JPH0660308B2 - 蓄熱材 - Google Patents
蓄熱材Info
- Publication number
- JPH0660308B2 JPH0660308B2 JP11093289A JP11093289A JPH0660308B2 JP H0660308 B2 JPH0660308 B2 JP H0660308B2 JP 11093289 A JP11093289 A JP 11093289A JP 11093289 A JP11093289 A JP 11093289A JP H0660308 B2 JPH0660308 B2 JP H0660308B2
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- storage material
- supercooling
- temperature
- water
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水を主材とする潜熱蓄熱材に関し、詳細には過
冷却現象を確実に防止し、蓄冷効率を高めると共に、蓄
熱利用温度の精度を高めた蓄熱材に関するものである。
冷却現象を確実に防止し、蓄冷効率を高めると共に、蓄
熱利用温度の精度を高めた蓄熱材に関するものである。
[従来の技術] たとえば工業用冷凍設備に使用される蓄熱材あるいは業
務用や家庭用クーラーボックスに装入される蓄熱材とし
て水を主成分とする蓄熱材が利用されており、たとえば
硝酸カリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機
塩を利用した無機塩水溶液タイプの蓄熱材が知られてい
る。これらの蓄熱材は0℃以下の凝固点を有しており、
且つ水の有する大きな凝固潜熱を蓄冷に有効に活用し得
るところから、高性能で且つ安価な蓄熱材として広く活
用されている。
務用や家庭用クーラーボックスに装入される蓄熱材とし
て水を主成分とする蓄熱材が利用されており、たとえば
硝酸カリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機
塩を利用した無機塩水溶液タイプの蓄熱材が知られてい
る。これらの蓄熱材は0℃以下の凝固点を有しており、
且つ水の有する大きな凝固潜熱を蓄冷に有効に活用し得
るところから、高性能で且つ安価な蓄熱材として広く活
用されている。
ところで蓄熱材においては過冷却の防止が共通の課題と
なっており、殊に水を主材とする無機塩水溶液タイプの
潜熱蓄熱材においては顕著な過冷却現象を生じるところ
から、大きな問題となっている。即ち過冷却現象とは、
当該物質の凝固点(無機塩水溶液タイプの蓄熱材におい
ては当該無機塩と水の共晶点)に到達しても凝固が起こ
らず、それよりもかなり低い温度になってからはじめて
凝固を開始する現象であり、この様な物質を蓄熱材とし
て使用する場合は、凝固時の吸熱を利用した温度制御の
精度が著しく低下してくる。しかも蓄冷時にはその凝固
点をかなり下回る温度まで冷却しなければ蓄冷を遂行す
ることができないので蓄冷効果が悪く、且つ必要以上に
冷却能力の高い冷凍装置を使用しなければならない。
なっており、殊に水を主材とする無機塩水溶液タイプの
潜熱蓄熱材においては顕著な過冷却現象を生じるところ
から、大きな問題となっている。即ち過冷却現象とは、
当該物質の凝固点(無機塩水溶液タイプの蓄熱材におい
ては当該無機塩と水の共晶点)に到達しても凝固が起こ
らず、それよりもかなり低い温度になってからはじめて
凝固を開始する現象であり、この様な物質を蓄熱材とし
て使用する場合は、凝固時の吸熱を利用した温度制御の
精度が著しく低下してくる。しかも蓄冷時にはその凝固
点をかなり下回る温度まで冷却しなければ蓄冷を遂行す
ることができないので蓄冷効果が悪く、且つ必要以上に
冷却能力の高い冷凍装置を使用しなければならない。
[発明が解決しようとする課題] 従来より水以外を主材とする蓄熱材組成物(たとえばC
aCl2を主材とする凝固点が30℃付近のもの等)に
ついては、過冷却現象を防止するため様々の核剤を添加
する方法が検討され、ある程度の成果が得られている。
ところが水を主材とする蓄熱材については、現在のとこ
