JPH0660110B2 - 1,1,1,2―テトラフルオロエタンの精製法 - Google Patents

1,1,1,2―テトラフルオロエタンの精製法

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JPH0660110B2
JPH0660110B2 JP2012397A JP1239790A JPH0660110B2 JP H0660110 B2 JPH0660110 B2 JP H0660110B2 JP 2012397 A JP2012397 A JP 2012397A JP 1239790 A JP1239790 A JP 1239790A JP H0660110 B2 JPH0660110 B2 JP H0660110B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は冷媒(R−134a)とも称される1,1,1,2−
テトラフルオロエタンの精製に関する。
従来の技術 1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)は同
様の物性を有するクロロフルオロカーボン、特にR−1
2の代替品として特に興味を持たれるようになった。R
−134aは他のフルオロクロロカーボンとHF又は弗
化アルカリ金属との反応により製造することができる。
反応を促進するのに触媒又は電気化学的手段が用いても
よい。
このような反応の特徴はメタン分子、エタン分子及びエ
チレン分子に色々な数の水素原子、塩素原子及び弗素原
子を結合して有する多数の副生成物が形成されることで
ある。これら副生成物のあるものは蒸留による分離が容
易であり、また他のものはそれらの存在によってもR−
134aを有用なものとするその物性を大きくは変えな
いために害が比較的少ない。毒性のために絶対に除去し
なければならない副生成物は2−クロロ−1,1−ジフル
オロエチレン(R−1122)である。
R−1122は、比較的少量に過ぎないが、形成された
ままのR−134aに存在するのが一般的である。R−
1122はR−134aの沸点に近い沸点を有し、この
ことが両者を蒸留で分離するのを困難にしている。
米国特許第3,819,493号明細書にフォザード
(Fozzard)は1,1−ジフルオロエタン(R−152a)
の電気化学的弗素化で生成させたR−134aからR−
152aを分離する抽出蒸留法を開示している。これら
2種の化合物は相対的揮発性が低いため、4〜10個の
炭素原子を有する飽和炭化水素を加えてその相対的揮発
性を増し、それらの分離を促進するようにしている。
ベル(Bell)は米国特許第4,129,603号明細書
において不純物を含むR−134aを金属過マンガン酸
塩の水溶液と接触させてR−1122を除去している。
このR−134aはHFとハロエタン、例えば2−クロ
ロ−1,1,1−トリフルオロエタンとのクロム酸化物又は
同フルオライド触媒上での反応により誘導されたもので
ある。
R−134aからR−1122を除去する別の方法がポ
ッター(Potter)によって米国特許第4,158,67
5号明細書に示されている。R−134aの生成反応は
クロム酸化物又は同フルオライド触媒の存在下で325
〜375℃の範囲の温度で起こる。ポッターは反応流出
物をクロム触媒は入っている第二の反応器に通している
が、運転は100〜275℃で行っている。ポッターは
R−1122の実質的な低下が達成されることを示し
た。
R−134aの精製法の、特にR−1122を除くこと
に関しての更なる改良が望まれているが、本発明者は以
下に詳細に示される吸着による精製手段を発見した。
発明の概要 R−1122(2−クロロ−1,1−ジフルオロエチレ
ン)は、初めに重量で約500〜10,000ppmのR
−1122を含有するR−134a(1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン)の流れからそれを活性炭と好ましくは
約−10〜100℃の温度及び約100〜860kPa
圧力において接触させることによって重量で約10ppm
以下まで除去することができる。回収されるR−134
aは重量で約10ppm未満のR−1122を含む。
この方法はR−134aを用いて液相又は気相で実施す
ることができる。活性炭粒子から成る固定床を用いる場
合、R−134aを約130〜3600hr-1の時間当り
気体空間速度で活性炭粒子上に通すことができる。液相
で接触させるための対応する時間当り液体空間速度は約
1〜30hr-1である。
好ましい態様の説明 背景 オゾン層消耗の一因と考えられるR−12に代わるもの
として意図される化合物であるR−134a、即ち1,1,
1,2−テトラフルオロエタンを製造する方法は開発中で
ある。R−134aを生成させるC2化合物の弗素化は
新しい触媒と工程条件を必要とするだけでなく、R−1
34aの回収と精製についても考えなければならない。
これら後者の工程はそれらに伴われる化学反応の副生成
物に依存して変わる。R−134aはそれが製造される
反応器を出るとき、以下の実施例に見られる通り、未反
応のHF、供給原料化合物から塩素原子が除かれること
