JPH0659211B2 - 二相系バイオリアクター - Google Patents

二相系バイオリアクター

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JPH0659211B2
JPH0659211B2 JP2049797A JP4979790A JPH0659211B2 JP H0659211 B2 JPH0659211 B2 JP H0659211B2 JP 2049797 A JP2049797 A JP 2049797A JP 4979790 A JP4979790 A JP 4979790A JP H0659211 B2 JPH0659211 B2 JP H0659211B2
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    • C12M21/00Bioreactors or fermenters specially adapted for specific uses
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、固定化酵素を用いて二相を形成する高比重水
溶性原料液(水溶性反応基質)と低比重油状原料液(油
状反応基質)を反応させるための二相系バイオリアクタ
ーに関するものであり、油脂工業、医薬品工業、食品工
業等に広い応用が期待されるものである。
〔従来の技術〕
固定化酵素を用いて高比重水溶性原料液と低比重油状原
料液を反応させるための二相系バイオリアクター及びそ
の反応方法に関する従来技術としては、光架橋性ゲルに
包括固定化したリパーゼをカラムに充填するとともに、
予め水と油を攪拌して、エマルジョン状態になった油水
混合物を充填塔に還流させる方法(Y.kimura et,al.Eur.
J.Appl,Microl.Biotechnol.,17,107(1983))が知られて
いる他、本発明者らが先に開発した塔型固定化リパーゼ
カラムを用いて、中上段より高比重の水溶性原料液、中
下段より低比重の油状原料液を連続的に供給し、上端よ
り低比重の油状反応液、下端より高比重の水溶性反応液
を連続的に採取する方法(小杉ら、特公昭62-51111
号)、多段反応槽において固定化リパーゼを用いて反応
させるに際し、固定化リパーゼ、油状原料液及び水溶性
原料液のそれぞれの分離と混合を反復し、固定化リパー
ゼに油状原料液と水溶性原料液を向流的に接触させる方
法(小杉ら、特開昭63-59896号)及び固定化酵素に低比
重油状原料液と高比重原料液を向流的に接触させるにあ
たり、上端と下端に静置槽、中段部に攪拌及び静置槽を
交互に組み合わせて設け、中下段より低比重油状原料
液、中上段より高比重原料液を供給し、上端より低比重
油状反応液、下端より高比重水溶性反応液を回収するこ
とを特徴とする固定化酵素による連続反応法(小杉ら、
特開平1-98494号)等がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
既に報告されている固定化酵素カラムに予めエマルジョ
ン状態にした混合物を通す方法は、エマルジョン粒子の
固定化担体内に拡散する移動速度が著しく遅いため、固
定化酵素カラムに何回も反応液を循環させる必要があり
連続化が困難である。また低比重油状反応液と、高比重
水溶性反応液を連続的に分別採取ができない。
固定化酵素カラムを用いて低比重油状原料液と高比重水
溶性原料液を向流的に供給する方法では、カラム内の低
比重油状原料液と高比重水溶性原料液の通路が完全に分
かれてしまうチャネリング現象を防ぐために、最初に低
比重油状原料液と高比重水溶性原料液とが混じり合いな
がら流れる流路を確保しなければならない。またその処
理速度は固定化酵素カラム内の油状物質と水溶性物質と
の分離速度以上に上げることができず、油状物質/水溶
性物質との分離速度が著しく遅いため太くかつ短いカラ
ムを使う等の工夫が必要とされる。これらのことから、
運転条件の制約も多く、固定化酵素の活性度を十分に発
