の各場合において示
した中和剤を加えて樹脂を中和することにより水溶化又
は水分散化を容易にする。最後に水を加えて感光性樹脂
組成物を水に溶解又は分散させて電着液を作製すること
ができる。電着液の固形分は5〜20重量%が好まし
く、電着液のpHはアニオン系の場合6.0〜9.0、カ
チオン系の場合3.0〜9.0の範囲が好ましい。
【0061】また、感光性樹脂組成物の水分散性や分散
安定性を高めるために界面活性剤を適宜加えることもで
きる。さらに、電着塗装時の塗布量をコントロールする
ために、トルエン、キシレン、2−エチルヘキシルアル
コール等の疎水性溶媒も適宜添加することができる。
【0062】本発明において、フォトレジストを電着塗
装により形成する基板としては、表面に銅層を有する基
板が用いられる。この基板は、銅箔や銅板でもよく、ま
た、ガラスエポキシ樹脂や紙フェノール樹脂等の基板の
表面に銅箔を積層した銅張り積層板でもよい。また、銅
箔の表面に電解及び/又は無電解銅めっきを施した基板
でもよい。もちろん、銅の表面に他の金属で酸化防止処
理を施してもよく、また、銅の内部に他の金属を含ませ
た合金でもよい。これらの基板には、スルーホールが形
成されていてもよい。
【0063】このような表面に銅層を有する基板に電着
塗装するには、電着液がアニオン系の場合には基板を陽
極とし、カチオン系の場合には基板を陰極として電着液
中に浸漬し、通常、定電流法の場合好ましくは10〜4
00mA/dm2の直流電流を、また、定電圧法の場合
好ましくは50〜400Vの直流電圧を10秒〜5分間
印加して行われる。このときの電着液の温度は15〜3
0℃に管理することが好ましい。
【0064】電着塗装後、電着液から被塗物を引き上
げ、水洗、水切りした後、熱風などで乾燥する。この
際、乾燥温度が高すぎるとフォトレジストが変質するた
め、通常、120℃以下で乾燥することが望ましい。
【0065】次いで、得られたフォトレジストに活性光
線を画像状に照射し、フォトレジストが化学増幅系の場
合には、さらに、60〜150℃で1〜30分間の後加
熱工程を経た後、現像によりレジストパターンを得るこ
とができる。
【0066】活性光線の光源としては、波長300〜4
50nmの光線を発するもの、例えば、水銀蒸気アーク
灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯等が好適に用
いられる。
【0067】現像は、アニオン系の電着液でフォトレジ
ストを形成した場合には、通常、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ水溶液を吹き付けるか、アルカリ水溶液に浸
漬するなどして行われる。また、カチオン系の電着液で
フォトレジストを形成した場合には、通常、酢酸、乳酸
若しくはそれらの水溶液等の酸性液やエタノール、クロ
ロセン、トリクレン等の有機溶媒を吹き付けるか、それ
らの液に浸漬するなどして行われる。
【0068】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるも
のではない。
【0069】参考例1 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入管を備えたフラスコにジオキサン300gを加え、
攪拌し、窒素ガスを吹き込みながら90℃に加温した。
温度が90℃で一定になったところで、メタクリル酸6
7.6g、メタクリル酸メチル166.6g、アクリル
酸n−ブチル165.8g及びアゾビスイソブチロニト
リル4.0gからなる混合物を2時間かけてフラスコ内
に滴下し、その後、90℃で3.5時間攪拌しながら保
温した。
【0070】次いで、アゾビスジメチルバレロニトリル
2gとジオキサン100gとの混合物を30分かけてフ
ラスコ内に滴下し、その後再び攪拌しながら90℃で4
時間保温した。
【0071】このようにして得られた樹脂の重量平均分
子量は35,000、酸価は108、樹脂溶液の固形分
は50.1重量%であった。
【0072】この樹脂溶液150gにペンタエリスリト
ールトリアクリレート(新中村化学株式会社製、UKエ
ステルA−TMM−3)25g、ベンゾフェノン6g及
びN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾ
フェノン0.2gを加えて溶解し、次いで、ジメチルア
ミノエタノール4.5gを加えて溶解した。
