JPH0661588B2

JPH0661588B2 - 加工機に設けられた材料引込装置に用いられるクランク駆動装置

Info

Publication number: JPH0661588B2
Application number: JP2174647A
Authority: JP
Inventors: オツトー・ビーラー; エドウアルト・ブリユーラー
Original assignee: オツトー・ビーラー・マシーネンフアブリーク・フエルヴアルツングス‐ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
Priority date: 1989-07-04
Filing date: 1990-07-03
Publication date: 1994-08-17
Anticipated expiration: 2009-08-17
Also published as: EP0406808B1; ES2041473T3; US5203486A; JPH0342134A; DE3921998A1; DE59001348D1; EP0406808A1

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、加工機、特に打抜き兼曲げ自動装置に設けら
れた材料引込装置に用いられるクランク駆動装置であっ
て、定置の支承装置でクランク板軸線を中心にして一定
の回転数で回転するクランク板と、キャリッジ装置を介
して前記クランク板に取り付けられた、前記クランク板
軸線に対する偏心率を調節可能なクランクピンとが設け
られていて、この場合、該クランクピンの偏心率を調節
するために、外方からの作用によって操作すべき偏心率
基本調節装置と、回転角度に関連した、つまり前記クラ
ンク板の各位置角度調節量に関連した偏心率修正装置と
が設けられている形式のものに関する。

［従来の技術］このような形式のクランク駆動装置は西ドイツ国特許出
願公開第２７０６３５１号明細書に基づき公知である。
上記西ドイツ国特許出願公開明細書の特に第７図に示さ
れた実施例では、主キャリッジがスピンドル駆動装置に
よって移動調節可能にクランク板に取り付けられてい
る。主キャリッジと整合して案内されている副キャリッ
ジには、クランクピンが設けられている。主キャリッジ
と副キャリッジとの間には、ハイドロリック式の偏心率
修正装置が設けられている。この偏心率修正装置は主キ
ャリッジにしっかりと取り付けられたシリンダ内に両側
で負荷されるピストンを有している。クランクピンがク
ランク板軸線を中心にして回転する間に偏心率を修正す
るためには、前記ピストンを、該ピストンの両側に設置
されたシリンダ室に対する相応するハイドロリック式の
供給と排出とによって修正に合うようにシフトすること
が必要となる。前記の供給および排出は周期的にクラン
ク板回転の所定のタイミングで行なわれなければならな
い。このためには、両シリンダ室のそれぞれに用いられ
る、高い精度で作動する分配装置と共に、シリンダ室
と、定置に配置された供給装置との間の回転結合が必要
となる。

前記公知の装置を用いると、クランクピンの線状運動の
位置−時間曲線をクランク板軸線に対して半径方向の作
用ラインの方向で正弦曲線に対して修正することが可能
であり、この場合、互いに逆向きの頂部の最大範囲は偏
平されていて、側縁中心範囲の時間線に対する傾斜角度
は急勾配を有している。このことは、第一に材料引込装
置の引込時間を短縮し、第二に終端制限ストッパへの材
料引込装置の衝突時にクランクピンと材料引込装置との
間の伝達区間に設置された弾性部材の圧縮距離を短縮す
るために望ましい。

西ドイツ国特許第２８５０９４４号明細書に基づき、ク
ランクピン作用方向におけるクランクピン直線運動のこ
のように改良された位置−時間曲線を得るための機械的
手段も知られている。この場合には、クランク板軸線に
対する基本偏心率を調節されるようになっているクラン
クピンに滑子が回転可能に支承されている。この滑子は
クランクピンから材料引込装置に通じるリンクに設けら
れた滑子ガイドに係合している。さらにクランク板に
は、このクランク板に対して運転に応じて不動となる３
つ股の等径ひずみ円(ein dreizackiqes Gleichdick)が
配置されている。リンクには、２つのカムフォロアロー
ラが取り付けられていて、これらのカムフォロアローラ
は前記の等径ひずみ円の周面カムと常に係合している。
このような構成では、基本偏心率を変える場合に、クラ
ンク板上の前記等径ひずみ円をその都度クランクピンを
中心とする角度位置に関して移動調節し、かつ再び位置
固定すると同時に、カムフォロアローラによって形成さ
れたカムフォロアの摺動方向を引込キャリッジの運転方
向に対して種々様々の方向に調節することが必要とな
る。このことは、基本偏心率を変えるときにその都度著
しく調節の手間がかかることを意味する。