に由来するHCl、及び水素原子、塩素原子及び弗素原
子を有する各種副生成物を含有する。特に重要なものは
2−クロロ−1,1−ジフルオロエチレン(R−112
2)で、これは有毒であるのでR−134aから使用前
に除去しなければならない。しかし、残念ながら、R−
1122とR−134aの沸点はそれぞれ−17.1℃
と−26.5℃と極めて接近しており、従ってそれらは
蒸留で容易には分離されない。前記で検討した従来法の
特徴は望ましいものではなく、従って本発明者はR−1
34aの存在下におけるR−1122の吸着に関する改
良された方法を求め、そして見い出した。
R−1122の吸着 R−1122のような汚染物質はそれが見い出される主
化合物、即ちR−134aからばかりでなく、存在する
かもしれないその他の副生成物からも完全にかつ選択的
に除去されるのが好ましいことは当然である。当業者で
あればこのような選択的除去が一般的なものではないこ
とは理解されるはずである。多くの場合、特定の望まし
くない化合物の除去は他の化合物も同様に除去してしま
う。しかし、除去される化合物が生成物中で望ましくな
いものであるならば、そのときは完全に選択的な吸着は
余り有用ではなくなる可能性がある。例えば、普通の処
理で少量の副生成物が残る場合、これらの副生成物は最
後の浄化工程で除かれることになるだろう。本発明者
は、活性炭はR−134aからR−1122をほとんど
完全に除去することができるが、同時に粗R−134a
中に見い出されることが期待される他の不純物を全部で
ないにしても一部を除去することを見い出した。
活性炭は蒸気又は液体から所望とされない物質の吸着用
に広く用いられている。活性炭は高表面積と30オング
ストローム以下又は30オングストロームより大きい直
径を持つ複数の孔を有する。活性炭は一般に天然産の物
質から誘導されるので、生成物は、それらが仮え揮発性
物質を除去するために加熱によって炭素に転化され、次
いで水蒸気又は他の気体の中で高温において酸化されて
多孔性と表面積を持つようにされたものであったとして
も、組成が色々と変化したものとなっている。炭素の一
部は炭化工程中に化学的に活性化される。しかして、活
性炭は原料物質と製造法とに依存して性質が種々に変化
する。
実施例1 市販活性炭の試料10gを25℃に保った直径9.5mm
のステンレス鋼管に入れた。この吸着剤試料の上に部分
的に精製したR−134aの典型的な流れに該当すると
考えられる混合物を60m/分の速度で流し、流出ガ
スの組成を60〜80メッシュのカーポパックB(Carb
opack B)パッキング材〔スペルコ社(Supelco In
c.)〕上SP1000・1%の長さ3048mm×直径
3.175mmのカラムを用いてガスクロマトグラフィー
により測定した。カラムは45℃で3分間運転し、次い
で200℃まで8℃/分で昇温するようにプログラムさ
れたものであった。このような一連の試験の結果を次の
表に示す。
主目的、即ちR−134aからR−1122を除去する
ことは、ある種の活性炭が優れているように思われるけ
れども、試験した活性炭の全てによって達成することが
できることは明らかである。
CO2又はR−143aを除去する活性炭は1つもない
ようである。R−12はOL炭素で除去されるだけであ
る。試験した不純物のあるものの量は極めて少ないの
で、これら成分の明白な部分的吸着が有用かどうかを確
めることは詳細に調べなければ分からないことに留意す
べきである。しかし、R−1122に関するように、比
較的大量の不純物を完全に除去する場合その結果は意義
のあるものと考えられる。
R−124とR−133aに関する結果はむらがあり、
これは両者が除去されているが、その量は活性炭の由来
に強く存在することを示唆している。
活性炭は全てR−114aを強力に吸着するようであ
る。
試験した活性炭のうちでPCB炭素とOL炭素が最も広
く有効であるように思われる。
試験した活性炭は全て約1000〜1200m2/gとい
う比較的大きい表面積を有し、またそれらの孔の大きさ
はほとんどが約30Å以下である。それら活性炭は30
Åより大きい孔を持つ表面積の量が異なる。それらのあ
るものは気相用のものであり(PCBとBPL)、他は
液相用である(CPG、OL及びSGL)。活性炭は試
験成分をそれらの沸点に関係して吸着し、揮発性が小さ
い方の化合物が吸着されると考えられる。試験した各種
活性炭間の変動はこの時点では説明がつかない。
実施例2 実施例1におけるようにして、カルゴン社製の活性炭:
CPGの試料10gを9.5mmのステンレス鋼管に入れ
た。この試験では温度を約23℃とし、圧力はR−13
4aが実施例1の蒸気ではなく液相をなすように862
kPaゲージに保った。部分的に精製したR−134aの
流れを0.5g/分の速度で炭素上に流し、流出ガスの
組成を実施例1の通りにガスクロマトグラフィーで測定
した。結果を以下の表Bに示す。
供給原料組成物は実質的により多量のR−134aとR
−1122を含んでいたが、R−133aは少なかっ
た。結果は実施例1とははっきり違っている。即ち、R
−1122の大部分は必要とされる通りに除去される
が、R−124、R−133a及びR−114aの吸着
