JPH0661506U - 車軸駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車軸駆動装置を付設する走行車輛の形状が相
違する場合において、車軸ケースに対して車軸の位置を
種々に変更することが要求される場合があるので、この
ような要求に対して作り変えが容易に可能とすべく構成
したのである。 【構成】 車軸駆動装置を構成する車軸ケースを、該車
軸の軸心と平行する接合面により、第１ケースと第２ケ
ースに分割し、該第１ケースと第２ケースとの接合面
に、車軸の軸受を支持する構成において、該軸受を嵌装
する軸受支持体を設け、該軸受支持体に対して軸受の位
置を変更することにより、車軸ケースに対して車軸の位
置を変更可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は走行車輛の車軸を駆動する車軸駆動装置において、車軸ケースに対し て車軸の位置を変更可能とするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から車軸ケースを車軸の軸心と平行する接合面により、第１ケースと第２ ケースに分割し、該接合面において軸受を支持した技術は、同一出願人により多 数の出願が成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案においては、車軸駆動装置を付設する走行車輛の形状が相違する場合に おいて、車軸ケースに対して車軸の位置を種々に変更することが要求される場合 があるので、このような要求に対して作り変えを容易にすべく構成したものであ る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するた めの手段を説明する。即ち、車軸駆動装置を構成する車軸ケースを、該車軸の軸 心と平行する接合面により、第１ケースと第２ケースに分割し、該第１ケースと 第２ケースとの接合面に、車軸の軸受を支持する構成において、該軸受を嵌装す る軸受支持体を設け、該軸受支持体に対して軸受の位置を変更することにより、 車軸ケースに対して車軸の位置を変更可能としたものである。

【０００５】

【作用】

次に作用を説明する。即ち、車軸ケースを構成する第１ケース１と第２ケース ２の素材はそのままで、軸受支持体６の軸受２０の孔の位置と、軸受突起１ａ・ １ｂと軸受突起２ａ・２ｂの長さを機械加工時において、所望の位置と長さに加 工することにより、車軸ケースに対して車軸３Ｌ・３Ｒの位置を変更することが 可能となる。また、車軸ケースに対して車軸３Ｌ・３Ｒの位置を変更することに より、走行車輛が種々に変更された場合において、車軸ケースの位置と車軸３Ｌ ・３Ｒの位置の最適の状態を選択することが可能となる。また、このような車軸 ３Ｌ・３Ｒの位置の変更に際して、大きな部品の作り替えをする必要が無くなり 、多用途に使用可能な車軸駆動装置とすることが出来る。

【０００６】

【実施例】

次に実施例を説明する。図１は本考案の車軸駆動装置の後面断面図、図２は同 じく平面断面図、図３は同じく左側面断面図、図４は軸受支持体６を楕円形に構 成し、軸受２０を略中央位置に配置した状態の側面断面図、図５は同じく軸受２ ０を第１ケース１の側に偏心配置した実施例の側面断面図、図６は同じく軸受２ ０を第１ケース１と第２ケース２の接合面に配置した実施例の側面断面図、図７ は軸受支持体１６を円形とし、軸受２０を接合面に配置した実施例の側面断面図 、図８は軸受２０を第１ケース１の側に配置した実施例の側面断面図、図９は同 じく軸受２０を第２ケース２のガバナー弁Ｖ５に配置した実施例の側面断面図で ある。

【０００７】 図１において、車軸駆動装置の外観を説明する。車軸駆動装置の車軸ケースを 、車軸３Ｌ・３Ｒの軸心線と平行する接合面により、第１ケース１と第２ケース ２に分割している。そして該第１ケース１と第２ケース２の接合面に、軸受支持 体６を嵌装し、該軸受支持体６に軸受２０を支持している。該軸受支持体６に対 する軸受２０の位置は、軸受孔の位置を穿設加工する際に自由な位置とすること が出来るのである。また該車軸３Ｌ・３Ｒは両端部は軸受２０・２０により支持 するが、デフギア装置Ｊの近傍の左右の位置は、第１ケース１から突出する軸受 突起１ａ・１ｂと、第２ケース２から突出する軸受突起２ａ・２ｂの両方により 支持している。そして、該軸受突起１ａと軸受突起２ａは、軸受２０の変更位置 に合致するように、その長さが機械加工時に調整されて車軸３Ｌ・３Ｒの支持面 が構成されるのである。

【０００８】 第１ケース１と第２ケース２により構成された車軸ケースの内部には、ＨＳＴ 式変速装置が配置されており、該ＨＳＴ式変速装置を構成する油圧ポンプ装置Ｐ のポンプ軸５が第１ケース１から突出され、該ポンプ軸５の先端に入力プーリ１ ０が固定されている。また第２ケース２の側方に、ＨＳＴ式変速装置のバイパス 操作杆３０が突設されている。

【０００９】 次に図２・図３において車軸駆動装置の内部の構成を説明する。車軸ケースの 内部にＬ型のセンターセクション４が配置されており、該センターセクション４ の車軸３Ｌ・３Ｒの軸心と平行する面に、油圧ポンプ装置Ｐの支持面が構成され 、また車軸３Ｌ・３Ｒの軸心と直交する面に、油圧モータ装置Ｍの支持面が構成 されている。該油圧ポンプ装置Ｐのポンプ軸５に入力プーリ１０から動力が入力 されて、油圧モータ装置Ｍのモータ軸１１から変速後の回転が出力される。