ろ過冷却防止手段に関する研究が十分になされていると
は言い難い。
aCl2を主材とする凝固点が30℃付近のもの等)に
ついては、過冷却現象を防止するため様々の核剤を添加
する方法が検討され、ある程度の成果が得られている。
ところが水を主材とする蓄熱材については、現在のとこ
ろ過冷却防止手段に関する研究が十分になされていると
は言い難い。
本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであって、
その目的は、水を主材とする潜熱蓄熱材を対象とし、そ
の過冷却現象を可及的に抑制することにより、凝固開始
温度の変動を抑制し、且つ蓄冷効率を高めることのでき
る蓄熱材を提供しようとするものである。
その目的は、水を主材とする潜熱蓄熱材を対象とし、そ
の過冷却現象を可及的に抑制することにより、凝固開始
温度の変動を抑制し、且つ蓄冷効率を高めることのでき
る蓄熱材を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成することのできた本発明に係る蓄熱材
は、水を主材とする潜熱蓄熱材において、粒子径100
μm以下の疎水性微粉末を過冷却防止用核剤として0.00
5〜10重量%含有させてなることを要旨とするもので
ある。
は、水を主材とする潜熱蓄熱材において、粒子径100
μm以下の疎水性微粉末を過冷却防止用核剤として0.00
5〜10重量%含有させてなることを要旨とするもので
ある。
[作用] 水を主材とする溶液を降温していくと、理論的には凝固
点に到達した時点で凝固が開始するはずであるが、実際
には前述の様な過冷却現象が起こり、当該凝固点を過ぎ
ても凝固が起こらず、それよりも5〜8℃程度低い温度
に到達したあたりから急激に凝固しはじめる。従って過
冷却現象が起こると、溶融状態から凝固へ進む状況が不
安定であり、また過冷却の程度は降温速度や融解液の攪
乱状態等によっても著しく変化するので潜熱発生温度を
特定することができず、利用温度に応じた温度制御は不
正確とならざるを得ない。しかも完全に凝固させて蓄冷
するには、前にも述べた様に過冷却の程度に応じた低温
域まで(通常は凝固点よりも10℃程度低温域まで)冷
却しなければならないので、それに見合った冷却能力の
冷凍装置が必要となる。
点に到達した時点で凝固が開始するはずであるが、実際
には前述の様な過冷却現象が起こり、当該凝固点を過ぎ
ても凝固が起こらず、それよりも5〜8℃程度低い温度
に到達したあたりから急激に凝固しはじめる。従って過
冷却現象が起こると、溶融状態から凝固へ進む状況が不
安定であり、また過冷却の程度は降温速度や融解液の攪
乱状態等によっても著しく変化するので潜熱発生温度を
特定することができず、利用温度に応じた温度制御は不
正確とならざるを得ない。しかも完全に凝固させて蓄冷
するには、前にも述べた様に過冷却の程度に応じた低温
域まで(通常は凝固点よりも10℃程度低温域まで)冷
却しなければならないので、それに見合った冷却能力の
冷凍装置が必要となる。
そこで本発明者らは、水を主材とする蓄熱材が過冷却状
態となるのを防止するため、凝固を促進する核剤(過冷
却防止用核剤)を活用するという方向で、様々の物質に
ついて過冷却防止効果を調べた。
態となるのを防止するため、凝固を促進する核剤(過冷
却防止用核剤)を活用するという方向で、様々の物質に
ついて過冷却防止効果を調べた。
そして核剤として疎水性の微粒子を添加すれば、過冷却
現象が大幅に緩和されることを見い出した。
現象が大幅に緩和されることを見い出した。
これら核剤の添加量は、その種類あるいは適用される蓄
熱材との組合せによっても異なるので一律に規定するこ
とは適切でないが、標準的な添加量として示すならば0.
005〜10%(重量%の意味、以下同じ)の範囲、より
好ましくは0.01〜0.1%の範囲である。その理由は、核
剤の添加量が不足する場合は過冷却防止効果が十分に発
揮され難く、また上限については10%程度で過冷却防
止効果が飽和し、それを超えて添加してもそれ以上の効
果を期待することができないからである。
熱材との組合せによっても異なるので一律に規定するこ
とは適切でないが、標準的な添加量として示すならば0.