は前より低い。この試験では、流出ガスは10重量ppm
より多いR−1122を含有しているけれども、空間速
度と活性炭のタイプを適正に選べば目的の濃度は達成で
きると考えられる。
方法 R−134aは塩素原子を含有するC2化合物の触媒接
触ハイドロ弗素化によって製造される。C2化合物の塩
素はそのハイドロ弗素化プロセス中に弗素原子により置
換される。R−134aへの転化は一部に過ぎず、多く
の副生成物が反応の主生成物であるHClと共に生成す
る。従って、反応器の流出物は蒸留で分離して生成物の
R−134aを濃縮し、未反応供給原料の再循環流をつ
くる。得られる不純物を含むR−134a流は未反応H
F,HCl、及びR−1122を含めて少量の不純物と
しての各種副生成物を含有していると思われる。HFと
HClは他の文献に開示される方法で選択的に除去可能
であり、これは本発明の一部を構成するものではない。
この選択的除去後もR−134aは依然として除去すべ
き不純物、特に有毒で絶対に除去しなければならないR
−1122を含有していると思われる。本発明の方法は
HF及びHClが既に除去されている(但し、若干のH
F及びHClの存在は必ずしも排除される訳ではない)
濃縮R−134aからR−1122を10ppm以下まで
除去、低下させようとするものである。
R−134a供給原料流は液相.気相のどちらであって
もよいが、液相の方が供給原料を気化し、そして後で濃
縮するコストを避ける意味で好ましいだろう。R−13
4a流を活性炭吸着剤、例えばその流動床又は移動床と
接触させるために当業者に公知の各種方法を用いること
ができるが、典型的には吸着剤粒子の充填床が用いられ
るだろう。粒径、床の形状及びR−134a流の空間速
度をどう選択するかはR−1122をほとんど完全に除
去するのに必要とされる公知の原則に従って決定される
だろう。一般的に言えば、R−134a流の時間当り気
体空間速度は蒸気を処理するとき約130〜3600hr
-1であり、また液相運転用の対応する時間当り液体空間
速度は約1〜30hr-1である。吸着は適当な温度、一般
的には約−10〜100℃の温度、及び液相接触を望む
か、気相接触を望むかに依存して約100〜860kPa
の圧力で行われる。前記実施例に示される通り、R−1
122は実質的に完全に除去され、R−134a流には
重量で10ppm以下しか残らないと思われる。このR−
134aは所望に従って更に精製できるものである。R
−1122は吸着剤が再生されるときに分離され、それ
をHFとの接触で弗素化することができると思われるR
−134aの反応器に再循環することを含めて、様々の
手段、方法で廃棄処分することができる。
吸着剤床は装置及び吸着剤のコスト対再生コストをバラ
ンスさせつつR−1122について最適容量を与えるよ
うにするのがよい。有効な容量に到達したら、吸着剤床
をR−1122を吸収するガス流を用いて加熱すること
によって吸着剤を再生する。容器内及び吸着剤上に残っ
ているR−134aをまず除去、回収し、次いで再生プ
ロセスを実施する。床を十分に加熱し、R−1122を
除去した後、床を冷却し、そして再導入して処理に供す
る。吸着剤を最適に再生するのに要する条件は使用され
る吸着剤と利用可能なユーテリティーによって決められ
る。典形的には、床を窒素の流れを用いて約100〜2
00℃まで加熱すると満足できる再生が達成されると期
待される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量で500〜10,000ppmの2−ク
    ロロ−1,1−ジフルオロエチレン(R−1122)を
    含有する1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134
    a)を活性炭と接触させることを特徴とする1,1,1,2−
    テトラフルオロエタンから不純物を除去する方法。
  2. 【請求項2】接触温度が−10〜100℃の範囲であ
    り、接触圧力が100〜860kPaの範囲である請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】接触後に重量で10ppm未満の2−クロロ
    −1,1−ジフルオロエチレンを含有するR−134aを
    回収する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】活性炭が炭素粒子の固定床であり、1,1,1,
    2−テトラフルオロエタンの時間当たり気体空間速度が
    130〜3600hr-1である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】活性炭が炭素粒子の固定床であり、1,1,1,
    2−テトラフルオロエタンの時間当たり液体空間速度が
    1〜30hr-1である請求項1に記載の方法。
JP2012397A 1989-03-23 1990-01-22 1,1,1,2―テトラフルオロエタンの精製法 Expired - Lifetime JPH0660110B2 (ja)

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