［発明が解決しようとする課題］本発明の課題は冒頭で述べた形式のクランク駆動装置か
ら出発して、基本偏心率を変える際に必要となる調節の
手間が減じられているような、所望の位置−時間曲線を
得るための機械的な駆動手段を提供することである。

［課題を解決するための手段］この課題を解決するために本発明の構成では、クランク
板に沿ってクランク板軸線に対してほぼ半径方向で主キ
ャリッジガイドに案内された主キャリッジが、支承装置
に対して位置固定で、クランク板軸線を中心にして環状
に閉じられたカム軌道装置から、カムフォロア装置と、
該カムフォロア装置と前記主キャリッジとの間の機械的
な伝達伝動装置とを介して運動させられて、前記主キャ
リッジがクランク板の回転時に強制的に前記主キャリッ
ジガイドに沿って周期的に往復運動するようになってお
り、クランクピンが前記主キャリッジに対して相対的
に、該主キャリッジに配置された基本偏心率調節装置に
よって移動調節可能であり、前記クランクピンがクラン
ク板の回転時に前記主キャリッジに対する所定の位置を
維持して、前記主キャリッジと共に前記主キャリッジガ
イドに沿って周期的に往復運動させられるようにした。

［発明の効果］本発明によるクランク駆動装置の構成では、基本偏心率
を調節するために別の調節が原則的に必要とならない、
つまり基本偏心率が所定の基本偏心率範囲に留まってい
る限りは、いかなる場合でも別の調節作業が必要となら
ないことが判明した。極めて大きな基本偏心率変化が意
図される場合にだけ、互いに隣接した種々の基本偏心率
範囲に合わせてカム軌道装置を交換することが必要とな
り得る。

基本偏心率変化の過程を簡単にするために、本発明の別
の構成では、主キャリッジに、クランクピンを支持する
副キャリッジが配置されていて、基本偏心率調節装置に
よって調節可能である。この場合に基本偏心率調節装置
はたとえばスピンドル駆動装置によって形成されていて
よく、副キャリッジは主キャリッジで副キャリッジガイ
ドに案内されていてよく、この副キャリッジガイドは主
キャリッジガイドに対してほぼ平行である。

カムフォロア装置とカム軌道装置との間の係合の維持は
カムフォロア装置に対するばねプレロードによって保証
されていてよい。カムフォロア装置とカム軌道との間の
係合ロスによって妨げられるおそれのある極めて高い精
密度が要求される場合には、プレロードとはほとんど無
関係の形状接続的な手段が考えられる。このような手段
とは、カム軌道装置がほぼ一定の間隔で延びる２つのカ
ム軌道を有していて、これらのうち一方のカム軌道が半
径方向内側に向いていて、他方のカム軌道が半径方向外
側に向いており、カムフォロア装置が互いに隣接した２
つのカムフォロアローラを有していて、これらのうち各
一方のカムフォロアローラが前記一方のカム軌道と係合
していて、各他方のカムフォロアローラが前記他方のカ
ム軌道と係合していることにある。別の手段は、カム軌
道装置が、クランク板軸線の方向に互いにずらされて同
じように半径方向内側または半径方向外側に向けられた
２つのカム軌道を有していて、カムフォロア装置が前記
両カム軌道のそれぞれと係合している各１つのカムフォ
ロアローラを有している。

正弦曲線のその都度最適な変性を得るためには、カム軌
道装置のカムが種々様々に成形されていてよい。たとえ
ばカム軌道装置は、クランクピンがクランク板軸線に対
してほぼ半径方向に延びる作用方向で（時間線上に描く
と）、互いに反対方向に向いた最大値の範囲で偏平にさ
れているような、正弦曲線から偏倚された位置曲線に沿
って運動するように成形されていてよい。このような形
状を与えることによって、クランクピンと材料引込装置
との間の伝達手段に設けられた弾性部材の変形距離だけ
が短縮され、この場合、引込時間の著しい短縮は起こら
ず、ひいては加工機の加工工具のための加工時間の著し
い延長も生じない。