【００１０】 該モータ軸１１の中途部に構成された穿設ギヤ１１ａが、デフギア装置Ｊのリ ングギヤ１４と噛合し、デフギア装置Ｊを駆動している。該デフギア装置Ｊより 左右に車軸３Ｌ・３Ｒが突設されている。またモータ軸１１が車軸ケースから外 部に突出した部分にブレーキディスク１５が固定されており、制動装置により該 ブレーキディスク１５を挟持し制動を行うべく構成している。

【００１１】 油圧ポンプ装置Ｐの可動斜板８を操作する変速操作軸９が車軸ケースの内部に 支持されており、可動斜板８を回動することによりモータ軸１１の回転数を変速 操作すべく構成している。該変速操作軸９が常時中立側に戻るように中立付勢バ ネ７が設けられている。２９はバイパス操作レバー、３３は金属屑吸着磁石であ る。

【００１２】 以上のような車軸駆動装置の構成において、本考案は、車軸ケースを構成する 第１ケース１と第２ケース２との接合面により支持する車軸３Ｌ・３Ｒを、上下 に位置変更可能としたものである。即ち、従来の技術においては、該第１ケース １と第２ケース２の接合面により、直接に軸受２０を挟持していたのであるが、 本考案においては、接合面により先ず軸受支持体６を挟持し、該軸受支持体６に 穿設した軸受孔に軸受２０を嵌入支持すべく構成したのである。

【００１３】 図４・図５・図６に示す実施例においては、軸受支持体６を楕円形に構成した 実施例を示している。第１ケース１は該車軸３Ｌ・３Ｒの部分において、接合面 側が開口した逆Ｕ字型に構成しており、第２ケース２も第１ケース１への接合面 が開口したＵ字型に構成されているのである。そして両方のＵ字型の凹部内に軸 受支持体６を嵌装して挟持固定するのである。該軸受支持体６に対して、第２ケ ース２を嵌装する孔は、車軸３Ｌ・３Ｒの所望の位置により、穿設加工するので ある。該軸受２０の軸受孔の位置と同様に、前述の軸受突起１ａ・１ｂと軸受突 起２ａ・２ｂの長さも、所望の長さに加工されるのでるある。

【００１４】 図４の場合には、軸受支持体６の略中央の位置に、軸受２０が配置され、図５ においては、第１ケース１に近い側に軸受２０が配置されており、図６において は、第２ケース２に近い側で接合面の上に軸受２０が配置されている。

【００１５】 図７・図８・図９の実施例においては、軸受支持体１６を円形に構成している 。そして軸受支持体１６に対して軸受２０を嵌装する位置を変更することにより 、図７の如く接合面の上に車軸３Ｌ・３Ｒを配置したり、図８の如く、第２ケー ス２に近い方に車軸３Ｌ・３Ｒを配置したり、図９の如く、第２ケース２に近い 位置に車軸３Ｌ・３Ｒを配置することが出来るのである。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、 車軸ケースを構成する第１ケース１と第２ケース２の素材はそのままで、軸受支 持体６の軸受２０の孔の位置と、軸受突起１ａ・１ｂと軸受突起２ａ・２ｂの長 さを機械加工時において、所望の位置と長さに加工することにより、車軸ケース に対して車軸３Ｌ・３Ｒの位置を変更することが可能となったのである。

【００１７】 車軸ケースに対して車軸３Ｌ・３Ｒの位置を変更することにより、走行車輛が 種々に変更された場合において、車軸ケースの位置と車軸３Ｌ・３Ｒの位置の最 適の状態を選択することが可能となったのである。このような車軸３Ｌ・３Ｒの 位置の変更に際して、大きな部品の作り替えをする必要がなくなり、多用途に使 用可能な車軸駆動装置とすることが出来たのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の車軸駆動装置の後面断面図。

【図２】同じく平面断面図。

【図３】同じく左側面断面図。

【図４】軸受支持体６を楕円形に構成し、軸受２０を略
中央位置に配置した状態の側面断面図。

【図５】同じく軸受２０を第１ケース１の側に偏心配置
した実施例の側面断面図。

【図６】同じく軸受２０を第１ケース１と第２ケース２
の接合面に配置した実施例の側面断面図。

【図７】軸受支持体１６を円形とし、軸受２０を接合面
に配置した実施例の側面断面図。

【図８】軸受２０を第１ケース１の側に配置した実施例
の側面断面図。

【図９】同じく軸受２０を第２ケース２のガバナー弁Ｖ
５に配置した実施例の側面断面図。

【符号の説明】

１ 第１ケース ２ 第２ケース ３Ｌ・３Ｒ 車軸 ４ センターセクション ５ ポンプ軸 ６，１６ 軸受支持体 ２０ 軸受

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車軸駆動装置を構成する車軸ケースを、
   該車軸の軸心と平行する接合面により、第１ケースと第
   ２ケースに分割し、該第１ケースと第２ケースとの接合
   面に、車軸の軸受を支持する構成において、該軸受を嵌
   装する軸受支持体を設け、該軸受支持体に対して軸受の
   位置を変更することにより、車軸ケースに対して車軸の
   位置を変更可能としたことを特徴とする車軸駆動装置。