005〜10%(重量%の意味、以下同じ)の範囲、より
好ましくは0.01〜0.1%の範囲である。その理由は、核
剤の添加量が不足する場合は過冷却防止効果が十分に発
揮され難く、また上限については10%程度で過冷却防
止効果が飽和し、それを超えて添加してもそれ以上の効
果を期待することができないからである。
また該核剤の粒子径は100μm以下とする必要があ
り、これを超えるものであると凝固核剤として作用せ
ず、逆に凝固をさまたげる可能性のあることが分かっ
た。
り、これを超えるものであると凝固核剤として作用せ
ず、逆に凝固をさまたげる可能性のあることが分かっ
た。
尚本発明で使用される核剤の具体例としては、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の有機質微粉
末やグラファイト、活性炭、フライアッシュ等の無機質
微粉末が挙げられるが、特に好ましいのはポリエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデ
ン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン等の有機質微
粉末である。
ピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の有機質微粉
末やグラファイト、活性炭、フライアッシュ等の無機質
微粉末が挙げられるが、特に好ましいのはポリエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデ
ン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン等の有機質微
粉末である。
尚本発明における蓄熱材の主材は水であり、これはイオ
ン交換水や蒸留水あるいは通常の工業用水や海水等が使
用されるほか、凝固点調整の目的で少量の無機塩素を積
極的に溶解させた水溶液を用いることも可能である。
ン交換水や蒸留水あるいは通常の工業用水や海水等が使
用されるほか、凝固点調整の目的で少量の無機塩素を積
極的に溶解させた水溶液を用いることも可能である。
[実施例] イオン交換水に次に示す種々の疎水性微粉末を混合し、
−10℃の空気恒温槽中で冷却・凝固させ、各々につい
て過冷却温度を測定した結果を第1表に示す。尚該水だ
けを冷却・凝固したときの過冷却温度は−6〜−7℃と
なった。
−10℃の空気恒温槽中で冷却・凝固させ、各々につい
て過冷却温度を測定した結果を第1表に示す。尚該水だ
けを冷却・凝固したときの過冷却温度は−6〜−7℃と
なった。
この結果、核剤の種類によって過冷却温度に若干のばら
つきが見られるものの、過冷却温度は大幅に改善される
ことが分かった。
つきが見られるものの、過冷却温度は大幅に改善される
ことが分かった。
また上記サンプルNo.3を90℃雰囲気中に3ケ月以上放
置した後、上記と同じ条件で冷却・凝固して過冷却温度
を測定したが、該過冷却温度に変化は見られなかった。
置した後、上記と同じ条件で冷却・凝固して過冷却温度
を測定したが、該過冷却温度に変化は見られなかった。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、水を主成分とする
蓄熱材の過冷却を抑制すると共に、温度制御精度を高め
ることができる様になった。また核剤は安価で耐熱性の
優れたものが使用できる様になった。
蓄熱材の過冷却を抑制すると共に、温度制御精度を高め
ることができる様になった。また核剤は安価で耐熱性の
優れたものが使用できる様になった。
Claims (1)
- 【請求項1】水を主材とする潜熱蓄熱材において、粒子
径100μm以下の疎水性微粉末を過冷却防止用核剤と
して0.005〜10重量%含有させてなることを特徴とす
る蓄熱材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11093289A JPH0660308B2 (ja) | 1989-04-28 | 1989-04-28 | 蓄熱材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11093289A JPH0660308B2 (ja) | 1989-04-28 | 1989-04-28 | 蓄熱材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02286777A JPH02286777A (ja) | 1990-11-26 |
JPH0660308B2 true JPH0660308B2 (ja) | 1994-08-10 |
Family
ID=14548256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11093289A Expired - Lifetime JPH0660308B2 (ja) | 1989-04-28 | 1989-04-28 | 蓄熱材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0660308B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007099798A1 (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Yano R & D Corp. | 蓄熱材組成物 |
GB201509179D0 (en) * | 2015-05-28 | 2015-07-15 | Dupont Nutrition Biosci Aps | Phase change material |
CN108672668A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-10-19 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种控制连铸过程中铸坯凝固组织结构的方法及其控制装置 |
-
1989
- 1989-04-28 JP JP11093289A patent/JPH0660308B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02286777A (ja) | 1990-11-26 |
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