揮させることが困難である。
多段反応槽で固定化酵素を用いて反応させ、固定化酵
素、低比重油状原料液、高比重水溶性原料液のそれぞれ
の相分離と混合を反復させ、固定化酵素に低比重油状原
料液と高比重水溶性原料液を向流的に接触させる方法
は、多段の反応槽によるバッチ式であり、これを連続化
するとともに、低比重油状反応液と高比重水溶性反応液
を連続採取するには、複雑なパイプラインを必要とし、
その制御操作も複雑になる。また混合すると微細なエマ
ルジョンの発生があり、油状物質と水溶性物質との二相
分離が悪くなるため、これを防ぐために両者の分離と混
合を別々の反応槽で行うと、反応時間のほかに分離時間
も必要となり、効率的方法とは言いがたい。
中間部に静置槽と攪拌反応槽を交互に組み合わせて設
け、攪拌羽根により攪拌する方法(特開平1-98494号)
は、静置槽の体積に対して固定化酵素の存在する反応の
ための攪拌反応槽の体積が小さくなり、反応槽の規模が
大きくなる割に反応する場が小さく、装置効率の著しく
悪いものになる。したがって大量処理するためには大き
な反応槽が必要となる。この場合、単なる攪拌羽根によ
る攪拌であると、油状物質及び水溶性物質のうちの一方
の成分が他方の成分に微細液滴として分散したエマルジ
ョンが生成しやすい上に、油状物質/水溶性物質を分離
させることが困難(二相分離性が悪い)である。したが
って静置槽と攪拌反応槽を交互に設ける必要が生じる。
しかも固定化酵素中には気泡が付着していることが多
く、長時間運転しているとその酸素に付着していた気泡
が酵素から遊離し、攪拌反応槽の上部、即ち、仕切り板
の下部にたまってくる。これを除去しないと油状物質/
水溶性物質の二相分離の速度が著しく遅くなり、以後の
連続運転が不可能になる。また攪拌羽根で長時間攪拌し
ていると固定化酵素の摩耗が起こり、仕切り板より流出
するため、固定化酵素の漏失も生じる。また上端と下端
にメカニカルシールをした攪拌装置が必要となる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、従来法の緒欠点を改良すべく鋭意研究を重
ねた結果、本発明を完成したものである。
即ち本発明によれば、上端及び下端に静置槽を有し、中
間部に1個以上の反応槽を有するとともに、それら各槽
を固定化酵素を通過させない微小透孔を有する通液性の
仕切り板で仕切り、かつ該反応槽には固定化酵素を収容
させ、さらに該上端の静置槽にはその下部に高比重水溶
性原料液供給管及びその上部には低比重油状反応液排出
管を配設し、該下端の静置槽にはその下部に高比重水溶
性反応液排出管及びその上部にパルス発生機を連結した
低比重油状原料液供給管を配設することを特徴とする二
相系バイオリアクターが提供される。
以下、本発明の好ましいバイオリアクターの1つの実施
例について、第1図により説明する。図中、1は低比重
油状反応液排出管、2は上端の静置槽、3は高比重水溶
性原料液供給管、4は反応槽、5は仕切り板、6はパル
ス発生機、7は低比重油状原料液供給管、8は下端の静
置槽、9は高比重水溶性反応液排出管、10はエマルジョ
ン破壊装置、11はパルス発生機に接続する分枝管、12は
定量ポンプに接続する分枝管を示す。
上端の静置槽と下端の静置槽は望ましくは円錐状のもの
が用いられる。その理由は微細なエマルジョンが発生し
ても、低比重油状反応液排出管、あるいは高比重水溶性
反応液排出管9に達するまでに器壁にあたってエマルジ
ョン粒子の破壊がおこり、エマルジョンの二相分離をし
やすくするためである。エマルジョン破壊装置10を設け
ると、エマルジョンの二相分離が完全になるとともに、
反応液中に反応原料液がまき込まれることを防止でき
る。エマルジョン破壊装置は、従来よく知られている構
造のものを用いることができ、例えば、単にステレンレ
ススチールふるい板などでも良いが、望ましくは、グラ
スビーズ等を充填して、エマルジョンの破壊を完全にす
るのがよい。上端の静置槽2の上部には低比重油状反応