しかし、クランクピンがクランク板軸線に対してほぼ半
径方向に延びる作用方向で（時間線上に描くと）、側縁
中心範囲で正弦曲線に対して急傾斜を有するような、つ
まり時間線と共に、それぞれ９０°に向かって拡大され
た角度を成しているような、前記正弦曲線から偏倚され
た位置曲線に沿って運動するように二重カム装置を成形
することも可能である。このような構成においては、場
合によっては前記弾性的な伝達部材の圧縮距離短縮と共
に引込時間の短縮、ひいては加工時間の延長を得ること
ができる。

カムフォロアと主キャリッジとの間に可変の伝達比を有
する機械的な伝達伝動装置が設けられていると、唯一つ
のカム軌道装置を用いての、基本偏心率の所定範囲内で
の種々の基本偏心率値に合わせた偏心率修正の調整可能
性をさらに著しく改善することができる。伝達比をこの
ように変えることは、基本偏心率を変える際に付加的な
調節作業を必要とするが、しかしながらこのような変更
作業は調節の手間という点から見れば、公知技術に属す
る手段において必要とされた調節作業に比べてはるかに
手間がかからない。

本発明の別の有利な構成では、特別な作業工程としての
付加的な調節作業を節約することができ、この場合、前
記伝達伝動装置の伝達比は偏心率基本調節の調節量に強
制的に関連させられて可変にされる。

伝達比に影響を与えるための手段は、クランク板でカム
フォロア支持体がクランク板軸線に対してほぼ半径方向
で支持体ガイドに案内されていて、前記カムフォロア支
持体に前記支持体ガイドに対して角度をずらされた斜め
ガイドが配置されており、主キャリッジに、前記斜めガ
イドに係合する、主キャリッジガイドのガイド方向に対
して角度をずらされた対応斜めガイドが設けられている
ことにある。この場合に伝達比は前記傾めガイドもしく
は前記対応斜めガイドの各角度ずれの量に関連してい
る。

このような構成では、伝達比を容易に可変にすることが
できる。この場合、カムフォロア支持体の斜めガイドは
調節エレメントに設けられており、この調節エレメント
はクランク板軸線に対して平行な調節軸線を中心にして
前記カムフォロア支持体に対して回転可能に支承されて
おり、主キャリッジの対応斜めガイドは対応調節エレメ
ントに設けられており、この対応調節エレメントは前記
主キャリッジでクランク板軸線に対して平行な調節軸線
を中心にして調節可能であり、前記両エレメント、つま
り調節エレメントと対応調節エレメントとの少なくとも
一方は、それぞれ所属の構成部分、つまりカムフォロア
支持体もしくは主キャリッジにおいて、各調節軸線を中
心とする種々の角度調節量で位置固定可能である。伝達
比変化手段の比較的容易な実施可能性の理由から、主キ
ャリッジに配置された対応対調節エレメントが各調節軸
線を中心とする種々の角度調節量で位置固定可能である
ことが推奨される。

クランクピンの偏心率修正を基本偏心率調節量に強制的
に関連させるという思想は、傾めガイドを有する調節エ
レメントと対応斜めガイドを有する対応調節エレメント
とを用いる構成に適用することができる。この場合、前
記対応調節エレメントは、主キャリッジに設けられた偏
心率基本調節装置の調節量に強制的に関連させられて調
節可能である。たとえば、このような強制的な関連性
は、主キャリッジに設けられた副キャリッジガイドに案
内された副キャリッジにクランクピンが配置されている
と実現することができ、この場合、副キャリッジはラッ
クを備えており、このラックは対応調節エレメントに設
けられた歯車と噛み合っている。

傾めガイドと対応斜めガイドとの協働は、たとえば両ガ
イド、つまり傾めガイドと対応斜めガイドのうち一方が
ガイド溝として構成されていて、他方が前記ガイド溝に
係合するガイドリブとして構成されていることにより保
証され得る。

クランクピンから材料引込装置の引込キャリッジへの駆
動伝達手段は任意であり、本発明によるクランク駆動装
置の構成によって制限されるものではない。すなわち、
たとえば前記クランクピンがリンク駆動装置を介して引
込キャリッジと結合されているか、または前記クランク
ピンがスライダクランク駆動装置を介して引込キャリッ
ジと結合されていることが可能である。

「クランク板」とはクランクピンを備えた回転部分のあ
らゆる形状を含むものとする。すなわち、クランク板が
駆動軸の一部または駆動軸に装着されたフランジによっ
て形成されていてもよい。