【0073】この溶液に脱イオン水850gを攪拌しな
がら加えて電着液〔以下、電着液(A)と称する〕を作
製した。電着液(A)のpHは7.3、固形分は約10重
量%であった。
【0074】参考例2 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入管を備えたフラスコにジオキサン452gを加え、
攪拌しながら窒素ガスを吹き込み、90℃に加温した。
温度が90℃で一定になったところで、メタクリル酸4
3.2g、メタクリル酸メチル132g、アクリル酸n
−ブチル185g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3
9.8g及びアゾビスイソブチロニトリル4gからなる
混合物を2.5時間かけてフラスコ内に滴下し、その
後、90℃で3時間攪拌しながら保温した。3時間後に
アゾビスイソブチロニトリル1.2gをジオキサン40
gに溶かした溶液を10分かけてフラスコ内に滴下し、
その後再び90℃で4時間攪拌しながら保温した。
【0075】このようにして得られた樹脂の重量平均分
子量は56,000、酸価は72、樹脂溶液の固形分は
44.6重量%であった。
【0076】一方、感光剤の合成を下記のように行っ
た。没食子酸n−プロピル21.2g(0.1モル)及
び1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニ
ルクロリド53.7g(0.2モル)をジオキサン50
0mlに溶かした溶液を攪拌しながら40℃に加温し、こ
れにトリエチルアミン21gを30分かけて滴下した。
滴下後、40℃でさらに3時間反応させた後、反応物を
0.1Nの塩酸水溶液に注入し、得られた沈殿物を精
製、濾過して感光剤である没食子酸n−プロピルと1,
2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸との
エステル化合物55gを得た。
【0077】前記の樹脂溶液170g、上記の感光剤2
0g及びトリエチルアミン5.8gを混合し、得られた
溶液に脱イオン水760gを攪拌しながら加えて電着液
を作製した。得られた電着液〔以下、電着液(B)と称
する〕のpHは7.9、固形分は約10重量%であった。
【0078】実施例1 過酸化水素25g/l、硫酸150g/l及びモノブチ
ルセロソルブ5g/lを含む化学研磨液(25℃)に両
面銅張り積層板(MCL−E−61、H18D、日立化
成工業株式会社製、300mm×500mm)を2分間
浸漬した(銅の研磨量2.0μm)。基板を化学研磨液
から引き上げ、流水で水洗し、基板を立てかけて水切り
した後、25℃の窒素ガスを吹き付けて基板表面を乾燥
した。
【0079】この基板を電着液(A)中に陽極として浸
漬し、陰極には同一面積のステンレス板(SUS30
4)を浸漬し、25℃の温度で150Vの直流電圧を3
分間印加して電着塗装を行った。電着液から基板を引き
上げ、水洗後、100℃で10分乾燥し、形成された電
着膜(フォトレジスト)の膜厚及び外観を観察し、結果
を表1に示した。
【0080】得られたフォトレジストを、ネガマスクを
介して3kWの超高圧水銀灯によって100mJ/cm
2の光量で画像状に露光した後、1重量%炭酸ナトリウ
ム水溶液で現像したところ、50μmの高解像度を有し
た良好なレジストパターンを製造することができた。
【0081】実施例2 過硫酸アンモニウム120g/lを含む化学研磨液(2
5℃)に実施例1と同様の基板を1分間浸漬した(銅の
研磨量0.8μm)。基板を化学研磨液から引き上げ、
流水で水洗後、約50℃の温風を吹き付けて基板表面を
乾燥した。
【0082】この基板を電着液(A)の中に陽極として
浸漬し、実施例1と同様の方法及び条件で電着塗装及び
乾燥を行い、形成されたフォトレジストの膜厚及び外観
を観察し、結果を表1に示した。
【0083】得られたフォトレジストについて、実施例
1と同様の方法及び条件で露光及び現像を行ったとこ
ろ、50μmの高解像度を有した良好なレジストパター
ンを製造することができた。
【0084】実施例3 過酸化水素20g/l及び硫酸150g/lを含む化学
研磨液(30℃)に実施例1と同様の基板を1.5分浸
漬した(銅の研磨量1.5μm)。基板を化学研磨液か
ら引き上げ、流水で水洗後、25℃の空気を吹き付けて
乾燥した。
【0085】次に、この基板を陽極として、実施例1と
同様の方法及び条件で電着塗装及び乾燥を行い、形成さ