液排出管1、下部には高比重水溶性原料液供給管3が設
けられている。また下端の静置槽8の下部には高比重水
溶性反応液排出管9、上部には低比重油状原料液供給管
7が設けられている。静置槽の温度は50℃以上にするの
が、油状物質と水溶性物質との二相分離を行うのに適当
であり、50℃以上では雑菌汚染防止効果もあるので外套
管等により50℃以上の温度に設定できるようになってい
ることが望ましい。
本発明で中間部に設ける反応槽は、固定化酵素を存在さ
せた反応槽である。この攪拌はパルス流によって行われ
るが、角度付パドル羽根等を付属させてパルス流攪拌を
補助しても良い。反応槽も所定の温度に設定できるよう
にする。また静置槽2,8と反応槽4、あるいは反応槽4
相互を仕切る仕切り板5は通液性のもので、固定化酵素
が通過できにくい網目構造をもつステンレススチールの
ふるい板や多孔板等を用いることが望ましい。エマルジ
ョン粒子の破壊を完全にするために、ふるい板を重層し
たり、ガラスビーズなどを重層したふるい板を用いても
良い。
本発明においては、槽内の反応液の攪拌には、パルス発
生機が用いられる。パルス発生機は脈流送液ポンプをそ
のまま用いても良いし、送液ポンプの他にリアクター内
の流れに垂直あるいは往復運動を反復させるポンプを別
に取り付けても良い。パルス発生機は、高比重水溶性原
料液供給管にも取り付け可能であるが、低比重油状原料
液供給管に取り付けるのがよい。パルス流はポンプによ
り短時間に往復運動をさせるだけなので簡単に行える。
周期及び振幅はいずれの値も取りうるがあまりゆるやか
であると固定化酵素表面の反応物質の移動速度が遅くな
るため、外部拡散抵抗が生じたり、油状物質/水溶性物
質の二相分離が悪くなったりする。
本発明における低比重油状原料液は、固定化酵素反応の
基質となるもので、油脂、ワックス、リン脂質、各種の
エステル、グリセライド、脂肪酸等で、通常水に溶けに
くい物質で、その比重は水の比重より軽い。イソオクタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の非極性溶媒を添加した場合
は、それも低比重油状原料液成分として扱われる。また
高比重水溶性原料液には、水、グリセリン、グリセロリ
ン酸、アルコール等の水溶性物質またはその水溶液等の
その比重が1以上のものが挙げられる。
本発明に使用される酵素は、エステル結合に作用し、加
水分解、エステル合成あるいはエステル交換能を持つリ
パーゼ、ホスホリパーゼ、プロテアーゼ等である。酵素
の固定化法としては、担体結合法や包括固定化法等の酵
素の固定化法として知られているいずれの技術も採用し
得る。フェノール系樹脂に固定化した酵素等は摩耗しや
すいため流動床に用いられなかったが、本発明はパルス
流による攪拌であるため、このような樹脂に固定化した
酵素でも長時間の連続使用が可能である。
本発明の二相系バイオリアグターの運転例としては、低
比重油状原料液供給管7より油を供給し、高比重水溶性
原料液供給管3よりグリセリンを供給すると、低比重油
状反応液排出管1より脂肪酸やグリセライド、高比重水
溶性反応液排出管9よりグリセリン及び水が回収され
る。また、低比重油状原料液供給管7より高酸価油を供
給し、高比重水溶性原料液供給管3よりグリセリンを供
給すると、上端の低比重油状反応液排出管1よりトリグ
リセライドやモノグリセライドを含む混合物が得られ、
高比水溶性原料液排出管9より未反応のグリセリンと水
が得られる。各反応槽4内においては、その下部の仕切
板5を通って低比重油状原料液が槽内に流入しその上部
の仕切板5から高比重水溶性原料液が槽内に流入し、両
者はここでいったんパルス脈動による混合攪拌作用を受
けた後、再び二相に分離し、低比重油状原料液は上部仕
切板を通ってその上方の反応槽に流入し、一方、高比重
水溶性原料液は下部仕切板を通ってその下方の反応槽に
流入する。本発明においては、反応槽における攪拌混合
にパルス脈動を採用したことから、反応槽でいったん生
成した低比重油状原料液と高比重水溶性原料液との混合