より大きな基本偏心率変化にも応じることができるよう
にするためには、カム軌道装置が交換可能に支承装置に
設けられていることが推奨される。

［実施例］以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

第１図には、キャリッジ装置１２を備えた、クランク板
軸線０を中心にして回転するクランク板１０が認められ
る。キャリッジ装置１２には、クランクピン１４が設け
られており、このクランクピンはクランク板軸線０に対
して所定の偏心率を有している。クランクピン１４から
は、リンク１６が伝達レバー１８に通じており、この伝
達レバーは定置の旋回軸２０を中心にして旋回可能であ
る。旋回レバー１８は圧縮弾性的な伝達エレメント２２
を介してリンク１６と結合されている。旋回レバー１８
の自由端部はジョイントラグ２４を介して引込装置２８
の引込キャリッジ２６と結合されている。クランク板１
０が回転すると、引込キャリッジ２６は矢印方向３０で
旋回レバー１８によって往復運動させられる。このと
き、引込キャリッジ２６はその振動運動の終端点の近く
でその都度、対応ストッパ３２に衝突し、この場合、旋
回レバー１８の各残留運動は圧縮弾性的な伝達エレメン
ト２２によって受け止められる。引込キャリッジ２６に
は、材料クランプ装置３４が設けられており、この材料
クランプ装置は所定の機械タイミングで制御されるの
で、引込キャリッジ２６が左側の対応ストッパ３２に当
接すると、前記材料クランプ装置は引込みたい材料３６
をその都度把持し、また引込キャリッジ２６が右側の対
応ストッパ３２に当接すると、前記材料クランプ装置は
前記材料をその都度開放する。こうして、材料３６はス
テップバイステップに左から右へ送られる。材料保持装
置（図示しない）は、材料クランプ装置３４が解除され
るとその都度材料を固持するようになっており、したが
って材料クランプ装置３４に対する所定の対応タイミン
グで制御される。キャリッジ装置１２は、基本偏心率Ｅ
がスピンドル駆動装置３８によって変えられて、さら
に、クランクピン１４がクランク板軸線０を中心にして
１回転する間に偏心率の修正が行なわれように構成され
ている。偏心率修正の結果は第６図に示されている。こ
の偏心率修正が行なわれない場合、引込キャリッジ２６
の運動は正弦曲線４０に相応して行なわれる。ところ
が、この偏心率修正のおかげで、偏平にされた頂部４２
が生ぜしめられる。さらに第６図の右側には、偏心率修
正によって達成可能な別の曲線形状４４が示されてお
り、この場合、側縁部４４ａが時間軸線ｔの範囲で急勾
配を有している。すなわち、引込時間が短縮されてお
り、ひいては加工工具（図示しない）による材料加工時
間が延長されている訳である。

第２図〜第５図には、同じくクランク板１０とキャリッ
ジ装置１２とが認められる。

キャリッジ装置１２は主キャリッジ４６を有しており、
この主キャリッジは特に第４図と第５図から判かるよう
に、主キャリッジガイド４８にクランク板１０に沿って
案内されている。クランク板１０は駆動軸５０と固く結
合されており、この駆動軸は軸受け５２を用いて支承ケ
ーシング５４に回転可能に支承されていて、一定の回転
数で駆動されるようになっている。

主キャリッジガイド４８に沿った主キャリッジ４６の運
動はポット形のカム板５６によって引き出されるように
なっており、このカム板は支承ケーシング５４に交換可
能にしっかりと固定されていて、クランク板軸線０を完
全に取り囲んで延びている。前記カム板５６には、２つ
のカム軌道５８，６０が設けられており、この場合、カ
ム軌道５８は半径方向外側に向いていて、カム軌道６０
は半径方向内側に向いている。クランク板１０に設けら
れた支持体ガイド６２には、カムフォロア支持体６４が
クランク板軸線０に関してほぼ半径方向に摺動可能に案
内されている。カムフォロア支持体６４は第４図で見て
左側の端範囲に２つのカムフォロアローラ６６，６８を
有しており、両カムフォロアローラのうち一方のカムフ
ォロアローラ６６はカム軌道５８と係合していて、他方
のカムフォロアローラ６８はカム軌道６０と係合してい
る。カム軌道５８，６０は第２図から判かるように、円
形とは異なる経過を有している。クランク板１０が回転
すると、カムフォロアローラ６６，６８がカム軌道５
８，６０に係合しているため、カムフォロア支持体６４
は支持体ガイド６２に沿って周期的に往復運動させられ
る。カムフォロア支持体のこの往復運動は調節エレメン
ト７０に伝達され、この調節エレメントはカムフォロア
支持体６４に設けられた円筒状の切欠き７２に回転可能
に収容されている。この調節エレメント７０は斜めガイ
ド溝７４を有しており、この斜めガイド溝は特に第２図
から認められるように、カムフォロア支持体６４のガイ
ド方向に対して約４５°の角度αだけ傾けられている。
斜めガイド溝７４は斜めガイドリブ７６と係合してお
り、この斜めガイドリブは対応調節エレメント７８に設
けられている。対応調節エレメント７８は主キャリッジ
４６に設けられた円筒状の切欠き８０に回転可能に収容
されていて、主キャリッジ４６に相対回動不能に位置固
定されるようになっている。