れたフォトレジストの膜厚及び外観を観察し、結果を表
1に示した。
【0086】得られたフォトレジストについて、実施例
1と同様の方法及び条件で露光及び現像を行ったとこ
ろ、50μmの高解像度を有した良好なレジストパター
ンを製造することができた。
【0087】実施例4 実施例1で用いた両面銅張り積層板の所定位置に直径
0.4mmから1.0mmのドリル穴をあけ、次いで銅
めっきを施して、両面銅張り積層板の表面及びスルーホ
ールの孔壁部に銅めっき層を形成した基板を、実施例1
で用いた化学研磨液に1.5分間浸漬した(銅の研磨量
1.5μm)。基板を化学研磨液から引き上げ、流水で
水洗後、約60℃の温風を吹き付けて基板表面及びスル
ーホール内部を乾燥した。
【0088】この基板を25℃の電着液(B)中に浸漬
し、縦方向に50mmのストロークで基板を20回揺動
させた後、そのまま基板を陽極とし、陰極には同一面積
のステンレス板(SUS304)を浸漬し、150Vの
直流電圧を3分間印加して電着塗装を行った。電着液か
ら基板をひきあげ、水洗後、80℃で10分乾燥し、形
成されたフォトレジストの膜厚及び外観を観察し、結果
を表1に示した。
【0089】得られたフォトレジストを、ポジマスクを
介して3kWの超高圧水銀灯によって300mJ/cm
2の光量で画像状に露光した後、1重量%のメタ珪酸ナ
トリウム水溶液で現像したところ、50μmの高解像度
を有した良好なレジストパターンを製造することができ
た。
【0090】実施例5 実施例3に用いた化学研磨液に、実施例4で用いたスル
ーホールを有する基板を1分間浸漬した(銅の研磨量
1.0μm)。基板を化学研磨液から引き上げ、水槽中
で1回、さらに基板に水を噴霧して水洗した。
【0091】この基板に25℃の空気を吹き付けて乾燥
させ、電着液(B)を水で0.9倍の濃度に希釈した液
(液温35℃)の中に浸漬し、縦方向に50mmのスト
ロークで基板を20回揺動させ、次いで、横方向に40
mmのストロークで基板を15回揺動させて脱泡工程を
終了した。
【0092】その後、この基板を25℃の電着液(B)
中に陽極として浸漬し、実施例4と同様の方法及び条件
で電着塗装及び乾燥を行い、形成されたフォトレジスト
の膜厚及び外観を観察し、結果を表1に示した。
【0093】得られたフォトレジストについて、実施例
4と同様の方法及び条件で露光及び現像を行ったとこ
ろ、50μmの高解像度を有した良好なレジストパター
ンを製造することができた。
【0094】比較例1 実施例1と同様の基板を、化学研磨処理することなし
に、直接、電着液(A)中に陽極として浸漬し、実施例
1と同様の方法及び条件で電着塗装及び乾燥を行い、形
成されたフォトレジストの膜厚及び外観を観察し、結果
を表1に示した。
【0095】得られたフォトレジストについて、実施例
1と同様の方法及び条件で露光及び現像を行った。
【0096】比較例2 実施例1と同様の基板を実施例1と同様の方法及び条件
で化学研磨し、水洗後、乾燥工程を経ずに直接、電着液
(A)中に陽極として浸漬し、実施例1と同様の方法及
び条件で電着塗装及び乾燥を行い、形成されたフォトレ
ジストの膜厚及び外観を観察し、結果を表1に示した。
【0097】得られたフォトレジストについて、実施例
1と同様の方法及び条件で露光及び現像を行った。
【0098】比較例3 実施例4と同様のスルーホールを有する基板を実施例4
と同様の方法及び条件で化学研磨し、水洗後、乾燥工程
を経ずに直接、電着液(B)中に陽極として浸漬し、実
施例4と同様の方法及び条件で電着塗装及び乾燥を行
い、形成されたフォトレジストの膜厚及び外観を観察
し、結果を表1に示した。
【0099】得られたフォトレジストについて、実施例
4と同様の方法及び条件で露光及び現像を行った。
【0100】表1において、膜厚の「ばらつき」は、1
枚の基板について均等に15ヶ所の位置で膜厚を渦電流
式膜厚計(パーマスコープE111、Fischer社
製)を用いて測定し、そのうちの最大膜厚(μm)と最
小膜厚(μm)との差をばらつきとして表したものであ
る。
【0101】
【表1】
【0102】化学研磨処理を施さない基板を用いた比較
例1の場合には、基板表面の指紋跡や腐蝕の部分が電着
塗装後のフォトレジストにも塗膜むらとして反映され、
膜厚のばらつきも実施例1〜5に比べて大きい。また、
現像後の基板の未露光部には現像によっても除去されな
い現像残りが多く発生し、特に、基板の表面が腐蝕して
いる部分では、現像残りが著しく、その後のエッチング