物が二相に分離する速度が速く、従来技術に見られたよ
うな静置槽の使用は必然とされない。なお、未反応のグ
リセリンは減圧蒸留、モレキュラーシーブ、乾燥窒素等
で脱水されて、高比重水溶性原料液供給管より再び供給
される。
〔発明の作用〕
本発明は低比重油状原料液と高比重水溶性原料液からな
る二相をなす反応原料液を固定化酵素に反応させる反応
システムを提供する。反応槽においては、油状物質/水
溶性物質混合物の二相分離速度を速め、固定化酵素表面
での反応物質の移動速度を速めて外部拡散抵抗を減少さ
せるためには攪拌しなければならない。攪拌すると、一
方の液体中に他方の液体が微細に分散したエマルジョン
が発生する。このエマルジョンを再び連続相の2相液体
流にすることにより固定化酵素の内部拡散抵抗を減少さ
せる必要がある。本発明ではこのエマルジョンの連続相
化をパルス発生機と仕切り板のみにより行うとともに、
油状物質/水溶性物質混合物の二相分離をパルス脈動に
より促進させるものである。そのため中間部に攪拌反応
槽と静置槽を交互に配置する必要はなく、装置全体の構
造をコンパクトなものにすることができる。
また、本発明では、仕切り板の下部に蓄積する気泡除去
にはパルス攪拌を好ましく用いることができる。気泡除
去には気泡部に導管等を通す複雑な操作を必要とした
が、仕切り板に垂直方向の往復運動を与えるパルス流攪
拌をすることにより、仕切り板中の微小透孔を気泡が通
過しやすくなり、気泡除去の難点を克服することができ
る。
本発明で用いるパルス流攪拌は、垂直方向の往復運動を
与えるため、反応槽に存在する物質の混合作用を示すと
同時に、いったん形成された密度差のある油状物質/水
溶性物質混合物の二相分離作用を促進し、両者の分離速
度を速め、従来必要とされた静置槽の設置が省略され、
装置効率のよい二相系バイオリアクターを得ることがで
きる。
そのうえパルス攪拌装置は、メカニカルシールを必要と
するような複雑な装置は必要とせずに、低比重油状原料
液の送液ポンプ系統を調整することにより簡単になされ
るため、装備の簡素化を図ることができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例 第1図に示すような反応器を用意した。この場合、仕切
り板5は22ミクロンの網目を持つステンレススチールの
仕切り板で、エマルジョン破壊装置10は100ミクロンの
網目をもつステレンスチールの仕切り板である。図面に
は示していないが反応槽は外套管により囲まれていて温
度が一定に保たれるようになっている。上端と下端に円
錐状の静置槽2,8を設け、上端の静置槽2には高比重水
溶性原料液供給管3及び低比重油状反応液排出管1があ
り、下端の静置槽8には低比重油状原料液供給管7及び
高比重水溶性反応液排出管9がある。中間の5つの反応
槽4は各槽の直径が50mm、高さ30mmで、上下の静置槽ま
で含めた反応器内の全体積は346mlである。各反応槽4
には固定化酵素を乾燥重量で5gずつ加えた。固定化酵
素はノボ社が生産しているリポザイムである。この酵素
は糸状菌ムコール・ミーヘイにより生産されたリパーゼ
をフェノール系の多孔性陰イオン交換樹脂に固定化した
ものである。
低比重油状原料液供給管7には120℃の方向に三方に分
かれた分枝管を有する継手がその分枝管の1つを介して
つないであり、残りの一方の分枝管11はパルス発生機6
につながれ、残りの他方の分枝管12には定量ポンプが接
続されている。パルス発生機6は1分間に30回ずつ脈流
が流れるようになっている。1回の脈流の大きさは0〜1
5mlまで適当に制御できるようになっている。
最初パルス発生機6を動かさず、高比重水溶性反応液排
出管9を閉じて高比重水溶性原料液供給管3から脱水し
たグリセリンを、そして低比重油状原料液供給管7より
モデル高酸価油を供給し、反応器内にモデル高酸価油が
100ml入るように充填した。なお脱水したグリセリンの
水分含量は0.354%であった。モデル高酸価油は精製米糖
油とオレイン酸を1:1に配合したもので、その酸価は98.