カムフォロア支持体６４が支持体ガイド６２に沿って往
復運動を実施すると、この往復運動は調節エレメント７
０の斜めガイド溝７４と対応調節エレメント７８の斜め
ガイドリブ７６とを介して主キャリッジ４６に伝達され
る。ガイドレール４８によって規定された主キャリッジ
４６のガイド方向Ｘは支持体ガイド６２によって規定さ
れたカムフォロア支持体６４のガイド方向Ｙに対してほ
ぼ直角である。ガイド方向ＸおよびＹに対する斜めガイ
ド溝７４と斜めガイドリブ７６との４５°調節におい
て、伝達比は１：１である。すなわち、カムフォロア支
持体６４の運動は主キャリッジ４６の等大の運動に変わ
る。第２図に示した角度αの傾斜を変えることにより、
伝達比を変えることができる。

主キャリッジ４６では、副キャリッジガイド８２に副キ
ャリッジ８４が案内されている。副キャリッジガイド８
２のガイド方向は主キャリッジ４６のガイド方向Ｘに対
して平行である。副キャリッジ８４はクランクピン１４
を支持していて、主キャリッジ４６に対してスピンドル
駆動装置３８によって位置調節可能であり、これにより
基本偏心率Ｅが調節される。クランクピン１４がクラン
ク板軸線０を中心にして１回転する際に生ぜしめられる
偏心率修正量は第３図に符号ｅで示されている。この偏
心率修正量ｅはクランク板１０が１回転する間、カム軌
道５８，６０の経過に相応して変化する。これによって
第６図に示したような位置−時間曲線４０，４２が成立
し、この位置−時間曲線は矢印Ｘの方向におけるクラン
クピン１４の位置を時間または回転角度に関連して示し
ていて、引込キャリッジ２６の運動経過にほぼ一致して
いる。

第４図と第５図から判かるように、対応調節エレメント
７８には歯車８６が相対回動不能に結合されており、こ
の歯車は副キャリッジ８４に設けられたラック８８と噛
み合っている。副キャリッジ８４がスピンドル駆動装置
３８によって副キャリッジガイド８２内でシフトされる
と、必然的に歯車８６が回転させられ、これによって第
２図に示した角度αが変化する。言い換えれば、ガイド
方向Ｙにおけるカムフォロア支持体６４の運動と、運動
方向Ｘにおける主キャリッジ４６の運動との間の伝達比
が変えられる。

スピンドル駆動装置３８はセルフロック式であるので、
このスピンドル駆動装置３８の操作後に副キャリッジ８
４は主キャリッジ４６に不動に位置しており、角度αも
固定的に調節されている。

クランクピン１４の瞬間偏心率はスピンドル駆動装置３
８によって調節された基本偏心率Ｅと、カム軌道５８，
６０の経過によって生ぜしめられる偏心率修正量ｅとの
重畳から生ぜしめられる。

たとえばカム軌道５８、６０は範囲ＧおよびＨに各１つ
の扁平部または凹部を有しており、この扁平部または凹
部は第６図に破線で示した正弦曲線の頂部に対する扁平
な頂部４２を形成する役目を持っている。