工程では銅のエッチングが困難であった。
【0103】また、化学研磨処理後、乾燥若しくはなじ
み工程を経ずに電着塗装を行った比較例2及び3の場合
は、目視でも判別できる程、フォトレジストの膜厚のば
らつきが大きかった。また、露光、現像後の基板の、比
較例2の場合には未露光部、比較例3の場合には露光部
には、比較例1に見られた現像残りは認められなかった
が、膜厚のばらつきを反映し、場所によって過剰露光、
露光不足が発生し、レジストパターンの太りや細りが生
じた。その結果、レジストパターンの形状は、実施例1
〜5の場合に比べて著しく劣り、解像度も100μm以
上と低かった。また、比較例3の場合には、スルーホー
ルの内部にレジストが形成されていない箇所が多数あっ
た。
【0104】これに対し、実施例1〜5になるフォトレ
ジストの膜厚は極めて均一で、塗膜外観も光沢があり、
良好であった。これにより、露光、現像後のレジストパ
ターンも解像度は50μmと高く、シャープな形状であ
った。もちろん、現像残りは認められなかった。また、
実施例4及び5の場合には、スルーホールの内部にも均
一にレジストが形成されていた。
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、電着塗装後の電着膜
(フォトレジスト)が基板の表面の影響を受けることな
く、均一に形成され、また、スルーホールのある基板で
はスルーホールの内部まで欠陥なく均一にレジストが形
成され、さらに水洗水を電着槽に持ち込むことが無いた
め電着槽の管理が容易であり、これを露光、現像すれ
ば、シャープな高解像度のレジストパターンを得ること
ができ、殊に、プリント回路板の製造に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 13/00 309 13/20 C // C23F 1/18 8414−4K (72)発明者 立木 繁雄 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 加藤 琢郎 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 山崎 雄治 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 塩谷 俊彦 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 井谷 勝利 静岡県富士市富士岡580番地 東海電化工 業株式会社吉原工場内 (72)発明者 斎藤 荘一 静岡県富士市富士岡580番地 東海電化工 業株式会社吉原工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に銅層を有する基板を、化学研磨液
    を用いて表面処理し、水洗し、基板の表面を乾燥し、電
    着塗装を行なうことを特徴とするフォトレジストの電着
    塗装法。
  2. 【請求項2】 化学研磨液が、硫酸と過酸化水素を含む
    液又は過硫酸塩を含む液である請求項1記載のフォトレ
    ジストの電着塗装法。
  3. 【請求項3】 化学研磨液を用いた表面処理において基
    板の表面の銅層の研磨量が、0.5μm以上である請求
    項1又は2記載のフォトレジストの電着塗装法。
  4. 【請求項4】 基板がスルーホールを有し、かつ基板の
    表面を乾燥した後にスルーホール内の脱泡を行い、その
    後電着塗装を行なう請求項1、2又は3記載のフォトレ
    ジストの電着塗装法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の電着塗装
    法により基板上にフォトレジスト層を形成した後、像状
    に露光し、現像することを特徴とするレジストパターン
    の製造法。
JP20792292A 1992-08-04 1992-08-04 フォトレジストの電着塗装法及びレジストパターンの製造法 Withdrawn JPH0661613A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101374799B1 (ko) * 2013-11-12 2014-03-17 주식회사 세원하이텍 펄감을 표현하는 전착도장방법

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