0、ケン化価は197.0であった。エステル化度は100(ケ
ン化価−酸価)/ケン化価で計算し、モデル高酸価油で
は50.3である。このモデル高酸価油もモレキュラーシー
ブを入れて脱水し、オイルバス中に入れて60℃に保持し
ておいた。モデル高酸価油の水分含量は0.027%であっ
た。
反応器内にグリセリン及びモデル高酸価油が充填された
後、高比重水溶性反応液排出管9を開き、この排出管9
よりグリセリンを1ml/時間の速度で排出させるととも
に、高比重水溶性原料液供給管3より1ml/時間の速度
で脱水したグリセリンを供給した。一方、低比重油状原
料液供給管7よりモデル高酸価油をパルス発生機を動か
しながら3ml/時間で供給すると、低比重油状反応液排
出管1よりほぼ同じ速度で低酸価になった生産物が回収
された。なお反応器は外套管に60℃の流動パラフィンを
流して一定温度に保持した。
反応後107.5時間以降はほぼ一定のエステル化度を示し
た。反応後156時間までの連続反応経過は第1表のごと
くであった。
156時間以降攪拌を強くして433.5時間まで連続運転
した。その反応経過を第2表に示した。262.5時間頃か
らエステル化度が低下しているのは、固定化酵素の失活
によるものと思われる。第1表と比較してエステル化度
が上昇しているのは攪拌を強くしたため外部拡散抵抗が
減少したことによるものと考えられる。
次にモデル高酸価油の供給速度を1ml/時間に落とし、
他の条件は第2表と同じ状態で724.5時間まで連続反応
を行った。その結果を第3表に示す。
エステル化度が再び上昇しているのは原料液の供給速度
を減少させたからである。以上のごとく本リアクターに
よれば、物理的強度の弱いフェノール系のイオン交換樹
脂を用いても長時間安定的に反応が行え、連続反応とと
もに、低比重油状反応液と高比重水溶性反応液の連続分
別採取が可能であることが解った。
〔発明の効果〕
本発明は低比重油状原料液と高比重油状原料液の二相か
らなる反応系に固定化酵素を反応させる効率的な反応シ
ステムを提供する。二相系反応は油脂分解、グリセライ
ド合成等油化学工業、医薬品工業、食品工業全般に広く
実施されている反応である。しかも常温常圧で反応で
き、生産物の変性もなく環境への破壊も少ない酵素反応
であるので、人と環境にとって問題のないバイオインダ
ストリーの生産プロセスとして今後大いに利用されるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の二相系バイオリアクターの説明断面
図である。 1.低比重油状反応液排出管 2.上端の静置槽 3.高比重水溶性原料液供給管 4.反応槽 5.仕切り板 6.パルス発生機 7.低比重油状原料液供給管 8.下端の静置槽 9.高比重水溶性反応液排出管 10.エマルジョン破壊装置 11.パルス発生機に接続する分枝管 12.定量ポンプに接続する分枝管
フロントページの続き (72)発明者 村瀬 博宣 岐阜県関市新迫間12番 シーシーアイ株式 会社技術研究所内 審査官 佐藤 雪枝 (56)参考文献 特開 平1−98494(JP,A) 特開 昭59−160530(JP,A) 特開 平1−71994(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上端及び下端に静置槽を有し、中間部に1
    個以上の反応槽を有するとともに、それら各槽を固定化
    酵素を通過させない微小透孔を有する通液性の仕切り板
    で仕切り、かつ該反応槽には固定化酵素を収容させ、さ
    らに該上端の静置槽にはその下部に高比重水溶性原料液
    供給管及びその上部に低比重油状反応液排出管を配設
    し、該下端の静置槽にはその下部に高比重水溶性反応液
    排出管及びその上部にパルス発生機を連結させた低比重
    油状原料液供給管を配設したことを特徴とする二相系バ
    イオリアクター。
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JPS6471994A (en) * 1987-09-11 1989-03-16 Gos Sojuz Z Mek Khim Ochistke Hydraulic pulse generator
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