スピンドル駆動装置３８を回動させることによって、基
本偏心率Ｅと角度α、つまりカムフォロア支持体６４と
主キャリッジ４６との間の伝達比とを同時に変えること
ができる。こうして偏心率修正量ｅを、所定の基本偏心
率範囲内でその都度基本偏心率Ｅに合わせて調整するこ
とができる。この基本偏心率範囲が超過される場合、ポ
ット形のカム板５６を、続きの基本偏心率範囲Ｅに相当
するカム板と交換することができる。

第７図には、第２図〜第６図に示した実施例の変化形が
示されている。同一の部分は第２図〜第６図の場合と同
様の符号を備えているが、それぞれ１００を加えてあ
る。

第７図に示した実施例は、ポット状のカム板５６の代わ
りに２つのカム板１５８および１６０が設けられている
点でのみ第２図〜第６図に示した実施例とは異なってい
る。カムフォロアローラ１６６，１６８はクランク板軸
線０に関して直径方向で互いに向かい合って位置してい
る。すなわち、一方のカムフォロアローラはカム板１５
８に接触していて、他方のカムフォロアローラはカム板
１６０に接触している。

第８図には、単純化された実施例が示されている。同一
の部分はやはり第２図〜第６図に示した実施例と同様の
符号を備えているが、この場合にはそれぞれ２００を加
えてある。この実施例では、主キャリッジ２４６自体が
カムフォロア支持体として構成されていて、カムフォロ
アローラ２６６，２６８を支持している。これらのカム
フォロアローラはポット形のカム板２５６と係合してい
る。副キャリッジ２８４はスピンドル駆動装置２３８に
よって主キャリッジ２４６に対して移動調節可能であ
る。凹部Ｇ′およびＨ′はこの実施例では、第２図〜第
６図に示した実施例における凹部ＧおよびＨの位置に対
して９０°だけずらされている。その結果は第６図に示
した結果に相当している。この場合、伝達比を変える可
能性は存在しない。要するに、この実施例は狭い基本偏
心率範囲に対してしか適用され得ない。カム板２５６の
交換可能性はこの場合にも存在する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるクランク駆動装置を備えた材料引
込装置の概略図、第２図は本発明によるクランク駆動装
置の第１実施例を示す平面図、第３図は第２図のIII-II
I線に沿って断面した図、第４図は第２図のIV-IV線に沿
って断面した図、第５図は第１実施例によるクランク駆
動装置を分解して示す斜視図、第６図は第１実施例によ
るクランク駆動装置によって得られる、第１図に示した
引込キャリッジの位置−時間曲線、第７図は本発明によ
るクランク駆動装置の第２実施例によるカム軌道配置形
式とカムフォロア配置形式とを示す図、第８図は本発明
によるクランク駆動装置の第３実施例を示す図である。０……クランク板軸線、１０……クランク板、１２……
キャリッジ装置、１４……クランクピン、１６……リン
ク、１８……伝達レバー、２０……旋回軸、２２……伝
達エレメント、２４……ジョイントラグ、２６……引込
キャリッジ、２８……引込装置、３０……矢印、３２…
…対応ストッパ、３４……材料クランプ装置、３６……
材料、３８……スピンドル駆動装置、４０……正弦曲
線、４２……頂部、４４……曲線形状、４４ａ……側縁
部、４６……主キャリッジ、４８……主キャリッジガイ
ド、５０……駆動軸、５２……軸受け、５４……支承ケ
ーシング、５６……カム板、５８，６０……カム軌道、
６２……支持体ガイド、６４……カムフォロア支持体、
６６，６８……カムフォロアローラ、７０……調節エレ
メント、７２……切欠き、７４……斜めガイド溝、７６
……斜めガイドリブ、７８……対応調節エレメント、８
０……切欠き、８２……副キャリッジガイド、８４……
副キャリッジ、８６……歯車、８８……ラック、１５
８，１６０……カム板、１６６，１６８……カムフォロ
アローラ、２３８……スピンドル駆動装置、２４６……
主キャリッジ、２５６……カム板、２６６，２６８……
カムフォロアローラ、２８４……副キャリッジ、α……
角度、Ｘ，Ｙ……ガイド方向、Ｅ……基本偏心率、ｅ…
…偏心率修正量、Ｇ，Ｈ，Ｇ′，Ｈ′……凹部

フロントページの続き (56)参考文献特開昭53−101782（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】加工機に設けられた材料引込装置（２６，
３４）に用いられるクランク駆動装置であって、定置の
支承装置（５２，５４）でクランク板軸線（０）を中心
にして一定の回転数で回転するクランク板（１０）と、
キャリッジ装置（４６，８４）を介して前記クランク板
（１０）に取り付けられた、前記クランク板軸線（０）
に対する偏心率（Ｅ，ｅ）を調節可能なクランクピン
（１４）とが設けられていて、この場合、該クランクピ
ン（１４）の偏心率（Ｅ，ｅ）を調節するために、外方
からの作用によって操作すべき偏心率基本調節装置（３
８）と、回転角度に関連した、つまり前記クランク板
（１０）の各位置角度調節量に関連した偏心率修正装置
（５６，６４，７４，７６）とが設けられている形式の
ものにおいて、クランク板（１０）に沿ってクランク板
軸線（０）に対してほぼ半径方向で主キャリッジガイド
（４８）に案内された主キャリッジ（４６）が、支承装
置（５４）に対して位置固定で、クランク板軸線（０）
を中心にして環状に閉じられたカム軌道装置（５６）か
ら、カムフォロア装置（６４，６６，６８）と、該カム
フォロア装置（６４，６６，６８）と前記主キャリッジ
（４６）との間の機械的な伝達伝動装置（７４，７６）
とを介して運動させられて、前記主キャリッジ（４６）
がクランク板（１０）の回転時に強制的に前記主キャリ
ッジガイド（４８）に沿って周期的に往復運動するよう
になっており、クランクピン（１４）が前記主キャリッ
ジ（４６）に対して相対的に、該主キャリッジ（４６）
に配置された基本偏心率調節装置（３８）によって移動
調節可能であり、前記クランクピン（１４）がクランク
板（１０）の回転時に前記主キャリッジ（４６）に対す
る所定の位置を維持して、前記主キャリッジ（４６）と
共に前記主キャリッジガイド（４８）に沿って周期的に
往復運動させられるようになっていることを特徴とす
る、加工機に設けられた材料引込装置に用いられるクラ
ンク駆動装置。
【請求項２】主キャリッジ（４６）に、クランクピン
（１４）を支持する副キャリッジ（８４）が配置されて
いて、基本偏心率調節装置（３８）によって調節可能で
ある、請求項１記載のクランク駆動装置。
【請求項３】基本偏心率調節装置（３８）がスピンドル
駆動装置（３８）によって形成されている、請求項２記
載のクランク駆動装置。
【請求項４】副キャリッジ（８４）が主キャリッジ（４
６）で副キャリッジガイド（８２）に案内されていて、
該副キャリッジガイドが主キャリッジガイド（４８）に
対してほぼ平行である、請求項２または３記載のクラン
ク駆動装置。
【請求項５】カム軌道装置（５６）がほぼ一定の間隔で
延びる２つのカム軌道（５８，６０）を有していて、両
カム軌道のうち一方のカム軌道（６０）が半径方向内側
に向いていて、他方のカム軌道（５８）が半径方向外側
に向いており、カムフォロア装置（６４，６６，６８）
が互いに隣接した２つのカムフォロアローラ（６６，６
８）を有していて、両カムフォロアローラのうち一方の
カムフォロアローラ（６８）が前記一方のカム軌道（６
０）と係合していて、他方のカムフォロアローラ（６
６）が前記他方のカム軌道（５８）と係合している、請
求項１記載のクランク駆動装置。
【請求項６】カム軌道装置が、クランク板軸線（０）の
方向に互いにずらされて同じように半径方向内側または
半径方向外側に向けられた２つのカム軌道（１５８，１
６０）を有しており、カムフォロアローラ装置（１６
４，１６６，１６８）が前記両カム軌道（１５８，１６
０）のそれぞれと係合している各１つのカムフォロアロ
ーラ（１６６，１６８）を有している、請求項１記載の
クランク駆動装置。
【請求項７】クランクピン（１４）がクランク板軸線
（０）に対してほぼ半径方向に延びる作用方向（１６）
で、時間線（ｔ）上に描くと互いに反対の方向に向いた
最大値の範囲で偏平にされているような、正弦曲線（４
０）から偏倚された位置曲線（４０，４２）に沿って運
動するようにカム軌道装置（５６）が成形されている、
請求項１から６までのいずれか１項記載のクランク駆動
装置。
【請求項８】クランクピン（１４）がクランク板軸線
（０）に対してほぼ半径方向に延びる作用方向（１６）
で、時間線（ｔ）上に描くと側縁中心範囲（４４ａ）で
正弦曲線（４０）に対して急傾斜を有している、つまり
前記時間線（ｔ）と共に、それぞれ９０°に向かって大
きくされた角度を成しているような、前記正弦曲線（４
０）から偏倚された位置曲線（４４）に沿って運動する
ようにカム軌道装置（５６）が成形されている、請求項
１から７までのいずれか１項記載のクランク駆動装置。
【請求項９】伝達伝動装置（７４，７６）の伝達比
（α）が可変である、請求項１記載のクランク駆動装
置。
【請求項１０】伝達伝動装置（７４，７６）の伝達比
（α）が偏心率基本調節装置（３８）の調節量に強制的
に関連させられて可変である、請求項９記載のクランク
駆動装置。
【請求項１１】クランク板（１０）でカムフォロア支持
体（６４）がクランク板軸線（０）に対してほぼ半径方
向に支持体ガイド（６２）に案内されており、前記カム
フォロア支持体（６４）に前記支持体ガイド（６２）に
対して角度をずらされた斜めガイド（７４）が配置され
ており、主キャリッジ（４６）に、前記斜めガイド（７
４）に係合する、主キャリッジガイド（４８）のガイド
方向に対して角度をずらされた対応斜めガイド（７６）
が設けられている、請求項１記載のクランク駆動装置。
【請求項１２】カムフォロア支持体（６４）の斜めガイ
ド（７４）が、前記カムフォロア支持体（６４）に対し
て、クランク板軸線（０）に対して平行な調節軸線を中
心にして回転可能に支承されている調節エレメント（７
０）に設けられており、主キャリッジ（４６）の対応斜
めガイド（７６）が、前記主キャリッジ（４６）でクラ
ンク板軸線（０）に対して平行な調節軸線を中心にして
調節可能である対応調節エレメント（７８）に設けられ
ており、前記両エレメント、つまり調節エレメント（７
０）と対応調節エレメント（７８）との少なくとも一方
が、それぞれ所属の構成部分、つまりカムフォロア支持
体（６４）もしくは主キャリッジ（４６）において、各
調節軸線を中心とする種々の角度調節量（α）で位置固
定可能である、請求項１１記載のクランク駆動装置。
【請求項１３】主キャリッジ（４６）に配置された対応
調節エレメント（７８）が各調節軸線を中心とする種々
の角度調節量（α）で位置固定可能である、請求項１２
記載のクランク駆動装置。
【請求項１４】対応調節エレメント（７８）が、主キャ
リッジ（４６）に設けられた偏心率基本調節装置（３
８）の調節量に強制的に関連させられて調節可能であ
る、請求項１３記載のクランク駆動装置。
【請求項１５】主キャリッジ（４６）に設けられた副キ
ャリッジガイド（８２）に案内された副キャリッジ（８
４）にクランクピン（１４）が配置されている場合に、
前記副キャリッジ（８４）がラック（８８）を備えてお
り、該ラック（８８）が前記対応調節エレメントに設け
られた歯車（８６）と噛み合っている、請求項１４記載
のクランク駆動装置。
【請求項１６】斜めガイド（７４）および対応斜めガイ
ド（７６）のうち、それぞれ一方がガイド溝（７４）と
して構成されていて、他方が前記ガイド溝（７４）に係
合するガイドリブ（７６）として構成されている、請求
項１１から１５までのいずれか１項記載のクランク駆動
装置。
【請求項１７】クランクピン（１４）がリンク駆動装置
（１６）を介して引込キャリッジ（２６）と結合されて
いる、請求項１から１６までのいずれか１項記載のクラ
ンク駆動装置。
【請求項１８】クランクピン（１４）がスライダクラン
ク駆動装置を介して引込キャリッジ（２６）と結合され
ている、請求項１から１６までのいずれか１項記載のク
ランク駆動装置。
【請求項１９】クランク板（１０）が駆動軸（５０）の
一部または該駆動軸（５０）に装着されたフランジによ
って形成されている、請求項１から１８までのいずれか
１項記載のクランク駆動装置。
【請求項２０】カム軌道装置（５６）が交換可能に支承
装置（５４）に取り付けられている、請求項１から１９
までのいずれか１項記載のクランク駆動装置。